JP2016186060A - 塩化ビニル系熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶剤を用いずに、かつ、汎用性の高い塩化ビニルに無機フィラーを添加しても、その無機フィラーが高度に塩化ビニルに分散し、その機能が十分に発揮されるだけでなく、衝撃強度、溶融成形加工性も維持・向上される塩化ビニル系熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】塩化ビニル系樹脂(A)と無機フィラー(B)、イオン性官能基を有するポリマー(C)を含む塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記イオン性官能基を有するポリマー(C)のイオン性官能基がスルホン酸基、リン酸基、カルボン酸と、第4級アンモニウム塩から選ばれる1種以上である塩化ビニル系樹脂組成物を用いることにより、上記課題を解決する。【選択図】なし
Description
本発明は、機械強度および成型加工性に優れる塩化ビニル系熱可塑性樹脂組成物に関する。
塩化ビニル系樹脂には、様々な無機フィラーと混合、溶融成形され、高強度化・高弾性率化、高熱伝導性、高電気伝導性、高磁性、コストダウンなどが発現されている。しかし、無機フィラーの添加部数が増えれば増えるほど、塩化ビニル系樹脂の溶融開始時間が遅延し、ゲル化が進みにくくなり、溶融成形加工が困難になることが知られている。また、溶融成形された成形体は、ある程度の高強度化・高弾性率化、高熱伝導性、高電気伝導性、高磁性、コストダウンは実現できるものの、本来無機フィラーが有する機能を十分に発現することができないばかりか、衝撃強度といった靭性が低下することが課題となっている。このようなことが起こる原因としては、無機フィラーの分散不良、無機フィラーとマトリックス樹脂との界面接着不良が挙げられる。
塩化ビニルに高度に無機フィラーを分散させた例としては、特許文献1が挙げられる。これは、特定の塩化ビニルと、スルホン酸基またはリン酸基を含有する塩化ビニルに強磁性粉体からなる組成物を溶剤に分散させ、塗布乾燥させることで磁性層となる成形体を得る方法が知られている。しかし、溶剤を使用し、乾燥工程を経るため、生産性が低く、設備が複雑化、大型化するため、高級用途のみに限定されており、溶融成形法を用いた方法が希求されている。
溶融成形で無機フィラーを高度に分散させようとした例としては特許文献2が挙げられる。塩化ビニルモノマーを主成分とする塩化ビニル系モノマーを、層状珪酸塩などの無機フィラー存在下、乳化分散剤を含む水中で乳化重合することを特徴とする塩化ビニルの製造方法が開示されている。しかし、世界的に膨大な量が生産されている懸濁重合塩化ビニルではなく、このような方法で製造された特殊な乳化重合塩化ビニルを用いなければならず、高コストであり、用途が制限されること、また、塩化ビニルの中にすでに無機フィラーが存在しており、配合設計の自由度が制限されるため、このような特殊な方法を用いない汎用性の高い塩化ビニルを用いて、高度に無機フィラーを分散させる方法が希求されている。
溶剤を用いずに、かつ、汎用性の高い塩化ビニルに無機フィラーを添加しても、その無機フィラーが高度に塩化ビニルに分散し、その機能が十分に発揮されるだけでなく、衝撃強度、溶融成形加工性も維持・向上される塩化ビニル系熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、塩化ビニル系樹脂(A)100重量部、無機フィラー(B)3〜300重量部、イオン性官能基を有するポリマー(C)0.01〜10重量部を含む塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記イオン性官能基を有するポリマー(C)のイオン性官能基がスルホン酸基、リン酸基、カルボン酸と、第4級アンモニウム塩から選ばれる1種以上である塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
また、本発明は、イオン性官能基を有するポリマー(C)中のイオン性官能基濃度が0.01〜2mmol/gである塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
また、本発明は、イオン性官能基を有するポリマー(C)中のエポキシ基濃度が0.1〜3mmol/gである塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
また、本発明は、塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形体に関する。
また、本発明は、イオン性官能基を有するポリマー(C)中のエポキシ基濃度が0.1〜3mmol/gである塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
また、本発明は、塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形体に関する。
本発明の塩化ビニル系熱可塑性樹脂組成物は、無機フィラーが高度に分散した組成物であり、成型加工性しやすく、衝撃強度に優れた樹脂組成物を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、塩化ビニル系樹脂(A)、無機フィラー(B)、イオン性官能基を有するポリマー(C)を含む塩化ビニル系樹脂組成物に関する。また、その塩化ビニル系樹脂組成物を溶融成形して得られる成形体である。塩化ビニル系樹脂(A)は、様々な無機フィラー(B)とともに溶融混練されるが、塩化ビニル系樹脂(A)と無機フィラー(B)は相溶性が十分でなく、分散不良を起こし、無機フィラー(C)の性能が十分に発揮されないばかりか、塩化ビニル系樹脂(A)のゲル化不足、メヤニ、プレートアウト、靭性低下、衝撃強度低下などの問題が発生する。これは、無機フィラー(B)の添加部数が多くなれば、多くなるほど顕著となる。
本発明におけるイオン性官能基を有するポリマーは塩化ビニル系樹脂(A)と無機フィラー(B)の界面に効率的に入り込み、無機フィラー(B)の分散性を向上させ、無機フィラー(B)の性能を十分に発揮させるだけでなく、上述した塩化ビニル系樹脂(A)のゲル化不足、メヤニ、プレートアウト、靭性低下、衝撃強度低下なども改善させることができる。
本発明は、塩化ビニル系樹脂(A)、無機フィラー(B)、イオン性官能基を有するポリマー(C)を含む塩化ビニル系樹脂組成物に関する。また、その塩化ビニル系樹脂組成物を溶融成形して得られる成形体である。塩化ビニル系樹脂(A)は、様々な無機フィラー(B)とともに溶融混練されるが、塩化ビニル系樹脂(A)と無機フィラー(B)は相溶性が十分でなく、分散不良を起こし、無機フィラー(C)の性能が十分に発揮されないばかりか、塩化ビニル系樹脂(A)のゲル化不足、メヤニ、プレートアウト、靭性低下、衝撃強度低下などの問題が発生する。これは、無機フィラー(B)の添加部数が多くなれば、多くなるほど顕著となる。
本発明におけるイオン性官能基を有するポリマーは塩化ビニル系樹脂(A)と無機フィラー(B)の界面に効率的に入り込み、無機フィラー(B)の分散性を向上させ、無機フィラー(B)の性能を十分に発揮させるだけでなく、上述した塩化ビニル系樹脂(A)のゲル化不足、メヤニ、プレートアウト、靭性低下、衝撃強度低下なども改善させることができる。
<塩化ビニル系樹脂(A)>
本発明における塩化ビニル系樹脂(A)としては、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルモノマー−塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーの共重合体が挙げられる。その共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体いずれであっても良い。グラフト共重合体は、ABS樹脂、MBS樹脂のように、架橋重合体粒子から枝が生えるようにグラフトされた、コアシェル粒子、多層重合体粒子と呼ばれるものであっても良いし、1本の分子鎖から枝が生えるようにグラフトされた、グラフト共重合体であっても良い。これら重合体は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類;ブタジエン、イソプレンなどのジエン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニルビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、アクリロニトリル、ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における塩化ビニル系樹脂(A)の重合方法は、特に限定されず、従来公知の任意の重合方法を利用することができる。例えば、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、ミニエマルション重合法、マイクロ懸濁重合法、懸濁重合法等が挙げられる。 ただし、塩化ビニル系樹脂(A)の製造中に無機フィラー(C)と化学的結合を生成する製造方法は含まない。
本発明における塩化ビニル系樹脂(A)としては、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルモノマー−塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーの共重合体が挙げられる。その共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体いずれであっても良い。グラフト共重合体は、ABS樹脂、MBS樹脂のように、架橋重合体粒子から枝が生えるようにグラフトされた、コアシェル粒子、多層重合体粒子と呼ばれるものであっても良いし、1本の分子鎖から枝が生えるようにグラフトされた、グラフト共重合体であっても良い。これら重合体は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類;ブタジエン、イソプレンなどのジエン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニルビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、アクリロニトリル、ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における塩化ビニル系樹脂(A)の重合方法は、特に限定されず、従来公知の任意の重合方法を利用することができる。例えば、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、ミニエマルション重合法、マイクロ懸濁重合法、懸濁重合法等が挙げられる。 ただし、塩化ビニル系樹脂(A)の製造中に無機フィラー(C)と化学的結合を生成する製造方法は含まない。
<無機フィラー(B)>
本発明における無機フィラー(B)としては、金属粉、酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩、(亜)硫酸塩などに区分される。前記イオン性官能基を有するポリマー(C)との相性がよく、機能の発現しやすさの観点から、好ましくは、酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩であり、より好ましくは、水酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩であり、更に好ましくは、ケイ酸塩、炭酸塩である。
本発明における無機フィラー(B)としては、金属粉、酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩、(亜)硫酸塩などに区分される。前記イオン性官能基を有するポリマー(C)との相性がよく、機能の発現しやすさの観点から、好ましくは、酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩であり、より好ましくは、水酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩であり、更に好ましくは、ケイ酸塩、炭酸塩である。
金属粉の例としては、アルミニウム、、銅、鉄、鉛、亜鉛、スチール、ニッケル、ブロンズ、銀、金、プラチナなどが挙げられる。
酸化物の例としては、シリカ(石英粉、ケイ藻土、ケイ石粉、ヒドロゲル、エアロゲル)、アルミナ(含水又は無水)、酸化チタン、二酸化チタン(ルチル、アナターゼ、超微粒子状)、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ベリリウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどが挙げられる。
水酸化物の例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、アルミネート水和物などが挙げられる。
ケイ酸塩としては、タルク(滑石、フレンチチョーク)、アスベスト(クリソタイル、クロシドライド、アンモナイト、アンソフェライト、トレモライト、アクチノライト)、クレー(カオリンクレー、ソフタクレー、バードクレー、焼成クレー、ロウ石クレー)、マイカ、アスベスト、ベントナイト、セピオライト、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイトなどが挙げられる。
炭酸塩としては炭酸カルシウム(重質炭カル、軽質炭カル、膠質炭カル又は沈降性炭カル、胡粉、チョーク、ウィッチング、アラレ石、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどが挙げられる。炭酸マグネシウム(沈降性、含水及び無水)、(亜)硫酸塩としては、硫酸カルシウム、硫酸バリウム(バライト粉)、亜硫酸カルシウムなどが挙げられる。その他、二硫化モリブデン、チタン酸カリウム、炭化ケイ素、リトボン、窒素化グアニジン、スズ酸亜鉛、ほう酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、2水和石膏、メタホウ酸バリウム、ホウ砂なども本発明における無機フィラーに含まれる。加えて、一般的に補強剤と呼ばれるガラス繊維、ガラスバルーン、炭素繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、セラミック繊維、石膏繊維、チタン酸カリウム繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、ボロンウィスカー繊維など;炭化物であるカーボンブラック(ファーネス、チャンネル、ランプ、サーマル、アセチレン)、グラファイト、カーボンナノチューブ、炭素繊維、炭素球、無煙炭粉等の炭素原子から成る物も本発明における無機フィラー(B)に含まれる。
前記イオン性官能基を有するポリマー(C)との相性がよく、機能の発現しやすさの観点から、好ましくは、シリカ、酸化チタン、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維であり、より好ましくは、タルク、炭酸カルシウムである。
上記無機フィラー(B)を用いることで、以下のような機能が塩化ビニル系樹脂組成物に付与される。例えば、着色性(アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、酸化鉄、酸化地チタン、炭酸カルシウムなど)、寸法安定性(スチール粉、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、、硫酸カルシウム、シリカ、マイカ、タルク、ケイ酸リチウムアルミニウム、シリコンカーバイド、ケイ酸ジルコニウム、チタン酸カリウムなど)、熱伝導性(銅粉、鉄粉、銀粉、スチール粉、アルミナ、酸化ベリウム、窒化アルミニウム、窒化ボロンなど)、導電性(アルミニウム粉、銅粉、鉄粉、銀粉、スチール粉、ニッケル粉、カーボンブラック、炭素繊維、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムなど)、電気絶縁性(酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、シリコンカーバイド、酸化ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、マイカ、クレーなど)、耐摩耗性(グラファイト、二硫化モリブデン 、炭素繊維、アスベスト、チタン酸カリウムなど)、揺変性(コロイダルシリカ、アスベストなど)、磁性(磁性酸化鉄、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、ニッケルフェライトなど)、圧電性(チタン酸ジルコン酸鉛など)、保温性・赤外線吸収性(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化リチウム、ハイドロタルサイト、硫酸マグネシウム、ほう酸カルシウムなど)、断熱・軽量性(シラスバルーン、カーボンバルーン、ガラスバルーンなど)、難燃性(三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、窒素化グアニジン、スズ酸亜鉛、ほう酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、2水和石膏、メタホウ酸バリウム、ホウ砂)などが挙げられる。
これら無機フィラーは各種の形状であってもよく、具体的には、球状、立方状、板状、柱状、六角板状、紡錘状、針状、繊維状、薄片状等があり、勿論不定形でも良い。また、無機フィラー粒子の大きさは特に制限されるものではないが、好ましくは0.01〜200ミクロン程度である。
本発明の無機フィラー(B)の量としては、衝撃強度、成形加工性や機械強度の観点から、塩化ビニル系樹脂(A)100重量部に対し、3〜300重量部が好ましく、3〜200重量部がより好ましく、10〜100重量部がより好ましく、15〜70重量部がさらに好ましく、15〜40重量部が特に好ましい。
<イオン性官能基を有するポリマー(C)>
本発明におけるイオン性官能基を有するポリマー(C)は、塩化ビニル系樹脂(A)と無機フィラー(B)の界面に効率的に入り込み、無機フィラー(B)の分散性を向上させ、塩化ビニル系樹脂(A)のゲル化を促進し、メヤニ、プレートアウト、靭性低下、衝撃強度低下などの課題を改善させることができる。
本発明におけるイオン性官能基を有するポリマー(C)は、塩化ビニル系樹脂(A)と無機フィラー(B)の界面に効率的に入り込み、無機フィラー(B)の分散性を向上させ、塩化ビニル系樹脂(A)のゲル化を促進し、メヤニ、プレートアウト、靭性低下、衝撃強度低下などの課題を改善させることができる。
本発明におけるイオン性官能基を有するポリマー(C)のイオン性官能基濃度は、イオン性官能基を有するポリマー(C)に対し、0.01〜2mmol/gであることが好ましい。0.01mmol/gより小さい場合は、上記効果が不十分である場合があり、2mmol/gより大きい場合は、成形機の金属面(スクリュー、バレル、ダイなど)との接着性が強すぎて、金属面への粘着、プレートアウト、メヤニ、ダイラインなどの課題が発生したり、靭性低下、衝撃強度が低下したりする場合がある。より好ましくは0.02〜1mmol/g、更に好ましくは0.03〜0.5mmol/gである。
本発明におけるイオン性官能基を有するポリマー(C)のイオン性官能基は、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基と、第4級アンモニウム塩を含む官能基から選ばれる1種以上である。イオン性官能基を有するポリマー(C)の金属面への粘着、プレートアウト、メヤニ、ダイラインなどの課題や靭性、衝撃強度の観点から、好ましくは、スルホン酸基、リン酸基、第4級アンモニウム塩を含む官能基から選ばれる1種以上であり、より好ましくは、スルホン酸基、第4級アンモニウム塩を含む官能基であり、特に好ましくは、スルホン酸基である。
本発明におけるイオン性官能基を有するポリマー(C)のイオン性官能基は、イオン性官能基を有するポリマー(C)を重合する前のモノマーの段階でイオン性官能基を有していても良いし、重合中に化学反応によりイオン性官能基に変換されても良いし、造粒過程でイオン性官能基に変換されても良いし、塩化ビニル系樹脂組成物と混合する前にイオン性官能基に変換されても良い。例えば、後述するエポキシ基を有するモノマーを過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩を重合開始剤として用い、重合中に、エポキシ基の一部をスルホン酸基に変換する方法が挙げられる。
本発明において、イオン性官能基を有するポリマー(C)のイオン性官能基濃度とは、塩化ビニル系樹脂組成物と混合する直前のイオン性官能基濃度として定義する。イオン性官能基濃度は例えば、スルホン酸基の場合、イオン性官能基を有するポリマー(C)を燃焼、過酸化水素に吸収させ、イオンクロマトグラフィーなどで測定することができる。
本発明におけるイオン性官能基を有するポリマー(C)は、イオン性官能基以外の官能基として、エポキシ基や水酸基を有してもよい。
エポキシ基を有するモノマーとしては、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテルなどの不飽和アルコールのグリシジルエーテル類;グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル−p−ビニルベンゾエート、メチルグリシジルイタコネート、グリシジルエチルマレート、グリシジルビニルスルホネート、グリシジル(メタ)アクリルスルホネートなどの不飽和酸のグリシジルエステル類;ブタジエンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、2−メチル−5,6−エポキシヘキセンなどのエポキシオレフィン類などが挙げられる。
イオン性官能基を有するポリマー(C)のエポキシ基濃度は、イオン性官能基を有するモノマーに対して、0〜5mmol/gであることが好ましい。より好ましくは0.1〜3mmol/g、更に好ましくは0.3〜2mmol/gである。5mmol/gより大きい場合は、成形機の金属面(スクリュー、バレル、ダイなど)との接着性が強すぎて、「金属面への粘着」、「プレートアウト」、「メヤニ」、「ダイライン」などの課題が発生したり、「靭性低下」、「衝撃強度」が低下したりする場合がある。
水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンの付加物、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンの付加物、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。本明細書において、(メタ)アクリレートとはメタクリレートとアクリレートの総称である。 水酸基を有するモノマーとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イオン性官能基を有するポリマー(C)の水酸基濃度は、イオン性官能基を有するモノマー(C)に対し、0〜2mmol/gであることが好ましい。より好ましくは0.1〜1mmol/g、更に好ましくは0.2〜0.5mmol/gである。2mmol/gより大きい場合は、成形機の金属面(スクリュー、バレル、ダイなど)との接着性が強すぎて、「金属面への粘着」、「プレートアウト」、「メヤニ」、「ダイライン」などの課題が発生したり、「靭性低下」、「衝撃強度」が低下したりする場合がある。
また、本発明におけるイオン性官能基を有するポリマー(C)は、塩化ビニル系樹脂(A)と相溶性が優れることが好ましい。相溶性については、溶解パラメーターであるSP値を用いることで議論することができる。塩化ビニル樹脂ホモポリマーは9.3である。塩化ビニル系樹脂(A)のSP値をxとした場合、イオン性官能基を有するポリマー(C)を構成するエポキシ基を有するモノマー、水酸基を有するモノマーなどの高極性基を有するモノマー以外のモノマーのSP値は、好ましくは(x−2)〜(x+2)であり、より好ましくは((x−1)〜(x+1)であり、更に好ましくは(x−0.5)〜(x+0.5)である。例えば、ポリ塩化ビニルは9.3である。ポリメチルメタクリレートが9.2、ポリ酢酸ビニルが9.4、ポリスチレンが9.0、ポリアクリロニトリルスチレンが9.7である。より好ましくは、塩化ビニル系樹脂(A)と同組成であることである。
イオン性官能基を有するポリマー(C)はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体の1種以上であっても良い。
本発明のイオン性官能基を有するポリマー(C)の量としては、衝撃強度(例えばガードナー強度)、成形加工性(例えばロールなどの金属面との粘着性)や機械強度(例えば、引張降伏強度)の観点から、塩化ビニル系樹脂(A)100重量部に対し、0.01〜10重量部が好ましく、0.01〜7重量部がより好ましく、0.04〜4重量部がより好ましい。10重量部を超える場合は、成形加工性が悪くなる場合がある。具体的には、ロール、スクリュー、バレル、ダイなどの金属表面との密着性が強くなりすぎて、粘着、ヤケ、プレートアウト、メヤニなどの課題が発生する場合がある。また、0.01重量部より小さい場合は、ガードナー強度などの衝撃強度、引張降伏強度、引張破断伸びなどの物性が十分でない場合がある。
本発明のイオン性官能基を有するポリマー(C)の量としては、衝撃強度(例えばガードナー強度)、成形加工性(例えばロールなどの金属面との粘着性)や機械強度(例えば、引張降伏強度)の観点から、塩化ビニル系樹脂(A)100重量部に対し、0.01〜10重量部が好ましく、0.01〜7重量部がより好ましく、0.04〜4重量部がより好ましい。10重量部を超える場合は、成形加工性が悪くなる場合がある。具体的には、ロール、スクリュー、バレル、ダイなどの金属表面との密着性が強くなりすぎて、粘着、ヤケ、プレートアウト、メヤニなどの課題が発生する場合がある。また、0.01重量部より小さい場合は、ガードナー強度などの衝撃強度、引張降伏強度、引張破断伸びなどの物性が十分でない場合がある。
<その他配合剤>
本発明における塩化ビニル系樹脂組成物には、本発明の効果を害さない範囲内で、必要に応じて、有機フィラー、有機系難燃剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、安定剤、着色剤、抗菌・防カビ剤、表面処理剤、防蟻剤、ねずみ・外忌避剤、付香剤、離型剤、流動性改質剤、溶融粘度調整剤、光拡散剤、防汚剤、防曇剤、結晶核剤、赤外線吸収剤、熱可塑性樹脂、エラストマー、コアシェルゴムなどを使用することができる。
本発明における塩化ビニル系樹脂組成物には、本発明の効果を害さない範囲内で、必要に応じて、有機フィラー、有機系難燃剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、安定剤、着色剤、抗菌・防カビ剤、表面処理剤、防蟻剤、ねずみ・外忌避剤、付香剤、離型剤、流動性改質剤、溶融粘度調整剤、光拡散剤、防汚剤、防曇剤、結晶核剤、赤外線吸収剤、熱可塑性樹脂、エラストマー、コアシェルゴムなどを使用することができる。
<有機フィラー>
有機フィラーとしては、例えば、リンダー、リネン、サイザル木粉、モミ籾粉などの天然物植物性フィラー、絹、皮革粉、コラーゲン繊維などの天然物動物性フィラー、ビスコース、アセテート、ポリアミド、ビニロン、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ポリテトラフルオロエチレン粉などの合成フィラーが挙げられる。
有機フィラーとしては、例えば、リンダー、リネン、サイザル木粉、モミ籾粉などの天然物植物性フィラー、絹、皮革粉、コラーゲン繊維などの天然物動物性フィラー、ビスコース、アセテート、ポリアミド、ビニロン、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ポリテトラフルオロエチレン粉などの合成フィラーが挙げられる。
<有機系難燃剤>
有機系難燃剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェートなどの非含ハロゲンリン酸エステル、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3ジブロモプロピル)2,3ジクロロプロピルホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、ポリホスフェートなどの含ハロゲンリン酸エステル、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、パークロロペンタシクロデカン、テトラブロモエタン(誘導体含む)、テトラブロモブタン(誘導体含む)、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサブロモベンゼンなどの含ハロゲン有機化合物、赤リン、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
有機系難燃剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェートなどの非含ハロゲンリン酸エステル、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3ジブロモプロピル)2,3ジクロロプロピルホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、ポリホスフェートなどの含ハロゲンリン酸エステル、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、パークロロペンタシクロデカン、テトラブロモエタン(誘導体含む)、テトラブロモブタン(誘導体含む)、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサブロモベンゼンなどの含ハロゲン有機化合物、赤リン、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
<顔料>
顔料としては、例えば、黄鉛、黄色酸化鉄、チタンイエロー、カドミウムイエロー、モリブデートオレンジ、赤色酸化鉄、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、コバルト紫、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、染付けレーキ、総合多環顔料などが挙げられる。アゾ顔料としては、不溶性モノアゾ顔料(β−ナフトール系、ナフトールAS系、アセト酢酸アリールアミド系など)、不溶性ジスアゾ顔料(アセト酢酸アリールアミド系、ピラゾロン系など)アゾレーキ顔料(β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系など)、縮合アゾ顔料、金属錯塩アゾ顔料が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニンレーキ)が挙げられる。染付けレーキとしては、酸性染料レーキ、塩基性染料エーキが挙げられる。総合多環顔料としては、アントラキノン系顔料、チオインジゴ顔料、ベリノン顔料、ベリレン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、イソインドリン顔料などが挙げられる。 その他、ニトロソ顔料、アリザリンレーキ、金属錯塩アゾメチン顔料、アニリンブラック、アルカリブルー、昼光蛍光顔料、天然有機顔料などが挙げられる。
顔料としては、例えば、黄鉛、黄色酸化鉄、チタンイエロー、カドミウムイエロー、モリブデートオレンジ、赤色酸化鉄、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、コバルト紫、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、染付けレーキ、総合多環顔料などが挙げられる。アゾ顔料としては、不溶性モノアゾ顔料(β−ナフトール系、ナフトールAS系、アセト酢酸アリールアミド系など)、不溶性ジスアゾ顔料(アセト酢酸アリールアミド系、ピラゾロン系など)アゾレーキ顔料(β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系など)、縮合アゾ顔料、金属錯塩アゾ顔料が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニンレーキ)が挙げられる。染付けレーキとしては、酸性染料レーキ、塩基性染料エーキが挙げられる。総合多環顔料としては、アントラキノン系顔料、チオインジゴ顔料、ベリノン顔料、ベリレン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、イソインドリン顔料などが挙げられる。 その他、ニトロソ顔料、アリザリンレーキ、金属錯塩アゾメチン顔料、アニリンブラック、アルカリブルー、昼光蛍光顔料、天然有機顔料などが挙げられる。
<酸化防止剤>
酸化防止剤としては、2,6−ジ−ターシャルブチル−パラクレゾールなどに代表されるフェノール系、フェニル−β−ナフチルアミンなどに代表されるアミン系、ラウリルステアリルチオジプロピオネートに代表される硫黄系、トリデシルホスファイトに代表されるりん系、N−サリシロイル−N‘−アルデヒドヒドラジンに代表されるヒドラジン系、N、N’ジオフェニルオキサイドに代表されるアミド系、りん酸、クエン酸などに代表される相乗剤など公知のものを用いることができる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−ターシャルブチル−パラクレゾールなどに代表されるフェノール系、フェニル−β−ナフチルアミンなどに代表されるアミン系、ラウリルステアリルチオジプロピオネートに代表される硫黄系、トリデシルホスファイトに代表されるりん系、N−サリシロイル−N‘−アルデヒドヒドラジンに代表されるヒドラジン系、N、N’ジオフェニルオキサイドに代表されるアミド系、りん酸、クエン酸などに代表される相乗剤など公知のものを用いることができる。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、サルシレート系(ベンゾエート系)、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系が挙げられる。また、クエンチャーとして使用される金属錯塩、HALSとして使用されるヒンダートピペリジンなども含まれる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、サルシレート系(ベンゾエート系)、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系が挙げられる。また、クエンチャーとして使用される金属錯塩、HALSとして使用されるヒンダートピペリジンなども含まれる。
<帯電防止剤>
帯電防止剤としては、例えば、第一級アミン塩、第三級アミンに第四級アンモニウム化合物に代表される陽イオン活性剤タイプ、硫酸化油、石けん、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、リン酸エステル塩などに代表されるアニオン活性剤タイプ、多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールエチレンオキサイド付加物などに代表される非イオン活性剤、カルボン酸誘導体、イミダゾリン誘導体に代表される両性活性剤などが挙げられる。同様に各種高分子型を用いることもできる。
帯電防止剤としては、例えば、第一級アミン塩、第三級アミンに第四級アンモニウム化合物に代表される陽イオン活性剤タイプ、硫酸化油、石けん、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、リン酸エステル塩などに代表されるアニオン活性剤タイプ、多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールエチレンオキサイド付加物などに代表される非イオン活性剤、カルボン酸誘導体、イミダゾリン誘導体に代表される両性活性剤などが挙げられる。同様に各種高分子型を用いることもできる。
<滑剤>
滑剤としては、例えば、パラフィン、ポリエチレンワックスに代表される炭化水素系、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸に代表される脂肪酸系、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミドに代表される脂肪酸アミド系、脂肪酸の低級アルコールエステル、ポリグリコールエステルに代表されるエステル系、脂肪アルコール、ポリグリコールに代表されるアルコール系、各種金属石けん、シリコーンなどに代表される高分子系などが挙げられる。
滑剤としては、例えば、パラフィン、ポリエチレンワックスに代表される炭化水素系、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸に代表される脂肪酸系、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミドに代表される脂肪酸アミド系、脂肪酸の低級アルコールエステル、ポリグリコールエステルに代表されるエステル系、脂肪アルコール、ポリグリコールに代表されるアルコール系、各種金属石けん、シリコーンなどに代表される高分子系などが挙げられる。
<結晶核剤>
結晶核剤としては、例えば、高級脂肪酸アミド、尿素誘導体、ソルビトール系化合物、窒化硼素、高級脂肪酸塩、芳香族脂肪酸塩等が挙げられ、これらは1種又は2種以上用いることができる。なかでも結晶核剤としての効果が高いことから、高級脂肪酸アミド、尿素誘導体、及びソルビトール系化合物が好ましい。
結晶核剤としては、例えば、高級脂肪酸アミド、尿素誘導体、ソルビトール系化合物、窒化硼素、高級脂肪酸塩、芳香族脂肪酸塩等が挙げられ、これらは1種又は2種以上用いることができる。なかでも結晶核剤としての効果が高いことから、高級脂肪酸アミド、尿素誘導体、及びソルビトール系化合物が好ましい。
<熱可塑性樹脂>
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリケトン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ジエン化合物、マレイミド化合物、芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上をブレンドして用いることができる。かかる重合体若しくは共重合体樹脂としては、ポリスチレン樹脂、s−ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリクロルスチレン樹脂、ポリブロムスチレン樹脂、ポリα−メチルスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、スチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂、スチレン−マレイミド共重合体樹脂、スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂、スチレン−N−フェニルマレイミド−アクリロニトリル共重合体樹脂、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体樹脂、メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体樹脂、スチレン−アクリロニトリル−α−メチルスチレン三元共重合体樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体(HIPS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体(ABS)樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(ASA)、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体、アクリロニトリル−エチレンプロピレンジエンゴム−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−α−メチルスチレン共重合体樹脂、芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリケトン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ジエン化合物、マレイミド化合物、芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上をブレンドして用いることができる。かかる重合体若しくは共重合体樹脂としては、ポリスチレン樹脂、s−ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリクロルスチレン樹脂、ポリブロムスチレン樹脂、ポリα−メチルスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、スチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂、スチレン−マレイミド共重合体樹脂、スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂、スチレン−N−フェニルマレイミド−アクリロニトリル共重合体樹脂、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体樹脂、メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体樹脂、スチレン−アクリロニトリル−α−メチルスチレン三元共重合体樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体(HIPS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体(ABS)樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(ASA)、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体、アクリロニトリル−エチレンプロピレンジエンゴム−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−α−メチルスチレン共重合体樹脂、芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂等が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂(A)との相溶性、分解温度の観点から、ポリメチルメタクリレート樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体(ABS)樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(ASA)、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体、アクリロニトリル−エチレンプロピレンジエンゴム−スチレン共重合体が好ましい。
これら熱可塑性樹脂の添加可能な部数としては、塩化ビニル系樹脂(A)を100重量部とした時に、40重量部以下であることが好ましい。より好ましくは30重量部以下、更に好ましくは20重量部以下、特に好ましくは10重量部以下である。これら熱可塑性樹脂は補助的に品質バランスを取るために用いられ、こられ熱可塑性樹脂の添加量が40重量部を上回る場合、本発明の軟質熱可塑性樹脂組成物(X)の軟質性、力学強度などが劣る場合がある。
<エラストマー>
エラストマーとしては、天然ゴム、あるいはブチルアクリレートゴム、エチルアクリレートゴム、オクチルアクリレートゴムなどのアクリルゴム、ブタジエン−アクリロニトリル系共重合体などのニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、イソブチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、メチルメタクリレート−ブチルアクリレートブロック共重合体、スチレン−イソブチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、水添エチレン−ブタジエン共重合体(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、ポリウレタン、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴム(ミラブル型、室温加硫型など)、ブチルゴム、フッ素ゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどの合成ゴムなどが挙げられる。
エラストマーとしては、天然ゴム、あるいはブチルアクリレートゴム、エチルアクリレートゴム、オクチルアクリレートゴムなどのアクリルゴム、ブタジエン−アクリロニトリル系共重合体などのニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、イソブチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、メチルメタクリレート−ブチルアクリレートブロック共重合体、スチレン−イソブチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、水添エチレン−ブタジエン共重合体(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、ポリウレタン、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴム(ミラブル型、室温加硫型など)、ブチルゴム、フッ素ゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどの合成ゴムなどが挙げられる。
<コアシェルゴム>
コアシェルゴムは、樹脂組成物の耐衝撃性や機械的強度の高度なバランスが実現できることから特に好ましい。コアシェルゴムは、2層以上であればよい。コアシェルゴムにおいて、ゴム層の種類は、特に限定されるものではなく、ゴム弾性を有する重合体成分から構成されるものであればよい。例えば、アクリル成分、シリコーン成分、スチレン成分、ニトリル成分、共役ジエン成分、ウレタン成分またはエチレンプロピレン成分などを重合させたものから構成されるゴムが挙げられる。好ましいゴムとしては、例えば、アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分、ジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位などのシリコーン成分、スチレン単位やα−メチルスチレン単位などのスチレン成分、アクリロニトリル単位やメタクリロニトリル単位などのニトリル成分またはブタンジエン単位やイソプレン単位などの共役ジエン成分を重合させたものから構成されるゴムである。また、これらの成分を2種以上組み合わせて共重合させたものから構成されるゴムも好ましく、例えば、(1)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位などのシリコーン成分を共重合した成分から構成されるゴム、(2)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびスチレン単位やα−メチルスチレン単位などのスチレン成分を共重合した成分から構成されるゴム、(3)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびブタンジエン単位やイソプレン単位などの共役ジエン成分を共重合した成分から構成されるゴム、(4)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位などのシリコーン成分およびスチレン単位やα−メチルスチレン単位などのスチレン成分を共重合した成分から構成されるゴムなどが挙げられる。また、これらの成分の他に、ジビニルベンゼン単位、アリルメタクリレート単位またはブチレングリコールジアクリレート単位などの架橋性成分を共重合し架橋させたゴムも好ましい。
コアシェルゴムは、樹脂組成物の耐衝撃性や機械的強度の高度なバランスが実現できることから特に好ましい。コアシェルゴムは、2層以上であればよい。コアシェルゴムにおいて、ゴム層の種類は、特に限定されるものではなく、ゴム弾性を有する重合体成分から構成されるものであればよい。例えば、アクリル成分、シリコーン成分、スチレン成分、ニトリル成分、共役ジエン成分、ウレタン成分またはエチレンプロピレン成分などを重合させたものから構成されるゴムが挙げられる。好ましいゴムとしては、例えば、アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分、ジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位などのシリコーン成分、スチレン単位やα−メチルスチレン単位などのスチレン成分、アクリロニトリル単位やメタクリロニトリル単位などのニトリル成分またはブタンジエン単位やイソプレン単位などの共役ジエン成分を重合させたものから構成されるゴムである。また、これらの成分を2種以上組み合わせて共重合させたものから構成されるゴムも好ましく、例えば、(1)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位などのシリコーン成分を共重合した成分から構成されるゴム、(2)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびスチレン単位やα−メチルスチレン単位などのスチレン成分を共重合した成分から構成されるゴム、(3)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびブタンジエン単位やイソプレン単位などの共役ジエン成分を共重合した成分から構成されるゴム、(4)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位などのシリコーン成分およびスチレン単位やα−メチルスチレン単位などのスチレン成分を共重合した成分から構成されるゴムなどが挙げられる。また、これらの成分の他に、ジビニルベンゼン単位、アリルメタクリレート単位またはブチレングリコールジアクリレート単位などの架橋性成分を共重合し架橋させたゴムも好ましい。
ゴム層のさらに好ましい具体例としては、アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分を重合した成分から構成されるゴム、ジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位などのシリコーン成分を重合した成分から構成されるゴム、またこれらの組み合わせ、すなわち、アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位などのシリコーン成分を共重合した成分から構成されるゴムが好ましい。
前記コアシェルゴムにおいて、最外層を含むシェル層には、グリシジル基含有ビニル系単位、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、不飽和ジカルボン酸無水物系単位、脂肪族ビニル系単位、芳香族ビニル系単位、シアン化ビニル系単位、マレイミド系単位、不飽和ジカルボン酸系単位またはその他のビニル系単位などから選ばれる少なくとも1種以上の単位を含有する重合体が含有されていても良く、中でも、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位または芳香族ビニル系単位、シアン化ビニル系単位から選ばれる少なくとも1種以上の単位を含有する重合体が含有されていることが好ましい。
グリシジル基含有ビニル系単位の具体例として、(メタ)アクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルグリシジルエーテル、スチレン−4−グリシジルエーテルまたは4−グリシジルスチレンなどが挙げられ、(メタ)アクリル酸グリシジルが最も好ましく使用される。これらの単位は1種ないし2種以上を用いることができる。
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位としては、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく使用される。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチルまたはメタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどが挙げられ、耐衝撃性を向上する効果が大きいという観点から、(メタ)アクリル酸メチルが好ましく使用される。これらの単位は1種ないし2種以上を用いることができる。
不飽和ジカルボン酸無水物系単位としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸または無水アコニット酸などが挙げられ、耐衝撃性を向上する効果が大きいという観点から、無水マレイン酸が好ましく使用される。これらの単位は1種ないし2種以上を用いることができる。
脂肪族ビニル系単位としては、エチレン、プロピレンまたはブタジエンなど、芳香族ビニル系単位としては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンまたはハロゲン化スチレンなど、シアン化ビニル系単位としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルまたはエタクリロニトリルなど、マレイミド系単位としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロモフェニル)マレイミドまたはN−(クロロフェニル)マレイミドなど、不飽和ジカルボン酸系単位として、マレイン酸、マレイン酸モノエチルエステル、イタコン酸、フタル酸など、その他のビニル系単位としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノスチレン、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリンまたは2−スチリル−オキサゾリンなどを挙げることができ、これらの単位は1種ないし2種以上を用いることができる。
前記コアシェルゴムの好ましい具体例としては、コア層がブタジエン重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体(MB樹脂)、コア層がブタジエン重合体で最外層がアクリロニトリル/スチレン共重合体(ABS樹脂)、コア層がブタジエン重合体で最外層がメタクリル酸メチル/スチレン共重合体(MBS樹脂)、コア層がスチレン/ブタジエン共重合体で最外層がメタクリル酸メチル/スチレン共重合体(MBS樹脂)、コア層がスチレン/ブタジエン共重合体で最外層がメタクリル酸メチル/アクリロニトリル/スチレン共重合体(MABS樹脂)、コア層がスチレン/ブタジエン共重合体で最外層がアクリロニトリル/スチレン共重合体(ABS樹脂)、コア層がアクリル酸ブチル/ブタジエン共重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体、コア層がアクリル酸ブチル/ブタジエン共重合体で最外層がアクリロニトリル/スチレン共重合体、コア層がアクリル酸ブチル/ブタジエン共重合体で最外層がメタクリル酸メチル/アクリロニトリル/スチレン共重合体、コア層がアクリル酸ブチル重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体(MA樹脂)、
コア層がアクリル酸ブチル重合体で最外層がアクリロニトリル/スチレン共重合体(ASA樹脂)、コア層がアクリル酸ブチル重合体で最外層がメタクリル酸メチル/アクリロニトリル/スチレン共重合体(MASA樹脂)、コア層がジメチルシロキサン/アクリル酸ブチル共重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体(シリコン変性MA樹脂)、コア層がジメチルシロキサン/アクリル酸ブチル共重合体で最外層がアクリロニトリル/スチレン共重合体(シリコン変性ASA樹脂)、コア層がジメチルシロキサン/アクリル酸ブチル共重合体で最外層がメタクリル酸メチル/アクリロニトリル/スチレン共重合体(シリコン変性MASA樹脂)、コア層がジメチルシロキサン重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体、コア層がジメチルシロキサン重合体で最外層がアクリロニトリル/スチレン重合体、コア層がジメチルシロキサン重合体で最外層がメタクリル酸メチル/アクリロニトリル/スチレン重合体などが挙げられる。これらのコアシェルゴムは1種ないし2種以上を併用することができる。
コア層がアクリル酸ブチル重合体で最外層がアクリロニトリル/スチレン共重合体(ASA樹脂)、コア層がアクリル酸ブチル重合体で最外層がメタクリル酸メチル/アクリロニトリル/スチレン共重合体(MASA樹脂)、コア層がジメチルシロキサン/アクリル酸ブチル共重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体(シリコン変性MA樹脂)、コア層がジメチルシロキサン/アクリル酸ブチル共重合体で最外層がアクリロニトリル/スチレン共重合体(シリコン変性ASA樹脂)、コア層がジメチルシロキサン/アクリル酸ブチル共重合体で最外層がメタクリル酸メチル/アクリロニトリル/スチレン共重合体(シリコン変性MASA樹脂)、コア層がジメチルシロキサン重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体、コア層がジメチルシロキサン重合体で最外層がアクリロニトリル/スチレン重合体、コア層がジメチルシロキサン重合体で最外層がメタクリル酸メチル/アクリロニトリル/スチレン重合体などが挙げられる。これらのコアシェルゴムは1種ないし2種以上を併用することができる。
上記組成は主成分であり、少量の共重合可能なモノマーが共重合されていても良い。
前記コアシェルゴムの数平均粒子径は、特に限定されるものではないが、0.05〜10μmであることが好ましく、0.1〜3μmであることがより好ましく、0.1〜1.0μmであることが更に好ましく、0.15〜0.6μmであることが特に好ましい。前記コアシェルゴムの数平均粒子径が0.05μmよりも小さい場合、10μmを超える場合は、衝撃強度が発現しない場合がある。ここでいうコアシェルゴムの数平均粒子径は、実施例に示す方法で溶融混練、成形加工した成形体から超薄切片を切り出し、コアシェルゴムを染色し、透過型電子顕微鏡写真で観察し、100個の粒子径の平均値である。
前記コアシェルゴムの数平均粒子径は、特に限定されるものではないが、0.05〜10μmであることが好ましく、0.1〜3μmであることがより好ましく、0.1〜1.0μmであることが更に好ましく、0.15〜0.6μmであることが特に好ましい。前記コアシェルゴムの数平均粒子径が0.05μmよりも小さい場合、10μmを超える場合は、衝撃強度が発現しない場合がある。ここでいうコアシェルゴムの数平均粒子径は、実施例に示す方法で溶融混練、成形加工した成形体から超薄切片を切り出し、コアシェルゴムを染色し、透過型電子顕微鏡写真で観察し、100個の粒子径の平均値である。
前記コアシェルゴムにおいて、コアとシェルの重量比は、特に限定されるものではないが、コアシェルゴム全体に対して、コア層が50〜95重量部であることが好ましく、60〜93重量部であることがより好ましく、70〜90重量部であることが更に好ましく、80〜90重量部であることが特に好ましい。コア層が50重量部より少ない場合、95重量部を上回る場合は、衝撃強度改良効果が発現しない場合がある。前記コアシェルゴムの配合量は、塩化ビニル系樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜50重量部であり、好ましくは0.3〜30重量部、より好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜15重量部、特に好ましくは2〜10重量部である。前記コアシェルゴムの配合量が0.1重量部未満である場合、耐衝撃性が発現しない場合があり、50重量部を越えると、耐衝撃性と引張強度などの機械特性のバランスが取れなくなる場合がある。
前記コアシェルゴムとしては、上述した条件を満たすものとして、市販品を用いてもよく、また、公知の方法により作製することもできる。市販品としては、例えば、三菱レイヨン製”メタブレン”、鐘淵化学工業製”カネエース”、ロームアンドハース製”パラロイド”、武田薬品工業製”スタフィロイド”またはクラレ製”パラフェイス”などが挙げられ、これらは、1種ないし2種以上を用いることができる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の溶融成形の方法は、特に限定されないが、例えば、射出成形法(インサート成形法、二色成形法、サンドイッチ成形法、ガスインクジェクション成形法など)、押出成形法、インフレーション成形法、Tダイフィルム成形法、ラミネート成形法、ブロー成形法、中空成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法、回転成形法、トランスファー成形法、真空成形法、パウダースラッシュ成形法、キャスト成形法などが挙げられる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の用途は、硬質用途と軟質用途に分けられる。硬質用途としては、上水道、簡易水道、専用水道などの水道用パイプ;水田パイプライン、畑地灌漑などの農業用水パイプ;公共下水道、農業集落下水、宅地造成などの下水道用パイプ;工場配管、さく井、天然ガス、工業用水、船舶、部品用、排水設備建物、道路、鉄道、グラウンド、空調、中水道、擁壁の水抜き、高速道路などの工業用、設備・排水用パイプ;電線管(通信、信号、屋内配線、照明、車両用)、情報ボックス、光ファイバー保護などのケーブル保護用パイプ;養殖場、温泉、巻芯などのその他用パイプ;NTTケーブル保護管、塩化ビニルライニング鋼管用、原管、電力管などの特殊品用パイプ;上記パイプ用の継手;雨樋、養鶏樋などの樋;ダクト、タンク、半導体洗浄装置、フランジ、その他設備機器などの工業用平板;銘柄用、建材用、看板、文具用、農業用、ディスプレイ用などの一般用平板;ケース、計量容器、仕切りトレー、ブリスターパックなどの非食品放送用フィルム・シート;クーリングタワー、玩具、電子機器装飾、文房具、カード類、FDJ、装飾などのその他フィルム・シート;テラス明り取り、カーポート、目隠し、物置、アーケード、仮説、雪囲いなどの建材用波板;銘柄、建材用などの農業用波板;窓枠、網戸、胴ざし、破風板、鼻隠し、サイディング、デッキ、ドア、周り縁、見切り、アングル、パネル、リブ、取っ手、アコーディオンドアなどの建材用異形押出品;スノコ、風呂フタ、レール、ハンガー、ペントレーなどの家庭用雑貨異形押出品;配線ダクト、ワイヤープロテクター、ラジカセハンドル、電池セパレーター、ICキャリアなどの電気・電子異形押出品;エッジ類、額縁、出隅、入隅、デッキプレートなどの家具木工用異形押出品;車両用内装などの車両異形押出品;醤油、ソース、食酢、海苔などの食品用ブロー成形品;化粧品、シャンプー、洗剤、各種ボトルなどの非食品用ブロー成形品;バルブ、フランジ、便槽、排水マス、雨水マス、宅内マス、キーボードなどのその他射出、異形押出品などが挙げられる。
また、軟質用途としては、化粧合板、塩化ビニル鋼板、内装仕上げ化粧フィルム、外装仕上げ化粧シートなどのラミネート用フィルム・シート;各種カバー、繊維包装、血液バッグ、輸血バッグ、食品ラップ、ステッカー、シュリンクフィルムなどの包装用フィルム・シート;インストルメントパネル、コンソール、ドアシート、天井、アンダーカーペット、トランクシート、絶縁テープなどの車両用フィルム・シート;家具、装飾品、文房具、袋物、玩具、雨衣、傘、粘着テープ、絆創膏などの雑貨用フィルム・シート;園芸、果樹、水稲、煙草などの農業用フィルム;壁紙、車両座席、シート、家具、鞄、袋物、衣料、文房具、履物などのレザー;止水板、工業ホース・チューブ、ガスケット(住宅・家電・自動車)、機械器具部品、ドレンホース、テーブルエッジ、サイドモール、住宅フローリング、医療用チューブ、人工心肺カテーテル、ガーデンホース、食品用チューブ、縄跳びなどの異形押出品;ターポリ(帆布・テント・日よけ)、マット類、遮水シート・土木シート、ルーフィング、防水シート、絶縁シート、工業用テープ、掃除機、運搬車用バンパー、自動車部品、人形、靴底、ブーツ、手袋、テープなどのその他軟質品;電力、機械制御、建設建築用、機器電線(コード、ワイヤーハーネス)、雑貨用、通信用、高圧送電ケーブル、電源コード、インターフェイスケーブル、フラットケーブル、テープ電線、リボン電線などの電線被覆;ホモジニアスタイル、コンポジションタイル、クッションフロア、長尺シート、タイルカーペット、ラミネートタイル、デパート、スーパー、DIYなどの店舗用などの床材;魚網、ロープ、防虫網、繊維、ブラシ、かつらなどの繊維;塗料、発泡製品(浮子、断熱材、クッション材)、プラスチック磁石などのその他軟質成形体などが挙げられる。以上の中でも、無機フィラーが多量に入る用途であることがより好ましい。
上記用途のうち、窓枠、サイディング、発泡ボード、デッキ、ルーフィング、壁材、床材パイプ、ターポリ、プラスチック磁石などは無機フィラー(B)の添加量が多く、衝撃強度・機械強度のいずれか1種以上が要求される用途であることから本発明における塩化ビニル系樹脂組成物が好適に用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は特に断りのない限り重量基準である。
配合原料を以下の表1に示した。
配合原料を以下の表1に示した。
<製造例>イオン性官能基を有するポリマー(C−1)の合成例
反応容器に、脱イオン水200部、ラウリル硫酸ナトリウム1部、炭酸水素カリウム1部、過硫酸カリウム6部を投入した。脱気を行った後、アリルグリシジルエーテル15部、塩化ビニルを85部仕込んで、60℃まで昇温した。反応容器内の内部圧力が3.5kg/m2まで下がったところで、未反応の塩化ビニルを回収し、ラテックスを得た。このラテックスにポリ塩化アルミニウム水溶液を添加してラテックスを凝固し、回収した。回収されたポリマーを温水で十分に洗浄し、脱水、乾燥し、イオン性官能基を有するポリマー(C−1)を得た。イオン性官能基としてスルホン酸基濃度は、0.06mmol/gであり、エポキシ基濃度0.75mmol/gであった。スルホン酸基濃度は、イオン性官能基を有するポリマー(C−1)を燃焼、過酸化水素に吸収させ、イオンクロマトグラフィーにより測定・算出した。エポキシ基濃度はメチルエチルケトンに溶解させ、電位差測定により測定・算出した。
反応容器に、脱イオン水200部、ラウリル硫酸ナトリウム1部、炭酸水素カリウム1部、過硫酸カリウム6部を投入した。脱気を行った後、アリルグリシジルエーテル15部、塩化ビニルを85部仕込んで、60℃まで昇温した。反応容器内の内部圧力が3.5kg/m2まで下がったところで、未反応の塩化ビニルを回収し、ラテックスを得た。このラテックスにポリ塩化アルミニウム水溶液を添加してラテックスを凝固し、回収した。回収されたポリマーを温水で十分に洗浄し、脱水、乾燥し、イオン性官能基を有するポリマー(C−1)を得た。イオン性官能基としてスルホン酸基濃度は、0.06mmol/gであり、エポキシ基濃度0.75mmol/gであった。スルホン酸基濃度は、イオン性官能基を有するポリマー(C−1)を燃焼、過酸化水素に吸収させ、イオンクロマトグラフィーにより測定・算出した。エポキシ基濃度はメチルエチルケトンに溶解させ、電位差測定により測定・算出した。
(比較例1)
(塩化ビニル系樹脂コンパウンドの調製)
塩化ビニル系樹脂(A)100重量部を3000gとした。ヘンシェルミキサー(カワタ社製スーパーミキサーSM V20)に、下記原料を投入した。
(塩化ビニル系樹脂コンパウンドの調製)
塩化ビニル系樹脂(A)100重量部を3000gとした。ヘンシェルミキサー(カワタ社製スーパーミキサーSM V20)に、下記原料を投入した。
カネビニルS1001 100.0 部
Reolub165 1.0 部
A-C629A 0.1 部
SC100 1.2 部
カネエースPA−20 1.0 部
カネエースPA−40 3.0 部
Omyacarb UFT 20.0 部
Reolub165 1.0 部
A-C629A 0.1 部
SC100 1.2 部
カネエースPA−20 1.0 部
カネエースPA−40 3.0 部
Omyacarb UFT 20.0 部
低速撹拌モードにて、TM181FSJ 1.5部を1分かけて投入した。その後、蒸気をミキサーのジャケットに導入し、高速撹拌モードを開始した。コンパウンド温度が110℃に到達した時点で一旦停止した。その後、ジャケットに導入していた蒸気を止め、ミキサーのジャケットに水を導入し、低速撹拌モードを開始した。コンパウンド温度が80℃になるまで冷却した後、払出口を開き、コンパウンドを回収した。
(ロール成形)
作製したコンパウンド400gを8インチテストロールを用い、ロール温度180℃、前ロール回転数18rpm、後ろロール回転数16rpmにて、コンパウンドがロールに巻きついてから5分間混練し、切って取り出し、シート状成形体を得た。
作製したコンパウンド400gを8インチテストロールを用い、ロール温度180℃、前ロール回転数18rpm、後ろロール回転数16rpmにて、コンパウンドがロールに巻きついてから5分間混練し、切って取り出し、シート状成形体を得た。
(プレス成形)
ロール成形にて得られたシート状成形体を切削し、重ねて、ロール温度190℃の加熱プレス機にはさみ、12分間予熱、その後、30秒かけて、50MPaまで圧力をかけ、そのまま3分間保持した。その後、圧力を解放し、すぐに冷却プレス機にはさみ、50MPaの圧力をかけ、そのまま15分間冷却し、1mm厚の形体を得た。
ロール成形にて得られたシート状成形体を切削し、重ねて、ロール温度190℃の加熱プレス機にはさみ、12分間予熱、その後、30秒かけて、50MPaまで圧力をかけ、そのまま3分間保持した。その後、圧力を解放し、すぐに冷却プレス機にはさみ、50MPaの圧力をかけ、そのまま15分間冷却し、1mm厚の形体を得た。
(ガードナー強度試験)
ASTM D4226−93に準じて、測定温度23℃にてガードナー強度を測定した。
ASTM D4226−93に準じて、測定温度23℃にてガードナー強度を測定した。
(引張試験方法)
プレス成形により、得られた1.0mmの成形体をJIS K 7161に基づき、引張試験を実施した。試験片形状は、ダンベル1A形、テストスピードは10mm/minにて実施し、引張降伏強度、引張破断伸びを求めた。
プレス成形により、得られた1.0mmの成形体をJIS K 7161に基づき、引張試験を実施した。試験片形状は、ダンベル1A形、テストスピードは10mm/minにて実施し、引張降伏強度、引張破断伸びを求めた。
(ロール粘着性)
ロールから溶融コンパウンドを、切って取り出す際の手にかかる負荷を4段階で以下のように評価した。
◎:何の負荷もなく、スムーズに取り出すことができる。
○:ほぼ負荷なく、ロールからはがすことができる。
△:若干の負荷で、ロールからはがすことができる。
×:負荷をかけなければ、ロールからはがれない。
ロールから溶融コンパウンドを、切って取り出す際の手にかかる負荷を4段階で以下のように評価した。
◎:何の負荷もなく、スムーズに取り出すことができる。
○:ほぼ負荷なく、ロールからはがすことができる。
△:若干の負荷で、ロールからはがすことができる。
×:負荷をかけなければ、ロールからはがれない。
(実施例1)
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を0.03部を加えた以外は、比較例1と同様に実施した。
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を0.03部を加えた以外は、比較例1と同様に実施した。
(実施例2)
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を0.05部を加えた以外は、比較例1と同様に実施した。
(実施例3)
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を1部を加えた以外は、比較例1と同様に実施した。
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を1部を加えた以外は、比較例1と同様に実施した。
(実施例4)
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を3部を加えた以外は、比較例1と同様に実施した。
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を3部を加えた以外は、比較例1と同様に実施した。
(実施例5)
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を5部を加えた以外は、比較例1と同様に実施した。
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を5部を加えた以外は、比較例1と同様に実施した。
(実施例6)
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を8部を加えた以外は、比較例1と同様に実施した。
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を8部を加えた以外は、比較例1と同様に実施した。
(比較例2)
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を12部を加えた以外は、比較例1と同様に実施した。
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を12部を加えた以外は、比較例1と同様に実施した。
(比較例3)
ヘンシェルミキサーに、投入する原料を、TM−181FSJ 1.5部からAC186 3部に変えた以外は、比較例1と同様に実施した。
ヘンシェルミキサーに、投入する原料を、TM−181FSJ 1.5部からAC186 3部に変えた以外は、比較例1と同様に実施した。
(実施例7)
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を0.03部を加えた以外は、比較例3と同様に実施した。
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を0.03部を加えた以外は、比較例3と同様に実施した。
(実施例8)
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を1部を加えた以外は、比較例3と同様に実施した。
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を1部を加えた以外は、比較例3と同様に実施した。
(比較例4)
ヘンシェルミキサーに、投入する原料を、TM−181FSJ 1.5部からLHR400 3部に変えた以外は、比較例1と同様に実施した。
ヘンシェルミキサーに、投入する原料を、TM−181FSJ 1.5部からLHR400 3部に変えた以外は、比較例1と同様に実施した。
(実施例9)
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を0.03部を加えた以外は、比較例4と同様に実施した。
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を0.03部を加えた以外は、比較例4と同様に実施した。
(実施例10)
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を1部を加えた以外は、比較例4と同様に実施した。
ヘンシェルミキサーに、投入する原料にイオン性官能基を有するポリマー(C−1)を1部を加えた以外は、比較例4と同様に実施した。
なお、比較例1〜4、実施例1〜10については、配合、評価基準ともにサイディング向けである。それらの評価結果を表2、表3にまとめた。イオン性官能基を有するポリマー(C)を添加することで、衝撃強度、引張強度、引張伸び、成形加工性に関して、高度なバランスが実現できていることが分かる。
Claims (4)
- 塩化ビニル系樹脂(A)100重量部、無機フィラー(B)3〜300重量部、イオン性官能基を有するポリマー(C)0.01〜10重量部を含む塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記イオン性官能基を有するポリマー(C)のイオン性官能基がスルホン酸基、リン酸基、カルボン酸と、第4級アンモニウム塩から選ばれる1種以上である塩化ビニル系樹脂組成物。
- 前記イオン性官能基を有するポリマー(C)中のイオン性官能基濃度が0.01〜2mmol/gである請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
- 前記イオン性官能基を有するポリマー(C)中のエポキシ基濃度が0.1〜3mmol/gである請求項1〜2のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
- 請求項1〜3いずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形体。
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JP2015067657A JP2016186060A (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | 塩化ビニル系熱可塑性樹脂組成物 |
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JP2020138997A (ja) * | 2019-02-27 | 2020-09-03 | リケンテクノス株式会社 | 光拡散性フィルム用ポリ塩化ビニル系樹脂組成物 |
-
2015
- 2015-03-27 JP JP2015067657A patent/JP2016186060A/ja active Pending
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