JP2005097596A - ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 塗装性および機械的強度に優れる成形体用のポリオレフィン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 ポリオレフィン樹脂(A)、ポリオレフィンのブロックと、体積固有抵抗値が105〜1011Ω・cmの親水性ポリマーのブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーからなる帯電防止剤(B)、および該ポリオレフィン樹脂とのSP値の差が0.1〜1.5、かつ数平均分子量が800〜50,000であるオレフィン系重合体の変性物からなる密着性向上剤(C)からなるポリオレフィン樹脂組成物。

Description

本発明は、塗装性に優れたポリオレフィン樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、静電塗装可能で機械的強度が良好な成形体用のポリオレフィン樹脂組成物に関する。
従来、ポリオレフィン樹脂成形体の塗装方法のうち、塗着効率の良い静電塗装を得る方法として、(1)ポリエーテルエステルアミド、ポリアミドおよび/またはポリエステル樹脂および水酸基変性低分子量ポリオレフィンからなる組成物をポリオレフィン樹脂に添加した樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)や、(2)ポリオレフィンとポリエーテルの各ブロックが繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーをポリオレフィン樹脂に添加した樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)を成形した成形体に静電塗装するという方法などが提案されている。
特開平9−279024号公報 特開2001−278985号公報
しかしながら、上記(1)の方法では、塗装性を改良するために該組成物をポリオレフィン樹脂に比較的多量に添加することから、機械強度が低下するという欠点があり、(2)の方法では、成形体の形状が複雑な場合は、塗装の際に必要なコロナ処理が均一にできないことがあるなどの欠点があった。
本発明の目的は、塗装性および機械的強度に優れる成形体用のポリオレフィン樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、下記(A)、(B)および(C)からなり、(A)を40〜98重量%、(B)を1〜30重量%および(C)を1〜30重量%含有することを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物
(A):ポリオレフィン樹脂
(B):ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が105〜1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーからなる帯電防止剤
(C):(A)とのSP値の差が0.1〜1.5、かつ数平均分子量が800〜50,000であるオレフィン系重合体の変性物(c)からなる密着性向上剤
;該樹脂組成物を成形してなる成形体;該成形体に塗装および/または印刷を施してなる成形物品;並びに、該樹脂組成物を成形してなる成形体に塗装および/または印刷を施すことを特徴とする成形物品の製造方法である。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は下記の効果を奏することから極めて有用である。
(1)該樹脂組成物を成形してなる成形体は、永久帯電防止性、機械特性および耐水性に優れる。
(2)該樹脂組成物を成形してなる成形体は、塗装性とくに静電塗装性に優れる。
(3)塗装により形成される塗膜は、成形体との密着性およ耐水性に優れる。
ポリオレフィン樹脂(A)としては、後述する帯電防止剤(B)との相溶性が良好であれば特に限定されず、(A)には、オレフィンモノマー[例えばエチレン、プロピレンおよび炭素数(以下、Cと略記)4〜30のα−オレフィン(例えば1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン)]の1種以上の(共)重合体および該オレフィンモノマーの1種以上と共重合可能なその他のビニルモノマーの1種以上(オレフィンモノマー/その他のビニルモノマーの重量比は、通常5/95〜95/5、好ましくは50/50〜90/10)との共重合体が含まれる。
上記その他のビニルモノマーとしては、上記オレフィン以外のモノマー、例えば脂肪族炭化水素ビニルモノマー、芳香族ビニルモノマー、アクリルモノマー、その他の不飽和モノ−又はジ−カルボン酸、不飽和アルコールのカルボン酸エステル、不飽和アルコールのアルキルエーテルおよびハロゲン含有ビニルモノマーが挙げられる。
脂肪族炭化水素ビニルモノマーとしては、C4〜30のジエン[例えばアルカジエン(例えばブタジエンおよびイソプレン)およびシクロアルカジエン(例えばシクロペンタジエン)]が挙げられる。
芳香族ビニルモノマーとしては、C6〜20、例えばスチレンおよびその同族体、例えばo−、m−およびp−アルキル(C1〜10)スチレン(例えばビニルトルエン)、α−アルキル(C1〜10)スチレン(例えばα−メチルスチレン)およびハロゲン化スチレン(例えばクロロスチレン)(以下、スチレン類と略記)が挙げられる。
アクリルモノマーとしては、C3〜23、例えば(メタ)アクリル酸及びその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸の誘導体としては、例えばアルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート[例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートおよびブチル(メタ)アクリレート]、モノ−およびジ−アルキル(C1〜4)アミノアルキル(C2〜4)(メタ)アクリレート[例えばアミノエチル(メタ)アクリレートおよびジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート]、(メタ)アクリロニトリルおよび(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
その他の不飽和モノ−およびジ−カルボン酸としては、C4〜8、例えばクロトン酸、マレイン酸、フマール酸およびイタコン酸が挙げられ、その誘導体としては、C5〜C30、例えばモノ−およびジ−アルキル(C1〜20)エステル、酸無水物(例えば無水マレイン酸)およびイミド(例えばマレイン酸イミド)が挙げられる。
不飽和アルコールのカルボン酸エステルとしては、C3〜12、例えばビニルアルコールおよび(メタ)アリルアルコールのカルボン酸(C1〜4)エステル(例えば酢酸ビニル)が挙げられ、不飽和アルコールのアルキルエーテルとしては、C3〜30、例えばビニルアルコールおよび(メタ)アリルアルコールのアルキル(C1〜20)エーテルが挙げられる。
ハロゲン含有ビニルモノマーとしては、C2〜6、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデンおよびクロロプレンが挙げられる。
(A)の具体例としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンの共重合体[共重合比(重量比)90/10〜10/90]、エチレンおよび/またはプロピレンとC4〜12のα−オレフィンの1種以上との共重合体(ランダムおよび/またはブロック、エチレンおよび/またはプロピレンとC4〜12のα−オレフィンの1種以上との重量比90/10〜10/90)、エチレンおよび/またはプロピレンと共役ジエン(C4〜C30)との共重合体(エチレンおよび/またはプロピレンと共役ジエンとの重量比90/10〜10/90)、エチレン/酢酸ビニル共重合[共重合比(重量比)90/10〜10/90]樹脂(EVA)およびエチレン/エチル(メタ)アクリレート共重合[共重合比(重量比)90/10〜10/90]樹脂(EEA)が挙げられる。
これらのうち後述の(B)および(C)との相溶性の観点から好ましいのは、エチレンおよび/またはプロピレンの(共)重合体、エチレンおよび/またはプロピレンとC4〜12のα−オレフィンの1種以上との共重合体、およびエチレンおよび/またはプロピレンと共役ジエンとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の(共)重合体、さらに好ましいのはエチレンおよび/またはプロピレンの(共)重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/1−ブテン共重合体およびエチレン/プロピレン/共役ジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の(共)重合体である。
(A)のメルトフローレート(MFR)は、後述の(B)および(C)との相溶性の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K6758(ポリプロピレン樹脂の場合は温度230℃、荷重2.16kgf、ポリエチレン樹脂の場合は温度190℃、荷重2.16kgf、その他の共重合体樹脂の場合は、温度230℃、荷重2.16kgf)に準じて測定することができる。
(A)の結晶化度は、後述の(B)および(C)との相溶性の観点から好ましくは25〜90%、さらに好ましくは30〜70%である。結晶化度は、X線回折、赤外吸収スペクトル等の方法によって測定することができる〔南篠初五郎、“高分子の固体構造−高分子実験学講座2”、p42、共立出版(1958)〕。
(A)の数平均分子量[以下、Mnと略記、測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による。]は、後述の(B)および(C)との相溶性の観点から好ましくは20,000〜500,000、さらに好ましくは30,000〜200,000である。
ブロックポリマー(B)は、ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が105〜1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合およびイミド結合から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有する。
ポリオレフィン(a)のブロックには、カルボニル基(好ましくは、カルボキシル基、以下同じ。)をポリマーの両末端に有するもの(a1)、水酸基をポリマーの両末端に有するもの(a2)、アミノ基をポリマーの両末端に有するもの(a3)、並びに、カルボニル基をポリマーの片末端に有するもの(a4)、水酸基をポリマーの片末端に有するもの(a5)、アミノ基をポリマーの片末端に有するもの(a6)が含まれる。上記(a1)〜(a6)としては特開2001−278985号公報に(a1)〜(a6)としてそれぞれ記載されたものが使用できる。
(a)のうち、(a1)〜(a3)のMnは、通常800〜25,000、好ましくは1,000〜20,000、特に好ましくは2,500〜10,000である。Mnが800〜25,000の範囲であると、耐熱性の点及び後述する親水性ポリマー(b)との反応性の点で好ましい。
また、(a4)〜(a6)のMnは、通常800〜50,000、好ましくは1,000〜30,000、特に好ましくは2,000〜20,000である。
Mnが800〜50,000の範囲であると、耐熱性の点及び後述する親水性ポリマー(b)との反応性の点で好ましい。
これらの(a)のうち変性のし易さの観点から好ましいのは(a1)、(a4)およびこれらの混合物である。
親水性ポリマー(b)には、ポリエーテル(b1)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)、カチオン性ポリマー(b3)およびアニオン性ポリマー(b4)が含まれる。
上記の(b1)〜(b4)としては、特開2001−278985号公報に(b1)〜(b4)としてそれぞれ記載されたものが使用できる。
ポリエーテル(b1)には、ポリエーテルジオール(b1−1)、ポリエーテルジアミン(b1−2)およびこれらの変性物(b1−3)が含まれる。
(b1)を構成するオキシアルキレン基には、C2〜4、例えばオキシエチレン基およびオキシプロピレン基が挙げられる。(b1−1)中のオキシアルキレン単位の含量は、成形性および成形体の帯電防止性の観点から好ましくは5〜99.8重量%、さらに好ましくは8〜99.6重量%、とくに好ましくは10〜98重量%であり、また、ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン基の含量は成形体の帯電防止性の観点から好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10〜100重量%、とくに好ましくは60〜100重量%である。
(b1)のMnは、耐熱性および(a)との反応性の観点から、好ましくは150〜20,000、さらに好ましくは300〜18,000、とくに好ましくは1,000〜15,000、最も好ましくは1,200〜8,000である。
ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)には、(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルエステルアミド(b2−1)、(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルアミドイミド(b2−2)、(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルエステル(b2−3)、(b1−2)のセグメントを有するポリエーテルアミド(b2−4)、および(b1−1)または(b1−2)のセグメントを有するポリエーテルウレタン(b2−5)が含まれる。
(b2)のMnは、耐熱性の観点から好ましい下限は800、さらに好ましくは1,000、(a4)〜(a6)との反応性の観点から好ましい上限は50,000、さらに好ましくは30,000である。
(b2)中の(b1)セグメントの含量は、成形性の観点から好ましくは30〜80重量%、さらに好ましくは40〜70重量%である。
また、(b2)中のオキシエチレン基の含量は、成形性および成形体の帯電防止性の観点から、好ましくは30〜80重量%、さらに好ましくは40〜70重量%である。
カチオン性ポリマー(b3)には、4級アンモニウム塩基またはホスホニウム塩基などのカチオン性基を有する親水性ポリマーが含まれる。
(b3)のMnは、成形性および成形体の帯電防止性および(a1)〜(a3)との反応性の観点から、好ましくは500〜20,000、さらに好ましくは1,000〜15,000、とくに好ましくは1,200〜8,000である。
カチオン性基の含量は分子内に好ましくは2〜80個、さらに好ましくは3〜60個である。
アニオン性ポリマー(b4)には、スルホ基を有するアニオン性ポリマーが含まれ、スルホ基の含量は分子内に好ましくは2〜80個、さらに好ましくは3〜60個である。
(b4)のMnは、成形体の帯電防止性および(a1)〜(a3)との反応性の観点から、好ましくは500〜20,000、さらに好ましくは1,000〜15,000、とくに好ましくは1,200〜8,000である。
上記(b1)〜(b4)のうちブロックポリマー(B)の製造のし易さの観点から好ましいのは(b1)である。
(b)の体積固有抵抗値は、105〜1011Ω・cm、帯電防止性の観点から好ましくは106〜109Ω・cmである。体積固有抵抗値が105Ω・cm未満では(B)の耐水性が悪くなり、体積固有抵抗値が1011Ω・cmを越えると帯電防止性が低下する。
体積固有抵抗値は、厚さ2mmの試験片を用い、超絶縁計[例えば、東亜電波(株)製DSM−8103]で23℃、50%RHの雰囲気下で測定することができる(ASTM D257)。
ブロックポリマー(B)の具体例には、特開2001−278985号公報記載のブロックポリマー(A)として記載されたものが含まれる。
本発明における(B)のうち(B1)は、(a1)のブロックと(b1)のブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有する。(B1)の構造において、(a1)と(b1)との繰り返し単位の平均繰り返し数Nnは、通常2〜50、成形性および成形体の帯電防止性の観点から好ましくは2.3〜30、さらに好ましくは2.7〜20、特に好ましくは3〜10である。
Nnは、(B)のMnおよび1H−NMR分析によって求めることができる。例えば、(B1)の場合について説明すると、1H−NMRにおいて、4.0〜4.1ppmのエステル結合[−C(C=O)−OCH2−]のプロトンに帰属されるシグナル、および3.2〜3.7ppmのポリエチレングリコールのプロトンに帰属されるシグナルが観測できる。これらのプロトンの積分値の比を求めて、この比とMnとからNnを求めることができる。他の(a)のブロックと(b)のブロックとからなる場合も、同様にしてNnを求めることができる。
(B)のうち(B2)は、(b2)のブロックと、カルボニル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィンブロック(a4)とが(a4)−(b2)型または(a4)−(b2)−(a4)型に結合した構造を有する。(B2)の構造において、(a4)と(b2)との繰り返し単位の平均繰り返し数Nnは、通常0.4〜2.1、成形性および成形体の帯電防止性の観点から好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.6〜1.9、特に好ましくは0.7〜1.8である。
(B)のうち(B3)は、(a)のブロックと(b3)のブロックとが交互に結合した構造を有する。(B3)の構造において、(a)と(b3)との繰り返し単位の平均繰り返し数Nnは、通常2〜50、成形性および成形体の帯電防止性の観点から好ましくは2.3〜30、さらに好ましくは2.7〜20、特に好ましくは3〜10である。
(B)のうち(B4)は、(a)のブロックと(b4)のブロックとが交互に結合した構造を有する。(B4)の構造において、(a)と(b4)との繰り返し単位の平均繰り返し数Nnは、通常2〜50、成形性および成形体の帯電防止性の観点から好ましくは2.3〜30、さらに好ましくは2.7〜20、特に好ましくは3〜10である。
(B)を構成する(b)の割合は、(a)と(b)との合計重量に基づいて、成形体の帯電防止性の観点から好ましくは20〜90%、さらに好ましくは25〜80%、とくに好ましくは30〜70%である。(B)の体積固有抵抗値は、(b)の体積固有抵抗値と(B)中の(b)の割合によって調整することができる。
(B)のMnは、成形体の帯電防止性の観点から好ましくは2,000〜60,000、さらに好ましくは5,000〜40,000、特に好ましくは8,000〜30,000である。
本発明における(C)は、(A)とのSP値の差[以下、ΔSPと略記。ここにおいてSP値の差とは、差の絶対値を意味する。]が0.1〜1.5(好ましくは0.2〜1.3、さらに好ましくは0.3〜1.2)、かつMnが800〜50,000であるオレフィン系重合体の変性物(c)からなる密着性向上剤である。(c)のMnが800未満では、本発明の樹脂組成物からなる成形体と塗料との密着性が悪くなり、50,000を超えるとオレフィン系重合体の変性率が低下し、(C)が成形体表面に効果的に移行(いわゆる表面濃縮)しなくなり、成形体と塗料との密着性が悪くなる。
(c)のうち成形体と塗料との密着性の観点から好ましいのは、アミノ基、スルホ基、(無水)カルボキシル基およびこれらの塩、4級アンモニウム塩基、エポキシ基、イソシアネート基および水酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するオレフィン系重合体の変性物であり、具体的には、例えば、特開昭60−235826および特開平3−258850号公報に記載の重合体や、特開平6−345927号公報記載のスルホ基を有する重合体、並びに、ポリアルカジエンモノ−および/またはポリオールが含まれる。
これらのうちさらに好ましいのは、高分子量ポリオレフィンの熱減成物を変性したもの(c1)およびポリアルカジエンモノ−および/またはポリオール(c2)である。
(c1)には、高分子量ポリオレフィンの熱減成物である低分子量ポリオレフィン(c10)を不飽和ジカルボン酸(M1)で変性したもの(c11)、2価〜4価またはそれ以上の官能基を有する、低分子ポリオール(M21)、低分子ポリアミン(M22)、水酸基とアミノ基を有する低分子化合物(M23)、ポリエポキシド(M24)および4級アンモニウム塩基を有するポリエポキシド(M25)からなる群より選ばれる1種以上の低分子化合物(M2)を(c11)に反応させたもの(c12)、および、スルホ基およびイソシアネート基からなる群から選ばれる官能基を有する低分子化合物(M3)を(c12)に反応させたもの(c13)が含まれる。
(c11)は、高分子量ポリオレフィンの熱減成物である低分子量ポリオレフィン(c10)を不飽和ジカルボン酸(M1)で変性することにより得られる。
(c10)は、重合法または高分子量ポリオレフィンの熱減成法により得られる。不飽和ジカルボン酸による変性のし易さの観点から好ましいのは熱減成法で得られるものである。熱減成法による低分子量ポリオレフィンは、例えば、Mn50,000〜150,000の高分子量ポリオレフィンを不活性ガス中、通常300〜450℃で0.5時間〜10時間熱減成する方法(例えば、特開平3−62804号公報)によって得られる。
(c10)のMnは、通常700〜30,000、本発明の樹脂組成物からなる成形体と塗料との密着性の観点から好ましくは1,000〜15,000である。
(c10)の二重結合の量は、好ましくは末端および/または分子内にC1,000当たり0.5個以上、さらに好ましくは末端にC1,000当たり1.5個以上である。
不飽和ジカルボン酸(M1)には、不飽和ジカルボン酸(無水物)および不飽和ジカルボン酸エステルが含まれ、不飽和ジカルボン酸としては、C4〜C12、例えばマレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸およびこれらの無水物、また、不飽和ジカルボン酸エステルとしては、C5〜C16、例えばマレイン酸ブチル、マレイン酸ジブチルおよびイタコン酸ブチルが挙げられる。これらのうち変性のし易さの観点から好ましいのは、無水マレイン酸である。
(M1)の使用量は、(c10)の重量に基づいて通常0.5〜30重量%、成形体と塗料との密着性の観点から好ましくは10〜25重量%である。
上記(c11)には、必要により溶液法または溶融法でさらにアルカリ性物質(例えば苛性ソーダおよび苛性カリ)と反応させて得られる塩も含まれる。該溶液法は、例えばキシレン等の溶媒に(c11)を溶解し(濃度1〜60重量%)、アルカリ溶液(例えば苛性ソーダ0.4重量%メタノール溶液)で中和して塩を作成する方法であり、該溶融法は高温(約200℃)で(c11)を溶融させ、アルカリ性物質を固体もしくは溶液で反応させて塩を作成する方法である。
(c11)のMnは、通常800〜50,000、成形体と塗料との密着性の観点から好ましくは1,500〜10,000、また、酸価は、通常2〜400、成形体と塗料との密着性の観点から好ましくは6〜120である。
(c12)は(M2)を(c11)に反応させることにより得られる。
(M2)のうち、低分子ポリオール(M21)としては、ジオール(C2〜C8、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよびピナコール、トリオール(C3〜10、例えばグリセリンおよび1,2,4−ブタントリオール)および4価またはそれ以上のポリオール[C5〜C22、例えばペンタエリスリトール、ソルビタン、グルコース、フラクトース、ガラクトース、マンノース、ソルビット、シュクロース、およびポリ(2〜7)グリセリン]が挙げられる。
低分子ポリアミン(M22)としては、ジアミン[C2〜C12、例えば脂肪族(例えばエチレンジアミンおよび1,4−ブチレンジアミン)、脂環式(例えばイソホロンジアミン)および芳香(脂肪)族(例えばフェニレンジアミンおよびキシリレンジアミン)、トリアミン〔C9〜40、例えば脂肪族[例えばビス(ヘキサメチレントリアミン)]および芳香族(例えば2,4,6−トリメチルベンゼン−1,3,5−トリアミン)〕および4価またはそれ以上のポリアミン[C6〜C40、例えば脂肪族(例えばトリエチレンテトラミン)]が挙げられる。
水酸基とアミノ基を有する低分子化合物(M23)としては、アルカノールアミン(C2〜C18、例えばモノエタノールアミンおよびジエタノールアミン)およびアミノ酸(C3〜C14、例えばセリン、スレオニンおよびチロシン)が挙げられる。
ポリエポキシド(M24)としては、ポリグリシジルエーテル〔C5〜C30、例えば2官能(例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルおよび1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)および3官能またはそれ以上[例えばソルビトールポリ(3〜6)グリシジルエーテル]〕およびポリグリシジルエステル[C8〜C18、例えば2官能(例えばコハク酸ジグリシジルエステル)および3官能またはそれ以上(例えばトリカルバリル酸トリグリシジルエステル)]が挙げられる。
4級アンモニウム塩基を有するエポキシド(M25)としては、グリシジルトリカルビルアンモニウムクロライド(C6〜C21、例えばグリシジルトリブチルアンモニウムクロライドおよびグリシジルベンジルジメチルアンモニウムクロライド)、飽和もしくは不飽和複素環式アンモニウム塩基含有エポキシド(C9〜C21、例えばグリシジルメチルピペリジニウムクロライド、1−グリシジル−3−ベンジルベンゾイミダゾリウムクロライド、グリシジルピリジニウムクロライドおよびグリシジルキノリニウムクロライド)が挙げられる。
(M2)の使用量は、(c11)中のカルボキシル基と、該カルボキシル基と反応性の官能基[(M21)の水酸基、(M22)および(M23)のアミノ基、または(M24)および(M25)のエポキシ基を指す。]の当量比が、成形体と塗料との密着性の観点から好ましくは1/0.005〜1/5、さらに好ましくは1/0.01〜1/2となる量である。なお、過剰量の(M2)を用いた場合は、過剰に用いた分を減圧留去、溶剤抽出等の方法で除去することが成形体の樹脂物性の観点から望ましい。
(M21)を用いた場合、(c12)の水酸基価は成形体と塗料との密着性の観点から好ましくは1〜500、さらに好ましくは25〜250である。
(M22)を用いた場合、(c12)の全アミン価は成形体と塗料との密着性の観点から好ましくは1〜500、さらに好ましくは25〜250である。
(M23)を用いた場合、(c12)の水酸基価は成形体と塗料との密着性の観点から好ましくは1〜500、さらに好ましくは25〜250である。
(M24)または(M25)を用いた場合、(c12)のエポキシ当量は成形体と塗料との密着性の観点から好ましくは160〜20,000、さらに好ましくは200〜2,000である。
(c13)は(c12)に(M3)を反応させることにより得られる。
(M3)はスルホ基およびイソシアネート基からなる群から選ばれる官能基を有する低分子化合物である。
スルホ基を有する低分子化合物(M33)としては、例えば5−スルホイソフタル酸ジエチレングリコールエステルナトリウム塩が挙げられる。
イソシアネート基を有する低分子化合物(M34)としては、従来からポリウレタン製造に使用されているものが使用でき、通常2〜5個またはそれ以上(好ましくは2〜3個)のイソシアネート基(NCO基)を有する。
(M34)には、C(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、C4〜15の脂環式ポリイソシアネート、C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、C6〜20の芳香族ポリイソシアネート、およびこれらのポリイソシアネートの変性体(例えばカーボジイミド基、ウレタン基、ウレア基、イソシアヌレート基、ウレトイミン基、アロファネート基、ビウレット基、オキサゾリドン基および/またはウレトジオン基を有する変性体)、並びにこれらの2種以上の混合物が含まれる。これらの具体例としては以下のものが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネート:ジイソシアネート、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレートおよびビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート;および3官能以上のポリイソシアネート(例えばトリイソシアネート)、例えば1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアミンとの反応生成物のホスゲン化物)、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、および2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート;
脂環式ポリイソシアネート:ジイソシアネート、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネート;および3官能以上のポリイソシアネート(例えばトリイソシアネート)、例えばビシクロヘプタントリイソシアネート;
芳香脂肪族ポリイソシアネート:m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジエチルベンゼンジイソシアネートおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI);
芳香族ポリイソシアネート:ジイソシアネート、例えば1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−および/または2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンおよび1,5−ナフチレンジイソシアネート;および3官能以上のポリイソシアネート(例えばトリイソシアネート)、例えば粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート);並びに、ポリイソシアネートの変性体:例えば変性水添MDI(カルボジイミド変性水添MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性水添MDI)、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDIおよびイソシアヌレート変性IPDI。
(M3)の使用量は、(c12)中の水酸基、アミノ基またはエポキシ基と該官能基と反応性の官能基[(M31)および(M32)のエポキシ基、(M33)の水酸基または(M34)のNCO基を指す。]の当量比が成形体と塗料との密着性の観点から好ましくは1/0.01〜1/1.2である。なお、過剰量の(M3)を用いた場合は、過剰に用いた分を減圧留去、溶剤抽出等の方法で除去することが成形体の樹脂物性の観点から望ましい。
(c11)の製造方法としては、低分子量ポリオレフィン(c10)と不飽和ジカルボン酸(M1)とを、溶液法または溶融法で、必要により有機過酸化物の存在下、反応させて製造する方法が挙げられる。
ここにおいて溶液法とは、(c10)と(M1)を、必要により有機過酸化物とともに、有機溶媒に溶解し、加熱することにより製造する方法である。
有機過酸化物としては、一般にラジカル重合において開始剤として用いられているものが使用でき、特にその種類は制限されないが、製造時の反応速度の観点から半減期が1分となる温度が100℃以上のものが好ましく、例えばジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドおよびt−ブチルクミルパーオキサイドが挙げられる。
有機過酸化物の添加量は、(c10)と(M1)の合計重量に基づいて、製造時の反応速度の観点から好ましくは0.05〜1%である。
有機溶媒としては、例えばC6〜12の炭化水素およびハロゲン化炭化水素を用いることができ、使用量は(c10)と(M1)の合計量の濃度が1〜70重量%、好ましくは、10〜60重量%となる量である。
反応温度は、通常(c10)が溶解する温度、製造時の反応速度の観点から好ましくは110〜170℃であり、反応時間は通常0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
溶融法とは、(c10)と(M1)を必要により有機過酸化物とともに溶融混練して反応させることにより製造する方法である。
この方法は、混練機、例えば押出機、ブラベンダー、ニーダーおよびバンバリーミキサーを用いて実施することができ、混練温度は、通常(c10)の融点以上ないし300℃以下、樹脂の耐熱性の観点から好ましくは170〜240℃、混練時間は通常1〜20分、樹脂の耐熱性の観点から好ましくは3〜10分である。
(c12)および(c13)の製造方法としては、上記の溶液法または溶融法を同様に用いることができる。但し、有機過酸化物は使用しない。
ポリアルカジエンモノ−および/またはポリオール(c2)には、ポリブタジエン(重合形式は1,2−または1,4−のどちらでもよく、後者の場合は2重結合がシス、トランスのいずれであってもよい)、ポリイソプレンおよびブタジエン−アクリロニトリル共重合体[共重合比(重量比)90:10〜10:90、ブロックおよび/またはランダムのいずれでもよい]などの、末端に少なくとも1個の水酸基を有し、Mnが800〜5万、成形体と塗料との密着性の観点から好ましくは900〜1万、さらに好ましくは1,000〜5,000)のモノ−および/またはポリオールおよびその水素化物が含まれる。
これらのうち成形体と塗料との密着性の観点から好ましいのは、ポリイソプレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体のモノ−および/またはポリオール、およびさらに好ましいのはポリブタジエンモノ−および/またはポリオールおよびそれらの水素化物である。
(c2)の水酸基価は、後述する成形体の機械特性および塗料との密着性の観点から好ましくは1〜500、さらに好ましくは25〜250である。
(c2)中の不飽和結合の水素化率は成形体の耐候性および機械特性の観点から好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90〜100モル%である。
(c2)のうちポリブタジエンモノ−および/またはポリオール(c21)の製法としては、1,3−ブタジエンを重合する方法(例えば特公昭62−58614号公報および特開昭60−235826号公報記載の方法)、および得られる水酸基含有共重合体を水素化する方法が挙げられる。
ポリブタジエンモノ−および/またはポリオールの具体例としては、例えばPoly BD[出光石油化学(株)製]およびNISSO−PBGシリーズ[日本曹達(株)製]が挙げられる。Poly Bdには、ブタジエンホモポリマータイプおよびコポリマータイプ(例えばスチレン−ブタジエンコポリマーおよびアクリロニトリル−ブタジエンコポリマー)が含まれ、具体的な商品名としては、例えばG−1000、G−2000およびG−3000が挙げられる。
ポリブタジエンモノ−および/またはポリオールの水素化物の具体例としては、例えばポリテールH[三菱化学(株)製]が挙げられる。
(c2)のうち、ポリイソプレンモノ−および/またはポリオール(c22)の製法としては、上記ポリブタジエンモノ−および/またはポリオールの製法に準じて、イソプレンを共重合させることにより製造することができる。
ポリイソプレンモノ−および/またはポリオール具体例としては、例えばPoly ip[出光石油化学(株)製]が挙げられる。
(c2)のうち水酸基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体のモノ−および/またはポリオール(c23)は上記ポリブタジエンモノ−および/またはポリオールの製法に準じ、ブタジエンとアクリロニトリルを共重合させることにより製造することができる。
ポリオレフィン樹脂(A)とオレフィン系重合体の変性物(c)とのΔSPは0.1〜1.5、好ましくは0.2〜1.3、さらに好ましくは0.3〜1.2である。ΔSPは、(A)と(c)の組み合わせを選択することにより調整することができる。
例えば、ΔSPを上記さらに好ましい範囲とする(A)と(c)との組み合わせとしては、(A)がエチレン/プロピレン共重合体[共重合比(重量比20/80)のランダム共重合体]の場合、(c)としては、例えば高分子量ポリオレフィン[エチレン/プロピレン共重合比(重量比)20/80のランダム重合体]の熱減成物である低分子量ポリオレフィンを無水マレイン酸で変性することにより得られる変性物(Mn4,000、酸価52)とモノエタノールアミンを反応させた密着性向上剤[カルボキシル基/アミノ基の当量比=1/0.5]、上記と同じ変性物とエチレングリコールを反応させた密着性向上剤[カルボキシル基/水酸基の当量比=1/0.5]または上記と同じ変性物とペンタエリスリトールを反応させた密着性向上剤[カルボキシル基/水酸基の当量比=1/0.5]が挙げられ、それぞれΔSPは0.39、0.48および1.09となる。
なお、(A)および(c)のSP値は’A Method for Estimating both the Solubility Parameters and Molar Volumes of Liquids’,POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,vol.14,No.2に記載の方法から求めることができ、ΔSPはこれらのSP値から算出することができる。
(A)、(B)および(C)の合計重量に基づく(A)、(B)および(C)の割合は、(A)が40〜98%、(B)が1〜30%および(C)が1〜30%;好ましい下限は、(A)が50%、(B)が3%および(C)が1.2%、好ましい上限は、(A)が95%、(B)が25%および(C)が20%;さらに好ましい下限は、(A)が65%、(B)が5%および(C)が1.5%、また、さらに好ましい上限は、(A)が93.5%、(B)が20%および(C)が15%である。
(A)の割合が40%未満では成形体の機械特性が悪くなり、98%を超えると成形体の帯電防止性および塗料との密着性が悪くなる。
(B)の割合が1%未満では成形体の帯電防止性が悪くなり、30%を超えると成形体の機械特性が悪くなる。
(C)の割合が1%未満では成形体と塗料との密着性が悪くなり、30%を超えると成形体の機械特性が悪くなる。
本発明の樹脂組成物には、成形体の帯電防止性をさらに向上させる目的で、必要によりアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の塩(D)、界面活性剤(E)およびイオン性液体(F)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることができる。
(D)としては、アルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウムおよびカリウム)および/またはアルカリ土類金属(例えばマグネシウムおよびカルシウム)の有機酸(C1〜7のモノ−またはジカルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸および安息香酸、およびC1〜9のスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびトリフルオロメタンスルホン酸)塩、および無機酸[例えばハロゲン化水素酸(例えば塩酸および臭化水素酸)、過塩素酸、硫酸、リン酸およびチオシアン酸]塩が挙げられる。
(D)の具体例としては、例えばハライド(例えば塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウムおよび臭化マグネシウム)、酢酸塩(例えば酢酸リチウムおよび酢酸カリウム)、過塩素酸塩(例えば過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウムおよび過塩素酸カリウム)、硫酸塩(例えば硫酸カリウム)、リン酸塩(例えばリン酸カリウム)およびチオシアン酸塩(例えばチオシアン酸カリウム)が挙げられる。
これらのうち帯電防止性の観点から好ましいのはハライド(さらに好ましいのは塩化リチウム、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム)、酢酸塩(さらに好ましいのは酢酸カリウム)および過塩素酸塩(さらに好ましいのは過塩素酸カリウム)である。
(D)の使用量は、ポリオレフィン樹脂組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、帯電防止効果および成形体表面に析出せず良好な外観の成形体を与えるとの観点から好ましくは0.001〜3%、さらに好ましくは0.01〜2%である。
(D)を添加する方法については特に限定はないが、該ポリオレフィン樹脂組成物中への効果的な分散の観点から、(B)に予め分散させておくことが好ましく、(B)の製造(重合)時(製造前の原料または製造途中の重合系中)に予め(D)を添加し分散させておくのがさらに好ましい。
界面活性剤(E)としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えばエチレンオキサイド(以下、EOと略記)付加型非イオン性界面活性剤[例えば高級アルコール(C8〜18)、高級脂肪酸(C12〜24)または高級アルキルアミン(C8〜24)のEO付加物(分子量158〜Mn200,000);グリコールのEO付加物であるポリアルキレングリコール(分子量150〜Mn6,000)の高級脂肪酸エステル;多価アルコール(C2〜C18の2価〜8価またはそれ以上、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびソルビタン)高級脂肪酸エステルのEO付加物(分子量250〜Mn30,000);高級脂肪酸アミドのEO付加物(分子量200〜Mn30,000);および多価アルコール(前記のもの)アルキル(C3〜60)エーテルのEO付加物(分子量120〜Mn30,000)]、および多価アルコ−ル(C3〜60)型非イオン性界面活性剤[例えば多価アルコールの脂肪酸(C3〜60)エステル、多価アルコールのアルキル(C3〜60)エーテルおよび脂肪酸(C3〜60)アルカノールアミド]が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、前記(D)を除く化合物、例えばカルボン酸(例えばC8〜22の飽和または不飽和脂肪酸およびエーテルカルボン酸)またはその塩;硫酸エステル塩〔例えば高級アルコール硫酸エステル塩(例えばC8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩)および高級アルキルエーテル硫酸エステル塩[例えばC8〜18の脂肪族アルコールのEO(1〜10モル)付加物の硫酸エステル塩]〕;スルホン酸塩[C10〜20、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジアルキルエステル型、ハイドロカーボン(例えばアルカン、α−オレフィンなど)スルホン酸塩およびイゲポンT型];およびリン酸エステル塩[例えば高級アルコール(C8〜60)EO付加物リン酸エステル塩およびアルキル(C4〜60)フェノールEO付加物リン酸エステル塩]が挙げられる。
上記の塩としては例えばアルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばカルシウムおよびマグネシウム)塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(C1〜20)塩およびアルカノールアミン(C2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型[例えばテトラアルキル(C4〜100)アンモニウム塩(例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイドおよびステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド)、トリアルキル(C3〜80)ベンジルアンモニウム塩(例えばラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、アルキル(C2〜60)ピリジニウム塩(例えばセチルピリジニウムクロライド)、ポリオキシアルキレン(C2〜4)トリアルキルアンモニウム塩(例えばポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド)およびサパミン型第4級アンモニウム塩(例えばステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェート)];およびアミン塩型[例えば高級脂肪族アミン(C12〜60、例えばラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミンおよびロジンアミン)の無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸)塩または有機酸(C2〜22、例えば酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、オレイン酸、安息香酸、コハク酸、アジピン酸およびアゼライン酸)塩、脂肪族アミン(C1〜30)のEO付加物などの無機酸(前記のもの)塩または有機酸(前記のもの)塩および3級アミン(C4〜30、例えばトリエタノールアミンモノステアレートおよびステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミンなど)の無機酸(前記のもの)塩または有機酸(前記のもの)塩]が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤[例えば高級アルキルアミン(C12〜18)のプロピオン酸ナトリウム]、ベタイン型両性界面活性剤[例えばアルキル(C12〜18)ジメチルベタイン]、硫酸エステル塩型両性界面活性剤[例えば高級アルキル(C8〜18)アミンの硫酸エステルナトリウム塩およびヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステルナトリウム塩]、スルホン酸塩型両性界面活性剤(例えばペンタデシルスルホタウリンおよびイミダゾリンスルホン酸)およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤[例えばグリセリン高級脂肪酸(C8〜22)エステル化物のリン酸エステルアミン塩]が挙げられる。
上記の(E)は単独でも2種以上を併用してもいずれでもよい。これらのうち、帯電防止性の観点から好ましいのはアニオン性界面活性剤、さらに好ましいのはスルホン酸塩、とくに好ましいのはアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩およびハイドロカーボンスルホン酸塩である。
(E)の使用量は、ポリオレフィン樹脂組成物の全重量に基づいて、通常10%以下、帯電防止効果および成形体表面に移行せず、良好な外観を与えるとの観点から好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%である。
(E)を添加する方法についても特に限定はないが、ポリオレフィン樹脂組成物中への効果的な分散の観点から、(B)中に予め分散させておくことが好ましく、(B)の製造(重合)時(製造前の原料または製造途中の重合系中)に予め(E)を添加し分散させておくのがさらに好ましい。
イオン性液体(F)は、前記(D)および(E)を除く化合物で、室温以下の融点を有し、(F)を構成するカチオンまたはアニオンのうち少なくとも一つが有機物イオンで、初期電導度が1〜200ms/cm(好ましくは10〜200ms/cm)である常温溶融塩であって、例えばWO95/15572公報に記載の常温溶融塩が挙げられる。
(F)を構成するカチオンとしては、例えばアミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオンおよび3級アンモニウムカチオンが挙げられる。
アミジニウムカチオンとしては、例えばイミダゾリニウムカチオン[1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウムなど];イミダゾリウムカチオン[1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムなど];テトラヒドロピリミジニウムカチオン[1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムなど];およびジヒドロピリミジニウムカチオン[1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウムなど]が挙げられる。
グアニジニウムカチオンとしては、例えばイミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウムなど];イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウムなど];テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムなど];およびジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウムなど]が挙げられる。
3級アンモニウムカチオンとしては、例えばメチルジラウリルアンモニウムが挙げられる。
上記のアミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオンおよび3級アンモニウムカチオンは1種単独でも、また2種以上を併用してもいずれでもよい。
これらのうち、初期電導度の観点から好ましいのはアミジニウムカチオン、さらに好ましいのはイミダゾリウムカチオン、特に好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
イオン性液体(F)において、アニオンを構成する有機酸および/または無機酸としては下記のものが挙げられる。
有機酸としては、例えばカルボン酸、硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル、スルホン酸およびリン酸エステルが挙げられ、例えば、前記(D)および(E)に記載の有機酸を使用することができる。
無機酸としては、例えば超強酸(例えばホウフッ素酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸および六フッ化ヒ素酸)、リン酸およびホウ酸が挙げられる。
上記有機酸および無機酸は1種単独でも2種以上の併用でもいずれでもよい。
上記有機酸および無機酸のうち、(F)の初期電導度の観点から好ましいのは(F)を構成するアニオンのHamett酸度関数(−H0)が12〜100である、超強酸の共役塩基、超強酸の共役塩基以外のアニオンを形成する酸およびこれらの混合物である。
超強酸の共役塩基以外のアニオンとしては、例えばハロゲン(例えばフッ素、塩素および臭素)イオン、アルキル(C1〜12)ベンゼンスルホン酸(例えばp−トルエンスルホン酸など)イオンおよびポリ(n=1〜25)フルオロアルカンスルホン酸(例えばウンデカフルオロペンタンスルホン酸)イオンが挙げられる。
超強酸としては、プロトン酸およびプロトン酸とルイス酸との組み合わせから誘導されるもの、およびこれらの混合物が挙げられる。
超強酸としてのプロトン酸としては、例えばビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン、過塩素酸、フルオロスルホン酸、アルカン(C1〜30)スルホン酸[例えばメタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸など)、ポリ(n=1〜30)フルオロアルカン(C1〜30)スルホン酸(例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸およびトリデカフルオロヘキサンスルホン酸)、ホウフッ素酸および四フッ化ホウ素酸が挙げられる。
これらのうち合成の容易さの観点から好ましいのはホウフッ素酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸である。
ルイス酸と組合せて用いられるプロトン酸としては、例えばハロゲン化水素(例えばフッ化水素、塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素)、過塩素酸、フルオロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸およびこれらの混合物が挙げられる。
これらのうち(F)の初期電導度の観点から好ましいのはフッ化水素である。
ルイス酸としては、例えば三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素、五フッ化タンタルおよびこれらの混合物が挙げられる。
これらのうちで、(F)の初期電導度の観点から好ましいのは三フッ化ホウ素および五フッ化リンである。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であるが、これらの組み合わせからなる超強酸としては、例えばテトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タンタル酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化タンタルスルホン酸、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、塩化三フッ化ホウ素酸、六フッ化ヒ素酸およびこれらの混合物が挙げられる。
上記のアニオンのうち、(F)の初期電導度の観点から好ましいのは超強酸の共役塩基(プロトン酸からなる超強酸およびプロトン酸とルイス酸との組合せからなる超強酸)、さらに好ましいのはプロトン酸からなる超強酸およびプロトン酸と、三フッ化ホウ素および/または五フッ化リンとからなる超強酸の共役塩基である。
(F)の使用量は、ポリオレフィン樹脂組成物の全重量に基づいて、通常10%以下、帯電防止効果および成形体表面に移行せず、良好な外観を与えるとの観点から好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%である。
(F)を添加する方法についても特に限定はないが、樹脂中への効果的な分散の観点から、(B)中に予め分散させておくことが好ましく、(B)の製造(重合)後に(F)を予め添加し分散させておくのがさらに好ましい。
(F)の製法としては、例えば以下のものが挙げられる。
<(F)の製法>
ジメチルカーボネート等で4級化して得られるアミジニウムカチオンおよび/またはグアニジニウムカチオンのジメチルカーボネート塩に、酸を加えて酸交換を行うことで電解質塩を作成する。
または、アミジニウムカチオンおよび/またはグアニジニウムカチオンを一旦加水分解してモノアミドアミンを生成した後、そのモノアミドアミンを酸で中和することで電解質塩を作成する。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により、その他の樹脂用添加剤(G)を任意に加えることができる。
(G)としては、導電性物質、着色料、充填剤、核剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、分散剤、離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤および抗菌剤が挙げられる。
導電性物質としては、前記(D)および(F)を除く化合物で、例えばカーボンナノチューブ、カーボンブラックおよびホワイトカーボンが挙げられる。
着色料としては、例えば無機顔料、有機顔料および染料が挙げられる。
無機顔料としては、例えば白色顔料(例えば酸化チタン、リトポン、鉛白および亜鉛華);コバルト化合物(例えばオーレオリン、コバルトグリーン、セルリアンブルー、コバルトブルーおよびコバルトバイオレット);鉄化合物(例えば酸化鉄および紺青);クロム化合物(例えば酸化クロム、クロム酸鉛およびクロム酸バリウム);硫化物(例えば硫化カドミウム、カドミウムイエローおよびウルトラマリン)が挙げられる。
有機顔料としては、例えばアゾレーキ系、モノアゾ系、ジスアゾ系、キレートアゾ系等のアゾ顔料、ベンジイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、チオインジゴ系、ペリレン系、キノフタロン系およびアンスラキノン系の多環式顔料が挙げられる。
染料としては、例えばアゾ系、アントラキノン系、インジゴイド系、硫化系、トリフェニルメタン系、ピラゾロン系、スチルベン系、ジフェニルメタン系、キサンテン系、アリザリン系、アクリジン系、キノンイミン系、チアゾール系、メチン系、ニトロ系、ニトロソ系およびアニリン系が挙げられる。
充填剤としては、例えば無機充填剤(例えば炭酸カルシウム、タルク、クレー、けい酸、けい酸塩、アスベスト、マイカ、ガラス繊維、ガラスバルーン、カーボン繊維、金属繊維、セラミックウィスカおよびチタンウィスカ)および有機充填剤[例えば尿素、ステアリン酸カルシウムおよび有機架橋微粒子(例えばエポキシ系およびウレタン系)]が挙げられる。
核剤としては、例えばジベンジリデンソルビトールが挙げられる。
滑剤としては、例えば炭化水素(Mn200〜3,000、例えば流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックスおよびポリエチレンワックス)、脂肪酸[C12〜20、例えば高級脂肪酸(例えばステアリン酸およびオキシ脂肪酸)]、脂肪酸アミド[C8〜40、例えばステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドおよびメチレンビスステアリルアミド]、エステル〔例えば脂肪酸(C8〜20)低級アルコール(C2〜18)エステル[例えばステアリン酸ブチル]、脂肪酸(C8〜20)多価(2〜5)アルコール(C2〜18)エステル[例えば硬化ヒマシ油]および脂肪酸(C8〜20)グリコール(C2〜18)エステル[例えばエチレングリコールモノステアレート]〕が挙げられる。
可塑剤としては、例えばモノカルボン酸エステル[C10〜30、例えば脂肪酸エステル(例えばステアリン酸ブチルおよびオレイン酸メトキシエチル)および芳香族カルボン酸エステル(C18〜30、例えばジエチレングリコールジベンゾエートおよびトリエチレングリコールジベンゾエート)];ジカルボン酸エステル{例えば芳香族ジカルボン酸エステル〔C10〜40、例えばフタル酸エステル[例えばフタル酸ジブチルおよびフタル酸ジ−2−エチルヘキシル]〕および脂肪族ジカルボン酸エステル〔C10〜40、例えばアジピン酸エステル[例えばアジピン酸ジ−2−エチルヘキシルおよびアジピン酸ジイソデシル]、アゼライン酸エステル[例えばアゼライン酸ジ−n−ヘキシルおよびアゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル]およびセバシン酸エステル[例えばセバシン酸ジブチルおよびセバシン酸ジ−2−エチルヘキシル]〕};トリカルボン酸エステル{例えば脂肪族トリカルボン酸エステル〔C9〜60、例えばクエン酸エステル[例えばクエン酸トリエチルおよびアセチルクエン酸トリブチル]〕};エポキシド[C10〜40、例えばエポキシ化大豆油および4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ−2−エチルヘキシル];リン酸エステル[C10〜30、例えばリン酸トリブチル、リン酸トリブトキシエチルおよびリン酸トリクロルエチル];および含塩素系炭化水素[C10〜30、例えば芳香族炭化水素(例えば塩素化ナフタリンおよび塩素化ジフェニル)および塩素化パラフィン]が挙げられる。
難燃剤としては、リン酸エステル系[例えば、トリクレジルホスフェートおよびトリス(2,3ジブロモプロピル)ホスフェート]、臭素系(例えばデカブロモビフェニルエーテルおよびテトラブロモビスフェノールA)、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸塩系(例えばホウ酸亜鉛およびメタホウ酸バリウム)、水酸化アルミニウム、赤リン、ポリリン酸アンモニウムおよびヘット酸が挙げられる。
分散剤としては、Mn1,000〜100,000の分散剤、例えばナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物(Mn1,000〜10,000)、ポリスチレンスルホン酸金属[例えばアルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)]塩(Mn1,000〜100,000)、ポリアクリル酸金属[例えばアルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)]塩(Mn2,000〜50,000)、カルボキシメチルセルロースおよびポリビニルアルコールが挙げられる。
離型剤としては、例えばストレートシリコーンオイル(例えばMn800〜500,000の、ジメチルポリシロキサンおよびメチルフェニルポリシロキサン)および有機変性シリーコンオイル(例えばポリオキシアルキレン基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基および/またはメルカプト基を有するMn800〜50,000のシリコーンオイル)が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系〔例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)およびテトラキス[メチレン−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン[商品名:イルガノックス1010、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]〕、硫黄系[例えばジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)およびジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)]、リン系[例えばトリフェニルホスファイト(TPP)およびトリイソデシルホスファイト(TDP)]およびアミン系[例えばオクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノールおよびN,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン]が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系(例えば2−ヒドロキシベンゾフェノンおよび2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン)、サリチレート系(例えばフェニルサリチレートおよび2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート)、ベンゾトリアゾール系[例えば(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールおよび(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール]およびアクリル系[例えばエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートおよびメチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレート]が挙げられる。
抗菌剤としては、イソチアゾロン系化合物、ハロゲン化脂肪族ニトロ化合物(例えば2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールおよび2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール)および該ニトロ化合物のエステル、ジブロモニトリルプロピオンアミド、アルキレンビスチオシアネート(例えばメチレンビスチオシアネート)、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン、ヘキサブロモジメチルスルホン、イソフタロニトリル化合物(例えば5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリルおよびテトラクロロイソフタロニトリル)、ジメチルジチオカルバメート、4,5−ジクロロ−1,2−ジオール−3−オン、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、トリヨードアリルアルコール、ブロモニトロスチレン、アルデヒド化合物(例えばグルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒドおよびテレフタルアルデヒド)、ジクロログリオキシム、ベンズアルドキシム化合物(例えばα−クロロベンズアルドキシムおよびα−クロロベンズアルドキシムアセテート)およびハロゲン化ヒダントイン化合物(例えば1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインおよび1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン)が挙げられる。
上記その他の樹脂用添加剤(G)の使用量は、ポリオレフィン樹脂組成物の全重量に基づいて(G)全体では通常20%以下であり、それぞれについては、導電性物質は、通常5%以下、好ましくは0.1〜3%、着色料は、通常5%以下、好ましくは0.1〜2%;充填剤は、通常10%以下、好ましくは1〜5%;核剤は、通常2%以下、好ましくは0.01〜0.5%;滑剤は、通常2%以下、好ましくは0.01〜0.5%;可塑剤は、通常10%以下、好ましくは0.5〜5%;難燃剤は、通常10%以下、好ましくは1〜5%;分散剤は、通常10%以下、好ましくは0.5〜5%;離型剤は、通常2%以下、好ましくは0.01〜0.5%;酸化防止剤は、通常2%以下、好ましくは0.01〜0.5%;紫外線吸収剤は、通常2%以下、好ましくは0.01〜0.5%、抗菌剤は、通常10%以下、好ましくは0.5〜5%である。
本発明の樹脂組成物は、(A)、(B)、(C)および必要により(D)、(E)、(F)および/または(G)を溶融混合することにより得られる。
溶融混合する方法としては、通常の方法が用いられ、一般的にはペレット状または粉体状の重合体同士を適切な混合機、例えばヘンシェルミキサー等で混合した後、押出機で溶融混合してペレット化する方法が適用できる。
混練時の各成分の添加順序については特に限定はないが、例えば、(1)(A)〜(C)、および必要により(D)〜(G)を一括ブレンド・混練する方法、(2)少量の(A)と、(B)、(C)、および必要により(D)〜(G)をブレンド・混練した後、残りの(A)をブレンド・混練する方法、並びに(3)(B)〜(G)をブレンド・混練した後に(A)をブレンド・混練する方法が挙げられる。これらのうち(2)および(3)の方法は、マスターバッチ法またはマスターペレット法と呼ばれる方法であり、成形体の機械特性の観点から好ましい。
本発明の樹脂組成物の成形方法としては、例えば射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形およびフィルム成形(例えばキャスト法、テンター法およびインフレーション法)が挙げられ、目的に応じて任意の方法で成形できる。
本発明の樹脂組成物を成形してなる成形体は、良好な塗装性および印刷性を有すると共に、優れた機械的強度および永久帯電防止性を有する。
該成形体を塗装する方法としては、例えばエアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装および刷毛塗りが挙げられ、塗料の塗着効率の観点から好ましいのは静電スプレー塗装である。
塗料としては、例えば、ポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料およびアクリルウレタン樹脂塗料等のプラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が挙げられる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常10〜50μmである。
また、該成形体に印刷する方法としては、一般的にプラスチックの印刷に用いられる印刷法であればいずれも用いることができ、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、ドライオフセット印刷およびオフセット印刷が挙げられる。
印刷インキとしてはプラスチックの印刷に通常用いられるもの、例えばグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキおよびオフセットインキが使用できる。
さらに、本発明の樹脂組成物は、公知の塗料に添加または溶剤(例えばキシレンおよびトルエン)を加えて帯電防止用の塗料としても用いることができる。
以下実施例により、本発明をさらに説明するが、これらに限定されるものではない。以下の記載において部は重量部、%は重量%を示す。
製造例1[ポリオレフィンブロック(a1)]
ステンレス製オートクレーブに、高分子量ポリプロピレンの熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn2,500、密度0.89g/cm3)80部を仕込んだ後、160℃で溶融し、無水マレイン酸7部および12−アミノドデカン酸14部を加え、窒素ガス通気下、撹拌しながら160℃で1時間反応させた。その後、200℃で20時間反応を行い、ポリオレフィンブロック(a1)を得た。(a1)の酸価は32.1、Mnは2,800であった。
製造例2[帯電防止剤(B1)]
ステンレス製オートクレーブに、(a1)64部、ポリエチレングリコール(b1)(Mn2,000、体積固有抵抗値8×108Ω・cm)36部、酸化防止剤[商品名「イルガノックス1010」、チバガイギー(株)製、以下同じ。]0.3部および酢酸ジルコニル0.5部を加え、230℃、1mmHg以下の減圧下の条件で4時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
このポリマーをベルト状で取り出し、ペレット化することによって、ブロックポリマー[帯電防止剤(B1)]を得た。(B1)のMnは25,000であった。また、このMnと1H−NMR分析より、(B1)の平均繰り返し数(Nn)は5.0であった。
製造例3[ポリプロピレン変性物(c0)]
ステンレス製オートクレーブに、高分子量ポリプロピレンの熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn4,000、密度0.89g/cm3)95部に無水マレイン酸5部を加え、窒素ガス通気下180℃で溶融し、次いでこれにジクミルパーオキサイド1.5部を溶解した50%キシレン溶液を撹拌しながら15分かけて滴下した後、1時間反応させた。その後、溶剤を留去してポリプロピレン変性物(c0)を得た。(c0)の酸価は52、Mnは4,500であった。
製造例4[密着性向上剤(C1)]
ガラス製オートクレーブに、(c0)90部およびモノエタノールアミン10部を仕込み、密閉下180℃で1時間溶融反応させた。その後、過剰のモノエタノールアミンを減圧下留去して、水酸基を有するポリプロピレン変性物[密着性向上剤(C1)]を得た。(C1)の水酸基価は52、Mnは4,800、SP値は8.4であった。
製造例5[密着性向上剤(C2)]
ガラス製オートクレーブに、(c0)70部およびエチレングリコール30部を仕込み、密閉下180℃で1時間エステル化反応させた。その後、過剰のエチレングリコールを減圧下留去して、水酸基を有するポリプロピレン変性物[密着性向上剤(C2)]を得た。(C2)の水酸基価は104、Mnは4,800、SP値は8.5であった。
製造例6[帯電防止剤(B2)]
ステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタム83.5部、テレフタル酸16.5部、酸化防止剤0.3部および水6部を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換後、220℃で加圧(0.3〜0.5MPa)密閉下4時間撹拌し、両末端にカルボキシル基を有する酸価112のポリアミド96部を得た。
次に、Mn2,000のビスフェノールAのEO32モル付加物192部および酢酸ジルコニル0.5部を加え、245℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
このポリマ−をベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってポリエーテルエステルアミド[帯電防止剤(B2)]を得た。(B2)の還元粘度(ηSP/C、C=0.5%、m−クレゾール溶媒、25℃で測定、以下同じ。)は2.10、熱減量開始温度[JIS K7120(1987年)記載のプラスチックの熱重量測定方法に準じたTG−DTA測定による、以下同じ。]は285℃であった。
実施例1〜4、比較例1〜5
表1に示す配合処方(部)に従って、各成分をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、240℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、樹脂組成物(実施例1〜4および比較例1〜5)を得た。
Figure 2005097596
ポリオレフィン樹脂(A1):ポリプロピレン[商品名:サンアロマーPM771M、サ
ンアロマー(株)製、SP値8.0]
(A2):エチレン/プロピレン共重合体[商品名:EP912P、
JSR(株)製、SP値8.2]
密着性向上剤 (C3):ポリブタジエンポリオールの水素化物[商品名:ポリテー
ルH、三菱化学(株)製、SP値8.5、水酸基価46.
6]
アルカリ金属塩 (D) :ドデシルベンゼンスルホン酸
ポリアミド樹脂 (I) :[商品名:UBEナイロン6 1013B、宇部興産(株
)製]
上記樹脂組成物を射出成形機[PS40E5ASE、日精樹脂工業(株)製]を用いて、シリンダー温度240℃、金型温度50℃の条件で成形体を作成した。また、圧縮成形機[TABLE TYPE TEST PRESS SA−302、テスター産業(株)製]を用い、温度200℃、圧力20kg/cm2、時間30秒間で試験片を作成した。これらの試験片を下記の試験法に基づいて諸物性を測定した。その結果を表2に示す。
。評価方法に応じて該成形体から切り出した試験片について、機械特性(衝撃強度および曲げ弾性率)、帯電防止性(表面固有抵抗値および水洗後の表面固有抵抗値)および塗装性(一次密着性および塗着効率)を下記方法に従って評価した。結果を表2に示す。なお、表2の衝撃強度の結果中、NBは破壊しなかったことを示す。
[評価方法]
下記評価における試験片としては、(3)の表面固有抵抗値評価のみ射出成形体および圧縮成形体からそれぞれ切り出したものを用い、それ以外の評価においては射出成形体から切り出したものを用いた。
(1)衝撃強度
ASTM D256(1984年)に準拠。
Method Aにて測定
試験片:ノッチ付、3.2mm厚
(2)曲げ弾性率
ASTM D790(1984年)に準拠。
支点間距離60mmにて測定。
試験片:100×10×4mm、
(3)表面固有抵抗値
ASTM D257(1984年)に準拠。
超絶縁計[東亜電波(株)製DSM−8103、以下同じ。]により、23℃、
、湿度50%RHの雰囲気下で測定。
試験片:射出成形体:100×100×2mm
圧縮成形体:直径100mm円盤状、厚み2mm)
(4)体積固有抵抗値
ASTM D257(1984年)に準拠。
超絶縁計により、上記(3)と同様に測定。
試験片:100×100×2mm
(5)水洗後の表面固有抵抗値
ASTM D257(1984年)に準拠。
斜めに立てかけた試験片の表面を、流量100ml/分のイオン交換水(23℃) 100mlで水洗し、その後循風乾燥機内80℃で3時間乾燥する。該水洗−乾燥 の操作を10回繰り返した試験片について、超絶縁計により23℃、湿度50%R Hの雰囲気下で表面固有抵抗値を測定。
試験片:100×100×2mm
(6)塗装性
試験片(100×100×2mm)をアースし、空気流併用静電霧化静電塗装機[ 日本ランズバーグ(株)製ターボニアーGミニベル型自動静電塗装装置]を用いて 試験片に静電塗装した(印加電圧=−90KV、吐出量=100cc/分、回転数 =24,000rpm、霧化頭径=70mm、2液ウレタン塗料は日本油脂(株) 製ハイウレタン#5000使用)。塗装板を80℃で2時間、焼き付け処理した後 、以下の試験を行う。
(6−1)塗膜の一次密着性
塗装板の塗膜面について、JIS K5400(1990年)の8.5.2碁盤目 テープ法に準拠して付着性(一次密着性)の試験を行った。
(6−2)塗膜の耐水性
直径15cm、高さ20cmのポリプロピレン製の蓋付きボトルに深さ15cmま で50℃の水道水を入れ、塗装板をその中に240時間、垂直に沈めた状態で浸漬後 、JIS K5400(1990年)の8.5.2碁盤目テープ法に準拠して付着性 (一次密着性)の試験を行った。
(6−3)塗着効率
以下の式に従って算出する。

塗着効率=(試験片の塗装後重量−試験片の塗装前重量)×100
/(吐出した塗料の絶乾重量)

吐出した塗料の絶乾重量は、以下の方法で求められる。
塗料10gを直径15cmのシャーレに入れ、循風乾燥機で80℃、2時間乾燥し 、乾燥後の塗料の重量を秤り、次の式に従って算出する。

吐出した塗料の絶乾重量=塗装試験で吐出した塗料の重量×
乾燥後の塗料の重量/10
Figure 2005097596
表2から明らかなように、本発明の樹脂組成物を成形してなる成形体は、比較の樹脂組成物を成形してなる成形体と比較して、静電塗装性に優れ、機械特性、帯電防止性および耐水性にも優れることがわかる。
本発明の樹脂組成物を成形してなる成形体、および該成形体に塗装および/または印刷を施してなる成形物品は、家電・OA機器、ゲーム機器および事務機器等用のハウジング製品、ICトレーなどの各種プラスチック容器、各種包材用フィルム、床材用シート、人工芝、マットおよび自動車部品等、帯電防止性を必要とする成形体および成形物品として使用され、特に自動車部品等、静電塗装がなされる分野に幅広く用いることができる。

Claims (10)

  1. 下記(A)、(B)および(C)からなり、(A)を40〜98重量%、(B)を1〜30重量%および(C)を1〜30重量%含有することを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物。
    (A):ポリオレフィン樹脂
    (B):ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が105〜1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーからなる帯電防止剤
    (C):(A)とのSP値の差が0.1〜1.5、かつ数平均分子量が800〜50,000であるオレフィン系重合体の変性物(c)からなる密着性向上剤
  2. (A)が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/1−ブテン共重合体およびエチレン/プロピレン/共役ジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の(共)重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. (b)がポリエーテルである請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. (c)が、アミノ基、スルホ基、(無水)カルボキシル基、およびこれらの塩、4級アンモニウム塩基、エポキシ基、イソシアネート基および水酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性物である請求項1〜3のいずれか記載の樹脂組成物。
  5. (c)が、高分子量ポリオレフィンの熱減成物を変性したものである請求項4記載の樹脂組成物。
  6. (c)が、ポリアルカジエンモノ−および/またはポリオールである請求項1〜3のいずれか記載の樹脂組成物。
  7. さらに、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩(D)、界面活性剤(E)およびイオン性液体(F)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させてなる請求項1〜6のいずれか記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
  9. 請求項8記載の成形体に塗装および/または印刷を施してなる成形物品。
  10. 請求項1〜7のいずれか記載の樹脂組成物を成形してなる成形体に塗装および/または印刷を施すことを特徴とする成形物品の製造方法。
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