JP2007131952A - 金属ガラス積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 接合性や耐久性に優れ高信頼性の緻密なアモルファス金属ガラス層と基材との積層体を提供する。
【解決手段】 本発明の金属ガラス積層体は、基材表面に、予め調製されたアモルファス相の金属ガラスを原料としてアモルファス相の金属ガラス溶射被膜層が形成された金属ガラス積層体であって、金属ガラスの過冷却液体温度領域△Txが30℃以上であり、金属ガラス溶射被膜層に連続空孔(ピンホール)が存在せず、金属ガラス溶射被膜層の気孔率が2%以下であり、金属ガラスが複数の元素から構成され、構成元素として少なくともFe、Co、Ni、Ti、Zr、Mg、Cu、Pdの何れか一つの元素を含むことを特徴とする。金属ガラス溶射被膜層は緻密且つ均一なアモルファス相であり、耐食性、耐磨耗性など金属ガラスの機能性が十分に発揮できる。厚膜化、大面積化も可能であり、また、基材を除去すれば、金属ガラスバルク体を得ることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は金属ガラス積層体、特に均一で緻密なアモルファス相からなる金属ガラス層を基材表面に有し、接合性、耐久性、耐食性、耐磨耗性などに優れる金属ガラス積層体に関する。
金属材料は建築資材、橋梁、鉄道、車両、自動車部品などを中心に大きな産業を形成してきた。しかし、軽量化ではFRPなどのプラスチックが金属に置き換わりつつある中で、近年、電子機器の普及、レジャー産業の台頭、環境、エネルギーの視点から、金属に対するニーズも多様化し、軽量化、高機能化の観点から様々なニューメタルが開発されている。プラスチックでは代替できない電気伝導性、熱伝導体などの機能に加え耐食、耐久性などの複合機能を利用した用途開発も進んでいる。
金属の場合、表面処理の具体的加工技術として接合技術がある。接合は切削、曲げなどと共にきわめて重要な加工技術の一つである。接合の形態は機械的接合、接着、溶接があり、バルク金属、セラミックなどの基材の表面改質、傾斜、積層などの複合機能を目的としている。例えば、防食用表面処理ではクロムめっきなどが代表的な事例であるが、最近では廃水処理などの問題から、これに変わる表面処理技術が求められている。また、摺動性向上では、DLC膜などの新素材を始めとして、基材との密着が問題となっている。
表面処理材あるいはクラッド材などの積層材では、防食、防錆、耐磨耗性などに加えて靭性や抗菌性、高級感などの特徴を付与することを目的として、各種素材が検討されてきた。
金属をアモルファス化することがこれらの機能発現に有利であることは従来より知られている。しかし、従来のアモルファス金属(アモルファス合金)のアモルファス状態は不安定で、結晶化しやすい。
近年、このような問題を解決する金属素材として、金属ガラスが発見され、注目されている。金属ガラス(ガラス合金ともいう)とは、広義にはアモルファス合金の一種と言えるが、明瞭なガラス遷移と広い温度範囲で安定な過冷却液体状態を示す点で、従来のアモルファス合金とは区別されている。また、最近では、金属ガラスはナノクリスタルの集合体との見方もされており、金属ガラスのアモルファス状態における微細構造は従来のアモルファス金属のアモルファス状態とは異なると考えられている。
金属と基材との接合は主に圧接、溶接の方法がとられ、界面における両者の組織の親和性が密着強度、はがれなどの耐久性に大きな影響を与える。また両者の間には材料特有の熱膨張係数が存在するため膨張係数のマッチングが重要である。
金属ガラスは、その組織構造から金属に比べ熱膨張係数は低く、柔軟性に富み、界面形成能にも優れている。こうした金属ガラスの特徴を生かし、金属ガラスは金属間の接合に利用されている。
例えば、特許文献1には、過冷却液体温度領域まで加熱後圧着によって接合する方法が開示されている。しかし、この方法では金属ガラスの結晶化、変形により金属間の面接触を維持することが難しい。
特許文献2には、前記特許文献1の問題を解決するための金属ガラスの加熱、加圧、冷却工程を細かく規定した接合方法が開示されている。しかし、この方法も金属バルク間の接合であり、多彩な用途に対して十分に対応できるものではない。
また、特に基材に対してアモルファス層を形成する場合には、結晶化防止は大きな課題である。
従来のアモルファス合金では、溶融体の冷却速度が遅いと結晶相が生成してしまうので、均一なアモルファス層を得ることが難しい。結晶相の生成は、耐食性等に悪影響を及ぼすので、好ましくない。金属ガラスにおいても、通常の結晶合金やアモルファス合金と同様に、高品位被膜は得られていない。
特開平5−131279号公報 特開平11−33746号公報
本発明は前記背景技術に鑑みなされたものであり、その目的の一つは接合性や耐久性に優れ高信頼性の緻密なアモルファス金属ガラス層と基材との積層体を提供することにある。
また、金属ガラスはアモルファス相のバルク材を得ることができるとされるが、バルク材のサイズが大きくなると冷却に時間を要し、冷却速度が遅くなるため、結晶化させずに大きなバルク材料を得ることは難しく、金属ガラスの組成やバルクの製造条件などが非常に制限される。よって、バルクサイズを自由に設定でき、均一なアモルファス相の金属ガラスバルク材が簡便に得られる方法が望まれる。
よって、本発明の目的の一つは、均一なアモルファス相の金属ガラスバルク材ならびにその簡便な製造方法を提供することである。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、バルク基材上へ特定の方法で金属ガラス粉体を積層することにより、非常に緻密なアモルファス金属ガラス層が基材上に形成できることを見出した。また、アモルファス相からなる金属ガラス層は厚膜に積層でき、このような積層体から基材を除去することにより、金属ガラスバルク体が得られることも見出した。
すなわち、本発明の第1の主題は、基材表面に、予め調製されたアモルファス相の金属ガラスを原料としてアモルファス相の金属ガラス溶射被膜層が形成された金属ガラス積層体であって、金属ガラスの過冷却液体温度領域△Txが30℃以上であり、金属ガラス溶射被膜層に連続空孔(ピンホール)が存在せず、金属ガラス溶射被膜層の気孔率が2%以下であり、金属ガラスが複数の元素から構成され、構成元素として少なくともFe、Co、Ni、Ti、Zr、Mg、Cu、Pdの何れか一つの元素を含むことを特徴とする金属ガラス積層体、ならびに前記金属ガラス積層体から基材を除去して得られる金属ガラスバルク体である。
前記のような金属ガラス層は、アモルファス相の金属ガラス粒子の少なくとも一部が過冷却液体状態で基材表面において凝固及び積層することにより形成することができる。積層方法としては、溶射を使用する。
本発明の金属ガラス積層体は、基材表面にアモルファス相の金属ガラス層が形成され、しかも金属ガラス層を貫通する連続空孔(ピンホール)が存在しない。また金属ガラス層は基材に強固に接合することができるので、基材に対して金属ガラスが有する優れた機能性、例えば、耐食性、耐磨耗性などを十分に発揮することができる。本発明の金属ガラス積層体は、高速フレーム溶射などにより製造可能であり、金属ガラス層を直接的に基材表面に形成でき、金属ガラス層の膜厚や面積も特に制限されず、厚膜化、大面積化が可能である。金属ガラス積層体から基材を除去すれば、容易にバルク体を得ることができる。
1.金属ガラス
1960年代に開発されたFe−P−C系の非晶質合金以降、多くのアモルファス合金が製造され、例えば(Fe,Co,Ni)−P−B系、(Fe,Co,Ni)−Si−B系非晶質合金、(Fe,Co,Ni)−M(Zr,Hf,Nb)系非晶質合金、(Fe,Co,Ni)−M(Zr,Hf,Nb)−B系非晶質合金などが知られている。これらは磁性を有しているので、非晶質磁性材料としての応用が期待されてきた。
しかしながら、従来のアモルファス合金は何れも過冷却液体温度領域の温度幅が非常に狭いため、単ロール法と呼ばれる方法などにより10K/sレベルの冷却速度で急冷しなければ非結晶質が形成できず、上記の単ロール法などで急冷して製造されたものは厚さが50μm以下程度の薄帯状のもので、バルク形状の非晶質固体を得ることはできなかった。また、この薄帯を粉砕し、焼結することにより得られた焼結体は多孔質であり、熱サイクル、衝撃に対して不安定で結晶化が進むという問題があるため、過酷な条件下で使用される耐食、耐磨耗などの表面ライニング材、バルク部品としては使用できない。
これに対して、近年、過冷却液体温度領域の温度幅が比較的広く、金属溶融体を0.1〜100K/s程度のゆっくりとした冷却速度で冷却しても、過冷却液体状態を経過してガラス相(アモルファス相)に凝固する合金が見い出され、これらは金属ガラスあるいはガラス合金(glassy alloy)と呼ばれて、従来のアモルファス合金とは区別されている。
金属ガラスは、(1)3元系以上の金属からなる合金で、且つ(2)広い過冷却液体温度領域を有する合金と定義されており、耐食性、耐摩耗性等に極めて高い性能を有し、より緩慢な冷却によってアモルファス固体が得られるなどの特徴を有する。最近では、金属ガラスはナノクリスタルの集合体との見方もされており、金属ガラスのアモルファス状態における微細構造は従来のアモルファス金属のアモルファス状態とは異なると考えられている。
金属ガラスは、加熱時に、結晶化前に明瞭なガラス遷移と広い過冷却液体温度領域を示すことが特徴である。
すなわち、金属ガラスをDSC(示差走査熱量計)を用いてその熱的挙動を調べると、温度上昇にともない、ガラス転移温度(Tg)を開始点としてブロードな広い吸熱温度領域が現れ、結晶化開始温度(Tx)でシャープな発熱ピークに転ずる。そしてさらに加熱すると、融点(Tm)で吸熱ピークが現れる。金属ガラスの種類によって、各温度は異なる。TgとTxの間の温度領域△Tx=Tx−Tgが過冷却液体温度領域であり、△Txが10〜130℃と非常に大きいことが金属ガラスの一つの特徴である。△Txが大きい程、結晶化に対する過冷却液体状態の安定性が高いことを意味する。従来のアモルファス合金では、このような熱的挙動は認められず、△Txはほぼ0である。
金属ガラスでは過冷却液体状態の安定性が高い。このため、溶融状態から融点以下に冷却されても凝固せずに過冷却液体状態として安定に存在し得る時間が長く、冷却速度が比較的遅くても結晶化せずに過冷却液体状態のままガラス遷移温度まで冷却することができ、その結果、アモルファス固体(ガラス固体)として凝固する。
これに対して、従来のアモルファス合金では、過冷却液体状態の安定性が非常に低く、融点以下で凝固せずに過冷却液体状態で存在し得る時間は非常に短い。このため、溶融状態から非常に急速にガラス遷移温度以下にまで冷却しなければ結晶相を生じて凝固してしまう。従来のアモルファス合金において、アモルファス固体は薄帯状、線状、粉状などでしか得られない。
過冷却液体が安定化するための組成に関しては、(1)3成分以上の多元系であること、(2)主要3成分の原子径が互いに12%以上異なっていること、及び(3)主要3成分の混合熱が互いに負の値を有していること、が経験則として報告されている(ガラス合金の発展経緯と合金系:機能材料、vol.22,No.6,p.5−9(2002))。
また、金属ガラスとしては、1988年〜1991年にかけて、Ln−Al−TM、Mg−Ln−TM、Zr−Al−TM(ここで、Lnは希土類元素、TMは遷移金属を示す)系等が見出されたのをはじめとして、最近までに数多くの組成が報告されている。
例えば、特開平3−158446号公報には、過冷却液体温度領域の温度幅が広く、加工性に優れるアモルファス合金として、XAl(X:Zr,Hf、M:Ni,Cu,Fe,Co,Mn、25≦a≦85、5≦b≦70、0≦c≦35)が記載されている。
また、特開平9−279318号公報には、PdとPtとを必須元素とする金属ガラスが塩化ナトリウムなどの水溶液の電解電極材料として好適であることが報告されている。
また、米国特許第5429725号明細書には水の電解用電極に適した金属ガラス材料として、Ni72−Co(8−x)−Mo−Z20(x=0、2、4又は6原子%、Z=メタロイド元素)が記載されている。
また、Pdの他、Nb、V、Ti、Ta、Zrなどの金属が水素透過性能を有することが知られており、このような金属を中心とする金属ガラスは、水素選択透過性を発揮し得る。例えば、特開2004−42017号公報に記載された、Nb−Ni−Zr系、Nb−Ni−Zr−Al系、Nb−Ni−Ti−Zr系、Nb−Ni−Ti−Zr−Co系、Nb−Ni−Ti−Zr−Co−Cu系、Nb−Co−Zr系や、Ni−V−(Zr,Ti)系、Co−V−Zr系、Cu−Zr−Ti系などが挙げられる。
本発明において用いる金属ガラスの種類は、目的に応じて適宜選択可能であるが、△Tx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す)の式で表される過冷却液体温度領域の温度間隔△Txが30℃以上である金属ガラスが好適に用いられる。△Txが30℃より小さい場合には、金属ガラス層の緻密性やアモルファス相の生成に悪影響を与える。
このような金属ガラスとしては、メタル−メタロイド(半金属)系金属ガラス合金、メタル−メタル系金属ガラス合金、ハード磁性系金属ガラス合金などが挙げられる。
メタル−メタロイド系金属ガラス合金は、△Txが35℃以上、組成によっては50℃以上という大きな温度間隔を有していることが知られている。本発明において、さらには△Txが40℃以上の金属ガラスが好ましい。
金属元素としてFeを含有するメタル−メタロイド(半金属)系金属ガラス合金、としては、例えばFe以外の他の金属元素と半金属元素(メタロイド元素)とを含有してなり、金属元素としてAl、Ga、In、Snのうちの1種または2種以上を含有し、半金属元素として、P、C、B、Ge、Siのうちの1種または2種以上を含有するものなどが挙げられる。
メタル−メタル系金属ガラス合金の例としては、Fe、Co、Niのうちの1種又は2種以上の元素を主成分とし、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのうちの1種又は2種以上の元素とBを含むものが挙げられる。
本発明においては、金属ガラスが複数の元素から構成され、その主成分として少なくともFe、Co、Ni、Ti、Zr、Mg、Cu、Pdのいずれかひとつの原子を30〜80原子%の範囲で含有することが好適である。さらに、VIa族元素(Cr,Mo,W)を10〜40原子%、IVb族元素(C,Si,Ge,Sn)を1〜10原子%の範囲で、各グループから少なくとも1種類以上の金属原子を組み合わせてもよい。また、鉄族元素に、目的に応じて、Ca,B,Al,Nb,N,Hf,Ta,Pなどの元素が10原子%以内の範囲で添加されてよい。これらの条件により、高いガラス形成能を有することになる。
また、特に金属ガラスの成分元素として、少なくともFeを含有することで耐食性は飛躍的に向上する。金属ガラス中のFe含有量としては、30〜80原子%が好適である。Feが30原子%より少ない場合では耐食性が十分に得られず、また、80原子%より多い場合では金属ガラスの形成は困難である。より好ましいFe原子の割合は、35〜60原子%である。上記の金属ガラス組成は安定なアモルファス相の金属ガラス層を形成すると同時に加工の低温化にも貢献し、均一な組成と金属組織の層を形成することができる。
2.金属ガラス積層体
本発明の金属ガラス積層体は、基材表面にアモルファス相の金属ガラス層が形成されたものであり、金属ガラス層には層を貫通する連続空孔(ピンホール)がない。このような緻密なアモルファス金属ガラス層により、優れた耐食性、耐磨耗性等の機能が発揮される。金属ガラス層の厚みは1μm以上、好ましくは10μm以上、更に好ましくは100μm以上である。厚み上限は特に制限されず、目的に応じて決定できるが、通常は1mm程度もあれば基材に対する耐食性、耐磨耗性等には十分である。
本発明においては、金属ガラス粒子の少なくとも一部が過冷却液体状態で基材表面において凝固及び積層することにより、基材表面に金属ガラス層を形成することが好適である。
金属の被膜形成方法としては圧着、めっき、蒸着などがあるが、本発明の金属ガラス積層方法としては、特に溶射が好適である。溶射は、過冷却液体状態での成膜制御性に優れる。
過冷却液体状態とは、一般的に溶融体が融点以下となっても凝固せずにいる状態を指す。通常溶射では、溶射ガンのノズルから溶射粒子が射出され、一旦融点以上の溶融状態に加熱融解される。本発明では、加熱温度が結晶化開始温度以下の温度領域であれば、冷却速度に大きく影響されることなく、安定にアモルファス状態で凝固する。
また、前記DSC測定でも見られるように、アモルファス相の金属ガラスは加熱過程においても過冷却液体状態となることができる。
過冷却液体状態では、成膜過程での温度変化、圧力、流動などの条件に鈍感で、凝固のための冷却速度の影響もほとんど受けず、広範囲の条件でアモルファス相の金属ガラス層(X線回折ハローパターンにより確認される)を得ることができる。
過冷却液体状態では、金属ガラスは粘性流動を示し、粘性が低い。このため、過冷却液体状態にある金属ガラスが基材表面に衝突すると、瞬時に薄く潰れて基材表面に広がり、厚みが非常に薄い良好なスプラットを形成することができる。そして、このようなスプラットの堆積により、気孔が非常に少ない緻密な膜を形成することができる。
また、スプラットは過冷却液体状態のまま冷却されるので、結晶相を生成せず、アモルファス相のみが得られる。
また、一般に大気中での溶射の場合、溶射材料の酸化物が被膜中に含まれてしまい、被膜の特性に悪影響を及ぼすが、過冷却液体状態で衝突させれば、大気中で溶射したとしても酸化の影響がほとんどない。
従って、本発明の方法によれば、均一な金属ガラスのアモルファス固体相からなり、且つ気孔がほとんどない緻密な被膜を溶射により得ることができ、基材の表面改質(耐摩耗性、耐熱性、耐食性など)、クラッド材としての高機能化、傾斜機能材料の作成等に非常に有用である。
このように、本発明においては、金属ガラス粒子の少なくとも一部が過冷却液体状態で基材表面に衝突させることが好ましいが、金属ガラス粒子の表面が溶融状態であると、金属ガラス層の気孔がより少なくなる傾向が認められる。溶射のような急熱プロセスにおいては溶射粒子の表面のみが溶融状態となる場合もある。
よって、本発明においては、金属ガラス粒子の少なくとも一部が過冷却液体状態で基材表面において凝固及び積層することにより、基材表面に金属ガラス層を形成することができる。
ただし、溶射粒子が溶融状態となると、金属ガラス層に結晶相が含まれやすくなる傾向があるので、注意を要する。金属ガラス層の結晶化率が20%程度であれば、耐食性や耐磨耗性などに影響は少ないが、10%以下であることが好ましい。結晶化率は、DSCにより結晶化開始温度(Tx)の発熱ピークの面積を測定することで求めることができる。なお、アモルファス相の金属ガラス層に一部結晶相が含まれた場合でも、従来のアモルファス金属のように経時で完全に結晶化してしまうことはない。
溶射被膜には、金属ガラス粒子が基材表面に衝突した際のスプラット(衝突後の溶射粒子の基材表面における形状)のモルフォロジーを反映する。
金属ガラス層の断面や表面(基材側あるいは非基材側)を電子顕微鏡等で観察した場合、円形〜楕円形に薄くつぶれたスプラットの積層が金属ガラス層中に認められる。これは、金属ガラス粒子が過冷却液体状態で基材表面に衝突したものと考えられる。
また、円形〜楕円形に薄くつぶれたコアを中心部に有し、コアの周囲には別の薄く広がるスプラッシュ様部分を有するスプラットの積層が認められることもある。これは、金属ガラス粒子の表面が溶融状態であり、中心部が過冷却液体状態で基材表面に衝突したものと考えられる。
一般に溶射は、めっきや蒸着などに比べて厚い被膜(100μm以上)を得ることができ、耐食性、耐摩耗性、耐熱性、その他各種機能性を賦与するために溶射が応用されているが、金属の溶射被膜では気孔が多く、そのため主として犠牲陽極タイプの被膜形成にしか用いることができず、化学プラント等の過酷な腐食環境での使用は困難であった。
これに対して、本発明の溶射被膜は極めて緻密であり、従来の溶射における問題点をも解決するものである。
例えば、特開昭61−217568号公報にはプラズマ溶射法により、アモルファス金属製品を不活性ガス中で形成する方法が、特開平05−195107号公報にはプラズマ溶射を使った遷移金属の炭化物、窒化物を基材に形成する方法が開示されている。これにより引っ張り強度の高いアモルファス金属が生成する。しかしアモルファス金属は基材表面で急冷されることにより生成するため生産性は安定せず、また徐冷では結晶化するという問題がある。特に自動車の摺動部への使用を目的としている場合、信頼性に問題がある。
また、特開昭63−4031公報には、まずメカニカルアロイングにより原料をアモルファス化し、それを熱間押し出しすることによりアモルファス状態を維持する方法が開示されている。しかしこの方法でも熱間押し出しなどの徐冷では結晶化を免れない。
これに対して、特開平8−176783にはメカニカルアロイングにより鉄、ニッケル、コバルトのいずれか少なくとも一種を含むアモルファス粉末原料を調製し、これを溶射することにより成膜する方法が開示されている。大きな改善は期待されるものの、これもまた溶射により基板表面での急冷により、アモルファス層の形成を行っており、緻密膜の形成及び界面における接合は十分とは言えない。
また、大坪ら(日本溶射協会2003年全国大会(秋)、37〜38頁)にはFe−Cr−Mo−(C,B,P)合金でのアモルファス溶射被膜の生成が開示されている。しかし、これらは基材との接合を目的としているものではなく、基材や緻密なアモルファス相溶射被膜が生成する条件等についてもなんら開示されていない。
本発明においては、アモルファス相の金属ガラス粒子を原料として使用する。
金属ガラス粒子の形状は特に限定されるものではなく、板状、チップ状、粒状、粉体状などが挙げられるが、好ましくは粒状あるいは粉体状である。金属ガラス粒子の調製方法としては、アトマイズ法、ケミカルアロイング法、メカニカルアロイング法などがあるが、生産性を考慮すればアトマイズ法によって調製されたものが特に好ましい。
金属ガラス粒子の粒子径は、最大粒子径が80μm以下、さらには50μm以下であることが好適であり、平均粒子径としては0.1〜10μmが好適である。粒子径が微細であるほど被膜は均質なものとなるが、溶射ノズルなどへの供給等の点では粉体の流動性が悪くなり、作業性、生産性に劣る。また、粒子径が大きすぎると積層が困難となったり、高品位な溶射被膜が得られないことがある。
金属ガラスとして、特に過冷却液体温度領域△Txが30℃以上の金属ガラスを用いることにより、緻密でピンホールのないアモルファス相の金属ガラス層を形成することができる。生成した金属ガラス層の気孔率としては、2%以下とすることができる。気孔率が2%を超えると、耐食性等に悪影響を及ぼす。気孔率については、金属ガラス層の任意の断面を画像解析し、気孔の最大面積率を気孔率として採用することができる。
また、本発明の金属ガラス層の密度は、金属ガラス真密度の80〜100%である。
本発明において、高品位の接合界面を得るためには通常基材に100℃以上の温度負荷が必要である。好適には200℃以上、さらに好ましくは250℃以上であり、上限は特に規定されるものではないが、通常ガラス遷移温度以下である。
基材としては、鉄、アルミニウム、ステンレスなどの汎用金属、セラミックス、ガラス、ポリイミドなど一部の耐熱性プラスチックがあるが、特に銅、ステンレスなどの耐熱性、熱容量、熱伝導の高い金属材料が好適である。また、アルミニウムやマグネシウム、それらの合金など、比重が3.0以下の軽金属も使用できる。
また、基材は、金属ガラス層との接合性を高めるために、通常はブラスト処理など公知の方法により基材表面の粗面化処理を施して使用する。
溶射は、燃焼炎または電気エネルギーを用いて線状、棒状、粉末状などの溶射材料を加熱し、その溶射粒子を基材表面に吹き付けて被膜を形成する方法であり、大気圧プラズマ溶射、減圧プラズマ溶射、フレーム溶射、高速フレーム溶射(HVOF)、アーク溶射、コールドスプレーなどがある。例えば、高速フレーム溶射では、ガスフレーム内に溶射材料粉末を投入して粉末粒子を加熱及び加速する。
本発明においては、高速フレーム溶射が高密度アモルファス相被膜を得る上で特に優れている。
また、過冷却液体温度領域が比較的低温な金属ガラス合金においては、コールドスプレーも利用できる。
図1は、高速フレーム溶射(HVOF)装置の一例の概略図である。同図に示すように、HVOF装置は溶射ガン10を備え、該溶射ガン10の基部(図中左方)から燃料パイプ12及び酸素パイプ14を介してそれぞれ燃料及び酸素が供給され、溶射ガン10のフレーム端(図中右方)には高速の燃焼炎(ガスフレーム)16が形成される。そして、この溶射ガン10のフレーム端に近接して溶射材料供給パイプ18が設けられ、該パイプ18から溶射材料粉末が搬送ガス(Nガスなど)により圧送供給される。
パイプ18により供給された溶射材料粉末粒子は、ガスフレーム16中で加熱及び加速される。この加熱粒子(溶射粒子)20は高速で基材22の表面に衝突し、基材表面で冷却されて凝固し、偏平なスプラットを形成する。このようなスプラットの堆積により、溶射被膜24が形成される。
燃料としては、灯油、アセチレン、水素、プロパン、プロピレン等を用いることができる。
本発明においては、基本的には基材への緻密膜の密着積層であるが、様々な形状の積層体を製造することもできる。
例えば、基材表面にマスキングをして非マスキング部分にのみ金属ガラス層を形成すれば、基材表面に金属ガラス層をパターン化して形成することができる。
また、基材表面に凹凸形状を形成し、この表面に金属ガラス層を形成することもできる。
このように、溶射条件を調整したりマスキングや加工を施すなどして、様々な形状やパターンを有する金属ガラス積層体を得ることができる。
このような本発明の積層体は、各種用途への使用が可能である。例えば、耐食性が必要とされる大面積電極パターンなどへの応用が可能である。
また、基材表面に予め凹凸パターンを加工しておくことにより、積層体の接合強度やクラッド材としての特性を変化させることも可能である。
さらに、本発明の金属ガラス積層体から基材を除去することにより、アモルファス相の金属ガラスバルク体を得ることができる。
基材除去は、溶解や切削など公知の方法により可能であるが、基材と金属ガラス層との密着を予め阻害しておけば、積層体から基材を容易に剥離することができる。例えば、基材表面を鏡面近くまで平滑にしておくと、積層体にわずかな衝撃を加えだけで容易に基材を剥離することができる。また、基材と金属ガラスとの線膨張率の差などを利用して剥離することもできる。また、所定パターンの凹凸形状を基材表面に有する基材を用いて金属ガラスバルク体を製造すれば、凹凸形状が寸法精度よく転写されるので、金型として使用することも可能である。また、金属ガラスバルク体にもプレス等により凹凸形状や鏡面を転写形成することができる。
本発明においては、アモルファス金属ガラス層の厚膜化、大面積化が可能で、所望の厚さや大きさの金属ガラス層を形成することができる。よって、様々な形状、複雑な形状の金属ガラス積層体ならびに金属ガラスバルク体を容易に得ることができる。
本発明により得られた金属ガラス積層体や金属ガラスバルク体は、自動車などの摺動部品、電極、電子機器筐体など各種用途に使用可能であり、特殊用途では熱電材料、水素吸蔵材料、水素分離膜等への利用も考えられる。
耐食性に優れる鉄基含有の金属ガラスを用いた場合は、燃料電池セパレータに好適である。セパレータとしては、アルミなどの軽量基材セパレータ表面に金属ガラス層を形成する方法(防食、軽量化)、基材の流路パターン上に金属ガラス層を形成する方法(防食)、流路パターンの雄型に対して雌型を形成する方法などに応用可能である。
また、Zr基を有する金属ガラスを用いた積層体は、水素雰囲気下で金属ガラスが水素を吸収して電気的物性が変化したり、また水素を分離する性質があるので、水素センサや水素分離膜に好適であり、特に、多孔質金属管への溶射による水素分離膜リアクターなどへの用途に好適である。
以下、具体例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の試験例では、溶射はHVOF装置(ユテク社製 JP5000、バレル長さ 4インチ)を用いた。
試験例1 金属ガラス積層体の製造
溶射材料として、耐食性に優れる金属ガラスとして知られているFe43Cr16Mo161510のガスアトマイズ粉末を用いて溶射試験を行った。DSC分析を行ったところ、該金属ガラス粉末のガラス転移温度(Tg)は611.7℃、結晶化開始温度(Tx)は675.2℃であり、△Txは63.5℃であった。また、融点(Tm)は約900℃であった。また、X線回折によりアモルファス相であることを確認した。溶射条件は次の通り。
(表1)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
基材 SUS304L板
溶射原料 Fe43Cr16Mo161510ガスアトマイズ粉末
△Tx:約63℃
粒度:53μmの篩下のもの(最大粒径53μm)
溶射条件 粉末搬送ガス:N
燃料:灯油、6.0GPH
酸素:2000SCFH
溶射距離(溶射ガン先端から基材表面までの距離):380mm
溶射ガン移動速度:200mm/sec
基材表面温度:200℃(ホットプレートで加温)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記表1の条件で膜厚約1mmの溶射被膜を形成し、積層体を得た。溶射被膜のX線回折でアモルファス相に特有の良好なハローパターンが認められ、均一なアモルファス相であることが確認された(図2)。
また、図3に示す断面写真のように、この溶射被膜を貫通する連続空孔は認められず、その気孔率は1.2%であった。なお、気孔率については、溶射被膜の任意の断面(n=10)について2次元画像解析し、得られた気孔の面積率の最大値を気孔率として採用した。
また、この積層体の溶射被膜層について、王水浸漬試験(25℃、2時間)を行ったが、腐食は全く認められず、非常に高い耐食性を示した。
試験例2 気孔率の影響
下記のように燃料と酸素の供給量を変えて、試験例1と同様に溶射を行い、積層体を得た(溶射被膜約200μm)。
(表2)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験 燃料 酸素 気孔率 耐食性
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2−1 6.0GPH 2000SCFH 約1% ○
2−2 3.5GPH 1250SCFH 約5% ×
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記表2の試験例2−1の積層体のように、気孔率が2%以下の場合には、試験例1と同様の高い耐食性を示したが、試験例2−2の積層体のように気孔率が2%を超えると、耐食性が低下し、王水試験において腐食が認められた。
試験例3 △Txの影響
過冷却液体温度領域△Txの異なるアモルファス金属ガラス粉末を用いて、試験例1と同様にして溶射を行い、積層体を得た(溶射被膜約200μm)。溶射被膜のアモルファス相形成については、下記の基準により評価した。
(アモルファス相の形成)
○:X線回折で良好なハローパターンが認められる(アモルファス単一相)
△:X線回折でハローパターンと結晶性ピークの両方が認められる(一部結晶相)
×:X線回折でハローパターンが全く認められない(結晶相)
(表3)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験 金属ガラス △Tx アモルファス相形成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3−1 Fe43Cr16Mo161510 約63℃ ○
3−2 Fe52Co2020SiNb 約31℃ ○
3−3 Fe78Si1012 約 0℃ ×
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記表3の試験例3−1〜3−2のように、過冷却液体温度領域△Txが30℃以上の金属ガラスを用いた場合には、アモルファス単一相からなる溶射被膜を形成することができるが、△Txが30℃を下回ると結晶相の形成が認められ、アモルファス相からなる溶射被膜を形成することは困難であった。積層体3−3の溶射被膜のX線回折図は図4に示すとおりである。
結晶相の形成は、耐食性に悪影響を及ぼすので、望ましくない。また、△Txが30℃を下回ると気孔率も高くなる。よって、金属ガラスとしては、△Txが30℃以上のものが好適である。
試験例4 溶射粒子捕集試験(1)
溶射粒子が基材表面に衝突した際の状態を調べるために、溶射粒子捕集試験を行った。この試験は、基材表面への溶射開始直後に遮断板により基材表面へのガスフレーム及び溶射粒子を遮断して、スプラットが堆積する前の個々のスプラットの形状や、基材表面の様子を調べるものである。
燃料と酸素の供給速度を下記表4のように変えた以外は、前記試験例1と同じ条件で試験を行った。
(表4)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験 燃料 酸素 基材写真
No. (GPH) (SCFH) SUS304L 寒天ゲル
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
4−1 6.0 2000 図5 図8
4−2 5.5 2000 図6 図9
4−3 4.0 1500 図7 図10
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
図5〜7は、SUS304L板を基材として、試験4−1〜4−3の条件で溶射したときの基材表面写真である。
試験4−1(燃料6.0GPH/酸素2000SCFH)及び試験4−2(燃料5.5GPH/酸素2000SCFH)では、溶射粒子のスプラットの形状は、円形あるいは楕円形に薄くつぶれたものか、又は中央部に円形あるいは楕円形に薄くつぶれたコアとその周囲に薄く広がるスプラッシュ様の部分とからなるものであった。そして、これらの条件で溶射を行ったところ、このようなスプラットの積層により、緻密で均一なアモルファス金属ガラス溶射被膜が得られた。
一方、試験4−3(燃料4.0GPH/酸素1500SCFH)では、図7からわかるように、薄く広がらずに球状に近い厚みのある形状のスプラットが多く見られ、図5〜6のようなスプラットは少なかった。また、スプラッシュ部の発生も抑制されていた。これは、フレーム温度が低かったためと考えられる。このようなスプラットの積層では、緻密性の高い溶射被膜を得ることはできなかった。
図8〜10は、寒天ゲル(寒天濃度 7重量%)を基材(ターゲット)として、試験4−1〜4−3の条件で溶射したときのゲルの断面写真である。このような硬い寒天ゲルに溶射すると、溶融状態あるいは過冷却液体状態の溶射粒子はゲル内部には侵入できずにゲル表面で捕集され、凝固状態にある溶射粒子はゲル内部に侵入してゲル内部で捕集される。よって、このようなゲルターゲット試験により、溶射粒子の基材表面における状態を推定できる。
試験4−1〜4−2(図8〜9)では溶射粒子はほとんどゲル内部に侵入せず、大部分がゲル表面で捕集されている(ゲル表面の黒く見える部分)。
これに対して、試験4−3(図10)では溶射粒子の大部分がゲル内部に侵入し、ゲル表面ではほとんど捕集されていない(ゲル表面に黒く見える部分はほとんど認められない)。
従って、試験4−1〜4−2では、ほとんどの溶射粒子が溶融状態あるいは過冷却液体状態で衝突しているのに対し、試験4−3では、ほとんどの溶射粒子が凝固状態で基材表面に衝突しているものと考えられる。
試験例5 溶射粒子捕集試験(2)
さらに、基材表面温度及び溶射粒子の粒度を変えて溶射粒子捕集試験を行った。試験条件は、次の通り。
(表5)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験No. 粒度 基材表面温度 基材表面写真
――――――――――――――――――――――――――――――――――
5−1 120μm以下 常温(加温なし) 図11
5−2 120μm以下 200℃ 図12
5−3 45μm以下 常温(加温なし) 図13
5−4 45μm以下 200℃ 図14
――――――――――――――――――――――――――――――――――
*基材:SUS304板、燃料:灯油、スプレー量:3.2kg/hr、
キャリアガス圧:45psi、溶射距離:200mm、
その他は試験例1と同じ
――――――――――――――――――――――――――――――――――
図11〜図14から、粒度120μm以下(120μm篩下)の場合には、何れの基材表面温度でも溶射粒子のスプラットがほとんど広がっておらず、球状に近い厚みのある形状であることがわかる。また、基材表面に溶射粒子の衝突によると考えられる窪みが認められる。これらの条件では、粒径が大きく、高速であったために、溶射粒子が溶融あるいは過冷却液体状態にまで到達せずに、凝固状態で基材表面に衝突したものと考えられる。
一方、粒度45μm以下(45μm篩下)の場合、基材表面温度が常温では図13のように広がりの悪いスプラットがやや散見されたものの、薄く潰れて広がった良好なスプラットが多く見られた。そして、基材表面温度が200℃の場合には、図14のようにほとんどのスプラットは極めて薄く潰れて円形あるいは楕円形に広がっており、非常に良好なものであった。
これは、粒径が小さかったために、ガスフレームで溶射粒子が過冷却液体状態で基材表面に衝突したためと考えられる。
スプラットが薄く広がれば、溶射被膜の緻密性に有利である。また、スプラットが薄く広がればスプラット全体が速やかに冷却されて凝固するので、均一なアモルファス溶射被膜の形成にも有利である。
試験例6 溶射試験
上記試験例5と同じ試験条件で実際に溶射試験を行った。溶射試験では、溶射ガンを基材表面と平行に一定速度で往復移動させて、基材表面の一直線上を溶射した。溶射ガン一往復で溶射回数2回とカウントした。基材温度は200℃のみとした。試験条件は次の通り。
(表6)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験No. 粒度 溶射回数 膜厚 被膜断面写真 耐久性
(王水試験)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
6−1 120μm以下 108回 − − −
6−2 45μm以下 30回 1.164mm 図15 ○
6−3 45μm以下 58回 2.087mm 図16 ○
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
*Fe43Cr16Mo161510のガスアトマイズ粉末
粒度120μm以下の場合には、溶射回数108回まで溶射を繰り返しても、基材表面には溶射被膜が形成されなかった。これは、上記捕集試験結果から推察されたように、固体状態で基材表面に衝突したため、基材への接着性が低かったものと考えられる。
これに対して、粒度45μm以下の場合には、溶射回数30回で最大膜厚1.164mm、溶射回数58回では最大膜厚2.087mmの溶射被膜が形成された。
溶射回数30回及び58回の溶射被膜の断面SEM写真をそれぞれ図15及び図16に示す。黒い点々に見える部分は空孔であるが、被膜中の空孔は非常に少なく(気孔率2%以下)、また、存在する各空孔もそれぞれが独立しており、溶射被膜を貫通する連続空孔は認められない。
一般的に、金属の溶射では、溶射粒子は飛翔過程で冷却され、液体の温度域が狭く不均一に凝固が起こるため周囲のガスを巻き込み、多孔質の膜を形成することが多いが、本発明の金属ガラスの溶射では、過冷却液体状態で基材表面に衝突するために緻密な膜が形成されると考えられる。
従って、これらの溶射被膜は外的要因に対する基材表面保護能に優れることが示唆された。
実際に、王水浸漬試験(25℃、2時間)では、腐食減量は3%程度であり、非常に耐食性に優れていた。
さらに、得られた溶射被膜について、X線回折を行った。図17は試験例6−2(溶射回数30回)の溶射被膜のX線回折図である。同図からわかるように、得られた溶射被膜は、結晶相や酸化物相を含まないアモルファス相からなる金属ガラスであった。
一般に大気中での溶射では、高温で金属が溶融して溶融液体状態になると非常に酸化されやすくなるため、通常、溶射被膜中には酸化物相が認められるが、金属ガラスはこれらの酸化を受けにくい。
以上のように、金属ガラスの溶射粒子を過冷却液体状態で基材表面に衝突させることにより、非常に緻密な金属ガラスのアモルファス被膜を形成することができる。
上記の例ではFe43Cr16Mo161510金属ガラスを用いてステンレス板に溶射したが、各種基材表面に賦与しようとする機能や基材に応じて、金属ガラスを選択することができる。
上記は溶射方法としてはHVOFを用いた例であるが、本発明の目的を達し得る限り、大気圧プラズマ溶射(APS)、減圧プラズマ(VPS)、コールドスプレー等、その他の溶射方法も用いることが可能である。
また、本発明の溶射被膜を形成する前に基材表面にブラスト処理等の粗面化処理を行うことにより、基材と金属ガラス層との密着強度を高めることができる。
また、本発明においては、溶射被膜を貫通する空孔はないので、溶射被膜形成後に樹脂等を用いた封孔処理は特に不要であるが、目的に応じて各種表面処理を行うことは可能である。
試験例7 金属ガラスバルク体の製造
下記表7の条件で溶射を行って、金属ガラス積層体を得た(溶射被膜膜厚約1mm)。
(表7)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
基材 SUS304L板
サイズ:50×100×5mm
基材表面:30×20×1mmの凸部を3箇所有する。
基材表面は鏡面仕上げ
溶射原料 Fe43Cr16Mo161510ガスアトマイズ粉末
△Tx:約63℃
粒度:53μmの篩下のもの(最大粒径53μm)
溶射条件 粉末搬送ガス:N
燃料:灯油、6.0GPH
酸素:2000SCFH
溶射距離(溶射ガン先端から基材表面までの距離):380mm
溶射ガン移動速度:200mm/sec
基材表面温度:200℃(ホットプレートで加温)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この金属ガラス積層体を積層した後、軽く衝撃を加えることにより、基材から金属ガラス層が容易に剥離し、金属ガラスバルク体が得られた。得られた金属ガラスバルク体の剥離面には、基材の凸部が精密に転写されていた。また、得られた金属ガラスバルク体の剥離面は非常に平滑であった。
高速フレーム溶射(HVOF)装置の一例の概略図である。 本発明の一実施例にかかる金属ガラス積層体(試験例1)のX線回折図である。 本発明の一実施例にかかる金属ガラス積層体(試験例1)の断面写真である。 △Tx=0のアモルファス金属ガラス粒子から製造した積層体(試験例3−3)のX線回折図である。 燃料6.0GPH、酸素2000SCFHの条件で溶射粒子捕集試験(試験4−1)のSUS304L基材表面の電子顕微鏡写真である。
燃料5.5GPH、酸素2000SCFHの条件で溶射粒子捕集試験(試験4−2)のSUS304L基材表面の電子顕微鏡写真である。 燃料4.0GPH、酸素1500SCFHの条件で溶射粒子捕集試験(試験4−3)のSUS304L基材表面の電子顕微鏡写真である。 燃料6.0GPH、酸素2000SCFHの条件で溶射粒子捕集試験(試験4−1)の寒天ゲルターゲット断面の電子顕微鏡写真である。 燃料5.5GPH、酸素2000SCFHの条件で溶射粒子捕集試験(試験4−2)の寒天ゲルターゲット断面の電子顕微鏡写真である。 燃料4.0GPH、酸素1500SCFHの条件で溶射粒子捕集試験(試験4−3)の寒天ゲルターゲット断面の電子顕微鏡写真である。
溶射粉末の粒度120μm以下、基材温度常温の条件で溶射粒子捕集試験を行った基材表面(試験No.5−1)の電子顕微鏡写真である。 溶射粉末の粒度120μm以下、基材温度200℃の条件で溶射粒子捕集試験を行った基材表面(試験No.5−2)の電子顕微鏡写真である。 溶射粉末の粒度45μm以下、基材温度常温の条件で溶射粒子捕集試験を行った基材表面(試験No.5−3)の電子顕微鏡写真である。 溶射粉末の粒度45μm以下、基材温度200℃の条件で溶射粒子捕集試験を行った基材表面(試験No.5−4)の電子顕微鏡写真である。 溶射粉末の粒度45μm以下、基材温度200℃、溶射回数30回の条件で溶射試験を行った溶射被膜ならびに基材(試験No.6−2)の断面のSEM写真である。
溶射粉末の粒度45μm以下、基材温度200℃、溶射回数58回の条件で溶射試験を行った溶射被膜ならびに基材(試験No.6−3)の断面のSEM写真である。 溶射粉末の粒度45μm以下、基材温度200℃、溶射回数30回の条件で溶射試験を行った溶射被膜(試験No.6−2)のX線回折図である。
符号の説明
10 溶射ガン
12 燃料パイプ
14 酸素パイプ
16 ガスフレーム
18 溶射材料供給パイプ
20 溶射粒子
22 基材
24 溶射被膜

Claims (11)

  1. 基材表面に、予め調製されたアモルファス相の金属ガラスを原料としてアモルファス相の金属ガラス溶射被膜層が形成された金属ガラス積層体であって、金属ガラスの過冷却液体温度領域△Txが30℃以上であり、金属ガラス溶射被膜層に連続空孔(ピンホール)が存在せず、金属ガラス溶射被膜層の気孔率が2%以下であり、金属ガラスが複数の元素から構成され、構成元素として少なくともFe、Co、Ni、Ti、Zr、Mg、Cu、Pdの何れか一つの元素を含むことを特徴とする金属ガラス積層体。
  2. 請求項1記載の積層体において、金属ガラス溶射被膜層が、金属ガラス粉体の少なくとも一部が過冷却液体状態で基材表面において凝固及び積層して形成されたものであることを特徴とする金属ガラス積層体。
  3. 請求項1又は2記載の積層体において、金属ガラス溶射被膜層の厚みが10μm以上であることを特徴とする金属ガラス積層体。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の積層体において、溶射被膜が高速フレーム溶射被膜であることを特徴とする金属ガラス積層体。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の積層体において、円形ないし楕円形に薄くつぶれた溶射粒子及び/又は円形ないし楕円形に薄くつぶれたコアを中心部に有する溶射粒子の積層が金属ガラス溶射被膜層に認められることを特徴とする金属ガラス積層体。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の積層体において、金属ガラス構成元素としてFeを30〜80原子%含有することを特徴とする金属ガラス積層体。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の積層体において、基材が金属またはセラミックスであることを特徴とする金属ガラス積層体。
  8. 請求項7記載の積層体において、基材が比重3.0以下の軽量金属であることを特徴とする金属ガラス積層体。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の積層体において、基材表面に金属ガラス溶射被膜層がパターン化されて形成されていることを特徴とする金属ガラス積層体。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載の積層体において、その表面に凹凸形状を有する基材表面に金属ガラス溶射被膜層が形成されていることを特徴とする金属ガラス積層体。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載の金属ガラス積層体から基材を除去して得られることを特徴とする金属ガラスバルク体。
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