JP5259987B2 - 帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、成形性に優れ、優れた永久帯電防止性、耐熱性および機械特性を有する成形品を与える帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物に関する。
従来、永久帯電防止剤の耐熱性は熱可塑性樹脂に比べて低いため、永久帯電防止剤を熱可塑性樹脂に含有させてなる永久帯電防止性樹脂組成物は耐熱性が劣るという問題がある。そこで、耐熱性の向上を目的に帯電防止性樹脂組成物に無機フィラーを添加したもの、例えば熱可塑性樹脂に、ポリオレフィンのブロックとポリエーテルのブロックとからなるブロックポリマーおよびフィラーを添加したもの(例えば、特許文献1参照)が知られている。
特開2002−097378号公報
しかしながら、上記の組成物では、耐熱性を向上させるためには、フィラーを大量に添加する必要があり、その結果この組成物を成形してなる成形品の帯電防止性および機械物性等が損なわれるという問題が生じている。
本発明の目的は、耐熱性に優れる帯電防止剤、帯電防止性樹脂組成物、並びに永久帯電防止性、機械物性および難燃性に優れる成形品を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、下記の(a)のブロックと(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合およびイミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有し、熱減量開始温度が200〜350℃であるブロックポリマー(A)からなる帯電防止剤
(a):ポリアミド(a1)またはポリオレフィン(a2)のブロック
(b):ポリエーテル(b1)および/またはポリエステル(b2)のブロック
;該帯電防止剤を熱可塑性樹脂(B)に含有させてなる帯電防止性樹脂組成物;該組成物を成形してなる成形品;並びに、該成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品である。
本発明の帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物は、下記の効果を奏する。
(1)該帯電防止剤は耐熱性に優れる。
(2)該組成物を成形してなる成形品は、永久帯電防止性、機械特性および難燃性に優れる。
本発明におけるブロックポリマー(A)は、下記の(a)のブロックと、下記の(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合およびイミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有する。
(a):ポリアミド(a1)またはポリオレフィン(a2)のブロック
(b):ポリエーテル(b1)および/またはポリエステル(b2)のブロック
ポリアミド(a1)としては、ラクタム開環重合体(a11)、アミノカルボン酸の重縮合体(a12)、ジカルボン酸とジアミンの重縮合体(a13)およびこれらの共重合ポリアミド(a14)が挙げられる。
これらのポリアミドを形成するアミド形成性モノマーのうち、(a11)におけるラクタムとしては、炭素数(以下、Cと略記)6〜12、例えばカプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタムが挙げられる。
ラクタムの開環重合体としては、例えばナイロン4、−5、−6、−8および−12が挙げられる。
(a12)におけるアミノカルボン酸としては、C2〜12、例えばグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸が挙げられる。
アミノカルボン酸の重縮合体としては、例えばアミノエナント酸の重縮合によるナイロン7、ω−アミノウンデカン酸の重縮合によるナイロン11および12−アミノドデカン酸の重縮合によるナイロン12が挙げられる。
(a13)におけるジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、芳香(脂肪)族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、これらのアミド形成性誘導体[酸無水物、低級(C1〜4)アルキルエステル]およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、C2〜20、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸が挙げられる。
芳香(脂肪)族ジカルボン酸としては、C8〜20、例えばオルト−、イソ−およびテレフタル酸、ナフタレン−2,6−および−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸のアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)塩が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、C5〜20、例えばシクロプロパンジカルボン酸、1,3−および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸、ダイマー酸が挙げられる。
アミド形成性誘導体のうち酸無水物としては、上記ジカルボン酸の無水物、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸が挙げられ、低級(C1〜4)アルキルエステルとしては上記ジカルボン酸の低級アルキルエステル、例えばアジピン酸ジメチル、オルト−、イソ−およびテレフタル酸ジメチルが挙げられる。
(a13)におけるジアミンとしては、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香(脂肪)族ジアミンおよびこれらの混合物が挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、C2〜20、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミンおよび1,20−エイコサンジアミンが挙げられる。
脂環式ジアミンとしては、C5〜20、例えば1,3−および1,4−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタンおよび2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパンが挙げられる。
芳香(脂肪)族ジアミンとしては、C6〜20、例えばp−フェニレンジアミン、2,4−および2,6−トルイレンジアミン、2,2−ビス(4,4’−ジアミノフェニル)プロパン、4−アミノベンジルアミン、キシリレンジアミン、ビス(アミノエチル)ベンゼン、ビス(アミノプロピル)ベンゼンおよびビス(アミノブチル)ベンゼンが挙げられる。
ジカルボン酸とジアミンの重縮合体としては、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸またはドデカン二酸の重縮合による、それぞれナイロン66、−610、−69または−612、およびテトラメチレンジアミンとアジピン酸の重縮合によるナイロン46等が挙げられる。
また、共重合ポリアミド(a14)としては、ナイロン6/66〔ナイロン6とナイロン66の共重合体[共重合比(重量比)=5/95〜95/5]〕およびナイロン6/12〔ナイロン6とナイロン12の共重合体[共重合比(重合比)=5/95〜95/5]〕等が挙げられる。
上記(a1)のうち、帯電防止性および耐熱性の観点から、12−アミノドデカン酸の重縮合体、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの重縮合体およびカプロラクタムの開環重合体が好ましく、さらに好ましくはカプロラクタムの開環重合体である。
ポリアミド(a1)は、C4〜20のジカルボン酸および/または上記ジアミンの1種以上を分子量調整剤として使用し、その存在下に上記アミド形成性モノマーを常法により開環重合あるいは重縮合させることによって得られる。
分子量調整剤としてのジカルボン酸のうち、アミド形成性モノマーとの反応性および帯電防止性の観点から、脂肪族および芳香族ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩が好ましく、さらに好ましくはアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウムである。また、分子量調整剤としてのジアミンのうち、アミド形成性モノマーとの反応性の観点から好ましいのはヘキサメチレンジアミンおよびデカメチレンジアミンである。ジカルボン酸を使用すると、両末端カルボキシル基の(a1)、ジアミンを使用すると両末端アミノ基の(a1)となる。
分子量調整剤の使用量は、後述の成形品の帯電防止性および耐熱性の観点から、アミド形成性モノマーと分子量調整剤の合計重量に基づいて、2〜80%が好ましく、さらに好ましくは4〜75%である。
ポリアミド(a1)の数平均分子量[以下、Mnと略記。測定はGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)法による。]は、耐熱性の観点から、200〜5,000が好ましく、さらに好ましくは500〜3,000である。
ポリオレフィン(a2)としては、カルボニル基含有基(カルボキシル基、アルデヒド、カルボキシアルキル基、アミド基が含まれ、ブロックポリマーの形成のし易さの観点から、カルボキシル基が好ましい)をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a21)、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a22)、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a23)が使用でき、さらに、カルボニル基含有基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a24)、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a25)およびアミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a26)が使用できる。これらのうち、変性のし易さからカルボニル基含有基を有するポリオレフィン(a21)および(a24)が好ましい。
(a21)〜(a23)としては、両末端が変性可能なポリオレフィンの両末端にそれぞれ、カルボニル基含有基、水酸基、アミノ基を導入したものが用いられる。
(a24)〜(a26)としては、少なくとも片末端が変性可能なポリオレフィンの片末端にそれぞれ、カルボニル基含有基、水酸基、アミノ基を導入したものが用いられる。
末端が変性可能なポリオレフィンとは、ポリオレフィン鎖の末端に変性可能な官能基(二重結合、アミノ基、カルボキシル基、アリル基、グリシジル基等が含まれ、変性のし易さの観点から二重結合が好ましい。)を有するポリオレフィンを意味する。
変性可能なポリオレフィンとしては、両末端が変性可能なポリオレフィンを主成分(好ましくは含量50重量%以上、さらに好ましくは75重量%以上、とくに好ましくは80〜100重量%)とするポリオレフィン(a0)が使用できる。(a0)は、通常、両末端が変性可能なポリオレフィン、片末端が変性可能なポリオレフィンおよび変性可能な末端基を持たないポリオレフィンの混合物であり、(a0)を変性した場合、官能基(カルボニル基含有基、水酸基またはアミノ基)を両末端に導入したポリオレフィン、官能基を片末端に導入したポリオレフィンおよび官能基を導入していないポリオレフィンの混合物が得られる。
(a0)としては、C2〜30のオレフィンの1種または2種以上の混合物の(共)重合(重合または共重合を意味する。以下同様。)によって得られるポリオレフィン[重合法]および高分子量のポリオレフィン(C2〜30のオレフィンの重合によって得られるポリオレフィン)の熱減成法によって得られる低分子量ポリオレフィン[熱減成法]が使用できる。
C2〜30のオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、C4〜30(帯電防止性の観点から好ましくは4〜12、さらに好ましくは4〜10)のα−オレフィン、およびC4〜30(帯電防止性の観点から好ましくは4〜18、さらに好ましくは4〜8)のジエン等が挙げられる。
α−オレフィンとしては、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセン等が挙げられ、ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、シクロペンタジエンおよび1,11−ドデカジエン等が挙げられる。
これらのうち帯電防止性の観点から好ましいのはC2〜12のオレフィン(エチレン、プロピレン、C4〜12のα−オレフィン、ブタジエンおよび/またはイソプレン等)、さらに好ましいのはC2〜10(エチレン、プロピレン、C4〜10のα−オレフィンおよび/またはブタジエン等)、とくに好ましいのはエチレン、プロピレンおよび/またはブタジエンである。
熱減成法によって得られる低分子量ポリオレフィンは、例えば、特開平3−62804号公報記載の方法等により容易に得ることができる。
重合法によって得られるポリオレフィンは種々の方法で製造でき、例えば、ラジカル触媒、金属酸化物触媒、チーグラー触媒およびチーグラー−ナッタ触媒等の存在下で上記オレフィンを(共)重合させる方法等により容易に得ることができる。
ラジカル触媒としては、例えばジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルベンゾエート、デカノールパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、パーオキシ−ジ−カーボネートエステル、アゾ化合物等、およびγ−アルミナ担体に酸化モリブデンを付着させたもの等が挙げられる。金属酸化物触媒としては、シリカ−アルミナ担体に酸化クロムを付着させたもの等が挙げられる。チーグラー触媒およびチーグラー−ナッタ触媒としては、(C2H5)3Al−TiCl4等が挙げられる。
重合法としては、−50〜−100℃に冷却したキシレン、トルエン等の炭化水素系溶媒に、触媒、モノマーを加え、重合する方法等が挙げられる。
変性基であるカルボニル基含有基の導入のしやすさ、および入手のしやすさの点で、熱減成法による低分子量ポリオレフィンが好ましい。
(a0)のMnは帯電防止性の観点から好ましくは800〜20,000、さらに好ましくは1,000〜10,000、とくに好ましくは1,200〜6,000である。
(a0)中の二重結合の量は、帯電防止性の観点から好ましくは、C1,000当たり1〜40個、さらに好ましくは2〜30個、とくに好ましくは4〜20個である。
1分子当たりの二重結合の平均数は、繰り返し構造の形成性の観点および帯電防止性の観点から好ましくは、1.1〜5、さらに好ましくは1.3〜3、とくに好ましくは1.
5〜2.5、最も好ましくは1.8〜2.2である。
熱減成法においては、Mnが800〜6,000の範囲で、1分子当たりの平均末端二重結合数が1.5〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られる〔例えば、村田勝英、牧野忠彦、日本化学会誌、192頁(1975)参照〕。
カルボニル基含有基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a21)としては、両末端を変性可能なポリオレフィンの両末端をα、β−不飽和カルボン酸(無水物)(α,β−不飽和カルボン酸、そのC1〜4のアルキルエステルまたはその無水物を意味する。以下、同様。)で変性した構造を有するポリオレフィン(a211)、(a211)をラクタムまたはアミノカルボン酸で二次変性した構造を有するポリオレフィン(a212)、両末端を変性可能なポリオレフィンを酸化またはヒドロホルミル化変性した構造を有するポリオレフィン(a213)、(a213)をラクタムまたはアミノカルボン酸で二次変性した構造を有するポリオレフィン(a214)、(a213)をヒドロキシアミンで二次変性した構造を有するポリオレフィン(a215)およびこれらの2種以上の混合物等;水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a22)としては、(a211)をヒドロキシルアミンで変性した構造を有するポリオレフィン(a221)、(a213)をヒドロキシルアミンで変性した構造を有するポリオレフィン(a222)、およびこれらの2種以上の混合物等;アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a23)としては、(a211)をジアミンで二次変性した構造を有するポリオレフィン(a231)、(a212)をジアミンで二次変性した構造を有するポリオレフィン(a232)、(a212)をヒドロキシアミンで変性した構造を有するポリオレフィン(a233)、(a213)をジアミンで二次変性した構造を有するポリオレフィン(a234)、(a213)をヒドロキシアミンで変性した構造を有するポリオレフィン(a235)、(a214)をジアミンで二次変性した構造を有するポリオレフィン(a236)およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
(a211)は、両末端を変性可能なポリオレフィンをα,β−不飽和カルボン酸(無水物)により変性することにより得られる。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)としては、C3〜12のカルボン酸、例えばモノカルボン酸[(メタ)アクリル酸等]、ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等)、これらのアルキル(C1〜4)エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、イタコン酸ジエチル等]およびこれらの無水物が挙げられる。
これらのうち両末端を変性可能なポリオレフィンとの反応性の観点から好ましいのは、ジカルボン酸、これらのアルキルエステルおよびこれらの無水物、さらに好ましいのはマレイン酸(無水物)およびフマル酸、とくに好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
α、β−不飽和カルボン酸(無水物)の使用量は、両末端を変性可能なポリオレフィンの重量に基づき、繰り返し構造の形成性および帯電防止性の観点から好ましくは、0.5〜40重量%、さらに好ましくは1〜30重量%、とくに好ましくは2〜20重量%である。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)による両末端を変性可能なポリオレフィンの変性は種々の方法、例えば、両末端を変性可能なポリオレフィンの末端二重結合に、溶液法または溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を熱的に付加(エン反応)させることにより行うことができる。
溶液法としては、キシレン、トルエン等の炭化水素系溶媒の存在下、両末端を変性可能なポリオレフィンにα,β−不飽和カルボン酸(無水物)を加え、窒素等の不活性ガス雰囲気中170〜230℃で反応させる方法等が挙げられる。
溶融法としては、両末端を変性可能なポリオレフィンを加熱溶融した後に、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を加え、窒素等の不活性ガス雰囲気中170〜230℃で反応させる方法が挙げられる。
これらの方法のうち、反応の均一性の観点から好ましいのは溶液法である。
(a212)は、(a211)をラクタムまたはアミノカルボン酸で二次変性することにより得られる。
ラクタムまたはアミノカルボン酸としては、前述のものが使用できる。
これらのうち、二次変性の反応性の観点から好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、グリシン、ロイシン、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノドデカン酸、さらに好ましいのはカプロラクタム、ラウロラクタム、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、特に好ましいのはカプロラクタムおよび12−アミノドデカン酸である。
ラクタムまたはアミノカルボン酸の使用量は、帯電防止性の観点から好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸からカルボキシル基を除いた残基1個当たり、ラクタムまたはアミノカルボン酸0.1〜20個、さらに好ましくは0.3〜15個、特に好ましくは0.5〜10個である。
(a213)は、両末端を変性可能なポリオレフィンを酸素および/またはオゾンにより酸化またはオキソ法によりヒドロホルミル化してカルボニル基含有基を導入することにより得られる。
酸化によるカルボニル基含有基の導入は、種々の方法、例えば、米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボニル基含有基の導入は、種々の方法、例えば、Macromolecules、Vol.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
(a214)は、(a213)をラクタムまたはアミノカルボン酸で二次変性することにより得られる。
ラクタムおよびアミノカルボン酸としては、前述したものが挙げられその使用量も同様である。
(a215)は、(a213)をヒドロキシルアミンで二次変性することにより得られる。ヒドロキシルアミンとしては、C2〜10のヒドロキシルアミン、例えば、2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノール、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、2−アミノエタノールである。ヒドロキシルアミンによる変性は、(a211)とヒドロキシルアミンとを直接反応させることにより行うことができる。反応温度は、通常120〜230℃である。変性に用いるヒドロキシルアミンのヒドロキシル基の量は、(a211)中のα、β不飽和カルボン酸(無水物)の残基1個当たり0.1〜2個、好ましくは0.3〜1.5個、特に好ましくは0.5〜1.2個、最も好ましくは1個である。
(a23)は、(a211)をジアミンで二次変性することにより得られる。ジアミンとしては、C2〜18、好ましくは2〜12のジアミン、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、エチレンジアミンである。ジアミンによる変性は、(a211)とジアミンとを直接反応させることにより行うことができる。反応温度は、通常120〜230℃である。変性に用いるジアミンのアミノ基の量は、(a211)中のα、β不飽和カルボン酸(無水物)の残基1個当たり0.1〜2個、好ましくは0.3〜1.5個、特に好ましくは0.5〜1.2個、最も好ましくは1個である。
(a232)は、(a212)をヒドロキシルアミンで二次変性することにより得られる。
ヒドロキシルアミンとしては、(a215)で例示したものが挙げられその使用量も同様である。
(a232)は、(a213)をジアミンで二次変性することにより得られる。
ジアミンとしては、前述で例示したものが挙げられその使用量も同様である。
片末端を変性したポリオレフィン(a24)〜(a26)については、片末端が変性可能なポリオレフィンを(a21)〜(a23)と同様の方法で変性することにより得られる。
ポリオレフィン(a2)のMnは、耐熱性および後述する(b)のブロックとの反応性の観点から好ましくは、800〜25,000、さらに好ましくは1,000〜20,000、とくに好ましくは2,500〜10,000である。
また、(a2)は、カルボキシル基を含有することが好ましく、その場合、(a2)の酸価(mgKOH/g)は、(b)との反応性の観点から好ましくは、4〜280、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。水酸基を含有する場合、(a2)の水酸基価(mgKOH/g)は、(b)との反応性の観点から好ましくは、4〜280、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。アミノ基を含有する場合、(a2)のアミン価(mgKOH/g)は、(b)との反応性の観点から好ましくは、4〜280、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。
(b)のブロックとしては、ポリエーテル(b1)および/またはポリエステル(b2)のブロックが使用できる。
ポリエーテル(b1)としては、下記一般式で表されるポリエーテルジオール(b11)、ポリエーテルジアミン(b12)およびポリエーテルジカルボン酸(b13)が使用できる。

X−A−(OA)m-1−O−E−O−(AO)m'-1−A−X (1)

式中、Eはジオールまたは2価フェノールから水酸基を除いた残基、Aはハロゲン原子および/またはベンゼン環で置換されていてもよいC2〜12の2価の炭化水素基、mおよびm’は1〜300の整数、好ましくは2〜250、とくに好ましくは10〜100の整数を表し、mとm’とは同一でも異なっていてもよい。また、m個の(OA)とm’個の(AO)とは同一でも異なっていてもよく、また、これらが2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合形式はブロック、ランダムまたはこれらの組合せのいずれでもよい。Xは水酸基、アミノ基およびカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表す。
(b1)の体積固有抵抗値は、導電性の観点から好ましい上限は1011Ω・cm、さらに好ましくは1010Ω・cm、特に好ましくは109Ω・cm、機械物性の観点から好ましい下限は105Ω・cm、さらに好ましくは106Ω・cm、特に好ましくは107Ω・cmである。
また、(b1)のMnは、耐熱性および(a)との反応性の観点から好ましくは150〜20,000、さらに好ましくは300〜18,000、特に好ましくは1,000〜15,000、最も好ましくは1,200〜8,000である。
ポリエーテルジオール(b11)としては、ジオール(b01)または2価フェノール(b02)にアルキレンオキシド(以下、AOと略記)(C2〜12)を付加反応させることにより得られるものが挙げられる。
ジオール(b01)としては、C2〜20の2価アルコール(脂肪族、脂環式および芳香脂肪族2価アルコール)(b011)およびC1〜12の3級アミノ基含有ジオール等が挙げられる。
脂肪族2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1 ,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオールおよび1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。
脂環式2価アルコールとしては、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロオクタンジオールおよび1,3−シクロペンタンジオール等が挙げられる。
芳香脂肪族2価アルコールとしては、キシリレンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオールおよび1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等が挙げられる。
3級アミノ基含有ジオールとしては、脂肪族または脂環式1級モノアミン(C1〜12、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8)のビスヒドロキシアルキル(アルキル基のC1〜12、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8)化物および芳香(脂肪)族1級モノアミン(C6〜12)のビスヒドロキシアルキル(アルキル基のC1〜12)化物等が挙げられる。
モノアミンのビスヒドロキシアルキル化物は、種々の方法、例えば、モノアミンとC2〜4のAO[エチレンオキシド(以下、EOと略記)プロピレンオキシド(以下、POと略記)、ブチレンオキシド等]とを反応させるか、モノアミンとC1〜12のハロゲン化ヒドロキシアルキル(2−ブロモエチルアルコール、3−クロロプロピルアルコール等)とを反応させることにより容易に得ることができる。
脂肪族1級モノアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、1−および2−プロピルアミン、n−およびi−アミルアミン、ヘキシルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチルアミン、2−および3−アミノヘプタン、ヘプチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミンおよびドデシルアミン等が挙げられる。
脂環式1級モノアミンとしては、シクロプロピルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
芳香(脂肪)族1級モノアミンとしては、アニリンおよびベンジルアミン等が挙げられる。
2価フェノール(b02)としては、C6〜18、例えば単環2価フェノール(ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ウルシオール等)、ビスフェノール(ビスフェノールA、−F、−C、−B、−ADおよび−S、ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、ジヒドロキビフェニル等)および縮合多環2価フェノール(ジヒドロキシナフタレン、ビナフトール等)等が挙げられる。
(b01)および(b02)のうち帯電防止性の観点から好ましいのは、2価アルコールおよび2価フェノール、さらに好ましいのは脂肪族2価アルコールおよびビスフェノール、とくに好ましいのはエチレングリコールおよびビスフェノールAである。
ジオール(b01)または2価フェノール(b02)に付加反応させるAOとしては、C2〜12のAO(EO、PO、1,2−、1,4−、2,3−および1,3−ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の混合物)等が挙げられるが、必要によりその他のAOおよび置換AOを併用してもよい(本発明においては、これらも含めてAOと総称する。)。
その他のAOおよび置換AOとしては、C5〜12のα−オレフィンのエポキシ化物、スチレンオキシドおよびエピハロヒドリン(エピクロルヒドリンおよびエピブロモヒドリン等)等が挙げられる。他のAOおよび置換AOのそれぞれの使用量は、全AOの重量に基づいて帯電防止性の観点から好ましくは、30重量%以下、さらに好ましくは0〜25重量%、とくに好ましくは0〜20重量%である。
2種以上のAOを併用するときの結合形式はランダムおよび/またはブロックのいずれでもよい。
AOのうち帯電防止性の観点から好ましいのは、EO単独、およびEOとEO以外のAOとの併用(ブロックおよび/またはランダム付加)、さらに好ましいのはEO単独およびEOとPOの併用、とくに好ましいのはEO単独である。
AOの付加モル数は、(A)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、(b01)または(b02)の水酸基1個当り1〜300モル、さらに好ましくは2〜250モル、とくに好ましくは10〜100モルである。AOの付加モル数がこの範囲であると(b1)の体積固有抵抗値がさらに好ましい範囲になりやすい。
AOの付加反応は、公知の方法、例えばアルカリ触媒(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)の存在下、100〜200℃、圧力0〜0.5MPaGの条件で行なうことができる。
ポリエーテルジオール(b11)中のオキシアルキレン単位の含量は、(b11)の重量に基づいて(A)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、5〜99.8重量%、さらに好ましくは8〜99.6重量%、とくに好ましくは10〜98重量%である。
また、ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン単位の含量は、ポリオキシアルキレン鎖の重量に基づいて(A)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、5〜100重量%
、さらに好ましくは10〜100重量%、とくに好ましくは50〜100重量%、最も好ましくは60〜100重量%である。オキシエチレン単位の含量がこの範囲であると(b1)の体積固有抵抗値がさらに好ましい範囲になりやすい。
ポリエーテルジアミン(b12)としては、ポリエーテルジオール(b11)の水酸基をアミノ基(1級または2級アミノ基)に変性したものが挙げられる。
(b12)は、(b11)の両末端水酸基を種々の方法によりアミノ基に変えることにより、容易に得ることができる。
水酸基をアミノ基に変える方法としては、種々の方法、例えば、(b11)の水酸基をシアノアルキル化して得られる末端シアノアルキル基を還元してアミノ基とする方法[例えば、(b11)とアクリロニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化物に水素添加する方法]、(b11)とアミノカルボン酸またはラクタムとを反応させる方法、および(b11)とハロゲン化アミンをアルカリ条件下で反応させる方法等が挙げられる。
ポリエーテルジカルボン酸(b13)としては、ポリエーテルジオール(b11)の水酸基をカルボニル基(好ましくはカルボキシル基)に変性したものが挙げられる。
(b13)は、(b11)の両末端水酸基を種々の方法によりカルボニル基に変えることにより、容易に得ることができる。
水酸基をカルボニル基に変える方法としては、種々の方法、例えば、(b11)の水酸基を酸化する方法[例えば、(b11)を酸化クロムで酸化する方法]等が挙げられる。
ポリエステル(b2)としては、ポリエステルジオール(b21)、ポリエステルジアミン(b22)およびポリエステルジカルボン酸(b23)が使用できる。
ポリエステルジオール(b21)には、ジオールとジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とを反応させて得られる縮合ポリエステルジオール、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンジオール、エチレンカーボネートとジオール(1、6−ヘキサンジオール等)の反応により得られるポリカーボネートジオール等が含まれる。
これらの(b21)のうち、(A)の帯電防止性および耐熱性の観点から好ましいのは縮合ポリエステルジオールおよびポリラクトンジオールである。
縮合ポリエステルジオールを構成するジオールとしては、2価アルコール(b011)、2価フェノール(b02)のAO低モル(1〜10)付加物およびポリエーテルジオール(b11)が挙げられる。
ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体としては、(a13)におけるジカルボン酸およびポリエーテルジカルボン酸(b13)が挙げられる。
縮合ポリエステルジオールの具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリネオペンチルテレフタレートジオール、ポリエチレンテレフタレートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール等が挙げられる。
ポリラクトンジオールを構成するラクトンとしては、C4〜12、例えばε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンおよびこれらの2種以上の併用が挙げられる 。ポリラクトンジオールの具体例としては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオールが挙げられる。
ポリエステルジアミン(b22)としては、ポリエステルジオール(b21)の水酸基をアミノ基(1級または2級アミノ基)に変性したものが挙げられる。
(b22)は、(b21)の両末端水酸基を種々の方法によりアミノ基に変えることにより、容易に得ることができる。
水酸基をアミノ基に変える方法としては、種々の方法、例えば、(b21)の水酸基をシアノアルキル化して得られる末端シアノアルキル基を還元してアミノ基とする方法[例えば、(b21)とアクリロニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化物に水素添加する方法]、(b21)とアミノカルボン酸またはラクタムとを反応させる方法、および(b21)とハロゲン化アミンをアルカリ条件下で反応させる方法等が挙げられる。
ポリエステルジカルボン酸(b23)としては、上記ジオールと上記ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とを反応させて得られる縮合ポリエステルジカルボン酸、ポリエーテルジオール(b21)の水酸基をカルボニル基(好ましくはカルボキシル基)に変性したものが挙げられる。
(b23)は、(b21)の両末端水酸基を種々の方法によりカルボニル基に変えることにより、容易に得ることができる。
水酸基をカルボニル基に変える方法としては、種々の方法、例えば、(b21)の水酸基を酸化する方法[例えば、(b21)を酸化クロムで酸化する方法]等が挙げられる。
本発明におけるブロックポリマー(A)は、(a)のブロックと、(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合およびイミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するものであり、(a1)と(b)の各ブロックからなる(A1)、および(a2)と(b)の各ブロックからなる(A2)が含まれる。
(A)が複数の(a)のブロックを有する場合、(a)のブロックはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
(A)が複数の(b)のブロックを有する場合、(b)のブロックはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。(A)が複数の(b)のブロックを有する場合、耐熱性の観点から、少なくとも1つの(b)のブロックが、(b2)であることが好ましい。
(A1)には、前記カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリアミド(a1)と、ポリエーテルジオール(b11)、ポリエーテルジアミン(b12)、ポリエステルジオール(b21)および/またはポリエステルジアミン(b22)とを重合反応させることにより得られる(A11)と、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリアミド(a1)とポリエーテルジカルボン酸(b13)および/またはポリエステルジカルボン酸(b23)とを重合反応させることにより得られる(A12)とが含まれる。
(A11)および(A12)は、各種組み合わせより選ばれる少なくとも2種の混合物が含まれる。
(A1)の製法としては、下記(1)、(2)および(3)が挙げられるが、特に限定されるものではない。
製法(1) ポリアミド(a1)を形成させ、これに(b)を加えて、高温(160〜270℃)、減圧下(0.03〜3kPa)で重合させる方法。
製法(2) アミド形成性モノマーおよびジカルボン酸(分子量調整剤)と(b)の一部を同時に反応槽に仕込み、水の存在下または非存在下に、高温(160〜270℃)で加圧(0.1〜1MPa)反応させることによってポリアミド中間体を生成させ、その後減圧下(0.03〜3kPa)で残りの(b)と重合させる方法。
製法(3) 一軸もしくは二軸の押出機を用い、通常160〜250℃、滞留時間0.1〜20分で(a1)と(b)を重合させる方法。
上記製法のうち、反応制御の観点から好ましいのは製法(1)である。
上記の重合反応では、種々の触媒、例えばアンチモン触媒(三酸化アンチモン等);スズ触媒(モノブチルスズオキシド等);チタン触媒(テトラブチルチタネート等);ジルコニウム触媒(テトラブチルジルコネート等);有機酸金属塩触媒[ジルコニウム有機酸塩(酢酸ジルコニル等)、酢酸亜鉛等];およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、ジルコニウム触媒およびジルコニウム有機酸塩、さらに好ましいのは酢酸ジルコニルである。
触媒の使用量は、(a)と(b)の合計重量に基づいて、通常0.001〜5%、好ましくは0.01〜3%である。
(A1)の還元粘度[ηsp/C、C=0.5重量%(m−クレゾール溶液、25℃)]は、(A1)の耐熱性と後述の樹脂組成物の成形性の観点から好ましくは0.5〜4、さらに好ましくは0.6〜3である。
また、(A)の別の形態としての(A2)には、(a211)、(a212)、(a213)および/または(a214)と(b11)、(b12)、(b21)および/または(b22)とを重合反応させることにより得られる(A21);(a221)、(a232)、(a233)および/または(a234)と(b13)および/または(b23)とを重合反応させることにより得られる(A22);(a231)、(a232)および/または(a235)と(b13)および/または(b23)とを重合反応させることにより得られる(A23)が含まれる。
(A21)、(A22)および(A23)は、各種組み合わせより選ばれる少なくとも2種の混合物が含まれる。(A21)、(A22)および(A23)は(A11)や(A12)と同様の方法で製造することができる。
ブロックポリマー(A)を構成する(b)の量は、帯電防止性および耐熱性の観点から好ましくは、(a)と(b)との合計重量に基づいて20〜90%、さらに好ましくは25〜80%、特に好ましくは30〜70%である。
(A)のMnは、樹脂物性および帯電防止性の観点から好ましくは2,000〜60,000、さらに好ましくは5,000〜40,000、特に好ましくは8,000〜30,000である。
(A)の構造において、(a)のブロックと、(b)のブロックとの繰り返し単位の平均繰り返し数(Nn)は、帯電防止性の観点から好ましくは、2〜50、さらに好ましくは2.3〜30、とくに好ましくは2.7〜20、最も好ましくは3〜10である。
Nnは、(A)のMnおよび1H−NMR分析によって求めることができる。
例えば、(a1)のブロックと(b11)のブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有する(A111)の場合は、1H−NMR分析において、4.0〜4.1ppmのエステル結合{−C(C=O)−OCH2−}のプロトンに帰属されるシグナル、および3.2〜3.7ppmのポリアルキレングリコールのプロトンに帰属されるシグナルが観測できることから、これらのプロトン積分値の比を求めて、この比とMnとからNnを求めることができる。
(A)の末端は、(a)由来のカルボキシル基、アミノ基、水酸基および/または無変性ポリオレフィン末端(何ら変性がなされていないポリオレフィン末端、すなわち、アルキル基またはアルケニル基)、あるいは(b)由来の水酸基、カルボキシル基および/またはアミノ基のいずれかである。これらのうち反応性の観点から末端として好ましいのはカルボニル基、アミノ基、水酸基、さらに好ましいのはカルボキシル基、水酸基である。
(A)の熱減量開始温度は、200〜350℃であり、好ましくは220〜340℃、さらに好ましくは230〜335℃である。熱減量開始温度が200℃未満では(A)の耐熱性が悪く、後述の成形品の樹脂物性が悪化し、350℃を超えると(A)の帯電防止性が悪化する。
(A)を構成するポリエーテル(b)として、ポリエーテル(b1)および/またはポリエステル(b2)のブロックを使用することにより、(A)の熱減量開始温度を上記の好ましい範囲とすることができる。ここにおいて熱減量開始温度は以下の方法で測定される値(以下同じ。)である。
<熱減量開始温度測定方法>
熱減量開始温度は、JIS K7120(1987年)記載のプラスチックの熱重量測定方法に準じたTG−DTA測定(空気中)による。該測定に用いられる装置として、例えば、セイコーインスツルメンツ(株)製 TG/DTA6200が挙げられる。試料約10mgを、30℃から10℃/分で500℃まで昇温し、TG曲線を解析した結果得られる値である。(測定雰囲気;200ml/分 空気、試料容器;アルミパン)
(A)の体積固有抵抗値は、帯電防止性の観点から好ましくは1×106〜1×1012、さらに好ましくは5×106〜1×1011Ω・cmである。(A)の体積固有抵抗値が1×106Ω・cm未満では後述の成形品の樹脂物性が悪くなり、1×1012Ω・cmを超えると帯電防止性が悪くなる。
なお、体積固有抵抗値は、射出成形した試験片(100×100×2mm)を用い、超絶縁計[例えば、東亜電波工業(株)DSM−8103(平板試料用電極SME−8310)]で23℃、50%RHの雰囲気下で測定される値である(ASTM D257に準拠)。
熱可塑性樹脂(B)としては、ポリフェニレンエーテル樹脂(B1);ビニル樹脂〔ポリオレフィン樹脂(B2)[例えばポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂]、ポリアクリル樹脂(B3)[例えばポリメタクリル酸メチル]、ポリスチレン樹脂(B4)[ビニル基含有芳香族炭化水素単独またはビニル基含有芳香族炭化水素と、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルおよびブタジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種とを構成単位とする共重合体、例えばポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AN樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)]等〕;ポリエステル樹脂(B5)[例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート];ポリアミド樹脂(B6)[例えばナイロン66、ナイロン69、ナイロン612、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6/66、ナイロン6/12];ポリカーボネート樹脂(B7)[例えばポリカーボネート、ポリカーボネート/ABSアロイ樹脂];ポリアセタール樹脂(B8);生分解性樹脂(B9)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち、後述する成形品の機械特性および本発明の(A)の(B)への分散性の観点から好ましいのは(B1)、(B2)、(B3)、(B4)および(B7)、さらに好ましいのは(B2)、(B4)および(B7)である。
本発明の(A)と(B)との合計重量に基づく(A)の含有量は、導電性および機械特性の観点から好ましくは1〜30%、さらに好ましくは5〜15%である。
ポリフェニレンエーテル樹脂(B1)としては、例えば下記一般式(2)で示されるものが挙げられる。
Figure 0005259987
一般式(2)においてpは50以上の整数、R1、R2、R3、R4は、H、ハロゲン原子、C1〜12の炭化水素基、C2〜12の置換炭化水素基、アルコキシ基、シアノ基、フェノキシ基またはニトロ基を表す。R1、R2、R3、R4はそれぞれ同じでも、異なっていてもよい。また、(B1)は一般式(2)で示される重合体の1種単独であっても、2種以上の構成単位からなる共重合体や、2種以上の重合体の配合物であってもよい。
(B1)の具体例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジメトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジクロロメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジブロモ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジクロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、6−ジベンジル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2、5−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。
また、これらの(B1)に前記のスチレンおよび/またはその誘導体のモノマーをグラフトしたもの(変性ポリフェニレンエーテル)も(B1)に含まれる。
(B1)の固有粘度[η]は、樹脂物性、導電性の観点から好ましくは0.1〜4、さらに好ましくは0.2〜3.5、とくに好ましくは0.3〜3である。[η]はポリマーの0.5重量%クロロホルム溶液について、30℃でウベローデ1A粘度計を用いて測定される。
(B1)のガラス転移温度(以下、Tgと略記)は、成形性の観点から好ましくは190〜240℃、さらに好ましくは210〜230℃である。Tgは示差走査熱量測定(DSC)法により測定される。
ビニル樹脂[(B2)〜(B4)]としては、以下のビニルモノマーを種々の重合法(ラジカル重合法、チーグラー触媒重合法、メタロセン触媒重合法等)により(共)重合させることにより得られるものが挙げられる。
ビニルモノマーとしては、不飽和炭化水素(脂肪族炭化水素、芳香環含有炭化水素、脂環式炭化水素等)、アクリルモノマー、その他の不飽和モノ−およびジカルボン酸およびその誘導体、不飽和アルコールのカルボン酸エステル、不飽和アルコールのアルキルエーテル、ハロゲン含有ビニルモノマー並びにこれらの2種以上の組合せ (ランダムおよび/またはブロック)等が挙げられる。
脂肪族炭化水素としては、C2〜30のオレフィン[エチレン、プロピレン、 C4〜30のα−オレフィン(1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、 1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等)等]、C4〜30のジエン[アルカジエン(ブタジエン、イソプレン等)、シクロアルカジエン(シクロペンタジエン等)等]等が挙げられる。
芳香環含有炭化水素としては、C8〜30の、スチレンおよびその誘導体 、例えばo−、m−およびp−アルキル(C1〜10)スチレン(ビニルトルエン等)、α−アルキル(C1〜10)スチレン(α−メチルスチレン等)およびハロゲン化スチレン(クロロスチレン等)が挙げられる。
アクリルモノマーとしては、C3〜30、例えば(メタ)アクリル酸およびその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸の誘導体としては、例えばアルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ レート、ブチル(メタ)アクリレート等]、モノ−およびジ−アルキル(C1〜4)アミノアルキル(C2〜4)(メタ)アクリレート[メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、(メタ)アクリロニトリルおよび(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
その他の不飽和モノ−およびジカルボン酸としては、C2〜30(好ましくは3〜20、さらに好ましくは4〜15)の不飽和モノ−およびジカルボン酸、例えば、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸およびイタコン酸等が挙げられ、その誘導体としては、C5〜30、例えばモノ−およびジアルキル(C1〜20)エステル、酸無水物(無水マレイン酸等)および酸イミド(マレイン酸イミド等)等が挙げられる。
不飽和アルコールのカルボン酸エステルとしては、不飽和アルコール[C2〜6、例えばビニルアルコール 、(メタ)アリルアルコール]のカルボン酸(C2〜4、例えば酢酸、プロピオン酸)エステル(酢酸ビニル等)が挙げられる。
不飽和アルコールのアルキルエーテルとしては、上記不飽和アルコールのアルキル(C1〜20)エーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等)が挙げられる。ハロゲン含有ビニルモノマーとしては、C2〜12、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデンおよびクロロプレンが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂(B2)としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体[共重合比(重量比)=0.1/99.9〜99.9/0.1]、プロピレンおよび/またはエチレンと他のα−オレフィン(C4〜12)の1種以上との共重合体(ランダムおよび/またはブロック付加)[共重合比(重量比)=99/1〜5/95]、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)[共重合比(重量比)=95/5〜60/40]、エチレン/エチルアクリレート共重合体(EEA)[共重合比(重量比)=95/5〜60/40]が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレンおよび/またはエチレンとC4〜12のα−オレフィンの1種以上との共重合体[共重合比(重量比)=90/10〜10/90、ランダムおよび/またはブロック付加]である。
(B2)のMFRは、樹脂物性、導電性付与の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K6758に準じて(ポリプロピレンの場合:230℃、荷重2.16kgf、ポリエチレンの場合:190℃、荷重2.16kgf)測定される。
(B2)の結晶化度は、導電性の観点から好ましくは0〜98%、さらに好ましくは0〜80%、とくに好ましくは0〜70%である。
結晶化度は、X線回折、赤外線吸収スペクトル等の方法によって測定される〔「高分子の固体構造−高分子実験学講座2」(南篠初五郎)、42頁、共立出版1958年刊参照〕。
ポリアクリル樹脂(B3)としては、例えば前記アクリルモノマー〔アルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル等〕の1種以上の(共)重合体[ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等]およびこれらのモノマーの1種以上と共重合可能な前記ビニルモノマーの1種以上との共重合体[アクリルモノマー/ビニルモノマー共重合比(重量比)は樹脂物性の観点から好ましくは5/95〜95/5、さらに好ましくは50/50〜90/10][但し、(B2)に含まれるものは除く]が含まれる。
(B3)のMFRは、樹脂物性の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K7210(1994年)に準じて(ポリアクリル樹脂の場合は230℃、荷重1.2kgf)測定される。
ポリスチレン樹脂(B4)としては、ビニル基含有芳香族炭化水素単独またはビニル基含有芳香族炭化水素と、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルおよびブタジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種とを構成単位とする共重合体が挙げられる。
ビニル基含有芳香族炭化水素としては、C8〜30の、スチレンおよびその誘導体 、例えばo−、m−およびp−アルキル(C1〜10)スチレン(ビニルトルエン等)、α−アルキル(C1〜10)スチレン(α−メチルスチレン等)およびハロゲン化スチレン(クロロスチレン等)が挙げられる。
(B4)の具体例としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエン、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)[共重合比(重量比)=70/30〜80/20]、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)[共重合比(重量比)=60/40〜90/10]、スチレン/ブタジエン共重合体[共重合比(重量比)=60/40〜95/5]、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)[共重合比(重量比)=(20〜30)/(5〜40)/(40〜70)]、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)[共重合比(重量比)=(20〜30)/(5〜40)/(40〜70)]等が挙げられる。
(B4)のMFRは、樹脂物性、導電性の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K6871(1994年)に準じて(ポリスチレン樹脂の場合は230℃、荷重1.2kgf)測定される。
ポリエステル樹脂(B5)としては、芳香環含有ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等)および脂肪族ポリエステル(ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート、ポリ−ε−カプロラクトン等)が挙げられる。
(B5)の固有粘度[η]は、樹脂物性、導電性の観点から好ましくは0.1〜4、さらに好ましくは0.2〜3.5、とくに好ましくは0.3〜3である。[η]はポリマーの0.5重量%オルトクロロフェノール溶液について、25℃でウベローデ1A粘度計を用いて測定される。
ポリアミド樹脂(B6)としては、ラクタム開環重合体(B61)、ジアミンとジカルボン酸の脱水重縮合体(B62)、アミノカルボン酸の自己重縮合体(B63)およびこれらの重(縮)合体を構成するモノマー単位が2種類以上である共重合ナイロン等が挙げられる。
(B61)におけるラクタムとしては、前記(a11)で例示したものが挙げられ、(B61)としては、ナイロン4、ナイロン5、ナイロン6、ナイロン8、ナイロン12等が挙げられる。
(B62)におけるジアミンとジカルボン酸としては、前記(a13)で例示したものが挙げられ、(B62)としては、ヘキサンメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるナイロン66、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の重縮合によるナイロン610等が挙げられる。
(B63)におけるアミノカルボン酸としては、前記(a12)で例示したものが挙げられ、(B63)としては、アミノエナント酸の重縮合によるナイロン7、ω−アミノウンデカン酸の重縮合によるナイロン11、12−アミノドデカン酸の重縮合によるナイロン12等が挙げられる。
(B6)の製造に際しては、分子量調整剤を使用してもよく、分子量調整剤としては、(a13)で例示したジカルボン酸および/またはジアミンが挙げられる。
分子量調整剤としてのジカルボン酸のうち、好ましいのは脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩であり、さらに好ましいのはアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および3−スルホイソフタル酸ナトリウムである。また、分子量調整剤としてのジアミンのうち、好ましいのはヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミンである。
(B6)のMFRは、樹脂物性、導電性の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K7210(1994年)に準じて(ポリアミド樹脂の場合は、230℃、荷重0.325kgf)測定される。
ポリカーボネート樹脂(B7)としては、ビスフェノール(C12〜20、例えばビスフェノールA、−Fおよび−S、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン)系およびジヒドロキシビフェニル系ポリカーボネート、例えば上記ビスフェノールとホスゲンまたは炭酸ジエステルとの縮合物が挙げられる。上記ビスフェノールのうち(A)の分散性の観点から好ましいのはビスフェノールAである。
(B7)のMFRは、樹脂物性、導電性の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K7210(1994年)に準じて(ポリカーボネート樹脂の場合は280℃、荷重2.16kgf)測定される。
ポリアセタール樹脂(B8)としては、ホルムアルデヒドまたはトリオキサンのホモポリマー(ポリオキシメチレンホモポリマー)、およびホルムアルデヒドまたはトリオキサンと環状エーテル[前記AO(EO、PO、ジオキソラン等)等]との共重合体(ポリオキシメチレン/ポリオキシエチレンコポリマー[ポリオキシメチレン/ポリオキシエチレン(重量比)=90/10〜99/1のブロック共重合体等]等が挙げられる。
(B8)のMFRは、樹脂物性、導電性の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K7210(1994年)に準じて(ポリアセタール樹脂の場合は190℃、荷重2.16kgf)測定される。
(B8)の固有粘度[η]は、樹脂物性、導電性の観点から好ましくは0.1〜4、さらに好ましくは0.2〜3.5、とくに好ましくは0.3〜3である。
生分解性樹脂(B9)としては、ポリヒドロキシブチレート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、アジペート変性ポリブチレンサクシネート、カーボネート変性ポリブチレンサクシネート、テレフタレート変性ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートおよびポリビニルアルコールが含まれる。
(B9)のうち、ポリヒドロキシブチレートとしては、例えばビオグリーン[三菱ガス化学(株)製];ポリ乳酸としては、例えばレイシア[三井化学(株)製];ポリカプロラクトンとしては、例えばセルグリーン[ダイセル化学工業(株)製];ポリブチレンサクシネートとしては、例えばビオノーレ[昭和高分子(株)製];ポリエチレンサクシネートとしては、例えばルナーレSE[日本触媒(株)製];ポリビニルアルコールとしては、例えばポバール[クラレ(株)製]が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲において、必要により導電性向上剤(C)、相溶化剤(D)、およびその他の樹脂用添加剤(E)からなる群から選ばれる少なくとも一種の添加剤を含有させてもよい。
導電性向上剤(C)には、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩(C1)、界面活性剤(C2)およびイオン性液体(C3)からなる群から選ばれる1種または2種以上が含まれる。
(C1)としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)および/またはアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)の有機酸(C1〜12のモノ−およびジ−カルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸;C1〜20のスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸;チオシアン酸)の塩、および無機酸(ハロゲン化水素酸、例えば塩酸、臭化水素酸;過塩素酸;硫酸;硝酸;リン酸)の塩が使用できる。
(C1)の具体例としては、ハロゲン化物[フッ化物(フッ化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、塩化物(塩化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、臭化物(臭化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)およびヨウ化物(ヨウ化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)等]、過塩素酸塩(過塩素酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、フッ化スルホン酸塩(フルオロスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、メタンスルホン酸塩(メタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、トリフルオロメタンスルホン酸塩(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、ペンタフルオロエタンスルホン酸塩(ペンタフルオロエタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、ノナフルオロブタンスルホン酸塩(ノナフルオロブタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸塩(ウンデカフルオロペンタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸塩(トリデカフルオロヘキサンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、酢酸塩(酢酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、硫酸塩(硫酸ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、燐酸塩(燐酸ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、チオシアン酸塩(チオシアン酸カリウム等)等が挙げられる。
これらのうち導電性の観点から好ましいのは、ハロゲン化物、過塩素酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、酢酸塩、さらに好ましいのは塩化リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、過塩素酸リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、酢酸カリウムである。
(C1)の使用量は、導電性向上効果の観点および樹脂表面に析出せず良好な外観の樹脂成形品を与える観点から、(A)および(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.001〜3%、さらに好ましくは0.01〜2.5%、特に好ましくは0.1〜2%、最も好ましくは0.15〜1%である。
(C1)を含有させる方法については特に限定はないが、組成物中への効果的な分散のさせ易さから、(A)中に予め分散させておくことが好ましい。
また、(A)中へ(C)を分散させる場合、(A)の製造(重合)時に予め(C1)を含有、分散させておくのが特に好ましい。(C1)を(A)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、重合前、重合中および重合直後のいずれでもよい。
(C2)としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性の界面活性剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えばEO付加型非イオン性界面活性剤[例えば高級アルコール(C8〜18、以下同じ)、高級脂肪酸(C8〜24、以下同じ)または高級アルキルアミン(C8〜24)のEO付加物(分子量158以上かつMn200,000以下);グリコールのEO付加物であるポリアルキレングリコール(分子量150以上かつMn6,000以下)の高級脂肪酸エステル;多価アルコール(C2〜18の2価〜8価またはそれ以上、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびソルビタン)高級脂肪酸エステルのEO付加物(分子量250以上かつMn30,000以下);高級脂肪酸アミドのEO付加物(分子量200以上かつMn30,000以下);および多価アルコール(前記のもの)アルキル(C3〜60)エーテルのEO付加物(分子量120以上かつMn30,000以下)]、および多価アルコ−ル(C3〜60)型非イオン性界面活性剤[例えば多価アルコールの脂肪酸(C3〜60)エステル、多価アルコールのアルキル(C3〜60)エーテルおよび脂肪酸(C3〜60)アルカノールアミド]が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、上記(C1)を除く化合物が使用でき、例えば、高級脂肪酸塩等のカルボン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型[例えばテトラアルキル(C4〜100)アンモニウム塩(例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイドおよびステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド)、トリアルキル(C3〜80)ベンジルアンモニウム塩(例えばラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、アルキル(C2〜60)ピリジニウム塩(例えばセチルピリジニウムクロライド)、ポリオキシアルキレン(C2〜4)トリアルキルアンモニウム塩(例えばポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド)およびサパミン型第4級アンモニウム塩(例えばステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェート)];およびアミン塩型[例えば高級脂肪族アミン(C12〜60、例えばラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミンおよびロジンアミン)の無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸)塩または有機酸(C2〜22、例えば酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、オレイン酸、安息香酸、コハク酸、アジピン酸およびアゼライン酸)塩、脂肪族アミン(C1〜30)のエチレンオキシド付加物等の無機酸(上記のもの)塩または有機酸(上記のもの)塩および3級アミン(C3〜30、例えばトリエタノールアミンモノステアレートおよびステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミン)の無機酸(上記のもの)塩または有機酸(上記のもの)塩]が挙げられる。
両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤[例えば高級アルキルアミン(C8〜24)のプロピオン酸塩]、ベタイン型両性界面活性剤[例えば高級アルキル(C12〜18)ジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン]、硫酸エステル塩型両性界面活性剤[例えば高級アルキルアミン(C8〜24)の硫酸エステル塩およびヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステル塩]、スルホン酸塩型両性界面活性剤(例えばペンタデシルスルホタウリン塩およびイミダゾリンスルホン酸塩)およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤[例えばグリセリン高級脂肪酸(C8〜24)エステル化物のリン酸エステル塩]が挙げられる。
これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
上記のアニオン性および両性界面活性剤における塩には、金属塩、例えばアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)およびIIB族金属(亜鉛等)の塩;アンモニウム塩;並びに、アミン塩[アルキルアミン(C1〜20)塩およびアルカノールアミン(C2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩等]および4級アンモニウム塩が含まれる。
これらのうち、導電性の観点から好ましいのはアニオン性界面活性剤、さらに好ましいのはスルホン酸塩、特に好ましいのはアルキルベンゼンスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、アルキルスルホン酸塩およびパラフィンスルホン酸塩である。
(C2)の使用量は、(A)、(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%、特に好ましくは0.1〜2.5%である。
(C2)を含有させる方法についても特に限定はないが、樹脂組成物中へ効果的に分散させるためには、(A)中に予め分散させておくことが好ましい。また、(A)中へ(C2)を分散させる場合、(A)の製造(重合)時に該(C2)を予め含有、分散させておくのが特に好ましい。(C2)を(A)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、重合前、重合中および重合直後の何れでもよい。
(C3)は、上記(C1)および(C2)を除く化合物で、室温以下の融点を有し、(C3)を構成するカチオンまたはアニオンのうち少なくとも一つが有機物イオンで、初期電導度が1〜200ms/cm(好ましくは10〜200ms/cm)である常温溶融塩であって、例えばWO95/15572公報に記載の常温溶融塩が挙げられる。(C3)を構成するカチオンとしては、例えばアミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオンおよび3級アンモニウムカチオンが挙げられる。
アミジニウムカチオンとしては、例えばイミダゾリニウムカチオン[1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム等]、イミダゾリウムカチオン[1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム等]、テトラヒドロピリミジニウムカチオン[1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム等]、およびジヒドロピリミジニウムカチオン[1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム等]が挙げられる。
グアニジニウムカチオンとしては、例えばイミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム等]、イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム等]、テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム等]、およびジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム等]が挙げられる。
3級アンモニウムカチオンとしては、例えばメチルジラウリルアンモニウムが挙げられる。
上記のアミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオンおよび3級アンモニウムカチオンは1種単独でも、また2種以上を併用してもいずれでもよい。
これらのうち、初期電導度の観点から好ましいのはアミジニウムカチオン、さらに好ましいのはイミダゾリウムカチオン、特に好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
(C3)において、アニオンを構成する有機酸または無機酸としては下記のものが挙げられる。
有機酸としては、例えばカルボン酸、硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル、スルホン酸およびリン酸エステルが挙げられる。
無機酸としては、例えば超強酸(例えばホウフッ素酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸および六フッ化ヒ素酸)、リン酸およびホウ酸が挙げられる。
上記有機酸および無機酸は1種単独でも2種以上の併用でもいずれでもよい。
上記有機酸および無機酸のうち、(C3)の初期電導度の観点から好ましいのは(C3)を構成するアニオンのHamett酸度関数(−H0)が12〜100である、超強酸の共役塩基、超強酸の共役塩基以外のアニオンを形成する酸およびこれらの混合物である。
超強酸の共役塩基以外のアニオンとしては、例えばハロゲン(例えばフッ素、塩素および臭素)イオン、アルキル(C1〜12)ベンゼンスルホン酸(例えばp−トルエンスルホン酸およびドデシルベンゼンスルホン酸)イオンおよびポリ(n=1〜25)フルオロアルカンスルホン酸(例えばウンデカフルオロペンタンスルホン酸)イオンが挙げられる。
超強酸としては、プロトン酸およびプロトン酸とルイス酸との組み合わせから誘導されるもの、およびこれらの混合物が挙げられる。
超強酸としてのプロトン酸としては、例えばビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン、過塩素酸、フルオロスルホン酸、アルカン(C1〜30)スルホン酸[例えばメタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸等)、ポリ(n=1〜30)フルオロアルカン(C1〜30)スルホン酸(例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸およびトリデカフルオロヘキサンスルホン酸)、ホウフッ素酸および四フッ化ホウ素酸が挙げられる。
これらのうち合成の容易さの観点から好ましいのはホウフッ素酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸である。
ルイス酸と組合せて用いられるプロトン酸としては、例えばハロゲン化水素(例えばフッ化水素、塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素)、過塩素酸、フルオロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸およびこれらの混合物が挙げられる。
これらのうち(C3)の初期電導度の観点から好ましいのはフッ化水素である。
ルイス酸としては、例えば三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素、五フッ化タンタルおよびこれらの混合物が挙げられる。これらのうちで、(C3)の初期電導度の観点から好ましいのは三フッ化ホウ素および五フッ化リンである。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であるが、これらの組み合わせからなる超強酸としては、例えばテトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タンタル酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化タンタルスルホン酸、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、塩化三フッ化ホウ素酸、六フッ化ヒ素酸およびこれらの混合物が挙げられる。
上記のアニオンのうち、(C3)の初期電導度の観点から好ましいのは超強酸の共役塩基(プロトン酸からなる超強酸およびプロトン酸とルイス酸との組合せからなる超強酸)、さらに好ましいのはプロトン酸からなる超強酸およびプロトン酸と、三フッ化ホウ素および/または五フッ化リンとからなる超強酸の共役塩基である。
(C3)の使用量は、(A)、(B)の合計重量に基づいて、通常10%以下、成形品の良好な外観と導電性効果、および機械特性の観点から好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%である。
(C3)を添加する方法についても特に限定はないが、樹脂中への効果的な分散の観点から、(A)中に予め分散させておくことが好ましい。また、(A)中へ(C3)を分散させる場合、(A)の製造(重合)時に予め(C3)を含有、分散させておくのが特に好ましい。(C3)を(A)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、重合前、重合中および重合直後のいずれでもよい。
(C3)の製造法としては、例えばジメチルカーボネート等で4級化して得られるアミジニウムカチオンおよび/またはグアニジニウムカチオンのジメチルカーボネート塩に、酸[(C3)においてアニオンを構成する前記の有機酸または無機酸]を加えて酸交換を行う方法、または、アミジニウムカチオンおよび/またはグアニジニウムカチオンを一旦加水分解してモノアミドアミンを生成した後、そのモノアミドアミンを酸(前記に同じ)で中和する方法が挙げられる。
相溶化剤(D)としては、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基お
よびポリオキシアルキレン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基(極性基)を有する変性ビニル重合体等が使用でき、例えば、特開平3−258850号公報に記載の重合体が挙げられる。また、例えば、特開平6−345927号公報に記載のスルホニル基を有する変性ビニル重合体、ポリオレフィン部分と芳香族ビニル重合体部分とを有するブロック重合体等も使用できる。
(D)の使用量は、樹脂物性の観点から、(A)、(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜15%、さらに好ましくは1〜10%、特に好ましくは1.5〜8%である。
(D)を含有させる方法については特に限定はないが、組成物中への効果的な分散もしくは溶解のさせ易さから、(A)中に予め分散させておくことが好ましい。
また、(A)中へ(D)を分散もしくは溶解させる場合、(A)の製造(重合)時に予め(D)を含有させておくのが特に好ましい。(D)を(A)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、重合前、重合中および重合直後のいずれでもよい。
また、本発明の樹脂組成物には、種々の用途に応じ、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の樹脂用添加剤(E)を任意に添加することができる。
(E)としては、核剤(E1)、滑剤(E2)、顔料(E3)、染料(E4)、離型剤(E5)、酸化防止剤(E6)、難燃剤(E7)、紫外線吸収剤(E8)、抗菌剤(E9)、分散剤(E10)、可塑剤(E11)、導電性物質(E12)および充填剤(E13)からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
核剤(E1)としては、有機系核剤[例えば1,3,2,4−ジ−ベンジリデン−ソルビトール、アルミニウム−モノ−ヒドロキシ−ジ−p−t−ブチルベンゾエート、ソジウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェートおよび安息香酸ナトリウム]および無機系核剤(例えばグラファイト、カーボンブラック、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化亜鉛、アルミナ、硫酸バリウムおよび硫酸カルシウム)が挙げられる。
滑剤(E2)としては、ワックス(例えばカルナバロウワックス、パラフィンワックスおよびポリオレフィンワックス)、高級脂肪酸(C8〜24、例えばステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸)、高級アルコール(C8〜18、例えばステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコールおよびベヘニルアルコール)および高級脂肪酸アミド(C8〜24、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、リノール酸アミドおよびリノレン酸アミド)が挙げられる。
顔料(E3)としては、無機顔料[白色顔料(酸化チタン、リトポン、鉛白、亜鉛華等)、コバルト化合物(オーレオリン、コバルトグリーン等)、鉄化合物(酸化鉄、紺青等)、クロム化合物(酸化クロム、クロム酸鉛等)および硫化物(硫化カドミウム、ウルトラマリン等)等]、有機顔料[アゾ顔料(アゾレーキ系、モノアゾ系、ジスアゾ系、キレートアゾ系等)、多環式顔料(ベンゾイミダゾロン系、フタロシアニン系、イソインドリノン系、アンスラキノン系等)等が挙げられる。
染料(E4)としては、アゾ系、インジゴイド系、硫化系、アリザリン系、アクリジン系、チアゾール系、ニトロ系、アニリン系等が挙げられる。
離型剤(E5)としては、高級脂肪酸(上記のもの)の低級(C1〜4)アルコールエステル(例えばステアリン酸ブチル)、脂肪酸(C2〜18)の多価(2価〜4価またはそれ以上)アルコールエステル(例えば硬化ヒマシ油)、脂肪酸(C2〜18)のグリコール(C2〜8)エステル(例えばエチレングリコールモノステアレート)および流動パラフィンが挙げられる。
酸化防止剤(E6)としては、フェノール系{例えば単環フェノール[例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールおよびブチル化ヒドロキシアニソール]、ビスフェノール[例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル)−6−t−ブチルフェノールおよび4,4’−チオビス(3−メチル)−6−t−ブチルフェノール]および多環フェノール〔例えば1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン〕};硫黄系〔例えばジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジブチレートおよびジラウリルサルファイド〕;リン系〔例えばトリフェニルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトおよびジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト〕;およびアミン系〔例えばオクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミンおよびフェノチアジン〕が挙げられる。
難燃剤(E7)には、ハロゲン含有難燃剤(E71)、窒素含有難燃剤(E72)、硫黄含有難燃剤(E73)、珪素含有難燃剤(E74)およびリン含有難燃剤(E75)からなる群から選ばれる1種または2種以上の難燃剤が含まれる。
ハロゲン含有難燃剤(E71)としては、ヘキサクロロペンタジエン、ヘキサブロモジフェニル、オクタブロモジフェニルオキシド、トリブロモフェノキシメタン、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルオキシド、テトラブロモビスフェノールA、テトラブルモフタルイミド、ヘキサブロモブテン、ヘキサブロモシクロドデカン等;
窒素含有難燃剤(E72)としては、尿素化合物、グアニジン化合物またはトリアジン化合物(メラミン、グアナミン等)と、シアヌール酸またはイソシアヌル酸との塩等;
硫黄含有難燃剤(E73)としては、硫酸エステル、有機スルホン酸、スルファミン酸、有機スルファミン酸、およびそれらの、塩、エステルおよびアミド等;
珪素含有難燃剤(E74)としては、ポリオルガノシロキサン等;
リン含有難燃剤(E75)としては、リン含有の酸およびそのエステル(C2〜20)、例えばリン酸、ホスフェート、ハロゲン含有ホスフェート、亜リン酸、ホスホネート、およびリン酸アンモニウム塩等が挙げられる。
上記ホスフェートとしては、ホスフェートおよび縮合ホスフェート(ジ−およびポリホスフェート)が挙げられる。
ホスフェートとしては、トリアルキル(アルキル基はC1〜12)ホスフェート[トリメチル−、トリエチル−、トリブチル−およびトリオクチルホスフェート等]、トリアルコキシ(アルコキシ基はC1〜6)ホスフェート[トリエトキシ−およびトリブトキシホスフェート等]、トリアリールホスフェート[トリフェニルホスフェート等]、アルキル(アルキル基はC1〜10)アリールホスフェート[トリクレジル−、クレジルジフェニル−、オクチルジフェニル−、ジイソプロピルフェニル−およびレゾルシノール−ビス(ジ−2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート等]等が挙げられる。
縮合ホスフェートとしては、トリアルキル(アルキル基はC1〜12)ポリ(n=2〜30)ホスフェート、フェニルレゾルシンポリ(n=2〜30)ホスフェート、レゾルシンポリ(n=2〜30)ホスフェート[レゾルシンビスホスフェート、クレジルレゾルシンポリホスフェート等]、ヒドロキノンポリ(n=2〜30)ホスフェート[ヒドロキノンビスホスフェート、ヒドロキノンポリホスフェート等]、ビスフェノールAビスホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート等が挙げられる。
上記含ハロゲンホスフェートとしては、トリスハロゲン化アルキル(アルキル基はC2〜4)ホスフェート[トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス−β−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等]、トリスハロゲン化アリールホスフェート[トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート等]等が挙げられる。
上記ホスホネートとしては、ホスホネートおよび縮合ホスホネートが挙げられる。
ホスホネートとしては、トリアルキル(アルキル基はC1〜12)ホスホネート[トリメチルホスホネート、トリエチルホスホネート、トリブチルホスホネート、トリオクチルホスホネート等]、トリアルコキシ(アルコキシ基はC1〜6)ホスホネート[トリエトキシホスホネート、トリブトキシホスホネート等]、トリアリールホスホネート[トリフェニルホスホネート等]、アルキル(アルキル基はC1〜10)アリールホスホネート[トリクレジルホスホネート、クレジルジフェニルホスホネート、オクチルジフェニルホスホネート、ジイソプロピルフェニルホスホネート、レゾルシノール−ビス(ジ−2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート等]等が挙げられる。
縮合ホスホネートとしては、トリアルキル(アルキル基はC1〜12)ポリ(n=2〜30)ホスホネート、フェニルレゾルシンポリ(n=2〜30)ホスホネート、レゾルシンポリ(n=2〜30)ホスホネート[レゾルシンビスホスフェート、クレジルレゾルシンポリホスホネート等]、ヒドロキノンポリ(n=2〜30)ホスホネート[ヒドロキノンビスホスホネート、ヒドロキノンポリホスホネート等]、ビスフェノールAビスホスホネート、トリオキシベンゼントリホスホネート等が挙げられる。
上記含ハロゲンホスホネートとしては、トリスハロゲン化アルキル(アルキル基はC2〜4)ホスホネート[トリスクロロエチルホスホネート、トリスジクロロプロピルホスホネート、トリス−β−クロロプロピルホスホネート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスホネート等]、トリスハロゲン化アリールホスホネート[トリス(トリブロモフェニル)ホスホネート、トリス(ジブロモフェニル)ホスホネート等]等が挙げられる。
上記リン酸アンモニウム塩としては通常難燃剤用に市販されているものを用いることができる。これらは、必要に応じてメラミン化合物(例えばメラミン単体)、ペンタエリスリトール化合物(例えばペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール)、アミド(例えばナイロン6、ナイロン66)等を併用してもよい。
これらの難燃剤は、必要に応じて難燃助剤[ドリップ防止剤(例えばポリテトラフルオロエチレン)、金属酸化物(例えば酸化亜鉛)等]を併用してもよい。
これらの難燃剤のうち難燃性、および焼却時におけるダイオキシン発生等の環境汚染がないとの観点から好ましいのは(E72)である。
紫外線吸収剤(E8)としては、ベンゾトリアゾール系[例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール]、ベンゾフェノン系[例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンおよび2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン]、サリチレート系[例えばフェニルサリチレートおよびエチレングリコールモノサリチレート]およびアクリレート系[例えば2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’1−ジフェニルアクリレート]が挙げられる。
抗菌剤(E9)としては、安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、ハロゲン化フェノール(例えば2,4,6−トリブロモフェノールナトリウム塩)、有機ヨウ素(例えば4−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルホルマール)、ニトリル(例えば2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル)、チオシアノ(例えばメチレンビスチアノシアネート)、N−ハロアルキルチオイミド(例えばN−テトラクロロエチル−チオ−テトラヒドロフタルイミド)、銅剤(例えば8−オキシキノリン銅)、ベンズイミダゾール(例えば2−4−チアゾリルベンズイミダゾール)、ベンゾチアゾール(例えば2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾール)、トリハロアリル(例えば3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカルボナート)、トリアゾール(例えばアザコナゾール)、有機窒素硫黄化合物(例えばスラオフ39)、4級アンモニウム化合物(例えばトリメトキシシリル−プロピルオクタデシルアンモニウムクロライド)およびピリジン系化合物[例えば2,3,5,6−チトクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン]が挙げられる。
分散剤(E10)としては、Mn1,000〜100,000の分散剤、例えばナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物(Mn1,000〜10,000)、ポリスチレンスルホン酸金属[例えばアルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)]塩(Mn1,000〜100,000)、ポリアクリル酸金属[例えばアルカリ金属(上記に同じ)]塩(Mn2,000〜50,000)、カルボキシメチルセルロースおよびポリビニルアルコールが挙げられる。
可塑剤(E11)としては、ポリオキシアルキレン鎖を含有するモノおよびジエステル(E111)、ポリエステルポリオール(E112)、ポリエーテルポリオール(E113)、芳香族カルボン酸エステル[C10〜28、例えばフタル酸エステル(例えばジオクチルフタレートおよびジブチルフタレート、ジ2−エチルヘキシルフタレート等)]、脂肪族モノカルボン酸エステル[C3〜30、例えばメチルアセチルリシノレートおよびトリエチレングリコールジベンゾエート]、脂肪族ジカルボン酸エステル[C8以上かつMn2,000以下、例えばジ(2−エチルヘキシル)アジペートおよびアジピン酸−プロピレングリコール系ポリエステル(Mn200〜2000)]、脂肪族トリカルボン酸エステル[例えばクエン酸エステル(例えばクエン酸トリエチル)]、リン酸トリエステル[例えばトリフェニルホスフェート]および石油樹脂が挙げられる。
ポリオキシアルキレン鎖を含有するモノおよびジエステル(E111)には、ポリエーテルジオール(b11)またはコポリエーテルジオールとモノカルボン酸とを反応させて得られる、下記の何れかの式で表されるモノまたはジエステルが含まれる。
R−CO−(OA2)x−O−B2−O−(A2O)y−OC−R (E1111)

R−CO−(OA2)x−O−OC−R (E1112)

R−CO−(OA2)x−O−B2−O−(A2 O)y−H (E1113)

R−CO−(OA2)x−O−H (E1114)
式中、B2は、ジオール(b01)または2価フェノール(b02)から水酸基を除いた残基を表し、A2は、ハロゲン原子を含んでいてもよいC2〜12(好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜4)のアルキレン基を表す。また、xおよびyはそれぞれ、1〜300、好ましくは2〜250、さらに好ましくは8〜150の整数である。また、xとyとは同一でも異なっていてもよい。p個の(OA2)とq個の(A2O)とは、同一でも異なっていてもよく、また、これらが2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合形式はブロックもしくはランダムまたはこれらの組合せのいずれでもよい。
前記式中、RはC1〜24の1価の炭化水素基であり、具体的には脂肪族、芳香族および脂環式炭化水素基が挙げられる。
脂肪族飽和炭化水素基としては、C1〜24のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−およびi−プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル基、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、へプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、2−プロピル−1−ペンチル、2−エチル−1−ヘキシル、4−メチル−3−ヘプチルおよび6−メチル−2−ヘプチル基;脂肪族不飽和炭化水素基としては、C2〜24のアルケニル基もしくはアルキニル基、例えばエテニル、1−,2−およびi−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、エチニル、2−プロピニル、ペンチニル、ヘキシニル、3−メチル−3−ブテニルおよび4−メチル−3−ペンテニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、C6〜24、例えばフェニル基、アルキル(C1〜10)アリール基(o−、m−およびp−メチルフェニル、m、p−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、o−、m−およびp−エチルフェニル、p−n−ブチルフェニル、p−オクチルフェニルおよびp−ノニルフェニル基等)、アラールアルキル(アルキルのC1〜20)基(ベンジルおよびフェネチル基等)、置換アラールアルキル(アルキルのC1〜20)基(o−、m−およびp−メチルベンジル、p−n−ブチルフェネチル基等);脂環式炭化水素基としては、C4〜20、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(E112)には、ポリエステルジオール(b21)のほか、低分子量(通常C2以上かつMn300以下)ポリオール(2価〜8価またはそれ以上)と、多価(2価〜3価またはそれ以上)カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とを反応させて得られる縮合ポリエステルポリオール、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンポリオール、エチレンカーボネートとポリオール(1、6−ヘキサンジオール等)の反応により得られるポリカーボネートポリオール等が含まれる。(E112)の両末端はOH基、COOH基のいずれでもよい。
縮合ポリエステルポリオールを構成する低分子量ポリオールとしては、2価〜8価またはそれ以上の多価アルコール、および該多価アルコールまたは2価〜8価またはそれ以上の多価フェノールのAO低モル(1〜10)付加物が挙げられる。
該多価アルコールには、以下のものが含まれる。
2価アルコール(b011);3価〜8価またはそれ以上の多価アルコール、例えば(シクロ)アルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物[グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびジペンタエリスリトール(以下それぞれGR、TMP、PE、SOおよびDPEと略記)、1,2 ,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン等]、糖類およびその誘導体[例えば蔗糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース、およびグリコシド(メチルグルコシド等)]。
上記多価フェノールには、2価フェノール(b02);並びに3価〜8価またはそれ以上の多価フェノール、例えば単環多価フェノール(ピロガロール、フロログルシノール、および1価もしくは2価フェノール(フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール等)のアルデヒドもしくはケトン(ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、グリオキザール、アセトン)低縮合物(例えばフェノールもしくはクレゾールノボラック樹脂、レゾールの中間体、フェノールとグリオキザールもしくはグルタールアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノール、およびレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノール)が含まれる。
多価カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体としては、(a13)におけるジカルボン酸;3価またはそれ以上のポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等);これらの多価カルボン酸の無水物(無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等);これらの多価カルボン酸の酸ハロゲン化物(アジピン酸ジクロライド等);これらの多価カルボン酸の低級アルキル(C1〜4)エステル(コハク酸ジメチル、フタル酸ジメチル等);並びに、これらの2種以上の混合物が挙げられる。
縮合ポリエステルポリオールの具体例としては、ポリエステルジオール(b11)等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールを構成するラクトンとしては、(b21)におけるラクトンが挙げられる。
ポリエーテルポリオール(E113)には、活性水素原子含有化合物を開始剤とするAO付加物が含まれ、該開始剤としては、多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコール、多価(2価〜8価またはそれ以上)フェノール、および1級もしくは2級アミノ基含有化合物が挙げられる。
上記開始剤のうち、多価アルコールとしては、前記の2価〜8価の多価アルコールが挙げられ、また多価フェノールとしては、前記の2価〜8価の多価フェノールが挙げられる。
また、1級もしくは2級アミノ基含有化合物としては、アルキル(C1〜12)アミン、および(ポリ)アルキレンポリアミン(アルキレン基のC2〜6、アルキレン基の数1〜4、アミノ基の数2〜5)等が挙げられる。
AOとしては、C2〜4またはそれ以上のAO、例えばEO、PO、BO、テトラヒドロフラン(THF)、α−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド、エピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)、およびこれらの2種以上の併用(ランダムおよび/またはブロック)が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(E113)の具体例のうち、多価アルコールのAO付加物としては、例えばポリエチレングリコール(以下PEGと略記)、ポリプロピレングリコール(以下PPGと略記)、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン、ポリテトラメチレングリコール(以下、PTMGと略記)、GRのPO2モル付加物およびソルビットのEO6モル付加物;多価フェノールのAO付加物としては、ビスフェノール骨格を有するもの、例えばビスフェノールAのEOもしくはPO付加物[ビスフェノールAのEO2モル付加物、ビスフェノールAのEO20モル付加物、ビスフェノールAの2モル付加物、ビスフェノールAのPO5モル付加物等]およびレゾルシンのEOもしくはPO付加物[レゾルシンのEO2モル付加物、レゾルシンのPO6モル付加物等];1級もしくは2級アミノ基含有化合物のAO付加物としては、例えばモノエタノールアミンのEO2モル付加物、ジエタノールアミンのPO2モル付加物等が挙げられる。
(E11)のMnは、相溶性および導電性の観点から、好ましくは150〜8,000、さらに好ましくは150〜5,000、特に好ましくは150〜3,000である。
導電性物質(E12)としては、前記(C1)および(C3)を除く化合物で、例えばカーボンナノチューブ、カーボンブラックおよびホワイトカーボンが挙げられる。
充填剤(E13)としては、例えば無機充填剤(例えば炭酸カルシウム、タルク、クレー、けい酸、けい酸塩、アスベスト、マイカ、ガラス繊維、ガラスバルーン、カーボン繊維、金属繊維、セラミックウィスカおよびチタンウィスカ)および有機充填剤[例えば尿
素、ステアリン酸カルシウムおよび有機架橋微粒子(例えばエポキシ系およびウレタン系)]が挙げられる。
(E)の合計の使用量は、(A)、(B)の合計重量に基づいて、通常45%以下、各添加剤の効果および成形品の機械物性の観点から好ましくは0.001〜40%、さらに好ましくは0.01〜35%、とくに好ましくは0.05〜30%である。
(E)のうち、(E9)、(E10)、(E11)および(E13)はそれぞれ通常10%以下、好ましくは1〜5%;(E7)は通常20%以下、好ましくは1〜10%;(E3)、(E4)および(E12)は通常5%以下、好ましくは0.1〜3%;(E1)、(E2)、(E5)、(E6)および(E8)は通常3%以下、好ましくは0.05〜1%である。
本発明の帯電防止性樹脂組成物は、本発明の帯電防止剤(A)、(B)、並びに必要に応じて(C)、(D)および/または(E)とを溶融混合することにより得られる。溶融混合する方法としては、一般的にはペレット状または粉体状の成分を適切な混合機、例えばヘンシェルミキサー等で混合した後、押出機で溶融混合してペレット化する方法が適用できる。
溶融混合時の各成分の添加順序には特に限定はないが、例えば、(1)(A)、(B)、必要により(C)、(D)および/または(E)を一括して溶融混合する方法、(2)(A)および(B)の一部を予め溶融混合して(A)の高濃度組成物(マスターバッチ樹脂組成物)を作成し、その後、残りの(B)並びに必要に応じて(C)、(D)および/または(E)を溶融混合する方法、が挙げられる。
(2)の方法におけるマスターバッチ樹脂組成物中の本発明の導電性付与剤の濃度は好ましくは40〜80重量%、さらに好ましくは50〜70重量%である。
これらのうち(2)の方法は、マスターバッチ法またはマスターペレット法と呼ばれる方法で、本発明の帯電防止剤(A)への効率的な分散の観点から好ましい方法である。
本発明の成形品は、上記帯電防止性樹脂組成物を成形して得られる。該成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、発泡成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法、インフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて任意の方法で成形できる。
本発明の帯電防止性樹脂組成物からなる成形品は、優れた機械的強度および永久帯電防止性を有すると共に、良好な塗装性および印刷性を有し、成形品に塗装および/または印刷を施すことにより成形物品が得られる。
該成形品を塗装する方法としては、例えばエアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、例えば、ポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料等のプラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が挙げられる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常10〜50μmである。
また、該成形品または成形品に塗装を施した上に印刷する方法としては、一般的にプラスチックの印刷に用いられている印刷法であればいずれも用いることができ、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、ドライオフセット印刷およびオフセット印刷等が挙げられる。
印刷インキとしてはプラスチックの印刷に通常用いられるもの、例えばグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキおよびオフセットインキが使用できる。
以下実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は重量部、%は重量%を表す。
実施例1
ステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタム21.5部、イソフタル酸26.5部、酸化防止剤〔商品名「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製、テトラキス[メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、以下同じ。〕0.2部および水3部を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換後、220℃で加圧(0.3〜0.5MPa)密閉下、4時間加熱撹拌する。その後、220℃、1.3kPa以下の減圧下で水と未反応物を留去し、両末端にカルボキシル基を有する酸価370のポリアミド(a1−1)45部を得た。
次に、Mn2,700のビスフェノールAのEO付加物400部、塩化リチウム7部および酢酸亜鉛0.5部を加え、245℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A1−1)を得た。(A1−1)の体積固有抵抗値は5×107Ω・cm、熱減量開始温度は205℃であった。
実施例2
ステンレス製オートクレーブに、12−アミノドデカン酸87部、アジピン酸13部、酸化防止剤0.3部および水4部を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換後、220℃で加圧(0.3〜0.5MPa)密閉下、4時間加熱撹拌する。その後、220℃、1.3kPa以下の減圧下で水と未反応物を留去し、両末端にカルボキシル基を有する酸価102のポリアミド(a1−2)96部を得た。
次に、Mn2,000のポリヘキサメチレンイソフタレートジオール175部およびテトラブチルチタネート0.5部を加え、240℃、0.13kPa以下の減圧下で6時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A1−2)を得た。(A1−2)の体積固有抵抗値は7×109Ω・cm、熱減量開始温度は345℃であった。
実施例3
ステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタム83.5部、テレフタル酸16.5部、酸化防止剤0.3部および水6部を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換後、220℃で加圧(0.3〜0.5MPa)密閉下、4時間加熱撹拌する。その後、220℃、1.3kPa以下の減圧下で水と未反応物を留去し、両末端にカルボキシル基を有する酸価112のポリアミド(a1−3)96部を得た。
次に、Mn2,000のビスフェノールAのEO付加物120部、Mn2,000のポリブチレンアジペートジオール72部、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム14部、および酢酸ジルコニル0.5部を加え、245℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A1−3)を得た。(A1−3)の体積固有抵抗値は1×108Ω・cm、熱減量開始温度は310℃であった。
実施例4
ステンレス製オートクレーブに、12−アミノドデカン酸97部、イソフタル酸3部、酸化防止剤0.3部および水6部を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換後、220℃で加圧(0.3〜0.5MPa)密閉下、4時間加熱撹拌する。その後、220℃、1.3kPa以下の減圧下で水と未反応物を留去し、両末端にカルボキシル基を有する酸価22のポリアミド(a1−4)95部を得た。
次に、Mn5,000のポリエチレングリコール35部、EO/THF−ランダム共重合体(EO/THF=重量比40/60、Mn3,000)18部、Mn2,000のポリヘキサメチレンアジペートジオール12部、エチルメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート8部、酸化防止剤0.3部、三酸化アンチモン0.5部を加え、240℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A1−4)を得た。(A1−4)の体積固有抵抗値は7×107Ω・cm、熱減量開始温度は300℃であった。
実施例5
ステンレス製オートクレーブに、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn2,500、密度0.89、C1,000個当たりの二重結合量10.5個、1分子当たりの二重結合の平均数1.9個、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量95%)85部と無水マレイン酸15部を仕込み、窒素ガス雰囲気下(密閉下)、200℃で溶融し、200℃、20時間反応させた。
その後、過剰の無水マレイン酸を減圧下、200℃、3時間で留去して、酸変性ポリプロピレン(a2−1)を得た。(a2−1)は、酸価39.8、Mn2,800であった。
次に、酸変性ポリプロピレン(a2−1)70部とビス(2−アミノエチル)エーテル40部を窒素ガス雰囲気下、撹拌下、200℃で溶融し、200℃、2時間反応させた。その後、過剰のビス(2−アミノエチル)エーテルを減圧下、200℃、2時間で留去して、両末端にアミノ基を有する変性ポリプロピレン(a2−2)を得た。(a2−2)は、アミン価36、Mn3,000であった。
次に、ステンレス製オートクレーブに、(a2−2)31部、Mn5,000のポリエチレングリコール50部、ドデカン二酸4部、塩化リチウム1部、酸化防止剤0.3部および酢酸亜鉛0.5部を仕込み、230℃、0.13kPa以下の減圧下で10時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A2−1)を得た。(A2−1)の体積固有抵抗値は5×107Ω・cm、熱減量開始温度は200℃であった。
実施例6
ステンレス製オートクレーブに、(a2−1)50部、Mn5,000のポリヘキサメチレンイソフタレートジオール90部、酸化防止剤0.3部および三酸化アンチモン0.5部を仕込み、230℃、0.13kPa以下の減圧下で8時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A2−2)を得た。(A2−2)の体積固有抵抗値は7×109Ω・cm、熱減量開始温度は335℃であった。
実施例7
ステンレス製オートクレーブに、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn3,400、密度0.89、C1,000個当たりの二重結合量7.0個、1分子当たりの二重結合の平均数1.8個、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量90%)90部と無水マレイン酸10部とを、窒素ガス雰囲気下(密閉下)、200℃で溶融し、200℃、20時間反応を行った。
その後、過剰の無水マレイン酸を減圧下、200℃、3時間で留去して、酸変性ポリプロピレン(a2−3)を得た。(a2−3)は、酸価27.5、Mn3,600であった。
次に、ステンレス製のオートクレーブで、酸変性ポリプロピレン(a2−3)66部と12−アミノドデカン酸34部を窒素ガス雰囲気下、撹拌下、200℃で溶融し、200℃、3時間、1.3kPa以下の減圧下で反応させ、酸変性ポリプロピレン(a2−4)96部を得た。(a2−4)は、酸価17.7、Mn5,700であった。
次に、ステンレス製オートクレーブに、(a2−4)63部、Mn5,000のポリエチレングリコール40部、Mn7,000のポリヘキサメチレンアジペートジオール15部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6部、酸化防止剤0.3部および酢酸ジルコニル0.5部を仕込み、230℃、0.13kPa以下の減圧下で8時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A2−3)を得た。(A2−3)の体積固有抵抗値は1×108Ω・cm、熱減量開始温度は280℃であった。
実施例8
ステンレス製オートクレーブに、(a2−3)138部とMn2,000のポリエチレングリコールジアミン20部、Mn1,700のポリカプロラクトンジオール20部、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム8部、酸化防止剤0.3部およびテトラブチルチタネート0.5部を仕込み、230℃、0.13kPa以下の減圧下で8時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A2−4)を得た。(A2−4)の体積固有抵抗値は1×109Ω・cm、熱減量開始温度は260℃であった。
実施例9
ステンレス製オートクレーブに、(a2−3)62部とMn7,000のポリエチレングリコール89部、Mn10,000のポリカプロラクトンジオール26部、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム8部、酸化防止剤0.3部および酢酸亜鉛0.5部を仕込み、230℃、0.13kPa以下の減圧下で8時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A2−5)を得た。(A2−5)の体積固有抵抗値は7×107Ω・cm、熱減量開始温度は230℃であった。
比較例1
実施例1において、Mn2,700のビスフェノールAのEO付加物400部に代えてMn4,000のポリエチレングリコール600部を用いた以外は実施例1と同様にして、ブロックポリマー(A’1−1)を得た。(A’1−1)の体積固有抵抗値は5×107Ω・cm、熱減量開始温度は190℃であった。
比較例2
ステンレス製オートクレーブに、(a1−4)145部、Mn550のポリエチレンアジペートジオール16部、エチルメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート8部、酸化防止剤0.3部、三酸化アンチモン0.5部を加え、240℃、0.13kPa以下の減圧下で12時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。
得られたポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマー(A’1−2)を得た。(A’1−2)の体積固有抵抗値は2×1011Ω・cm、熱減量開始温度は360℃であった。
比較例3
実施例5において、Mn5,000のポリエチレングリコール50部に代えて、Mn35,000のポリエチレングリコール313部およびMn30,000のポリエチレンアジペートジオール31部を用いた以外は実施例5と同様にして、ブロックポリマー(A’2−1)を得た。(A’2−1)の体積固有抵抗値は7×107Ω・cm、熱減量開始温度は180℃であった。
実施例10〜24、比較例4〜12
表1に示す配合組成に従って、上記で得られた帯電防止剤と熱可塑性樹脂(後述のB−1、B−2)を、場合により相溶化剤(D−1)、難燃剤(E−1)および/またはドリップ防止剤と共に、ヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、100rpm、滞留時間5分間で、250℃の条件で溶融混練して、帯電防止性樹脂組成物(実施例10〜24および比較例4〜12)を得た。
Figure 0005259987
(B−1):ポリカーボネート/ABSアロイ樹脂[商品名「サイコロイCY6120」、日本ジーイープラスチック(株)製]
(B−2):変性ポリフェニレンエーテル樹脂[商品名「ザイロン100Z」、旭化成(株)製]
(D−1):相溶化剤[商品名「エポフレンド」、ダイセル化学(株)製、変性ビニル重合体]
(E−1):難燃剤[縮合ホスフェート、商品名「PX−200」、大八化学(株)製]
ドリップ防止剤:商品名「ポリフロン MPA FA−500」、ダイキン工業(株)製]
性能試験
上記樹脂組成物を用いて、それぞれ射出成形機[PS40E5ASE、日精樹脂工業(株)製]により、シリンダー温度[(B−1)の場合は260℃、(B−2)の場合は270℃]、金型温度80℃で成形し、試験片を各々作成し、機械特性(衝撃強度)、帯電防止性(体積固有抵抗値、水洗後の体積固有抵抗値)、難燃性の評価を行った。結果を表2に示す。
[1]機械特性
(1)衝撃強度
ASTM D256(ノッチ付、3.2mm厚)Method Aに準拠。
[2]帯電防止性
(1)体積固有抵抗値
試験片(100×100×2mm)を用いて、超絶縁計[東亜電波工業(株)DS
M−8103(平板試料用電極SME−8310)、以下同じ。]により23℃、
湿度50%RHの雰囲気下で測定した(ASTM D257に準拠)。
(2)水洗後の体積固有抵抗値
斜めに立てかけた試験片(100×100×2mm)の表面を、流量100ml
/分のイオン交換水(23℃)100mlで水洗し、その後80℃の循風乾燥機で
3時間乾燥させる。該水洗−乾燥の操作を10回繰り返した試験片について、(1
)と同様に測定した。
[3]難燃性
試験片(150×5×1mm)について、UL−94に定められている評価基準に従い難燃性を評価した。難燃性レベルはV−0>V−1>V−2>HBの順に低下する。
Figure 0005259987
表2から明らかなように、本発明の樹脂組成物(実施例10〜24)は、比較の樹脂組成物(比較例4〜12)と比べて、成形品の機械特性、永久帯電防止性および難燃性に優れることがわかる。
本発明の帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物は耐熱性に優れ、該組成物を成形してなる成形品は、優れた永久帯電防止性、機械特性および難燃性を有することから、各種成形法[射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、発泡成形およびフィルム成形(キャスト法、テンター法、インフレーション法等)等]で成形され帯電防止性が求められる、家電・OA機器、ゲーム機器および事務機器用の各種ハウジング製品、ICトレー等の各種プラスチック容器、各種包材用フィルム、床材用シート、人工芝、マット、並びに自動車部品等の各種成形材料として極めて有用である。

Claims (7)

  1. 下記の(a)のブロックと(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合およびイミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有し、熱減量開始温度が200〜350℃であるブロックポリマー(A)からなる帯電防止剤。
    (a):ポリアミド(a1)またはポリオレフィン(a2)のブロック
    (b):ポリエーテル(b1)および ポリエステル(b2)のブロック、またはポリエステル(b2)のブロック
  2. (b)の含有量が、(a)と(b)の合計重量に基づいて20〜90%である請求項1記載の帯電防止剤。
  3. 請求項1または2記載の帯電防止剤を熱可塑性樹脂(B)に含有させてなる帯電防止性樹脂組成物。
  4. (A)の含有量が、(A)と(B)の合計重量に基づいて1〜30%である請求項3記載の樹脂組成物。
  5. さらに、帯電防止性向上剤、相溶化剤、難燃剤およびその他の樹脂用添加剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有させてなる請求項3または4記載の樹脂組成物。
  6. 請求項3〜5のいずれか記載の樹脂組成物を成形してなる成形品。
  7. 請求項6記載の成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品。
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