JP2007063196A - 変性ポリオレフィンの製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリプロピレンの塗装性(塗膜の密着性等)を改良するために、ポリオレフィンに極性官能基がグラフトされた変性ポリオレフィンをポリプロピレンに多量に練り込む方法が知られていたが、少量の添加で樹脂物性を低下させることなく樹脂の塗装性改良効果を有する塗装性改良剤は知られていなかった。少量の添加で、樹脂の機械物性を低下させることなく樹脂の塗装性(塗膜密着性等)を向上させる塗装性改良剤を構成する変性ポリオレフィンの製造法、該塗装性改良剤を熱可塑性樹脂に含有させてなる熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 炭素数6〜30のオレフィン多量体(a)と、水酸基含有不飽和単量体(b)を、ラジカル開始剤(c)の存在下または非存在下で反応させることを特徴とする変性ポリオレフィンの製造法。
【選択図】 なし

Description

本発明は変性ポリオレフィンの製造法に関する。さらに詳しくは、ポリオレフィン等の樹脂への塗膜の密着性を向上させる特性に優れた水酸基含有変性ポリオレフィンの製造法に関する。
ポリプロピレンは、主に射出成形用材料として、自動車の内外装部品、家電製品の部品に代表される工業部品分野で、幅広く使用されている。しかし、ポリプロピレンは無極性であるため、通常塗装性(ここにおいて塗装性には印刷性も含まれるものとする。以下同じ。)に劣り、塗膜(ここにおいて塗膜には印刷膜も含まれるものとする。以下同じ。)との密着性が悪い。このため、ポリプロピレンの表面にプライマーを塗布して、塗膜を密着させる工夫がなされている。しかしながら、プライマーは高価であることや、塗装工程数が多くなることから、塗装コストが高くなるという欠点がある。このため、ポリプロピレンに塗膜密着性を付与することにより、プライマー塗布工程を省略して、塗装コストを低減する試みがなされている。例えば、ポリオレフィンに極性官能基がグラフトされた変性ポリオレフィンを塗装性改良剤としてポリプロピレンに練り込み、プライマーを塗布することなく、塗膜を密着させる方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開昭62−257946号公報 特開平5−039383号公報 特開平9−048885号公報
しかしながら、これらの方法では、塗膜を密着させるために多量の変性ポリオレフィンを添加しなければならず、これに伴い衝撃強度等の機械物性が大幅に低下してしまうという欠点を持っていた。
本発明の目的は、少量の添加で、樹脂の機械物性を低下させることなく樹脂の塗装性(塗膜密着性等)を向上させる塗装性改良剤を構成する変性ポリオレフィンの製造法、該塗装性改良剤を熱可塑性樹脂に含有させてなる熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、炭素数6〜30のオレフィン多量体(a)と、水酸基含有不飽和単量体(b)を、ラジカル開始剤(c)の存在下または非存在下で反応させることを特徴とする変性ポリオレフィンの製造法;炭素数6〜30のオレフィン多量体(a)と不飽和ポリカルボン酸(d)からなる反応物もしくは共重合体と、(d)由来の官能基と反応して該反応物もしくは該共重合体に水酸基を導入する化合物(e)を反応させることを特徴とする変性ポリオレフィンの製造法;該変性ポリオレフィンからなる塗装性改良剤(A);該(A)を熱可塑性樹脂(B)に含有させてなる熱可塑性樹脂組成物;並びに、該組成物を成形してなる成形品である。
本発明の変性ポリオレフィンの製造法のうち第1の実施態様の製造法(第一の本発明)について説明する。
本発明の変性ポリオレフィンの製造法の第1の実施態様の製造法は、炭素数(以下、Cと略記)6〜30のオレフィン多量体(a)と、水酸基含有不飽和単量体(b)を、ラジカル開始剤(c)の存在下または非存在下で反応させることを特徴とする。
(a)のCが6未満では後述する成形品とした時の機械物性が悪化し、30を超えると成形品の塗装性が悪化する。なお、「C6〜30のオレフィン多量体(a)」におけるCは、(a)を構成するモノマーの炭素数ではなく、多量体の炭素数を指す。
(a)には、プロピレンからなる多量体(a1)、プロピレン以外のオレフィンからなる多量体(a2)およびこれらの混合物が含まれる。これらのうち成形品の機械物性の観点から好ましいのは(a1)、および(a1)と(a2)の混合物である。
(a1)には、プロピレン多量体およびプロピレンと他のオレフィンとの混合多量体が含まれる。
プロピレン多量体としては、プロピレンの2〜10量体が挙げられ、これらのうち成形品の機械物性および塗装性の観点から好ましいのは3〜7量体である。これらのプロピレン多量体には二重結合の位置が異なる異性体が全て含まれる。
プロピレンと他のオレフィンとの混合多量体を構成する他のオレフィンとしては、C2またはC4〜27(好ましくはC2またはC4〜25、とくにC2またはC4〜20)のオレフィン、例えばエチレン、1−、2−およびイソブテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン、1−ペンタデセンが挙げられる。
プロピレンと他のオレフィンとの混合多量体の具体例としては、プロピレンとエチレンとの多量体(2−エチル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジメチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン等)、プロピレンと1−ブテンとの多量体(4−エチル−2−メチル−1−ヘプテン、4−エチル−6−メチル−2−ヘプテン、2−エチル−4−メチル−1−オクテン、5,7−ジメチル−3−ノネン等)、プロピレンと1−ペンテンとの多量体(2−メチル−4−プロピル−1−ヘプテン、6−メチル−4−エチル−2−ヘプテン、4−メチル−2−プロピル−1−ノネン、6,8−ジメチル−4−ノネン等)等が挙げられる。
プロピレン以外のオレフィンからなる多量体(a2)を構成するオレフィンとしては上記他のオレフィンと同じものが挙げられ、(a2)としては、エチレン多量体(ヘキセン−1、ヘキセン−2、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1)、エチレンとブテン−1の多量体(例えば、3−エチル−5−メチル−1−ヘプテン、3−エチル−5−メチル−2−ヘプテン、2−エチル−1−オクテン、3−メチル−2−ノネン)等が挙げられる。これらのうち好ましいのはエチレン多量体である。
水酸基含有不飽和単量体(b)には、水酸基含有不飽和ポリ(2価〜4価またはそれ以上)カルボン酸誘導体(エステル、アミド、イミド等)(b1)、水酸基含有不飽和エーテル(b2)、水酸基含有不飽和モノカルボン酸エステル(b3)、不飽和アルコール(b4)が含まれる。(b)が有する1分子当たりの水酸基の個数は、後述する成形品の塗装性および後述するポリオレフィン樹脂との相溶性の観点から好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜4である。
(b1)としては、C2以上、かつ、数平均分子量[以下、Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による]2,000以下のものが挙げられ、例えば水酸基含有ジカルボン酸誘導体〔例えば脂肪族[C4〜30、例えばジカルボン酸エステル(マレイン酸ヒドロキシエチル、マレイン酸グリセリンモノ−およびジエステル、マレイン酸トリメチロールプロパンモノ−およびジエステル、マレイン酸ペンタエリスリトールモノエステル、マレイン酸ソルビトールモノエステル、マレイン酸シュークロースモノエステル、フマル酸ヒドロキシエチル、イタコン酸ヒドロキシエチル、メサコン酸ヒドロキシエチル、シトラコン酸ヒドロキシエチル等)、ジカルボン酸アミド(N−ヒドロキシ−およびN,N’−ジヒドロキシエチルマレアミド、N−ヒドロキシ−およびN,N’−ジヒドロキシエチルフマルアミド、N−ヒドロキシ−およびN,N’−ジヒドロキシエチルイタコンアミド、N−ヒドロキシ−およびN,N’−ジヒドロキシエチルメサコンアミド、N−ヒドロキシ−およびN,N’−ジヒドロキシエチルシトラコンアミド等)、ジカルボン酸イミド(N−ヒドロキシエチルマレイミド、N−ヒドロキシプロピルマレイミド、N−ヒドロキシエチルイタコンイミド等)]および脂環式[C8〜30、例えばジカルボン酸エステル(シクロヘキセンジカルボン酸ヒドロキシエチル、シクロヘプテンジカルボン酸ヒドロキシエチル等)、ジカルボン酸アミド(N−ヒドロキシ−およびN,N’−ジヒドロキシエチルシクロヘキセンジカルボン酸アミド、N−ヒドロキシ−およびN,N’−ジヒドロキシエチルシクロヘプテンジカルボン酸アミド等)、ジカルボン酸イミド(N−ヒドロキシエチルおよびN−ヒドロキシプロピルシクロヘキセンジカルボン酸イミド、N−ヒドロキシエチルおよびN−ヒドロキシプロピルシクロヘプテンジカルボン酸イミド等)]〕;水酸基含有ポリ(3価〜4価またはそれ以上)カルボン酸誘導体[例えば脂肪族(C5〜24、例えばアコニット酸ヒドロキシエチル、N−ヒドロキシ−、N,N’−ジヒドロキシ−およびN,N’,N’’−トリヒドロキシエチルアコニット酸アミド、N−ヒドロキシエチル−およびN−ヒドロキシプロピルアコニット酸イミド)]並びにこれらのエチレンオキシド(以下、EOと略記)および/またはプロピレンオキシド(以下、POと略記)付加物等が挙げられる。これらのうち好ましいのは水酸基含有ジカルボン酸誘導体である。
水酸基含有不飽和エーテル(b2)としては、C2以上、かつ、Mn2,000以下のものが挙げられ、例えばヒドロキシアルキル(C1〜6)ビニルエーテル[例えば脂肪族(C3〜30、例えばヒドロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル)、および脂環式(C5〜30、例えばヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル)]、ヒドロキシアルキル(C1〜6)アリルエーテル[例えば脂肪族(C4〜30、例えばヒドロキシメチルアリルエーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシプロピルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル)、および脂環式(C7〜30、例えばヒドロキシシクロヘキシルアリルエーテル)]並びにこれらのEOおよび/またはPO付加物等が挙げられる。
水酸基含有不飽和モノカルボン酸エステル(b3)としては、C3以上、かつ、Mn2,000以下のものが挙げられ、例えばヒドロキシカルビル(C2〜30)アクリレート[例えば脂肪族(C5〜30、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、グリセリンモノアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ジペンタエリスリトールモノアクリレート、ソルビトールモノアクリレート、シュークロースモノアクリレート)、および脂環式(C7〜30、例えばヒドロキシシクロヘキシルアクリレート)]、ヒドロキシカルビル(C2〜30)メタアクリレート[例えば脂肪族(C6〜30、例えばヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシブチルメタアクリレート)、および脂環式(C8〜30、例えばヒドロキシシクロヘキシルメタアクリレート)]並びにこれらのEOおよび/またはPO付加物等が挙げられる。
不飽和アルコール(b4)としては、C2以上、かつ、Mn2,000以下のものが挙げられ、例えばビニルアルコール、アリルアルコール並びにこれらのEOおよび/またはPO付加物等が挙げられる。
(b)のうち塗装性の観点から好ましいのは、(b1)および(b4)、さらに好ましいのは(b1)である。
本発明の変性ポリオレフィンの製造法における(a)と(b)の合計重量に基づく(a)の割合は、成形品の機械物性の観点から好ましい下限は20%、さらに好ましくは25%、とくに好ましくは30%、塗装性の観点から好ましい上限は80%、さらに好ましくは75%、とくに好ましくは70%である。
ラジカル開始剤(c)としては、例えばアゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等)、過酸化物〔単官能(分子内にパーオキシド基を1個有するもの)[ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド等]および多官能(分子内にパーオキシド基を2個以上有するもの)[2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジアリルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート等]〕等が挙げられる。
これらのうち、(a)と(b)の反応性の観点から好ましいのは過酸化物、さらに好ましいのは単官能過酸化物、とくに好ましいのはジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシドおよびジクミルパーオキシドである。
(c)の使用量は、(a)と(b)の合計重量に基づいて、(a)と(b)の反応率と後述する塗装性の観点から好ましい下限は0.001%、さらに好ましくは0.01%、とくに好ましくは0.1%、塗装性の観点から好ましい上限は30%、さらに好ましくは20%、とくに好ましくは15%である。
本発明の第1の実施態様における変性ポリオレフィンは、オレフィン多量体(a)と水酸基含有不飽和単量体(b)を、ラジカル開始剤(c)の存在下または非存在下で反応させることにより製造できる。
該変性ポリオレフィンの具体的な製造法としては、(a)および(b)を加熱溶融、あるいは適当な有機溶媒[C3〜18、例えば炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(ジ−、トリ−およびテトラクロロエタン、ジクロロブタン等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジ−t−ブチルケトン等)、エーテル(エチル−n−プロピルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル、ジオキサン等)等]に懸濁もしくは溶解させ、必要により(c)、後述の連鎖移動剤および/または重合禁止剤[もしくはこれらをそれぞれ適当な有機溶媒に溶解させた溶液]を加え、さらにこれに必要により該変性ポリオレフィン[もしくは該変性ポリオレフィンを適当な有機溶媒(上記に同じ)に溶解させた溶液]を加え加熱撹拌して反応させる方法が挙げられる。以下、(a)および(b)を加熱溶融する場合、有機溶媒に懸濁する場合、有機溶媒に溶解する場合をそれぞれ溶融法、懸濁法および溶液法と略記する。
これらの方法のうち(a)と(b)との反応性および後述する塗装性の観点から好ましいのは溶融法および溶液法である。
溶融法での反応温度は、(a)および(b)が溶融する温度であればよく、(a)と(b)との反応性および生成する変性ポリオレフィンの分解温度の観点から好ましくは60〜260℃、さらに好ましくは100〜240℃である。
溶液法での反応温度は、(a)および(b)が溶媒に溶解する温度であればよく、(a)と(b)との反応性、および生成する変性ポリオレフィンの分解温度の観点から好ましくは50〜220℃、さらに好ましくは60〜210℃、とくに好ましくは80〜180℃である。
上記連鎖移動剤としては、例えば炭化水素[C6〜24、例えば芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン等)];ハロゲン化炭化水素(C1〜24、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、ジブロモメタン、トリブロモメタン、四臭化炭素、塩化ベンジル、臭化ベンジル等);アルコール(C1〜24、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、アリルアルコール等);チオール(C1〜24、例えばエチルチオール、プロピルチオール、1−および2−ブチルチオール、1−および2−ペンチルチオール、1−オクチルチオール、1−ドデシルチオール等);ケトン(C3〜24、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、エチルプロピルケトン、エチルブチルケトン等);アルデヒド(C2〜18、例えば2−メチル−2−プロピルアルデヒド、1−および2−ブチルアルデヒド、1−ペンチルアルデヒド、1−ヘキシルアルデヒド、1−オクチルアルデヒド等);フェノール(C6〜36、例えばフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール等);キノン(C6〜24、例えばヒドロキノン等);アミン(C3〜24、例えばジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−1−ブチルアミン、ジフェニルアミン等);ジスルフィド(C2〜24、例えばジエチルジスルフィド、ジ−1−プロピルジスルフィド、ジ−2−メチル−2−プロピルジスルフィド、ジ−1−ブチルジスルフィド、エチル−1−プロピルジスルフィド、ジ−1−オクチルジスルフィド等)が挙げられる。
連鎖移動剤の使用量は、(a)と(b)の合計重量に基づいて通常20%以下、(a)と(b)との反応性および後述する成形品の塗装性の観点から好ましくは0〜10%である。
上記重合禁止剤としては、無機系[例えば酸素、硫黄、金属塩(例えば塩化第二鉄)等]および有機系〔カテコール(C6〜36、例えば2−メチル−2−プロピルカテコール)、キノン(C6〜24、例えばp−ベンゾキノン、デュロキノン等)、ヒドラジン(C2〜36、例えば1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジン等)、フェルダジン(C5〜36、例えば1,3,5−トリフェニルフェルダジン等)、ニトロ化合物(C3〜24、例えばニトロベンゼン等)、安定ラジカル[C5〜36、例えば1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)、1,3,5−トリフェニルフェルダジル等]〕が挙げられる。
重合禁止剤の使用量は、(a)と(b)の合計重量に基づいて通常2%以下、(a)と(b)との反応性および後述する成形品の塗装性の観点から好ましくは0〜0.5%である。
本発明の第1の実施態様の製造法で得られる変性ポリオレフィンのMnは、後述する成形品の機械物性と塗装性の観点から200〜50,000、好ましくは250〜30,000である。
なお、本発明の変性ポリオレフィンのMnは、高温GPC[(株)Waters製、カラム:PLgel MIX ED−B、ポリマーラボラトリーズ(株)製]を用いてGPC法により測定した値である。
該変性ポリオレフィンの水酸基価は、塗装性と成形品の機械物性の観点から20〜600、好ましくは50〜550である。なお、本明細書において、水酸基価は、試料1g中の水酸基と当量の水酸化カリウムのmg数をいい、試料を無水酢酸によりアセチル化し、指示薬(フェノールフタレイン)を用いて滴定することにより測定される。
該変性ポリオレフィンの熱軟化点は、成形品の機械物性と塗装性の観点から40〜170℃、好ましくは50〜160℃である。なお、本明細書において、熱軟化点は、自動軟化点試験機[(株)メイテック製]により測定した値である。
該変性ポリオレフィンは、上記製造法におけるラジカル開始剤(c)の非存在下または存在下、水酸基含有不飽和単量体(b)の種類等の条件により次のとおり結合様式が異なる。
(I−1)ラジカル開始剤(c)の非存在下における反応
(c)の非存在下では、下記[1]および/または[2]の結合様式の変性ポリオレフィンが得られる。
[1](a)−(b)型の変性ポリオレフィン
(b)の種類にかかわらず、例えば下記一般式(1)に従って(a)−(b)型変性ポリオレフィンが得られる。
Figure 2007063196
[2][(a)−(b)]m型の交互共重合変性ポリオレフィン
(b)が上記(b2)〜(b3)の場合は、例えば下記一般式(2)に従って[(a)−(b)]m型の交互共重合変性ポリオレフィンが得られる。
Figure 2007063196
(I−2)ラジカル開始剤(c)の存在下における反応
(c)の存在下では、(b)の種類にかかわらず、例えば下記一般式(3)に従って[(a)−(b)]型の交互共重合変性ポリオレフィンが得られる。
Figure 2007063196
[式(1)〜(3)中、R〜Rはオレフィン多量体の残基、RはHまたはメチル基;ZはH、エステル基またはアミド基を含む有機基、Zはエーテル基、エステル基またはアミド基を含む有機基を表し、ZとZがカルボニル基を有する場合は、N原子を介し互いに結合して、OH基を有するイミド基を形成してもよい;Iはラジカル開始剤残基またはH;p、qは同時に0になることはない0〜12の整数、m、nは1〜300の整数を表す。]
本発明の変性ポリオレフィンの製造法のうち第2の実施態様の製造法(第二の本発明)について説明する。
本発明の変性ポリオレフィンの製造法の第2の実施態様の製造法は、炭素数6〜30のオレフィン多量体(a)と不飽和ポリカルボン酸(d)からなる反応物もしくは共重合体と、(d)由来の官能基と反応して該反応物もしくは該共重合体に水酸基を導入する化合物(e)を反応させることを特徴とする。
(a)としては、第一の本発明と同じものを用いることができる。
(d)には、不飽和ポリ(2価〜4価またはそれ以上)カルボン酸およびその無水物が含まれ、例えばジカルボン酸[脂肪族(C4〜24、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等)、脂環式(C8〜24、例えばシクロヘキセンジカルボン酸、シクロヘプテンジカルボン酸等)];3価〜4価またはそれ以上のポリカルボン酸[脂肪族ポリカルボン酸(C5〜24、例えばアコニット酸等)]およびそれらの無水物が挙げられる。これらの(d)のうち塗装性の観点から好ましいのは、不飽和ジカルボン酸およびその無水物、さらに好ましいのは無水マレイン酸である。
(a)と(d)のモル比〔(a)/(d)〕は、塗装性と成形品の機械物性の観点から、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは75/25〜25/75、特に好ましくは70/30〜30/70である。
(e)としては、(d)由来の官能基(カルボキシル基および/または酸無水物基)と反応する官能基、例えば水酸基、アミノ基又はエポキシ基を有し、しかも(d)の官能基と反応することにより、反応物中又は共重合体中に水酸基を導入する化合物が挙げられる。
(e)には下記の(e1)多価アルコール、(e2)ヒドロキシルアミンおよび(e3)エポキシドが含まれる。これらのうち(d)の官能基と(e)との反応性および副生物が生成しないとの観点から好ましいのは(e2)である。
(e1)多価アルコール
ジオール(C2〜50、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等);トリオール(C3〜75、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン等);4価〜8価またはそれ以上の多価アルコール(C5〜100、例えばペンタエリスリトール、ソルビタン、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース、ショ糖等);およびそれらのアルキレンオキシド(以下、AOと略記、C2〜4)付加物(分子量106以上、かつMn1,000以下)。
(e2)ヒドロキシルアミン
下記一般式で表されるヒドロキシルアミンが含まれる。
HO−R−NHR
一般式中、RはHまたはC1〜20の炭化水素基(好ましくはHまたはC1〜15の炭化水素基、さらに好ましくはHまたはC1〜5の炭化水素基)、RはC2〜20の2価の炭化水素基を表し、R、Rは水酸基および/またはアミノ基で置換されていてもよい。
(e2)の具体例としては、第1級アミノアルコール(C2〜20、例えばモノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサノールアミン等)、第2級アミノアルコール(C3〜20、例えば2−メチルアミノエタノール、2−エチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、N−メチルシクロヘキサノールアミン等)等が挙げられる。これらのうち好ましいのは第1級アミノアルコールである。
(e3)エポキシド
下記の脂肪族、脂環式、複素環含有および芳香環含有エポキシドが挙げられる。
(e3−1)脂肪族エポキシド
脂肪族モノエポキシドとしては、1価脂肪族アルコール(C1〜20、例えばメタノール、エタノール、2−エチルヘキシルアルコール等)もしくは多価(2価〜8価またはそれ以上)脂肪族アルコールのモノグリシジルエーテル、1価脂肪酸のモノグリシジルエステル等が挙げられる。
脂肪族ポリエポキシドとしては、多価(2価〜8価またはそれ以上)脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル、多価(2価〜3価またはそれ以上)脂肪酸のポリグリシジルエステルおよびグリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体等が挙げられる。
多価脂肪族アルコールとしては、上記(e1)と同じものが挙げられ、多価脂肪酸としては、ジカルボン酸(C2〜15、例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、アジピン酸、スベリン酸、ドデカン2酸等)、3価またはそれ以上の多価脂肪酸(C6〜20、例えばトリカルバリル酸等)等が挙げられる。
(e3−2)脂環式エポキシド
脂環式エポキシドとしては、例えばビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、後述する芳香環含有ポリエポキシドの核水添化物等が挙げられる。
(e3−3)複素環含有エポキシド
複素環含有エポキシドとしては、例えばトリスグリシジルメラミン等が挙げられる。
(e3−4)芳香環含有エポキシド
芳香環含有エポキシドとしては多価(2価〜4価またはそれ以上)フェノールのグリシジルエーテル、例えば2価フェノールのグリシジルエーテル(例えばビスフェノールF、−A、−B、−ADおよび−Sジグリシジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応により得られるジグリシジルエーテル等);3価フェノールのグリシジルエーテル(例えばピロガロールトリグリシジルエーテル等);4価またはそれ以上のポリフェノールのグリシジルエーテル(例えばフェノール−もしくはクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒドもしくはホルムアルデヒドとの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル、レゾルシンとアセトンとの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル等)等が挙げられる。
共重合体中の(d)に由来するカルボキシル基と(e)の当量比〔(d)/(e)〕は、塗装性と成形品の機械物性の観点から好ましくは0.8/1〜1/0.8、さらに好ましくは0.9/1〜1/0.9、共重合体中の(d)に由来する酸無水物基と(e)の当量比は同様の観点から好ましくは0.4/1〜1/0.8、さらに好ましくは0.45/1〜1/0.9である。
本発明の第2の実施態様における変性ポリオレフィンは、炭素数6〜30のオレフィン多量体(a)と不飽和ポリカルボン酸(d)からなる反応物若しくは共重合体と、(d)由来の官能基と反応して該共重合体に水酸基を導入する化合物(e)を反応させることにより製造される。該変性ポリオレフィンの具体的な製造法としては、(a)および(d)を前記第1の実施態様と同様に加熱溶融、あるいは適当な有機溶媒(前記のもの。以下同じ。)に懸濁もしくは溶解させ、必要により前記の(c)、連鎖移動剤および/または重合禁止剤[もしくはこれらをそれぞれ適当な有機溶媒に溶解させた溶液]を加え、加熱撹拌して反応物若しくは共重合体を得た後、(e)を溶融、あるいは適当な有機溶媒に懸濁あるいは溶解させて該共重合体に加え、加熱撹拌する方法(溶融法、懸濁法および溶液法)が挙げられる。連鎖移動剤および重合禁止剤も前記と同じものを用いることができる。
これらの方法のうち(a)と(d)との反応性、(a)と(d)からなる共重合体と(e)との反応性および後述する塗装性の観点から好ましいのは溶融法および溶液法である。溶融法での反応温度は、(a)、(d)および(e)が溶融する温度であればよく、(a)と(d)との反応性、(a)と(d)からなる共重合体と(e)との反応性および生成する変性ポリオレフィンの分解温度の観点から好ましくは60〜260℃、さらに好ましくは100〜240℃である。
溶液法での反応温度は、(a)、(d)および(e)が溶媒に溶解する温度であればよく、(a)と(d)との反応性、(a)と(d)からなる共重合体と(e)との反応性および生成する変性ポリオレフィンの分解温度の観点から好ましくは50〜220℃、さらに好ましくは60〜210℃、とくに好ましくは80〜180℃である。
本発明の第2の実施態様の製造法で得られる変性ポリオレフィンのMn、水酸基価および熱軟化点は、第1の実施態様の製造法で得られる変性ポリオレフィンと同様であり、それぞれの好ましい範囲も同様である。
該変性ポリオレフィンの結合様式は、前記第1の実施態様と同様に、ラジカル開始剤(c)の非存在下または存在下の条件により次のとおり結合様式が異なる。
(II−1)ラジカル開始剤(c)の非存在下における反応
[1](a)−(b)型の変性ポリオレフィン
(c)の非存在下では下記一般式(4)に従って(a)−(d)型変性ポリオレフィンが得られた後、例えば(e)としてヒドロキシルアミン(e2)を用いた場合は、下記一般式(5)に従って(a)−(b)型変性ポリオレフィンが得られる。
Figure 2007063196
(II−2)ラジカル開始剤(c)の存在下における反応
(c)の存在下では、下記一般式(6)に従って[(a)−(d)]n型の交互共重合変性ポリオレフィンが得られた後、例えば(e)としてヒドロキシルアミン(e2)を用いた場合は、下記一般式(7)に従って[(a)−(b)]n型の交互共重合変性ポリオレフィンが得られる。
Figure 2007063196
〔式(4)〜(7)中、R〜R、I、nは前記に同じ。(d)、(a)−(d)型および[(a)−(d)]n型における2つのカルボキシル基は結合して無水物基を形成してもよく、その場合は(e2)との反応でイミド基を形成してもよい。〕
次に、第三の本発明である変性ポリオレフィンについて説明する。
該変性ポリオレフィンは、C6〜30のオレフィン多量体(a)と、水酸基含有不飽和単量体(b)を構成単位とし、20〜600の水酸基価、200〜50,000のMnおよび40〜170℃の熱軟化点を有する。ここにおいて、(a)および(b)は前記と同じである。
該変性ポリオレフィンは、例えば前記本発明の第1の実施態様である変性ポリオレフィンの製造法、および本発明の第2の実施態様である変性ポリオレフィンの製造法に従って製造することができる。
該変性ポリオレフィンには、前記(I−1)、(I−2)および(II−1)、(II−2)で表される結合様式を有するものが含まれる。
本発明の変性ポリオレフィンの特性値(例えば水酸基価、Mnおよび熱軟化点)およびその好ましい範囲、並びに塗装性改良剤として用いる場合の形態等は、前記第1および第2の実施態様である製造法で得られる変性ポリオレフィンと同様であり、以降における変性ポリオレフィンは第1および第2の実施態様である製造法で得られる変性ポリオレフィンおよび第三の本発明である変性ポリオレフィンのいずれをも指すものとする。
第四の本発明の塗装性改良剤(A)は、上記本発明の製造法で得られる変性ポリオレフィンまたは第三の本発明の変性ポリオレフィンからなる。該変性ポリオレフィンを塗装性改良剤(A)として用いる場合の形態には、該変性ポリオレフィンそのもの、該変性ポリオレフィンを水に分散させてなる水性分散体、および該変性ポリオレフィンを有機溶剤に溶解させてなる溶液が含まれる。
上記水性分散体の製造法には、〔1〕変性ポリオレフィンをトルエン等の溶剤に溶解し、これを水に撹拌下滴下または一定速度で投入しながら、ディスパーサー等で高速(通常回転数50〜50,000rpm)で撹拌分散させた後、加熱減圧下で溶剤を留去する方法、および〔2〕変性ポリオレフィンの融点以上に加熱した後、水に撹拌下滴下または一定速度で投入しながら、ディスパーサー等で高速(上記に同じ。)で撹拌分散させる方法が含まれる。該分散させる方法としては、例えば界面活性剤などの乳化剤および/または分散剤[使用量はそれぞれ変性ポリオレフィンの重量に基づいて通常0.1〜80%、該変性ポリオレフィンの機能発現の観点から好ましくは0.2〜40%]を使用する方法が挙げられる。
上記界面活性剤としては、非イオン性、カチオン性、アニオン性および両性の界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、AO[C2〜4、例えばEO、PO、ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の併用。]付加型非イオン界面活性剤〔高級アルコール(C8〜18)、高級脂肪酸(C12〜24)、高級アルキルアミン(C8〜24)等[例えばドデシル、ステアリル、オレイルアルコールおよびアミン、並びにラウリン、ステアリン、オレイン酸等]に直接AOを付加させたもの[分子量174以上、かつ、Mn20,000以下]、ポリアルキレングリコール[例えばポリエチレングリコール(分子量106以上、かつ、Mn80,000以下)に高級脂肪酸などを反応させたもの、多価アルコール(C2〜24の2価〜8価またはそれ以上、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン等)に高級脂肪酸を反応させて得られたエステル化物にAOを付加させたもの(分子量286以上、かつ、Mn20,000以下)、高級脂肪酸アミドにAOを付加させたもの(分子量241以上、かつ、Mn35,000以下)、多価アルコール(上記に同じ)アルキル(C3〜60)エーテルにAOを付加させたもの(分子量120以上、かつ、Mn80,000以下)、ポリプロピレングリコール(Mn500〜5,000)にEOを付加させたもの(Mn1,000〜50,000、例えばプルロニック型非イオン界面活性剤など);多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤〔例えば多価アルコール脂肪酸エステル(C3〜60)、多価アルコールアルキルエーテル(C3〜60)、脂肪酸アルカノールアミド(C3〜60)等〕等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型[テトラアルキル(C4〜100)アンモニウム塩、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド等;トリアルキル(C3〜80)ベンジルアンモニウム塩、例えばラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)等;アルキル(C2〜60)ピリジニウム塩、例えばセチルピリジニウムクロライド等;(ポリ)(n=1〜100又はそれ以上)オキシアルキレン(C2〜4)トリアルキル(C3〜80)アンモニウム塩、例えばポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド等;サパミン型第4級アンモニウム塩、例えばステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェート等]、アミン塩型〔脂肪族高級アミン(C8〜24、例えばラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミン、ロジンアミン等)の無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等)塩または有機酸[C2〜22、例えば酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、オレイン酸、安息香酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸等]塩;脂肪族アミン(C1〜30)のEO付加物などの無機酸(前記のもの)塩または有機酸(前記のもの)塩;3級アミン(トリエタノールアミンモノステアレート、ステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミンなど)の無機酸(前記のもの)塩または有機酸(前記のもの)塩等〕が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、カルボン酸(C8〜22の飽和または不飽和脂肪酸)またはその塩、カルボキシメチル化物の塩[例えばC8〜18の脂肪族アルコールおよび/またはそのEO(1〜10モル)付加物などのカルボキシメチル化物の塩]、硫酸エステル塩[例えば高級アルコール(C8〜18)硫酸エステル塩]、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩[例えば高級アルコール(C8〜18)のEO(1〜10モル)付加物の硫酸エステル塩]、硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和した塩)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和した塩)、硫酸化オレフィン(C12〜18のオレフィンを硫酸化して中和した塩)、スルホン酸塩[例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル型、α−オレフィン(C12〜18)スルホン酸塩、イゲポンT型等]およびリン酸エステル塩[例えば高級アルコール(C8〜60)リン酸エステル塩、高級アルコール(C8〜60)EO付加物リン酸エステル塩、アルキル(C4〜60)フェノールEO付加物リン酸エステル塩等]が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤[例えば高級アルキルアミン(C12〜18)のプロピオン酸(塩)]、ベタイン型両性界面活性剤[例えばアルキル(C12〜18)ジメチルベタイン、アルキル(C12〜18)ジヒドロキシエチルベタイン等]、硫酸エステル(塩)型両性界面活性剤[例えば高級アルキル(C8〜18)アミンの硫酸エステル(塩)およびヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステル(塩)]、スルホン酸(塩)型両性界面活性剤[例えばペンタデシルスルホタウリン、イミダゾリンスルホン酸(塩)等]、リン酸エステル(塩)型両性界面活性剤[例えばグリセリン高級脂肪酸(C8〜22)エステル化物のリン酸エステル(塩)等]等が挙げられる。
上記の両性界面活性剤およびアニオン界面活性剤における塩としては、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム等)塩、アルカリ土類金属(例えばカルシウム、マグネシウム等)塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(C1〜20)塩、アルカノールアミン(C2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン等)塩等が挙げられる。
上記水性分散体中の該変性ポリオレフィンの濃度は通常5重量%以上、好ましくは10〜90重量%である。
該変性ポリオレフィンを塗装性改良剤(A)として用いる場合の形態が溶液の場合、用いられる有機溶剤としては、例えば炭化水素、セロソルブ、ケトン、アルコール、エステル、アミド等が挙げられる。
炭化水素としては、芳香族(C6〜24、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリエチルベンゼン、アミルベンゼン、ジアミルベンゼン、アミルトルエン、ジフェニルエタン、テトラリン等)、脂肪族(C6〜24、例えばヘキサン、ヘプタンオクタン、デカン等)および脂環式(C6〜24、例えばシクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、デカリン等)炭化水素が挙げられる。
セロソルブとしては、C3〜18、例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−およびi−プロピルセロソルブ、n−、sec−、i−およびt−ブチルセロソルブ等;
ケトンとしては、C3〜17、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等;
アルコールとしては、C1〜18、例えばメタノール、エタノール、n−およびi−プロパノール等;
エステルとしては、C3〜18、例えば酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等;
アミドとしては、C1〜18、例えばジメチルホルムアミド等が挙げられる。
これらのうち上記溶液の保存安定性の観点から好ましいのは炭化水素、セロソルブ、ケトンおよびアルコール、さらに好ましいのは炭化水素、セロソルブおよびアルコールである。
上記溶液中の変性ポリオレフィンの濃度は通常1重量%以上、好ましくは3〜95重量%である。
該変性ポリオレフィンを塗装性改良剤(A)として用いる場合は、必要により通常用いられる他の樹脂用添加剤(C)を併用してもよい。
(C)としては、可塑剤(C1)、滑剤(C2)、密着性、分散性および/または相溶性付与剤(C3)、酸化防止剤(C4)、紫外線吸収剤(C5)、着色剤(C6)、充填剤(C7)、難燃剤(C8)および帯電防止剤(C9)からなる群から選ばれる1種又は2種以上の添加剤が挙げられる。
可塑剤(C1)としては、下記のものが挙げられる。
(C11)モノカルボン酸エステル
脂肪族カルボン酸エステル[C10〜96、例えばステアリン酸ブチル(BS)、オレイン酸メトキシエチル(MEO)、アセチルリシノール酸メチル(MAR)、アセチルリシノール酸エチル(EAR)、アセチルリシノール酸メトキシエチル(MEAR)、グリセリントリヘプタン酸エステル等]、芳香(脂肪)族カルボン酸エステル[C7〜96、例えば安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、フェニル酢酸ブチル、フェニル酢酸ヘキシル可塑剤]、脂環式カルボン酸エステル[C5〜96、例えばシクロプロパンカルボン酸メチル、シクロプロパンカルボン酸ブチル、シクロブタンカルボン酸メトキシエチル、シクロペンタンカルボン酸エチル、シクロペンタンカルボン酸ブチル、シクロヘキサンカルボン酸メチル、シクロヘキサンカルボン酸メトキシエチル、シクロヘキサンカルボン酸オクチル等]
(C12)ジカルボン酸エステル
脂肪族ジカルボン酸エステル〔C10〜96、例えばアジピン酸エステル[例えばアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、アジピン酸ジ(メチルシクロヘキシル)等]、アゼライン酸エステル[例えばアゼライン酸ジ−n−ヘキシル(DNHZ)、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOZ)等]、セバシン酸エステル[例えばセバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOS)等]〕、芳香(脂肪)族ジカルボン酸エステル〔C10〜96、例えばフタル酸エステル[例えばフタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ヘプチルノニル(HNP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジ−n−オクチル(DNOP)、フタル酸ジ−i−オクチル(DIOP)、フタル酸ジ−s−オクチル(DCapP)、フタル酸ジ(79アルキル)(D79P)、フタル酸−i−デシル(DIDP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)、ブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)等]〕等
(C13)トリカルボン酸エステル
脂肪族トリカルボン酸エステル〔C5〜96、例えばクエン酸エステル[例えばクエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸トリブチル(TBC)、アセチルクエン酸トリエチル(ATEC)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、アセチルクエン酸トリシクロヘキシル、クエン酸トリオクチル、クエン酸トリ(オクチルデシル)等]〕、芳香(脂肪)族トリカルボン酸エステル[C10〜96、例えばベンゼントリカルボン酸エチル、ベンゼントリカルボン酸オクチル等]等
(C14)エポキシ系
C10〜96、例えばエポキシ化大豆油(ESO)、4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ−2−エチルヘキシル(E−PS)等
(C15)リン酸エステル
C3〜96、例えばリン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリフェニル(TPP)、リン酸トリクレジル(TCP)、リン酸ジフェニルモノクレジル、リン酸−2−エチルヘキシルジフェニル、リン酸トリプロピレングリコール、リン酸トリブトキシエチル、リン酸トリクロルエチル、リン酸トリエチル、リン酸トリキシリル等
(C16)含塩素系炭化水素
C10〜96、例えば塩素化パラフィン、塩素化芳香族炭化水素(例えば塩素化ナフタリン、塩素化ビフェニル等)等が挙げられる。
これらのうち(A)および(C1)の機能発現の観点から好ましいのは(C11)〜(C13)、さらに好ましいのは脂肪族ジ−およびトリカルボン酸エステルおよび芳香族ジカルボン酸エステル、特に好ましいのはアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、クエン酸エステルおよびフタル酸エステルである。
滑剤(C2)としては、炭化水素[例えば流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス(Mn100〜10,000)等];高級脂肪酸[C8〜48、例えばラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エシル酸等];高級脂肪酸アミド[C8〜48、例えばパルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアロアミド等];高級脂肪酸エステル[C8〜48、例えばステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、エチレングリコールモノオクチレート、エチレングリコールモノステアレートなど];高級アルコール[C8〜48、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等];、金属石鹸〔C8〜48、例えば高級脂肪酸(上記のもの)の金属塩[例えばアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えばカルシウム、マグネシウム等)、鉛、アルミニウム等]〕が挙げられる。これらのうち(A)との相溶性、(A)の機能発現および(C2)の滑剤としての機能発現の観点から好ましいのは高級脂肪酸、高級脂肪酸アミドおよび高級脂肪酸エステルである。
密着性、分散性および/または相溶性付与剤(C3)としては、Mn1,000〜100,000のポリマー、例えばビニル樹脂{例えばポリオレフィン〔例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/ブテン共重合体[共重合比(重量比)1〜99/99〜1]、プロピレン/ブテン共重合体[共重合比(重量比)1〜99/99〜1]、エチレン/プロピレン/ブテン共重合体[共重合比(重量比)1〜98/1〜98/1〜98]、変性ポリオレフィン[例えば酸化ポリエチレン(ポリエチレンをオゾン等で酸化し、カルボキシル基、カルボニル基および/または水酸基等を導入したもの)、酸化ポリプロピレン(上記酸化ポリエチレンにおいてポリエチレンをポリプロピレンに代えて同様に得られるもの)、エポキシ変性ポリエチレン(エポキシ当量100〜20,000)、エポキシ変性ポリプロピレン(エポキシ当量100〜20,000)、ヒドロキシル変性ポリエチレン(水酸基価0.1〜60)、ヒドロキシル変性ポリプロピレン(水酸基価0.1〜60)、ヒドロキシル変性エチレン/ブテン共重合体(水酸基価0.1〜60、共重合重量比1〜99/99〜1)、ヒドロキシル変性プロピレン/ブテン共重合体(水酸基価0.1〜60、共重合重量比1〜99/99〜1)]、上記ポリオレフィン以外のビニル樹脂〔例えばポリハロゲン化ビニル[例えばポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリヨウ化ビニル等]、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメチルビニルエーテル、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル[例えばポリ(メタ)アクリル酸−メチル、−エチル、−n−およびi−プロピル、−n−およびt−ブチル等]、スチレン樹脂[例えばポリスチレン、アクリロニトリル/スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等]〕};
ポリエステル〔例えばポリアルキレン(C2〜24)テレフタレート[例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等]、ポリアルキレン(C2〜24)イソフタレート[例えばポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンイソフタレート等]、ポリ−p−フェニレンエステル[例えばポリ−p−フェニレンマロネート、ポリ−p−フェニレンアジペート、ポリ−p−フェニレンテレフタレート等]〕;
ポリアミド[例えばポリカプラミド(6−ナイロン)、ポリヘキサメチレンアジポアミド(6,6−ナイロン)、ポリヘキサメチレンセバカミド(6,10−ナイロン)、ポリウンデカンアミド(11−ナイロン)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(7−ナイロン)、ポリ−ω−アミノノナン酸(9−ナイロン)等];ポリエーテル[例えばポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシフェニレン、ポリ−1,3−ジオキソラン等];
ポリカーボネート;ポリフェニレン樹脂(PPO);およびそれらのブロック共重合体等が挙げられる。
これらのうち(A)と(C3)の相溶性、(A)の機能発現および(C3)の密着性、分散性および/または相溶性付与剤としての機能発現の観点から好ましいのは変性ポリオレフィンおよびポリエステルである。
酸化防止剤(C4)としては、例えばヒンダードフェノール系〔例えばp−t−アミルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、2,6−ビス(1−メチルヘプタデシル)−p−クレゾール、ブチル化クレゾール、スチレン化クレゾール、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−シクロヘキシルフェノール)、2(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシシナメート、ブチル化ヒドロキシアニソール、プロピルガレート、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、2−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHA)、6−t−ブチル−2,4−ジメチルフェノール(24M6B)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール(26B)、2−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(6−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェノール、1,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシチレン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン等〕;
含イオウ系〔例えばN,N’−ジフェニルチオウレア、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、ジステアリルチオジプロピオネート、6−(4−オキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)2,4−ビス(n−オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)等〕;
含リン系〔例えば2−t−ブチル−α−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルビス(p−ノニルフェニル)ホスファイト、ホスファイトエステル樹脂、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジオクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルホスホネート等〕が挙げられる。
紫外線吸収剤(C5)としては、例えばサリチレート系[例えばフェニルサリチレート、4−t−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等];ベンゾフェノン系[例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン(トリヒドレート)、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロー2−ヒドロキシベンゾフェノン等];ベンゾトリアゾール系[例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール等]等が挙げられる。
着色剤(C6)としては、白色顔料(例えば酸化チタン、亜鉛華、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)、黒色顔料(例えばカーボンブラック、鉄黒、アニリンブラック等)、黄色顔料(例えば黄鉛、カドミイエロー、酸化鉄イエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、オイルイエロー2G等)、橙色顔料(例えば赤口黄鉛、クロムバーミリオン、カドミオレンジ、ピラゾロンオレンジ等)、赤色顔料(例えばベンガラ、カドミレッド、パーマネントレッド、レーキレッドC、カーミン6B、ピグメントスカーレット3B、パーマネントレッドF5R、キナクリドンレッド、チオインジゴマルーン等)、紫色顔料(例えばコバルトバイオレット、ミネラルバイオレット等)、青色染顔料(例えば群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー等)、緑色顔料(例えばフタロシアニングリーン、クロムグリーン等)、金属粉末顔料(例えばアルミ粉、ブロンズ粉、パールエッセンス等)等が挙げられる。
充填剤(C7)としては、例えば金属粉(例えばアルミニウム粉等)、金属酸化物(例えばアルミナ、ケイ灰石、シリカ、タルク、マイカ、カオリンクレー、焼成カオリン等)、金属水酸化物(例えば水酸化アルミニウム等)、金属塩(例えば炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム等)、繊維[例えば無機繊維(炭素繊維、繊維素、α−繊維素、ガラス繊維、アスベスト等)、有機繊維(例えばコットン繊維、ジュート繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維等)]、マイクロバルーン(例えばガラス、シラス、フェノール樹脂等)、カーボン(例えばカーボンブラック、石墨等)、金属硫化物(例えば二硫化モリブデン等)、有機粉(例えば木粉等)、無機粉(例えば石炭粉等)等が挙げられる。
難燃剤(C8)としては、有機系〔例えば含リン系[例えばリン酸エステル(例えばトリクレジルホスフェート等)]、含臭素系(例えばテトラブロモビスフェノ−ルA、デカブロモビフェニルエーテル等)、含塩素系(例えば塩素化パラフィン、無水ヘット酸等)〕および無機系〔例えば三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、水酸化アルミニウム、赤リン、水酸化マグネシウム、ポリリン酸アンモニウム等〕が挙げられる。
帯電防止剤(C9)としては、前記のもの、米国特許第3,929,678号及び第4,331,447号明細書に記載の、非イオン性、カチオン性、アニオン性及び両性の界面活性剤等が挙げられる。
第五の本発明の熱可塑性樹脂組成物は、塗装性改良剤(A)を、必要により上記の他の樹脂用添加剤(C)を併用して熱可塑性樹脂(B)に含有させてなるものである。(A)と(C)を併用する場合は、(A)と(C)の混合物を添加してもよいし、別々に添加してもよい。
(B)としては、ポリオレフィン樹脂(B1)、ポリエステル樹脂(B2)、ポリアミド樹脂(B3)、ビニル樹脂(B4)[但し(B1)を除く]、ポリエーテル樹脂(B5)等が挙げられる。(B)のMnは通常10,000〜1000,000、好ましくは50,000〜500,000である。
ポリオレフィン樹脂(B1)としては、エチレン、プロピレンおよびC4〜12のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンを(共)重合させてなるポリオレフィン樹脂が挙げられる。C4〜12のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。
ポリエステル樹脂(B2)としては、ポリアルキレン(C2〜24)テレフタレート[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など]、ポリアルキレン(C2〜48)イソフタレート[ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンイソフタレートなど]、ポリ−p−フェニレンエステル[ポリ−p−フェニレンマロネート、ポリ−p−フェニレンアジペート、ポリ−p−フェニレンテレフタレートなど]等が挙げられる。
ポリアミド樹脂(B3)としては、ポリカプラミド(6−ナイロン)、ポリヘキサメチレンアジポアミド(6,6−ナイロン)、ポリヘキサメチレンセバカミド(6,10−ナイロン)、ポリウンデカンアミド(11−ナイロン)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(7−ナイロン)、ポリ−ω−アミノノナン酸(9−ナイロン)などが挙げられる。
(B1)を除くビニル樹脂(B4)としては、ポリハロゲン化ビニル[例えばポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリヨウ化ビニル等]、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリメチルビニルエーテル、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル[例えばポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸−n−およびi−プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸−n−およびt−ブチル等]等が挙げられる。
ポリエーテル樹脂(B5)としては、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシフェニレン、ポリ−1,3−ジオキソランなどが挙げられる。
これらの(B)のうち、(A)との相溶性および(A)の機能発現の観点から好ましいのは、(B1)、(B2)、(B3)および(B4)、さらに好ましいのは(B1)、(B2)および(B3)である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物中の(A)の使用量は、熱可塑性樹脂(B)の重量に基づいて、(A)の機能発現および後述する成形品の機械物性の観点から好ましくは0.01〜15%、さらに好ましくは0.1〜10%である。(C)の合計使用量は、(B)の重量に基づいて通常30%以下、(C)の効果および経済性の観点から好ましくは0.01〜15%、さらに好ましくは0.1〜10%である。
(B)の重量に基づく(C1)〜(C8)のそれぞれの使用量は、通常(C1)、(C2)および(C3)は15%以下、(C4)、(C5)および(C8)は10%以下、(C6)および(C7)は30%以下、(C)の効果および経済性の観点から、(C1)、(C2)および(C3)は好ましくは0.01〜10%、さらに好ましくは0.1〜5%、(C4)、(C5)および(C8)は好ましくは0.01〜10%、さらに好ましくは0.1〜3%、(C6)および(C7)は好ましくは0.01〜25%、さらに好ましくは0.1〜20%である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法には、(1)(A)と(B)および必要により(C)とをそれぞれ全量溶融混合する方法、(2)(A)と少量の(B)および必要により(C)を溶融混合して、マスターバッチ樹脂組成物を作成した後、残りの(B)を加えて溶融混合する方法および(3)(A)の一部と少量の(B)および必要により(C)とを溶融混合して、マスターバッチ樹脂組成物を作成した後、残りの(B)および残りの(A)を加えて溶融混合する方法[(2)および(3)はマスターバッチ法]が含まれる。溶融温度は(A)および(B)の溶融温度および分解温度の観点から好ましくは40〜300℃、さらに好ましくは90〜280℃である。
上記の方法のうち、(A)の機能発現の観点から好ましいのは(2)の方法である。
溶融混合装置としては、例えばバッチ混練機〔例えばバンバリー[商品名、Farrel(株)製]およびニーダー〕、連続混練機〔例えばFCM[商品名、Farrel(株)製]、LCM[商品名、(株)神戸製鋼所製]およびCIM[商品名、(株)日本製鋼所製]〕、単軸押出機、二軸押出機等が挙げられる。
上記マスターバッチ樹脂組成物も本発明の一つである。
本発明のマスターバッチ樹脂組成物中の(A)と(B)の合計重量に基づく(A)の割合は、(A)の機能発現並びに後述する成形品の機械物性および作業性の観点から10〜95%、好ましくは20〜80%である。
第六の本発明の成形品は、上記熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものである。成形方法としては、例えば押出成形、射出成形、圧縮成形、スラッシュ成形、回転成形、トランスファー成形、スタンパブル成形、ブロー成形、延伸フィルム成形、積層成形、カレンダー成形、発泡成形等が挙げられる。発泡成形の際に用いられる発泡剤としては、例えば無機発泡剤(例えば窒素、二酸化炭素、空気、アルゴン、水、炭酸アンモニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、重炭酸ソーダ、亜硝酸ソーダ、塩化アンモニウム、ニトロユリア)および有機発泡剤[ニトロソ系発泡剤(例えばジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタールアミド等)、スルホヒドラジド系発泡剤(例えばベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p−p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、3−3’ジスルホンヒドラジドジフェニルスルホン、トルエンジスルホニルヒドラジド等)、スルホヒドラゾン系発泡剤(例えばp−トルエンスルホニルヒドラゾン等)、アジド系発泡剤(例えばp−トルエンスルホニルアジド等)、アゾ系発泡剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、ジエチルアゾジカルボキシレート等)]が挙げられ、その使用量は、熱可塑性樹脂組成物の全重量に基づいて通常20%以下、好ましくは1〜15%である。
本発明の成形品は、優れた機械物性を有するとともに良好な塗装性を有し、塗装および/または印刷を施して成形物品とすることができる。該成形品を塗装する方法としては、例えばスプレー塗装(エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレー塗装等)、浸漬塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等が挙げられる。
塗料としては、例えばポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料等のプラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が挙げられる。塗装膜厚(乾燥後膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが、通常10〜50μmである。
また、該成形品に印刷する方法としては、一般的にプラスチックの印刷に用いられる印刷法であればいずれも用いることができ、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、ドライオフセット印刷、オフセット印刷等が挙げられる。
印刷インキとしてはプラスチックの印刷に通常用いられるもの、例えばグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキ、オフセットインキ等が使用できる。
本発明の製造法で得られる変性ポリオレフィンからなる塗装性改良剤は、ポリオレフィン樹脂等の塗装性(塗膜密着性等)向上効果に優れることから、少量の添加で、ポリオレフィン樹脂の機械物性を損なうことなく、塗装性を向上させることができるという効果を奏する。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の部は重量部、衝撃強度における保持率およびモル%以外の%は重量%を表す。
実施例1
無水マレイン酸30部とモノエタノールアミン50部を冷却管付き三ツ口フラスコに入れ、窒素置換した後、窒素通気下160℃まで加熱昇温し、160℃で1時間撹拌した。 その後、プロピレン4量体[商品名:ライトテトラマー、新日本石油化学(株)製、以下同じ]50部を加え、均一に混合した後、キシレン10部に溶解したジ−t−ブチルパーオキシド2部を滴下し、180℃で4時間撹拌を続けた。減圧下でキシレン、未反応のプロピレン4量体および未反応のモノエタノールアミンを留去し、水酸基価250、Mn600、熱軟化点80℃の変性ポリオレフィンを得た。該変性ポリオレフィンを後述の実施例4において塗装性改良剤(A1)として用いた。
実施例2
プロピレン4量体50部を冷却管付き三ツ口フラスコに入れ、窒素置換した後、窒素通気下180℃まで加熱昇温し、無水マレイン酸30部を加え、均一に混合した後、キシレン10部に溶解したジ−t−ブチルパーオキシド2部を滴下し、180℃で4時間撹拌を続けた。その後、減圧下でキシレン、未反応のプロピレン4量体および未反応の無水マレイン酸を留去した。得られた生成物にモノエタノールアミン50部を加え、180℃で2時間撹拌を続けた。その後、減圧下で未反応のモノエタノールアミンを留去し、水酸基価260、Mn700、熱軟化点80℃の変性ポリオレフィンを得た。該変性ポリオレフィンを後述の実施例5において塗装性改良剤(A2)として用いた。
実施例3
プロピレン4量体50部に代えて、プロピレン4量体40部およびエチレン6量体[商品名:ダイアレン12、三菱化学(株)製]10部の混合物を用いたこと以外は、実施例2と同様に行い、水酸基価260、Mn1,000、熱軟化点80℃の変性ポリオレフィンを得た。該変性ポリオレフィンを後述の実施例6において塗装性改良剤(A3)として用いた。
比較例1
プロピレン4量体50部に代えて、Mn2,000のポリプロピレン[商品名:ビスコール660−P、三洋化成工業(株)製]50部を用いたこと以外は実施例2と同様に行い、水酸基価60、Mn2,300、熱軟化点145℃の変性ポリオレフィンを得た。該変性ポリオレフィンを後述の比較例3において塗装性改良剤(比A1)として用いた。
比較例2
プロピレン4量体50部を冷却管付き三ツ口フラスコに入れ、窒素置換した後、窒素通気下180℃まで加熱昇温し、無水マレイン酸30部を加え、均一に混合した後、キシレン10部に溶解したジ−t−ブチルパーオキシド2部を滴下し、180℃で4時間撹拌を続けた。その後、減圧下でキシレン、未反応のプロピレン4量体および未反応の無水マレイン酸を留去し、水酸基価0、Mn600、熱軟化点70℃の変性ポリオレフィンを得た。該変性ポリオレフィンを後述の比較例4において塗装性改良剤(比A2)として用いた。
実施例4、5、6、比較例3、4
市販のポリプロピレン[商品名:チッソポリプロK1011、チッソ(株)製]100部、実施例1、2、3および比較例1、2で得られた変性ポリオレフィン各3部をそれぞれ塗装性改良剤(A1)、(A2)、(A3)および(比A1)、(比A2)としてそれぞれヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、240℃、100rpm、滞留時間20分の条件で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物を得た。これらを用い射出成形機[商品名:PS40E5ASE、日精樹脂工業(株)製]を用い、シリンダー温度230℃、金型温度40℃で成形して所定の試験片を作成後、下記の試験方法に従い成形品の機械物性および塗装性を評価した。結果を表1に示す
<試験方法>
(1)衝撃強度
成形品試験片(厚み3.2mm)について、ASTM D256(ノッチ付、厚み3.2mm)に基づき、Method Aにて測定した(単位:kgf・cm/cm)。
(2)曲げ弾性率
成形品試験片(100×10×4mm)について、ASTM D790に基づき、支点間距離60mmにて測定した(単位:kgf/cm)。
(3)塗装性試験
成形品試験片(150×70×2mm)上に市販のメラミンアルキッド系上塗り塗料[商品名:フレキセン♯101、日本ビーケミカル(株)製]をシンナー[商品名:♯101−10、日本ビーケミカル(株)製]にて希釈(塗料/シンナー重量比=2/1)したものを、スプレー機を用いてスプレー塗装した後、室温で15分間静置し、循風乾燥機で120℃、20分間焼き付けを行った(乾燥後膜厚約40μm)。得られた塗装面についてJIS K5400に準拠した碁盤目テープ法による付着性試験を行った。碁盤目100のうち、塗膜が剥離しなかった部分の数を0〜100で表した。
Figure 2007063196
本発明の製造法で得られる変性ポリオレフィン、または本発明の変性ポリオレフィンからなる塗装性改良剤(A)は、熱可塑性樹脂(B)に対して少量の添加で熱可塑性樹脂の機械物性を低下させることなく樹脂の塗装性(塗膜密着性等)を向上させることができる。また、該(A)を(B)に含有させてなる熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品、並びに該成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品は、各産業分野、特に自動車分野における内外装材料や家庭電化製品分野において幅広く用いられる。

Claims (13)

  1. 炭素数6〜30のオレフィン多量体(a)と、水酸基含有不飽和単量体(b)を、ラジカル開始剤(c)の存在下または非存在下で反応させることを特徴とする変性ポリオレフィンの製造法。
  2. (b)が、水酸基含有不飽和ポリカルボン酸誘導体である請求項1記載の製造法。
  3. 炭素数6〜30のオレフィン多量体(a)と不飽和ポリカルボン酸(d)からなる反応物もしくは共重合体と、(d)由来の官能基と反応して該反応物もしくは該共重合体に水酸基を導入する化合物(e)を反応させることを特徴とする変性ポリオレフィンの製造法。
  4. (a)が、プロピレンからなる多量体(a1)、もしくは(a1)とプロピレン以外のオレフィンからなる多量体(a2)との混合物である請求項1〜3のいずれか1項記載の製造法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造法で得られ、20〜600の水酸基価、200〜50,000の数平均分子量および40〜170℃の熱軟化点を有する変性ポリオレフィン。
  6. 炭素数6〜30のオレフィン多量体(a)と、水酸基含有不飽和単量体(b)を構成単位とし、20〜600の水酸基価、200〜50,000の数平均分子量および40〜170℃の熱軟化点を有することを特徴とする変性ポリオレフィン。
  7. 請求項5または6記載の変性ポリオレフィンからなる塗装性改良剤(A)。
  8. 請求項7記載の塗装性改良剤(A)を熱可塑性樹脂(B)に含有させてなる熱可塑性樹脂組成物。
  9. (B)の重量に基づく(A)の割合が0.01〜15%である請求項8記載の組成物。
  10. さらに、可塑剤、滑剤、密着性、分散性および/または相溶性付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、充填剤、難燃剤並びに帯電防止剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤を含有させてなる請求項8または9記載の組成物。
  11. 請求項7記載の塗装性改良剤(A)と熱可塑性樹脂(B)からなり、(A)と(B)の合計重量に基づく(A)の割合が10〜95%であるマスターバッチ樹脂組成物。
  12. 請求項8〜10のいずれか1項記載の組成物を成形してなる成形品。
  13. 請求項12記載の成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品。
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