JP4490604B2 - 画像形成方法、この方法に使用する一成分現像剤および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はオイルレス定着を採用した電子写真方式による画像形成方法、該方法に使用する一成分現像剤および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法で一成分現像剤を用いる画像形成法は広く知られ、プリンタやファクシミリ、複写機等に利用されている。
最近は、特開昭60−41079号公報に開示されているように、トナーにより感光体ドラム上に形成された潜像を現像し、これを普通紙などの転写材に転写後、感光体ドラム上に残留したトナーをクリーナーで除去し、この除去されたトナーを現像装置に戻して再利用することが多くなってきている。
また、特開平7−199538号公報に開示されているように、低温定着のリサイクルシステムにおいてもトナー劣化が少なく長時間良好な画質を形成することのできるトナーとして、流動性向上剤として、帯電量を増加させる添加剤と減少させる添加剤との2種類を含有(外添)し、更に離型剤としてカルナウバワックス等を含有したトナーが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで最近は、コピー機にもプリンタ機能が付加されたものが多く、コピーやプリント1枚のみの出力が多くなり、コピー、プリント枚数に対し現像時の現像剤の攪拌時間が多くなってきている。
現像装置においては、現像剤の攪拌が現像剤の劣化に大きく影響している。現像剤は現像領域に搬送される前に弾性ブレード或いはスポンジローラ等によって現像ローラに押し付けられる。その結果、現像剤の温度上昇となり局部的にトナーの成分が現像ローラに付着する。オイルレストナーには定着離型性を確保するためにワックスが分散されているが、このトナーに熱ストレスを加えた場合、ワックスがトナー表面に出て、ワックス過多となり、現像ローラ表面にもワックスを付着させてしまう。その結果、トナー極性が負の場合、同じ極性のワックスが現像ローラに付着することにより摩擦帯電付与部材によって押圧されても適切な摩擦帯電量が得られなくなる。
【0004】
また、画像濃度制御方式としては、感光体上の付着トナーの濃さを光検知して現像に係わる電位をコントロールする方式が使われている。その結果、トナー帯電量が低下すると現像バイアスを下げる制御を加えるため、中間画像濃度域までは現像γ特性が立つものの飽和画像濃度が出なくなるという不具合を生じる。その結果、画像濃度低下やシャープ性不良といった問題が発生してしまうが、特に高速機での不具合が大きい。
【0005】
すばやく適切な摩擦帯電性をトナーに付与するためには、現像ローラに対する摩擦帯電付与部材の当接圧を30g/cm以上に設定する必要がある。
通常、感光体速度に対し現像ローラの回転速度は1.0〜2.0倍の速さで用いられている。このとき、現像装置の摩擦帯電付与部材の現像剤通過量が1秒当たり1cm幅で0.02〜0.12gの通過量となる。(現像ローラの速度25〜85cm/secで、スリーブ上現像剤量:0.8〜1.2g/1cm2)この条件で前記問題が発生する。上記の摩擦帯電付与部材通過量以下では剤のストレスは小さく大きな問題とはならない。またこの値以上では更に条件が悪くトナーでの対応も困難になる。
【0006】
本発明は、上記した従来の技術を鑑み、トナーへの熱ストレス、機械ストレスに強く、安定した画像が得られる一成分現像剤用のトナーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ワックスを分散したトナーから成る一成分現像剤を有し、オイルレス定着方式を用いた電子写真画像形成装置において、現像の現像ローラ速度が25〜85cm/secで、摩擦帯電付与部材による当接圧が30g/cm以上で摩擦帯電付与部材を通過後の現像剤通過量が0.02〜0.12g/(cm・sec)である電子写真画像形成装置に使用されて、かつ、動摩擦係数が0.20〜0.45であることを特徴とするトナー、該トナーを用いた画像形成方法、および該トナーを搭載した画像形成装置により前記問題を解決できたことを特徴とする。
【0008】
すなわち、本発明が対象とする高速機では摩擦帯電付与部材による当接圧が強く、その強くなっている摩擦帯電付与部材の下(摩擦帯電付与部材と現像ローラとの間隙)を0.02〜0.12g/(cm・sec)という多量の現像剤が通過するため、このような現像条件を採用しない機種よりも圧倒的に摩擦熱等による発熱量が大きい。
本発明では前記したような摩擦帯電付与部材の押圧下で発熱してもワックスのしみだしのないトナーを提供し、該トナーを本発明が対象とする高速機と組合せることで、常時安定した画像を得ることができる画像形成装置および画像形成方法提を供することができた。
【0009】
本発明においては、トナー中に分散したワックスの染み出しを抑制するために、トナー表面に可能なかぎりワックス成分が存在しないように制御することが好ましい。そして、そのための手段を本発明者らが鋭意検討した結果、トナー粉末を加圧成型したペレットの摩擦係数が0.20〜0.45の範囲に入れば、前記した課題を克服し、本発明の高速タイプで摩擦帯電付与部材による当接圧が強い電子写真画像形成装置において、過酷な機械ストレスを受けてもトナー中のワックスの染み出しの発生しないトナーであると判断できることを見出し、本発明に到達することができた。
【0010】
ここで、一般的にトナー成分の大部分を占める結着樹脂の動摩擦係数は0.5程度であり、ワックスでは約0.1程度である。つまり、トナー表面にワックスが多量に存在すると、動摩擦係数が0.20を下回り、また一方、トナー表面にワックスが適切に存在すれば0.45以内となることを確認した。動摩擦係数が0.45を越えてしまうと、トナー表面にはワックスがほとんど存在しないことになり、定着オフセットを発生する不具合を生じる。
【0011】
本発明のトナーに分散するワックスとして、ライスワックス、またはエステルワックスを用いることにある。これらのワックスはトナー混練時の分散性が非常に良好であり、本発明に用いるワックスとしては好適である。
【0012】
本発明のトナーに分散するワックスの原材料粒径は100〜300μmが好ましい。すなわち、ワックスの原材料時点の粒径を小さく制御しておけばトナーの混練工程で制御されるワックス分散径も小さくなるため、熱ストレスおよび/または機械ストレスがかかってもワックスの染み出しのないトナーを構成しうる。
【0013】
本発明では、スプレードライによる製造法で得られたワックスを使用することが好ましい。スプレードライによる製造法で得られたワックスは、非常に均一な粒度分布をもち、かつ粗大なワックス粒子を含まないため、それを使用してトナーを製造してもトナー中に均一にワックスが分散されるようになり、本発明のトナーに対して好ましい条件となる。
従来一般的なワックスの原材料粒径は600μm近辺であったが、このワックスを使用してごく通常の混練をすると、分散時点のワックス分散径が10μmを越えてしまう場合もあり、そのような混練物を粉砕/分級してトナー化しようとすると、大部分をワックス成分から構成されるトナー粒子が発生してしまうことから、本発明の現像剤に関しては好ましい状態とは言えない。また、ワックスの平均粒径が100μm以下の場合、トナー中の分散径が小さくなり、低温定着性、オフセット性が悪化する。
なお、ワックスのトナー中の分散径は、トナーの透過型走査電子顕微鏡により撮影されたワックス粒子の写真画像を画像解析装置ルーゼックスIIIU(ニレコ社製)を用い画像解析により求める。
【0014】
本発明のトナーは、トナーの円形度が0.94以上であることが好ましい。つまり、円形度の高いトナーから構成されているとことが好ましい。
本発明のトナーは、トナーの円形度が0.94以上という構成を採用することによって一成分現像剤としたときの流動性が高く維持でき、現像スリーブによって本発明の画像形成装置のように現像剤が高速に搬送されても流動性が高いためにドクター下でストレスが受け難いようになっている。
【0015】
本発明の特徴は、トナーのゆるみ見掛け密度を0.3以上とすることである。トナーのゆるみ見掛け密度とは、静置したトナーの締まり具合(密度)を表す。トナーの表面に添加剤等が付着していると、その分粉体としての流動性が向上して締りやすくなり、かつ密度が大きくなる。そこで、ゆるみ見掛け密度が大きいということは、トナーの表面が十分に無機微粉末によって被覆されていることを意味している。この構成によって、トナー表面を無機微粉末によって十分に保護しているため、やはり摩擦帯電付与部材下でのストレスを受け難い構成となっている。
前記したトナー表面の保護効果が高い外添剤としては、モース硬度が9であるアルミナが挙げられ、その圧倒的な硬度によってトナー表面をストレスから守っている。また、一方、シリコーンオイルで処理した無機微粉末を使用した場合でも、シリコーンオイル独特の離型性でもってトナー表面を機械的ストレスから防御する効果が見られている。
【0016】
本発明のトナーは、凝集度が30%以下のものが好ましい。
トナーの凝集度というのは、トナー粒子同士の付着力を意味しており、さらに、凝集度が大きいということは、トナー表面にワックス成分が多いということを意味している。ここで、凝集度が30%越えてしまうと、トナー表面にワックス成分が多く存在しており、本発明の高速機で使用すると、容易にトナーのワックス成分が現像ローラ表面を汚染してしまい、現像剤としての摩擦帯電性が悪化してしてしまい、現像能力の低下および地肌汚れを頻発するようになる。
【0017】
本発明のトナーは、有機金属化合物がジルコニウムと、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸からなるグループから選択される芳香族化合物とが、配位又は/及び結合している有機ジルコニウム化合物を使用することが好ましい。
前記化合物を少量含有させるだけで、ジルコニウムイオンがワックス成分を金属架橋させると考えられ、ワックス成分そのものを現像ローラそのものを汚染しにくく変質させていると考えられる。
【0018】
本発明のトナーは、重合トナーと組合せたものが好ましい。重合トナーの特徴は、ワックスが内包されやすく、その結果摩擦係数は高くなり、粉砕界面がないために円形度が高い。この円形度が高いところに外添剤が付与されるので、流動性は非常に良好である為に本発明のトナーに最適であると言える。
【0019】
本発明の画像形成装置は、現像ローラ表面をシリコーン樹脂で被覆したものが好ましい。シリコーン樹脂の特徴は、その離型性の良好さにあり、現像ローラが汚染しにくい。また、現像ローラ表面にアミノシランカップリング剤が存在することも好ましい。アミノシランカップリング剤は現像ローラ表面への接着性が良好で、なおかつ、アミノ基の強い正極性でもってトナーに対して適切な帯電量をもたらすために、地肌汚れが発生しにくくなる特徴を有している。
本発明の画像形成装置では、現像ギャップが、0.05〜0.2mmであることが好ましい。また、0.05〜0.10mmであれば、より好ましい。本発明では現像ローラ速度が25〜85cm/secという高速機を対象としているために、現像ギャップが0.05mm未満であると、その間隔を現像剤を通過するときのストレスが大きくなりすぎ、現像剤が劣化しやすい。一方、現像ギャップが0.2mmを超えてしまうと、現像領域を通過する現像剤量が多くなりすぎて、感光体表面を傷つけ劣化させやすくなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態により、さらに具体的に説明する。
本発明で使用するワックス成分としては、カルナウバワックス、ライスワックス、合成エステルワックス、およびこれらの混合物を用いることが好ましい。特に、ライスワックスおよび/または合成エステルワックスを用いることが好ましい。
カルナウバワックスはカルナウバヤシの葉から得られる天然のワックスであるが、特に遊離脂肪酸脱離した低酸価タイプのものが結着樹脂中に均一分散が可能であるので好ましい。ライスワックスは米糠から抽出される米糠油を精製する際に、脱ろうまたはウィンタリング工程で製出される粗ろうを精製して得られる天然ワックスである。合成エステルワックスは単官能直鎖脂肪酸と単官能直鎖アルコールからエステル反応で合成される。
これらのワックス成分は単独または併用して使用される。ワックス成分の添加量は0.5〜10重量部が好ましい。
【0021】
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては従来公知の樹脂が全て使用可能である。例えば、スチレン、ポリ−α−スチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジェン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、石油樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラート樹脂などが挙げられる。
これら樹脂は単独使用も可能であるが、二種類以上併用しても良い。また、これら樹脂の製造方法も特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合いずれも使用できる。
【0022】
また、本発明のトナーの外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子は、その一次粒子径は好ましく5mμ〜2μm、さらに好ましくは5mμ〜500mμであり、また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
前記無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
【0023】
前記無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも好ましいのはアルミナである。
【0024】
この他、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0025】
このような外添剤すなわち流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、シリコーンオイル、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤などが好ましい表面処理剤として挙げられる。
【0026】
上記トナーに流動化剤を添加するにはスーパーミキサー、ヘンシェルミキサーなどの混合機を用いる。
【0027】
本発明の現像剤は、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
【0028】
具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カ一リット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0029】
(各特性の測定方法)
1.トナー表面摩擦係数
表面摩擦係数は、質量3gのトナーに6t/cm2の荷重をかけ直径40mmの円盤状のペレットにしたものを協和界面科学社製全自動摩擦摩耗解析装置を用い測定する。このとき接触子として3mmステンレス球の点接触子を用いる。
【0030】
2.ワックス原材料粒径
振動フルイによる測定法、レーザーによる測定法などが有る。以下にレーザー法の一例を示す。
装置:堀場製作所社製、LA−920
条件:循環速度 5〜7ml/sec、分散媒 メタノール
【0031】
3.円形度
フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用した測定方法に関して以下に説明する。
トナー、トナー粒子及び外添剤のフロー式粒子像分析装置による測定は、例えば、東亜医用電子社製のフロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10−3cm3の水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10ml中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器(STM社製UH−50)で20kHz、50W/10cm3の条件で1分間分散処理を行い、さらに、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10cm3(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、表1に示す通り、0.06−400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
【0032】
4.ゆるみ見掛け密度
パウダテスタPT−N型(ホソカワミクロン社製)にて測定。
【0033】
5.粒径分布
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(Dw)、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、0〜1.26μm未満;1.26〜1.59未満;1.59〜2.00未満;2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の16チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
【0034】
6.凝集度
凝集度の測定方法は以下のように行なう。測定装置は、ホソカワミクロン社製のパウダーテスターを使用し振動台の上に次の手順で付属部品をセットする。
(イ)バイブロシュート
(ロ)パッキン
(ハ)スペースリング
(ニ)フルイ(3種類)上>中>下
(ホ)オサエバー
次にノブナットで固定し、振動台を作動させる。測定条件は次の通りである。
フルイ目開き(上) 75μm
フルイ目開き(中) 45μm
フルイ目開き(下) 22μm
振巾目盛 1mm
試料採取量 10g
振動時間 30秒
測定後、次の計算から凝集度を求める。
【数1】
上記3つの計算値の合計をもって凝集度(%)とする。すなわち、
凝集値(%)=(a)+(b)+(c)。
【0035】
(画像形成装置)
図1は本発明の画像形成装置の一例である。
あらかじめ均一に帯電された静電潜像担持体である電子写真感光体や静電記録誘電体上に、画素情報によって変調された例えば半導体レーザー等を走査する光学系等の露光手段によって静電潜像を形成する。この静電潜像を現像する現像装置としては、例えば静電潜像担持体と対向した現像領域において所定の微小間隙を開けた現像剤担持体上から、現像剤を静電潜像担持体上の静電潜像に転移して付与することにより、静電潜像を現像するものが知られている。現像された画像は、転写手段により転写材に転写される。トナー像を転写された転写材は、静電潜像担持体から分離され公知の図示しない加熱定着装置等の定着手段に送られ、そこでトナー像の転写材への定着が行われる。定着手段を経た転写材は画像形成装置外に排出される。
【0036】
図1に示すように、現像装置10は、現像装置の像担持体である矢印方向に回転するドラム状電子写真感光体、すなわち感光ドラム1に対向して設置され、この感光ドラム1上には、帯電器、露光手段等を含む公知の静電潜像形成手段20により静電潜像が形成される。露光手段としては原稿の光学像の投影手段や被記録画像信号により変調されたレーザービームを走査する光学系等が採用され、感光ドラム1上に形成された潜像は、現像装置10によって現像してトナー像に形成される。得られたトナー像は、転写帯電器等を含む公知の転写手段30により紙等の転写材に転写される。トナー像を転写された転写材は、感光ドラム1から分離れ公知の図示しない定着手段に送られ。そこでトナー像の転写材への定着が行われる。
【0037】
転写の終了した感光ドラム1上に残留したトナーは、クリーニングブレードによる公知のクリーニング手段40により除去される。クリーニングブレードは硬度65°程度(JISA)で、鋼板のブレードホルダーに固定され感光ドラム1に0.5〜1mmの侵入量をもって接触しクリーニングする。
【0038】
現像装置10は、現像容器12内にキャリア粒子を含まない絶縁性一成分現像剤11を収容している。この現像剤11は、絶縁性トナーを主体としてなっており、好ましくはシリカ微粉末が若干外添されている。シリカ微粉末は、画像濃度を増大させ且つガサツキの少ない画像を得られるように、トナーの摩擦帯電電荷を制御する目的から外添される。例えば気相式製法シリカ(乾式シリカ)及び/または湿式製法シリカ(湿式シリカ)をトナーに外添することが知られている。
【0039】
一成分現像剤、即ちトナー11は、現像剤担持体である矢印方向に回転するアルミニウム、ステンレス鋼等の非磁性現像ローラ14によって容器12から持ち出され、感光ドラム1と対向した現像領域13に搬送される。現像領域13においては、感光ドラム1と現像ローラ14とが300μmの微小間隙を開けて対向しているが、以下の実験では所望の微小間隙を設定した。この現像領域13において感光ドラム1上の静電潜像にトナー11が転移して付与され、静電潜像がトナー像として現像される。なお、磁性トナーを使用する場合、現像ローラ内部にマグネットを設置することもある。
【0040】
ここで、現像領域13に搬送される前に設置されている摩擦帯電付与部材について説明する。現像ローラ14上の、現像剤層11aの厚みは弾性ブレード16によって制御される。この弾性ブレード16はウレタンゴム等の弾性体からなり、厚さは1〜1.5mm、自由長は10mm程度、当接圧は30g/cm程度で、鋼板製のホルダーに固定され、現像ローラ14上に当接する。このブレード16により現像ローラ14上には薄い現像剤層11aが形成される。また、摩擦帯電付与部材としては、この弾性ブレードに限定される必要はなく、同等な当接圧を形成しうる弾性ローラでも構わない。
【0041】
以上のようにして、図1に示した現像装置では、非接触現像が行われる。すなわち、現像領域13に搬送されるトナー層11aの厚みが現像ローラ14と感光ドラム1間の微小間隙よりも薄いので、トナー11は現像ローラ14から空気間隙を飛翔して感光ドラム1に到達する。そしてその際の現像効率を向上し、濃度が高く鮮明で地肌汚れの抑制された現像画像を形成するために、現像ローラ14にはバイアス電源50から交流成分を含む現像バイアス電圧が印加される。
【0042】
本実施例では、暗部電位が−700V、明部電位−150Vの潜像を負に帯電したトナーで反転現像するとき、現像バイアス電圧としては、直流成分が−550V、交流成分はピーク・ツウ・ピーク電圧が1.0kV、周波数3.0kHzの矩形波の電圧を使用した。上記のバイアス電圧によって、トナー11に現像ローラ14から感光ドラム1に転移させる方向の電界、感光ドラム1から現像ローラ14に逆転移させる方向の電界が交互に作用する。これによって良好な現像画像が得られる。上記のトナー11は、主として現像ローラ14との摩擦により静電潜像を現像する極性に帯電される。トナー11としては、以下にトナー1〜12を試作し準備した。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されない。なお、ここでの部は重量基準である。
【0044】
(実施例1)
トナー1:
ポリエステル樹脂(Mw:6000、
Tm105℃、酸価28mgKOH/g) 90部
ポリエステル樹脂(Mw:8万、
Tm143℃、酸価20mgKOH/g) 10部
カルナバワックス(融点82℃、体積平均粒径590μm) 5部
カーボンブラック(#44:三菱化成製) 8部
3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸鉄 2部
【0045】
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹搬混合した後、ロールミルで90〜100℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物αをジェットミル、風力分級機で粉砕分級後、このトナー母体粒子100部に対してシリカ(R974、日本アエロジル社製)を1.0部およびチタニア(T805日本アエロジル社製)0.5部添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌混合後メッシュを通して大粒径の粒子を削除し、表1記載の粒径分布を持ったトナー1を得た。表1中、CHはチャンネル、Nは粒子カウント数である。
動摩擦係数0.28、円形度0.91、ゆるみ見掛け密度0.33g/cm3、凝集度33%、ワックス平均分散径1.4μm
【0046】
【表1】
【0047】
(実施例2)
トナー2:
トナー1において、ロールミルで110〜120℃の温度で加熱溶融したこと以外は同様にして、トナー2を得た。
動摩擦係数0.20、円形度0.91、ゆるみ見掛け密度0.33g/cm3、凝集度33%、ワックス平均分散径1.6μm
【0048】
(実施例3)
トナー3:
トナー1において、ロールミルで130〜140℃の温度で加熱溶融したこと以外は同様にして、トナー3を得た。
動摩擦係数0.15、円形度0.91、ゆるみ見掛け密度0.32g/cm3、凝集度34%、ワックス平均分散径2.0μm
【0049】
(実施例4)
トナー4:
ポリエステル樹脂(Mw:6000、
Tm105℃、酸価28mgKOH/g) 90部
ポリエステル樹脂(Mw:8万、
Tm143℃、酸価20mgKOH/g) 10部
ライスワックス(融点78℃、体積平均粒径480μm) 5部
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 8部
3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸鉄 2部
【0050】
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹搬混合した後、ロールミルで90〜100℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物βをジェットミル、風力分級機で粉砕分級後、このトナー母体粒子100部に対してシリカ(R974、日本アエロジル社製)を1.0部およびチタニア(T805日本アエロジル社製)0.5部添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌混合後メッシュを通して大粒径の粒子を削除し、トナー4を得た。
動摩擦係数0.29、円形度0.91、ゆるみ見掛け密度0.34g/cm3、凝集度32%、ワックス平均分散径1.2μm
【0051】
(実施例5)
トナー5:
ポリエステル樹脂(Mw:6000、
Tm105℃、酸価28mgKOH/g) 90部
ポリエステル樹脂(Mw:8万、
Tm143℃、酸価20mgKOH/g) 10部
カルナバワックス(融点79℃、体積平均粒径150μm) 5部
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 8部
3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸鉄 2部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹搬混合した後、ロールミルで90〜100℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物γをジェットミル、風力分級機で粉砕分級後、このトナー母体粒子100部に対してシリカ(R974日本アエロジル社製)を1.0部およびチタニア(T805日本アエロジル社製)0.5部添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌混合後メッシュを通して大粒径の粒子を削除し、トナー5を得た。
動摩擦係数0.32、円形度0.92、ゆるみ見掛け密度0.35g/cm3、凝集度31%、ワックス平均分散径0.3μm
【0052】
(実施例6)
トナー6:
トナー1において、粉砕工程でジェットミルを使用する代わりに、機械式粉砕機ターボミルを使用したこと以外はトナー1と同様にしてトナー6を得た。
動摩擦係数0.28、円形度0.94、ゆるみ見掛け密度0.40g/cm3、凝集度30%、ワックス平均分散径1.4μm
【0053】
(実施例7)
トナー7:
トナー1において、添加剤の処方を、トナー母体粒子100部に対してシリカ(R974、日本アエロジル社製)を1.0部およびアルミナ(RFY−C、日本アエロジル社製)0.5部添加に変更したこと以外はトナー1と同様にしてトナー7を得た。
動摩擦係数0.28、円形度0.91、ゆるみ見掛け密度0.38g/cm3、凝集度31%、ワックス平均分散径1.4μm
【0054】
(実施例8)
トナー8
トナー1において、添加剤の処方を、トナー母体粒子100部に対してシリカ(R974、日本アエロジル社製)を2.0部およびチタニア(T805、日本アエロジル社製)0.5部添加に変更したこと以外はトナー1と同様にしてトナー8を得た。
動摩擦係数0.28、円形度0.91、ゆるみ見掛け密度0.36g/cm3、凝集度25%、ワックス平均分散径1.4μm
【0055】
(実施例9)
トナー9:
ポリエステル樹脂(Mw:6000、
Tm105℃、酸価28mgKOH/g) 90部
ポリエステル樹脂(Mw:8万、
Tm143℃、酸価20mgKOH/g) 10部
カルナバワックス(融点79℃、体積平均粒径150μm、
スプレードライ製法) 3部
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 8部
3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸の亜鉛塩 2部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹搬混合した後、ロールミルで90〜100℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル、風力分級機で粉砕分級後、このトナー母体粒子100部に対してシリカ(R976、日本アエロジル社製)を1.0部およびチタニア(T805、日本アエロジル社製)0.5部添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌混合後メッシュを通して大粒径の粒子を削除し、トナー9を得た。
動摩擦係数0.39、円形度0.92、ゆるみ見掛け密度0.37g/cm3、凝集度28%、ワックス平均分散径0.3μm
【0056】
(実施例10)
トナー10:
トナー1において、添加剤の処方をトナー母体粒子100部に対してシリコーンオイル処理シリカ(R976をジメチルシリコーンオイル処理品)を1.0部およびチタニア(T805、日本アエロジル社製)0.5部添加に変更したこと以外はトナー1と同様にしてトナー10を得た。
動摩擦係数0.30、円形度0.91、ゆるみ見掛け密度0.41g/cm3、凝集度34%、ワックス平均分散径1.4μm
【0057】
(実施例11)
トナー11:
ポリエステル樹脂(Mw:6000、
Tm105℃、酸価28mgKOH/g) 90部
ポリエステル樹脂(Mw:8万、
Tm143℃、酸価20mgKOH/g) 10部
カルナバワックス(融点82℃、体積平均粒径580μm) 3部
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 8部
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸のジルコニウム塩 1部
【0058】
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹搬混合した後、ロールミルで90〜100℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミル、風力分級機で粉砕分級後、トナー100部に対してシリカ(R974日本アエロジル社製)を1.0部およびチタニア(T805日本アエロジル社製)0.5部添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌混合後メッシュを通して大粒径の粒子を削除しトナー11を得た。
動摩擦係数0.27、円形度0.92、ゆるみ見掛け密度0.33g/cm3、凝集度32%、ワックス平均分散径1.3μm
【0059】
(実施例12)
トナー12:
トナー9において、加熱溶融温度を80〜90℃に変更したこと以外はトナー9と同様にして作成してトナー12を得た。
動摩擦係数0.44、円形度0.91、ゆるみ見掛け密度0.37g/cm3、凝集度29%、ワックス平均分散径1.0μm
【0060】
(実施例13)
トナー13:
下記に示す処方で均一に溶解又は分散させた単量体組成物を、水中に懸濁安定剤を分散させた分散媒系中にて懸濁重合した。得られた重合粒子100部に対してシリカ(R974、日本アエロジル社製)を1.0部およびチタニア(T805、日本アエロジル社製)0.5部添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌混合後メッシュを通して大粒径の粒子を削除し、トナー13を得た。
動摩擦係数0.44、円形度0.98、ゆるみ見掛け密度0.49g/cm3、凝集度8%、ワックス平均分散径0.3μm
【0061】
[ブラックトナー処方]
スチレン 150部
ブチルアクリレート 50部
ジ−tert−サリチル酸のクロム錯体 2部
開始剤(V−601、和光純薬社製) 10部
パラフィンワックス(融点155°F、日本精蝋社製) 5部
カーボンブラック(リーガル400R、キャボット社製) 20部
アルミニウム〔AL−M、味の素社製〕 0.6部
【0062】
(実施例14)
実験機を表2記載の現像条件に設定して、トナー1を該実験機にセットして、300K枚の耐久性試験を実施した。その結果を表2に記した。
【0063】
(実施例15)
実験機を表2記載の現像条件に設定して、トナー2を該実験機にセットして、300K枚の耐久性試験を実施した。その結果を表2に記した。
【0064】
(比較例1)
実験機を表2記載の現像条件に設定して、トナー3を該実験機にセットして、300K枚の耐久性試験を実施した。その結果を表2に記した。
【0065】
(実施例16)
実験機を表2記載の現像条件に設定して、トナー4を該実験機にセットして、300K枚の耐久性試験を実施した。その結果を表2に記した。
【0066】
(実施例17)
実験機を表2記載の現像条件に設定して、トナー5を該実験機にセットして、300K枚の耐久性試験を実施した。その結果を表2に記した。
【0067】
(実施例18)
実験機を表2記載の現像条件に設定して、トナー6を該実験機にセットして、300K枚の耐久性試験を実施した。その結果を表2に記した。
【0068】
(実施例19)
実験機を表2記載の現像条件に設定して、トナー7を該実験機にセットして、300K枚の耐久性試験を実施した。その結果を表2に記した。
【0069】
(実施例20)
実験機を表2記載の現像条件に設定して、トナー8を該実験機にセットして、300K枚の耐久性試験を実施した。その結果を表2に記した。
【0070】
(実施例21)
実験機を表2記載の現像条件に設定して、トナー9を該実験機にセットして、300K枚の耐久性試験を実施した。その結果を表2に記した。
【0071】
(実施例22)
実験機を表2記載の現像条件に設定して、トナー10を該実験機にセットして、300K枚の耐久性試験を実施した。その結果を表2に記した。
【0072】
(実施例23)
実験機を表2記載の現像条件に設定して、トナー11を該実験機にセットして、300K枚の耐久性試験を実施した。その結果を表2に記した。
【0073】
(実施例24)
実験機を表2記載の現像条件に設定して、トナー12を該実験機にセットして、300K枚の耐久性試験を実施した。その結果を表2に記した。
【0074】
(実施例25)
現像ローラ15の表面に、下記混合液をスプレー塗布して、コート厚は0.3μmに調整した。
シリコーン系樹脂(商品名:SR2410、
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製) 600部
トルエン 400部
アミノシラン(商品名:SH6020、
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製) 10部
酸化チタン微粉末 12部
上記現像ローラを図1の装置に組付けた。この実験改造機を表2記載の現像条件に設定して、トナー1を該実験改造機にセットして、300K枚の耐久性試験を実施した。その結果を表2に記した。
【0075】
(実施例26)
実験機(改造前)を表2記載の現像条件に設定して、トナー13を該実験機(改造前)にセットして、300K枚の耐久性試験を実施した。その結果を表2に記した。
【表2】
*地汚れランク:1〜10の10段階評価。ランク6以上が許容レベル。ランク10は地肌汚れが皆無の状態。
*現像ローラ汚染度:300K枚評価終了後に現像ローラを取り外し、現像ローラからトナーだけをブローオフした。得られた現像ローラ表面の着色度をマクベス濃度計で測色した。
【0076】
表2から明らかなように、本発明によれば現像ローラの汚れは極めて少なく、得られた画像は地汚れがほとんどなく高い濃度を有するものである。
【0077】
【発明の効果】
本発明は、トナーへの熱ストレス、機械ストレスに強く、安定した画像が得られる一成分現像剤用のトナー、該トナーを使用したオイルレス定着電子写真画像形成方法および画像形成装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】オイルレス定着電子写真画像形成装置の模式的断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
10 画像装置
11 キャリア粒子を含まない絶縁性一成分現像剤
11a 現像剤層
12 現像容器
13 現像領域
14 非磁性現像ローラ
15 現像ローラ
16 弾性ブレード
20 静電潜像形成手段
30 転写手段
40 クリーニング
50 バイアス電源
Claims (19)
- ワックスを分散したトナーであって、該トナーの動摩擦係数が、質量3gの前記トナーに6t/cm 2 の荷重をかけ直径40mmの円盤状のペレットにしたものを、接触子として3mmのステンレス球を用いて測定したときに0.20〜0.45であるトナーからなる一成分現像剤、及びオイルレス定着の電子写真画像形成装置を用いて、該装置の現像ローラ速度が25〜85cm/sec、摩擦帯電付与部材による当接圧が30g/cm以上であり、かつ摩擦帯電付与部材を通過後の現像剤通過量が0.02〜0.12g/(cm・sec)で現像することを特徴とする画像形成方法。
- トナーに分散するワックスとして、ライスワックスおよび/またはエステルワックスを用いる請求項1に記載の画像形成方法。
- トナーに使用するワックスの原材料粒径が100〜300μmである請求項1から2のいずれかに記載の画像形成方法。
- ワックスがスプレードライ製法によって得られたものである請求項1から3のいずれかに記載の画像形成方法。
- トナーの円形度が0.94以上である請求項1から4のいずれかに記載の画像形成方法。
- トナーのゆるみ見掛け密度が0.3以上である請求項1から5のいずれかに記載の画像形成方法。
- トナーの凝集度が30%以下である請求項1から6のいずれかに記載の画像形成方法。
- トナー表面に無機微粒子が存在する請求項1から7のいずれかに記載の画像形成方法。
- トナー表面にシリコーンオイル成分が存在する請求項1から8のいずれかに記載の画像形成方法。
- シリコーンオイル成分が無機微粉末の表面処理剤に基づくものである請求項9に記載の画像形成方法。
- トナーが少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス及び有機金属化合物を有する負摩擦帯電性のトナーであり、有機金属化合物がジルコニウムと、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸からなるグループから選択される芳香族化合物とが配位又は/及び結合している有機ジルコニウム化合物である請求項1に記載の負摩擦帯電性の画像形成方法。
- トナーが重合法によって造粒された請求項1に記載の画像形成方法。
- 請求項1から12のいずれかに記載の画像形成方法を用いることを特徴とする画像形成装置。
- 現像ローラがシリコーン樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項13記載の画像形成装置。
- シリコーン樹脂に酸化チタン微粉末が含まれている請求項14記載の画像形成装置。
- シリコーン樹脂にアミノシランカップリング剤が含まれていることを特徴とする請求項14から15のいずれかに記載の画像形成装置。
- 現像ギャップが0.05〜0.2mmである請求項13から16のいずれかに記載の画像形成装置。
- 画像濃度制御方式として、感光体上の付着トナーの濃さを光検知して現像バイアスを制御して画像濃度をコントロールする方式が使われている請求項13〜17のいずれかに記載の画像形成装置。
- 現像バイアスに交流成分が存在することを特徴とする請求項13〜18のいずれかに記載の画像形成装置。
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