JP2015171163A - ロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】発生するリラクタンストルクの低下を防ぎつつ良好なマグネットトルクを得る。
【解決手段】ロータコア(31)には、周方向に並んだ複数の磁石用スロット(32)と、基孔(35)及び凸孔(36)からなる空隙(34)とが形成されている。基孔(35)は、磁石用スロット(32)の周方向の両端部からロータコア(31)の外周側に延びている。凸孔(36)は、軸方向視において、1の磁石用スロット(32)の両端部における基孔(35)同士の対向する周縁部分(35a,35a)の少なくとも一方からロータコア(31)の周方向に突出し、基孔(35)の外周側先端部(35b)よりも磁石用スロット(32)側に位置する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ロータの構造に関するものである。
埋込磁石構造の同期モータ(IPMSM:Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)は、ステータとロータとを備える。例えば特許文献1に開示されているように、ロータは、周方向に等間隔に磁石埋込用孔が設けられたロータコアと、磁石埋込用孔に埋め込まれた永久磁石とを有する。ステータは、複数箇所にコイルが巻かれたステータコアを有する。これにより、コイルに流れる電流によって形成される回転磁界に応じて、ロータとステータとが反発及び吸引を繰り返し、ロータはステータに対して回転する。
特開平11−98731号公報
上記特許文献1に係るロータコアには、磁石埋込用孔の周方向の両端部それぞれからロータコアの外周面側に延びつつ且つロータコアの外周に沿うようにして、磁束短絡防止孔が設けられている。磁束短絡防止孔により、マグネットトルクに寄与する磁石磁束は、永久磁石からロータコアの外周面側へと集中して流れる。また、磁束短絡防止孔により、リラクタンストルクに寄与する巻線によるd軸磁束の流れが制限される。
しかしながら、同じくリラクタンストルクに寄与する巻線によるq軸磁束は、ロータコアの外周面側からロータコア内部に流入する。磁束短絡防止孔は、ロータコア内のq軸磁束の磁路のうち特にロータコアへの流入部分に位置していることから、q軸磁束のロータコアへの流入を妨害する。すると、q軸磁束は減少し、q軸インダクタンスとd軸インダクタンスとの差に基づき生じるリラクタンストルクは、結果として減少してしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、発生するリラクタンストルクの低下を防ぎつつも良好なマグネットトルクを得ることである。
第1の発明は、複数の磁石埋込用孔(32)が周方向に並んで形成されたロータコア(31)と、上記磁石埋込用孔(32)それぞれに埋め込まれた永久磁石(39)と、を備え、上記ロータコア(31)には、上記磁石埋込用孔(32)の周方向の両端部から上記ロータコア(31)の外周側に延びる基孔(35)と、軸方向視において、上記磁石埋込用孔(32)の両端部に設けられた上記基孔(35)同士の対向する周縁部分(35a,35a)の少なくとも一方側から上記ロータコア(31)の周方向に突出した凸孔(36)と、からなる空隙(34)が更に形成され、上記凸孔(36)は、上記基孔(35)の外周側先端部(35b)よりも上記磁石埋込用孔(32)側に位置していることを特徴とする。
ロータコア(31)には、磁石埋込用孔(32)と、該孔(32)の両端からロータコア(31)の外周部に延びる基孔(35)とが形成されている。即ち、軸方向から見ると、磁石埋込用孔(32)及び基孔(35)は、ロータコア(31)の内周側に突出した形状となっている。そして、ロータコア(31)には、基孔(35)と共に空隙(34)を構成する部分として、凸孔(36)が更に形成されている。凸孔(36)は、磁石埋込用孔(32)の両端部における基孔(35)同士の対向する周縁部分(35a,35a)側から、ロータコア(31)の周方向に突出した形状となっている。しかも、凸孔(36)は、基孔(35)の外周側先端部(35b)よりも磁石埋込用孔(32)側、つまりは永久磁石(39)側に位置している。
このように、凸孔(36)は、巻線によるq軸磁束Φqがロータコア(31)内部に流入する部分には位置していないため、q軸磁束Φqを低下させることはない。更に、凸孔(36)は、基孔(35)同士の対向する周縁部分(35a,35a)からロータコア(31)の周方向に突出した形状となっているため、巻線によるd軸磁束Φdの流れを制限すると共に、磁石磁束Φmを永久磁石(39)からロータコア(31)の外周側へと集中して流すことができる。従って、磁石磁束Φmに基づき発生するマグネットトルクは良好であると共に、q軸磁束Φq及びd軸磁束Φdの各インダクタンスに基づき発生するリラクタンストルクの低下を防ぐことができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記ロータコア(31)には、上記基孔(35)と連続して上記凸孔(36)が形成されていることを特徴とする。
ここでは、凸孔(36)と基孔(35)とが繋がるようにして、ロータコア(31)に形成されている。従って、磁石磁束Φmの一部分が当該磁石磁束Φmの流れから剥離され空隙(34)を貫通してしまう、所謂短絡磁束漏れの発生を、低減することができる。また、基孔(35)及び凸孔(36)が連続しているため、ロータ(30)の製造時、ロータコア(31)への基孔(35)及び凸孔(36)の形成が簡単になる。
第3の発明は、第1の発明において、上記ロータコア(31)は、上記周縁部分(35a,35a)と該周縁部分(35a,35a)に対応する上記凸孔(36)の基孔側周縁部分(36c)とを連結する連結部(31b)、を有することを特徴とする。
凸孔(36)が大きい程、ロータ(30)の回転に伴う遠心力の作用によって、凸孔(36)はロータコア(31)の外周方向へと拡がり易くなってしまう。すると、基孔(35)の外周側先端部(35b)とロータコア(31)の外周面との間のロータコア(31)の部分(31a)も、ロータコア(31)の外周方向へと拡がる虞がある。これに対し、第3の発明では、基孔(35)と凸孔(36)との間が、ロータコア(31)の連結部(31b)によって仕切られている。これにより、遠心力による凸孔(36)の変形が抑えられるため、ロータコア(31)の上記部分(31a)の変形を抑えることができる。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明において、上記凸孔(36)は、軸方向視において半円形状であることを特徴とする。
ここでは、軸方向視における凸孔(36)の形状が、角部のない半円形状となっている。これにより、凸孔(36)が角部を有する形状の場合に生じ得る局所的な磁束飽和を防ぐことができ、巻線によるq軸磁束Φqをスムーズに流すことができる。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明のいずれか1つにおいて、上記ロータコア(31)は、飽和磁束密度が2.3T以上である磁性材料で構成されていることを特徴とする。
これにより、回転時、ロータ(30)には高いトルクを発生させることができる。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明のいずれか1つにおいて、上記凸孔(36)の突出長さ(w1)は、上記基孔(35)の周方向の幅(w2)よりも大きいことを特徴とする。
これにより、磁石磁束Φmの一部分が当該磁石磁束Φmの流れから剥離され空隙(34)を貫通してしまう、所謂短絡磁束漏れの発生を、低減することができる。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明のいずれか1つにおいて、上記凸孔(36)は、上記磁石埋込用孔(32)の両端部それぞれに設けられた上記基孔(35)のうち、上記ロータコア(31)の回転方向の前進側に位置する上記基孔(35)のみに対応して形成されていることを特徴とする。
これにより、回転方向の前進側の基孔(35)に対応するロータコア(31)の外周面付近の、巻線によるq軸磁束Φqの流れを妨げることなく、且つ磁石磁束Φmを永久磁石(39)からロータコア(31)の外周側へと集中して流すことができる。そのため、エアギャップ(G)にて発生する磁束密度を高くできる。従って、磁石磁束Φmによるマグネットトルク及びq軸インダクタンスに基づき発生するリラクタンストルクを増加させることが可能である。
本発明によれば、磁石磁束Φmに基づき発生するマグネットトルクは良好であると共に、q軸磁束Φq及びd軸磁束Φdの各インダクタンスに基づき発生するリラクタンストルクの低下を防ぐことができる。
また、上記第2の発明によれば、所謂短絡磁束漏れの発生を低減することができ、またロータ(30)の製造時、ロータコア(31)への基孔(35)及び凸孔(36)の形成が簡単になる。
また、上記第3の発明によれば、遠心力による凸孔(36)の変形が抑えられるため、ロータコア(31)の上記部分(31a)の変形を抑えることができる。
また、上記第4の発明によれば、凸孔(36)が角部を有する形状の場合に生じ得る局所的な磁束飽和を防ぐことができると共に、巻線によるq軸磁束Φqをスムーズに流すことができる。
また、上記第5の発明によれば、回転時、ロータ(20)には高いトルクを発生させることができる。
また、上記第6の発明によれば、所謂短絡磁束漏れの発生を低減することができる。
また、上記第7の発明によれば、磁石磁束Φmによるマグネットトルク及びq軸インダクタンスに基づき発生するリラクタンストルクを増加させることが可能である。
図1は、本実施形態1に係るロータを備えたモータの横断面図である。 図2は、図1からロータ及び駆動軸を抜き出した図である。 図3は、図2のロータの一部分の拡大図である。 図4は、従来のロータの一部分の拡大図である。 図5は、本実施形態2に係るロータ及び駆動軸の横断面図である。 図6は、本実施形態3に係るロータ及び駆動軸の横断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
≪実施形態1≫
<モータの構成>
図1は、本発明の実施形態1に係るロータ(30)を備えたモータ(10)の横断面図である。このモータ(10)は、例えば空気調和装置の圧縮機用モータに用いられる。
モータ(10)は、ロータ(30)内部に磁石が埋め込まれた同期モータ(所謂IPMSM)である。図1に示すように、モータ(10)は、ステータ(20)、ロータ(30)及び駆動軸(40)を備え、圧縮機のケーシング(50)に収容されている。
なお、以下の説明において、軸方向、径方向、外周側及び内周側なる表現を適宜用いている。軸方向は、モータ(10)の回転軸方向であって、駆動軸(40)の軸心(O)の方向を表す。径方向は、軸心(O)と直交する方向、特にモータ(10)の半径方向を表す。外周側は、軸心(O)から遠い側を表し、内周側は、軸心(O)に近い側を表す。
<ステータの構成>
図1に示すように、ステータ(20)は、円筒状のステータコア(21)及びコイル(26)を備える。
ステータコア(21)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて平面形状の積層板を形成し、多数枚の積層板を軸方向に積層した積層コアである。図1に示すように、ステータコア(21)は、1つのバックヨーク部(22)と、複数のティース部(23)と、複数のツバ部(24)とを有する。
ティース部(23)は、ステータコア(21)において径方向に延びる直方体状の部分である。複数のティース部(23)それぞれは、ステータコア(21)の周方向に沿って、且つ互いに概ね等間隔隔てて配置されている。ティース部(23)同士の空間は、コイル(26)が収容されるコイル用スロット(25)である。
バックヨーク部(22)は、円環状をしている。バックヨーク部(22)は、各ティース部(23)を該ティース部(23)の外周側で連結している。バックヨーク部(22)の外周部は、圧縮機のケーシング(50)の内面に固定されている。
ツバ部(24)は、各ティース部(23)の内周側に連なる部分である。ステータコア(21)における周方向のツバ部(24)の長さは、ティース部(23)の周方向の長さよりも大きい。複数のツバ部(24)の内周側の面は、軸方向視にて円筒面となっている。その円筒面は、後述するロータコア(31)の外周面と所定の距離隔てて対峙している。この所定距離を、エアギャップ(G)と言う。
コイル(26)は、ティース部(23)に巻回されている。コイル(26)の巻回方法には、主として分布巻方式及び集中巻方式が挙げられる。
<ロータの構成>
図1に示すように、ロータ(30)は、円筒状のロータコア(31)及び複数の永久磁石(39)を備え、軸方向に延びる円筒形状を有する。ロータ(30)は、永久磁石(39)によってマグネットトルクを発生させると共に、ロータコア(31)によってリラクタンストルクも発生させる。
本実施形態1では、ロータ(30)には4つの磁極が形成されており、永久磁石(39)は磁極毎に設けられている。永久磁石(39)は、ロータコア(31)における後述の磁石用スロット(32)に埋め込まれている。
ロータコア(31)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて積層板を作成すると共に、複数の積層板を軸方向に積層することで形成された積層コアである。本実施形態1のロータコア(31)の磁性材料である電磁鋼板の飽和磁束密度は、2.3T以上である。磁性材料としては、例えば、ケイ素鋼板やパーメンジュールが挙げられる。
ロータコア(31)の中心には、駆動軸(40)を取り付けるための孔が形成されている。ロータコア(31)は、当該孔に挿入された駆動軸(40)に嵌合固着されており、駆動軸(40)と共に一体的に回転することが可能となっている。
図2に示すように、ロータコア(31)には、複数の磁石用スロット(32)(磁石埋込用孔に相当)と複数の空隙(34)とが形成されている。磁石用スロット(32)及び空隙(34)は、1つの磁極に対して1つの磁石用スロット(32)及び2つの空隙(34)が対応するようにして、磁極毎にロータコア(31)に設けられている。
磁石用スロット(32)は、ロータコア(31)の周方向に並んでロータコア(31)に形成され、且つ軸方向に貫通している。図1及び図2では、各磁石用スロット(32)は、軸方向視において細長い矩形状であって、更に軸心(O)回りに約90度ピッチで配置されている。従って、隣接する磁石用スロット(32)同士の長手方向は、互いに直交している。
各磁石用スロット(32)には、永久磁石(39)が埋め込まれる。特に、各磁石用スロット(32)には、隣接する永久磁石(39)の磁極の向きが違いに逆となるように、永久磁石(39)が配置される。
空隙(34)は、各磁石用スロット(32)の長手方向の両端部それぞれにおいて、各磁石用スロット(32)と連続してロータコア(31)に形成されている。即ち、空隙(34)は、永久磁石(39)が埋め込まれたロータコア(31)において、永久磁石(39)の隣接間に位置している。特に、本実施形態1に係る空隙(34)は、基孔(35)及び凸孔(36)からなる形状となっている。
特に図3に示すように、基孔(35)は、磁石用スロット(32)それぞれの周方向の両端部(より具体的には、長手方向の両端部)からロータコア(31)の外周側に延びており、その先端部である外周側先端部(35b)はロータコア(31)の外周面に近接している。基孔(35)は、軸方向視において径方向に延びる細長い矩形状となっている。基孔(35)の外周側先端部(35b)は、ロータコア(31)のブリッジ部(31a)を介してロータコア(31)の外周面と対峙している。従って、磁石用スロット(32)及び基孔(35)は、軸方向視においてロータコア(31)の外周側から内周側に向かって略U字形状(37)に突出した形状となっている。ブリッジ部(31a)の周方向の幅は、ロータコア(31)の機械的強度、及び、巻線におけるq軸磁束(後述)の磁束密度等を考慮して適宜決定されることが好ましい。
上述した基孔(35)には、磁石用スロット(32)とは異なり磁石が埋め込まれない。そのため、基孔(35)は、ロータコア(31)にて、永久磁石(39)による磁束の短絡を防止する所謂バリア部としての機能を有する。
凸孔(36)は、基孔(35)と連続するようにしてロータコア(31)に形成された孔である。凸孔(36)は、軸方向視において、磁石用スロット(32)の両端部に設けられた基孔(35)同士の対向する周縁部分(35a,35a)から、ロータコア(31)の周方向に突出した孔である。即ち、凸孔(36)は、1つの磁石用スロット(32)に対応して設けられた2つの基孔(35)それぞれから、磁石用スロット(32)側、即ち磁石用スロット(32)及び基孔(35)が採る略U字形状(37)の内部側に突出した孔であって、ロータコア(31)上に形成される磁極1つに対して2つ設けられている。つまりは、基孔(35)の一部分が略U字形状(37)の内部側に拡大されることによって凸孔(36)が形成されており、基孔(35)及び凸孔(36)が一体となって1つの空隙(34)が構成されていると言える。
特に、凸孔(36)は、基孔(35)の外周側先端部(35b)よりも磁石用スロット(32)側に位置している。より具体的には、凸孔(36)は、基孔(35)の磁石側先端部(35c)または当該磁石側先端部(35c)の近傍に位置している。例えば、凸孔(36)は、基孔(35)の径方向への長さ(即ち、長手方向への長さ)の中心(図3の細い破線)よりも永久磁石(39)寄りに位置している。そして、凸孔(36)は、軸方向視において約半円形状となっている。従って、ロータコア(31)を軸方向から見た場合、空隙(34)は、永久磁石(39)寄りの基孔(35)の一部分が凸孔(36)によって突出し、一方で外周面側の部分は凸孔(36)に比べると凹んだ構成であると言うことができる。
−空隙に関する作用−
先ず、ロータコア(31)に発生するマグネットトルク及びリラクタンストルクに関して説明した後、上述した空隙(34)の作用について詳述する。
ロータコア(31)には、マグネットトルクに寄与する磁束として、図3にて白抜き矢印で表した磁石磁束Φmが流れる。磁石磁束Φmは、永久磁石(39)からロータコア(31)の外周側(つまり、図1のエアギャップG側)に向けて流れる磁束である。マグネットトルクを増加させるためには、磁石磁束Φmを、分散させることなく図3の永久磁石(39)の上方(ロータコア(31)の外周側)に向けて集中的に流すことで、エアギャップG中の磁束密度を高めることが望ましい。
それ故、従来では、図4に示すように、磁石磁束Φmを永久磁石(39)の上方(ロータコア(31)の外周側)に向けて集中的に流す手段として、磁石用スロット(32)の両端部それぞれからロータコア(31)の外周側に延びる基孔(35)の先端を、更にロータコア(31)の外周面に沿って延ばす手法が採用されていた。この手法であれば、ロータコア(31)の外周面に沿って延びた基孔(35)の部分が磁気障壁となるため、磁石磁束Φmは、永久磁石(39)の上方に集中して流れる。
一方、ロータコア(31)には、更にリラクタンストルクが発生する。図2に示すように、永久磁石(39)の中心軸をd軸、当該d軸と電気的及び磁気的に直交する軸(即ち、永久磁石(39)の隣接間を通る軸)をq軸、とそれぞれ定義する。すると、図3に示すように、ロータコア(31)上には、一方のq軸側から他方のq軸側へと向かう巻線によるq軸磁束Φq(図3の太い実線)、及び、一方のd軸側から他方のd軸側へと向かう巻線によるd軸磁束Φd(図3の太い破線)が流れる。ロータコア(31)に発生するリラクタンストルクは、q軸磁束Φqのq軸インダクタンスLqとd軸磁束Φdのd軸インダクタンスLdとの差“Lq−Ld”が大きい程増加する。故に、リラクタンストルクを増加させるためには、q軸磁束Φqを大きくしd軸磁束Φdを小さくすることが好ましい。
ところが、従来の手法を表した図4では、q軸電流Φqのロータコア(31)内への流入口(即ち、ロータコア(31)内の磁路の入口)とも言えるロータコア(31)の外周面近傍に、磁気障壁となる基孔(35)の部分(35f)が位置している。すると、この部分(35f)によって、エアギャップ(G)側からロータコア(31)内へと流入するはずのq軸磁束Φqの流れが妨げられてしまう。従って、図4では、q軸磁束Φqの減少に伴うq軸インダクタンスLqの低下により、良好なリラクタンストルクを得ることは困難である。
これに対し、本実施形態1に係る空隙(34)は、既に述べたように、基孔(35)と凸孔(36)とからなる形状を有している。特に、図3に示すように、凸孔(36)は、基孔(35)の外周側先端部(35b)よりも磁石用スロット(32)側であって、基孔(35)の磁石側先端部(35c)または当該磁石側先端部(35c)の近傍に位置している。即ち、本実施形態1に係る凸孔(36)は、ロータコア(31)におけるq軸磁束Φqの流入口には位置していない。そのため、エアギャップ(G)側からロータコア(31)内部へのq軸磁束Φqの流れが妨げられることはなく、従ってq軸磁束Φqの減少を防止でき、故にq軸インダクタンスLqの低下を防ぐことができる。
そして、本実施形態1に係る凸孔(36)は、1つの磁石用スロット(32)に対応して設けられた2つの基孔(35)それぞれから、軸方向視において、磁石用スロット(32)側、つまりは磁石用スロット(32)及び基孔(35)が採る略U字形状(37)の内部側に突出した孔となっている。凸孔(36)は、基孔(35)と同様、磁気抵抗が高まることによる磁気障壁としての機能を有している。そのため、巻線に関するd軸磁束Φdの流れは、凸孔(36)及び基孔(35)によって制限される。これにより、d軸磁束Φdは減少し(図3の太い破線)、d軸インダクタンスLdは低下する。
従って、本実施形態1に係る空隙(34)では、q軸インダクタンスLqとd軸インダクタンスLdとの差は図4に比して大きくなり、リラクタンストルクは図4に比して増加する。
また、磁石磁束Φmに着目すると、本実施形態1に係る凸孔(36)が、軸方向視において、基孔(35)から磁石用スロット(32)側に突出していることから、磁石磁束Φmは分散することなく凸孔(36)によって図3の永久磁石(39)の上方(ロータコア(31)の外周側)に導かれる。従って、エアギャップ(G)中の磁束密度は高い状態が保持される。
更に、本実施形態1に係る空隙(34)は、永久磁石(39)付近において当該永久磁石(39)側に拡大しており、しかも凸孔(36)は基孔(35)と連続してロータコア(31)に形成されているため、永久磁石(39)付近においては磁気抵抗が図4よりも高まっていると言える。そのため、磁石磁束Φmの一部分が当該磁石磁束Φmの流れから剥離され空隙(34)を貫通してしまう所謂短絡磁束漏れの磁束量(図3のΦe)も、図4(図4のΦe)に比して減少する。従って、マグネットトルクの低下を抑制することができる。
次に、ロータコア(31)の機械強度の観点からは、図4では、ロータコア(31)の外周面近傍に、該ロータコア(31)の外周面に沿って基孔(35)の部分(35f)が位置している。そのため、ロータコア(31)のブリッジ部(31a)の周方向の幅は、基孔(35)の部分(35f)に対応して長くなっており、その分ロータコア(31)の機械強度が低下している。すると、ロータコア(31)が回転した場合、回転に伴う遠心力のロータコア(31)への作用によって、図4のブリッジ部(31a)付近は、径方向へと変形する虞が高い。これに対し、本実施形態1では、図3に示すように、凸孔(36)は、ロータコア(31)の外周面近傍ではなく、基孔(35)の永久磁石(39)寄りに位置している。そのため、本実施形態1に係るロータコア(31)のブリッジ部(31a)は、図4に比して短く、ロータコア(31)の機械強度は図4よりも高い。従って、回転に伴う遠心力が作用しても、図3のブリッジ部(31a)付近が径方向へと変形する虞は、図4より低い。
−凸孔の突出長さ−
ここで、上述した各種磁束Φq,Φd,Φm,Φeと本実施形態1に係る凸孔(36)の周方向の幅(即ち、突出長さ(w1))との関係について説明する。
凸孔(36)の突出長さ(w1)は、ロータコア(31)を形成する電磁鋼板や永久磁石の性能の他、各種磁束Φq,Φd,Φm,Φeの磁束密度及び磁路等に応じて決定される。図3では、凸孔(36)における永久磁石(39)側の周縁部分(36a)が、永久磁石(39)の長手方向端部(39a)を基準として若干永久磁石(39)の中央寄りに位置する程度に、半円状の凸孔(36)の半径が決定され、当該半径が突出長さ(w1)となっている例を示している。即ち、凸孔(36)は、立ち上がり部分とも言える永久磁石(39)側の周縁部分(36a)が若干磁石磁束Φmの磁路内に位置する程度の半径からなる半円形状となっている。
凸孔(36)の突出長さ(w1)が大きくなる程、凸孔(36)の周縁部分(36a)は永久磁石(39)の中央寄りに位置することになり、凸孔(36)は拡大していく。そのため、短絡磁束漏れΦe及びd軸磁束Φdを共に更に減少させることが可能となる。しかしながら、凸孔(36)が拡大しすぎると、磁石磁束Φmやq軸磁束Φqの磁路をかえって狭めることになる。凸孔(36)が磁石磁束Φmの磁路を更に浸食することになり、また、凸孔(36)の永久磁石(39)から遠い側の周縁部分(36b)がロータコア(31)の外周面に近接することになるためである。また、凸孔(36)の拡大によって凸孔(36)の周縁部分(36b)がロータコア(31)の外周面に近接すると、ロータコア(31)の外周面と凸孔(36)との距離がより狭くなり、ロータコア(31)の機械強度が低下する虞もある。
それ故、凸孔(36)の突出長さ(w1)は、q軸磁束Φqのロータコア(31)への流入を妨げず且つd軸磁束Φdの流れを抑制すると共に、更には他の各種磁束Φm,Φeのバランス及びロータコア(31)の機械強度を考慮して決定することが好ましい。
なお、本実施形態1では、凸孔(36)の突出長さ(w1)は、基孔(35)の周方向の幅(w2)(即ち、図3における基孔(35)の短辺方向の幅)よりも大きくなっている。従って、凸孔(36)の磁気抵抗はその分増しており、短絡磁束漏れΦeの発生を低減することができている。
<効果>
本実施形態1のロータコア(31)には、磁石用スロット(32)と、当該磁石用スロット(32)の両端部からロータコア(31)の外周部に延びる基孔(35)とが形成されている。即ち、軸方向から見ると、磁石用スロット(32)及び基孔(35)は、ロータコア(31)の内周側に突出した形状となっている。そして、ロータコア(31)には、基孔(35)と共に空隙(34)を構成する部分として、凸孔(36)が更に形成されている。凸孔(36)は、磁石用スロット(32)の両端部における基孔(35)同士の対向する周縁部分(35a,35a)から、ロータコア(31)の周方向に突出した形状となっている。しかも、凸孔(36)は、基孔(35)の外周側先端部(35b)よりも磁石用スロット(32)側、つまりは永久磁石(39)側に位置している。
このように、凸孔(36)は、巻線によるq軸磁束Φqがロータコア(31)内部に流入する部分には位置していないため、q軸磁束Φqを低下させることはない。更に、凸孔(36)は、基孔(35)同士の対向する周縁部分(35a,35a)からロータコア(31)の周方向に突出した形状となっているため、巻線によるd軸磁束Φdの流れを制限すると共に、磁石磁束Φmを永久磁石(39)からロータコア(31)の外周側へと集中して流すことができる。従って、磁石磁束Φmのインダクタンスに基づき発生するマグネットトルクは良好であると共に、q軸磁束Φq及びd軸磁束Φdの各インダクタンスに基づき発生するリラクタンストルクの低下を防ぐことができる。
更に、凸孔(36)が基孔(35)の外周側先端部(35b)よりも磁石用スロット(32)側に位置している。そのため、ロータコア(31)のブリッジ部(31a)は、図4に比して短く、ロータコア(31)の機械強度は図4よりも高い。従って、回転に伴う遠心力が作用しても、ブリッジ部(31a)付近が径方向へと変形する虞は、図4より低い。
更に、空隙(34)は、基孔(35)のみならず更に凸孔(36)によって構成されている。従って、磁気障壁としての空隙(34)の距離は、図4に比して大きいと言える。故に、短絡磁束漏れΦeは、図4に比べると生じにくい。
また、本実施形態1では、凸孔(36)と基孔(35)とが繋がるようにして、ロータコア(31)に形成されている。従って、短絡磁束漏れΦeの発生をより低減することができる。また、基孔(35)及び凸孔(36)が連続しているため、ロータ(30)の製造時、ロータコア(31)への基孔(35)及び凸孔(36)の形成が簡単になる。
また、本実施形態1の凸孔(36)は、軸方向視における凸孔(36)の形状が、角部のない半円形状となっている。これにより、凸孔(36)が角部を有する形状の場合に生じ得る局所的な磁束飽和を防ぐことができると共に、巻線によるq軸磁束Φqをスムーズに流すことができる。
また、本実施形態1のロータコア(31)は、飽和磁束密度が2.3T以上である磁性材料で構成されている。従って、回転時、ロータ(30)には高いトルクが発生する。
また、本実施形態1のロータコア(31)では、凸孔(36)の突出長さ(w1)が基孔(35)の周方向の幅(w2)よりも大きいため、凸孔(36)の磁気抵抗はその分増していると言える。従って、短絡磁束漏れΦeの発生をより低減することができる。
≪実施形態2≫
上記実施形態1では、主に図2,3に示すように、1つの磁石用スロット(32)の両端部に位置する2つの基孔(35)それぞれに対応して、凸孔(36)が設けられている場合について説明した。本実施形態2では、図5に示すように、1つの磁石用スロット(32)の両端部に位置する2つの基孔(35)のうちの1つに対応して、凸孔(36)が1つ設けられている場合について説明する。つまり、本実施形態2では、ロータコア(31)上に形成される磁極1つに対して凸孔(36)が1つ設けられている。
具体的に、図5では、1つの磁石用スロット(32)の両端部それぞれには基孔(35)が設けられているが、凸孔(36)は、このうちロータコア(31)の回転方向の前進側に位置する基孔(35)のみに対応して形成されている。凸孔(36)は、回転方向の後進側に向けて突出した形状の孔となっている。そして、図5では、凸孔(36)の周方向の長さである突出長さ(w1)は、基孔(35)の周方向の幅(w2)(即ち、図5における基孔(35)の短辺方向の幅)よりも大きくなっている。
このように、図5でも、凸孔(36)の突出長さ(w1)が基孔(35)の周方向の幅(w2)よりも大きいため、凸孔(36)の磁気抵抗は、その分増していると言える。従って、短絡磁束漏れΦeの発生が低減される。
また、凸孔(36)は、ロータコア(31)の回転方向の前進側に位置する基孔(35)のみに対応して形成されているため、回転方向の前進側の基孔(35)に対応するロータコア(31)の外周面付近の、巻線によるq軸磁束Φqの流れを妨げることなく、且つ磁石磁束Φmを永久磁石(39)からロータコア(31)の外周側へと集中して流すことができる。そのため、エアギャップ(G)にて発生する磁束密度を高くでき、従って磁石磁束Φmによるマグネットトルク及びq軸インダクタンスに基づき発生するリラクタンストルクを増加させることが可能である。
なお、本実施形態2に係るステータ(20)及びロータ(30)の他の構成については、上記実施形態1と同様である。
≪実施形態3≫
上記実施形態1では、基孔(35)及び凸孔(36)が連続して形成されている場合について説明した。本実施形態3では、図6に示すように、基孔(35)及び凸孔(36)は連続しておらず、互いに若干離隔してロータコア(31)に形成される場合について説明する。
具体的に、図6のロータコア(31)は、連結部(31b)を有する。連結部(31b)は、基孔(35)の周縁部分(35a)(即ち、凸孔(36)側の周縁部分)と、当該周縁部分(35a)に対応する凸孔(36)の基孔側周縁部分(36c)とを連結している。即ち、ロータコア(31)の連結部(31b)は、基孔(35)の長手方向であるロータコア(31)の径方向に延びており、凸孔(36)と基孔(35)との間を仕切っている。従って、ロータコア(31)には、連結部(31b)を隔てて基孔(35)と凸孔(36)とが形成されている。
なお、図6では、連結部(31b)の周方向の幅が、基孔(35)の周方向の幅及び凸孔(36)の突出長さに比して、十分小さくなっている場合を例示している。
凸孔(36)が大きい程、ロータコア(31)上では、ロータ(30)の回転に伴う遠心力によって、凸孔(36)がロータコア(31)の外周方向へと拡がる変形が生じ易くなる。すると、ロータコア(31)のブリッジ部(31a)も、ロータコア(31)の外周方向へと拡がる虞がある。しかし、本実施形態3では、半円形状の凸孔(36)の端点同士が、連結部(31b)によって接続されており、基孔(35)及び凸孔(36)は、連結部(31b)によって非連続となるようにロータコア(31)に形成されている。これにより、遠心力による凸孔(36)の変形は抑えられるため、ブリッジ部(31a)の変形を抑えることができる。
<その他の実施形態>
上記実施形態1〜3において、凸孔(36)の形状は、半円形状に限定されない。凸孔(36)は、例えば四角形等を含む多角形状であってもよいし、直線と曲線とで囲まれた形状であってもよい。一例としては、凸孔(36)の永久磁石(39)側の周縁部分(36a)は、基孔(35)とのなす角度が約90度の近い直線で構成されることで、凸孔(36)の立ち上がりを急峻にし、一方で凸孔(36)の他方の周縁部分(36b)は、q軸磁束Φqの磁路を妨害しないようにするべくなだらかな曲線で構成されていてもよい。
上記実施形態1〜3において、ロータコア(31)は、飽和磁束密度が2.3T以上の磁性材料で構成されていなくても良い。
上記実施形態1〜3において、モータ(10)の用途は、空気調和装置の圧縮機モータ以外であってもよい。例えば、モータ(10)は、自動車用モータとして適用することが可能である。
また、上記実施形態1〜3において、ロータコア(31)に形成された磁極の数は、複数であれば良く、上記実施形態1〜3にて述べた個数(4つ)に限定されることなくいくつ形成されていても良い。
また、上記実施形態1〜3において、凸孔(36)の突出長さ(w1)は、基孔(35)の周方向の幅(w2)よりも小さくてもよい。
また、上記実施形態1〜3では、磁石用スロット(32)及び基孔(35)が共に軸方向視において矩形状である場合について説明したが、磁石用スロット(32)及び基孔(35)の形状は、これに限定されない。また、連続して形成された磁石用スロット(32)及び基孔(35)は、軸方向視においてロータコア(31)の内周側に突出した円弧形状となっていてもよい。
また、上記実施形態2のロータコア(31)は、上記実施形態3と同様、凸孔(36)と基孔(35)との間に連結部(31b)を有していても良い。
また、上記実施形態3の凸孔(36)は、上記実施形態2と同様、ロータコア(31)の回転方向の前進側に位置する基孔(35)のみに設けられていても良い。
以上説明したように、本発明は、発生するリラクタンストルクの低下を防ぎつつも良好なマグネットトルクを得るロータとして有用である。
30 ロータ
31 ロータコア
32 磁石用スロット(磁石埋込用孔)
34 空隙
35 基孔
35a 周縁部分
35b 外周側先端部
36 凸孔
36c 基孔側周縁部分
39 永久磁石
本発明は、ロータの構造に関するものである。
埋込磁石構造の同期モータ(IPMSM:Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)は、ステータとロータとを備える。例えば特許文献1に開示されているように、ロータは、周方向に等間隔に磁石埋込用孔が設けられたロータコアと、磁石埋込用孔に埋め込まれた永久磁石とを有する。ステータは、複数箇所にコイルが巻かれたステータコアを有する。これにより、コイルに流れる電流によって形成される回転磁界に応じて、ロータとステータとが反発及び吸引を繰り返し、ロータはステータに対して回転する。
特開平11−98731号公報
上記特許文献1に係るロータコアには、磁石埋込用孔の周方向の両端部それぞれからロータコアの外周面側に延びつつ且つロータコアの外周に沿うようにして、磁束短絡防止孔が設けられている。磁束短絡防止孔により、マグネットトルクに寄与する磁石磁束は、永久磁石からロータコアの外周面側へと集中して流れる。また、磁束短絡防止孔により、リラクタンストルクに寄与する巻線によるd軸磁束の流れが制限される。
しかしながら、同じくリラクタンストルクに寄与する巻線によるq軸磁束は、ロータコアの外周面側からロータコア内部に流入する。磁束短絡防止孔は、ロータコア内のq軸磁束の磁路のうち特にロータコアへの流入部分に位置していることから、q軸磁束のロータコアへの流入を妨害する。すると、q軸磁束は減少し、q軸インダクタンスとd軸インダクタンスとの差に基づき生じるリラクタンストルクは、結果として減少してしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、発生するリラクタンストルクの低下を防ぎつつも良好なマグネットトルクを得ることである。
第1の発明は、複数の磁石埋込用孔(32)が周方向に並んで形成されたロータコア(31)と、上記磁石埋込用孔(32)それぞれに埋め込まれた永久磁石(39)と、を備え、上記ロータコア(31)には、上記磁石埋込用孔(32)の周方向の両端部から上記ロータコア(31)の外周側に延びる基孔(35)と、軸方向視において、上記磁石埋込用孔(32)の両端部に設けられた上記基孔(35)同士の対向する周縁部分(35a,35a)の少なくとも一方側から上記ロータコア(31)の周方向に突出した凸孔(36)と、からなる空隙(34)が更に形成され、上記磁石埋込用孔(32)及び上記基孔(35)は、軸方向視において、略U字形状を有し、上記凸孔(36)は、上記基孔(35)の外周側先端部(35b)よりも上記磁石埋込用孔(32)側に位置しており、略U字形状の内部側のうち上記基孔(35)同士の対向する上記周縁部分(35a,35a)側において、上記基孔(35)の磁石側先端部(35c)またはその近傍に位置していることを特徴とする。
ロータコア(31)には、磁石埋込用孔(32)と、該孔(32)の両端からロータコア(31)の外周部に延びる基孔(35)とが形成されている。即ち、軸方向から見ると、磁石埋込用孔(32)及び基孔(35)は、ロータコア(31)の内周側に突出した形状となっている。そして、ロータコア(31)には、基孔(35)と共に空隙(34)を構成する部分として、凸孔(36)が更に形成されている。凸孔(36)は、磁石埋込用孔(32)の両端部における基孔(35)同士の対向する周縁部分(35a,35a)側から、ロータコア(31)の周方向に突出した形状となっている。しかも、凸孔(36)は、基孔(35)の外周側先端部(35b)よりも磁石埋込用孔(32)側、つまりは永久磁石(39)側に位置している。
このように、凸孔(36)は、巻線によるq軸磁束Φqがロータコア(31)内部に流入する部分には位置していないため、q軸磁束Φqを低下させることはない。更に、凸孔(36)は、基孔(35)同士の対向する周縁部分(35a,35a)からロータコア(31)の周方向に突出した形状となっているため、巻線によるd軸磁束Φdの流れを制限すると共に、磁石磁束Φmを永久磁石(39)からロータコア(31)の外周側へと集中して流すことができる。従って、磁石磁束Φmに基づき発生するマグネットトルクは良好であると共に、q軸磁束Φq及びd軸磁束Φdの各インダクタンスに基づき発生するリラクタンストルクの低下を防ぐことができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記ロータコア(31)には、上記基孔(35)と連続して上記凸孔(36)が形成されていることを特徴とする。
ここでは、凸孔(36)と基孔(35)とが繋がるようにして、ロータコア(31)に形成されている。従って、磁石磁束Φmの一部分が当該磁石磁束Φmの流れから剥離され空隙(34)を貫通してしまう、所謂短絡磁束漏れの発生を、低減することができる。また、基孔(35)及び凸孔(36)が連続しているため、ロータ(30)の製造時、ロータコア(31)への基孔(35)及び凸孔(36)の形成が簡単になる。
第3の発明は、第1の発明において、上記ロータコア(31)は、上記周縁部分(35a,35a)と該周縁部分(35a,35a)に対応する上記凸孔(36)の基孔側周縁部分(36c)とを連結する連結部(31b)、を有することを特徴とする。
凸孔(36)が大きい程、ロータ(30)の回転に伴う遠心力の作用によって、凸孔(36)はロータコア(31)の外周方向へと拡がり易くなってしまう。すると、基孔(35)の外周側先端部(35b)とロータコア(31)の外周面との間のロータコア(31)の部分(31a)も、ロータコア(31)の外周方向へと拡がる虞がある。これに対し、第3の発明では、基孔(35)と凸孔(36)との間が、ロータコア(31)の連結部(31b)によって仕切られている。これにより、遠心力による凸孔(36)の変形が抑えられるため、ロータコア(31)の上記部分(31a)の変形を抑えることができる。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明において、上記凸孔(36)は、軸方向視において半円形状であることを特徴とする。
ここでは、軸方向視における凸孔(36)の形状が、角部のない半円形状となっている。これにより、凸孔(36)が角部を有する形状の場合に生じ得る局所的な磁束飽和を防ぐことができ、巻線によるq軸磁束Φqをスムーズに流すことができる。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明のいずれか1つにおいて、上記ロータコア(31)は、飽和磁束密度が2.3T以上である磁性材料で構成されていることを特徴とする。
これにより、回転時、ロータ(30)には高いトルクを発生させることができる。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明のいずれか1つにおいて、上記凸孔(36)の突出長さ(w1)は、上記基孔(35)の周方向の幅(w2)よりも大きいことを特徴とする。
これにより、磁石磁束Φmの一部分が当該磁石磁束Φmの流れから剥離され空隙(34)を貫通してしまう、所謂短絡磁束漏れの発生を、低減することができる。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明のいずれか1つにおいて、上記凸孔(36)は、上記磁石埋込用孔(32)の両端部それぞれに設けられた上記基孔(35)のうち、上記ロータコア(31)の回転方向の前進側に位置する上記基孔(35)のみに対応して形成されていることを特徴とする。
これにより、回転方向の前進側の基孔(35)に対応するロータコア(31)の外周面付近の、巻線によるq軸磁束Φqの流れを妨げることなく、且つ磁石磁束Φmを永久磁石(39)からロータコア(31)の外周側へと集中して流すことができる。そのため、エアギャップ(G)にて発生する磁束密度を高くできる。従って、磁石磁束Φmによるマグネットトルク及びq軸インダクタンスに基づき発生するリラクタンストルクを増加させることが可能である。
本発明によれば、磁石磁束Φmに基づき発生するマグネットトルクは良好であると共に、q軸磁束Φq及びd軸磁束Φdの各インダクタンスに基づき発生するリラクタンストルクの低下を防ぐことができる。
また、上記第2の発明によれば、所謂短絡磁束漏れの発生を低減することができ、またロータ(30)の製造時、ロータコア(31)への基孔(35)及び凸孔(36)の形成が簡単になる。
また、上記第3の発明によれば、遠心力による凸孔(36)の変形が抑えられるため、ロータコア(31)の上記部分(31a)の変形を抑えることができる。
また、上記第4の発明によれば、凸孔(36)が角部を有する形状の場合に生じ得る局所的な磁束飽和を防ぐことができると共に、巻線によるq軸磁束Φqをスムーズに流すことができる。
また、上記第5の発明によれば、回転時、ロータ(20)には高いトルクを発生させることができる。
また、上記第6の発明によれば、所謂短絡磁束漏れの発生を低減することができる。
また、上記第7の発明によれば、磁石磁束Φmによるマグネットトルク及びq軸インダクタンスに基づき発生するリラクタンストルクを増加させることが可能である。
図1は、本実施形態1に係るロータを備えたモータの横断面図である。 図2は、図1からロータ及び駆動軸を抜き出した図である。 図3は、図2のロータの一部分の拡大図である。 図4は、従来のロータの一部分の拡大図である。 図5は、本実施形態2に係るロータ及び駆動軸の横断面図である。 図6は、本実施形態3に係るロータ及び駆動軸の横断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
≪実施形態1≫
<モータの構成>
図1は、本発明の実施形態1に係るロータ(30)を備えたモータ(10)の横断面図である。このモータ(10)は、例えば空気調和装置の圧縮機用モータに用いられる。
モータ(10)は、ロータ(30)内部に磁石が埋め込まれた同期モータ(所謂IPMSM)である。図1に示すように、モータ(10)は、ステータ(20)、ロータ(30)及び駆動軸(40)を備え、圧縮機のケーシング(50)に収容されている。
なお、以下の説明において、軸方向、径方向、外周側及び内周側なる表現を適宜用いている。軸方向は、モータ(10)の回転軸方向であって、駆動軸(40)の軸心(O)の方向を表す。径方向は、軸心(O)と直交する方向、特にモータ(10)の半径方向を表す。外周側は、軸心(O)から遠い側を表し、内周側は、軸心(O)に近い側を表す。
<ステータの構成>
図1に示すように、ステータ(20)は、円筒状のステータコア(21)及びコイル(26)を備える。
ステータコア(21)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて平面形状の積層板を形成し、多数枚の積層板を軸方向に積層した積層コアである。図1に示すように、ステータコア(21)は、1つのバックヨーク部(22)と、複数のティース部(23)と、複数のツバ部(24)とを有する。
ティース部(23)は、ステータコア(21)において径方向に延びる直方体状の部分である。複数のティース部(23)それぞれは、ステータコア(21)の周方向に沿って、且つ互いに概ね等間隔隔てて配置されている。ティース部(23)同士の空間は、コイル(26)が収容されるコイル用スロット(25)である。
バックヨーク部(22)は、円環状をしている。バックヨーク部(22)は、各ティース部(23)を該ティース部(23)の外周側で連結している。バックヨーク部(22)の外周部は、圧縮機のケーシング(50)の内面に固定されている。
ツバ部(24)は、各ティース部(23)の内周側に連なる部分である。ステータコア(21)における周方向のツバ部(24)の長さは、ティース部(23)の周方向の長さよりも大きい。複数のツバ部(24)の内周側の面は、軸方向視にて円筒面となっている。その円筒面は、後述するロータコア(31)の外周面と所定の距離隔てて対峙している。この所定距離を、エアギャップ(G)と言う。
コイル(26)は、ティース部(23)に巻回されている。コイル(26)の巻回方法には、主として分布巻方式及び集中巻方式が挙げられる。
<ロータの構成>
図1に示すように、ロータ(30)は、円筒状のロータコア(31)及び複数の永久磁石(39)を備え、軸方向に延びる円筒形状を有する。ロータ(30)は、永久磁石(39)によってマグネットトルクを発生させると共に、ロータコア(31)によってリラクタンストルクも発生させる。
本実施形態1では、ロータ(30)には4つの磁極が形成されており、永久磁石(39)は磁極毎に設けられている。永久磁石(39)は、ロータコア(31)における後述の磁石用スロット(32)に埋め込まれている。
ロータコア(31)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて積層板を作成すると共に、複数の積層板を軸方向に積層することで形成された積層コアである。本実施形態1のロータコア(31)の磁性材料である電磁鋼板の飽和磁束密度は、2.3T以上である。磁性材料としては、例えば、ケイ素鋼板やパーメンジュールが挙げられる。
ロータコア(31)の中心には、駆動軸(40)を取り付けるための孔が形成されている。ロータコア(31)は、当該孔に挿入された駆動軸(40)に嵌合固着されており、駆動軸(40)と共に一体的に回転することが可能となっている。
図2に示すように、ロータコア(31)には、複数の磁石用スロット(32)(磁石埋込用孔に相当)と複数の空隙(34)とが形成されている。磁石用スロット(32)及び空隙(34)は、1つの磁極に対して1つの磁石用スロット(32)及び2つの空隙(34)が対応するようにして、磁極毎にロータコア(31)に設けられている。
磁石用スロット(32)は、ロータコア(31)の周方向に並んでロータコア(31)に形成され、且つ軸方向に貫通している。図1及び図2では、各磁石用スロット(32)は、軸方向視において細長い矩形状であって、更に軸心(O)回りに約90度ピッチで配置されている。従って、隣接する磁石用スロット(32)同士の長手方向は、互いに直交している。
各磁石用スロット(32)には、永久磁石(39)が埋め込まれる。特に、各磁石用スロット(32)には、隣接する永久磁石(39)の磁極の向きが違いに逆となるように、永久磁石(39)が配置される。
空隙(34)は、各磁石用スロット(32)の長手方向の両端部それぞれにおいて、各磁石用スロット(32)と連続してロータコア(31)に形成されている。即ち、空隙(34)は、永久磁石(39)が埋め込まれたロータコア(31)において、永久磁石(39)の隣接間に位置している。特に、本実施形態1に係る空隙(34)は、基孔(35)及び凸孔(36)からなる形状となっている。
特に図3に示すように、基孔(35)は、磁石用スロット(32)それぞれの周方向の両端部(より具体的には、長手方向の両端部)からロータコア(31)の外周側に延びており、その先端部である外周側先端部(35b)はロータコア(31)の外周面に近接している。基孔(35)は、軸方向視において径方向に延びる細長い矩形状となっている。基孔(35)の外周側先端部(35b)は、ロータコア(31)のブリッジ部(31a)を介してロータコア(31)の外周面と対峙している。従って、磁石用スロット(32)及び基孔(35)は、軸方向視においてロータコア(31)の外周側から内周側に向かって略U字形状(37)に突出した形状となっている。ブリッジ部(31a)の周方向の幅は、ロータコア(31)の機械的強度、及び、巻線におけるq軸磁束(後述)の磁束密度等を考慮して適宜決定されることが好ましい。
上述した基孔(35)には、磁石用スロット(32)とは異なり磁石が埋め込まれない。そのため、基孔(35)は、ロータコア(31)にて、永久磁石(39)による磁束の短絡を防止する所謂バリア部としての機能を有する。
凸孔(36)は、基孔(35)と連続するようにしてロータコア(31)に形成された孔である。凸孔(36)は、軸方向視において、磁石用スロット(32)の両端部に設けられた基孔(35)同士の対向する周縁部分(35a,35a)から、ロータコア(31)の周方向に突出した孔である。即ち、凸孔(36)は、1つの磁石用スロット(32)に対応して設けられた2つの基孔(35)それぞれから、磁石用スロット(32)側、即ち磁石用スロット(32)及び基孔(35)が採る略U字形状(37)の内部側に突出した孔であって、ロータコア(31)上に形成される磁極1つに対して2つ設けられている。つまりは、基孔(35)の一部分が略U字形状(37)の内部側に拡大されることによって凸孔(36)が形成されており、基孔(35)及び凸孔(36)が一体となって1つの空隙(34)が構成されていると言える。
特に、凸孔(36)は、基孔(35)の外周側先端部(35b)よりも磁石用スロット(32)側に位置している。より具体的には、凸孔(36)は、基孔(35)の磁石側先端部(35c)または当該磁石側先端部(35c)の近傍に位置している。例えば、凸孔(36)は、基孔(35)の径方向への長さ(即ち、長手方向への長さ)の中心(図3の細い破線)よりも永久磁石(39)寄りに位置している。そして、凸孔(36)は、軸方向視において約半円形状となっている。従って、ロータコア(31)を軸方向から見た場合、空隙(34)は、永久磁石(39)寄りの基孔(35)の一部分が凸孔(36)によって突出し、一方で外周面側の部分は凸孔(36)に比べると凹んだ構成であると言うことができる。
−空隙に関する作用−
先ず、ロータコア(31)に発生するマグネットトルク及びリラクタンストルクに関して説明した後、上述した空隙(34)の作用について詳述する。
ロータコア(31)には、マグネットトルクに寄与する磁束として、図3にて白抜き矢印で表した磁石磁束Φmが流れる。磁石磁束Φmは、永久磁石(39)からロータコア(31)の外周側(つまり、図1のエアギャップG側)に向けて流れる磁束である。マグネットトルクを増加させるためには、磁石磁束Φmを、分散させることなく図3の永久磁石(39)の上方(ロータコア(31)の外周側)に向けて集中的に流すことで、エアギャップG中の磁束密度を高めることが望ましい。
それ故、従来では、図4に示すように、磁石磁束Φmを永久磁石(39)の上方(ロータコア(31)の外周側)に向けて集中的に流す手段として、磁石用スロット(32)の両端部それぞれからロータコア(31)の外周側に延びる基孔(35)の先端を、更にロータコア(31)の外周面に沿って延ばす手法が採用されていた。この手法であれば、ロータコア(31)の外周面に沿って延びた基孔(35)の部分が磁気障壁となるため、磁石磁束Φmは、永久磁石(39)の上方に集中して流れる。
一方、ロータコア(31)には、更にリラクタンストルクが発生する。図2に示すように、永久磁石(39)の中心軸をd軸、当該d軸と電気的及び磁気的に直交する軸(即ち、永久磁石(39)の隣接間を通る軸)をq軸、とそれぞれ定義する。すると、図3に示すように、ロータコア(31)上には、一方のq軸側から他方のq軸側へと向かう巻線によるq軸磁束Φq(図3の太い実線)、及び、一方のd軸側から他方のd軸側へと向かう巻線によるd軸磁束Φd(図3の太い破線)が流れる。ロータコア(31)に発生するリラクタンストルクは、q軸磁束Φqのq軸インダクタンスLqとd軸磁束Φdのd軸インダクタンスLdとの差“Lq−Ld”が大きい程増加する。故に、リラクタンストルクを増加させるためには、q軸磁束Φqを大きくしd軸磁束Φdを小さくすることが好ましい。
ところが、従来の手法を表した図4では、q軸電流Φqのロータコア(31)内への流入口(即ち、ロータコア(31)内の磁路の入口)とも言えるロータコア(31)の外周面近傍に、磁気障壁となる基孔(35)の部分(35f)が位置している。すると、この部分(35f)によって、エアギャップ(G)側からロータコア(31)内へと流入するはずのq軸磁束Φqの流れが妨げられてしまう。従って、図4では、q軸磁束Φqの減少に伴うq軸インダクタンスLqの低下により、良好なリラクタンストルクを得ることは困難である。
これに対し、本実施形態1に係る空隙(34)は、既に述べたように、基孔(35)と凸孔(36)とからなる形状を有している。特に、図3に示すように、凸孔(36)は、基孔(35)の外周側先端部(35b)よりも磁石用スロット(32)側であって、基孔(35)の磁石側先端部(35c)または当該磁石側先端部(35c)の近傍に位置している。即ち、本実施形態1に係る凸孔(36)は、ロータコア(31)におけるq軸磁束Φqの流入口には位置していない。そのため、エアギャップ(G)側からロータコア(31)内部へのq軸磁束Φqの流れが妨げられることはなく、従ってq軸磁束Φqの減少を防止でき、故にq軸インダクタンスLqの低下を防ぐことができる。
そして、本実施形態1に係る凸孔(36)は、1つの磁石用スロット(32)に対応して設けられた2つの基孔(35)それぞれから、軸方向視において、磁石用スロット(32)側、つまりは磁石用スロット(32)及び基孔(35)が採る略U字形状(37)の内部側に突出した孔となっている。凸孔(36)は、基孔(35)と同様、磁気抵抗が高まることによる磁気障壁としての機能を有している。そのため、巻線に関するd軸磁束Φdの流れは、凸孔(36)及び基孔(35)によって制限される。これにより、d軸磁束Φdは減少し(図3の太い破線)、d軸インダクタンスLdは低下する。
従って、本実施形態1に係る空隙(34)では、q軸インダクタンスLqとd軸インダクタンスLdとの差は図4に比して大きくなり、リラクタンストルクは図4に比して増加する。
また、磁石磁束Φmに着目すると、本実施形態1に係る凸孔(36)が、軸方向視において、基孔(35)から磁石用スロット(32)側に突出していることから、磁石磁束Φmは分散することなく凸孔(36)によって図3の永久磁石(39)の上方(ロータコア(31)の外周側)に導かれる。従って、エアギャップ(G)中の磁束密度は高い状態が保持される。
更に、本実施形態1に係る空隙(34)は、永久磁石(39)付近において当該永久磁石(39)側に拡大しており、しかも凸孔(36)は基孔(35)と連続してロータコア(31)に形成されているため、永久磁石(39)付近においては磁気抵抗が図4よりも高まっていると言える。そのため、磁石磁束Φmの一部分が当該磁石磁束Φmの流れから剥離され空隙(34)を貫通してしまう所謂短絡磁束漏れの磁束量(図3のΦe)も、図4(図4のΦe)に比して減少する。従って、マグネットトルクの低下を抑制することができる。
次に、ロータコア(31)の機械強度の観点からは、図4では、ロータコア(31)の外周面近傍に、該ロータコア(31)の外周面に沿って基孔(35)の部分(35f)が位置している。そのため、ロータコア(31)のブリッジ部(31a)の周方向の幅は、基孔(35)の部分(35f)に対応して長くなっており、その分ロータコア(31)の機械強度が低下している。すると、ロータコア(31)が回転した場合、回転に伴う遠心力のロータコア(31)への作用によって、図4のブリッジ部(31a)付近は、径方向へと変形する虞が高い。これに対し、本実施形態1では、図3に示すように、凸孔(36)は、ロータコア(31)の外周面近傍ではなく、基孔(35)の永久磁石(39)寄りに位置している。そのため、本実施形態1に係るロータコア(31)のブリッジ部(31a)は、図4に比して短く、ロータコア(31)の機械強度は図4よりも高い。従って、回転に伴う遠心力が作用しても、図3のブリッジ部(31a)付近が径方向へと変形する虞は、図4より低い。
−凸孔の突出長さ−
ここで、上述した各種磁束Φq,Φd,Φm,Φeと本実施形態1に係る凸孔(36)の周方向の幅(即ち、突出長さ(w1))との関係について説明する。
凸孔(36)の突出長さ(w1)は、ロータコア(31)を形成する電磁鋼板や永久磁石の性能の他、各種磁束Φq,Φd,Φm,Φeの磁束密度及び磁路等に応じて決定される。図3では、凸孔(36)における永久磁石(39)側の周縁部分(36a)が、永久磁石(39)の長手方向端部(39a)を基準として若干永久磁石(39)の中央寄りに位置する程度に、半円状の凸孔(36)の半径が決定され、当該半径が突出長さ(w1)となっている例を示している。即ち、凸孔(36)は、立ち上がり部分とも言える永久磁石(39)側の周縁部分(36a)が若干磁石磁束Φmの磁路内に位置する程度の半径からなる半円形状となっている。
凸孔(36)の突出長さ(w1)が大きくなる程、凸孔(36)の周縁部分(36a)は永久磁石(39)の中央寄りに位置することになり、凸孔(36)は拡大していく。そのため、短絡磁束漏れΦe及びd軸磁束Φdを共に更に減少させることが可能となる。しかしながら、凸孔(36)が拡大しすぎると、磁石磁束Φmやq軸磁束Φqの磁路をかえって狭めることになる。凸孔(36)が磁石磁束Φmの磁路を更に浸食することになり、また、凸孔(36)の永久磁石(39)から遠い側の周縁部分(36b)がロータコア(31)の外周面に近接することになるためである。また、凸孔(36)の拡大によって凸孔(36)の周縁部分(36b)がロータコア(31)の外周面に近接すると、ロータコア(31)の外周面と凸孔(36)との距離がより狭くなり、ロータコア(31)の機械強度が低下する虞もある。
それ故、凸孔(36)の突出長さ(w1)は、q軸磁束Φqのロータコア(31)への流入を妨げず且つd軸磁束Φdの流れを抑制すると共に、更には他の各種磁束Φm,Φeのバランス及びロータコア(31)の機械強度を考慮して決定することが好ましい。
なお、本実施形態1では、凸孔(36)の突出長さ(w1)は、基孔(35)の周方向の幅(w2)(即ち、図3における基孔(35)の短辺方向の幅)よりも大きくなっている。従って、凸孔(36)の磁気抵抗はその分増しており、短絡磁束漏れΦeの発生を低減することができている。
<効果>
本実施形態1のロータコア(31)には、磁石用スロット(32)と、当該磁石用スロット(32)の両端部からロータコア(31)の外周部に延びる基孔(35)とが形成されている。即ち、軸方向から見ると、磁石用スロット(32)及び基孔(35)は、ロータコア(31)の内周側に突出した形状となっている。そして、ロータコア(31)には、基孔(35)と共に空隙(34)を構成する部分として、凸孔(36)が更に形成されている。凸孔(36)は、磁石用スロット(32)の両端部における基孔(35)同士の対向する周縁部分(35a,35a)から、ロータコア(31)の周方向に突出した形状となっている。しかも、凸孔(36)は、基孔(35)の外周側先端部(35b)よりも磁石用スロット(32)側、つまりは永久磁石(39)側に位置している。
このように、凸孔(36)は、巻線によるq軸磁束Φqがロータコア(31)内部に流入する部分には位置していないため、q軸磁束Φqを低下させることはない。更に、凸孔(36)は、基孔(35)同士の対向する周縁部分(35a,35a)からロータコア(31)の周方向に突出した形状となっているため、巻線によるd軸磁束Φdの流れを制限すると共に、磁石磁束Φmを永久磁石(39)からロータコア(31)の外周側へと集中して流すことができる。従って、磁石磁束Φmのインダクタンスに基づき発生するマグネットトルクは良好であると共に、q軸磁束Φq及びd軸磁束Φdの各インダクタンスに基づき発生するリラクタンストルクの低下を防ぐことができる。
更に、凸孔(36)が基孔(35)の外周側先端部(35b)よりも磁石用スロット(32)側に位置している。そのため、ロータコア(31)のブリッジ部(31a)は、図4に比して短く、ロータコア(31)の機械強度は図4よりも高い。従って、回転に伴う遠心力が作用しても、ブリッジ部(31a)付近が径方向へと変形する虞は、図4より低い。
更に、空隙(34)は、基孔(35)のみならず更に凸孔(36)によって構成されている。従って、磁気障壁としての空隙(34)の距離は、図4に比して大きいと言える。故に、短絡磁束漏れΦeは、図4に比べると生じにくい。
また、本実施形態1では、凸孔(36)と基孔(35)とが繋がるようにして、ロータコア(31)に形成されている。従って、短絡磁束漏れΦeの発生をより低減することができる。また、基孔(35)及び凸孔(36)が連続しているため、ロータ(30)の製造時、ロータコア(31)への基孔(35)及び凸孔(36)の形成が簡単になる。
また、本実施形態1の凸孔(36)は、軸方向視における凸孔(36)の形状が、角部のない半円形状となっている。これにより、凸孔(36)が角部を有する形状の場合に生じ得る局所的な磁束飽和を防ぐことができると共に、巻線によるq軸磁束Φqをスムーズに流すことができる。
また、本実施形態1のロータコア(31)は、飽和磁束密度が2.3T以上である磁性材料で構成されている。従って、回転時、ロータ(30)には高いトルクが発生する。
また、本実施形態1のロータコア(31)では、凸孔(36)の突出長さ(w1)が基孔(35)の周方向の幅(w2)よりも大きいため、凸孔(36)の磁気抵抗はその分増していると言える。従って、短絡磁束漏れΦeの発生をより低減することができる。
≪実施形態2≫
上記実施形態1では、主に図2,3に示すように、1つの磁石用スロット(32)の両端部に位置する2つの基孔(35)それぞれに対応して、凸孔(36)が設けられている場合について説明した。本実施形態2では、図5に示すように、1つの磁石用スロット(32)の両端部に位置する2つの基孔(35)のうちの1つに対応して、凸孔(36)が1つ設けられている場合について説明する。つまり、本実施形態2では、ロータコア(31)上に形成される磁極1つに対して凸孔(36)が1つ設けられている。
具体的に、図5では、1つの磁石用スロット(32)の両端部それぞれには基孔(35)が設けられているが、凸孔(36)は、このうちロータコア(31)の回転方向の前進側に位置する基孔(35)のみに対応して形成されている。凸孔(36)は、回転方向の後進側に向けて突出した形状の孔となっている。そして、図5では、凸孔(36)の周方向の長さである突出長さ(w1)は、基孔(35)の周方向の幅(w2)(即ち、図5における基孔(35)の短辺方向の幅)よりも大きくなっている。
このように、図5でも、凸孔(36)の突出長さ(w1)が基孔(35)の周方向の幅(w2)よりも大きいため、凸孔(36)の磁気抵抗は、その分増していると言える。従って、短絡磁束漏れΦeの発生が低減される。
また、凸孔(36)は、ロータコア(31)の回転方向の前進側に位置する基孔(35)のみに対応して形成されているため、回転方向の前進側の基孔(35)に対応するロータコア(31)の外周面付近の、巻線によるq軸磁束Φqの流れを妨げることなく、且つ磁石磁束Φmを永久磁石(39)からロータコア(31)の外周側へと集中して流すことができる。そのため、エアギャップ(G)にて発生する磁束密度を高くでき、従って磁石磁束Φmによるマグネットトルク及びq軸インダクタンスに基づき発生するリラクタンストルクを増加させることが可能である。
なお、本実施形態2に係るステータ(20)及びロータ(30)の他の構成については、上記実施形態1と同様である。
≪実施形態3≫
上記実施形態1では、基孔(35)及び凸孔(36)が連続して形成されている場合について説明した。本実施形態3では、図6に示すように、基孔(35)及び凸孔(36)は連続しておらず、互いに若干離隔してロータコア(31)に形成される場合について説明する。
具体的に、図6のロータコア(31)は、連結部(31b)を有する。連結部(31b)は、基孔(35)の周縁部分(35a)(即ち、凸孔(36)側の周縁部分)と、当該周縁部分(35a)に対応する凸孔(36)の基孔側周縁部分(36c)とを連結している。即ち、ロータコア(31)の連結部(31b)は、基孔(35)の長手方向であるロータコア(31)の径方向に延びており、凸孔(36)と基孔(35)との間を仕切っている。従って、ロータコア(31)には、連結部(31b)を隔てて基孔(35)と凸孔(36)とが形成されている。
なお、図6では、連結部(31b)の周方向の幅が、基孔(35)の周方向の幅及び凸孔(36)の突出長さに比して、十分小さくなっている場合を例示している。
凸孔(36)が大きい程、ロータコア(31)上では、ロータ(30)の回転に伴う遠心力によって、凸孔(36)がロータコア(31)の外周方向へと拡がる変形が生じ易くなる。すると、ロータコア(31)のブリッジ部(31a)も、ロータコア(31)の外周方向へと拡がる虞がある。しかし、本実施形態3では、半円形状の凸孔(36)の端点同士が、連結部(31b)によって接続されており、基孔(35)及び凸孔(36)は、連結部(31b)によって非連続となるようにロータコア(31)に形成されている。これにより、遠心力による凸孔(36)の変形は抑えられるため、ブリッジ部(31a)の変形を抑えることができる。
<その他の実施形態>
上記実施形態1〜3において、凸孔(36)の形状は、半円形状に限定されない。凸孔(36)は、例えば四角形等を含む多角形状であってもよいし、直線と曲線とで囲まれた形状であってもよい。一例としては、凸孔(36)の永久磁石(39)側の周縁部分(36a)は、基孔(35)とのなす角度が約90度の近い直線で構成されることで、凸孔(36)の立ち上がりを急峻にし、一方で凸孔(36)の他方の周縁部分(36b)は、q軸磁束Φqの磁路を妨害しないようにするべくなだらかな曲線で構成されていてもよい。
上記実施形態1〜3において、ロータコア(31)は、飽和磁束密度が2.3T以上の磁性材料で構成されていなくても良い。
上記実施形態1〜3において、モータ(10)の用途は、空気調和装置の圧縮機モータ以外であってもよい。例えば、モータ(10)は、自動車用モータとして適用することが可能である。
また、上記実施形態1〜3において、ロータコア(31)に形成された磁極の数は、複数であれば良く、上記実施形態1〜3にて述べた個数(4つ)に限定されることなくいくつ形成されていても良い。
また、上記実施形態1〜3において、凸孔(36)の突出長さ(w1)は、基孔(35)の周方向の幅(w2)よりも小さくてもよい。
また、上記実施形態1〜3では、磁石用スロット(32)及び基孔(35)が共に軸方向視において矩形状である場合について説明したが、磁石用スロット(32)及び基孔(35)の形状は、これに限定されない。また、連続して形成された磁石用スロット(32)及び基孔(35)は、軸方向視においてロータコア(31)の内周側に突出した円弧形状となっていてもよい。
また、上記実施形態2のロータコア(31)は、上記実施形態3と同様、凸孔(36)と基孔(35)との間に連結部(31b)を有していても良い。
また、上記実施形態3の凸孔(36)は、上記実施形態2と同様、ロータコア(31)の回転方向の前進側に位置する基孔(35)のみに設けられていても良い。
以上説明したように、本発明は、発生するリラクタンストルクの低下を防ぎつつも良好なマグネットトルクを得るロータとして有用である。
30 ロータ
31 ロータコア
32 磁石用スロット(磁石埋込用孔)
34 空隙
35 基孔
35a 周縁部分
35b 外周側先端部
36 凸孔
36c 基孔側周縁部分
39 永久磁石

Claims (7)

  1. 複数の磁石埋込用孔(32)が周方向に並んで形成されたロータコア(31)と、
    上記磁石埋込用孔(32)それぞれに埋め込まれた永久磁石(39)と、
    を備え、
    上記ロータコア(31)には、上記磁石埋込用孔(32)の周方向の両端部から上記ロータコア(31)の外周側に延びる基孔(35)と、軸方向視において、上記磁石埋込用孔(32)の両端部に設けられた上記基孔(35)同士の対向する周縁部分(35a,35a)の少なくとも一方側から上記ロータコア(31)の周方向に突出した凸孔(36)と、からなる空隙(34)が更に形成され、
    上記凸孔(36)は、上記基孔(35)の外周側先端部(35b)よりも上記磁石埋込用孔(32)側に位置していることを特徴とするロータ。
  2. 請求項1において、
    上記ロータコア(31)には、上記基孔(35)と連続して上記凸孔(36)が形成されていることを特徴とするロータ。
  3. 請求項1において、
    上記ロータコア(31)は、上記周縁部分(35a,35a)と該周縁部分(35a,35a)に対応する上記凸孔(36)の基孔側周縁部分(36c)とを連結する連結部(31b)、を有することを特徴とするロータ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つにおいて、
    上記凸孔(36)は、軸方向視において半円形状であることを特徴とするロータ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つにおいて、
    上記ロータコア(31)は、飽和磁束密度が2.3T以上である磁性材料で構成されていることを特徴とするロータ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つにおいて、
    上記凸孔(36)の突出長さ(w1)は、上記基孔(35)の周方向の幅(w2)よりも大きいことを特徴とするロータ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1つにおいて、
    上記凸孔(36)は、上記磁石埋込用孔(32)の両端部それぞれに設けられた上記基孔(35)のうち、上記ロータコア(31)の回転方向の前進側に位置する上記基孔(35)のみに対応して形成されていることを特徴とするロータ。
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