JP2011017080A - 薄板金属基材上に金属ガラス溶射被膜層が形成された複合材料及びその製造方法 - Google Patents

薄板金属基材上に金属ガラス溶射被膜層が形成された複合材料及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非常に薄い金属基材が破壊されずに、その表面に緻密な金属溶射被膜層が強固に形成された複合材料を提供する。
【解決手段】 溶射によって、金属ガラス粉体の少なくとも一部が過冷却液体状態にまで加熱されて300m/s以上の粒子速度で金属基材表面に凝固及び積層して溶射被膜層を形成することにより、厚みが5〜300μmの金属基材の表面に、金属基材が破壊されることなく、貫通孔(ピンホール)のない金属ガラス溶射被膜層が形成された金属ガラス複合材料が得られる。前記金属ガラスの過冷却液体温度領域△Txは30℃以上でガラス遷移温度Tgが500℃以下である。金属ガラス溶射被膜層をさらに過冷却液体状態で加圧処理することにより、密着性、緻密性、均質性を改善することもできる。
【選択図】 図2

Description

本発明は金属ガラス複合材料、特に厚みが薄い金属基材上に、基材を破壊(破断、分断等)することなく緻密な金属ガラス溶射被膜層が強固に形成された複合材料に関する。
高機能性の金属被膜を形成することにより、基材表面に耐食性、耐摩耗性、耐熱性、高強度、高硬度などの機能性を付与することが知られている。
溶射は、大面積の基材表面に金属及び金属を含むサーメットの被膜を比較的簡便に直接的に形成できること、基材表面にのみ高機能性材料を被覆するので軽量化や経済性に優れていること、ドライプロセスであり廃水処理などの問題がない、などの点で他の金属被膜形成方法に比べて有利な方法である。
溶射は、加熱された溶射粒子を高速で基材表面に衝突・積層させて被膜を形成する方法である。このため、基材に対する熱負荷、圧負荷が大きく、厚みが薄い金属基材に溶射した場合には、基材が著しく加熱され、また、溶射粒子の衝突や溶射フレームの衝撃波によって容易に変形・破壊されてしまう。また、溶射による形成された被膜中には残留応力を生じるが、薄い金属基材は、この残留応力の影響を大きく受けるため、変形や破壊を生じやすい。
一方、溶射被膜による特性を十分発揮させるために、緻密で基材に強固に密着した溶射被膜の形成が要求されることが多い。このような溶射被膜形成のためには、通常、溶射距離を短くし、溶射粒子を十分に溶融させて高速で基材に衝突させることが必要である。特に、薄い基材は粗面化のためにブラスト処理すると変形しやすいため、基材表面を十分粗面化することが困難であり、溶射被膜を強固に密着させるためにはより激しい条件が必要となる。
しかしながら、通常、薄い金属基材はこのような厳しい条件に耐えることができず、上記のように変形や破壊されてしまう。
例えば、プラズマ溶射は短い溶射距離では、高温のプラズマジェットの影響を受け、薄板金属基材の場合には基材の変形や破壊を免れない。高速フレーム溶射(HVOF、HVAFなど)は、プラズマ炎に比べ温度の低い燃焼炎中で高速の溶射粒子を衝突させるので、薄板金属基材の場合には、高速のジェット噴流となった熱を伴う溶射フレームの衝撃波と、溶融不十分で硬い固体質が残る粒子の強い衝撃力で基材の破壊は免れないため、適用されなかった。
このように、薄板金属基材への金属やサーメットの溶射において、基材を破壊せず、しかも緻密で基材への密着度の高い高品位の溶射被膜層を形成することができていないのが現状であった。
特許文献1には、金属薄板をブラスト処理により軽度に粗面化し、金属薄板の裏面に銅板などの冷却体をあてがい、溶射熱による薄板の変形を防止しつつ溶射を行うことが記載され、300μm厚の鋼板にアルミナ粒子をプラズマ溶射し、厚み20μmの溶射被膜を形成している。また、得られた溶射体は鋼板の反り変形がなく、ロール曲げテストで剥離しなかったことが記載されている。
しかしながら、溶射では高温の溶射粒子や溶融不十分で硬い固体質が残る溶射粒子の衝撃力に基材が曝され、若しくは高温の溶射フレームによって基材が著しく高温に加熱される上に基材に振動を与えてしまうため、特許文献1のように基材背面に支持体を設けてこれを冷却することで基材の変形や破壊を防止しようとする方法は実際には限界があり、特に金属基材の厚みが300μm以下、特に100μm以下と極薄である場合には、基材の破壊は避けることが困難であった。また、特許文献1では、金属薄板基材の厚みに比して非常に薄い溶射被膜しか形成されていないため、溶射被膜の残留応力の影響が比較的少ないと考えられるが、被膜の緻密性や密着性において十分と言えるものではない。緻密性や密着性を向上するために溶射回数を増やして溶射被膜を十分な厚みにまで積層させると、残留応力の増大、冷却効率の低下などによって、やはり基材の変形・破壊を招く。
特許文献2には、厚み2〜200μmの金属箔への溶射において、張力をかけた金属箔の裏面を冷却回転ロールに当接せしめた状態でプラズマ溶射し、溶射炎照射領域の周辺近傍に噴射気体流を照射することによって金属箔を冷却回転ロールに十分に密着させて金属箔を十分且つ均一に冷却すること、これによって、溶射時の流体熱で発生する応力不均一による金属箔の座屈、変形が抑制でき、厚さの均一な溶射被膜を形成でき、平坦性に優れた溶射被膜形成金属箔が得られることが記載されている。そして、実施例においては、50μm厚のアルミニウム箔に、AlZr粉末とAl粉末との混合粉をプラズマ溶射することによって100μm厚の溶射被膜を形成し、得られた溶射被膜形成金属箔の変形は最大0.1mmで平坦性に優れていることが示されている。
しかしながら、特許文献2のように、噴射気流により薄い金属基材を冷却体に密着させて冷却効率を高めようとすると大掛かりな冷却体が必要であり、簡便に基材を破壊・変形させずに冷却することには限界がある。また特許文献2のように、基材と溶射材料の組成が近ければ熱膨張係数の差が小さいので、金属箔を変形・破壊させずに金属溶射被膜を形成可能であるかもしれないが、使用材料が著しく制限される。また、特許文献2の方法においても、溶射被膜の緻密性、密着性において十分と言えるものではなかった。
一般に、金属の溶射被膜では数%以上の気孔が存在する。溶射被膜に生じた気孔を塞ぐために、溶射被膜をさらに樹脂等で封孔処理することが知られているが、このような封孔処理では耐食性や耐摩耗性などの機能を十分果たすことはできない。また、自溶合金を溶射し、その溶射被膜を再溶融処理することにより貫通孔を塞ぐ方法もあるが、1000℃以上に加熱する必要があるため、薄板金属基材や融点の低い基材には負荷が大きく適用できない。
このように、薄板金属基材を破壊することなく金属を溶射するために溶射速度や温度を低くして基材への負荷を低減しようとすれば密着性や緻密性が低下し、密着性や緻密性を向上させようとすると、基材の破壊を招くため、薄板金属基材に対して基材を破壊せずに緻密な金属溶射被膜を強固に形成することはできないと考えられていた。
一方、特許文献3には、アモルファス相の金属ガラス粉末を過冷却液体状態で基材表面に溶射することにより、緻密性、密着性に優れたアモルファス相の金属ガラス溶射被膜層を形成することが記載されている。
しかしながら、特許文献3記載の方法を用いた場合であっても、薄板金属基材が破壊されてしまう場合があった。
特開昭61−230761号公報 特開2007−63613号公報 特開2006−214000号公報
本発明は、前記背景技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、非常に薄い金属基材が破壊されずに、その表面に緻密な金属溶射被膜層が強固に形成された複合材料を提供することである。
前記目的を達成するために本発明者らが鋭意検討を行った結果、溶射材料として金属ガラス粉体を用い、金属ガラスの過冷却液体状態を利用して特定条件下で溶射すれば、薄板金属基材の破壊がなくしかもその表面にピンホールのない緻密な金属ガラス溶射被膜層が強固に形成された複合材料が得られることを見出した。
また、得られた複合材料の金属ガラス溶射被膜層を過冷却液体状態で加圧処理することにより、溶射被膜層の基材への密着性、緻密性が向上し、溶射被膜層を均質化できることも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる金属ガラス複合材料の製造方法は、厚みが5〜300μmの金属基材の表面に、基材が破壊されることなく、貫通孔(ピンホール)のない金属ガラス溶射被膜層が形成された金属ガラス複合材料の製造方法であって、
溶射によって、金属ガラス粉体の少なくとも一部が過冷却液体状態にまで加熱されて300m/s以上の粒子速度で前記基材表面に凝固及び積層して溶射被膜層を形成する溶射工程を備え、
前記金属ガラスの過冷却液体温度領域△Txが30℃以上でガラス遷移温度Tgが500℃以下であることを特徴とする。
なお、本発明において基材の破壊とは、溶射によって基材に貫通孔、粉砕、破断、分断、割れ、歪みなどを生じることを意味する。
また、本発明は、前記方法において、溶射が粒子速度300m/s以上のプラズマ溶射(以下、「高速プラズマ溶射」という)であることを特徴とする金属ガラス複合材料の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記何れかに記載の方法において、アモルファス相の金属ガラス粉末を用いることを特徴とする金属ガラス複合材料の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記何れかに記載の方法において、基材温度が250℃以下であることを特徴とする金属ガラス複合材料の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記何れかに記載の方法において、さらに金属ガラス溶射被膜層を過冷却液体状態で加圧処理することを特徴とする金属ガラス複合材料の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記何れかに記載の方法において、金属ガラスが複数の元素から構成され、構成元素として少なくともFe、Co、Ni、Ti、Zr、Mg、Cu、Pdの何れか一つの元素を含むことを特徴とする金属ガラス複合材料の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記何れかに記載の方法において、金属基材の融点が金属ガラスのガラス遷移温度以上であることを特徴とする金属ガラス複合材料の製造方法を提供する。
また、本発明にかかる金属ガラス複合材料は、厚みが5〜300μmの金属基材の表面に、基材が破壊されることなく、貫通孔(ピンホール)のない金属ガラス溶射被膜層が形成され、金属ガラスが過冷却液体温度領域△Txが30℃以上でガラス遷移温度Tgが500℃以下であることを特徴とする。
また、本発明は、前記複合材料において、金属ガラス溶射被膜層がアモルファス相であることを特徴とする金属ガラス複合材料を提供する。
また、本発明は、前記複合材料において、金属ガラス溶射被膜層の気孔率が2%以下であることを特徴とする金属ガラス複合材料を提供する。
また、本発明は、前記何れかに記載の複合材料において、金属ガラスが複数の元素から構成され、構成元素として少なくともFe、Co、Ni、Ti、Zr、Mg、Cu、Pdの何れか一つの元素を含むことを特徴とする金属ガラス複合材料を提供する。
また、本発明は、前記何れかに記載の複合材料において、金属基材の融点が金属ガラスのガラス遷移温度以上であることを特徴とする金属ガラス複合材料を提供する。
また、本発明は、前記何れかに記載の複合材料において、金属ガラス溶射被膜層の厚みが20μm〜700μmであることを特徴とする金属ガラス複合材料を提供する。
また、本発明は、前記何れかに記載の複合材料において、金属ガラス溶射被膜層の表面粗さRaが3μm以下であることを特徴とする金属ガラス複合材料を提供する。
また、本発明は、前記何れかに記載の複合材料を用いたことを特徴とする電気接点を提供する。
本発明によれば、特定の金属ガラスを用いて特定の条件下で溶射を行うことによって、300μm以下の薄板金属基材表面に、基材を破壊することなくピンホールのない緻密な金属ガラス溶射被膜層が強固に形成された複合材料が提供される。このような複合材料は、各種部材の軽量化やコスト低減に有利である。
また、基材表面に金属ガラス溶射被膜層を形成した後、金属ガラス溶射被膜層を過冷却液体状態で加圧処理することにより、溶射被膜層と基材との密着性を強化することができ、溶射被膜層の緻密性、均質性を向上することができる。また、このような加圧処理により、複合材料の歪みや凹凸も矯正可能である。よって、比較的緩和な条件で溶射された場合であっても、その後加圧処理することにより複合材料の品質を改善できる。
さらに、加圧処理と同時、あるいは加圧処理後に過冷却液体状態で変形加工を行うことにより、基材の破壊、溶射被膜の欠陥形成(粒子間の隙間が増大するなど)や破損(剥がれや断裂など)を生じずに変形加工することができる。
従って、本発明によれば、歩留まりや信頼性の高い複合材料が提供できる。また、基材が大面積になればなるほど、それを被覆する金属ガラス溶射被膜層が不均一となる確率も高くなり、変形加工時の不具合も生じやすくなるので、本発明は特に有用である。
Ni65Cr1516金属ガラス粉末をSUS304基材(100μm厚)に高速プラズマ溶射して得られた複合材料(試験例1−1)の断面写真である。 試験例1−1の複合材料を、平滑面を有する金型により400℃でプレス処理した後の断面写真である。 試験例2の複合材料を、凹凸を有する金型により400℃でプレス処理した後の断面写真である。
Ni65Cr1516金属ガラス粉末をアルミ箔(11μm厚)に高速プラズマ溶射し、さらに平滑面を有する金型により400℃でプレス処理して得られた複合材料の断面写真である。 Ni65Cr1516金属ガラス粉末をアルミ箔(11μm厚)に高速プラズマ溶射し、次いで平滑面を有する金型により400℃でプレス処理し、さらに凹凸を有する金型により400℃でプレス処理した後の断面写真である。 Fe64Cr10Mo13金属ガラス粉末を、アルミ箔(11μm厚)に高速プラズマ溶射し、さらに平滑面を有する金型により480℃でプレス処理して得られた複合材料の断面写真である。 比較材料であるWC/12%Co粉末を、アルミ箔(11μm厚)に高速プラズマ溶射して得られた複合材料の断面写真である。
薄板金属基材
本発明で用いる薄板金属基材とは、厚みが5〜300μmのものを意味する。好ましくは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。基材の種類は特に制限されるものではないが、例えば、銅、アルミニウム、マグネシウム、チタン、鉄、ニッケル、モリブデン、ならびにこれら金属の少なくとも一種を主成分とする合金から選択される金属材料が好適に用いられる。
なお、基材は、金属ガラス溶射被膜の接合性を高めるために、ブラスト処理など公知の方法による基材表面の粗面化処理を施して使用してよい。
薄板金属基材の温度は、溶射中250℃以下、さらには200℃以下を確保することが重要であり、より好ましくは160℃以下である。基材温度が高くなると溶射中に基材の破壊を生じやすくなる。
金属ガラス
金属ガラスは、加熱すると結晶化前に明瞭なガラス遷移と広い過冷却液体領域を示すことが一つの大きな特徴である。結晶化開始温度(Tx(K))とガラス遷移温度(Tg(K))の間の温度領域△Tx=Tx−Tgで示される過冷却液体温度領域では、粘性流動状態(過冷却液体状態)となって変形抵抗が著しく減少する。通常のアモルファス合金では△Txはほぼ0である。
本発明において、金属ガラスとしては過冷却液体温度領域△Tx=Tx−Tgが30K以上で、且つガラス遷移温度Tgが500℃以下(773K以下)であるものが好適に用いられる。この範囲を外れると、基材を破壊せずに緻密性・密着性に優れた本発明の複合材料を得ることが困難になる。
金属ガラスの種類は特に制限されず、目的とする機能に応じて公知のものを適宜選択して用いればよい。例えば、金属ガラスが複数の元素から構成され、その主成分として少なくともFe、Co、Ni、Ti、Zr、Mg、Cu、Pdのいずれかひとつの原子を30〜80原子%の範囲で含有するものが挙げられ、好適な例としてはFe基又はNi基を主成分とする金属ガラスが挙げられる。
Fe基金属ガラスの好ましい組成としては、例えば、Fe76Si5.79.53.8が挙げられる。
Ni基の金属ガラスの好ましい組成としては、例えば、Ni56Cr2416、Ni65Cr1516等が挙げられる。
Cu基の金属ガラスの好ましい組成としては、例えば、Cu55Zr40Al(以下、下付数字は原子%を示す)が挙げられる。
Zr基の金属ガラスの好ましい組成としては、例えば、Zr60Al15Ni7.5Co2.5Cu15が挙げられる。
また、耐食性等に優れる金属ガラスとしては、Cu基では、Cu100-a-b(Zr
+Hf)aTib又はCu100-a-b-c-d(Zr+Hf)aTibcd[ただし式中、Mは、Fe、Cr、Mn、Ni、Co、Nb、Mo、W、Sn、Al、Ta、希土類元素よりなる群から選択される1種又は2種以上の元素、Tは、Ag、Pd、Pt、Auよりなる群から選択される1種又は2種以上の元素であり、5<a≦55原子%、0≦b≦45原子%、30<a+b≦60原子%、0.5≦c≦5原子%、0≦d≦10原子%である]で示される組成を有するもの等が挙げられる(特開2002−256401号公報参照)。また、Ni基としては、Ni80−xCr16[ただし、3≦x≦30原子%]で示される組成を有するもの等が挙げられる(Material Transactions,Vol.48,No.12(2007)pp.3176〜3180参照)。また、Fe基としては、Fe100-a-b-cCrTM(C1-XXyc[ただし、式中、TM=V,Nb,Mo,Ta,W,Co,Ni,Cuの少なくとも一種以上、a,b,c,x,yは、それぞれ5原子%≦a≦30原子%,5原子%≦b≦20原子%,10原子%≦c≦35原子%,25原子%≦a+b≦50原子%,35原子%≦a+b+c≦60原子%,0.11≦x≦0.85,0≦y≦0.57]で示される組成を有するもの等が挙げられる(特開2001−303218号公報参照)。
何れも、金属ガラスの過冷却液体温度領域△Tx=Tx−Tgが30K以上、ガラス遷移温度Tgが500℃以下(773K以下)であるものが好適に使用される。
溶射方法
本発明においては、上記のような金属ガラスの粉体を用い、その少なくとも一部が過冷却液体状態にまで加熱され、300m/s以上の粒子速度で前記基材表面に凝固及び積層するように溶射する。
粒子速度が300m/s未満では緻密性や密着性が不十分となる。
また、本発明では金属ガラス粉体を溶融せずに過冷却液体状態にして溶射するので、アモルファス相の金属ガラス粉体を溶射した場合には、酸化や結晶化の影響を受けずにアモルファス相の金属ガラス溶射被膜が形成される。通常の溶射のように溶射粒子を溶融する溶射方法では酸化により溶射被膜特性が低下してしまう。また、溶射粒子が溶融状態から冷却されて固化する際には冷却速度の影響を受けるので、冷却速度が遅いと結晶化を生じてしまい、アモルファス相溶射被膜を安定的に製造することが困難である。さらに、溶融状態から冷却されて固化する場合には、過冷却液体状態から冷却された場合に比べて凝固収縮が大きい。
溶射方法としては、例えば、大気圧プラズマ溶射、減圧プラズマ溶射、フレーム溶射、高速フレーム溶射(HVOF、HVAF)、アーク溶射、コールドスプレーなどがあるが、本発明においては、溶射粒子速度を300m/s以上に加速でき、且つ溶射粒子の少なくとも一部を過冷却液体状態となるように加熱できる溶射方法を用いる。このような溶射方法の好適な例としては、標準的な大気プラズマ溶射より高速で溶射を行う高速プラズマ溶射が挙げられる。
プラズマ溶射には大気圧プラズマ溶射と減圧プラズマ溶射があるが、標準的なプラズマ溶射は、粒子速度が150〜300m/s、フレーム温度は10,000〜15,000Kの範囲であり、プラズマジェット(フレーム)は熱源から40mm程度の距離でも約5,000Kである。標準的なフレーム溶射は、粒子速度が100〜200m/s、フレーム温度は2,300〜2,900Kの範囲である。アーク溶射の粒子速度も、180〜220m/sであり、フレーム溶射と同等である。
これに対して、高速プラズマ溶射ではフレーム温度は通常のプラズマ溶射と同等で、粒子速度が300m/s以上であり、標準的なプラズマ溶射の2倍以上にもなる。高速プラズマ溶射に用いられる装置としては特に制限されないが、複数(例えば3本以上)のプラズマノズルを備え、これにより高速でも安定かつ連続的にプラズマジェットを発生させることができるものが好適に用いられる。このような装置としては、例えばTriplexProTM−200(Sulzar Metco社)が挙げられる。
このような高速の溶射粒子は通常薄板基材に大きなダメージを与えるので、通常は薄板金属基材の破壊なしに溶射被膜を形成することは困難である。しかしながら、本発明のように特定の金属ガラス粉末を溶射材料として用い、高速プラズマ溶射で金属ガラス粉末を過冷却液体状態にまで加熱して低温の薄板金属基材へ溶射した場合には、基材を破壊することなく緻密で密着性に優れた溶射被膜を形成することができる。高速プラズマ溶射において、溶射距離は通常100mm以上、好ましくは120mm〜250mm程度である。また、高速プラズマ溶射は大気圧、減圧何れの条件でも可能であるが、本発明においては大気圧条件下でも高品位の複合材料を得ることができる。
一方、高速フレーム溶射(HVOF、HVAF)のフレーム温度は通常のフレーム溶射と同等で、金属ガラス粉末を過冷却液体状態にまで加熱することが可能であり、300m/s以上の粒子速度を与えることもできる。しかしながら、金属基材が非常に薄い場合には基材が破壊される。
なお、溶射粒子速度を300m/s以上にできる溶射方法としてコールドスプレーもあるが、コールドスプレーは573〜773K程度に加熱したガスで粒子を加速し、粒子の衝突速度を500m/s以上とするもので、金属ガラス粉末粒子が過冷却液体状態となるような熱量を十分与えることは困難である。
金属ガラス粒子の形状は特に限定されるものではなく、板状、チップ状、粒状、粉体状などが挙げられるが、好ましくは溶射時に衝突する際の基材損傷を避け、負荷を軽減できる形状であり、高速な溶射フレームから均一に熱量を与えられる粒状あるいは粉体状である。金属ガラス粒子の調製方法としては、アトマイズ法、ケミカルアロイング法、メカニカルアロイング法などがあるが、生産性と球状化を考慮すればアトマイズ法によって調製されたものが特に好ましい。
金属ガラス粒子の粒子径は、10〜60μmの範囲のものを用いる。粒子径が大きすぎると、基材が破壊されたり、溶射被膜中に気孔が多くなったり、連続気孔を生じることがある。粒子径が小さすぎると、溶射粒子の溶融によって溶射被膜中の酸化物量が増大したり、所望の膜厚とするのに溶射回数が増えるなど生産性が低下する。
溶射熱源は電気エネルギーまたは燃焼エネルギー、プラズマガスとしては、アルゴン、水素、ヘリウム等を用いることができる。
また、溶射では通常搬送ガスとしてNガスが使用されるが、窒化物の形成により被膜組成や緻密性などに影響を及ぼすことがある。これは、空気(ドライエアー)、酸素、不活性ガス(Ar、He等)などを搬送ガスとして用いることにより改善される。空気や酸素では酸化の懸念があるので、最も好ましくは搬送ガスとして不活性ガスを用いる。
金属ガラス溶射被膜の厚みは目的に応じて適宜設定できるが、溶射被膜の緻密性、密着性、加工性などの点から、被覆しようとする基材表面上に通常20μm以上、典型的には50μm以上、さらには100μm以上形成することが好適である。上限は特に制限されないが、厚くなりすぎると経済性や軽量性が低下するので、700μm以下、さらには500μm以下とすることが好ましい。例えば耐食性などを付与する目的であれば、片面で500μmもあれば十分である。
溶射被膜は、様々な形状の基材上に形成することができ、また、マスキング等によりパターン化して形成することもできる。表面に凹凸形状を有するものや多孔質体を基材として用いることもできる。
金属ガラスの高機能性を発揮させるために、溶射被膜層が結晶相や酸化物相をできるだけ含まず、緻密性や均一性が高いことが好ましい。また、金属ガラス溶射被膜層に結晶相や酸化物相が含まれると、溶射後に加圧処理や変形加工処理した場合に結晶化が進行したり、破損等を生じやすい。
均一な金属ガラスのアモルファス固体相からなり、気孔がほとんどなくピンホールのない溶射被膜を形成するために、アモルファス相の金属ガラス粒子を溶射原料とし、金属ガラス粒子を溶融させず、その少なくとも一部が過冷却液体状態で溶射することが好適である。
過冷却液体状態では、金属ガラスは粘性流動を示し、粘性が低い。このため、過冷却液体状態にある金属ガラスが基材表面に衝突すると、瞬時に薄く潰れて基材表面に広がり、厚みが非常に薄い良好なスプラットを形成することができる。そして、このようなスプラットの堆積により、緻密でピンホールのない溶射被膜を形成することができる。本発明のように、過冷却液体状態で溶射された金属ガラス溶射被膜層の断面や表面(基材側あるいは非基材側)を電子顕微鏡等で観察した場合、円形〜楕円形に薄くつぶれたスプラットの積層が金属ガラス層中に認められる。なお、円形〜楕円形に薄くつぶれたコアを中心部としその周囲に薄く広がるスプラッシュ様部分を有するスプラットが一部に認められることもある。
また、スプラットは過冷却液体状態のまま冷却されるので、結晶相を生成せず、アモルファス相のみが得られる。
また、一般に大気中での溶射の場合、溶射材料の酸化物が被膜中に含まれてしまい、被膜の特性に悪影響を及ぼすが、過冷却液体状態で衝突させれば、大気中で溶射したとしても酸化の影響がほとんどない。
従って、アモルファス相の金属ガラス粒子を溶射し、金属ガラス溶射粒子が溶融されずに過冷却液体状態で基材表面において凝固及び積層して溶射被膜を形成すれば、均一な金属ガラスのアモルファス固体相からなり、気孔がほとんどなくピンホールのない溶射被膜を得るのに有利である。
また、一般的な溶射材料である結晶質合金では、溶融体から固体へ冷却された場合に、数%の凝固収縮を生じる。
これに対して、金属ガラスが溶融体から固体へ結晶化しない冷却速度で冷却された場合、結晶化による凝固収縮を生じることなく過冷却液体状態となることができ、その体積は過冷却液体領域の熱膨張係数に従って連続的且つ僅かに収縮する。そして、金属ガラスが融点以下で溶融することなく過冷却液体状態から冷却された場合には、溶融体から冷却された場合に比べてさらに収縮量が少なくなる。
よって、金属ガラスを溶融させずに過冷却液体状態で溶射すれば、基材と溶射被膜との接合面に発生する残留応力が非常に小さくなるので、基材の変形や破壊、さらには溶射被膜の剥離の抑制に効果的であり、特に、薄い基材において有効である。また、溶射被膜中の残留応力は膜厚が大きいほど大きくなるが、本発明においては基材厚みと同等以上、さらには2倍以上の厚みの溶射被膜層の形成も可能である。
このような方法により、薄板金属基材表面に非常に緻密で且つアモルファス相の金属ガラス溶射被膜層を形成することができる。例えば、気孔率が2%以下でピンホールもない金属ガラス溶射被膜層を得ることができる。気孔率については、金属ガラス層の任意の断面を画像解析し、気孔の最大面積率を気孔率として採用することができる。また、ピンホールがないことも金属ガラス層の任意の断面を画像解析することにより確認することができる。
本発明において、金属ガラス粉末は過冷却液体状態にまで加熱されるが、その際、金属ガラス粉末の表面などごく一部は溶融することがあるかもしれない。しかしながら、そのような場合であっても表面部分は中心部に比べて冷却されやすく、また本発明においては特に△Txが30℃以上という過冷却液体状態の安定性が高い金属ガラスを用いているため、比較的冷却が緩慢となっても表面のみが溶融している分には冷却速度の影響は非常に小さい。このため、結晶化がほとんど起こらずアモルファス相固体として凝固することができる。本発明の金属ガラス溶射被膜層の結晶化率は20%、典型的には10%以下である。溶射被膜の結晶化率は、DSC測定で得られた結晶化の発熱ピーク面積から結晶化エンタルピーを求め、これを100%アモルファス材料の結晶化エンタルピーと比較することにより求めることができる。
加圧処理(均質化処理)
基材が薄くなればなるほど破壊・変形されやすくなるため、溶射温度や速度を低下させるなど溶射条件を緩和しなければならない場合があると、溶射被膜の密着性、緻密性が低下することがある。
本発明においては、金属ガラスを基材表面に溶射して被膜を形成した後、金属ガラス溶射被膜層を過冷却液体状態で加圧することにより、溶射被膜層と基材との密着性、溶射被膜層の緻密性を高めることができる。
また、溶射により一見緻密で均一な被膜が形成されたとしても、溶射被膜は粒子の積層であり、その内部は本質的に不均一で、潜在的な内部欠陥を有している。このような潜在的内部欠陥は、加熱変形加工時に膨張によって粒子間の隙間が増大したり、剥がれや断裂など溶射被膜の破損の原因となることがある。そして、溶射面積が大きくなればなるほどこのような不均一性や潜在的内部欠陥の存在率も高くなる。
金属ガラス溶射被膜層を過冷却液体状態で加圧すれば、このような潜在的内部欠陥を拡散させて被膜を均質化することができ、変形加工時の溶射被膜の欠陥形成や破損の低減にも有効である。
加圧の方法としては、本発明の目的を達成し得る方法であれば特に制限されず、公知の方法を採用することができる。例えば、金型やローラーなどによる平面プレス、HIPなどの方法が挙げられる。簡便な方法の一つとしては、複合材料の形状に合った金型を用いて金属ガラス層表面を基材との接合界面に向かって加圧する方法が挙げられる。また、ローラーなどを用いて加圧部位を移動させながら行うこともできる。なお、加圧処理は一度に行ってもよいし、複数回で行ってもよい。
加圧は、金属ガラス層をガラス化可能な温度にまで加熱し過冷却液体状態(ガラス化状態)にして行う。過冷却液体状態では粘性流動体となるので、短時間で密着化、緻密化、均質化を行うことができる。
一般に、金属ガラスのガラス遷移温度TgはDSC(示差走査熱量計)により測定されるが、金属ガラスのガラス化によるDSC曲線の吸熱方向へのシフトはカーブを描くため、通常はDSC曲線のベースラインと吸熱シフトの接線との交点の温度が便宜上ガラス転移温度Tgとして測定される。この結果、Tgは実際の吸熱反応開始温度(ガラス化開始温度)よりも高く測定される。よって、Tgよりも低い温度であってもガラス化開始温度(吸熱反応開始温度)以上であれば金属ガラスをガラス化することが可能である。具体的には、例えばガラス遷移温度Tg(K)の85%以上の温度で加圧処理を行うことが好適であり、さらにはTg(K)以上で加圧処理を行うことが好適である。
ただし、温度が高すぎると加圧処理中に結晶相を生じてしまうことがある。結晶相を含んだ金属ガラス層を変形加工すると結晶相を起点に割れを生じる場合がある。DSC測定で測定される結晶化開始温度Txは、Tgの場合と同様に、ガラス化による吸熱方向へのシフトが結晶化による発熱方向へのシフトに転換する温度よりも通常高く測定されるので、結晶相の生成を回避するために、結晶化開始温度Tx(K)のみならず、潜在的に結晶化への構造変化が起こっていると考えられるTx直前の発熱反応温度領域は避けるべきである。具体的には、例えば結晶化開始温度Tx(K)の97%以下の温度で加圧処理を行うことが好適である。
なお、本発明においてTg(K)、Tx(K)は何れも、アルゴン雰囲気下、昇温速度20.0℃/分の条件下でDSCにより測定した値である。
目的とする温度とするためには、複合材料を直接加熱してもよいし、金型やローラー、雰囲気から間接的に熱を供給してもよい。また、その両者を組み合わせることもできる。
加圧する時の圧力及び時間は、加圧温度や金属ガラスの種類、層厚などによって適宜設定されるものであるが、あまり長い時間高温で加圧処理すると、金属ガラス層に結晶相や酸化物相が生成されやすくなる。よって、なるべく短時間で均質化できるように加圧することが好ましい。例えば、5〜1000MPa、さらには20〜500MPaで、1〜600sec、さらには10〜200secで加圧することができる。
なお、加圧する際にひずみ速度[=(変形量/物体の長さ)/変形に要した時間]が速すぎる場合、ストレスオーバーシュートが発生して均質化を妨げることがある。加圧時のひずみ速度は7.0×10−1/s以下とすることが好ましい。
また、加圧は通常大気中で行えばよいが、酸化の影響が懸念される場合には不活性ガス中で行ってもよい。
変形加工
複合材料、及び上記のように加圧処理した複合材料は、公知の方法により変形加工することができるが、加圧処理(均質化処理)と同時に、あるいはその後に、複合材料を変形加工することが好ましい。変形加工は、金属ガラス溶射被膜層のみを変形(例えば、金属ガラス層表面に凹凸をつけるなど)してもよい。また、金属ガラス溶射被膜層を基材と一体に同時に変形してもよく、例えば、金型等によりプレス加工して複合材料全体を曲げることができる。また、圧延、絞りなども挙げられる。
複合材料を基材と一体に変形加工する場合において、変形加工により溶射被膜粒子間の隙間が増大したり、剥がれや断裂などの破損を生じるような場合には、複合材料の金属ガラス溶射被膜層を基材を変形させずに上記のように加圧処理(均質化処理)して被膜内部の不均一性や潜在的内部欠陥を十分に解消した後で変形加工することにより、変形加工時の欠陥の増大や破損を著しく抑制することができる。
このように加圧(均質化)処理後に変形加工処理を行う場合、加圧は、金属ガラス溶射被膜層の不均一性や潜在的内部欠陥が解消されるように行う。加圧は、少なくとも変形加工しようとする領域とその周辺部分の金属ガラス層をできるだけ均一に加圧することが望ましい。好適には、少なくとも変形加工される領域において金属ガラス層の層厚が均一に圧縮されるように行う。例えば、金属ガラス表面から基材との接合界面に向かって均一な圧力でプレスすることにより行うことができる。この時、通常は均質化処理された金属ガラス層の層厚が均一に圧縮されるが、基材の変形は伴わない。なお、加圧による均質化処理は一度に行ってもよいし、複数回で行ってもよい。
変形加工の条件は、金属ガラス複合材料の種類や用途等に応じて適宜設定すればよいが、金属ガラス層が過冷却液体温度領域(Tg〜Tx)を含む温度領域となるよう加熱して変形加工すれば、金属ガラス層の変形応力が小さいのでより好ましい。なお、過冷却液体温度領域の周辺温度でヤング率が顕著に低下して軟化する場合には、このような温度で変形加工することも可能である。また、変形加工前の金属ガラス層に結晶相を含まなければ、変形加工中あるいは加工後に結晶化開始温度付近の温度となって多少結晶化したとしても剥がれや破損なしに変形加工することが可能である。
具体的には、例えば、金属ガラスのガラス遷移温度Tg(K)の85%以上の温度〜結晶化開始温度Tx(K)の100%以下の温度の範囲内で設定することが好適であり、さらにはTg〜0.97Txの温度領域内で変形加工することが好適である。
変形加工処理は、一度に行ってもよいし、複数回行ってもよい。また、前記均質化処理に引き続いて連続的に行ってもよいし、一旦冷却するなどして断続的に行うこともできる。
また、変形加工時の曲げと同時に金属ガラス層表面に所望の形状(例えば凹凸や鏡面)が形成されるように金型を用いることも可能である。
本発明の複合材料は、金属ガラス溶射被膜層によって耐磨耗性、耐熱性、耐食性などを発揮し、しかも溶射被膜層及び基材ともに金属薄膜で構成され、加工性、軽量性、経済性に優れる。よって、これらの性能が要求される各種用途において非常に有用であり、例えば、電気接点などの電子・電気部材として好適に用いることができる。
電気接点においては、電気抵抗が小さいことが重要である。本発明の複合材料は金属ガラス溶射被膜層の膜厚が小さく、密着性、緻密性、均質性にも優れるので、金属ガラス層はバルクと同等の抵抗となり、金属ガラス層−基材間での接触抵抗が小さい。さらに、金属ガラス表面の酸化膜が薄く、また、過冷却液体状態で加圧処理すれば金属ガラス溶射被膜層の表面粗さも改善できる。例えば、溶射被膜層の表面粗さは、溶射したままでは通常3μmを超えるが、加圧処理により3μm以下、典型的には1μm以下、さらには0.5μm以下とすることができる。従って、相手端子との接触抵抗を十分小さくすることができるので、電気接点として好適に使用できる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の試験例において、基材は、裏面にステンレス(アルミニウム、銅などの伝熱性の良い金属でもよい)製の裏当て材に貼り付け、裏当て材を台座に動かないよう固定して溶射を行った。なお、基材を冷却するため溶射面には1〜2本のノズルから、裏当て材の後ろには適宜、エアーをあて、溶射を行った。基材温度は熱電対により測定した。各試験例で用いた測定方法は次の通りである。
(DSC)
示差走査熱量計DSC8270((株)リガク製)を用いて、昇温速度20.0℃/分、アルゴン雰囲気中で測定した。
(基材破壊)
溶射後の基材について、貫通孔、粉砕、破断、分断、割れ、歪みなどの有無を観察した。なお、歪みとは、基材表面にできた起伏が、溶射後の複合材料厚みの2.5倍を超えるようなものをいう。
(X線回折)
(株)リガク製 X線回折装置RAD―3Dにより測定したX線回折図から次の基準で評価した。
アモルファス単一相:ハローパターンが認められ且つ結晶性ピークがない
一部結晶 :ハローパターンと結晶性ピークの両方が認められる
結晶 :ハローパターンが認められず結晶性ピークが認められる
(気孔率)
溶射被膜断面を樹脂埋め込みして研磨後、画像解析により気孔率を測定した。
(ピンホール)
溶射被膜断面を樹脂埋め込みして研磨後、画像解析により貫通孔の有無を測定した。
(表面粗さ:Ra)
RaはJIS B0601に規定する算術平均粗さであり、その測定は、(株)ミツトヨ製 表面粗さ測定器SV−514(評価長さ:4.0mm、カットオフ値:0.8mm)で行った(n=3)。
基材としては以下を使用した。
ステンレス:厚さ0.1mm又は0.3mm(JIS G4305 SUS304)、
アルミニウム:厚さ11μm(日本製箔製アルミニウムホイル)、厚さ100μm(JIS H4000 1N30)、厚さ200μm、300μm及び1000μm(JIS H4000 A1050P)、
真鍮:厚さ250μm(JIS H3100 C2801P)
試験例1
アモルファス単一相からなるNi65Cr1516金属ガラスのガスアトマイズ粉末(25〜53μm)をステンレス基材(50×50×0.1mm、ブラスト処理仕上げ)に高速プラズマ装置により溶射して金属ガラス複合材料を得た(試験例1−1)。金属ガラス粉末をDSC測定したところ、ガラス遷移温度Tgは390℃(663K)、結晶化開始温度Txは430℃(703K)であった。
得られた試験例1−1の複合材料の断面写真を図1に示す。
図1からわかるように、ステンレス薄板基材に対してピンホールのない金属ガラス溶射被膜層(約60μm)が基材両面に形成され、基材の破壊や変形は全く認められなかった。また、X線回折から、得られた複合材料の金属ガラス溶射被膜層がアモルファス単一相であることを確認した。また、溶射被膜層の気孔率は約1.5%であった。
なお、溶射条件は次の通りであった。
(高速プラズマ溶射条件)
プラズマ溶射装置:Sulzer Metco社製 TriplexPro−200
(高速モード)
電流:450A
電力:57Kw
使用プラズマガス:Ar95(NLM)、He25(NLM)
溶射距離(溶射ガン先端から基材表面までの距離):150mm
溶射ガン移動速度:670mm/sec
基材温度:125℃
また、基材を変えて同様に高速プラズマ溶射を行った。表1は、基材として、アルミニウム(厚さ11μm、100μm、200μm、又は300μm)、あるいは真鍮(厚さ250μm)を用いた結果を示している。溶射被膜層厚さは、11μm厚アルミニウム基材のみ50μm、その他の基材では650〜700μmであった。
何れの場合にも、試験例1−1の場合と同様に、ピンホールのない金属ガラス溶射被膜層が形成され、基材の破壊は全く認められなかった。また、X線回折から、得られた複合材料の金属ガラス溶射被膜層がアモルファス単一相であることを確認した。また、溶射被膜層の気孔率は何れも2%未満であった。
なお、試験例1−1〜1−7において、アモルファス単一相のNi65Cr1516金属ガラスのガスアトマイズ粉末を熱処理して結晶化させた粉末を用いて溶射した以外は同様にして高速プラズマ溶射を行った場合には、溶射被膜も溶射粉末と同じく結晶化したものとなった。
また、試験例1−1〜1−7において、溶射された飛行粒子の温度及び速度を溶射粒子測定装置DPV−2000(TECNAR社製)により基材位置で測定したところ、粒子周囲温度は2016±157℃、粒子速度は472±48m/sであった(約1380個の飛行粒子の平均値±標準偏差)。
また、基材温度を変えて同様に高速プラズマ溶射を行った。表2は試験例1−4において、基材温度が160℃又は323℃の場合の結果を示しているが、基材温度が250℃を超えると基材破壊が認められた。
また、溶射する金属ガラス粉末を変えて同様に高速プラズマ溶射を行った。表3は試験例1−8において、アモルファス単一相のFe43Cr16Mo161510(ガラス遷移温度Tg:597℃(870K)、結晶化開始温度:688℃(961K))のガスアトマイズ粉末を溶射した場合の結果を示している。金属ガラスのガラス遷移温度が500℃以下では厚板基材、薄板基材の何れでも基材破壊はなかったが、金属ガラスのガラス遷移温度が500℃を超えると薄板基材で破壊が認められた。
また、高速プラズマ溶射の代わりに高速フレーム溶射(HVOF)あるいは通常のプラズマ溶射により溶射を行った。
表4は試験例1−8において、下記条件で高速フレーム溶射あるいはプラズマ溶射を行った場合の結果を示しているが、プラズマ溶射では著しい基材の破壊が認められ、気孔率も高かった。また、高速フレーム溶射でも基材の破壊が認められた。
(HVOF溶射条件)
HVOF溶射装置:PRAXAIR/TAFA社製 JP−5000
粉末搬送ガス:N
燃料:灯油、6GPH
酸素:2000SCFH
溶射距離(溶射ガン先端から基材表面までの距離):380mm
溶射ガン移動速度:670mm/sec
基材温度:160℃
(プラズマ溶射条件)
プラズマ溶射装置:Sulzer Metco社製 F4
電流:600A
電圧:70V
使用プラズマガス:Ar41(NLM)、水素12(NLM)
溶射距離(溶射ガン先端から基材表面までの距離):120mm
溶射ガン移動速度:670mm/sec
基材温度:160℃
試験例2
試験例1−1で得られた複合材料を、減圧して1.8KPaとし、温度400℃、圧力100KN、送り速度2mm/min、保持時間120secで、平滑面を有する金型(20×20×厚み15mm、材質:WC)により基材の両側からプレスした。結果を図2に示す。
図2からわかるように、過冷却液体温度領域でプレスすることによって溶射被膜と基材との密着性が強化され、また、溶射被膜における気孔率は1%以下にまで緻密化され、溶射被膜がより均質化された。
また、溶射被膜層の表面粗さRaについて比較したところ、溶射したままの試験例1−1ではRa=3.12μmであったのに対し、プレス後の試験例2ではRa=0.39μmであり、溶射被膜層の表面平滑性が顕著に向上した。
試験例3
試験例2でプレスして得られた複合材料を、減圧して1.8KPaとし、温度400℃、圧力40KN、送り速度2mm/min、保持時間120secで、凹凸金型(26×26mm、材質:耐熱鋼)により基材の両側からプレスした。結果を図3に示す。
図3からわかるように、過冷却液体温度領域で変形加工することによって、基材の破壊、さらには溶射被膜の剥がれ、破断、劣化を招くことなく変形加工することができた。
試験例4
溶射材料としてアモルファス単一相のNi65Cr1516金属ガラスのガスアトマイズ粉末(25〜53μm)を、基材として厚み11μmのアルミ箔(50×50mm:ブラスト処理せず)を用い、試験例1−3と同様に高速プラズマ溶射して、複合材料を得た。この複合材料を試験例2と同様にプレス処理した。プレス条件は、圧力を30KN、保持時間を60secとした以外は、試験例2と同様であった。
その結果、図4に示すように、基材の破壊がなく、気孔率が1%以下と緻密でピンポールのない溶射被膜が強固に形成された複合材料が得られた。また、この複合材料の表面は試験例2と同様に平滑であった。
試験例5
プレス条件の圧力を100KN、保持時間を150secとした以外は、試験例4と同様にして複合材料を得た。得られた複合材料を、圧力を40KN、保持時間を120secとした以外は、試験例3と同様にして凹凸金型により変形加工処理した。結果を図5に示す。
図5からわかるように、極薄で強度が低い基材に金属ガラス溶射被膜層を形成した複合材料であっても、過冷却液体温度領域で変形加工することによって、基材の破断、さらには溶射被膜の剥がれ、破断、劣化を招くことなく変形加工することができる。
試験例6
溶射材料としてアモルファス単一相のFe64Cr10Mo13金属ガラスのガスアトマイズ粉末(25〜53μm)を、基材としてステンレス板(50×100×0.3mm、ブラスト処理仕上げ)を用い、高速プラズマ溶射装置により溶射を行って基材片面に約160μmの金属ガラス溶射被膜層を形成し、金属ガラス複合材料を得た。金属ガラス粉末をDSC測定したところ、ガラス遷移温度Tgは464℃(737K)、結晶化開始温度Txは506℃(779K)であった。溶射条件は試験例1と同様であった。得られた複合材料は基材の破壊・変形なく、気孔率2%以下のアモルファス相からなる溶射被膜が基材に強固に密着したものであった。
試験例7
溶射材料としてアモルファス単一相のFe64Cr10Mo13金属ガラスのガスアトマイズ粉末(25〜53μm)を、基材として厚み11μmのアルミ箔(50×50mm:ブラスト処理せず)を用い、試験例6と同様に高速プラズマ溶射して複合材料を得た。
この場合にも、試験例1−3と同様に、金属ガラス溶射被膜層が形成され、基材の破壊は全く認められなかった。また、X線回折から、得られた複合材料の金属ガラス溶射被膜層がアモルファス単一相であることを確認した。
また、得られた複合材料について、温度を480℃とした以外は、試験例2と同様にして平滑面を有する金型により基材の両側からプレスした。結果を図6に示す。
図6からわかるように、基材の破壊がなく、気孔率が1%以下と緻密でピンホールのない溶射被膜が強固に形成された複合材料が得られた。また、溶射被膜層の表面粗さRaについて比較したところ、加圧(均質化)処理前のRaは8.15μmであったのに対し、加圧処理後のRaは、0.23〜2.24μmであることから、表面平滑性も著しく向上していることがわかる。
試験例8
比較のために、溶射材料としてサーメット:WC/12%Co粉末(15〜45μm、ユテク社製)を、基材として厚み11μmのアルミ箔(50×50mm:ブラスト処理せず)を用い、試験例1の高速プラズマ溶射装置(高速モード)を用い、下記条件で溶射を行って複合材料を得た。結果を図7に示す。
金属ガラスを溶射した図4と比べて、本試験例の複合材料では基材が破壊(破断、分断)され、溶射被膜の積層状態が非常に劣悪で、気孔やピンホールが著しく、複合材料全体としても著しく変形していた。また、WC/12%Coは過冷却液体温度領域を持たないため、金属ガラスを用いた本発明の複合材料のように、加熱下でのプレスによる複合材料の変形や溶射被膜品質の矯正・改善はできなかった。
溶射条件は次の通りであった。
電流:400A
電力:43Kw
使用プラズマガス:Ar80(NLM)、He5(NLM)
溶射距離(溶射ガン先端から基材表面までの距離):130mm
溶射ガン移動速度:670mm/sec
試験例9
溶射材料としてCu55Zr40Al金属ガラスのガスアトマイズ粉末(25〜53μm、ガラス遷移温度Tg:440℃(713K)、結晶化開始温度Tx:515℃(788K))を、基材としてステンレス板(50×100×0.3mm、ブラスト処理仕上げ)を用い、基材温度125℃で高速プラズマ溶射装置により溶射を行って基材片面に約160μmの金属ガラス溶射被膜層を形成し、金属ガラス複合材料を得た。溶射条件は試験例1と同様であった。得られた複合材料は、基材の破壊・変形がなく、気孔率2%以下のアモルファス相からなる溶射被膜が基材に強固に密着したものであった。
試験例10
溶射材料としてNi65Cr1516金属ガラスのガスアトマイズ粉末(25〜53μm)を、基材として厚み11μmのアルミ箔(50×100mm:ブラスト処理せず)を用い、試験例1−4と同様に基材両面に溶射して金属ガラス溶射被膜層(約60μm)を形成し、複合材料を得た。この複合材料を曲げ半径32.5mmのロールを使用して固定し、90°に曲げて元に戻し、次に反対側に曲げて元に戻すことを繰り返す試験においても、剥離は認められない密着性を有するものであった。

Claims (15)

  1. 厚みが5〜300μmの金属基材の表面に、基材が破壊されることなく、貫通孔(ピンホール)のない金属ガラス溶射被膜層が形成された金属ガラス複合材料の製造方法であって、
    溶射によって、金属ガラス粉体の少なくとも一部が過冷却液体状態にまで加熱されて300m/s以上の粒子速度で前記基材表面に凝固及び積層して溶射被膜層を形成する溶射工程を備え、
    前記金属ガラスの過冷却液体温度領域△Txが30℃以上でガラス遷移温度Tgが500℃以下であることを特徴とする金属ガラス複合材料の製造方法。
  2. 請求項1記載の方法において、溶射が粒子速度300m/s以上のプラズマ溶射であることを特徴とする金属ガラス複合材料の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の方法において、アモルファス相の金属ガラス粉末を用いることを特徴とする金属ガラス複合材料の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の方法において、基材温度が250℃以下であることを特徴とする金属ガラス複合材料の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の方法において、さらに金属ガラス溶射被膜層を過冷却液体状態で加圧処理することを特徴とする金属ガラス複合材料の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の方法において、金属ガラスが複数の元素から構成され、構成元素として少なくともFe、Co、Ni、Ti、Zr、Mg、Cu、Pdの何れか一つの元素を含むことを特徴とする金属ガラス複合材料の製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の方法において、金属基材の融点が金属ガラスのガラス遷移温度以上であることを特徴とする金属ガラス複合材料の製造方法。
  8. 厚みが5〜300μmの金属基材の表面に、基材が破壊されることなく、貫通孔(ピンホール)のない金属ガラス溶射被膜層が形成され、金属ガラスが過冷却液体温度領域△Txが30℃以上でガラス遷移温度Tgが500℃以下であることを特徴とする金属ガラス複合材料。
  9. 請求項8記載の複合材料において、金属ガラス溶射被膜層がアモルファス相であることを特徴とする金属ガラス複合材料。
  10. 請求項8又は9記載の複合材料において、金属ガラス溶射被膜層の気孔率が2%以下であることを特徴とする金属ガラス複合材料。
  11. 請求項8〜10の何れかに記載の複合材料において、金属ガラスが複数の元素から構成され、構成元素として少なくともFe、Co、Ni、Ti、Zr、Mg、Cu、Pdの何れか一つの元素を含むことを特徴とする金属ガラス複合材料。
  12. 請求項8〜11の何れかに記載の複合材料において、金属基材の融点が金属ガラスのガラス遷移温度以上であることを特徴とする金属ガラス複合材料。
  13. 請求項8〜12の何れかに記載の複合材料において、金属ガラス溶射被膜層の厚みが20μm〜700μmであることを特徴とする金属ガラス複合材料。
  14. 請求項8〜13の何れかに記載の複合材料において、金属ガラス溶射被膜層の表面粗さRaが3μm以下であることを特徴とする金属ガラス複合材料。
  15. 請求項8〜14の何れかに記載の複合材料を用いたことを特徴とする電気接点。
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