以下、本発明の現像方法、画像形成方法を適用できるプロセスカートリッジ及び画像形成装置について図面に則して説明する。
1.画像形成装置の全体構成
まず電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置という。)100の全体構成について、図2を用いて説明する。図2に示すように、着脱可能な4個のプロセスカートリッジ70(70a、70b、70c、70d)が装着部材(不図示)によって装着されている。またプロセスカートリッジ70の画像形成装置100の装着方向上流側を前側面側、装着方向下流側を奥側面側と定義する。図2において、プロセスカートリッジ70は、装置本体100内に水平方向に対して傾斜して併設されている。
各プロセスカートリッジ70は本発明の現像装置を含む構成を有し、像担持体(電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラムという))1(1a、1b、1c、1d)と、感光体ドラム1の周囲に帯電ローラ2(2a、2b、2c、2d)と、現像ローラ25(25a、25b、25c、25d)と、クリーニング部材6(6a、6b、6c、6d)等のプロセス手段が一体的に配置されている。帯電ローラ2は、感光体ドラム1の表面を一様に帯電させるものであり、現像ローラ25は、像担持体上(感光体ドラム1上)に形成した潜像をトナーによって現像して可視像化するものである。そして、クリーニング部材6は、感光体ドラム1に形成したトナー像を記録媒体に転写した後に、感光体ドラム1に残留したトナー(以下、トナー)を除去するものである。
また、プロセスカートリッジ70の下方には画像情報に基づいて感光体ドラム1に選択的な露光を行い、感光体ドラム1に潜像を形成するためのスキャナユニット3が設けられている。
装置本体100の下部には記録媒体Sを収納したカセット17が装着されている。そして、記録媒体Sが2次転写ローラ69、定着部74を通過して装置本体100の上方へ搬送されるように記録媒体搬送手段が設けられている。すなわち、カセット17内の記録媒体Sを1枚ずつ分離給送する給送ローラ54、給送された記録媒体Sを搬送する搬送ローラ対76、感光体ドラム1に形成される潜像と記録媒体Sとの同期を取るためのレジストローラ対55が設けられている。また、プロセスカートリッジ70(70a、70b、70c、70d)の上方には各感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)上に形成したトナー画像を転写させるための中間転写手段としての中間転写ユニット5が設けられている。中間転写ユニット5には駆動ローラ56、従動ローラ57、各色の感光体ドラム1に対向する位置に1次転写ローラ58(58a、58b、58c、58d)、2次転写ローラ69に対向する位置に対向ローラ59を有し、中間転写体である転写ベルト9が掛け渡されている。そして、転写ベルト9はすべての感光体ドラム1に対向し、且つ接するように循環移動し、1次転写ローラ58(58a、58b、58c、58d)に電圧を印加することにより、感光体ドラム1から転写ベルト9上に一次転写を行う。そして、転写ベルト9内に配置された対向ローラ59と2次転写ローラ69への電圧印加により、転写ベルト9のトナーを記録媒体S上(被転写材上)に転写する。尚、中間転写体を有する構成で説明したが、中間転写体を用いない装置構成であってもかまわない。
画像形成に際しては、各感光体ドラム1を回転させ、帯電ローラ2によって一様に帯電させた感光体ドラム1にスキャナユニット3から選択的な露光を行う。これによって、感光体ドラム1に静電潜像を形成する。その潜像を現像ローラ25によって現像する。これによって、各感光体ドラム1に各色トナー像を形成する。この画像形成と同期して、レジストローラ対55が、記録媒体Sを対向ローラ59と2次転写ローラ69とが転写ベルト9を介在させて当接している2次転写位置に搬送する。そして、2次転写ローラ69へ転写バイアス電圧を印加することで、転写ベルト上の各色トナー像を記録媒体Sに2次転写する。これによって、記録媒体Sにカラー画像を形成する。カラー画像が形成された記録媒体Sは、定着工程において、定着部74によって加熱、加圧されてトナー像が定着される。その後、記録媒体Sは、排出ローラ72によって排出部75に排出される。尚、定着部74は、装置本体100の上部に配置されている。
2.プロセスカートリッジ
次に本発明の現像装置を有するプロセスカートリッジ70について、図3を用いて説明する。図3はトナーを収納したプロセスカートリッジ70の主断面である。尚、イエロー色のトナーを収納したカートリッジ70a、マゼンタ色のトナーを収納したカートリッジ70b、シアン色のトナーを収納したカートリッジ70c、ブラック色のトナーを収納したカートリッジ70dは同一構成である。
プロセスカートリッジ70(70a、70b、70c、70d)は、クリーニングユニット26(26a、26b、26c、26d)と、現像ユニット4(4a、4b、4c、4d)と、を有する。クリーニングユニット26は、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)と、帯電ローラ2(2a、2b、2c、2d)、及びクリーニング部材6(6a、6b、6c、6d)を備えている。そして、現像ユニット4は、現像ローラ25を備えている。
感光体ドラム1の周上には、前述した通り帯電ローラ2、クリーニング部材6が配置されている。クリーニング部材6はゴムブレードで形成された弾性部材7とクリーニング支持部材8から構成されている。ゴムブレード7の先端部7aは感光体ドラム1の回転方向に対してカウンター方向に当接させて配設してある。そしてクリーニング部材6によって感光体ドラム1表面から除去された残留トナーは除去トナー室27aに落下する。また除去トナー室27aの除去トナーが漏れることを防止するスクイシート21が感光体ドラム1に当接している。そしてクリーニングユニット26に駆動源である本体駆動モータ(不図示)の駆動力を伝達することにより、感光体ドラム1を画像形成動作に応じて回転駆動させる。帯電ローラ2は、帯電ローラ軸受28を介し、クリーニングユニット26に回転可能に取り付けられており、帯電ローラ加圧部材46により感光体ドラム1に向かって加圧され、感光体ドラム1に従動回転する。
3.現像ユニットとトナー搬送手段
図3に示すように、現像ユニット(現像装置)4は、感光体ドラム1と接触して矢印B方向に回転する現像ローラ25と、現像ローラ25を支持する現像枠体31とから構成される。現像ローラ25は、現像枠体31の両側にそれぞれ取り付けられた現像前軸受12、現像奥軸受13を介して、回転自在に現像枠体31に支持されている(図3参照)。また現像ローラ25の周上には、現像ローラ25に接触して矢印C方向に回転するトナー供給ローラ34と現像ローラ25上のトナー層を規制するための現像ブレード35がそれぞれ配置されている。また現像ローラ25に当接した現像枠体31からトナーがもれることを防止するための現像当接シートとしての吹き出し防止シート20が配置されている。さらに現像枠体31のトナー収納室31aには、収納されたトナーを撹拌するとともに前記トナー供給ローラ34へトナーを搬送するための搬送部材であるトナー搬送部材36が設けられている。
図4に示すように、前記トナー搬送部材36は、外部からの駆動力によって回転可能な撹拌軸36aと、前記撹拌軸36aに取り付けられ、撹拌軸36aと共に回転するシート部材36bから構成されている。また、トナー収容室31a内部の側壁には、トナー収容室31a内トナーの残量を検知するための残量検知手段140が設けられている。
次に、現像ユニットのトナー搬送について説明する。図4に示すように、トナー搬送部材36が回転(矢印H方向)すると前記シート部材36bによってトナー200は押されて移動する。さらにトナー搬送部材36が回転すると、シート部材36bによってトナーが持ち上げられ、図5に示したように、トナーは現像室に配置したトナー供給ローラ34へと搬送される。その際、一部のトナーはトナー収容室31a内部に落下してトナー収容室31aの底部に溜まり、再び元の状態へ戻る。このサイクルを繰り返すことによって、トナーの撹拌、及び搬送が行われる。
現像室内のトナー供給ローラ34へ供給されたトナーは、前述したように前記現像手段によって感光体ドラム1上の潜像の現像に使用される。
4.トナー残量検知手段
次に、図5から図11を用いてトナー収容室31aに設けたトナー残量検知の構成について説明する。
まず、図5に示した残量検知手段140を構成する導光部材141(トナー量検知用導光部材)について説明する。
ここで、図6に示したように、現像枠体31は第一現像枠体131と第二現像枠体132を超音波溶着等により結合したものであり、前記導光部材141は第一現像枠体131に取り付けられている。図7、図8は前記第一現像枠体131と導光部材141を一体化したものであり、それぞれ表裏方向から示した図である。また、図9、図10はそれらの詳細を示したものである。
まず、図9に示したように、導光部材141は、プロセスカートリッジの外部の発光素子150から照射された検知光152を前記トナー収納室31a内へ導くための発光側導光部141aと、前記トナー収納室31a内を通過した検知光152を受光素子151へ導く受光側導光部141bとが一体で形成されたものである。前記発光側導光部141aは、発光素子150から照射された検知光152が前記発光側導光部141aへ入射する入射部141cと、前記発光側導光部141aに入射した検知光152をトナー収納室30内へ出射する発光側窓141dを有している(図10)。発光素子150から照射される光は一般的に拡散光であることが多く、これを同一方向の光に修正するために入射部141cは凸レンズ形状になっている。レンズ形状は、発光素子150と入射部141cの距離などを考慮して設計されている。同様に、前記受光側導光部141bは、トナー収納室30内を通過した検知光152が前記受光側導光部141bへ入射する受光側窓141e(図10)と、前記受光側導光部141bに入射した検知光152を受光素子151に向かって出射する出射部141fを有している。図10に示すように、前記発光側窓141dと前記受光側窓141eは互いに対向して配置されており、この間においては検知光152が通過する空間光路153が形成されている。
その後、出射部141fから前記受光素子151に向かって検知光152が出射され、前記受光素子151によって受光されることで、トナー収納室31a内を通過したことが検知される。トナー収容室31a内のトナーの残量の検知方法は、前記トナー搬送部材36がトナー収容室31a内のトナーを撹拌する一周期の間に、前記空間光路153を通過する前記検知光152をトナーが遮る時間を測定し、トナー残量を予測している。
5.導光部材を利用したトナー搬送
次に、プロセスカートリッジ70の現像ユニット4におけるトナー搬送構成について説明する。
なお、現像ユニット、またはプロセスカートリッジの構成や動作について、上、下、鉛直、水平といった方向を表す用語は、特に断りのない場合は、それらの通常の使用状態において見た時の方向を表す。つまり、現像ユニット、またはプロセスカートリッジの通常の使用状態は、適正に配置された画像形成装置本体に対して適正に装着され、画像形成動作する状態である。
図4、図5はトナーの搬送状態を説明するためのプロセスカートリッジ70の概略断面図である。
図4に示すように、現像ユニット4は、現像室31bとトナー収容室31aとを有する。現像室31bには、現像ローラ25、トナー供給ローラ34及び現像ブレード35などが収容されている。トナー収容室31aには、現像室31bに供給されるトナー200が収容されると共に、現像室31bにトナーを供給するためのトナー搬送部材36が設けられている。そして、トナー収容室31aは、現像室31bよりも鉛直方向下方に配置されている。従って、トナー収納室31aから現像室31bへと重力に反してトナーを搬送する必要がある。さらに、現像室31bとトナー収納室31aとの間には、トナーが通過するための開口部31cが設けられており、開口部31cは、トナー収納室31aの上方に設けられている。
また、図4に示したように、トナー収容室31aの側壁にトナーの残量を検知するための残量検知手段140が設けられており、トナー収納室31a内には、現像室31bにトナーを供給するための弾性を有するトナー搬送部材36が回転可能に設けられている。
トナー搬送部材36は、外部からの駆動力によって回転可能な撹拌軸36aと、前記撹拌軸36aに取り付けられ、撹拌軸36aと共に回転するシート部材36bから構成されている。
前記シート部材36bは、弾性を有するものであり、例えば、ポリエステルフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリカーボネートフィルムなどの可撓性の樹脂製シートを用いて好適に作製することができる。シート部材36bの厚みは、50μm〜250μmが好適である。
図4に示すように、トナー収容室31aから現像室31bへトナーを搬送する構成として、シート部材36bをトナー残量検知用の導光部材141の発光側窓141d及び受光側窓141e(図8参照)に当接させ変形させる。これはトナー搬送部材36の回転動作に伴い、シート部材36bが発光側窓141dと受光側窓141eと当接することにより、シート部材36bが両側窓(141d、141e)から力を受けて変形する。次に、シート部材36bが両側窓(141d、141e)を通過した際、シート部材36bが復元する復元力を用いて、現像室31bにトナーを搬送する。
しかし、シート部材36bが弾性変形し、その後復元する領域は、図8に示すように第一現像枠体131の長手中央部に設けた導光部材141の両側窓部(141d、141e)のみである。対して、現像枠体31の長手中央部以外の領域はシート部材36bの変形〜復元動作がないため、長手端部領域では長手中央領域に比べて現像室へ搬送するトナーの量が少なくなる。
よって、本発明では、図1に示したように、前記導光部材の位置を基準として、前記トナー収容室(第一現像枠体131)の長手方向に沿い、前記導光部材とは離れた位置(第一現像枠体131の長手端部側)に、導光部材141の発光側窓141dと受光側窓141eと同等形状の凸状部材(131d、131e)を設けた。
“トナー収容室の長手方向に直交する方向に関する任意の断面において、導光部材により形成される凸部が最大となる断面と、凸状部材により形成される凸部が最大となる断面とを重ねたとき、2つの断面において、壁面から突出する凸部の形状が重なる”とは、以下の(1)及び(2)の両方の凸部が、実質的に同一の形状を有することを意味する。尚、実質的に同一の形状を有することを、“同等形状を有する”ともいう。
(1)図5で示される、導光部材両側窓(141d、141e)が現像枠体31の側壁より突出した凸部141t(導光部材及び凸状部材が設けられていない部分における容器形状(2点破線で示される)を基準として、それより容器内側に突出した部分)。
(2)現像枠体31の側壁より突出した凸状部材により形成される凸部。
このような凸部を設けることにより、シート部材36bの変形〜復元動作によるシートの復元力が長手端部でも発生させることができ、現像室31bに長手均一にトナーを搬送することができる。
また、他の実施例として、図11に示すように、第一現像枠体131の導光部材141がない領域に、導光部材141の発光側窓141dと受光側窓141eと同等形状の凸状部材(131f、131g)をリブ状(リブ形状部材)に配置しても良い。
以上に述べた画像形成装置により、簡易で小型化にも対応し易い構成にて、効率良く長手均一にトナーをトナー収容室から現像室へ搬送することが可能となる。
6.トナー
本発明は、上述本発明の画像形成装置に特定の物性を満たすトナー(一成分系トナー)を用いることで、長期の使用でトナー残量が少ない状態においても、ハイライトからベタ画像に至るまで、あらゆる濃度の画像において長手濃度が均一で階調再現性に優れた画像を得ることができる。
トナーとしては、結着樹脂と着色剤と離型剤を含有するトナー粒子を有し、前記トナーの凝集度が10以上50以下であり、前記トナーの嵩密度が0.30g/cm3以上0.45g/cm3以下であるものを用いる。
本発明におけるトナーの凝集度は、トナー収容室内で回転に伴い変形〜復元動作を行って、現像室へトナーを搬送する、トナー搬送部材上のトナー挙動に相関を示す。
トナーの凝集度を10以上にすることで、導光部材及び突起部材による変形ショックを受けても、搬送部材上のトナーは落下し難く、現像室へトナーを安定して供給できる。
トナーの凝集度を50以下にすることで、回転に伴い汲み上げられる搬送部材上のトナー量を長手で均一に保持することができ、耐久を通して長手濃度を均一にできる。
本発明におけるトナーの嵩密度は、現像動作に伴う撹拌で、トナー収容室内のトナーが空気を抱き込み流動化状態になった時の、トナーの搬送性と、搬送されたトナーの現像室での拡散挙動に相関を示す。
トナーの嵩密度を0.30g/cm3以上にすることで、トナー搬送部材が十分な量のトナーを汲み上げることができ、変形〜復元動作で安定した量のトナーを現像室へ供給できる。
トナーの嵩密度を0.45g/cm3以下にすることで、現像室の滞留トナーと搬送直後のトナーの嵩密度差を小さくでき、フレッシュなトナーの馴染みを早め、良好に拡散するため、耐久を通して階調再現性及び長手濃度均一性に優れる。
本発明におけるトナーの凝集度及び嵩密度を制御するには、トナー粒子形状、付着性に関与する離型剤のトナー粒子内での存在状態、帯電特性、及び外添剤の種類と被覆状態を制御することで達成できる。
トナーの凝集度を小さく制御する方法としては、一次粒子の個数平均径が15nm以下である小粒径のシリカ微粒子をトナー粒子表面に存在させる方法が挙げられる。特に原体BETが200m2/g以上400m2/g以下のシリカ微粒子に疎水化処理を施したものをトナー粒子に添加混合する方法が好ましい。
又、一次粒子の個数平均径が50nm以下の酸化チタン微粒子を添加する方法も、凝集度を小さく調整する方法として好ましい。小粒径酸化チタン微粒子の添加は、帯電リークサイトとして機能するため、トナーのチャージアップを抑え、帯電量分布をシャープにすることができ、トナー同士の静電凝集性を小さくすることができる。
上記シリカ微粒子及び酸化チタン微粒子は、疎水化度を高め、帯電量の環境特性を安定化させる目的で、疎水化処理が施されているものが好ましい。
疎水化処理剤として用いるシリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルといったストレートシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、片末端反応性変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイルを用いることができる。また、用途に応じて上記シリコーンオイルのうち2種以上を混合しても良い。特に好ましいのは帯電安定性に優れるジメチルシリコーンオイルである。
その他の疎水化処理剤としては、シラン化合物、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤の如きカップリング剤による処理剤が挙げられる。具体的には、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
上記シリコーンオイル及びその他の疎水化処理剤の処理量は、シリカ微粒子および酸化チタン微粒子100質量部に対して5質量部以上40質量部以下が好ましい。
より好適には、カップリング剤及びシリコーンオイル両方で疎水化処理したものが表面の疎水化を確実に行うことができるためによい。その際、処理の順番は問わない。
凝集度を大きく制御する方法としては、20nm以上2μm以下の無機微粒子を添加する方法が挙げられる。こられの微粒子がトナー粒子表面に存在すると、トナーの流動化が物理的に妨げられるため、凝集度が大きくなる。これらの中でも、トナー粒子の帯電量より小さく、又はトナー粒子と反対極性に帯電する、ハイドロタルサイト、酸化アルミニウム、酸化亜鉛の微粉体等を添加すると、トナー同士の静電凝集力が強まり凝集度をより大きくすることができる。
これらの添加剤をトナー表面に均一に付着させるための混合機は、特性を達成可能なものであれば特に限定することがなく、公知の製造方法が使用可能である。一例として、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーといった既存の高速撹拌型の混合機が挙げられる。
本発明の凝集度は、上記添加剤の混合条件によっても制御することができる。一般的に、15nm以下のシリカ微粒子を添加する場合、混合時間を伸ばしていくと、外添剤とトナー粒子は分離状態から付着状態へと変化していくため、凝集度は小さくなる。しかし、更に外添時間を伸ばしていくと、外添剤のトナー粒子への埋め込みが強くなり、ダメージによる離型剤の染み出し等、トナー粒子表面の特性が影響して凝集度は再び大きくなる傾向にある。
本発明の嵩密度はトナーの粒子形状により制御することができる。トナーの粒子形状が球形に近い場合、撹拌を受け流動化状態にあるトナーは、時間経過に伴って比較的速やかに嵩密度が大きくなる、いわゆる粉体がしまった状態に近づく傾向にある。
一方、粒子形状がいびつであると、流動化状態にあるトナーはトナー同士の立体障害によって、比較的ゆるやかに嵩密度が大きくなる。
トナーの粒子形状や、離型剤の存在状態を制御する方法としては、乳化重合凝集法や、溶解懸濁法、懸濁重合法でトナー粒子を製造する方法が形状制御及び離型剤の内包化に優れており、本発明の嵩密度を安定に制御する上で好ましい。
トナーの粒子形状は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)で、トナーの平均円形度を測定することにより、求めることができる。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200〜1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
本発明の嵩密度を制御する別の方法としては、凝集度の制御で先にも述べた、トナー粒子に添加する無機微粒子の種類や量によっても調整することができる。
本明におけるトナーの嵩密度はトナーの凝集度と密接に関係するものである。
嵩密度を高く制御する好適な方法は、比較的高い流動性を示すトナーを、速やかに静電凝集させるために、ハイドロタルサイトや酸化チタン、酸化マグネシウム等20nm以上2μm以下のマイクロキャリアとして働く無機微粒子を添加する方法が好ましい。
一方、嵩密度を低く制御する方法は、空気を取り込んだ時の流動化状態をより長く持続させるために、原体BETの高いシリカ微粒子を添加する方法が好ましい。
<トナーの嵩密度の測定方法>
本発明におけるトナーの嵩密度は、以下の測定手順に従って求めた嵩密度で定義される。
1)測定環境は温度:23℃、湿度:50%RHとする。測定トナーは予め100.0g秤量し、測定環境で24時間放置したものを用いる。
2)500mlのメスシリンダーに上記トナー100.0gを漏斗等を使って投入して、サランラップ(登録商標)(旭化成ライフ&リビング社製)等で蓋をする。
3)メスシリンダーの真中を持ち、メスシリンダーを逆さまに倒して元に戻す動作を2秒で行い、この動作を15回繰り返した後、振動を与えないようにメスシリンダーを実験台に置く。
4)15回目にメスシリンダーを元に戻した時点を0秒とし、徐々に沈んでいくトナーの沈降面を目視で読み取り、60秒時のトナーの粉面から読み取った体積値より算出される密度(g/cm3)を本発明における嵩密度として定義する。
現像動作時の撹拌で流動化したトナーの噴流特性は、トナーの搬送性及び搬送されたトナーの現像室での拡散性に大きく影響する。
本発明者らの検討により、現像動作時のトナーの噴流特性は、振とう終了時点から60秒時の嵩密度と高い相関性を示すことを見出したため、本発明における嵩密度を上記定義とする。
<トナーの凝集度の測定方法>
トナーの凝集度は、以下のようにして測定した。
測定装置としては、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)の振動台側面部分に、デジタル表示式振動計「デジバイブロ MODEL 1332A」(昭和測器社製)を接続したものを用いた。そして、パウダーテスターの振動台上に下から、目開き25μm(635メッシュ)の篩、目開き38μm(390メッシュ)の篩、目開き75μm(200メッシュ)の篩の順に重ねてセットした。測定は、23℃、50%RH環境下で、以下の様にして行った。
(1)デジタル表示式振動計の変位の値を0.60mm(peak−to−peak)になるように振動台の振動幅を予め調整した。
(2)予め23℃、50%RH環境下において24時間放置したトナー5gを精秤し、最上段の目開き150μmの篩上に静かにのせた。
(3)篩を15秒間振動させた後、各篩上に残ったトナーの質量を測定して、下式にもとづき凝集度を算出した。
凝集度(%)=
{(目開き75μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100
+{(目開き38μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.6
+{(目開き25μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.2
<シリカ微粒子及び無機微粒子の個数平均径>
シリカ微粒子の一次粒子の個数平均径の測定は、以下のようにして算出する。トナー粒子100質量部に対してシリカ微粒子を1質量部添加したものを、FE−SEM S−4800(日立製作所製)により10万倍に拡大したトナー粒子表面の写真を撮影する。
撮影した拡大写真を用いて100個以上のシリカ微粒子の粒径を測定、算術平均から求めた。尚、シリカ微粒子の粒径は、形状が球形の場合はその絶対最大長を、長径と短径を有する場合は長径を、粒径としてカウントする。
尚、無機微粒子の個数平均径の測定も、上記シリカ微粒子の測定と同じ方法で求めた。
<トナーの重量平均粒径D4の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<平均円形度の測定方法>
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、対物レンズとして「UPlanApro」(倍率10倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
本発明に用いられるトナー粒子の製造方法は何ら限定されないが、形状制御及び離型剤の内包化に優れた懸濁重合法を例示して、該トナー粒子の製造方法を説明する。
重合性単量体、着色剤、極性樹脂、離型剤及び必要に応じた他の添加物を、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機に依って均一に溶解または分散させ、これに重合開始剤を溶解し、重合性単量体組成物を調製する。
次に、該重合性単量体組成物を分散安定剤含有の水系媒体中に分散して造粒して粒子を形成し、粒子中の重合性単量体を重合させることによってトナー粒子を製造する。
前記重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時に同時に加えても良いし、水系媒体中に該重合性単量体組成物を分散する直前に混合しても良い。
また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
本発明において、分散時、造粒時、重合反応を開始する前に、pH調整のため適当な酸を添加することが好ましい。
本発明のトナーに用いられる酸としては、一般的に用いられている塩酸、硫酸、硝酸などの酸を用いることができる。
重合時の水溶液を適当なpHに調整することによって、より均一な帯電性能を有するトナーを得ることが可能である。
該重合性単量体組成物の分散工程から重合工程に至る重合反応時に極性樹脂を添加すると、トナー粒子となる重合性単量体組成物と水系分散媒体の呈する極性のバランスに応じて、極性樹脂の存在状態を制御することができる。
即ち、極性樹脂を添加することで、樹脂層に応じた機能分離が可能となる。また、懸濁重合法により得られるトナー粒子は、離型剤成分を内包化しているコアシェル構造を有しているため好ましい。
極性樹脂としては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体が挙げられる。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂を構成する重合性単量体としては、一般的に用いられているスチレン−アクリル共重合体、スチレン−メタクリル共重合体、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。
前記結着樹脂を構成する重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体を用いることが可能である。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。
結着樹脂を構成するための重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。スチレン;o−(m−,p−)メチルスチレン、m−(p−)エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチル、アミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きアクリル酸エステル系単量体或いはメタクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミドの如きエン系単量体。
本発明においては、トナー粒子の機械的強度を高めると共に、トナーのTHF可溶成分の分子量を制御するために、結着樹脂を合成する時に架橋剤を用いてもよい。
2官能の架橋剤として、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び前記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたもの。
多官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテート。
本発明に用いられる離型剤は、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス及びその誘導体;モンタンワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス及びその誘導体;高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸;酸アミドワックス;エステルワックス;硬化ヒマシ油及びその誘導体;植物系ワックス;動物性ワックス等が用いられる。この中で特に、離型性に優れるという観点からパラフィンワックス、エステルワックス及び炭化水素ワックスが好ましい。
本発明のトナーに用いられる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレートの如き過酸化物系重合開始剤。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合して使用される。
トナーは、着色力を付与するために着色剤を必須成分として含有する。本発明に好ましく使用される着色剤として、以下の有機顔料、有機染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、前記イエロー系着色剤/マゼンタ系着色剤/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
本発明においては重合法を用いてトナー粒子を得る場合には、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があり、好ましくは、重合阻害のない物質による疎水化処理を着色剤に施しておいたほうが良い。
前記水系媒体調製時に使用する分散安定剤としては、公知の無機系及び有機系の分散安定剤を用いることができる。
具体的には、無機系の分散安定剤の例としては、以下のものが挙げられる。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。
また、有機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。この様な界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム。
本発明のトナーに用いられる水系媒体調製時に使用する分散安定剤としては、無機系の難水溶性の分散安定剤が好ましく、しかも酸に可溶性である難水溶性無機分散安定剤を用いることが好ましい。
本発明において、前記のような分散安定剤が分散された水系媒体を調製する場合には、市販の分散安定剤をそのまま用いて分散させてもよい。
また、細かい均一な粒度を有する分散安定剤の粒子を得るために、水の如き液媒体中で、高速撹拌下、分散安定剤を生成させて水系媒体を調製してもよい。
例えば、リン酸三カルシウムを分散安定剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散安定剤を得ることができる。
本発明のトナーにおいては、必要に応じて荷電制御剤をトナー粒子と混合して用いることも可能である。荷電制御剤を配合することにより、荷電特性の向上と安定化、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールが可能となる。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。
さらに、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が少ない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤として、トナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類なども含まれる。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤が挙げられる。
この中でも、荷電制御剤としてスルホン酸系官能基を有する重合体は、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体であることが好ましい。
以下、本発明の実施例及び比較例で用いたトナーの製造例について説明する。
<トナー粒子(1)の製造例>
懸濁重合法により、以下の様にしてトナー粒子(1)を製造した。
下記材料を混合し、2時間撹拌して極性樹脂を溶解させ、極性樹脂含有単量体組成物を得た。
・スチレン 39.0質量部
・アクリル酸n−ブチル 25.0質量部
・極性樹脂(飽和ポリエステル樹脂〔テレフタル酸とPO変性ビスフェノールAから生成:Mp=9000、Tg=72℃、酸価=12.0mgKOH/g〕) 5.0質量部
・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部
また、下記材料を混合し、アトライター(三井鉱山社製)にてジルコニアビーズ(3/16インチ)とともに200rpmで3時間撹拌し、ビーズを分離して着色剤分散液を得た。
・スチレン 36.0質量部
・着色剤 C.I.Pigment Blue 15:3 6.0質量部
次いで、
・極性樹脂含有単量体組成物 70.0質量部
・着色剤分散液 42.0質量部
上記材料を混合した。続いて混合物を60℃に加温し、8.5質量部のワックス(HNP−51:日本精蝋株式会社製)を加えた。次いで、重合開始剤 パーブチルPV(日油株式会社製)8.0質量部を添加し、5分間撹拌した。
一方、高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を備えた容器中に0.1mol/L−Na3PO4水溶液875質量部および10%塩酸8.0質量部を添加し、回転数を15000rpmに調整し、60℃に加温した。ここに1.0mol/L−CaCl2水溶液70質量部を添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む水系媒体を調製した。重合性単量体組成物に上記重合開始剤投入後、5分経過後に、60℃の重合成単量体組成物を温度60℃に加温した水系媒体に投入し、クレアミックスを15000rpmで回転させながら15分間造粒した。その後高速撹拌機からプロペラ撹拌翼に撹拌機を変え、還流しながら72℃で5時間反応させた後、液温80℃とし、さらに5時間反応させた。重合終了後、容器内の重合体分散液を蒸留容器に移し替え、蒸留容器の内圧を48kPaに減圧して撹拌を行い、液温80℃を維持しながら5時間減圧蒸留を行った。
蒸留終了後、液温を約20℃に降温し、希塩酸を加えて水系媒体のpHを2.0以下として難水溶性分散剤を溶解した。さらに洗浄、乾燥を行って重量平均粒径(D4)が6.0μm、平均円形度が0.980のトナー粒子(1)を得た。
<トナー粒子(2)の製造例>
粉砕法により、以下の様にしてトナー粒子2を製造した。
・ポリエステル樹脂(ピーク分子量15,000、Tg=80℃) 100.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.0部
・低分子量ポリプロピレン(ビスコール660P:三洋化成社製、融点145℃)
5.0部
・ボントロンE−88(オリエント化学工業(株)製) 1.2部
上記成分をバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後、ジェットミルにより微粉砕を行い、さらに、機械的衝撃力を利用する表面改質装置を用いて球形化処理を行い、球形の粉砕原料を得た。次に、得られた粉砕原料を分級機により分級して重量平均粒径6.2μm、平均円形度0.955のトナー粒子(2)を得た。
<トナー粒子(3)の製造例>
トナー粒子(1)の製造例において、蒸留工程の減圧を行わず、替わりに重合体分散液に飽和水蒸気(スチーム圧力205kPa/温度120℃)を導入管より導入し、下記条件で常圧蒸留を行った以外は同様にしてトナー粒子(3)を製造した。
常圧蒸留は、上記スチームの導入により液温を100℃まで昇温させ、100℃を維持したまま5時間蒸留を行った。トナー粒子(3)の重量平均粒径(D4)は6.0μm、平均円形度は0.988であった。
<シリカ微粒子1の製造例>
第一処理工程として、フュームドシリカ(商品名AEROSIL380S、BET法による比表面積380m2/g、一次粒子の個数平均径7nm、日本アエロジル株式会社製)100質量部に対し、30.0質量部のヘキサメチルジシラザン(以下HMDSとも言う)を噴霧し、シリカの流動化状態でシラン化合物処理を行なった。その後、攪拌しながら温度を300℃まで昇温させてさらに2時間攪拌することによって、HMDSをフュームドシリカ表面に焼き付け、反応を終了した。
第二処理工程として、第一処理工程によって生成したシリカ微粒子に対し、10.0質量部のジメチルシリコーンオイルを内部に噴霧し、シリカの流動化状態でシリコーンオイル処理を行なった。この反応を60分間継続した後、反応を終了した。
<シリカ微粒子2の製造例>
シリカ微粒子1の製造例において、第一処理工程をシリコーンオイル処理、第二処理工程をHMDS処理に変更する以外は同様にしてシリカ微粒子2を得た。
<シリカ微粒子3の製造例>
シリカ微粒子2の製造例において、使用するフュームドシリカを(商品名AEROSIL300、BET法による比表面積300m2/g、一次粒子の個数平均径7nm、日本アエロジル株式会社製)に変更し、処理するジメチルシリコーンオイルの量を30.0質量部に変更し、第二処理工程を行わないこと以外は同様にしてシリカ微粒子3を得た。
<酸化チタン微粒子1の製造例>
第一処理工程として、一次粒子の個数平均径15nmの酸化チタン微粒子(商品名MT−150A、テイカ(株)製)100質量部に対し、10.0質量部のイソブチルトリメトキシシランを内部に噴霧し、チタンの流動化状態でシラン化合物処理を行なった。この反応を60分間継続した後、反応を終了した。
第二処理工程として、第一処理工程によって生成したチタン微粒子に対し、10.0質量部のジメチルシリコーンオイルを噴霧し、30分間攪拌を続けた。その後、攪拌しながら温度を190℃まで昇温させてさらに3時間攪拌することによって、ジメチルシリコーンオイルを酸化チタン表面に焼き付け、反応を終了した。その後、酸化チタンの凝集体が無くなるまでジェットミルで繰り返し解砕処理を行い、酸化チタン微粒子1を得た。
<ハイドロタルサイト微粒子1>
一次粒子の個数平均径が400nm、BET比表面積10m2/gの下記構造のハイドロタルサイト微粒子1を使用した。
ハイドロタルサイト微粒子1:
〔Mg0.72Al0.28(OH)2(CO3)0.14・0.54H2O〕
<トナー1の製造例>
トナー粒子1:100.0質量部に対して、シリカ微粒子1:2.0質量部とハイドロタルサイト微粒子1:0.2質量部を加えてヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用い、4000rpmで10分間混合してトナー1を得た。
トナー1の重量平均粒径(D4)は6.0μm、凝集度は25であり、嵩密度は0.35m2/gであった。トナー1の物性を表1に示す。
<トナー2乃至トナー8の製造例>
トナー1の製造例において、トナー粒子と添加する外添剤微粒子の種類と添加量、及びヘンシェルミキサーによる混合時間を表1に記載のものに変更する以外はトナー1の製造例と同様にして、トナー2乃至トナー8を得た。トナー2乃至トナー8の物性を表1に示す。
〔実施例1〕
評価機としてLBP7700C(キヤノン社製)を使用した。シアンカートリッジを改造し、トナー1を詰め替えた。なお、改造カートリッジは、図11のように導光部材と同等形状の凸部をリブ状に配置したカートリッジを用い、カートリッジ1とする。
常温常湿環境(23℃、50%RH)において、トナーの載り量が0.45mg/cm2である全面ベタ画像を10枚、続いて画像濃度が0.50と0.15の全面ハーフトーン及び全面ハイライト画像を1枚ずつ、計12枚を連続印字で出力した。
10枚目のベタ画像と、11枚目のハーフトーン画像、12枚目のハイライト画像において、初期画像の濃度ムラの評価を行なった。なお、ハイライト画像においては拡大顕微鏡を使用して画像ドットの再現性も評価した。
次に、印字率が2.0%のオリジナル原稿を常温常湿環境下において、残量検知手段により残量が30gになるところまで耐久試験を行った。
耐久試験終了後、初期画像の濃度ムラの評価と同様に、ベタ画像とハーフトーン画像及びハイライト画像を12枚連続で出力して、耐久末期の濃度ムラ及びハイライト画像のドット再現性の評価を行なった。
評価紙にはA4サイズのOffice70(キヤノン社製、坪量70g/m2)を用いた。画像濃度は、「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて測定した。
初期画像及び耐久末期の濃度ムラの評価は、ベタ画像の中央部および左右両端部の画像濃度を測定し、以下の評価基準に基づいて行なった。評価結果を表2に示す。
(ベタ画像及びハーフトーン画像の評価基準)
A:画像中央部の濃度と、端部の濃度(左右で薄い側)との差が0.10未満
B:上記濃度差が0.10以上0.20未満
C:上記濃度差が0.20以上
(ハイライト画像の評価基準)
濃度差:
A:画像中央部の濃度と、端部の濃度(左右で薄い側)との差が0.05未満で、ドット再現も良好
B:上記濃度差が0.05以上0.10未満で、ドット再現が多少不均一な箇所が見られる
C:上記濃度差が0.10以上で、ドット再現性が不十分
ドット再現性:
A:ドット再現が良好
B:ドット再現が多少不均一な箇所が見られる
C:ドット再現性が不十分
〔実施例2〜8、比較例1および2〕
表2に示すトナー及びカートリッジを用いて、実施例1と同様の評価を行った。
なお、図1のように導光部材と同等形状の凸部を配置したシアンカートリッジをカートリッジ2、図8のように導光部材と同等形状の凸部を配置しないシアンカートリッジをカートリッジ3とする。評価結果を表2に示す。