JP2007240610A - トナー及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
1次帯電された静電潜像保持体に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、該静電潜像を複数の現像装置が有している各色のトナーによって現像し、該静電潜像保持体上にトナー画像を形成する現像工程、該潜像保持体上に形成された各色のトナー画像を記録材に転写する転写工程、及び、該記録材に転写されたトナー画像を該記録材に定着する定着工程を有する画像形成方法に用いられるトナーであって、少なくとも着色剤及び樹脂を有し、荷電制御剤として下記化学式(A)で表される有機ホウ素化合物を含有しており、さらに該トナーは無機微粒子で処理されており、該無機微粒子の少なくとも1種類が下記一般式(2)で表される珪酸マグネシウム化合物であることを特徴とするトナー。
【選択図】なし
Description
電子写真や静電記録等で採用される乾式現像方式には、トナー及びキャリアからなる二成分系現像剤を用いる方式と、キャリアを含まない一成分系現像剤を用いる方式とがある。前者の方式は、比較的安定して良好な画像が得られるが、キャリアの劣化並びにトナーとキャリアとの混合比の変動等が発生しやすいことから長期間にわたっての一定品質の画像は得られにくく、また、装置の維持管理性やコンパクト化に難点がある。そこで、こうした欠点を有しない後者の一成分系現像剤を用いる方式が注目されるようになっている。
このような課題を解決する為に後述するようにさまざまな処理剤が使用されているが各々課題が生じる。
特許文献2〜4に記載のシリコーンオイルで処理した珪酸マグネシウムを使用した場合はシリコーンオイルによるトナー流動性の悪化、帯電上昇等を引き起こし、現像器での搬送不良、濃度低下を引き起こす。また、実施例に記載されている粒径の珪酸マグネシウムは現像器内で脱離が生じやすく、現像部材、潜像担持体等の汚染が生じ易く、特に有機ホウ素化合物を使用しているトナーにおいては耐久劣化が激しくなり画像に悪影響がでる。
特許文献6に記載のトナーのように、チタン酸微粉体を使用した場合、この材料自体が低抵抗である為、帯電のリークが大きく、地汚れ、トナー漏れ、トナー飛散を生じ易い。
特許文献7に記載のトナーのように、チタニアを使用した場合もまたこの材料が低抵抗、高誘電率材料である為、添加量調整が困難で、多量に添加すると帯電のリークが大きくトナー全体の帯電低下を引き起こし、また、少量であると帯電上昇を引き起こす。これによりどちらの場合も地汚れ、トナー漏れ、トナー飛散を生じ易い。
本発明の目的は、現像器における現像ローラと規制ブレード間での摩擦帯電を効率良く、均一に行うことにより、地汚れが発生せず、かつ、現像ローラ上トナーの帯電不良が原因によるトナー漏れを抑制し、しかも優れた画像安定性の得られる静電荷現像用トナーを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、現像器内における薄層形成材質が金属と樹脂の組み合わせである構成において、現像器における現像ローラと規制ブレード間での摩擦帯電を効率良く、均一に行うことにより、地汚れが発生せず、かつ、現像ローラ上トナーの帯電不良が原因によるトナー漏れを抑制し、しかも優れた画像安定性の得られる非磁性一成分画像形成方法に関するものである。
すなわち、本願発明は以下の(1)〜(10)である。
(4) 該珪酸マグネシウム化合物がフォルステライト、ステアタイト及びエンスタタイトからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のトナー。
(5) 該荷電制御剤の添加量が樹脂100質量部に対して0.5〜3質量部であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のトナー。
(6) 少なくとも、結着樹脂、着色剤及び荷電制御剤を有するトナー母体に無機微粒子を外添したトナーによってカラー画像を形成する画像形成方法において、該画像形成方法が、少なくとも静電潜像を保持するための静電潜像保持体を有し、1次帯電された静電潜像保持体に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、該静電潜像を複数の現像装置が有している各色のトナーによって現像し、該静電潜像保持体上にトナー画像を形成する一成分現像法による現像工程、該潜像保持体上に形成された各色のトナー画像を記録材に転写する転写工程、及び、該記録材に転写されたトナー画像を該記録材に定着する定着工程を有するものであり、該トナーとして上記(1)〜(5)のいずれかに記載のトナーを用いることを特徴とする非磁性一成分画像形成方法。
(7) 該現像工程において使用する現像装置が、現像ローラと該現像ローラ表面に形成されるトナーの層圧を規制するトナー層厚規制部材とを有することを特徴とする上記(6)に記載の非磁性一成分画像形成方法。
(8) 前記現像ローラの少なくとも表層が金属からなり、前記トナー層厚規制部材の少なくとも表層が弾性体からなることを特徴とする上記(7)に記載の非磁性一成分画像形成方法。
(9) 前記現像ローラの少なくとも表層が弾性体からなり、前記トナー層厚規制部材の少なくとも表層が金属からなることを特徴とする上記(7)に記載の非磁性一成分画像形成方法。
(10) 静電潜像保持体と、帯電手段、現像手段、クリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、前記現像手段は、トナーを保持し、該トナーは、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
XはLi、NaまたはKであり、トナーの耐湿性を考慮すると、好ましくはKである。
誘電率が2より小さいと帯電助剤としての機能を果たさず、10より大きいとチャージアップの要因となり、現像器中でのトナーの帯電が不均一になる。また、体積固有抵抗が1011Ω・cmより小さいと静電潜像保持体を帯電する為の帯電部材に付着した際、表面抵抗を低下させ、静電潜像保持体の帯電不良を引き起こす。
なお、本件発明における無機微粒子は、一般式(2)で表される珪酸マグネシウム化合物を主成分として含んでおればよく、この他に一般式(2)で示されないSiO2−MgO系複合酸化物を含有していてもよい。
硬度が4.5未満であると静電潜像保持体へのフィルミングが発生する。また、8を超えると静電潜像保持体にキズが付きやすい。
トナー中に混合される珪酸マグネシウムの量としては、トナー母体100質量部に対し、0.1〜5.0質量部、好ましくは0.2〜3.0質量部、さらに好ましくは、0.3〜2.5質量部である。0.1質量部未満であると本発明の効果が発揮されず、5質量部を超えるとトナー帯電性が著しく低下しトナーこぼれや過剰なトナー搬送、装置内でのトナー飛散、トナー漏れ発生につながる。
本発明に用いられる珪酸マグネシウムの製造方法としては、たとえば特開2003−327470号公報に開示されている方法が挙げられる。
上記化学式(1)におけるA+はアルカリ金属イオンであるが、特にK+が好ましい。
該荷電制御剤は帯電の立ち上がり特性に優れ、また、白色である為、カラー用としても好ましく用いることができる。ただし、該荷電制御剤は耐久試験、高温高湿環境試験を実施した場合、帯電量の低下傾向が認められる。
トナー中に添加される該荷電制御剤の量としてはトナー母体100質量部に対し、0.5〜3質量部、好ましくは0.5〜2.5質量部、さらに好ましくは0.6〜2.3質量部である。0.5質量部未満であると所望の帯電立ち上がり特性が得られず、3質量部より多いと帯電の低下が大きくなり本発明の効果を得難い。
以下では、本発明を粉砕法トナーを例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
バインダー樹脂の種類は特に制限されず、フルカラートナーの分野で公知のバインダー樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、COC(環状オレフィン樹脂(例えば、TOPAS−COC(Ticona社製)))等であってよいが、現像器内での耐ストレス性の観点から、ポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。また、これらは場合に応じて2種類以上組み合わせて使用しても良い。
すなわち、第1バインダー樹脂としては、上述した多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させて得られたポリエステル樹脂、特に多価アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を用い、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸およびフマル酸を用いて得られたポリエステル樹脂を用いる。
一般に、ワックスの極性が低いほうが定着部材ローラとの離型性に優れている。
本発明に用いられるワックスは、極性の低い炭化水素系ワックスである。
(炭化水素系ワックス)
炭化水素系ワックスとは、炭素原子と水素原子のみからなるワックスであり、エステル基、アルコール基、アミド基などを含まない。具体的な炭化水素系ワックスとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンの共重合体、などのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワックス、フィッシャートロプシュワックス、などの合成ワックスなどが挙げられる。このうち、本発明において好ましいものは、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスであり、さらに好ましくはポリエチレンワックス、パラフィンワックスである。
本発明におけるワックスの融点は、示差走査型熱量計(DSC)にて測定される昇温時のワックスの吸熱ピークのピークトップ温度であり、70℃〜90℃の範囲にあることが好ましい。90℃よりも高いと、定着プロセスにおけるワックスの溶融が不十分になり、定着部材との分離性が確保できなくなる。また70℃よりも低いと、高温高湿環境においてトナー粒子同士が融着するなど、保存安定性に問題が生じる。低温での定着分離性に余裕を持たせるためには、ワックスの融点は70℃〜85℃がより好ましく、さらに好ましくは70℃〜80℃の範囲である。
また、示差走査型熱量計(DSC)にて測定される昇温時のワックス吸熱ピークの半値幅は、7℃以下であることが好ましい。本発明におけるワックスの融点は比較的低いため、吸熱ピークがブロード、つまり低温域から溶融するようなワックスは、トナーの保存安定性に悪影響を及ぼす。
本発明のトナー中におけるワックスの含有量は、3〜10質量%、好ましくは4〜8質量%、さらに好ましくは4〜6.5質量%の範囲にある。ワックスの含有量が3質量%未満であると、定着プロセスにおいて溶融トナーと定着部材との間に染み出すワックスの量が不十分であり、溶融トナー−定着部材間の接着力が下がらないため、記録部材が定着部材から離れない。一方、ワックスの含有量が10質量%を超過すると、トナー表面に露出するワックス量が増加し、トナー粒子の流動性の悪化により、現像ユニットから静電潜像保持体、静電潜像保持体から記録部材への転写効率が低下し、画像品位が著しく低下するだけでなく、トナーの表面のワックスが離脱し、現像部材や静電潜像保持体の汚染を引き起こすため、好ましくない。
トナー粒子中における第1バインダー樹脂(内添ワックス重量を含む)と第2バインダー樹脂の含有割合は重量比で80/20〜55/45好ましくは70/30〜60/40である。第1バインダー樹脂が少なすぎると分離性、耐高温オフセット性が低下して問題となる。第1バインダー樹脂が多すぎると光沢性、耐熱保管性が低下する。
より好ましくは上記のような重量比で使用された第1バインダー樹脂と第2バインダー樹脂からなるバインダー樹脂の軟化点は100〜125℃、特に好ましくは105〜125℃である。本発明においてはワックスが内添された第1バインダー樹脂と第2バインダー樹脂からなるバインダー樹脂の軟化点が上記範囲内であればよい。
第1バインダー樹脂はテトラヒドロフラン(THF)に不溶な成分を含有していることが、耐高温オフセット性の観点から好ましい。ワックス内添第1バインダー樹脂中でのTHF不溶成分含有量で0.1〜15質量部、特に0.2〜10質量部、さらに0.3〜5質量部が好ましい。
本発明で使用される着色剤としては、従来からフルカラートナーの着色剤として使用されている公知の顔料及び染料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を挙げることができる。トナー粒子中における着色剤の含有量としては全バインダー樹100重量部に対し2〜15重量部の範囲が好ましい。着色剤は、使用される第1バインダー樹脂と第2バインダー樹脂との混合バインダー樹脂中に分散されたマスターバッチの形態で使用されることが分散性の観点から好ましい。マスターバッチの添加量は含有される着色剤の量が上記範囲内となるような量であればよい。マスターバッチ中の着色剤含有率は20〜40質量部が好適である。
本発明においては前記化学式(1)で表されるホウ素有機化合物を荷電制御剤として用いるが、従来からフルカラートナーで使用されている公知の荷電制御剤を併用しても良い。
例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
本発明では、前述の珪酸マグネシウム化合物と合わせて流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として他の無機微粒子が用いることができる。
無機微粒子の具体例としては、例えば酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、酸化チタン、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
本発明における外添剤総量としては、トナー母体100質量部に対して1.0〜5.0質量部である事が好ましい。外添剤総量が上記の範囲より多い場合、カブリ、現像性、定着分離性が悪化する。外添剤総量が上記の範囲より少ない場合、流動性、転写性、耐熱保管性が悪化する。
本発明のトナーは、上記炭化水素系ワックスが内添された第1バインダー樹脂、第2バインダー樹脂、および着色剤を従来の方法で混合、混練、粉砕、分級し、所望の粒径を有するトナー粒子(着色樹脂粒子)を得、外添剤と混合することにより得ることができる。トナー粒子の平均粒径としては4〜10μm、好ましくは5〜10μmである。
現像器は、現像ローラと該現像ローラ表面に形成されるトナーの層圧を規制するトナー層厚規制部材とを有する。
現像ローラの表面材料はトナー層厚規制部材の表面材料が弾性体であれば金属材料とし、トナー層厚規制部材の表面材料が金属であれば弾性体とする。
まず、現像ローラの表面材料を弾性体とした場合について説明する。
現像ローラは、例えば、導電性シャフトの外周にゴム弾性体を被覆することにより製造される。導電性シャフトは、例えば、ステンレスなどの金属で構成される。
弾性体(弾性ゴム、樹脂等)の層を被覆したローラの表面にはトナーと逆の極性に帯電しやすい材料から成る表面コート層が設けられる。弾性体層は、トナー層厚規制部材との当接部での圧力集中によるトナー劣化を防止するために、JIS−Aで60度以下の硬度に設定される。表面粗さはRaで0.3〜2.0μmに設定され、必要量のトナーが表面に保持される。また現像ローラには静電潜像保持体との間に電界を形成させるための現像バイアスが印加されるので、弾性体層は103〜1010Ωの抵抗値に設定される。現像ローラは時計回りの方向に回転し、表面に保持したトナーをトナー層厚規制部材および静電潜像保持体との対向位置へと搬送する。
次に、現像ロールが金属製の場合について説明する。
現像ローラはガラスビーズによるブラスト処理を施して、所定の表面粗さにを形成している。特に現像ロールがアルミ材の場合は加工が容易なことから、好ましい。また、このアルミ材の現像ロールは、ガラスビーズを吹き付ける圧力を調整することによって、容易に所定の表面粗さに形成できる。
現像ロール表面粗さ(Ra)は0.2〜0.5μmの範囲に設定される。
トナー層厚規制部材は供給ローラと現像ローラの当接位置よりも低い位置に設けられる。トナー層厚規制部材は、SUSやリン青銅等の金属板バネ材料を用い、自由端側を現像ローラ表面に10〜40N/mの押圧力で当接させたもので、その押圧下を通過したトナーを薄層化するとともに摩擦帯電によって電荷を付与する。さらにトナー層厚規制部材には摩擦帯電を補助するために、現像バイアスに対してトナーの帯電極性と同方向にオフセットさせた値の規制バイアスが印加される。
次に、トナー層規制部材が弾性体の場合について説明する。
トナー層厚規制部材は、SUSやリン青銅等の金属板バネ材料の表面に弾性体を貼り付けて構成される。
現像ローラの表面、規制部材に使用する弾性体を構成するゴム弾性体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン−ブタジエン系共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、これらの2種以上のブレンド物などが挙げられる。これらの中でも、エピクロルヒドリンゴムとアクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ゴムとのブレンドゴムが好ましく用いられる。
静電潜像保持体1は矢印方向に下方から上方へ回転する。現像装置2の現像ローラ3は、静電潜像保持体1に接触あるいは0.1〜0.3程度のギャップを保持し、矢印の様に駆動される。
現像ローラ3の材質は、アルミ、ステンレス等の導電体にサンドブラスト処理で表面を適度な粗さを保持したものもしくは導電性ゴム材により構成される。現像ローラ3の周囲にはトナー供給ローラ4、板バネ材にゴム板(ウレタンゴム、シリコンゴム等)を貼り付けたもの、もしくはSUS等の金属材質のトナー層厚規制部材5が配置される。
また、トナー供給ローラ4へのトナー供給のため、トナー送りシャフト6がトナーTを保持するトナー保持室7に回転自在に配設される
また、本発明のトナーは、静電潜像保持体、帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在としたプロセスカ−トリッジにおける現像手段に保持して用いることができる
まず、用いた材料についての物性の測定方法及び得られた試料の評価方法について述べる。
(トナー粒子径(コールター))
トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を固形分にして2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dp)を求めることができる。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
フローテスター(CFT−500/島津製作所社製)を用い、測定試料1.5gを秤量し、H1.0mm×φ1.0mmのダイを用いて、昇温速度3.0℃/min、予熱時間180秒、荷重30kg、測定温度範囲80〜140℃の条件で測定を行い、上記の試料が1/2流出した時の温度を軟化点とした。
一次粒子径は無機微粒子を樹脂で包埋し、ミクロトームで薄片を作成し、これをTEM観察により粒子径を測定した。
二次粒子径はレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920/堀場製作所製)を用い、分散剤として界面活性剤を0.1〜5ml加え、測定試料を固形分にして2〜20mg加える。試料を懸濁した液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により測定した。
モース硬度は、基準となる鉱物をこすりつけてキズが付くか否かによって決定される。参考までに表2に基準となる鉱物及びその硬度を示す。
(株)リコー製 IPSiO CX2500を使用し、印字率6%の所定のプリントパターンを、N/N環境下(23℃、45%)の2000枚連続複写後に現像器の状態および複写画像を目視により観察し、評価した。なお上記複写機は金属製の現像ローラと弾性体製のトナー層厚規制部材を有している。判定基準は以下の通りである。
○ 良好
△ 実使用上問題のないレベル
× 実使用上NG
(珪酸マグネシウム化合物の作成)
Mg(OH)2粉末のスラリーとSiO2粉末(平均一次粒子径0.02μm)をMgO:SiO2(モル比)で2:1となる様に秤量し、MgO濃度71.5g/L、SiO2濃度53.3g/Lで150Lのスラリーとし、サンドグラインダーミルにて、メディアに0.8mmφのアルミナシリカ系ビーズを用い、メディア充填率80%、送液速度4.0L/min、スラリーパス回数3パスの条件で湿式粉砕を行った。スラリーをスプレードライヤーで噴霧乾燥し、電気炉にて大気中で1100℃で30分焼成を行った。その後、焼成品を300g/Lとなるようにスラリー化して、50Lをサンドグラインダーミルにて、メディアに0.8mmφのアルミナシリカ系ビーズを用い、メディア充填率80%、送液速度5.6L/min、スラリーパス回数2パスの条件で湿式粉砕を行った。スラリーをスプレードライヤーで噴霧乾燥し、サンドミルにて粉砕し、フォルステライト1を得た。
以上のようにして得られた粉末を、X線回折により同定したところ、フォルステライトの単一相であった。また、平均一次粒子径は0.10μm、比表面積は18.9m2/g、平均二次粒子径は0.39μmであった。
以上のようにして得られた粉末を、X線回折により同定したところ、フォルステライトの単一相であった。また、平均一次粒子径は0.27μm、比表面積は7.5m2/g、平均二次粒子径は2.4μmであった。
以上のようにして得られた粉末を、X線回折により同定したところ、エンスタタイトの単一相であった。また、平均一次粒子径は0.09μm、比表面積は20.5m2/g、平均二次粒子径は0.40μmであった。
ビニル系モノマーとして、スチレン600g、アクリル酸ブチル110g、アクリル酸30g及び重合開始剤としてジクミルパーオキサイド30gを滴下ロートに入れた。ポリエステルの単量体のうち、ポリオールとして、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1230g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン290g、イソドデセニル無水コハク酸250g、テレフタル酸310g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸180g及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド7g、ワックスとしてパラフィンワックス(融点73.3℃、示差走査型熱量計で測定される昇温時の吸熱ピークの半値幅は4℃)を340g(仕込モノマー100重量部に対して11.0重量部)、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下に、160℃の温度で撹拌しつつ、滴下ロートよりビニル系モノマー樹脂と重合開始剤の混合液を一時間かけて滴下した。160℃に保持したまま2時間付加重合反応を熟成させた後、230℃に昇温して縮重合反応を行わせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行い、所望の軟化点に達したときに反応を終了させ、樹脂H1を得た。樹脂軟化点は130℃であった。
ポリオールとして、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2210g、テレフタル酸850g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸120g及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド0.5gを、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下230℃に昇温して縮重合反応を行わせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行い、所望の軟化点に達したときに反応を終了させ、樹脂L1を得た。樹脂軟化点は115℃であった。
第1バインダー樹脂と第2バインダー樹脂とを7:3の割合で含むバインダー樹脂100質量部(内添ワックスの重量を含む)に対して、C.I.ピグメント・ブルー15:3 4質量部含有相当のマスターバッチ、荷電制御剤として化学式(1)のA+がK+である有機ホウ素化合物LR−147(日本カーリット社製) 1質量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、2軸押し出し混練機(PCM−30:池貝鉄工社製)の排出部を取り外したものを使用して、溶融混練し、得られた混練物を冷却プレスローラーで2mm厚に圧延し、冷却ベルトで冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(KTM:川崎重工業社製)で平均粒径10〜12μmまで粉砕し、さらに、ジェット粉砕機(IDS:日本ニューマチックエ業社製)で粗粉分級しながら粉砕した後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス型分級機タイプ:100ATP:ホソカワミクロン社製)を使用して分級を行い、着色樹脂粒子1を得た。この着色樹脂粒子1の平均粒径は7.9μmであった。
上記のようにして得た着色樹脂粒子1 100質量部に対してフォルステライト1を1質量部(第1無機微粒子)、シリカRX200(日本エアロジル製、1次粒子径12nm、HMDS表面処理)を1質量部(第2無機微粒子)を添加し、ヘンシェルミキサーで(周速40m/sec、60秒間)混合処理しシアントナー1を得た。
得られたトナーについて評価した結果を表1に示す。
以下、表1記載の外添剤を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜7、比較例1〜8のシアントナー2〜16を得た。
得られたトナーについて評価した結果を表1に示す。
2 現像装置
3 現像ローラ
4 トナー供給ローラ
5 トナー層厚規制部材
6 トナー送りシャフト
7 トナー保持室
T トナー
Claims (10)
- 少なくとも、結着樹脂、着色剤及び荷電制御剤を有するトナー母体に無機微粒子を外添したトナーにおいて、該荷電制御剤が下記化学式(A)で表される有機ホウ素化合物であり、該無機微粒子がモース硬度4.5〜8である下記一般式(2)で表される珪酸マグネシウム化合物であることを特徴とするトナー。
- 該珪酸マグネシウム化合物の平均一次粒径が0.05μm〜0.15μm、平均二次粒径が0.2μm〜0.6umであり、トナー母体100質量部に対し、0.1〜5質量部添加されている請求項1又は2に記載のトナー。
- 該珪酸マグネシウム化合物がフォルステライト、ステアタイト及びエンスタタイトからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
- 該荷電制御剤の添加量が樹脂100質量部に対して0.5〜3質量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
- 少なくとも、結着樹脂、着色剤及び荷電制御剤を有するトナー母体に無機微粒子を外添したトナーによってカラー画像を形成する画像形成方法において、該画像形成方法が、少なくとも静電潜像を保持するための静電潜像保持体を有し、1次帯電された静電潜像保持体に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、該静電潜像を複数の現像装置が有している各色のトナーによって現像し、該静電潜像保持体上にトナー画像を形成する一成分現像法による現像工程、該潜像保持体上に形成された各色のトナー画像を記録材に転写する転写工程、及び、該記録材に転写されたトナー画像を該記録材に定着する定着工程を有するものであり、該トナーとして請求項1〜5のいずれかに記載のトナーを用いることを特徴とする非磁性一成分画像形成方法。
- 前記現像工程において使用する現像装置が、現像ローラと該現像ローラ表面に形成されるトナーの層厚を規制するトナー層厚規制部材とを有することを特徴とする請求項6に記載の非磁性一成分画像形成方法。
- 前記現像ローラの少なくとも表層が金属からなり、前記トナー層厚規制部材の少なくとも表層が弾性体からなることを特徴とする請求項7に記載の非磁性一成分画像形成方法。
- 前記現像ローラの少なくとも表層が弾性体からなり、前記トナー層厚規制部材の少なくとも表層が金属からなることを特徴とする請求項7に記載の非磁性一成分画像形成方法。
- 静電潜像保持体と、帯電手段、現像手段、クリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、前記現像手段は、トナーを保持し、該トナーは、請求項1〜5のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
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