JP5259987B2 - 帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、耐熱性に優れる帯電防止剤、帯電防止性樹脂組成物、並びに永久帯電防止性、機械物性および難燃性に優れる成形品を提供することにある。
(a):ポリアミド(a1)またはポリオレフィン(a2)のブロック
(b):ポリエーテル(b1)および/またはポリエステル(b2)のブロック
;該帯電防止剤を熱可塑性樹脂(B)に含有させてなる帯電防止性樹脂組成物;該組成物を成形してなる成形品;並びに、該成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品である。
(1)該帯電防止剤は耐熱性に優れる。
(2)該組成物を成形してなる成形品は、永久帯電防止性、機械特性および難燃性に優れる。
(a):ポリアミド(a1)またはポリオレフィン(a2)のブロック
(b):ポリエーテル(b1)および/またはポリエステル(b2)のブロック
これらのポリアミドを形成するアミド形成性モノマーのうち、(a11)におけるラクタムとしては、炭素数(以下、Cと略記)6〜12、例えばカプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタムが挙げられる。
ラクタムの開環重合体としては、例えばナイロン4、−5、−6、−8および−12が挙げられる。
(a12)におけるアミノカルボン酸としては、C2〜12、例えばグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸が挙げられる。
アミノカルボン酸の重縮合体としては、例えばアミノエナント酸の重縮合によるナイロン7、ω−アミノウンデカン酸の重縮合によるナイロン11および12−アミノドデカン酸の重縮合によるナイロン12が挙げられる。
(a13)におけるジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、芳香(脂肪)族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、これらのアミド形成性誘導体[酸無水物、低級(C1〜4)アルキルエステル]およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
芳香(脂肪)族ジカルボン酸としては、C8〜20、例えばオルト−、イソ−およびテレフタル酸、ナフタレン−2,6−および−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸のアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)塩が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、C5〜20、例えばシクロプロパンジカルボン酸、1,3−および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸、ダイマー酸が挙げられる。
アミド形成性誘導体のうち酸無水物としては、上記ジカルボン酸の無水物、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸が挙げられ、低級(C1〜4)アルキルエステルとしては上記ジカルボン酸の低級アルキルエステル、例えばアジピン酸ジメチル、オルト−、イソ−およびテレフタル酸ジメチルが挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、C2〜20、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミンおよび1,20−エイコサンジアミンが挙げられる。
脂環式ジアミンとしては、C5〜20、例えば1,3−および1,4−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタンおよび2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパンが挙げられる。
芳香(脂肪)族ジアミンとしては、C6〜20、例えばp−フェニレンジアミン、2,4−および2,6−トルイレンジアミン、2,2−ビス(4,4’−ジアミノフェニル)プロパン、4−アミノベンジルアミン、キシリレンジアミン、ビス(アミノエチル)ベンゼン、ビス(アミノプロピル)ベンゼンおよびビス(アミノブチル)ベンゼンが挙げられる。
また、共重合ポリアミド(a14)としては、ナイロン6/66〔ナイロン6とナイロン66の共重合体[共重合比(重量比)=5/95〜95/5]〕およびナイロン6/12〔ナイロン6とナイロン12の共重合体[共重合比(重合比)=5/95〜95/5]〕等が挙げられる。
分子量調整剤としてのジカルボン酸のうち、アミド形成性モノマーとの反応性および帯電防止性の観点から、脂肪族および芳香族ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩が好ましく、さらに好ましくはアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウムである。また、分子量調整剤としてのジアミンのうち、アミド形成性モノマーとの反応性の観点から好ましいのはヘキサメチレンジアミンおよびデカメチレンジアミンである。ジカルボン酸を使用すると、両末端カルボキシル基の(a1)、ジアミンを使用すると両末端アミノ基の(a1)となる。
(a24)〜(a26)としては、少なくとも片末端が変性可能なポリオレフィンの片末端にそれぞれ、カルボニル基含有基、水酸基、アミノ基を導入したものが用いられる。
末端が変性可能なポリオレフィンとは、ポリオレフィン鎖の末端に変性可能な官能基(二重結合、アミノ基、カルボキシル基、アリル基、グリシジル基等が含まれ、変性のし易さの観点から二重結合が好ましい。)を有するポリオレフィンを意味する。
α−オレフィンとしては、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセン等が挙げられ、ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、シクロペンタジエンおよび1,11−ドデカジエン等が挙げられる。
これらのうち帯電防止性の観点から好ましいのはC2〜12のオレフィン(エチレン、プロピレン、C4〜12のα−オレフィン、ブタジエンおよび/またはイソプレン等)、さらに好ましいのはC2〜10(エチレン、プロピレン、C4〜10のα−オレフィンおよび/またはブタジエン等)、とくに好ましいのはエチレン、プロピレンおよび/またはブタジエンである。
重合法によって得られるポリオレフィンは種々の方法で製造でき、例えば、ラジカル触媒、金属酸化物触媒、チーグラー触媒およびチーグラー−ナッタ触媒等の存在下で上記オレフィンを(共)重合させる方法等により容易に得ることができる。
ラジカル触媒としては、例えばジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルベンゾエート、デカノールパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、パーオキシ−ジ−カーボネートエステル、アゾ化合物等、およびγ−アルミナ担体に酸化モリブデンを付着させたもの等が挙げられる。金属酸化物触媒としては、シリカ−アルミナ担体に酸化クロムを付着させたもの等が挙げられる。チーグラー触媒およびチーグラー−ナッタ触媒としては、(C2H5)3Al−TiCl4等が挙げられる。
重合法としては、−50〜−100℃に冷却したキシレン、トルエン等の炭化水素系溶媒に、触媒、モノマーを加え、重合する方法等が挙げられる。
変性基であるカルボニル基含有基の導入のしやすさ、および入手のしやすさの点で、熱減成法による低分子量ポリオレフィンが好ましい。
(a0)中の二重結合の量は、帯電防止性の観点から好ましくは、C1,000当たり1〜40個、さらに好ましくは2〜30個、とくに好ましくは4〜20個である。
1分子当たりの二重結合の平均数は、繰り返し構造の形成性の観点および帯電防止性の観点から好ましくは、1.1〜5、さらに好ましくは1.3〜3、とくに好ましくは1.
5〜2.5、最も好ましくは1.8〜2.2である。
熱減成法においては、Mnが800〜6,000の範囲で、1分子当たりの平均末端二重結合数が1.5〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られる〔例えば、村田勝英、牧野忠彦、日本化学会誌、192頁(1975)参照〕。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)としては、C3〜12のカルボン酸、例えばモノカルボン酸[(メタ)アクリル酸等]、ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等)、これらのアルキル(C1〜4)エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、イタコン酸ジエチル等]およびこれらの無水物が挙げられる。
これらのうち両末端を変性可能なポリオレフィンとの反応性の観点から好ましいのは、ジカルボン酸、これらのアルキルエステルおよびこれらの無水物、さらに好ましいのはマレイン酸(無水物)およびフマル酸、とくに好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)による両末端を変性可能なポリオレフィンの変性は種々の方法、例えば、両末端を変性可能なポリオレフィンの末端二重結合に、溶液法または溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を熱的に付加(エン反応)させることにより行うことができる。
溶液法としては、キシレン、トルエン等の炭化水素系溶媒の存在下、両末端を変性可能なポリオレフィンにα,β−不飽和カルボン酸(無水物)を加え、窒素等の不活性ガス雰囲気中170〜230℃で反応させる方法等が挙げられる。
溶融法としては、両末端を変性可能なポリオレフィンを加熱溶融した後に、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を加え、窒素等の不活性ガス雰囲気中170〜230℃で反応させる方法が挙げられる。
これらの方法のうち、反応の均一性の観点から好ましいのは溶液法である。
ラクタムまたはアミノカルボン酸としては、前述のものが使用できる。
これらのうち、二次変性の反応性の観点から好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、グリシン、ロイシン、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノドデカン酸、さらに好ましいのはカプロラクタム、ラウロラクタム、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、特に好ましいのはカプロラクタムおよび12−アミノドデカン酸である。
ラクタムまたはアミノカルボン酸の使用量は、帯電防止性の観点から好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸からカルボキシル基を除いた残基1個当たり、ラクタムまたはアミノカルボン酸0.1〜20個、さらに好ましくは0.3〜15個、特に好ましくは0.5〜10個である。
酸化によるカルボニル基含有基の導入は、種々の方法、例えば、米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボニル基含有基の導入は、種々の方法、例えば、Macromolecules、Vol.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
ラクタムおよびアミノカルボン酸としては、前述したものが挙げられその使用量も同様である。
ヒドロキシルアミンとしては、(a215)で例示したものが挙げられその使用量も同様である。
ジアミンとしては、前述で例示したものが挙げられその使用量も同様である。
また、(a2)は、カルボキシル基を含有することが好ましく、その場合、(a2)の酸価(mgKOH/g)は、(b)との反応性の観点から好ましくは、4〜280、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。水酸基を含有する場合、(a2)の水酸基価(mgKOH/g)は、(b)との反応性の観点から好ましくは、4〜280、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。アミノ基を含有する場合、(a2)のアミン価(mgKOH/g)は、(b)との反応性の観点から好ましくは、4〜280、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。
ポリエーテル(b1)としては、下記一般式で表されるポリエーテルジオール(b11)、ポリエーテルジアミン(b12)およびポリエーテルジカルボン酸(b13)が使用できる。
X−A−(OA)m-1−O−E−O−(AO)m'-1−A−X (1)
式中、Eはジオールまたは2価フェノールから水酸基を除いた残基、Aはハロゲン原子および/またはベンゼン環で置換されていてもよいC2〜12の2価の炭化水素基、mおよびm’は1〜300の整数、好ましくは2〜250、とくに好ましくは10〜100の整数を表し、mとm’とは同一でも異なっていてもよい。また、m個の(OA)とm’個の(AO)とは同一でも異なっていてもよく、また、これらが2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合形式はブロック、ランダムまたはこれらの組合せのいずれでもよい。Xは水酸基、アミノ基およびカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表す。
また、(b1)のMnは、耐熱性および(a)との反応性の観点から好ましくは150〜20,000、さらに好ましくは300〜18,000、特に好ましくは1,000〜15,000、最も好ましくは1,200〜8,000である。
脂肪族2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1 ,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオールおよび1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。
脂環式2価アルコールとしては、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロオクタンジオールおよび1,3−シクロペンタンジオール等が挙げられる。
芳香脂肪族2価アルコールとしては、キシリレンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオールおよび1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等が挙げられる。
モノアミンのビスヒドロキシアルキル化物は、種々の方法、例えば、モノアミンとC2〜4のAO[エチレンオキシド(以下、EOと略記)プロピレンオキシド(以下、POと略記)、ブチレンオキシド等]とを反応させるか、モノアミンとC1〜12のハロゲン化ヒドロキシアルキル(2−ブロモエチルアルコール、3−クロロプロピルアルコール等)とを反応させることにより容易に得ることができる。
脂環式1級モノアミンとしては、シクロプロピルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
芳香(脂肪)族1級モノアミンとしては、アニリンおよびベンジルアミン等が挙げられる。
その他のAOおよび置換AOとしては、C5〜12のα−オレフィンのエポキシ化物、スチレンオキシドおよびエピハロヒドリン(エピクロルヒドリンおよびエピブロモヒドリン等)等が挙げられる。他のAOおよび置換AOのそれぞれの使用量は、全AOの重量に基づいて帯電防止性の観点から好ましくは、30重量%以下、さらに好ましくは0〜25重量%、とくに好ましくは0〜20重量%である。
AOのうち帯電防止性の観点から好ましいのは、EO単独、およびEOとEO以外のAOとの併用(ブロックおよび/またはランダム付加)、さらに好ましいのはEO単独およびEOとPOの併用、とくに好ましいのはEO単独である。
AOの付加モル数は、(A)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、(b01)または(b02)の水酸基1個当り1〜300モル、さらに好ましくは2〜250モル、とくに好ましくは10〜100モルである。AOの付加モル数がこの範囲であると(b1)の体積固有抵抗値がさらに好ましい範囲になりやすい。
ポリエーテルジオール(b11)中のオキシアルキレン単位の含量は、(b11)の重量に基づいて(A)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、5〜99.8重量%、さらに好ましくは8〜99.6重量%、とくに好ましくは10〜98重量%である。
また、ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン単位の含量は、ポリオキシアルキレン鎖の重量に基づいて(A)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、5〜100重量%
、さらに好ましくは10〜100重量%、とくに好ましくは50〜100重量%、最も好ましくは60〜100重量%である。オキシエチレン単位の含量がこの範囲であると(b1)の体積固有抵抗値がさらに好ましい範囲になりやすい。
(b12)は、(b11)の両末端水酸基を種々の方法によりアミノ基に変えることにより、容易に得ることができる。
水酸基をアミノ基に変える方法としては、種々の方法、例えば、(b11)の水酸基をシアノアルキル化して得られる末端シアノアルキル基を還元してアミノ基とする方法[例えば、(b11)とアクリロニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化物に水素添加する方法]、(b11)とアミノカルボン酸またはラクタムとを反応させる方法、および(b11)とハロゲン化アミンをアルカリ条件下で反応させる方法等が挙げられる。
(b13)は、(b11)の両末端水酸基を種々の方法によりカルボニル基に変えることにより、容易に得ることができる。
水酸基をカルボニル基に変える方法としては、種々の方法、例えば、(b11)の水酸基を酸化する方法[例えば、(b11)を酸化クロムで酸化する方法]等が挙げられる。
これらの(b21)のうち、(A)の帯電防止性および耐熱性の観点から好ましいのは縮合ポリエステルジオールおよびポリラクトンジオールである。
ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体としては、(a13)におけるジカルボン酸およびポリエーテルジカルボン酸(b13)が挙げられる。
(b22)は、(b21)の両末端水酸基を種々の方法によりアミノ基に変えることにより、容易に得ることができる。
水酸基をアミノ基に変える方法としては、種々の方法、例えば、(b21)の水酸基をシアノアルキル化して得られる末端シアノアルキル基を還元してアミノ基とする方法[例えば、(b21)とアクリロニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化物に水素添加する方法]、(b21)とアミノカルボン酸またはラクタムとを反応させる方法、および(b21)とハロゲン化アミンをアルカリ条件下で反応させる方法等が挙げられる。
(b23)は、(b21)の両末端水酸基を種々の方法によりカルボニル基に変えることにより、容易に得ることができる。
水酸基をカルボニル基に変える方法としては、種々の方法、例えば、(b21)の水酸基を酸化する方法[例えば、(b21)を酸化クロムで酸化する方法]等が挙げられる。
(A)が複数の(a)のブロックを有する場合、(a)のブロックはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
(A)が複数の(b)のブロックを有する場合、(b)のブロックはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。(A)が複数の(b)のブロックを有する場合、耐熱性の観点から、少なくとも1つの(b)のブロックが、(b2)であることが好ましい。
(A11)および(A12)は、各種組み合わせより選ばれる少なくとも2種の混合物が含まれる。
製法(1) ポリアミド(a1)を形成させ、これに(b)を加えて、高温(160〜270℃)、減圧下(0.03〜3kPa)で重合させる方法。
製法(2) アミド形成性モノマーおよびジカルボン酸(分子量調整剤)と(b)の一部を同時に反応槽に仕込み、水の存在下または非存在下に、高温(160〜270℃)で加圧(0.1〜1MPa)反応させることによってポリアミド中間体を生成させ、その後減圧下(0.03〜3kPa)で残りの(b)と重合させる方法。
製法(3) 一軸もしくは二軸の押出機を用い、通常160〜250℃、滞留時間0.1〜20分で(a1)と(b)を重合させる方法。
上記製法のうち、反応制御の観点から好ましいのは製法(1)である。
触媒の使用量は、(a)と(b)の合計重量に基づいて、通常0.001〜5%、好ましくは0.01〜3%である。
Nnは、(A)のMnおよび1H−NMR分析によって求めることができる。
例えば、(a1)のブロックと(b11)のブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有する(A111)の場合は、1H−NMR分析において、4.0〜4.1ppmのエステル結合{−C(C=O)−OCH2−}のプロトンに帰属されるシグナル、および3.2〜3.7ppmのポリアルキレングリコールのプロトンに帰属されるシグナルが観測できることから、これらのプロトン積分値の比を求めて、この比とMnとからNnを求めることができる。
(A)を構成するポリエーテル(b)として、ポリエーテル(b1)および/またはポリエステル(b2)のブロックを使用することにより、(A)の熱減量開始温度を上記の好ましい範囲とすることができる。ここにおいて熱減量開始温度は以下の方法で測定される値(以下同じ。)である。
<熱減量開始温度測定方法>
熱減量開始温度は、JIS K7120(1987年)記載のプラスチックの熱重量測定方法に準じたTG−DTA測定(空気中)による。該測定に用いられる装置として、例えば、セイコーインスツルメンツ(株)製 TG/DTA6200が挙げられる。試料約10mgを、30℃から10℃/分で500℃まで昇温し、TG曲線を解析した結果得られる値である。(測定雰囲気;200ml/分 空気、試料容器;アルミパン)
なお、体積固有抵抗値は、射出成形した試験片(100×100×2mm)を用い、超絶縁計[例えば、東亜電波工業(株)DSM−8103(平板試料用電極SME−8310)]で23℃、50%RHの雰囲気下で測定される値である(ASTM D257に準拠)。
また、これらの(B1)に前記のスチレンおよび/またはその誘導体のモノマーをグラフトしたもの(変性ポリフェニレンエーテル)も(B1)に含まれる。
(B1)のガラス転移温度(以下、Tgと略記)は、成形性の観点から好ましくは190〜240℃、さらに好ましくは210〜230℃である。Tgは示差走査熱量測定(DSC)法により測定される。
(メタ)アクリル酸の誘導体としては、例えばアルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ レート、ブチル(メタ)アクリレート等]、モノ−およびジ−アルキル(C1〜4)アミノアルキル(C2〜4)(メタ)アクリレート[メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、(メタ)アクリロニトリルおよび(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
不飽和アルコールのアルキルエーテルとしては、上記不飽和アルコールのアルキル(C1〜20)エーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等)が挙げられる。ハロゲン含有ビニルモノマーとしては、C2〜12、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデンおよびクロロプレンが挙げられる。
これらのうち好ましいのは、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレンおよび/またはエチレンとC4〜12のα−オレフィンの1種以上との共重合体[共重合比(重量比)=90/10〜10/90、ランダムおよび/またはブロック付加]である。
(B2)の結晶化度は、導電性の観点から好ましくは0〜98%、さらに好ましくは0〜80%、とくに好ましくは0〜70%である。
結晶化度は、X線回折、赤外線吸収スペクトル等の方法によって測定される〔「高分子の固体構造−高分子実験学講座2」(南篠初五郎)、42頁、共立出版1958年刊参照〕。
ビニル基含有芳香族炭化水素としては、C8〜30の、スチレンおよびその誘導体 、例えばo−、m−およびp−アルキル(C1〜10)スチレン(ビニルトルエン等)、α−アルキル(C1〜10)スチレン(α−メチルスチレン等)およびハロゲン化スチレン(クロロスチレン等)が挙げられる。
(B4)の具体例としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエン、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)[共重合比(重量比)=70/30〜80/20]、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)[共重合比(重量比)=60/40〜90/10]、スチレン/ブタジエン共重合体[共重合比(重量比)=60/40〜95/5]、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)[共重合比(重量比)=(20〜30)/(5〜40)/(40〜70)]、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)[共重合比(重量比)=(20〜30)/(5〜40)/(40〜70)]等が挙げられる。
(B62)におけるジアミンとジカルボン酸としては、前記(a13)で例示したものが挙げられ、(B62)としては、ヘキサンメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるナイロン66、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の重縮合によるナイロン610等が挙げられる。
(B63)におけるアミノカルボン酸としては、前記(a12)で例示したものが挙げられ、(B63)としては、アミノエナント酸の重縮合によるナイロン7、ω−アミノウンデカン酸の重縮合によるナイロン11、12−アミノドデカン酸の重縮合によるナイロン12等が挙げられる。
分子量調整剤としてのジカルボン酸のうち、好ましいのは脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩であり、さらに好ましいのはアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウムである。また、分子量調整剤としてのジアミンのうち、好ましいのはヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミンである。
(B7)のMFRは、樹脂物性、導電性の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K7210(1994年)に準じて(ポリカーボネート樹脂の場合は280℃、荷重2.16kgf)測定される。
(B8)のMFRは、樹脂物性、導電性の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K7210(1994年)に準じて(ポリアセタール樹脂の場合は190℃、荷重2.16kgf)測定される。
(B8)の固有粘度[η]は、樹脂物性、導電性の観点から好ましくは0.1〜4、さらに好ましくは0.2〜3.5、とくに好ましくは0.3〜3である。
(C1)としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)および/またはアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)の有機酸(C1〜12のモノ−およびジ−カルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸;C1〜20のスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸;チオシアン酸)の塩、および無機酸(ハロゲン化水素酸、例えば塩酸、臭化水素酸;過塩素酸;硫酸;硝酸;リン酸)の塩が使用できる。
これらのうち導電性の観点から好ましいのは、ハロゲン化物、過塩素酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、酢酸塩、さらに好ましいのは塩化リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、過塩素酸リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、酢酸カリウムである。
(C1)を含有させる方法については特に限定はないが、組成物中への効果的な分散のさせ易さから、(A)中に予め分散させておくことが好ましい。
また、(A)中へ(C)を分散させる場合、(A)の製造(重合)時に予め(C1)を含有、分散させておくのが特に好ましい。(C1)を(A)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、重合前、重合中および重合直後のいずれでもよい。
非イオン性界面活性剤としては、例えばEO付加型非イオン性界面活性剤[例えば高級アルコール(C8〜18、以下同じ)、高級脂肪酸(C8〜24、以下同じ)または高級アルキルアミン(C8〜24)のEO付加物(分子量158以上かつMn200,000以下);グリコールのEO付加物であるポリアルキレングリコール(分子量150以上かつMn6,000以下)の高級脂肪酸エステル;多価アルコール(C2〜18の2価〜8価またはそれ以上、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびソルビタン)高級脂肪酸エステルのEO付加物(分子量250以上かつMn30,000以下);高級脂肪酸アミドのEO付加物(分子量200以上かつMn30,000以下);および多価アルコール(前記のもの)アルキル(C3〜60)エーテルのEO付加物(分子量120以上かつMn30,000以下)]、および多価アルコ−ル(C3〜60)型非イオン性界面活性剤[例えば多価アルコールの脂肪酸(C3〜60)エステル、多価アルコールのアルキル(C3〜60)エーテルおよび脂肪酸(C3〜60)アルカノールアミド]が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤[例えば高級アルキルアミン(C8〜24)のプロピオン酸塩]、ベタイン型両性界面活性剤[例えば高級アルキル(C12〜18)ジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン]、硫酸エステル塩型両性界面活性剤[例えば高級アルキルアミン(C8〜24)の硫酸エステル塩およびヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステル塩]、スルホン酸塩型両性界面活性剤(例えばペンタデシルスルホタウリン塩およびイミダゾリンスルホン酸塩)およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤[例えばグリセリン高級脂肪酸(C8〜24)エステル化物のリン酸エステル塩]が挙げられる。
上記のアニオン性および両性界面活性剤における塩には、金属塩、例えばアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)およびIIB族金属(亜鉛等)の塩;アンモニウム塩;並びに、アミン塩[アルキルアミン(C1〜20)塩およびアルカノールアミン(C2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩等]および4級アンモニウム塩が含まれる。
これらのうち、導電性の観点から好ましいのはアニオン性界面活性剤、さらに好ましいのはスルホン酸塩、特に好ましいのはアルキルベンゼンスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、アルキルスルホン酸塩およびパラフィンスルホン酸塩である。
(C2)を含有させる方法についても特に限定はないが、樹脂組成物中へ効果的に分散させるためには、(A)中に予め分散させておくことが好ましい。また、(A)中へ(C2)を分散させる場合、(A)の製造(重合)時に該(C2)を予め含有、分散させておくのが特に好ましい。(C2)を(A)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、重合前、重合中および重合直後の何れでもよい。
これらのうち、初期電導度の観点から好ましいのはアミジニウムカチオン、さらに好ましいのはイミダゾリウムカチオン、特に好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
有機酸としては、例えばカルボン酸、硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル、スルホン酸およびリン酸エステルが挙げられる。
無機酸としては、例えば超強酸(例えばホウフッ素酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸および六フッ化ヒ素酸)、リン酸およびホウ酸が挙げられる。
上記有機酸および無機酸は1種単独でも2種以上の併用でもいずれでもよい。
上記有機酸および無機酸のうち、(C3)の初期電導度の観点から好ましいのは(C3)を構成するアニオンのHamett酸度関数(−H0)が12〜100である、超強酸の共役塩基、超強酸の共役塩基以外のアニオンを形成する酸およびこれらの混合物である。
超強酸としてのプロトン酸としては、例えばビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン、過塩素酸、フルオロスルホン酸、アルカン(C1〜30)スルホン酸[例えばメタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸等)、ポリ(n=1〜30)フルオロアルカン(C1〜30)スルホン酸(例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸およびトリデカフルオロヘキサンスルホン酸)、ホウフッ素酸および四フッ化ホウ素酸が挙げられる。
これらのうち合成の容易さの観点から好ましいのはホウフッ素酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸である。
これらのうち(C3)の初期電導度の観点から好ましいのはフッ化水素である。
ルイス酸としては、例えば三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素、五フッ化タンタルおよびこれらの混合物が挙げられる。これらのうちで、(C3)の初期電導度の観点から好ましいのは三フッ化ホウ素および五フッ化リンである。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であるが、これらの組み合わせからなる超強酸としては、例えばテトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タンタル酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化タンタルスルホン酸、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、塩化三フッ化ホウ素酸、六フッ化ヒ素酸およびこれらの混合物が挙げられる。
(C3)を添加する方法についても特に限定はないが、樹脂中への効果的な分散の観点から、(A)中に予め分散させておくことが好ましい。また、(A)中へ(C3)を分散させる場合、(A)の製造(重合)時に予め(C3)を含有、分散させておくのが特に好ましい。(C3)を(A)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、重合前、重合中および重合直後のいずれでもよい。
よびポリオキシアルキレン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基(極性基)を有する変性ビニル重合体等が使用でき、例えば、特開平3−258850号公報に記載の重合体が挙げられる。また、例えば、特開平6−345927号公報に記載のスルホニル基を有する変性ビニル重合体、ポリオレフィン部分と芳香族ビニル重合体部分とを有するブロック重合体等も使用できる。
(D)の使用量は、樹脂物性の観点から、(A)、(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜15%、さらに好ましくは1〜10%、特に好ましくは1.5〜8%である。
(D)を含有させる方法については特に限定はないが、組成物中への効果的な分散もしくは溶解のさせ易さから、(A)中に予め分散させておくことが好ましい。
また、(A)中へ(D)を分散もしくは溶解させる場合、(A)の製造(重合)時に予め(D)を含有させておくのが特に好ましい。(D)を(A)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、重合前、重合中および重合直後のいずれでもよい。
(E)としては、核剤(E1)、滑剤(E2)、顔料(E3)、染料(E4)、離型剤(E5)、酸化防止剤(E6)、難燃剤(E7)、紫外線吸収剤(E8)、抗菌剤(E9)、分散剤(E10)、可塑剤(E11)、導電性物質(E12)および充填剤(E13)からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
滑剤(E2)としては、ワックス(例えばカルナバロウワックス、パラフィンワックスおよびポリオレフィンワックス)、高級脂肪酸(C8〜24、例えばステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸)、高級アルコール(C8〜18、例えばステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコールおよびベヘニルアルコール)および高級脂肪酸アミド(C8〜24、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、リノール酸アミドおよびリノレン酸アミド)が挙げられる。
染料(E4)としては、アゾ系、インジゴイド系、硫化系、アリザリン系、アクリジン系、チアゾール系、ニトロ系、アニリン系等が挙げられる。
離型剤(E5)としては、高級脂肪酸(上記のもの)の低級(C1〜4)アルコールエステル(例えばステアリン酸ブチル)、脂肪酸(C2〜18)の多価(2価〜4価またはそれ以上)アルコールエステル(例えば硬化ヒマシ油)、脂肪酸(C2〜18)のグリコール(C2〜8)エステル(例えばエチレングリコールモノステアレート)および流動パラフィンが挙げられる。
硫黄含有難燃剤(E73)としては、硫酸エステル、有機スルホン酸、スルファミン酸、有機スルファミン酸、およびそれらの、塩、エステルおよびアミド等;
珪素含有難燃剤(E74)としては、ポリオルガノシロキサン等;
ホスフェートとしては、トリアルキル(アルキル基はC1〜12)ホスフェート[トリメチル−、トリエチル−、トリブチル−およびトリオクチルホスフェート等]、トリアルコキシ(アルコキシ基はC1〜6)ホスフェート[トリエトキシ−およびトリブトキシホスフェート等]、トリアリールホスフェート[トリフェニルホスフェート等]、アルキル(アルキル基はC1〜10)アリールホスフェート[トリクレジル−、クレジルジフェニル−、オクチルジフェニル−、ジイソプロピルフェニル−およびレゾルシノール−ビス(ジ−2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート等]等が挙げられる。
ホスホネートとしては、トリアルキル(アルキル基はC1〜12)ホスホネート[トリメチルホスホネート、トリエチルホスホネート、トリブチルホスホネート、トリオクチルホスホネート等]、トリアルコキシ(アルコキシ基はC1〜6)ホスホネート[トリエトキシホスホネート、トリブトキシホスホネート等]、トリアリールホスホネート[トリフェニルホスホネート等]、アルキル(アルキル基はC1〜10)アリールホスホネート[トリクレジルホスホネート、クレジルジフェニルホスホネート、オクチルジフェニルホスホネート、ジイソプロピルフェニルホスホネート、レゾルシノール−ビス(ジ−2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート等]等が挙げられる。
R−CO−(OA2)x−O−B2−O−(A2O)y−OC−R (E1111)
R−CO−(OA2)x−O−OC−R (E1112)
R−CO−(OA2)x−O−B2−O−(A2 O)y−H (E1113)
R−CO−(OA2)x−O−H (E1114)
該多価アルコールには、以下のものが含まれる。
2価アルコール(b011);3価〜8価またはそれ以上の多価アルコール、例えば(シクロ)アルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物[グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびジペンタエリスリトール(以下それぞれGR、TMP、PE、SOおよびDPEと略記)、1,2 ,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン等]、糖類およびその誘導体[例えば蔗糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース、およびグリコシド(メチルグルコシド等)]。
また、1級もしくは2級アミノ基含有化合物としては、アルキル(C1〜12)アミン、および(ポリ)アルキレンポリアミン(アルキレン基のC2〜6、アルキレン基の数1〜4、アミノ基の数2〜5)等が挙げられる。
(E11)のMnは、相溶性および導電性の観点から、好ましくは150〜8,000、さらに好ましくは150〜5,000、特に好ましくは150〜3,000である。
素、ステアリン酸カルシウムおよび有機架橋微粒子(例えばエポキシ系およびウレタン系)]が挙げられる。
(E)のうち、(E9)、(E10)、(E11)および(E13)はそれぞれ通常10%以下、好ましくは1〜5%;(E7)は通常20%以下、好ましくは1〜10%;(E3)、(E4)および(E12)は通常5%以下、好ましくは0.1〜3%;(E1)、(E2)、(E5)、(E6)および(E8)は通常3%以下、好ましくは0.05〜1%である。
溶融混合時の各成分の添加順序には特に限定はないが、例えば、(1)(A)、(B)、必要により(C)、(D)および/または(E)を一括して溶融混合する方法、(2)(A)および(B)の一部を予め溶融混合して(A)の高濃度組成物(マスターバッチ樹脂組成物)を作成し、その後、残りの(B)並びに必要に応じて(C)、(D)および/または(E)を溶融混合する方法、が挙げられる。
(2)の方法におけるマスターバッチ樹脂組成物中の本発明の導電性付与剤の濃度は好ましくは40〜80重量%、さらに好ましくは50〜70重量%である。
これらのうち(2)の方法は、マスターバッチ法またはマスターペレット法と呼ばれる方法で、本発明の帯電防止剤(A)への効率的な分散の観点から好ましい方法である。
該成形品を塗装する方法としては、例えばエアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、例えば、ポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料等のプラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が挙げられる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常10〜50μmである。
印刷インキとしてはプラスチックの印刷に通常用いられるもの、例えばグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキおよびオフセットインキが使用できる。
ステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタム21.5部、イソフタル酸26.5部、酸化防止剤〔商品名「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製、テトラキス[メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、以下同じ。〕0.2部および水3部を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換後、220℃で加圧(0.3〜0.5MPa)密閉下、4時間加熱撹拌する。その後、220℃、1.3kPa以下の減圧下で水と未反応物を留去し、両末端にカルボキシル基を有する酸価370のポリアミド(a1−1)45部を得た。
次に、Mn2,700のビスフェノールAのEO付加物400部、塩化リチウム7部および酢酸亜鉛0.5部を加え、245℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A1−1)を得た。(A1−1)の体積固有抵抗値は5×107Ω・cm、熱減量開始温度は205℃であった。
ステンレス製オートクレーブに、12−アミノドデカン酸87部、アジピン酸13部、酸化防止剤0.3部および水4部を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換後、220℃で加圧(0.3〜0.5MPa)密閉下、4時間加熱撹拌する。その後、220℃、1.3kPa以下の減圧下で水と未反応物を留去し、両末端にカルボキシル基を有する酸価102のポリアミド(a1−2)96部を得た。
次に、Mn2,000のポリヘキサメチレンイソフタレートジオール175部およびテトラブチルチタネート0.5部を加え、240℃、0.13kPa以下の減圧下で6時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A1−2)を得た。(A1−2)の体積固有抵抗値は7×109Ω・cm、熱減量開始温度は345℃であった。
ステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタム83.5部、テレフタル酸16.5部、酸化防止剤0.3部および水6部を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換後、220℃で加圧(0.3〜0.5MPa)密閉下、4時間加熱撹拌する。その後、220℃、1.3kPa以下の減圧下で水と未反応物を留去し、両末端にカルボキシル基を有する酸価112のポリアミド(a1−3)96部を得た。
次に、Mn2,000のビスフェノールAのEO付加物120部、Mn2,000のポリブチレンアジペートジオール72部、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム14部、および酢酸ジルコニル0.5部を加え、245℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A1−3)を得た。(A1−3)の体積固有抵抗値は1×108Ω・cm、熱減量開始温度は310℃であった。
ステンレス製オートクレーブに、12−アミノドデカン酸97部、イソフタル酸3部、酸化防止剤0.3部および水6部を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換後、220℃で加圧(0.3〜0.5MPa)密閉下、4時間加熱撹拌する。その後、220℃、1.3kPa以下の減圧下で水と未反応物を留去し、両末端にカルボキシル基を有する酸価22のポリアミド(a1−4)95部を得た。
次に、Mn5,000のポリエチレングリコール35部、EO/THF−ランダム共重合体(EO/THF=重量比40/60、Mn3,000)18部、Mn2,000のポリヘキサメチレンアジペートジオール12部、エチルメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート8部、酸化防止剤0.3部、三酸化アンチモン0.5部を加え、240℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A1−4)を得た。(A1−4)の体積固有抵抗値は7×107Ω・cm、熱減量開始温度は300℃であった。
ステンレス製オートクレーブに、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn2,500、密度0.89、C1,000個当たりの二重結合量10.5個、1分子当たりの二重結合の平均数1.9個、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量95%)85部と無水マレイン酸15部を仕込み、窒素ガス雰囲気下(密閉下)、200℃で溶融し、200℃、20時間反応させた。
その後、過剰の無水マレイン酸を減圧下、200℃、3時間で留去して、酸変性ポリプロピレン(a2−1)を得た。(a2−1)は、酸価39.8、Mn2,800であった。
次に、酸変性ポリプロピレン(a2−1)70部とビス(2−アミノエチル)エーテル40部を窒素ガス雰囲気下、撹拌下、200℃で溶融し、200℃、2時間反応させた。その後、過剰のビス(2−アミノエチル)エーテルを減圧下、200℃、2時間で留去して、両末端にアミノ基を有する変性ポリプロピレン(a2−2)を得た。(a2−2)は、アミン価36、Mn3,000であった。
次に、ステンレス製オートクレーブに、(a2−2)31部、Mn5,000のポリエチレングリコール50部、ドデカン二酸4部、塩化リチウム1部、酸化防止剤0.3部および酢酸亜鉛0.5部を仕込み、230℃、0.13kPa以下の減圧下で10時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A2−1)を得た。(A2−1)の体積固有抵抗値は5×107Ω・cm、熱減量開始温度は200℃であった。
ステンレス製オートクレーブに、(a2−1)50部、Mn5,000のポリヘキサメチレンイソフタレートジオール90部、酸化防止剤0.3部および三酸化アンチモン0.5部を仕込み、230℃、0.13kPa以下の減圧下で8時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A2−2)を得た。(A2−2)の体積固有抵抗値は7×109Ω・cm、熱減量開始温度は335℃であった。
ステンレス製オートクレーブに、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn3,400、密度0.89、C1,000個当たりの二重結合量7.0個、1分子当たりの二重結合の平均数1.8個、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量90%)90部と無水マレイン酸10部とを、窒素ガス雰囲気下(密閉下)、200℃で溶融し、200℃、20時間反応を行った。
その後、過剰の無水マレイン酸を減圧下、200℃、3時間で留去して、酸変性ポリプロピレン(a2−3)を得た。(a2−3)は、酸価27.5、Mn3,600であった。
次に、ステンレス製のオートクレーブで、酸変性ポリプロピレン(a2−3)66部と12−アミノドデカン酸34部を窒素ガス雰囲気下、撹拌下、200℃で溶融し、200℃、3時間、1.3kPa以下の減圧下で反応させ、酸変性ポリプロピレン(a2−4)96部を得た。(a2−4)は、酸価17.7、Mn5,700であった。
次に、ステンレス製オートクレーブに、(a2−4)63部、Mn5,000のポリエチレングリコール40部、Mn7,000のポリヘキサメチレンアジペートジオール15部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6部、酸化防止剤0.3部および酢酸ジルコニル0.5部を仕込み、230℃、0.13kPa以下の減圧下で8時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A2−3)を得た。(A2−3)の体積固有抵抗値は1×108Ω・cm、熱減量開始温度は280℃であった。
ステンレス製オートクレーブに、(a2−3)138部とMn2,000のポリエチレングリコールジアミン20部、Mn1,700のポリカプロラクトンジオール20部、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム8部、酸化防止剤0.3部およびテトラブチルチタネート0.5部を仕込み、230℃、0.13kPa以下の減圧下で8時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A2−4)を得た。(A2−4)の体積固有抵抗値は1×109Ω・cm、熱減量開始温度は260℃であった。
ステンレス製オートクレーブに、(a2−3)62部とMn7,000のポリエチレングリコール89部、Mn10,000のポリカプロラクトンジオール26部、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム8部、酸化防止剤0.3部および酢酸亜鉛0.5部を仕込み、230℃、0.13kPa以下の減圧下で8時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A2−5)を得た。(A2−5)の体積固有抵抗値は7×107Ω・cm、熱減量開始温度は230℃であった。
実施例1において、Mn2,700のビスフェノールAのEO付加物400部に代えてMn4,000のポリエチレングリコール600部を用いた以外は実施例1と同様にして、ブロックポリマー(A’1−1)を得た。(A’1−1)の体積固有抵抗値は5×107Ω・cm、熱減量開始温度は190℃であった。
ステンレス製オートクレーブに、(a1−4)145部、Mn550のポリエチレンアジペートジオール16部、エチルメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート8部、酸化防止剤0.3部、三酸化アンチモン0.5部を加え、240℃、0.13kPa以下の減圧下で12時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A’1−2)を得た。(A’1−2)の体積固有抵抗値は2×1011Ω・cm、熱減量開始温度は360℃であった。
実施例5において、Mn5,000のポリエチレングリコール50部に代えて、Mn35,000のポリエチレングリコール313部およびMn30,000のポリエチレンアジペートジオール31部を用いた以外は実施例5と同様にして、ブロックポリマー(A’2−1)を得た。(A’2−1)の体積固有抵抗値は7×107Ω・cm、熱減量開始温度は180℃であった。
表1に示す配合組成に従って、上記で得られた帯電防止剤と熱可塑性樹脂(後述のB−1、B−2)を、場合により相溶化剤(D−1)、難燃剤(E−1)および/またはドリップ防止剤と共に、ヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、100rpm、滞留時間5分間で、250℃の条件で溶融混練して、帯電防止性樹脂組成物(実施例10〜24および比較例4〜12)を得た。
(B−2):変性ポリフェニレンエーテル樹脂[商品名「ザイロン100Z」、旭化成(株)製]
(D−1):相溶化剤[商品名「エポフレンド」、ダイセル化学(株)製、変性ビニル重合体]
(E−1):難燃剤[縮合ホスフェート、商品名「PX−200」、大八化学(株)製]
ドリップ防止剤:商品名「ポリフロン MPA FA−500」、ダイキン工業(株)製]
上記樹脂組成物を用いて、それぞれ射出成形機[PS40E5ASE、日精樹脂工業(株)製]により、シリンダー温度[(B−1)の場合は260℃、(B−2)の場合は270℃]、金型温度80℃で成形し、試験片を各々作成し、機械特性(衝撃強度)、帯電防止性(体積固有抵抗値、水洗後の体積固有抵抗値)、難燃性の評価を行った。結果を表2に示す。
(1)衝撃強度
ASTM D256(ノッチ付、3.2mm厚)Method Aに準拠。
[2]帯電防止性
(1)体積固有抵抗値
試験片(100×100×2mm)を用いて、超絶縁計[東亜電波工業(株)DS
M−8103(平板試料用電極SME−8310)、以下同じ。]により23℃、
湿度50%RHの雰囲気下で測定した(ASTM D257に準拠)。
(2)水洗後の体積固有抵抗値
斜めに立てかけた試験片(100×100×2mm)の表面を、流量100ml
/分のイオン交換水(23℃)100mlで水洗し、その後80℃の循風乾燥機で
3時間乾燥させる。該水洗−乾燥の操作を10回繰り返した試験片について、(1
)と同様に測定した。
[3]難燃性
試験片(150×5×1mm)について、UL−94に定められている評価基準に従い難燃性を評価した。難燃性レベルはV−0>V−1>V−2>HBの順に低下する。
Claims (7)
- 下記の(a)のブロックと(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合およびイミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有し、熱減量開始温度が200〜350℃であるブロックポリマー(A)からなる帯電防止剤。
(a):ポリアミド(a1)またはポリオレフィン(a2)のブロック
(b):ポリエーテル(b1)および ポリエステル(b2)のブロック、またはポリエステル(b2)のブロック - (b)の含有量が、(a)と(b)の合計重量に基づいて20〜90%である請求項1記載の帯電防止剤。
- 請求項1または2記載の帯電防止剤を熱可塑性樹脂(B)に含有させてなる帯電防止性樹脂組成物。
- (A)の含有量が、(A)と(B)の合計重量に基づいて1〜30%である請求項3記載の樹脂組成物。
- さらに、帯電防止性向上剤、相溶化剤、難燃剤およびその他の樹脂用添加剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有させてなる請求項3または4記載の樹脂組成物。
- 請求項3〜5のいずれか記載の樹脂組成物を成形してなる成形品。
- 請求項6記載の成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品。
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