JP3898082B2 - 複合金属の製造方法及び複合金属部材 - Google Patents

複合金属の製造方法及び複合金属部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エネルギー機械分野、航空宇宙、輸送用機械分野、素材製造加工機械分野、その他の一般機械分野等において、特に機械的特性、熱的特性、耐環境性を向上させるため、母材質の基材表面に金属皮膜又は金属化合物皮膜を形成させる複合金属の製造方法及び複合金属部材、さらには、この複合金属部材が組み込まれた製品に関する。
【0002】
詳しくは、本発明は、鉄基、ニッケル基あるいはコバルト基の超耐熱超合金からなる火力機器のタービン翼のような基材に高温燃焼ガス等による腐食、酸化等に対する抵抗を増加させるための耐食耐酸化性の表面保護皮膜の形成に用いられる複合金属の製造方法、さらにコンパクトで迅速な負荷追従性が要求される燃料電池発電装置に使用される燃料改質器のような基材に触媒コーティングのような金属皮膜を形成するのに用いられる複合金属の製造方法ならびにかかる製造方法により形成された火力機器のタービン翼又は燃料電池発電装置の燃料改質器のような複合金属部材に関する。
【0003】
【従来の技術】
電気機器をはじめとして、エネルギー・重工業分野では使用環境の過酷化から防食、耐酸化、耐摩耗を目的としたコーティング技術が幅広く適用されている。従来から、基材に、金属皮膜又は金属化合物皮膜を形成する方法としては、アルミナイジング処理などの化学気相蒸着法(CVD)、イオンプレーティングなどの物理気相蒸着法(PVD)、電解あるいは無電解めっき法、各種溶射法などのプロセスがよく知られている。これら公知の各種コーティングプロセスで形成された金属皮膜は、それぞれプロセス特有の利点、欠点がある。例えば、CVD法、PVD法では緻密で密着性に優れた金属皮膜が得られる反面、成膜速度が遅く、排ガスが発生するためその処理を要するという問題があり、めっき法では基材の熱劣化を伴わずに金属皮膜を形成できる反面、廃液が発生するためその処理が必要になるという問題があり、溶射法では成膜速度が速いが多孔質の金属皮膜しか得られないという問題があった。
【0004】
特に、ガスタービンやジェットエンジンのタービン動翼や静翼などの高温部材は高温で燃焼ガスに直接さらされるため、その材料には鉄基、ニッケル基あるいはコバルト基の超耐熱合金が使用され、その表面には燃焼ガス中に含まれる化合物による腐食に対する耐性のあるクロムやアルミニウムの保護皮膜を形成することが行われているが、従来の方法では、いずれも金属皮膜による保護効果、生産コスト、生産性等の点でなお十分なものではなかった。
【0005】
すなわち、従来高温部材に対する金属皮膜の形成は、ハロゲン化物を高温で反応拡散させて行う拡散めっき法、電解あるいは化学めっきによる方法、合金粉末などを溶射肉盛する方法などにより行われているが、拡散めっき法、電解あるいは化学めっきによる方法では、いずれも形成される保護皮膜が均質緻密でなく空孔が生じやすく、保護効果が十分でないという問題があり、溶射肉盛する方法では、特別に用意された設備が必要で、作業時間も長く(通常3〜7日間)、このため生産コストが高くなる上に、生産性も低いという問題があった。
【0006】
このように各種機器の使用環境の過酷化が進む現状において、基材に金属皮膜を形成する技術は不可欠となっているが、膜質、皮膜の密着性、成膜速度、プロセスの簡便性、環境低負荷などの要求特性を全て満足するプロセスは、いまだ確立されておらず、その開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したとおり、従来公知の基材に、金属皮膜又は金属化合物皮膜を形成する方法は、CVD法やPVD法では緻密で密着性に優れた金属皮膜が得られる反面、成膜速度が遅く排ガスが発生するためその処理を要するという問題があり、めっき法では基材の熱劣化を伴わずに金属皮膜を形成できる反面、廃液が発生するためその処理が必要になるという問題があり、溶射法では成膜速度が速いが多孔質の金属皮膜しか得られないという問題があった。
【0008】
また、高温部材に対する金属皮膜の形成方法としてこれらの方法を見た場合、拡散めっき法、電解あるいは化学めっきによる方法では、いずれも形成される保護皮膜が均質緻密でなく空孔が生じやすく保護効果が十分でないという問題があり、溶射肉盛する方法では、特別に用意された設備が必要で、作業時間も長く、このため生産コストが高くなる上に生産性も低いという問題があった。
【0009】
本発明は、かかる従来の問題を解決すべくなされたもので、膜質、皮膜の密着性に優れた複合金属を、成膜速度、プロセスの簡便性、環境低負荷などの要求特性を全て満足するプロセスによって提供することを目的とする.
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の複合金属の製造方法は、シリコン、チタン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、白金及びこれらの合金からなる第1の群から選択される1種の金属、またはタングステン、モリブデン、ニオブ、クロム、ジルコニウム、バナジウム及びこれらの合金からなる第3の群から選択される1種の金属、のいずれかの金属からなる基材表面に、その融点がいずれも1000K以上である、シリコン、チタン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、白金及びこれらの合金からなる第1の群から選択される1種の金属、または銅、銀、金及びこれらの合金からなる第2の群から選択される1種の金属、のいずれかの金属である非溶融状態の金属粉末を、空気、窒素、アルゴン、酸素、ヘリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む搬送ガスで噴射して、前記基材表面の一部又は全部に前記金属粉末の塑性変形による金属皮膜又は前記金属粉末と雰囲気ガスとの反応による金属化合物皮膜を形成することを特徴とする複合金属の製造方法であって、前記基材が第1の群から選択された金属材料で構成される場合には、前記非溶融状態の金属粉末は第2の群から選択された金属材料で構成され、前記基材が第3の群から選択された金属材料で構成される場合には、前記非溶融状態の金属粉末は第1の群から選択された金属材料または第2の群から選択された金属材料のいずれかであることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の複合金属部材は、基材表面の一部又は全部に、金属皮膜又は金属化合物皮膜を有する複合金属部材であって、この金属皮膜又はこの金属化合物皮膜の気孔率が10%以下で、圧縮の残留応力を有するとともに、前記金属皮膜又は前記金属化合物皮膜の前記基材との密着力が10MPa以上、平均表面粗さが30μmRa以下、および酸化物量が10重量%以下であることを特徴としている。
【0012】
本発明においては、基材に非溶融状態の金属粉末を高速に噴射すると、初期に基材表面にエロージョンを生じるが、その後基材表面に緻密な金属皮膜が形成される。この金属皮膜は、エロージョンにより基材の新生面が得られたところに、衝突による衝撃エネルギーにより、金属粉末が塑性変形及び一部が溶融して形成されるもので高い密着力を有している。また、この方法では、コーティングする金属粉末が非溶融状態で高速に噴射されるので、酸化等熱劣化の影響が小さく、気孔率の小さい高品位な金属皮膜を形成する。
【0013】
一般的に、本発明においては、基材の金属と金属粉末とは、次の関係を1つ又は2つ以上有することが望ましい。
(1)金属粉末は、基材よりも低い融点を有する。
(2)金属粉末は、基材の硬度よりも低い硬度を有する。
(3)金属粉末は、基材のヤング率よりも低いヤング率を有する。
【0014】
上記の条件を1つ以上満足する基材及び金属粉末を選定した場合には、一層高品位な膜質で、密着力の高い皮膜を提供することが可能となる。
【0015】
本発明における基材と金属粉末の好ましい組み合わせとしては、次のような組み合わせが挙げられる。
(A)
(基材)[グループ1]/(金属粉末)[グループ2]
(B)
(基材)[グループ3]/(金属粉末)[グループ2]
(C)
(基材)[グループ3]/(金属粉末)[グループ1]
ただし、
[グループ1]:シリコン、チタン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、白金及びこれらの合金からなる群より選ばれた1種以上の金属。
[グループ2]:銅、銀、金及びこれらの合金からなる群から選ばれた1種以上の金属。
[グループ3]:タングステン、モリブデン、ニオブ、クロム、ジルコニウム、バナジウム及びこれらの合金からなる群より選ばれた1種以上の金属。
【0016】
上記の(A)〜(C)の組合せの中から基材と金属粉末を選定することによって、より高品質な膜質で、密着力の高い皮膜が提供される。
ちなみに、
(D)[グループ2]から選ばれた基材に[グループ1]より選ばれた粉末を高速に噴射して、金属皮膜又は金属化合物皮膜を形成させた複合金属部材((基材)[グループ2]/(金属粉末)[グループ1])
(E)[グループ2]から選ばれた基材に、[グループ3]より選ばれた粉末を高速に噴射して、金属皮膜又は金属化合物皮膜を形成させた複合金属部材((基材)[グループ2]/(金属粉末)[グループ3])
(F)[グループ1]より選ばれた基材に、[グループ3]より選ばれた粉末を高速に噴射して、金属皮膜又は金属化合物皮膜を形成させた複合金属部材((基材)[グループ1]/(金属粉末)[グループ3])
については、上述した従来の方法よりは幾つかの面で優れた特長を有するものの(A)〜(C)の組み合わせを採用した場合と比較して基材のエロージョン量が多く、安定した膜厚及び膜質の皮膜が得られにくく、基材と形成した皮膜の密着力も安定しないものとなる。なお、本発明においては、金属以外の基材、例えばセラミックスに対しても金属皮膜や化合物皮膜を形成することが可能である。
【0017】
本発明により得られる金属皮膜の特性は、金属粉末の噴射速度、金属粉末の粒径等のコーティング条件によっても大きく影響される。
【0018】
すなわち、材料の組合せや形成する膜厚によっても異なるが、噴射速度としては、常温常圧で、60〜600m/sの速度が適当であり、金属粉末の平均粒径は、0.5〜500μmの範囲が適している。
【0019】
噴射速度が60m/s未満では、粉末が基板材料に衝突したときのエネルギーが小さく、皮膜が形成されない領域が生じ、600m/sを超える速度で皮膜を形成した場合、基板材料のエロージョン摩耗が大きくなり、安定した膜厚の皮膜がえられにくく、皮膜中の残留応力が高くなって皮膜の剥離が起こりやすくなる。また、金属粉末の平均粒径が0.5μm未満では、噴射されたときの衝突エネルギーが小さく、皮膜が形成されない領域が生じ、500μmを超えると基板材料のエロージョン摩耗が大きくなり、安定した膜厚の皮膜がえられにくく、皮膜中の残留応力が高くなり、皮膜の剥離が起こりやすくなる。
【0020】
本発明における金属粉末の最適噴射速度は、金属粉末の種類によっても影響を受ける。
【0021】
銅(融点1084.5℃)、金(融点1064.4℃)、銀(融点961.9℃)のような延性金属、チタン(融点1675℃)のような活性金属などからなる金属粉末の場合には、60m/s以上、600m/s以下、シリコン(融点1414℃)、ニッケル(融点1455℃)、鉄(融点1535℃)、コバルト(融点1494℃)、パラジウム(融点1554℃)、白金(融点1772℃)のような融点が1000K以上、2000K未満の金属からなる金属粉末の場合には180m/s以上、600m/s以下、タングステン(融点3387℃)、モリブデン(2610℃)、ニオブ(1950℃)、クロム(1890℃)、ジルコニウム(1852℃)、バナジウム(1890℃)のような融点が2000K以上の金属からなる金属粉末の場合には、360m/s以上、600m/s以下の範囲とすることが望ましい。
【0022】
金属粉末を搬送する搬送ガスとしては、空気、窒素、アルゴン、酸素、ヘリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む搬送ガスが用いられる。搬送ガスは、金属粉末の特性や、皮膜に要求される純度、材料組成を考慮して選択される。本発明においては、搬送ガスとして窒素ガスを用いることにより金属窒化物の皮膜を、搬送ガスとして酸素ガスを用いることにより金属酸化物の皮膜を形成することができる。この場合、基材、好ましくは基材と搬送ガスを含む雰囲気ガスの温度を100℃以上に加熱しておくことにより、これらの化合物皮膜の形成や成膜速度を促進することができる。基材や雰囲気ガスの温度を400℃以上にしてもその効果はほとんど変わらず、かえって操作が難しくなるので、加熱温度は400℃以下とすることが望ましい。基材や搬送ガスの加熱温度は、成膜する膜質、成膜速度、膜厚等に応じて適宜設定され必要に応じて制御される。
【0023】
このようにして得られる金属皮膜や化合物(窒化物、酸化物)皮膜は、溶射により形成された金属皮膜と比べて顕著な特徴を備えている。
【0024】
一般に、溶射による金属皮膜では気孔率を30%以下にすることは非常に難しいが、本発明によれば、緻密で表面平滑性に非常に優れた金属皮膜や化合物皮膜を形成することができる。すなわち、本発明によれば、金属皮膜の形成条件を選択することにより、5000倍のSEMで観察しても気孔の存在が認められず、水銀圧入法で測定しても1%以下の気孔率の緻密な皮膜を形成することが可能である。また、本発明により形成された金属皮膜や化合物皮膜は均質であり反応相や粒界は認められない。このような緻密で均質な皮膜の平均表面粗さは30μmRa以下である。また、雰囲気ガスを選択することにより酸化物の存在量を10重量%以下、実質的にゼロとすることもできる。なお、本発明においては、必要に応じて、皮膜の形成条件を選択することにより10%までの気孔率の皮膜を形成したり、後述するように、酸化物や窒化物を形成させることも可能である。
【0025】
さらに、溶射による金属皮膜では、冷却時に皮膜に大きい引っ張りの残留応力が存在し、この引っ張りの残留応力は皮膜の密着力を低くする方に作用するが、本発明により形成される金属皮膜や化合物皮膜では、熱による影響を実質的に受けないのでこのような引っ張りの残留応力は形成されない。本発明により形成されたままの金属皮膜や化合物皮膜には、X線回折・応力測定装置で測定すると圧縮の残留応力が認められ、このため基材に対して10MPa以上の高い密着力を有している。この圧縮の残留応力は、必要に応じて熱処理により緩和することができる。
【0026】
本発明は、従来、溶射が適用されていた火力機器のタービン翼又は燃料電池発電装置の燃料改質器等への皮膜形成は勿論、従来、CVD法、PVD法あるいはめっき法が適用されていた薄膜の形成にも適用することができる。
【0027】
以上説明したとおり、本発明の複合金属の製造方法は、常温での衝撃による皮膜形成という画期的な原理を用いたものであって、本発明によれば、大気中において常温常圧で基材表面に金属粉末を高速に噴射させて金属皮膜を形成することも可能であり、大気中で皮膜を形成させた場合でも酸化の影響が少なく、緻密で、密着性に優れた金属皮膜、化合物皮膜を得ることができる。また、窒素雰囲気や酸素含有雰囲気中で窒化膜や酸化膜を形成させることも可能であり、その応用範囲は極めて広い。さらに、本発明の方法は極めて簡便かつ低コストであり、排ガス、排水を生成しないので、環境に優しいプロセスということができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明による実施形態について、以下の実施例及び比較例を参照して、より具体的に説明する。
【0029】
以下に、本発明の前提となる技術の実施の形態を、表1を参照して説明する。
φ50mmのステンレス鋼板の表面に、平均粒径50μmのアルミニウム粉末を、室温大気中、200m/sの噴射速度で吹き付けるショットコーティング法を用いて、アルミニウム皮膜を約50μmの膜厚でコーティングした(参考例1)。これとは別に、実施例1と同じφ50mmのステンレス鋼の表面に、平均粒径50μmのアルミニウム粉末を用いて、大気溶射法(比較例1)、アルミナイジング法(比較例2)、電気めっき法(比較例3)により、ほぼ同じ膜厚のアルミニウム皮膜を形成した。
【0030】
参考例1及び比較例1〜3について、得られたコーティング皮膜の気孔率、残留応力、皮膜中に含まれる酸化物量、基板材料と皮膜材料の密着強度、皮膜の成膜速度、プロセスの簡便性、コスト、耐環境性(環境低負荷)の評価を行った結果を、表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003898082
【0032】
なお、表中の各特性は、それぞれ次のようにして測定したものである(以下、同じ。)。
気孔率:水銀圧入法を用いて測定した。
残留応力:X線回折・応力測定装置(特性X線:Cr(Kα線)、管電圧30kV、管電流300mA)を用いて測定した。
密着強度:コーティング皮膜に治具を取り付けて引張試験を行った。
【0033】
表1の結果から、参考例1は、比較例1〜3と比べて、得られた皮膜の膜質、基板と皮膜の密着性、成膜速度、プロセスの簡便性、コスト、耐環境性の観点から、すぐれた特性を示すことがわかる。これに対して、比較例1(大気溶射法)は、成膜速度が速く、厚膜のものまで形成可能であるが、皮膜中の気孔率が高く、さらに含まれる酸化物の含有量も高く、コーティング効率が低く、コスト高である。また比較例2(アルミナイジング法)、比較例3(電気めっき法)では、安定した皮膜が得られるが、特別に用意された設備が必要で、特に環境負荷の面で問題がある。
【0034】
第1の実施の形態]
以下に本発明における第1の実施の形態について説明する。
φ50mmの炭素鋼板の表面に、粒径100μmの銅粉末を、室温大気中、300m/sの噴射速度で吹き付けるショットコーティング法を用いて、銅皮膜を約50μmの膜厚でコーティングした(実施例1)。同様に、φ50mmのタングステン合金板に粒径200μmのチタン粉末を、室温大気中、200m/sの噴射速度で吹き付けるショットコーティング法を用いて、チタン皮膜を約50μmの膜厚でコーティングした(実施例2)。同様に、φ50mmのモリブデン合金板に粒径1μmの銀粉末を、室温大気中、300m/sの噴射速度で吹き付けるショットコーティング法を用いて、銀皮膜を約50μmの膜厚でコーティングした(実施例3)。
【0035】
同様に、φ50mmの黄銅板に粒径100μmのコバルト粉末を、室温大気中、300m/sの噴射速度で吹き付けるショットコーティング法を用いて、コバルト皮膜を約50μmの膜厚でコーティングした(参考例2)。同様に、φ50mmのマグネシウム合金板に粒径50μmのクロム粉末を、室温大気中、400m/sの噴射速度で吹き付けるショットコーティング法を用いて、クロム皮膜を約50μmの膜厚でコーティングした(参考例3)。同様に、φ50mmの工具鋼板に粒径1μmのタングステン粉末を、室温大気中、500m/sの噴射速度で吹き付けるショットコーティング法を用いて、タングステン皮膜を約50μmの膜厚でコーティングした(参考例4)。
【0036】
表2に、各実施例のコーティング皮膜の気孔率、皮膜中に含まれる金属酸化物含有量、基板材料と皮膜材料の密着強度、皮膜表面の表面粗さを示す。
【0037】
【表2】
Figure 0003898082
【0038】
なお、表面粗さ、金属酸化物の重量割合は、それぞれ次のようにして測定したものである(以下、同じ。)。
表面粗さ:平均表面粗さ(Ra)を測定した。
金属酸化物の重量割合:酸素量を燃焼法により求めて金属酸化物としての重量割合を算出した。
【0039】
表2の結果から、金属基板材料より融点、硬度、ヤング率のいずれか1条件以上低い金属の粉末を高速に噴射した実施例においては、皮膜中の気孔率が低く、密着強度もバラツキなく安定して高い強度を示し、表面粗さも小さく、酸化物含有量も大幅に少ない皮膜が得られることがわかる。
【0040】
第2の実施の形態]
本発明における第2の実施の形態について説明する。
この実施の形態では、本発明における皮膜の形成条件、すなわち、
(1)金属粉末の粒径
(2)金属粉末の噴射速度
(3)基板材料の温度
を変えて複数種類の金属皮膜を作製し、これらの形成条件が得られる金属皮膜に及ぼす影響、特に得られる皮膜の膜厚及びバラツキに及ぼす影響を調べた。
【0041】
以下に、各条件に関して具体的に設定した複数種類の形成条件と、その複数種類の形成条件によって形成された金属皮膜を持つ複数種類の試験体の評価結果について、個別に説明する。
【0042】
(1) コーティング皮膜材料の粉末粒径
コーティング皮膜材料の粉末粒径を変えて、第1及び第2の実施の形態と同じ条件で金属皮膜を形成した場合の膜厚及び成膜状態を示したものである。ここで用いた粉末の粒径は、粉末をレーザー回折法により求めた50%粒径とした。φ50mmのステンレス鋼板に粒径10μmと300μmのアルミニウム粉末を、室温大気中、200m/sの噴射速度で、一定時間吹き付けて、アルミニウム皮膜をショットコーティングした(参考例5、6)。
【0043】
同様に、φ30mmのステンレス鋼板に平均粒径0.1μmと1mmのアルミニウム粉末を、室温大気中、200m/sの噴射速度で、一定時間吹き付けて、アルミニウム皮膜を形成した(参考例7、8)。図1は、粉末粒径(μm)と、膜厚(μm)との関係を示すグラフであり、具体的には基板材料に高速に噴射する金属皮膜形成材料の粉末粒径と、粉末粒径を変えたコーティング皮膜の膜厚の測定結果(表3)をグラフで示したものである。
【0044】
【表3】
Figure 0003898082
【0045】
図1から明らかなように、10μm(参考例5)及び300μm(参考例6)の粒径の金属粉末を高速に噴射すると、バラツキの小さい膜厚の皮膜が容易に形成される。これに対して、0.1μm(参考例7)の粒径の粉末では、高速に噴射されたときの衝突エネルギーが小さく、皮膜が形成されない領域が生じる。
また、1mm(参考例8)の粒径の粉末では、基板材料のエロージョン摩耗が大きくなり、安定した膜厚の皮膜がえられにくいことがわかる。
【0046】
図1には、ステンレス鋼板にアルミニウム粉末を高速に噴射したときの結果を示したが、その他の組合せを用いた場合も同様な結果が見られた。
【0047】
以上のように、基板材料に金属粉末を高速で吹き付ける皮膜形成方法において、金属粉末の粒径が0.5μm〜500μmの場合、高品位な膜質で、密着力の優れた皮膜が簡便に低コストで提供することができる。
【0048】
(2) 金属粉末の速度
図2は、金属粉末の噴射速度と、金属皮膜の膜厚との関係を示すグラフであり、具体的には金属粉末の噴射速度を変えて作製した金属皮膜の膜厚の測定結果(表4)をグラフで示したものである。
【0049】
【表4】
Figure 0003898082
【0050】
φ50mmの炭素鋼板に粒径100μmの銅粉末を、室温大気中、200m/s(実施例4)と450m/s(実施例5)の噴射速度で、一定時間吹き付けて、銅皮膜を形成させた。同様に、φ50mmの炭素鋼板に粒径100μmの銅粉末を、室温大気中、30m/s(参考例9)と750m/s(参考例10)の噴射速度で、一定時間吹き付けるショットコーティングを用いて、銅皮膜をコーティングした。
【0051】
図2中において、実施例4乃至5の金属皮膜の厚さとバラツキをそれぞれ示す。図2に示す結果から明らかなように、金属粉末の噴射速度が200m/s(実施例4)及び450m/s(実施例5)の両方とも、安定した膜質の皮膜形成される。これに対し、750m/sで皮膜を形成した場合には、基板材料の表面がエロージョン摩耗を起こし、所定膜厚の皮膜が得られにくく、また、皮膜中の残留応力が高くなり、剥離が起こりやすくなり、30m/sで皮膜を形成した場合には、速度が遅すぎるため、粉末が基板材料に衝突したときのエネルギーが小さく、皮膜が形成されていない領域が生じ、その部分では膜厚が不均一となっている。
【0052】
以上のように、基板材料に金属粉末を高速で吹き付ける皮膜形成方法において、金属粉末の噴射速度が60〜600m/sで皮膜を形成した場合、所定の膜厚の皮膜が得られやすく、また、皮膜中の残留応力が低いため、密着性の高い皮膜が得られる。
【0053】
(3) 基板材料の予熱条件
図3は、基板材料の予熱の有無と、皮膜の膜厚との関係を示すグラフであり、具体的には基板材料温度を変えて作製した皮膜の膜厚の測定結果(表5)をグラフで示したものである。
【0054】
【表5】
Figure 0003898082
【0055】
φ50mmのタングステン合金を室温のまま(実施例6)と200℃に加熱したもの(実施例7)を準備して、粒径20μmのチタン粉末を、大気中、300m/sの噴射速度で一定時間吹き付けるショットコーティング法を用いて、チタン皮膜をコーティングした。同様に、φ50mmのタングステン合金板を500℃に加熱したもの(参考例11)を準備して、粒径20μmのチタン粉末を、大気中、300m/sの噴射速度で一定時間吹き付けるショットコーティング法を用いて、チタン皮膜を形成した。
【0056】
図3に示す結果から明らかなように、基板材料を加熱したものの方が、厚膜が短時間で形成され、皮膜中の残留応力が低いため、密着性の高い皮膜が得られることがわかる。また、500℃に加熱しても、効果は200℃の場合とほとんど同じであることがわかる。このような高温では、材料によっては酸化や熱変質が見られる場合もある。
【0057】
以上のように、板材料に金属粉末を高速で吹き付ける皮膜形成方法において、、基板材料を予熱した状態で金属粉末を吹き付けると、さらに優れた皮膜が短時間で、効率よく提供することができる。
【0058】
第3の実施の形態]
本発明における第3の実施の形態について説明する。
この実施の形態は、金属基材に、金属粉末を高速に噴射するとき、搬送ガスを含む雰囲気ガスと、基材の温度を制御することによって、金属化合物皮膜を形成させたものであり、具体的には、
(1)金属酸化物の皮膜を形成させたもの
(2)金属窒化物の皮膜を形成させたもの
について、複数の形成条件によって複数種類の皮膜を作製した例である。
【0059】
そして、これらの各条件対象毎に、複数種類の得られた皮膜の構造をX線回折により評価した。以下に、各条件に関して具体的に設定した複数種類の形成条件と、その複数種類の形成条件によって形成された皮膜を持つ複数種類の試験体の評価結果について、個別に説明する。
【0060】
(1) 金属酸化物皮膜
参考例1と同様にして、φ50mmのステンレス鋼板を600℃に加熱して、粒径50μmのアルミニウム粉末を、搬送ガスに空気又は酸素ガスを用いて、200m/sの噴射速度で吹き付けて皮膜を形成した(参考例12)。
【0061】
参考例1では、形成された皮膜は金属アルミニウムであるのに対し、600℃に加熱したステンレス鋼に、空気又は酸素ガスを含む搬送ガスを用いて、又は空気又は酸素ガスを含む雰囲気中で高速に噴射した参考例12では、金属酸化物であるアルミナ皮膜が形成された。
【0062】
(2) 金属窒化物皮膜
実施例2と同様にして、φ50mmのタングステン合金板を600℃に加熱して、粒径200μmのチタン粉末を、窒素ガスを含む搬送ガス、又は窒素ガスを含む雰囲気中で、300m/sの噴射速度で吹き付けて皮膜を形成した(実施例8)。
【0063】
実施例2では、形成された皮膜は金属チタンであるのに対し、600℃に加熱したタングステン合金に、窒素ガスを含む搬送ガスを用いて、又は窒素ガスを含む雰囲気中で高速噴射した実施例8では、金属酸化物である窒化チタン皮膜が形成された。
【0064】
すなわち、金属基材に、金属粉末を高速噴射するとき、搬送ガスを含む雰囲気ガスと、基板材料の温度を制御することによって、金属化合物皮膜が形成できる。
【0065】
【発明の効果】
以上の実施例からも明らかなように、本発明によれば、低コストで高品位な膜質で密着力の高い皮膜を形成した複合金属製品を成膜速度、プロセスの簡便性、環境低負荷などの要求特性をバランスよく満足するプロセスによって提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる皮膜の成膜速度と皮膜の膜厚の関係を示す図である。
【図2】 本発明に係わる複合金属の形成方法における皮膜材料の粉末粒径と皮膜の膜厚の関係を示す図である。
【図3】 本発明に係わる複合金属の形成方法における基板材料の予熱と皮膜の膜厚の関係を示す図である。

Claims (6)

  1. シリコン、チタン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、白金及びこれらの合金からなる第1の群から選択される1種の金属、またはタングステン、モリブデン、ニオブ、クロム、ジルコニウム、バナジウム及びこれらの合金からなる第3の群から選択される1種の金属、のいずれかの金属からなる基材表面に、
    その融点がいずれも1000K以上である、シリコン、チタン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、白金及びこれらの合金からなる第1の群から選択される1種の金属、または銅、銀、金及びこれらの合金からなる第2の群から選択される1種の金属、のいずれかの金属である非溶融状態の金属粉末を、
    空気、窒素、アルゴン、酸素、ヘリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む搬送ガスで噴射して、前記基材表面の一部又は全部に前記金属粉末の塑性変形による金属皮膜又は前記金属粉末と雰囲気ガスとの反応による金属化合物皮膜を形成することを特徴とする複合金属の製造方法であって、
    前記基材が第1の群から選択された金属材料で構成される場合には、前記非溶融状態の金属粉末は第2の群から選択された金属材料で構成され、前記基材が第3の群から選択された金属材料で構成される場合には、前記非溶融状態の金属粉末は第1の群から選択された金属材料または第2の群から選択された金属材料のいずれかであることを特徴とする複合金属の製造方法。
  2. 前記非溶融状態の金属粉末の平均粒径は0.5〜500μmであって、この金属粉末を常温常圧で、かつ60〜600m/sの速度で噴射して、前記基材表面の一部又は全部に金属皮膜又は金属化合物皮膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の複合金属の製造方法。
  3. 前記基材表面に、非溶融状態の前記金属粉末を噴射する際に、前記搬送ガスを含む雰囲気ガス及び基材の温度を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の複合金属の製造方法。
  4. 100℃以上に加熱した前記基材表面に、酸素ガスを含む搬送ガスを用いて及び/又は酸素ガスを含む雰囲気中で、前記非溶融状態の金属粉末を噴射することを特徴とする請求項3記載の複合金属の製造方法。
  5. 100℃以上に加熱した基材表面に、窒素ガスを含む搬送ガスを用いて及び/又は窒素ガスを含む雰囲気中で、非溶融状態の金属粉末を噴射することを特徴とする請求項3記載の複合金属の製造方法。
  6. 基材表面の一部又は全部に、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の複合金属の製造方法で形成された金属皮膜又は金属化合物皮膜を有する複合金属部材であって、
    この金属皮膜又はこの金属化合物皮膜の気孔率が10%以下で、圧縮の残留応力を有するとともに、前記金属皮膜又は前記金属化合物皮膜の前記基材との密着力が10MPa以上、平均表面粗さが30μmRa以下、および酸化物量が10重量%以下であることを特徴とする複合金属部材。
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