JP2006233204A - 帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリアミドおよび/またはポリアミドイミドからなるアミド基含有疎水性ポリマー、ポリエーテルジオールおよび/またはポリエーテルジアミンからなるポリエーテル含有親水性ポリマー、および芳香環含有ポリエステルから構成されるブロックポリマーからなり、示差走査熱量計による結晶化ピークにおいて2〜30mJ/mgの結晶化熱を有することを特徴とする帯電防止剤;並びに、該帯電防止剤を透明性の熱可塑性樹脂に含有させてなる帯電防止性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明の目的は、熱可塑性樹脂への分散性に優れ、樹脂の透明性および機械特性を損なうことなく永久帯電防止性を付与する特性に優れ、かつ生産性にも優れる帯電防止剤および該帯電防止剤を含有させてなる透明性樹脂組成物を提供することにある。
即ち、ポリアミド(a1)および/またはポリアミドイミド(a2)からなるアミド基含有疎水性ポリマー(a)、ポリエーテルジオール(b1)および/またはポリエーテルジアミン(b2)からなるポリエーテル含有親水性ポリマー(b)および芳香環含有ポリエステル(c)から構成されるブロックポリマーからなり、示差走査熱量計による結晶化ピークにおいて2〜30mJ/mgの結晶化熱を有することを特徴とする帯電防止剤(A);該帯電防止剤(A)を、1.510〜1.570の屈折率を有する熱可塑性樹脂(B)に含有させてなる帯電防止性樹脂組成物;該組成物を成形してなる帯電防止性樹脂成形品;並びに、該成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品である。
(1)該帯電防止剤は熱可塑性樹脂への分散性に優れ、該樹脂の透明性および機械特性を損なうことなく優れた永久帯電防止性を付与することができる。
(2)該帯電防止剤は生産性(カッティング性)に優れる。
(3)帯電防止性樹脂成形品は、永久帯電防止性、透明性および機械特性に優れる。
本発明における疎水性ポリマーとは、1012〜1017Ω・cmの体積固有抵抗値を有するポリマーのことを意味する。
(a)のうちポリアミド(a1)としては、アミド形成性モノマーを開環重合または重縮合したものが挙げられる。
アミド形成モノマーとしては、ラクタム(a01)、アミノカルボン酸(a02)、およびジアミン(a03)/ジカルボン酸(a04)が挙げられる。
ラクタム(a01)としては炭素数(以下、Cと略記)6〜12、例えばカプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタムおよびウンデカノラクタムが挙げられる。
(a01)の開環重合体としては、例えばナイロン4、ナイロン5、ナイロン6、ナイロン8およびナイロン12が挙げられる。
(a02)の自己重縮合体としては、例えばω−アミノエナント酸の重縮合によるナイロン7、ω−アミノウンデカン酸の重縮合によるナイロン11および12−アミノドデカン酸の重縮合によるナイロン12が挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、C2〜40、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミンおよび1,20−エイコサンジアミンが挙げられる。
脂環式ジアミンとしては、C5〜40、例えば1,3−および1,4−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタンおよび2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパンが挙げられる。
芳香脂肪族ジアミンとしては、C7〜20、例えばキシリレンジアミン、ビス(アミノエチル)ベンゼン、ビス(アミノプロピル)ベンゼンおよびビス(アミノブチル)ベンゼンが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、C6〜40、例えばp−フェニレンジアミン、2,4−および2,6−トルイレンジアミンおよび2,2−ビス(4,4’−ジアミノフェニル)プロパンが挙げられる。
芳香環含有ジカルボン酸としては、C8〜40(帯電防止性の観点から好ましくは8〜16、さらに好ましくは8〜14)、例えばオルト−、イソ−およびテレフタル酸、2,6−および−2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、トリレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸および5−スルホイソフタル酸アルカリ金属(上記に同じ)塩が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、C5〜40(帯電防止性の観点から好ましくは6〜18、さらに好ましくは8〜14)、例えばシクロプロパンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸およびショウノウ酸が挙げられる。これらのうち帯電防止性の観点から好ましいのは脂肪族ジカルボン酸および芳香環含有ジカルボン酸、さらに好ましいのはアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウムである。
ジカルボン酸誘導体のうち酸無水物としては、上記ジカルボン酸の無水物、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸および無水フタル酸;低級(C1〜4)アルキルエステルとしては上記ジカルボン酸の低級アルキルエステル、例えばアジピン酸ジメチルおよびオルト−、イソ−およびテレフタル酸ジメチルが挙げられる。
また、共重合ナイロンとしては、ナイロン6/66(アジピン酸/ヘキサメチレンジアミンのナイロン塩とカプロラクタムの共重合体)およびナイロン6/12(12−アミノドデカン酸とカプロラクタムの共重合体)が挙げられる。
該C2〜40のジアミンとしては前記の(a03)において例示したものが挙げられ、これらのうち他のアミド形成性モノマーとの反応性の観点から好ましいのは脂肪族ジアミン、さらに好ましいのはヘキサメチレンジアミンおよびデカメチレンジアミンである。
該C2〜40のジカルボン酸としては、前記の(a04)において例示したものが挙げられ、これらのうち他のアミド形成性モノマーとの反応性の観点から好ましいのは脂肪族ジカルボン酸および芳香環含有ジカルボン酸、さらに好ましいのはアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウムである。
ノマーと少なくとも1個のイミド環を形成しうる3価または4価の芳香族ポリカルボン酸もしくはその無水物[以下、芳香族ポリカルボン酸(無水物)と略記。](以下においてアミドイミド形成性モノマーという場合がある。)からなる重合体、およびこれらの混合物が含まれる。前記ジアミン(a03)およびジカルボン酸(a04)は、重合時の分子量調整剤としても使用できる。
上記分子量調整剤の使用量は、アミドイミド形成性モノマーと分子量調整剤合計の重量に基づいて、下限は後述する成形品の帯電防止性の観点から、上限は成形品の耐熱性の観点から、好ましくは2〜80%、さらに好ましくは4〜75%である。
親水性ポリマーとは、105〜1011Ω・cmの体積固有抵抗値を有するポリマーのこ
とを意味する。
本発明におけるポリエーテルジオール(b1)は、通常少なくとも250(好ましくは250〜3,000、さらに好ましくは350〜2,500、とくに好ましくは400〜2,000)の水酸基当量(水酸基価に基づく、水酸基当りの分子量。以下、OH当量と略記)を有し、(b1)は、活性水素原子含有化合物[250未満のOH当量を有する低分子ジオール(b01)および2価フェノール(b02)にアルキレンオキシド(後述。以下、AOと略記。)を付加反応させることにより得られ、(b1)には下記一般式で示される低分子ジオールもしくは2価フェノールのAO付加物(b11)
H−(OA1)m−O−E1−O−(A1O)m'−H
[式中、E1は活性水素含有化合物から水酸基を除いた残基、A1はC2〜4のアルキレン基、mおよびm’は(活性水素含有化合物の水酸基1個当たりのAO付加数を表す。m個の(OA1)とm’個の(A1O)とは、同一でも異なっていてもよく、また、これらが2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合形式はブロックもしくはランダムまたはこれらの組合せのいずれでもよい。mおよびm’は、通常1〜300、好ましくは2〜250、特に好ましくは10〜100の整数である。また、mとm’とは、同一でも異なっていてもよい。]
;およびポリオキシアルキレン(b12)が含まれる。
(b01)のうち、後述の熱可塑性樹脂(B)に対する(A)の分散性の観点から好ましいのは脂肪族2価アルコール、さらに好ましいのはEGである。
(b02)のうち後述の熱可塑性樹脂(B)に対する(A)の分散性の観点から好ましいのは、ビスフェノールおよび縮合多環2価フェノール、さらに好ましいのはビスフェノールAである。
帯電防止性の観点からAOとして好ましいのは、EO単独およびEOと他のAOとの併用(ブロックおよび/またはランダム付加)である。AOの付加数は、(b01)もしくは(b02)の水酸基1個当り、通常1〜300、好ましくは2〜250、さらに好ましくは10〜100の整数である。
、通常5〜99.8%、好ましくは8〜99.6%、さらに好ましくは10〜98%である。ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン単位の含量は、通常5〜100%、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%、とくに好ましくは60〜100%である。
これらのうち、帯電防止性の観点から好ましいのは脂肪族2価アルコール、ビスフェノールもしくは縮合多環2価フェノールのAO付加物、さらに好ましいのはEG、ジエチレングリコール(以下、DEGと略記)、PG、BD、ビスフェノールAおよび−S、およびジヒドロキシナフタレンの各AO付加物であり、とくに好ましいのはビスフェノールAおよび−S、およびジヒドロキシナフタレンの各AO付加物である。
変性ポリオキシアルキレンとしては、C2〜10のアルキレンオキシドのうちの少なくとも2種の付加重合物(付加形式はランダムおよび/またはブロックのいずれでもよい)が挙げられる。
(b12)のうち、帯電防止性の観点から好ましいのはポリオキシエチレンである。
(b11)または(b12)の末端水酸基をアミノ基に変性する方法としては、例えば、(b11)または(b12)の末端水酸基をシアノアルキル化して得られる末端シアノアルキル基を還元してアミノアルキル化する方法[例えば、(b11)または(b12)とアクリロニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化合物を水素添加する方法]等が挙げられる。
本発明における芳香環含有ポリエステル(c)としては、ジカルボン酸またはジオールを分子量調整剤として使用し、芳香環を含有する少なくとも1種のエステル形成性モノマーを重縮合させることによって得られる構造のものが使用できる。
該エステル形成性モノマーとしては、ジカルボン酸(c01)とジオール(c02)との組み合わせ、ラクトン(c03)、ヒドロキシカルボン酸(c04)およびこれらの混合物が挙げらる。
これらのうち後述する熱可塑性樹脂(B)への帯電防止剤の分散性の観点から好ましいのは、脂肪族ジカルボン酸では、アジピン酸、セバシン酸、イコサン酸、アジピン酸ジメチル、芳香環含有ジカルボン酸では、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6および2,7−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、3−スルホイソフタル酸ナトリウム、3−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム、2,6および2,7−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、脂環式ジカルボン酸では、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルである。
これらのうち後述する熱可塑性樹脂(B)への帯電防止剤の分散性の観点から好ましいのは、EG、PG、BD、NPG、HG、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAのEO付加物、ビスフェノールAのPO付加物、ビスフェノールSのEO付加物、である。
フタル酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウムおよび2,6−ナフタレンジカルボン酸である。
分子量調整剤としてのジオールとしては、前記低分子ジオール(b01)として例示したものが挙げられ、これらのうちエステル形成性モノマーとの反応性の観点から好ましいのはEG、PG、BD、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAのEO付加物、ビスフェノールAのPO付加物、ビスフェノールSのEO付加物、ジヒドロキシナフタレンのEO付加物である。
である。
上記分子量調整剤の使用量は、エステル形成性モノマーと分子量調整剤合計の重量に基づいて、下限は後述する熱可塑性樹脂(B)への帯電防止剤(A)の分散性の観点から、上限は帯電防止性の観点から、好ましくは2〜80%、さらに好ましくは4〜75%である。
製法[1] アミド形成性モノマーとジカルボン酸(分子量調整剤)を高温(160〜270℃)、加圧(0.1〜1MPa)下で反応させて(a)を形成させる。一方でエステル形成性モノマーとジカルボン酸またはジオール(分子量調整剤)を高温(160〜270℃)、減圧下(0.03〜3kPa)で反応させて(c)を形成させ、これに(a)および(b)を加えて、高温(160〜270℃)、減圧下(0.03〜3kPa)で重合反応を行う方法。
製法[2] エステル形成性モノマーとジカルボン酸またはジオール(分子量調整剤)を高温(160〜270℃)、減圧下(0.03〜3kPa)で反応させて(c)を形成させ、これにアミド形成性モノマーとジカルボン酸(分子量調整剤)と(b)の一部を同時に反応槽に仕込み、水の存在下または非存在下に、高温(160〜270℃)、加圧(0.1〜1MPa)下で反応させることによって中間体を生成させ、その後減圧下(0.03〜3kPa)で残りの(b)との重合反応を行う方法。
製法[3] アミド形成性モノマーとジカルボン酸(分子量調整剤)を高温(160〜270℃)、加圧(0.1〜1MPa)下で反応させて(a)を形成させ、これにエステル形成性モノマーとジカルボン酸またはジオール(分子量調整剤)と(b)を同時に反応槽に仕込み、高温(160〜270℃)、減圧下(0.03〜3kPa)で重合反応を行う方法。
上記製法のうち、反応制御の観点から好ましいのは製法[1]である。
触媒(例えばモノブチルスズオキシド)、チタン触媒(例えばテトラブチルチタネート)、ジルコニウム触媒(例えばテトラブチルジルコネート)および酢酸金属塩触媒(例えば酢酸亜鉛および酢酸ジルコニル)が挙げられる。
該触媒の使用量は、(a)、(b)および(c)の合計重量に基づいて、反応性および、成形品の樹脂物性の観点から好ましくは0.1〜5%、さらに好ましくは0.2〜3%である。
ここにおいて測定に使用されるDSCとしては、例えばDSC2910[商品名、ティー・エイ・インスツルメント(株)製]が挙げられる。本発明における結晶化熱は該DSCを用い、JIS K7122記載の転移熱(結晶化熱)測定法に準じて、下記条件で測定して得られた値である。
[測定条件]
試験片はJIS K 7100記載の標準温度状態2級および標準湿度状態2級において24時間以上状態調節した後、約5mg秤量し用いる。加熱速度毎分10℃で250℃まで加熱し、10分保持した後、冷却速度毎分5℃で0℃まで冷却した。
(A)と、(A)以外のポリエーテル含有親水性ポリマーを併用する場合の割合[(A)/(A)以外の親水性ポリマー](重量%)は、透明性および帯電防止性の観点から好ましくは80/20〜99/1、さらに好ましくは90/10〜99/1である。
該ブロックポリマーを構成するポリオレフィンのブロックには、ポリマーの両末端にカルボニル基(好ましくはカルボキシル基)を有するポリオレフィン、水酸基を有するポリオレフィンおよびアミノ基を有するポリオレフィン、並びに、ポリマーの片末端にカルボニル基(好ましくはカルボキシル基)を有するポリオレフィン、水酸基を有するポリオレフィンおよびアミノ基を有するポリオレフィンが含まれる。
エピハロヒドリンとしては、例えばエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨ
ードヒドリンおよびエピフルオロヒドリンが挙げられ、反応性、コストの観点から好ましいのはエピクロルヒドリンである。
AOとしては、C2〜4、例えばEO、POおよびテトラヒドロフランが挙げられる。
エピハロヒドリン/AO共重合体には、エピハロヒドリンと、1,2−エポキシドモノマー[とくにアルキル(C2〜4)グリシジルエーテル]およびAO(とくにEOおよびPO)から選ばれる1種または2種以上からなるコモノマーとの共重合体も含まれる。
エピハロヒドリンとAOとの重量比は、通常5/95〜95/5、帯電防止性およびエピハロヒドリン/AO共重合体の後述する熱可塑性樹脂(B)への分散性の観点から好ましくは10/90〜60/40である。ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン単位の含量は好ましくは5〜100重量%、さらに好ましくは10〜100重量%である。
エピハロヒドリン/AO共重合体のうち、帯電防止性および成形品の樹脂の機械特性の観点からさらに好ましいのはエピクロルヒドリン/EO(重量比50/50)の共重合体である。
ポリエーテルエステルは、ポリエーテルジオールまたはコポリエーテルジオールからなるセグメントを有するポリエステルであり、例えば前記(b1)として例示したポリエーテルジオールの1種以上と、(a04)として例示したジカルボン酸もしくはこれらのエステル形成性誘導体[例えば低級(C1〜4)アルキルエステルおよび酸無水物]の1種以上との重縮合反応、あるいは上記ジオール成分とポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等とのエステル交換反応により得ることができる。
ポリエーテルエステル中のポリエーテルセグメント含量は、ポリエーテルエステルの帯電防止性および樹脂組成物の成形性の観点から好ましくは30〜70重量%、さらに好ましくは40〜60重量%であり、ポリエーテルエステルの融点[測定はDSC法による。以下同じ。]は耐熱性の観点から好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120〜210℃である。ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン単位の含量は好ましくは5〜100重量%、さらに好ましくは10〜100重量%である。
ポリエーテルウレタンの具体例としては、例えば特公昭47−35300号、特開昭62−236854号、特公平3−296565号各公報に記載のものが挙げられる。
ポリエーテルウレタンのポリエーテルセグメント含量は、帯電防止性および樹脂組成物の成形性の観点から好ましくは30〜70重量%、さらに好ましくは40〜60重量%であり、ポリエーテルウレタンの融点は耐熱性の観点から好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120〜210℃である。ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン単位の含量は好ましくは5〜100重量%、さらに好ましくは10〜100重量%である。
これらのうち帯電防止剤(A)の(B)への分散のしやすさの観点から好ましいのは(B3)および(B4)である。
される。
分子量調整剤としてのジカルボン酸のうち、ジアミンとの反応性の観点から好ましいのは脂肪族および芳香環含有ジカルボン酸、さらに好ましいのはアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウムである。
また、分子量調整剤としてのジアミンのうち、ジカルボン酸との反応性の観点から好ましいのはヘキサメチレンジアミンおよびデカメチレンジアミンである。
分子量調整剤の使用量は、ポリアミド形成性モノマーと分子量調整剤の合計重量に基づいて、下限は耐熱性の観点から、上限は成形品の帯電防止性の観点から、好ましくは2〜80、さらに好ましくは4〜75である。
(B3)としては、ポリスチレン(PS樹脂)、ポリビニルトルエン、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)(共重合比=70/30〜80/20)、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)(共重合比=60/40〜90/10)、スチレン/ブタジエン共重合体(HIPS樹脂)(共重合比=60/40〜95/5)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)(共重合比=20〜30/5〜40/40〜70)、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)(共重合比=20〜30/5〜40/40〜70)等が挙げられる。
は、JIS K7210(1994年)に準じて、230℃、荷重1.2kgfの条件で測定される。
(B4)のMFRは、下限は成形品の樹脂物性の観点から、上限は帯電防止性の観点から、好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。(B4)のMFRは、JIS K7210(1994年)に準じて、280℃、荷重2.16kgfの条件で測定される。
なお、本発明において、(A)と(B)との屈折率の差とは、(A)と(B)との屈折率の差の絶対値を意味するものとし、以下同様である。
本発明における(A)の帯電防止性と屈折率の調整方法には下記の方法が含まれる。
(A)の屈折率を高めに調整する場合は、(A)の有する帯電防止付与性、樹脂への分散性を損なわない範囲で(A)中の(a)および(b)の割合を減らし、逆に(c)の割合を増やす。(A)の屈折率を低めに調整する場合は、成形品の耐水性を損なわない範囲で(b)の割合を増やすことにより調整できる。
また、(A)の屈折率を低めに調整する場合は比較的低い屈折率を有する(c)を併用することにより調整することもできる。
(C1)〜(C5)の合計含有量は、本発明の帯電防止剤と(B)の合計重量に基づいて通常40%以下、添加剤の効果の観点から好ましい下限は0.001%、さらに好ましくは0.01%、特に好ましくは0.2%、最も好ましくは0.5%、成形品の樹脂の機械特性の観点から好ましい上限は30%、さらに好ましくは25%、特に好ましくは20%、最も好ましくは10%である。
これらのうち帯電防止性の観点から好ましいのは、塩化物、過塩素酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、酢酸塩、さらに好ましいのは塩化リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、過塩素酸リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、酢酸カリウムである。
(C1)の使用量は、帯電防止剤と(B)の合計重量に基づいて、通常5%以下、成形品の良好な外観と帯電防止性、および機械特性の観点から、好ましくは0.001〜3%、さらに好ましくは0.01〜2.5%、とくに好ましくは0.1〜2%、最も好ましくは0.15〜1%である。
(C1)を含有させる方法としては、成形品の透明性を損なわないために(A)中に予め分散させておくことが好ましく、(A)の製造時に(C1)を含有させておく方法がさらに好ましい。(C1)を(A)の製造時に含有させるタイミングは特に限定はなく、重合前、重合中および重合後のいずれでもよいが重合前の原料に含有させるのが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えばEO付加型非イオン性界面活性剤[例えば高級アルコール(C8〜18、以下同じ)、高級脂肪酸(C8〜24、以下同じ)または高級アルキルアミン(C8〜24)のEO付加物(分子量158〜Mn200,000);グリコールのEO付加物であるポリアルキレングリコール(分子量150〜Mn6,000)の高級脂肪酸エステル;多価アルコール(C2〜18の2価〜8価またはそれ以上、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびソルビタン)高級脂肪酸エステルのEO付加物(分子量250〜Mn30,000);高級脂肪酸アミドのEO付加物(分子量200〜Mn30,000);および多価アルコール(前記のもの)アルキル(C3〜60)エーテルのEO付加物(分子量120〜Mn30,000)]、および多価アルコ−ル(C3〜60)型非イオン性界面活性剤[例えば多価アルコールの脂肪酸(C3〜60)エステル、多価アルコールのアルキル(C3〜60)エーテルおよび脂肪酸(C3〜60)アルカノールアミド]が挙げられる。
上記の塩としては、例えばアルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウムおよびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばカルシウムおよびマグネシウム)塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(C1〜20)塩およびアルカノールアミン(C2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩が挙げられる。
これらのうち成形品の樹脂の耐熱性および帯電防止性の観点から好ましいのは、アニオン性界面活性剤、さらに好ましいのはスルホン酸塩、とくに好ましいのはアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩およびパラフィンスルホン酸塩である。
(C2)を含有させる方法としては特に限定はないが、樹脂組成物中に効果的に分散させるためには、(A)中に予め含有させておくことが好ましい。(C2)を(A)中に予め含有させる場合、(A)の製造(重合)時に含有させておくのが好ましく、含有させるタイミングは特に制限なく、重合前、重合中および重合後のいずれでもよいが重合前の原料に含有させるのが好ましい。
,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムなど]、およびジヒドロピリミジニウムカチオン[1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウムなど]が挙げられる。
チルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウムなど]、イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウムなど]、テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムなど]、およびジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウムなど]が挙げられる。
これらのうち、初期電導度の観点から好ましいのはアミジニウムカチオン、さらに好ましいのはイミダゾリウムカチオン、特に好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
有機酸としては、例えばカルボン酸、硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル、スルホン酸およびリン酸エステルが挙げられ、例えば、前記(C2)および後述する(C4)に記載の有機酸を使用することができる。
無機酸としては、例えば超強酸(例えばホウフッ素酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸および六フッ化ヒ素酸)、リン酸およびホウ酸が挙げられる。
上記有機酸および無機酸は1種単独でも2種以上の併用でもいずれでもよい。
上記有機酸および無機酸のうち、(C3)の初期電導度の観点から好ましいのは(C3)を構成するアニオンのHamett酸度関数(−H0)が12〜100である、超強酸
の共役塩基、超強酸の共役塩基以外のアニオンを形成する酸およびこれらの混合物である。
超強酸としてのプロトン酸としては、例えばビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン、過塩素酸、フルオロスルホン酸、アルカン(C1〜30)スルホン酸[例えばメタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸など)、ポリ(n=1〜30)フルオロアルカン(C1〜30)スルホン酸(例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸およびトリデカフルオロヘキサンスルホン酸)、ホウフッ素酸および四フッ化ホウ素酸が挙げられる。
これらのうち合成の容易さの観点から好ましいのはホウフッ素酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸である。
これらのうち(C3)の初期電導度の観点から好ましいのはフッ化水素である。
これらのうちで、(C3)の初期電導度の観点から好ましいのは三フッ化ホウ素および
五フッ化リンである。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であるが、これらの組み合わせからなる超強酸としては、例えばテトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タンタル酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化タンタルスルホン酸、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、塩化三フッ化ホウ素酸、六フッ化ヒ素酸およびこれらの混合物が挙げられる。
(C3)を添加する方法についても特に限定はないが、樹脂中への効果的な分散の観点から、(A)中に予め分散させておくことが好ましく、(A)の製造(重合)後に(C3)を予め添加し分散させておくのがさらに好ましい。
これらの(C4)は単独でも2種以上併用してもよいが、成形品の透明性の観点から、(A)および(B)との屈折率差は好ましくは0.01以下、さらに好ましくは0.008以下、とくに好ましくは0.005以下である。
(C4)の使用量は、帯電防止剤と(B)の合計重量に基づいて、通常15%以下、帯電防止剤と(B)の相溶性および成形品の機械特性の観点から好ましくは0.1〜12%、さらに好ましくは1〜10%、とくに好ましくは1.5〜8%である。
無機顔料としては、例えば白色顔料(例えば酸化チタン、リトポン、鉛白および亜鉛華)、コバルト化合物(例えばオーレオリン、コバルトグリーン、セルリアンブルー、コバルトブルーおよびコバルトバイオレット)、鉄化合物(例えば酸化鉄および紺青)、クロ
ム化合物(例えば酸化クロム、クロム酸鉛およびクロム酸バリウム)および硫化物(例えば硫化カドミウム、カドミウムイエローおよびウルトラマリン)が挙げられる。
有機顔料としては、例えばアゾ顔料(例えばアゾレーキ系、モノアゾ系、ジスアゾ系およびキレートアゾ系)および多環式顔料(例えばベンゾイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、チオインジゴ系、ペリレン系、キノフタロン系およびアンスラキノン系)が挙げられる。
染料としては、例えばアゾ系、アントラキノン系、インジゴイド系、硫化系、トリフェニルメタン系、ピラゾロン系、スチルベン系、ジフェニルメタン系、キサンテン系、アリザリン系、アクリジン系、キノンイミン系、チアゾール系、メチン系、ニトロ系、ニトロソ系およびアニリン系が挙げられる。
ビスチアノシアネート)、N−ハロアルキルチオイミド(例えばN−テトラクロロエチル−チオ−テトラヒドロフタルイミド)、銅剤(例えば8−オキシキノリン銅)、ベンズイミダゾール(例えば2−4−チアゾリルベンズイミダゾール)、ベンゾチアゾール(例えば2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾール)、トリハロアリル(例えば3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカルボナート)、トリアゾール(例えばアザコナゾール)、有機窒素硫黄化合物(例えばスラオフ39)、4級アンモニウム化合物(例えばトリメトキシシリル−プロピルオクタデシルアンモニウムクロライド)およびピリジン系化合物[例えば2,3,5,6−チトクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン]が挙げられる。
溶融混合する方法としては、例えばペレット状または粉体状の成分を適切な混合機(例えばヘンシェルミキサー)で混合した後、押出機で溶融混合(150〜260℃)してペレット化する方法が挙げられる。
混合に際しての各成分の添加順序には特に限定はないが、例えば、(1)(A)と(B)、またはこれらに必要に応じて(C)を一括して加えてブレンド、混練する方法、および(2)(A)と、(B)の一部、またはこれらに必要に応じて(C)をブレンド、混練した後、残りの(C)をブレンド、混練する方法が挙げられる。
これらのうち(2)の方法は、マスターバッチ法またはマスターペレット法と呼ばれ、少量の(C)を均一に樹脂に分散させる観点から好ましい方法である。
該成形品の塗装方法としては、例えばエアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装および刷毛塗りが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗装膜厚(乾燥後膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常10〜50μm、塗膜物性の観点から好ましくは15〜40μmである。
また、該成形品に印刷する方法としては、一般的にプラスチックの印刷に用いられる印刷法であればいずれも用いることができ、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、ドライオフセット印刷およびオフセット印刷が挙げられる。
印刷インキとしてはプラスチックの印刷に用いられるもの、例えばグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキおよびオフセットインキが使用できる。
塗料としては、前記の塗料等が挙げられる。
塗料に該帯電防止剤を添加する場合の割合は、塗料の固形分重量に基づいて帯電防止性の観点から好ましくは5〜60%、さらに好ましくは10〜50%、とくに好ましくは15〜40%である。
また、該帯電防止剤を含有する塗料にさらに溶剤を加えた場合の帯電防止剤の濃度は、帯電防止性の観点から好ましくは20〜60重量%、さらに好ましくは25〜55重量%、とくに好ましくは30〜50重量%である。
ステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタム89.7部、テレフタル酸11.5部、酸化防止剤[商品名:イルガノックス1010、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製、以下同じ]0.3部および水6部を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換後、220℃で加圧(0.3〜0.5MPa)密閉下4時間加熱撹拌し、両末端にカルボキシル基を有する酸価78のポリアミド(a−1)100部を得た。
次にMn1,500のビスフェノールAのEO付加物86.1部、並びにMn310のビスフェノールAのEO付加物31.5部、テレフタル酸13.6部および酢酸ジルコニル0.5部を加え、245℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させて粘稠なブロックポリマー得た。このブロックポリマ−をベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによって帯電防止剤(A−1)を得た。(A−1)の屈折率は1.530、DSCによる結晶化ピークにおける結晶化熱(以下、結晶化熱と略記。)は11.6mJ/mgであった。
実施例1のポリアミドの製造において、ε−カプロラクタム89.7部、テレフタル酸11.5部に代えて、12−アミノドデカン酸87.6部、テレフタル酸19.7部を用いた以外は実施例1と同様にして、両末端にカルボキシル基を有する酸価133のポリアミド(a−2)100部を得た。
別のステンレス製のオートクレーブにテレフタル酸ジメチル82.7部、EG35.7部および酢酸亜鉛0.2部を仕込み、所定量のメタノールを留出させながら210℃まで昇温した。室温まで冷却後、Mn3,200のポリエチレングリコール133.0部、(a−2)98部および酢酸ジルコニル0.3部を加え、245℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させ、粘稠なブロックポリマーを得た。
以下、実施例1と同様にペレット化した帯電防止剤(A−2)を得た。(A−2)の屈折率は1.524、結晶化熱は7.9mJ/mgであった。
実施例1のポリアミドの製造において、ε−カプロラクタム89.7部、テレフタル酸11.5部に代えて、12−アミノドデカン酸98.7部、アジピン酸9.5部を用いた以外は実施例1と同様にして、両末端にカルボキシル基を有する酸価73のポリアミド(a−3)100部を得た。
次に、実施例1のMn1,500のビスフェノールAのEO付加物86.1部、Mn310のビスフェノールAのEO付加物31.5部、テレフタル酸13.6部に代えてMn1,700のビスフェノールSのEO付加物132.2部、Mn420のビスフェノールSのEO付加物26.1部、テレフタル酸8.3部を用いた以外は実施例1と同様にして帯電防止剤(A−3)を得た。(A−3)の屈折率は1.527、結晶化熱は17.6mJ/mgであった。
ステンレス製オートクレーブに、Mn310のビスフェノールAのEO付加物48.6部、テレフタル酸20.9部、ジブチルスズオキサイド0.3部を仕込み、235℃、3kPa以下の減圧下で12時間加熱撹拌し、両末端に水酸基を有する水酸基価47のポリエステル(c−1)67.2部を得た。
次にMn1,500のビスフェノールAのEO付加物69.6部、(a−1)100部および酢酸ジルコニル0.3部を加え、245℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させ、粘稠なブロックポリマーを得た。
以下、実施例1と同様にペレット化した帯電防止剤(A−4)を得た。(A−4)の屈折率は1.540、結晶化熱は9.1mJ/mgであった。
実施例1のポリアミドの製造において、ε−カプロラクタム89.7部、テレフタル酸11.5部に代えて、ε−カプロラクタム92.4部、テレフタル酸8.5部を用いた以外は実施例1と同様にして、両末端にカルボキシル基を有する酸価57のポリアミド(a−4)100部を得た。
次に実施例4のポリエステルの製造において、Mn310のビスフェノールAのEO付加物48.6部、テレフタル酸20.9部に代えて、Mn360のビスフェノールSのEO付加物31.9部、2,6−ナフタレンジカルボン酸15.5部を用いた以外は実施例4と同様にして、両末端に水酸基を有する水酸基価44のポリエステル(c−2)50.6部を得た。その後、実施例4のMn1,500のビスフェノールAのEO付加物69.6部、(a−1)100部の代わりに、Mn2,000のビスフェノールAのEO付加物66.4部、(a−4)98部を用いた以外は実施例4と同様にして帯電防止剤(A−5)を得た。(A−5)の屈折率は1.542、結晶化熱は6.4mJ/mgであった。
実施例1のポリアミドの製造において、ε−カプロラクタム89.7部、テレフタル酸11.5部に代えて、ε−カプロラクタム83.9部、テレフタル酸18.0部を用いた以外は実施例1と同様にして、両末端にカルボキシル基を有する酸価122のポリアミド(a−5)100部を得た。
次に実施例4のポリエステルの製造において、Mn310のビスフェノールAのEO付加物48.6部、テレフタル酸20.9部に代えて、Mn310のビスフェノールAのEO付加物46.0部、2,6−ナフタレンジカルボン酸23.6部を用いた以外は実施例4と同様にして、両末端に水酸基を有する水酸基価60.0のポリエステル(c−3)67.6部を得た。その後、実施例4のMn1,500のビスフェノールAのEO付加物69.6部、(a−1)100部の代わりに、Mn1,500のビスフェノールAのEO付加物120.8部、(a−5)98部を用いた以外は実施例4と同様にして帯電防止剤(A−6)を得た。(A−6)の屈折率は1.541、結晶化熱は7.3mJ/mgであった。
実施例1のポリアミドの製造において、ε−カプロラクタム89.7部、テレフタル酸11.5部に代えて、12−アミノドデカン酸95.3部、アジピン酸12.7部を用いた以外は実施例1と同様にして、両末端にカルボキシル基を有する酸価97のポリアミド(a−6)100部を得た。
次に実施例4のポリエステルの製造において、Mn310のビスフェノールAのEO付加物48.6部、テレフタル酸20.9部に代えて、Mn420のビスフェノールSのEO付加物131.7部、テレフタル酸45.8部を用いた以外は実施例4と同様にして、両末端に水酸基を有する水酸基価26のポリエステル(c−4)172.5部を得た。
その後、実施例4のMn1,500のビスフェノールAのEO付加物69.6部、(a−1)100部の代わりに、Mn1,700のビスフェノールSのEO付加物80.6部、(a−6)98部を用いた以外は実施例4と同様にして帯電防止剤(A−7)を得た。(A−7)の屈折率は1.558、結晶化熱は4.1mJ/mgであった。
ステンレス製オートクレーブに、Mn2,000のビスフェノールSのEO付加物111.7部、(a−5)98部、(c−3)97.8部および酢酸ジルコニル0.3部を仕込み、245℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させ、粘稠なブロックポリマーを得た。
以下、実施例1と同様にペレット化した帯電防止剤(A−8)を得た。(A−8)の屈折率は1.556、結晶化熱は5.9mJ/mgであった。
実施例1のポリアミドの製造において、ε−カプロラクタム89.7部、テレフタル酸11.5部に代えて、12−アミノドデカン酸99.7部、アジピン酸8.4部を用いた以外は実施例1と同様にして、両末端にカルボキシル基を有する酸価65のポリアミド(比a−1)100部を得た。
次にMn2,000のビスフェノールAのEO付加物115.6部および酢酸ジルコニル0.5部を加え、245℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させて粘稠なブロックポリマーを得た。以下、実施例1と同様にペレット化した帯電防止剤(比A−1)を得た。(比A−1)の屈折率は1.499、結晶化熱は26.5mJ/mgであった。
ステンレス製のオートクレーブにナフタレンジカルボン酸ジメチル79.5部、EG24.1部および酢酸亜鉛0.2部を仕込み、所定量のメタノールを留出させながら210℃まで昇温した。室温まで冷却後、Mn3,200のポリエチレングリコール173.2部および酢酸ジルコニル0.3部を加え、245℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させ、粘稠なブロックポリマーを得た。
以下、実施例1と同様にペレット化した帯電防止剤(比A−2)を得た。(比A−2)の屈折率は1.548、結晶化ピークは検出されなかった。
比較例2においてEG24.1部、Mn3,200のポリエチレングリコール173.2部に代えて、EG23.5部、Mn2,000のビスフェノールAのEO付加物102.8部を用いた以外は比較例2と同様にして帯電防止剤(比A−3)を得た。(比A−3)の屈折率は1.586、結晶化ピークは検出されなかった。
性の結果から、実施例1〜8で得られた帯電防止剤はいずれもカッティング性、即ち生産性に優れることがわかる。
[カッティング性]
ポリマーを重合後、吐出してドラムクーラーでシート状に成形し、樹脂温度約50℃まで冷却後、角ペレタイザー[商品名:SGG−220、(株)ホーライ製]でペレット状にカッティングし、ペレット選別機にて4mm角の良好形状のペレットと不良形状(不定形)のペレットに選別する。該選別された良好形状のペレットの割合(%)を算出した。
表1に示す配合処方に従って、上記帯電防止剤と透明性樹脂[後述の(B−1)、(B−2)または(B−3)]、またはこれらにさらに添加剤(C)を加えてヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、回転速度100rpm、滞留時間3分間の条件で、230℃で溶融混練して、樹脂組成物(実施例9〜22、比較例4〜6)を得た。
率1.525]
(B−2) :MS樹脂[商品名:エスチレン MS−600、新日鐵化学(株)製、屈
折率1.538]
(B−3) :MS樹脂[商品名:エスチレン MS−300、新日鐵化学(株)製、屈
折率1.560]
(C1−1):塩化リチウム
(C1−2):トリフルオロメタンスルホン酸リチウム
(C2−1):ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
上記樹脂組成物について、それぞれ射出成形機[PS40E5ASE、日精樹脂工業(株)製]を用い、所定のシリンダー温度(230℃)、および金型温度50℃で各成形品を作成し、これらを用い以下の方法に従って、透明性、機械特性および帯電防止性の評価を行った。結果を表2に示す。
(1)全光線透過率
試験片(40×40×2mm)を用い、曇度計[日本電色工業(株)製、型式NDH−1001DP、以下同じ。]を使用し、JIS K7105(1981年)に準拠して測定した。
(2)ヘーズ
試験片(40×40×2mm)を用い、曇度計を使用し、JIS K7105(1981年)に準拠して測定した。
(1)衝撃強度
ASTM D256(ノッチ付、3.2mm厚)Method Aに準拠して測定した。
(2)曲げ弾性率
試験片(100×10×4mm)を用いて、ASTM D790(支点間距離60mm)に準拠して測定した。
(3)熱たわみ温度
ASTM D648(荷重18.5kgf/cm2)に準拠して測定した。
(1)表面固有抵抗値
試験片(100×100×2mm)を用い、超絶縁計[東亜電波工業(株)製DSM−8103(平板試料用電極SME−8310)、以下同じ。]により23℃、湿度50%RHの雰囲気下で測定した(ASTM D257に準拠)。
(2)水洗後の表面固有抵抗値
斜めに立てかけた試験片(100×100×2mm)の表面を、流量100ml/分のイオン交換水(23℃)100mlで水洗し、その後循風乾燥機内80℃で3時間乾燥する。該水洗−乾燥の操作を10回繰り返した試験片について、(1)と同様に超絶縁計により23℃、湿度50%RHの雰囲気下で表面固有抵抗値を測定した(ASTM D257に準拠)。
Claims (8)
- ポリアミド(a1)および/またはポリアミドイミド(a2)からなるアミド基含有疎水性ポリマー(a)、ポリエーテルジオール(b1)および/またはポリエーテルジアミン(b2)からなるポリエーテル含有親水性ポリマー(b)および芳香環含有ポリエステル(c)から構成されるブロックポリマーからなり、示差走査熱量計による結晶化ピークにおいて2〜30mJ/mgの結晶化熱を有することを特徴とする帯電防止剤(A)。
- (a)、(b)および(c)の合計重量に基づいて、(a)を10〜80%、(b)を10〜80%、(c)を5〜60%含有する請求項1記載の帯電防止剤(A)。
- (c)が、25〜75重量%の芳香環骨格を含有する請求項1または2記載の帯電防止剤(A)。
- 請求項1〜3のいずれか記載の帯電防止剤(A)を、1.510〜1.570の屈折率を有する熱可塑性樹脂(B)に含有させてなる帯電防止性樹脂組成物。
- (A)が、(B)との屈折率差が0.005以下の屈折率を有する請求項4記載の組成物。
- さらに、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩、界面活性剤、相溶化剤およびイオン性液体からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(C)を含有させてなる請求項4または5記載の組成物。
- 請求項4〜6のいずれか記載の組成物を成形してなる帯電防止性樹脂成形品。
- 請求項7記載の成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品。
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