JP4644653B2 - 金属ガラス積層体 - Google Patents
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Description
金属をアモルファス化することがこれらの機能発現に有利であることは従来より知られている。しかし、従来のアモルファス金属(アモルファス合金)のアモルファス状態は不安定で、結晶化しやすい。
金属ガラスは、その組織構造から金属に比べ熱膨張係数は低く、柔軟性に富み、界面形成能にも優れている。こうした金属ガラスの特徴を生かし、金属ガラスは金属間の接合に利用されている。
特許文献2には、前記特許文献1の問題を解決するための金属ガラスの加熱、加圧、冷却工程を細かく規定した接合方法が開示されている。しかし、この方法も金属バルク間の接合であり、多彩な用途に対して十分に対応できるものではない。
また、特に基材に対してアモルファス層を形成する場合には、結晶化防止は大きな課題である。
また、金属ガラスはアモルファス相のバルク材を得ることができるとされるが、バルク材のサイズが大きくなると冷却に時間を要し、冷却速度が遅くなるため、結晶化させずに大きなバルク材料を得ることは難しく、金属ガラスの組成やバルクの製造条件などが非常に制限される。よって、バルクサイズを自由に設定でき、均一なアモルファス相の金属ガラスバルク材が簡便に得られる方法が望まれる。
よって、本発明の目的の一つは、均一なアモルファス相の金属ガラスバルク材ならびにその簡便な製造方法を提供することである。
前記のような金属ガラス層は、アモルファス相の金属ガラス粒子の少なくとも一部が過冷却液体状態で基材表面において凝固及び積層することにより形成することができる。積層方法としては、溶射を使用する。
1960年代に開発されたFe−P−C系の非晶質合金以降、多くのアモルファス合金が製造され、例えば(Fe,Co,Ni)−P−B系、(Fe,Co,Ni)−Si−B系非晶質合金、(Fe,Co,Ni)−M(Zr,Hf,Nb)系非晶質合金、(Fe,Co,Ni)−M(Zr,Hf,Nb)−B系非晶質合金などが知られている。これらは磁性を有しているので、非晶質磁性材料としての応用が期待されてきた。
金属ガラスは、(1)3元系以上の金属からなる合金で、且つ(2)広い過冷却液体温度領域を有する合金と定義されており、耐食性、耐摩耗性等に極めて高い性能を有し、より緩慢な冷却によってアモルファス固体が得られるなどの特徴を有する。最近では、金属ガラスはナノクリスタルの集合体との見方もされており、金属ガラスのアモルファス状態における微細構造は従来のアモルファス金属のアモルファス状態とは異なると考えられている。
すなわち、金属ガラスをDSC(示差走査熱量計)を用いてその熱的挙動を調べると、温度上昇にともない、ガラス転移温度(Tg)を開始点としてブロードな広い吸熱温度領域が現れ、結晶化開始温度(Tx)でシャープな発熱ピークに転ずる。そしてさらに加熱すると、融点(Tm)で吸熱ピークが現れる。金属ガラスの種類によって、各温度は異なる。TgとTxの間の温度領域△Tx=Tx−Tgが過冷却液体温度領域であり、△Txが10〜130℃と非常に大きいことが金属ガラスの一つの特徴である。△Txが大きい程、結晶化に対する過冷却液体状態の安定性が高いことを意味する。従来のアモルファス合金では、このような熱的挙動は認められず、△Txはほぼ0である。
これに対して、従来のアモルファス合金では、過冷却液体状態の安定性が非常に低く、融点以下で凝固せずに過冷却液体状態で存在し得る時間は非常に短い。このため、溶融状態から非常に急速にガラス遷移温度以下にまで冷却しなければ結晶相を生じて凝固してしまう。従来のアモルファス合金において、アモルファス固体は薄帯状、線状、粉状などでしか得られない。
例えば、特開平3−158446号公報には、過冷却液体温度領域の温度幅が広く、加工性に優れるアモルファス合金として、XaMbAlc(X:Zr,Hf、M:Ni,Cu,Fe,Co,Mn、25≦a≦85、5≦b≦70、0≦c≦35)が記載されている。
また、米国特許第5429725号明細書には水の電解用電極に適した金属ガラス材料として、Ni72−Co(8−x)−Mox−Z20(x=0、2、4又は6原子%、Z=メタロイド元素)が記載されている。
メタル−メタロイド系金属ガラス合金は、△Txが35℃以上、組成によっては50℃以上という大きな温度間隔を有していることが知られている。本発明において、さらには△Txが40℃以上の金属ガラスが好ましい。
メタル−メタル系金属ガラス合金の例としては、Fe、Co、Niのうちの1種又は2種以上の元素を主成分とし、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのうちの1種又は2種以上の元素とBを含むものが挙げられる。
本発明の金属ガラス積層体は、基材表面にアモルファス相の金属ガラス層が形成されたものであり、金属ガラス層には層を貫通する連続空孔(ピンホール)がない。このような緻密なアモルファス金属ガラス層により、優れた耐食性、耐磨耗性等の機能が発揮される。金属ガラス層の厚みは1μm以上、好ましくは10μm以上、更に好ましくは100μm以上である。厚み上限は特に制限されず、目的に応じて決定できるが、通常は1mm程度もあれば基材に対する耐食性、耐磨耗性等には十分である。
金属の被膜形成方法としては圧着、めっき、蒸着などがあるが、本発明の金属ガラス積層方法としては、特に溶射が好適である。溶射は、過冷却液体状態での成膜制御性に優れる。
また、前記DSC測定でも見られるように、アモルファス相の金属ガラスは加熱過程においても過冷却液体状態となることができる。
また、スプラットは過冷却液体状態のまま冷却されるので、結晶相を生成せず、アモルファス相のみが得られる。
従って、本発明の方法によれば、均一な金属ガラスのアモルファス固体相からなり、且つ気孔がほとんどない緻密な被膜を溶射により得ることができ、基材の表面改質(耐摩耗性、耐熱性、耐食性など)、クラッド材としての高機能化、傾斜機能材料の作成等に非常に有用である。
よって、本発明においては、金属ガラス粒子の少なくとも一部が過冷却液体状態で基材表面において凝固及び積層することにより、基材表面に金属ガラス層を形成することができる。
金属ガラス層の断面や表面(基材側あるいは非基材側)を電子顕微鏡等で観察した場合、円形〜楕円形に薄くつぶれたスプラットの積層が金属ガラス層中に認められる。これは、金属ガラス粒子が過冷却液体状態で基材表面に衝突したものと考えられる。
また、円形〜楕円形に薄くつぶれたコアを中心部に有し、コアの周囲には別の薄く広がるスプラッシュ様部分を有するスプラットの積層が認められることもある。これは、金属ガラス粒子の表面が溶融状態であり、中心部が過冷却液体状態で基材表面に衝突したものと考えられる。
これに対して、本発明の溶射被膜は極めて緻密であり、従来の溶射における問題点をも解決するものである。
これに対して、特開平8−176783にはメカニカルアロイングにより鉄、ニッケル、コバルトのいずれか少なくとも一種を含むアモルファス粉末原料を調製し、これを溶射することにより成膜する方法が開示されている。大きな改善は期待されるものの、これもまた溶射により基板表面での急冷により、アモルファス層の形成を行っており、緻密膜の形成及び界面における接合は十分とは言えない。
金属ガラス粒子の形状は特に限定されるものではなく、板状、チップ状、粒状、粉体状などが挙げられるが、好ましくは粒状あるいは粉体状である。金属ガラス粒子の調製方法としては、アトマイズ法、ケミカルアロイング法、メカニカルアロイング法などがあるが、生産性を考慮すればアトマイズ法によって調製されたものが特に好ましい。
また、本発明の金属ガラス層の密度は、金属ガラス真密度の80〜100%である。
また、基材は、金属ガラス層との接合性を高めるために、通常はブラスト処理など公知の方法により基材表面の粗面化処理を施して使用する。
本発明においては、高速フレーム溶射が高密度アモルファス相被膜を得る上で特に優れている。
また、過冷却液体温度領域が比較的低温な金属ガラス合金においては、コールドスプレーも利用できる。
燃料としては、灯油、アセチレン、水素、プロパン、プロピレン等を用いることができる。
例えば、基材表面にマスキングをして非マスキング部分にのみ金属ガラス層を形成すれば、基材表面に金属ガラス層をパターン化して形成することができる。
また、基材表面に凹凸形状を形成し、この表面に金属ガラス層を形成することもできる。
このように、溶射条件を調整したりマスキングや加工を施すなどして、様々な形状やパターンを有する金属ガラス積層体を得ることができる。
また、基材表面に予め凹凸パターンを加工しておくことにより、積層体の接合強度やクラッド材としての特性を変化させることも可能である。
基材除去は、溶解や切削など公知の方法により可能であるが、基材と金属ガラス層との密着を予め阻害しておけば、積層体から基材を容易に剥離することができる。例えば、基材表面を鏡面近くまで平滑にしておくと、積層体にわずかな衝撃を加えだけで容易に基材を剥離することができる。また、基材と金属ガラスとの線膨張率の差などを利用して剥離することもできる。また、所定パターンの凹凸形状を基材表面に有する基材を用いて金属ガラスバルク体を製造すれば、凹凸形状が寸法精度よく転写されるので、金型として使用することも可能である。また、金属ガラスバルク体にもプレス等により凹凸形状や鏡面を転写形成することができる。
本発明により得られた金属ガラス積層体や金属ガラスバルク体は、自動車などの摺動部品、電極、電子機器筐体など各種用途に使用可能であり、特殊用途では熱電材料、水素吸蔵材料、水素分離膜等への利用も考えられる。
溶射材料として、耐食性に優れる金属ガラスとして知られているFe43Cr16Mo16C15B10のガスアトマイズ粉末を用いて溶射試験を行った。DSC分析を行ったところ、該金属ガラス粉末のガラス転移温度(Tg)は611.7℃、結晶化開始温度(Tx)は675.2℃であり、△Txは63.5℃であった。また、融点(Tm)は約900℃であった。また、X線回折によりアモルファス相であることを確認した。溶射条件は次の通り。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
基材 SUS304L板
溶射原料 Fe43Cr16Mo16C15B10ガスアトマイズ粉末
△Tx:約63℃
粒度:53μmの篩下のもの(最大粒径53μm)
溶射条件 粉末搬送ガス:N2
燃料:灯油、6.0GPH
酸素:2000SCFH
溶射距離(溶射ガン先端から基材表面までの距離):380mm
溶射ガン移動速度:200mm/sec
基材表面温度:200℃(ホットプレートで加温)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
また、図3に示す断面写真のように、この溶射被膜を貫通する連続空孔は認められず、その気孔率は1.2%であった。なお、気孔率については、溶射被膜の任意の断面(n=10)について2次元画像解析し、得られた気孔の面積率の最大値を気孔率として採用した。
また、この積層体の溶射被膜層について、王水浸漬試験(25℃、2時間)を行ったが、腐食は全く認められず、非常に高い耐食性を示した。
下記のように燃料と酸素の供給量を変えて、試験例1と同様に溶射を行い、積層体を得た(溶射被膜約200μm)。
(表2)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験 燃料 酸素 気孔率 耐食性
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2−1 6.0GPH 2000SCFH 約1% ○
2−2 3.5GPH 1250SCFH 約5% ×
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
過冷却液体温度領域△Txの異なるアモルファス金属ガラス粉末を用いて、試験例1と同様にして溶射を行い、積層体を得た(溶射被膜約200μm)。溶射被膜のアモルファス相形成については、下記の基準により評価した。
(アモルファス相の形成)
○:X線回折で良好なハローパターンが認められる(アモルファス単一相)
△:X線回折でハローパターンと結晶性ピークの両方が認められる(一部結晶相)
×:X線回折でハローパターンが全く認められない(結晶相)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験 金属ガラス △Tx アモルファス相形成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3−1 Fe43Cr16Mo16C15B10 約63℃ ○
3−2 Fe52Co20B20Si4Nb4 約31℃ ○
3−3 Fe78Si10B12 約 0℃ ×
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
結晶相の形成は、耐食性に悪影響を及ぼすので、望ましくない。また、△Txが30℃を下回ると気孔率も高くなる。よって、金属ガラスとしては、△Txが30℃以上のものが好適である。
溶射粒子が基材表面に衝突した際の状態を調べるために、溶射粒子捕集試験を行った。この試験は、基材表面への溶射開始直後に遮断板により基材表面へのガスフレーム及び溶射粒子を遮断して、スプラットが堆積する前の個々のスプラットの形状や、基材表面の様子を調べるものである。
燃料と酸素の供給速度を下記表4のように変えた以外は、前記試験例1と同じ条件で試験を行った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験 燃料 酸素 基材写真
No. (GPH) (SCFH) SUS304L 寒天ゲル
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
4−1 6.0 2000 図5 図8
4−2 5.5 2000 図6 図9
4−3 4.0 1500 図7 図10
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験4−1(燃料6.0GPH/酸素2000SCFH)及び試験4−2(燃料5.5GPH/酸素2000SCFH)では、溶射粒子のスプラットの形状は、円形あるいは楕円形に薄くつぶれたものか、又は中央部に円形あるいは楕円形に薄くつぶれたコアとその周囲に薄く広がるスプラッシュ様の部分とからなるものであった。そして、これらの条件で溶射を行ったところ、このようなスプラットの積層により、緻密で均一なアモルファス金属ガラス溶射被膜が得られた。
これに対して、試験4−3(図10)では溶射粒子の大部分がゲル内部に侵入し、ゲル表面ではほとんど捕集されていない(ゲル表面に黒く見える部分はほとんど認められない)。
従って、試験4−1〜4−2では、ほとんどの溶射粒子が溶融状態あるいは過冷却液体状態で衝突しているのに対し、試験4−3では、ほとんどの溶射粒子が凝固状態で基材表面に衝突しているものと考えられる。
さらに、基材表面温度及び溶射粒子の粒度を変えて溶射粒子捕集試験を行った。試験条件は、次の通り。
(表5)
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試験No. 粒度 基材表面温度 基材表面写真
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5−1 120μm以下 常温(加温なし) 図11
5−2 120μm以下 200℃ 図12
5−3 45μm以下 常温(加温なし) 図13
5−4 45μm以下 200℃ 図14
――――――――――――――――――――――――――――――――――
*基材:SUS304板、燃料:灯油、スプレー量:3.2kg/hr、
キャリアガス圧:45psi、溶射距離:200mm、
その他は試験例1と同じ
――――――――――――――――――――――――――――――――――
これは、粒径が小さかったために、ガスフレームで溶射粒子が過冷却液体状態で基材表面に衝突したためと考えられる。
スプラットが薄く広がれば、溶射被膜の緻密性に有利である。また、スプラットが薄く広がればスプラット全体が速やかに冷却されて凝固するので、均一なアモルファス溶射被膜の形成にも有利である。
試験例6 溶射試験
上記試験例5と同じ試験条件で実際に溶射試験を行った。溶射試験では、溶射ガンを基材表面と平行に一定速度で往復移動させて、基材表面の一直線上を溶射した。溶射ガン一往復で溶射回数2回とカウントした。基材温度は200℃のみとした。試験条件は次の通り。
(表6)
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試験No. 粒度 溶射回数 膜厚 被膜断面写真 耐久性
(王水試験)
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6−1 120μm以下 108回 − − −
6−2 45μm以下 30回 1.164mm 図15 ○
6−3 45μm以下 58回 2.087mm 図16 ○
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*Fe43Cr16Mo16C15B10のガスアトマイズ粉末
溶射回数30回及び58回の溶射被膜の断面SEM写真をそれぞれ図15及び図16に示す。黒い点々に見える部分は空孔であるが、被膜中の空孔は非常に少なく(気孔率2%以下)、また、存在する各空孔もそれぞれが独立しており、溶射被膜を貫通する連続空孔は認められない。
従って、これらの溶射被膜は外的要因に対する基材表面保護能に優れることが示唆された。
実際に、王水浸漬試験(25℃、2時間)では、腐食減量は3%程度であり、非常に耐食性に優れていた。
一般に大気中での溶射では、高温で金属が溶融して溶融液体状態になると非常に酸化されやすくなるため、通常、溶射被膜中には酸化物相が認められるが、金属ガラスはこれらの酸化を受けにくい。
上記の例ではFe43Cr16Mo16C15B10金属ガラスを用いてステンレス板に溶射したが、各種基材表面に賦与しようとする機能や基材に応じて、金属ガラスを選択することができる。
また、本発明の溶射被膜を形成する前に基材表面にブラスト処理等の粗面化処理を行うことにより、基材と金属ガラス層との密着強度を高めることができる。
また、本発明においては、溶射被膜を貫通する空孔はないので、溶射被膜形成後に樹脂等を用いた封孔処理は特に不要であるが、目的に応じて各種表面処理を行うことは可能である。
下記表7の条件で溶射を行って、金属ガラス積層体を得た(溶射被膜膜厚約1mm)。
(表7)
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基材 SUS304L板
サイズ:50×100×5mm
基材表面:30×20×1mmの凸部を3箇所有する。
基材表面は鏡面仕上げ
溶射原料 Fe43Cr16Mo16C15B10ガスアトマイズ粉末
△Tx:約63℃
粒度:53μmの篩下のもの(最大粒径53μm)
溶射条件 粉末搬送ガス:N2
燃料:灯油、6.0GPH
酸素:2000SCFH
溶射距離(溶射ガン先端から基材表面までの距離):380mm
溶射ガン移動速度:200mm/sec
基材表面温度:200℃(ホットプレートで加温)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
12 燃料パイプ
14 酸素パイプ
16 ガスフレーム
18 溶射材料供給パイプ
20 溶射粒子
22 基材
24 溶射被膜
Claims (10)
- 基材表面に、予め調製されたアモルファス相の金属ガラスを原料としてアモルファス相の金属ガラス溶射被膜層が形成された金属ガラス積層体であって、金属ガラスの過冷却液体温度領域△Txが30℃以上であり、金属ガラス溶射被膜層に連続空孔(ピンホール)が存在せず、金属ガラス溶射被膜層の気孔率が2%以下であり、金属ガラスが複数の元素から構成され、構成元素として少なくともFe、Co、Ni、Ti、Zr、Mg、Cu、Pdの何れか一つの元素を含むことを特徴とする金属ガラス積層体。
- 請求項1記載の積層体において、金属ガラス溶射被膜層が、金属ガラス粉体の少なくとも一部が過冷却液体状態で基材表面において凝固及び積層して形成されたものであることを特徴とする金属ガラス積層体。
- 請求項1又は2記載の積層体において、金属ガラス溶射被膜層の厚みが10μm以上であることを特徴とする金属ガラス積層体。
- 請求項1〜3の何れかに記載の積層体において、溶射被膜が高速フレーム溶射被膜であることを特徴とする金属ガラス積層体。
- 請求項1〜4の何れかに記載の積層体において、円形ないし楕円形に薄くつぶれた溶射粒子及び/又は円形ないし楕円形に薄くつぶれたコアを中心部に有する溶射粒子の積層が金属ガラス溶射被膜層に認められることを特徴とする金属ガラス積層体。
- 請求項1〜5の何れかに記載の積層体において、金属ガラス構成元素としてFeを30〜80原子%含有することを特徴とする金属ガラス積層体。
- 請求項1〜6の何れかに記載の積層体において、基材が金属またはセラミックスであることを特徴とする金属ガラス積層体。
- 請求項7記載の積層体において、基材が比重3.0以下の軽量金属であることを特徴とする金属ガラス積層体。
- 請求項1〜8の何れかに記載の積層体において、基材表面に金属ガラス溶射被膜層がパターン化されて形成されていることを特徴とする金属ガラス積層体。
- 請求項1〜9の何れかに記載の積層体において、その表面に凹凸形状を有する基材表面に金属ガラス溶射被膜層が形成されていることを特徴とする金属ガラス積層体。
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