JP2012080608A - 回転電機のロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータ回転時の遠心力にかかわらず、永久磁石の磁石収容空間からの飛び出しを抑制することが可能な構造を有する回転電機のロータを提供する。
【解決手段】永久磁石5が収容される磁石収容空間6と、磁極面延在方向に沿ったコア径方向外側である磁極面延在方向外側の端部に磁石収容空間と連続して形成された磁石外側端空隙61とが備えられ、磁石収容空間は永久磁石におけるコア径方向外側を向く磁極面である外側磁極面に平行な外側磁極平行壁面53を備え、磁石外側端空隙は外側磁極平行壁面から連続して延びる空隙外側壁面63を備えると共に、磁石外側端空隙と磁石収容空間との境界部に、磁極面延在方向に直交する方向で外側磁極面よりも内側磁極面側へ突出する磁石押え突部9を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、円筒状のコア外周面を有するロータコアと、当該ロータコアの内部に埋め込まれる複数の永久磁石とを備えるインナーロータ型の回転電機のロータに関する。
ロータ内部に永久磁石を埋め込んだ埋込磁石同期モータ(IPMSM)のトルクは、マグネットトルクとリラクタンストルクとを足し合わせたものとなり、リラクタンストルクはq軸インダクタンスとd軸インダクタンスとの差に比例し、マグネットトルクは埋設永久磁石によるステータ鎖交磁束に比例することが知られている。なお、ここで、d軸とはロータ磁極の方向に設定された軸であり、通常、N極の向きに設定される。また、q軸とは、d軸に対して電気角で90°進んだ方向に設定された軸であり、この種のロータでは隣接する2つのロータ磁極間、すなわちロータのN極とS極との間を通るように設定された軸である。従って、本明細書では、「d軸」と「ロータ磁極中心」とは同義として使用し、「q軸」と「ロータ磁極間」の中心とは同義として使用している。
ロータ磁極間(q軸)の両側でコア周方向に隣接する2つの前記永久磁石がコア径方向内側へ向うに従って互いの間隔が広くなるV字状に沿って永久磁石を埋め込んだ埋込磁石同期モータが特許文献1から知られている。このロータでは、複数の磁石収容空間が回転軸の周りに環状に配置され、各磁石収容空間には2つの永久磁石が挿入され、当該永久磁石の外周面側部分がロータコアの磁極となるように構成されている。また永久磁石の漏れ磁束を低減させるために、磁石収容空間の周方向の端部には磁石端空隙が形成されている。その際、磁石収容空間と磁石端空隙とが連続した構造となっていることから、磁石収容空間に挿入された永久磁石が磁石端空隙の方に移動しないように、磁石収容空間と磁石端空隙との境界におけるコア径方向内側部位に磁石端空隙に突き出した突起部が形成されている。
この種の埋込磁石同期モータでは、永久磁石はロータの外周面近傍に配置されることから、磁石収容空間と磁石端空隙とによって境界付けられている、ロータコアにおける永久磁石よりコア径方向外側の部分であるコア外周セグメントは、実質的に磁石端空隙周辺の幅狭のブリッジによって連結されているだけとなる。このため、ロータ回転時の遠心力に対するコア外周セグメント及び永久磁石の径方向の支持は、磁石端空隙周辺のブリッジのみにより行われることになり、高い支持剛性を得ることができない。従って、ロータが高速回転するような適用例では、その遠心力によりブリッジが変形して永久磁石及びコア外周セグメントがコア径方向外周側に移動した結果、永久磁石の端部が突起部を乗り越え、磁石収容空間から飛び出してしまう可能性がある。さらに、このような問題は、コア周方向に隣接する2つの永久磁石のコア径方向外周側に接する磁石端空隙がつながっている場合、つまりq軸に沿ってコア径方向に沿って延びた磁極間ブリッジが形成されていない場合、コア外周セグメントの支持剛性がさらに弱くなるので、さらに深刻となる。
特開2009−273258号公報(段落番号0023−0032、図1)
上記実情に鑑み、ロータ回転時の遠心力にかかわらず、永久磁石の磁石収容空間からの飛び出しを抑制することが可能な構造を有する回転電機のロータが要望されている。
本発明に係る、円筒状のコア外周面を有するロータコアと、当該ロータコアの内部に埋め込まれる複数の永久磁石と、を備えるインナーロータ型の回転電機のロータの特徴構成は、前記永久磁石は、コア周方向に対して傾斜して交差する方向に設定された磁極面延在方向に磁極面が沿うように配置され、前記ロータコアは、前記永久磁石が収容される磁石収容空間と、当該磁石収容空間における前記磁極面延在方向に沿ったコア径方向外側である磁極面延在方向外側の端部に、当該磁石収容空間と連続して形成された磁石外側端空隙とを備え、前記磁石収容空間は、前記永久磁石におけるコア径方向外側を向く磁極面である外側磁極面に平行な外側磁極平行壁面を備え、前記永久磁石は、前記外側磁極面とは反対側に内側磁極面を備え、前記磁石外側端空隙は、前記外側磁極平行壁面から連続して延びる空隙外側壁面を備えると共に、当該空隙外側壁面における前記磁石外側端空隙と前記磁石収容空間との境界部に、前記磁極面延在方向に直交する方向で前記外側磁極面よりも前記内側磁極面側へ突出する磁石押え突部を備えている点にある。
なお、本願において「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。また、本願において「コア径方向」とはロータコアの径方向のことであり、「コア周方向」とはロータコアの周方向のことでである。
この特徴構成によれば、磁石収容空間に収容された永久磁石は、その外側磁極面の磁極面延在方向外側の端部が磁石収容空間の外側磁極平行壁と磁石外側端空隙の磁石押え突部とによって保持される。そして、永久磁石と、ロータコアにおける永久磁石よりコア径方向外側の部分であるコア外周セグメントとが、ロータの回転によって生じる遠心力によりコア径方向外側に変形或いは変位した場合にも、磁石押え突部がコア外周セグメントと同様にコア径方向外側に変位する。その結果、ロータ回転時の遠心力によっても外側磁極平行壁と磁石押え突部とによる永久磁石の保持機能が実質的に変化せず、永久磁石が磁石収容空間から飛び出すことが抑制される。さらに、そのような永久磁石の保持効果はロータコアの回転が高速化して遠心力が大きくなっても、実質的には低減しない。
ここで、前記磁石収容空間は、前記内側磁極面に平行な内側磁極平行壁面を備え、前記磁石外側端空隙は、前記内側磁極平行壁面から連続して延びる空隙内側壁面を備え、前記空隙内側壁面は、前記磁石外側端空隙と前記磁石収容空間との境界部に、前記磁極面延在方向に直交する方向で前記内側磁極面よりも前記外側磁極面側へ突出する突部を備えない平坦面とされていると好適である。
この構成によれば、磁石収容空間と磁石外側端空隙の境界部において、空隙外側壁面から突出している磁石押え突部に対向する側の空隙内側壁面が平坦面として形成され、外側磁極面側へ突出する突部が存在しない。従って、磁石外側端空隙における磁石収容空間との境界部において磁極面延在方向に直交する方向に向き合う空隙外側壁面と空隙内側壁面との間隔は、磁石押え突部だけによって狭められるだけとなる。従って、磁石外側端空隙が磁束バリアとして機能するために必要な空隙外側壁面と空隙内側壁面との間隔を確保することが容易となる。
また、上記のような本願発明の各構成は、コア周方向に隣接する2つの前記永久磁石の一方に接する前記磁石外側端空隙と他方に接する前記磁石外側端空隙とが一体的に形成されている場合に特に有効である。
この構成によれば、コア周方向に隣接する磁石外側端空隙同士の間に、いわゆるq軸ブリッジが形成されないので、ステータからのq軸磁束に対する磁気抵抗を高めることができる。その結果、ロータにおいて発生する磁石渦電流損を低減できる効果をもたらす。このようにq軸ブリッジを排除した構造は、磁石収容空間と磁石外側端空隙とによって境界付けられている前記コア外周セグメントの支持剛性を確保することが難しく、ロータ回転時の遠心力により変形或いは変位しやすくなる。その結果、遠心力により外側磁極平行壁と磁石押え突部とがコア径方向外側に変形或いは変位しやすくなるが、上述したような外側磁極平行壁と磁石押え突部とによる永久磁石の保持機能により永久磁石が磁石収容空間から飛び出すことが抑制される。
本発明の実施形態に係るロータを構成要素とする回転電機1の一部を示すの軸方向分断面図である。 本発明の実施形態に係る回転電機のロータとステータとを示す径方向断面図である。 磁石収容空間の一部と磁石端空隙とを示す図2の拡大図で、(a)は永久磁石が磁石収容空間に収容された状態を示し、(b)は永久磁石が磁石収容空間に収容されていない状態を示す。 本発明の別実施形態における図2に対応する径方向断面図である。 本発明の別実施形態における図3に対応する拡大図である 本発明のさらに別な実施形態における磁石収容空間の一部と磁石端空隙とを示す拡大図である。
本発明の実施形態に係る回転電機のロータについて図面を用いて説明する。図1は回転電機1の一部を示す軸方向分断面図である。図2は回転電機1のロータ3とステータ2とを示す径方向断面図である。この回転電機1のロータはインナーロータ型であり、円筒状のコア外周面を有するロータコア4と、当該ロータコア4の内部に埋め込まれる複数の永久磁石5とを備えている。以下、さらに詳しく説明する。
図1に示すように、この回転電機1は回転軸心Xを有する、埋込磁石構造の同期電動機(IPMSM)として構成されている。回転電機1はインナーロータ型であり、ケース本体10と当該ケース本体10の開口部を覆うカバー11とで形成される空間内に、ステータ2とロータ3とが収納され、ステータ2はケース本体10に固定されている。ロータ3は、略円筒状のロータコア4と、このロータコア4の軸方向両端側に取り付けられるエンドプレート31と、ロータ軸30とを備えている。ロータ軸30は一方をケース本体10に、他方をカバー11に、回転軸心X周りで回転可能に支持されている。ロータ軸30は、ロータコア4及びエンドプレート31をフランジと締結ボルト32を用いて固定し、ロータコア4及びエンドプレート31と一体回転する。ロータコア4は、薄板電磁鋼板などから打ち抜き加工等によって略円環板状に成形されたコア形成用打抜プレート(以下単にロータプレートと略称する)40を多数枚軸方向に積層することにより略円筒形状に構成されたものである。
以下、特に断らない限り、「コア軸方向」、「コア径方向」、「コア周方向」というときは、ロータコア4の回転軸心Xについての「軸方向」、「径方向」、「周方向」を指すものとする。
ステータ2は、図2から理解できるように、ステータコア20とステータコイル25とを有している。ステータコア20は、内周面側に周方向に一定間隔で複数のティース21を形成しており、そのティース21の間に溝状のスロット22を作り出している。ステータコイル25は、これら複数のスロット22内に巻装される。本実施形態では、ステータコア20は、複数枚の電磁鋼板を積層して構成されており、略円筒状に形成されている。
ロータ3には、図2において断面形状が示されているだけであるが、同じ形状寸法を有する第1の永久磁石51と第2の永久磁石52とが対となって1つのロータ磁極を構成しており、それが円周方向に所定ピッチで埋め込まれている。ここで、第1の永久磁石51及び第2の永久磁石52のそれぞれは、コア周方向に対して傾斜して交差する方向に設定された磁極面延在方向Yに磁極面が沿うように配置されている。なお、コア周方向に対して傾斜して交差する方向とは、コア周方向に平行な方向及びコア径方向の双方に交差する全ての方向を含む。具体的には、コア周方向に平行な方向を基準の0°方向、コア径方向をコア周方向に対して90°の方向とした場合において、コア周方向に対して0°より大きく90°より小さい角度をなす方向が、コア周方向に対して傾斜して交差する方向に含まれる。本実施形態では、各ロータ磁極を構成する第1の永久磁石51と第2の永久磁石52との対はd軸Dを挟んで径方向外側へ向かうに従って互いの間隔が広くなるV字状を形成するように配置されている。言い換えると、1つのロータ磁極を構成する第1の永久磁石51の径方向外側の端部と、このロータ磁極に隣接する他のロータ磁極を構成する第2の永久磁石52の径方向外側の端部とがq軸を挟んで近接しているとともに、これらの第1の永久磁石51と第2の永久磁石52とがロータコア4の径方向内側へ向うに従って互いの間隔が広くなるV字状に沿って配置されている。本例では、図2から明らかなように、d軸Dを挟んで配置される各ロータ磁極を構成する第1の永久磁石51と第2の永久磁石52との対がなす角度は、q軸Qを挟んで配置される第1の永久磁石51と第2の永久磁石52とがなす角度より大きくなっている。
なお、以下では、一つのロータ磁極を構成する第1の永久磁石51と第2の永久磁石52との対を磁極磁石対と呼称する。なお、特に区別する必要がない場合には、第1の永久磁石51と第2の永久磁石52のそれぞれを単に永久磁石5と呼ぶこともある。
ロータコア4の外周部をロータ磁極として機能させるために、各ロータ磁極を構成する2つの永久磁石5の磁極面は、互いに同じ磁極(N極又はS極)を径方向外側に向けて配置されている。すなわち、各ロータ磁極を構成する、第1の永久磁石51と第2の永久磁石52とが同じ極性の磁極面をステータ2に向けて配置されている。第1の永久磁石51と第2の永久磁石52とからなる磁極磁石対は、ステータ2の方を向いた磁極面が周方向に沿って順次極性を変えるように(N極・S極・N極・・・)配設されている。従って、
1つのロータ磁極を構成する磁極磁石対とこれに隣接するロータ磁極を構成する磁極磁性対の間であるロータ磁極間の中央を径方向に向かって延びる線に沿ってq軸Qが定義される。また、各ロータ磁極を構成する磁極磁石対の中央(各ロータ磁極を構成する第1の永久磁石51と第2の永久磁石52との間の中央)を径方向に向かって延びる線に沿ってd軸D、すなわちロータ磁極中心が定義される。
ロータコア4は、その径方向中心部に、ロータ軸30を貫通させる中心孔41と、前記中心孔41と永久磁石5との間の領域に締結ボルト32を貫通させるために周方向に分布した複数の貫通孔42とを有している。永久磁石5を上述したような配置パターンでロータコア4に埋め込むために、径方向外側部分に磁石収容空間6が形成されている。磁石収容空間6には、永久磁石5(正確には第1の永久磁石51と第2の永久磁石52)が実質的にぴったりと挿入されるので、永久磁石5に配置に関して上述したことが全て、磁石収容空間6に対しても当て嵌まる。従って、磁石収容空間6も永久磁石5と同様に、周方向に沿って繰り返されるV字状パターンで配置されている。
図3は磁石収容空間6の一部と磁石端空隙60とを示す拡大図であり、図3の(a)は磁石収容空間6に永久磁石5が収容された状態を示しており、図3の(b)は磁石収容空間6に永久磁石5が収容されていない状態を示している。図3から明らかなように、ロータコア4には、磁石収容空間6における磁極面延在方向Yに沿ったコア径方向外側である磁極面延在方向外側の端部に、当該磁石収容空間6と連続して形成された磁石外側端空隙61が形成されている。さらに、図2に示すように、磁石収容空間6における磁極面延在方向Yに沿ったコア径方向内側である磁極面延在方向内側の端部に、当該磁石収容空間6と連続して形成された磁石内側端空隙62が形成されている。この磁石外側端空隙61と磁石内側端空隙62とは単に磁石端空隙60と総称される。つまり、磁石端空隙60は、磁石収容空間6に収容された永久磁石5の延在方向の端部から少なくともコア周方向に、ここでは永久磁石5の延在方向(長手方向)でもある磁極面延在方向Yに沿って、磁石収容空間6から連続して形成されている。
また、図3に示すように、永久磁石5は、コア径方向外側を向く磁極面である外側磁極面53と、当該外側磁極面53とは反対側の内側磁極面54を備えている。この外側磁極面53と内側磁極面54に対応すべく、磁石収容空間6には、外側磁極面53に平行な外側磁極平行壁面6aと、内側磁極面54に平行な内側磁極平行壁面6bとが形成されている。ここでは、外側磁極平行壁面6aが外側磁極面53に対してほとんど隙間無く接し、内側磁極平行壁面6bが内側磁極面54に対してほとんど隙間無く接するように形成されている。
磁石外側端空隙61は、外側磁極平行壁面6aから連続して延びる空隙外側壁面63を備えている。そして、この空隙外側壁面63における磁石外側端空隙61と磁石収容空間6との境界部に、磁極面延在方向Yに直交する方向で外側磁極面53よりも内側磁極面54側へ突出する磁石押え突部9が形成されている。本実施形態では、磁石押え突部9は、外側磁極平行壁面6aから内側磁極平行壁面6bへ向って突出する三角形状断面の突出部とされている。この磁石押え突部9は、磁石収容空間6に収容された永久磁石5の磁極面延在方向外側の端面に平行な押え面9aを備えるように形成されている。この磁石押え突部9は、磁石収容空間6に収容された永久磁石5の磁極面延在方向外側の端面に接触可能に設けられているので、永久磁石5が遠心力等によって磁極面延在方向Yに沿ってコア径方向外側へ移動し、磁石収容空間6から離脱することを抑制する。
また、磁石外側端空隙61は、内側磁極平行壁面6bから連続して延びる空隙内側壁面65を備えている。この空隙内側壁面65は内側磁極平行壁面6bからの移行領域(境界部)が滑らかに形成されている。つまり、空隙内側壁面65は、磁石外側端空隙61と磁石収容空間6との境界部に、磁極面延在方向Yに直交する方向で内側磁極面54よりも外側磁極面53側へ突出する突部を備えない平坦面とされている。空隙外側壁面63から磁石外側端空隙61の内部へ突出する磁石押え突部9の存在によって、磁石収容空間6から磁石外側端空隙61への移行領域(境界部)の断面積はその分縮小する。しかし、空隙内側壁面65から磁石外側端空隙61の内部へ突出する突部は存在しないので、このような移行領域(境界部)の断面積の縮小は限定的なものとなる。従って、磁石外側端空隙61が磁束バリアとして機能するために必要な空間の大きさを確保することができる。
なお本実施形態では、図2に示すように、磁石内側端空隙62も、基本的に磁石外側端空隙61と同様の構成を備えている。すなわち、磁石内側端空隙62は、外側磁極平行壁面6aから連続して延びる空隙外側壁面を備えている。そして、この空隙外側壁面における磁石内側端空隙62と磁石収容空間6との境界部に、磁極面延在方向Yに直交する方向で外側磁極面53よりも内側磁極面54側へ突出する磁石押え突部91が形成されている。また、磁石外側端空隙61は、内側磁極平行壁面6bから連続して延びる空隙内側壁面を備えている。そして、この空隙内側壁面は、磁石内側端空隙62と磁石収容空間6との境界部に、磁極面延在方向Yに直交する方向で内側磁極面54よりも外側磁極面53側へ突出する突部を備えない平坦面とされている。
磁極間ブリッジ81は、ロータ磁極間でコア周方向に隣接する2つの永久磁石5の間に設けられ、コア外周面からコア径方向内側へ延びている。本願実施形態では、ロータコア4の周方向に隣接する2つの磁石外側端空隙61の間に、詳しくは、一方の磁石外側端空隙61の空隙内側壁面65と他方の磁石外側端空隙61の空隙内側壁面65との間にロータコア4の外周面からコア径方向内側へ延びる磁極間ブリッジ81が形成されている。すなわち、磁極間ブリッジ81は、ロータコア4の外周面と、ロータコア4における永久磁石5よりもコア径方向内側の領域とをつなぐ橋状に形成されている。
また、ロータ磁極中心(d軸)を挟んでコア周方向に隣接する2つの永久磁石5の間にも、コア径方向に延びるd軸ブリッジ82が設けられている。本願実施形態では、ロータコア4の周方向に隣接する2つの磁石内側端空隙62の間に、コア外周セグメント8からコア径方向内側へ延びるd軸ブリッジ88が形成されている。すなわち、d軸ブリッジ82は、コア外周セグメント8内の領域と、ロータコア4における永久磁石5よりもコア径方向内側の領域とをつなぐ橋状に形成されている。
図2から明らかなように、第1の永久磁石51及び第2の永久磁石52よりコア径方向外側に位置するロータコア4の外周部分としてコア外周セグメント8が存在する。このコア外周セグメント8は、第1の永久磁石51及び第2の永久磁石52のそれぞれのための磁石収容空間6と磁石外側端空隙61と磁石内側端空隙62とによって、ロータコア4におけるそれらよりコア径方向内側の部分であるコア中心セグメントと区画された外周側区画部分である。そのため、本実施形態では、コア外周セグメント8は、1つのd軸ブリッジ82と2つのq軸ブリッジ81とによってコア中心セグメントと連結されているだけである。従って、ロータ3が回転することでコア外周セグメント8及び永久磁石5に遠心力が作用すると、d軸ブリッジ82及びq軸ブリッジ81が変形してコア外周セグメント8及び永久磁石5がコア径方向外周側に変位しようとする。
しかし、上記のとおり、磁石押え突部9は、磁石外側端空隙61の空隙外側壁面63に形成されているため、遠心力が作用してコア外周セグメント8及び永久磁石5がコア径方向外周側に変位した場合にも、磁石押え突部9がコア外周セグメント8と一体的にコア径方向外周側に変位する。このため、本実施形態の構成によれば、遠心力が作用してコア外周セグメント8及び永久磁石5がコア径方向外周側に変位した場合にも、磁石押え突部9と永久磁石5との相対位置関係はほとんど変化せず、当該磁石押え突部9による永久磁石5の保持機能は実質的に損なわれない。従って、ロータ3の回転時の遠心力にかかわらず、永久磁石5の磁石収容空間6からの飛び出しを抑制することができる。
〔別実施形態〕、
(1)図4と図5には、別実施形態として、コア周方向に隣接する2つの永久磁石5の一方(第1の永久磁石51)に接する磁石外側端空隙61と他方(第2の永久磁石52)に接する磁石外側端空隙61とが一体的に形成されているロータ3の具体例が示されている。つまり、この例では、第1の永久磁石51に対応する磁石外側端空隙61の空隙外側壁面63と第2の永久磁石52に対応する磁石外側端空隙61の空隙外側壁面63とが接続され、連続的に移行している。同様に、第1の永久磁石51に対応する磁石外側端空隙61の空隙内側壁面65と第2の永久磁石52に対応する磁石外側端空隙61の空隙内側壁面65とが接続され、連続的に移行している。つまり、先の実施形態に比べて、q軸ブリッジ81が存在していないので、コア外周セグメント8及び永久磁石5は遠心力によりコア径方向外側に変位し易くなる。しかし、ここでも、磁石押え突部9がコア外周セグメント8と一体的にコア径方向外周側に変位することで、永久磁石5と磁石押え突部9とのの相対位置関係が維持され、当該磁石押え突部9による永久磁石5の保持機能は実質的に損なわれない。
(2)本発明は、上述したような、永久磁石5のV字状配置に限定されるわけではない。例えば、図6には、永久磁石5の配置パターンが上述したV字状ではなく、下辺付きV字状あるいはC字状であるものが示されている。この別実施形態でも、磁石外側端空隙61は、外側磁極平行壁面6aから連続して延びる空隙外側壁面63を備えている。そして、この空隙外側壁面63における磁石外側端空隙61と磁石収容空間6との境界部に、磁極面延在方向Yに直交する方向で外側磁極面53よりも内側磁極面54側へ突出する磁石押え突部9が形成されている。
(3)磁石押え突部9の形状は、永久磁石5を押さえ込むことができる形状である限り、本発明では限定されていない。図示した形状以外に改変可能である。例えば、四角形、半円形、楕円形なども使用可能である。
(4)ロータコア4が電磁鋼板の積層でなく、磁性粉体を加圧成形してなる圧粉磁心など、他の材料を用いてロータコア4を構成してもよい。
(5)磁石外側端空隙61の形状は、上述した形態以外に改変可能である。例えば、台形、ひし形、円形、楕円形などとすることも可能である。
(6)上記の実施形態では、各永久磁石5の磁極面53、54が磁極面延在方向Yに平行とされている場合を例として説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、永久磁石5の磁極面が円弧状などの曲面となるように形成されていてもよい。このような場合にも、永久磁石5の磁極面が全体として見て、磁極面延在方向Yに沿うように配置されていればよい。
(7)上記の実施形態では、磁石外側端空隙61の空隙内側壁面65が、突部を備えない平坦面とされている場合を例として説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、磁石外側端空隙61の空隙内側壁面65が、空隙外側壁面63と同様に、磁石外側端空隙61と磁石収容空間6との境界部に、磁極面延在方向Yに直交する方向で内側磁極面54よりも外側磁極面53側へ突出する磁石押え突部が形成されている構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
本発明による回転電機のロータは、電気自動車やハイブリッド自動車などの車両搭載回転電機だけでなく、種々の目的で利用されている回転電機のロータに適用可能である。
2:ステータ
3:ロータ
4:ロータコア
40:ロータプレート
5:永久磁石
51:第1の永久磁石(永久磁石)
52:第2の永久磁石(永久磁石)
53:外側磁極面
54:内側磁極面
6:磁石収容空間
6a:外側磁極平行壁面
6b:内側磁極平行壁面
60:磁石端空隙
61:磁石外側端空隙
62:磁石内側端空隙
63:空隙外側壁面
65:空隙内側壁面
9:磁石押え突部

Claims (3)

  1. 円筒状のコア外周面を有するロータコアと、当該ロータコアの内部に埋め込まれる複数の永久磁石と、を備えるインナーロータ型の回転電機のロータであって、
    前記永久磁石は、コア周方向に対して傾斜して交差する方向に設定された磁極面延在方向に磁極面が沿うように配置され、
    前記ロータコアは、前記永久磁石が収容される磁石収容空間と、当該磁石収容空間における前記磁極面延在方向に沿ったコア径方向外側である磁極面延在方向外側の端部に、当該磁石収容空間と連続して形成された磁石外側端空隙と、を備え、
    前記磁石収容空間は、前記永久磁石におけるコア径方向外側を向く磁極面である外側磁極面に平行な外側磁極平行壁面を備え、
    前記永久磁石は、前記外側磁極面とは反対側に内側磁極面を備え、
    前記磁石外側端空隙は、前記外側磁極平行壁面から連続して延びる空隙外側壁面を備えると共に、当該空隙外側壁面における前記磁石外側端空隙と前記磁石収容空間との境界部に、前記磁極面延在方向に直交する方向で前記外側磁極面よりも前記内側磁極面側へ突出する磁石押え突部を備えている回転電機のロータ。
  2. 前記磁石収容空間は、前記内側磁極面に平行な内側磁極平行壁面を備え、
    前記磁石外側端空隙は、前記内側磁極平行壁面から連続して延びる空隙内側壁面を備え、
    前記空隙内側壁面は、前記磁石外側端空隙と前記磁石収容空間との境界部に、前記磁極面延在方向に直交する方向で前記内側磁極面よりも前記外側磁極面側へ突出する突部を備えない平坦面とされている請求項1に記載の回転電機のロータ。
  3. コア周方向に隣接する2つの前記永久磁石の一方に接する前記磁石外側端空隙と他方に接する前記磁石外側端空隙とが一体的に形成されている請求項1又は2に記載の回転電機のロータ。
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