JP2011132525A - 生分解性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 バイオマス由来樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)および相溶化剤(C)を含有してなる樹脂組成物において、(C)が、分子中に0.1〜20個の水酸基を有する水酸基変性ポリオレフィン(C1)のみからなることを特徴とする生分解性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
そこで、バイオマス由来樹脂とポリオレフィン樹脂のブレンドによる生分解性樹脂の耐衝撃性等の機械物性の改良が盛んに検討されている。例えば、該ブレンドに際してスチレン系熱可塑性エラストマーや変性ポリオレフィンを相溶化剤として使用する方法等が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
本発明の目的は、バイオマス由来樹脂とポリオレフィン樹脂の相溶性に優れ、耐衝撃性等の機械物性に優れた成形品を与える、生分解性樹脂組成物を提供することにある。
(1)二酸化炭素の排出量を削減することができる環境調和型成形品を与える。
(2)高含量でバイオマス由来樹脂を含有し、かつ耐衝撃性等の機械物性に優れる成形品を与える。
バイオマス由来樹脂(A)としては、具体的にはポリ乳酸(A1)、ポリヒドロキシブチレート(A2)、ポリトリメチレンテレフタレート(A3)、エステル化デンプン(A4)およびセルロースアセテート(A5)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(1)ポリ乳酸
(2)乳酸と他の脂肪族オキシカルボン酸とのコポリマー
(3)乳酸、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸とのコポリマー
(4)(1)〜(3)のいずれかの組み合わせによる混合物
等が挙げられる。
本発明で用いられる乳酸としては、L−、D−およびDL−乳酸、それらの混合物、および乳酸の環状二量体であるラクチドが挙げられる。
[1]乳酸または乳酸と脂肪族オキシカルボン酸の混合物を原料として、直接脱水重縮合させる方法(例えば米国特許5310865号明細書記載の製造方法)
[2]乳酸の環状二量体(ラクチド)を溶融重合させる開環重合法(例えば米国特許2758987号明細書記載の製造方法)
[3]乳酸と脂肪族オキシカルボン酸の環状二量体、例えばラクチドやグリコリドとε−カプロラクトンを、触媒の存在下、溶融重合させる開環重合法(例えば米国特許4057537号明細書記載の製造方法)
[4]乳酸、脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸の混合物を、直接脱水重縮合させる方法(例えば米国特許5428126号明細書記載の製造方法)
[5]ポリ乳酸と脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸とのポリマーを、有機溶媒存在下に縮合させる方法(例えば欧州特許公報0712880A2号明細書記載の製造方法)
[6]乳酸を触媒の存在下、脱水重縮合反応させることによりポリエステル重合体を製造するに際し、少なくとも一部の工程で固相重合させる方法。
分子量の調整は、モノマー濃度、その他原料濃度、反応温度等の条件を調整することで可能であり、高分子量ポリ乳酸の熱分解、加水分解、エステル交換等により低分子量化することでも調整可能である。
<GPC測定条件>
[1]装置 :Waters150−CV[Waters(株)製]
[2]カラム :PLgel 10μm MIXED−B[ポリマーラボラトリーズ
(株)製]
[3]溶離液 :o−ジクロロベンゼン
[4]基準物質:ポリスチレン
[5]注入条件:サンプル濃度3mg/ml、カラム温度135℃
ここにおいて、(R)は不斉中心炭素原子に結合している4個の基を順位法則の優先性の高い順(水酸基、CH2COOH基、メチル基、H)に右回りを表し、(S)は左回りを表す。
[1]ポリヒドロキシブチレート生産能を有している微生物を炭素源、窒素源、無機イオンおよび必要に応じその他の有機成分を含有する通常の培地で培養することにより菌体内にポリヒドロキシブチレートを蓄積させ、クロロホルム等の有機溶媒により抽出する方法(例えば特開平9−131186号公報記載の製造方法)。
[2]ポリヒドロキシブチレート合成遺伝子を含む組換えDNAを導入して形質転換させた微生物を培養し、その菌体内に生成したポリヒドロキシブチレートを採取する方法(例えば特開平10−176070号公報記載の製造方法)。
[3]ヒドロキシブタン酸を原料として、直接脱水重縮合させる方法(例えば米国特許5310865号明細書記載に示されている製造方法)
[4]β−ブチロラクトンを、触媒の存在下、溶融重合させる開環重合法(例えば特開平11−323115号公報記載の製造方法)
分子量の調整は、モノマー濃度、その他原料濃度、反応温度等の条件を調整することで可能であり、高分子量ポリヒドロキシブチレートの熱分解、加水分解、エステル交換等により低分子量化することでも調整可能である。
分子量の調整は、モノマー濃度、その他原料濃度、反応温度等の条件を調整することで可能であり、高分子量ポリトリメチレンテレフタレートの熱分解、加水分解、エステル交換等により低分子量化することでも調整可能である。
ポリオレフィン樹脂(B)としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体[共重合比(重量比)=0.1/99.9〜99.9/0.1]、プロピレンおよび/またはエチレンと他のα−オレフィン(C4〜12)の1種以上との共重合体(ランダムおよび/またはブロック付加)[共重合比(重量比)=99/1〜5/95]、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)[共重合比(重量比)=95/5〜60/40]、エチレン/エチルアクリレート共重合体(EEA)[共重合比(重量比)=95/5〜60/40]等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレンおよび/またはエチレンとC4〜12のα−オレフィンの1種以上との共重合体[共重合比(重量比)=90/10〜10/90、ランダムおよび/またはブロック付加]である。
ポリオレフィン(C0)としては、オレフィンの1種または2種以上の(共)重合体、オレフィンの1種以上と他のモノマーの1種以上との共重合体、およびこれらの(共)重合体の高分子量物を減成(熱的、化学的または機械的減成)してなる減成物等が挙げられる。
上記オレフィンには、C2〜30(好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜4)のアルケン、例えばエチレン、プロピレン、並びにC4〜30のα−オレフィン(1−、2−およびイソブテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1,1−デセン、1−ドデセン等);また、他のモノマーには、オレフィンと共重合性のC3〜36の不飽和モノマー、例えばスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸およびそのアルキル(C1〜30)エステルが含まれる。
上記(C0)のうち、相溶化剤(C)と前記ポリオレフィン樹脂(B)との相溶性の観点から好ましいのは80〜100(さらに好ましくは90〜100、とくに好ましくは95〜100)モル%のプロピレンを構成単位として含有する(共)重合ポリオレフィンである。
(C0)は、さらに必要によりエチレンおよびC4〜12(好ましくは4〜8)のα−オレフィンを構成単位に加えることができる。
(C0)中のエチレンの含有量は、通常20モル%以下、相溶化剤(C)と前記ポリオレフィン樹脂(B)との相溶性の観点から好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下である。
また、(C0)中のα−オレフィンの含有量は、通常25モル%以下、相溶化剤(C)と前記ポリオレフィン樹脂(B)との相溶性の観点から好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは15モル%以下である。
これらのうち、前記ポリオレフィン樹脂(B)との相溶性の観点から好ましいのはC4〜8のα−オレフィン(1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等)、さらに好ましいのはC4〜6のα−オレフィン(1−ブテン、1−ペンテンおよび4−メチル−1−ペンテン等)、とくに好ましいのは1−ブテンである。
ポリオレフィン(C0)を構成する前記モノマーが2種以上の場合の結合形式は、ランダムおよび/またはブロックのいずれでもよい。
該重合法によるポリオレフィンの具体例には、プロピレン系重合体、例えばポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、プロピレン/C4〜12のα−オレフィンの共重合体、プロピレンとC3〜36の不飽和モノマー(前記他のモノマー)との共重合体が含まれる。
これらのうち、ポリオレフィンの分子末端への二重結合の導入のしやすさ、得られる熱減成ポリオレフィンの変性のしやすさ、従って相溶化剤(C)と、バイオマス由来樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)との相溶性の観点から好ましいのは(1)の方法である。
本発明における水酸基変性ポリオレフィン(C1)は、分子中に0.1〜20個、好ましくは0.5〜15個、さらに好ましくは1〜10個の水酸基を有する。水酸基が0.1個未満では相溶化剤(C)とバイオマス由来樹脂(A)との相溶性が悪くなり、20個を超えると(C)とポリオレフィン樹脂(B)との相溶性が悪くなる。該(C1)分子中の水酸基の個数は(C1)のMnと水酸基価(単位:mgKOH/g、以下においては数値のみで示す。)から計算により求めることができる。
(C1)のMnは前記の方法で測定することができ、水酸基価は、(C1)をキシレン等の有機溶媒に加熱溶解させて均一溶液とした後、JIS K0070に準じて測定することができる。従って(C1)の分子中の水酸基の個数は下記の式から求めることができる。
(C1)分子中の水酸基の個数=
[(C1)のMn]×[(C1)の水酸基価]/56100
(2)ポリオレフィン(C0)と、水酸基を好ましくは1〜4個(さらに好ましくは1〜2個)有するエチレン性不飽和モノマー(y)を、ラジカル開始剤(d)の存在下または非存在下で反応させる方法。該方法で得られるものは以下において水酸基変性ポリオレフィン(C12)とする。
これらの方法のうち、工業上の観点から好ましいのは(1)の方法である。
これらの(x)のうち、相溶化剤(C)と、バイオマス由来樹脂(A)およびポリオレフィン樹脂(B)との相溶性および工業上の観点から好ましいのは、不飽和ジカルボン酸の無水物、さらに好ましいのは無水マレイン酸である。
これらのうち、(C0)と(x)との反応性の観点から好ましいのは過酸化物、さらに好ましいのは単官能過酸化物、とくに好ましいのはジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシドおよびジクミルパーオキシドである。
[1]ポリオレフィン(C0)および酸無水物基を有するエチレン性不飽和モノマー(x)を加熱溶融、あるいは適当な有機溶媒[C3〜18、例えば炭化水素(例えばヘキサン、トルエンおよびキシレン)、ハロゲン化炭化水素(例えばジ−、トリ−およびテトラクロロエタンおよびジクロロブタン)、ケトン(例えばアセトンおよびメチルエチルケトン)およびエーテル(例えばエチル−n−プロピルエーテル、ジ−i−プロピルエーテルおよびジオキサン)]に懸濁あるいは溶解させ、これに必要により、ラジカル開始剤(d)[もしくは(d)を適当な有機溶媒(上記に同じ)に溶解させた溶液]、後述の連鎖移動剤(t)、重合禁止剤(u)を加えて加熱撹拌する方法(溶融法、懸濁法および溶液法);
[2](C0)、(x)および必要により(d)、(t)、(u)を予め混合し、押出機、バンバリーミキサーまたはニーダ等を用いて溶融混練する方法(溶融混練法)、が含まれる。
これらのうち(C0)と(x)との反応性の観点から好ましいのは[1]の方法、さらに好ましいのは溶融法および溶液法である。
これらのうち、ポリオレフィン(C0)と連鎖移動剤(t)の相溶性の観点から好ましいのは炭化水素、ハロゲン化炭化水素、さらに好ましいのは炭化水素、とくに好ましいのは不飽和脂肪族炭化水素である。
(t)の使用量は、(x)の重量に基づいて通常40%以下、(C0)と(x)との反応性および(C0)と(t)との相溶性の観点から好ましくは0.05〜20%である。
(u)の使用量は、(x)の重量に基づいて通常5%以下、(C0)と(x)との反応性および(C0)と(x)との相溶性の観点から好ましくは0.01〜0.5%である。
(e)の有する水酸基の個数は、(C)の、(A)および(B)との相溶性の観点から好ましくは1〜4個、さらに好ましくは1〜2個であり、(e)の有するアミノ基の個数は、工業上の観点から好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個である。
これらのうち(A)と(B)との相溶性および工業上の観点から好ましいのはモノエタノールアミンである。
[1](C0a)および(e)を加熱溶融、あるいは適当な有機溶媒(前記に同じ)に懸濁あるいは溶解させ、加熱撹拌する方法(溶融法、懸濁法および溶液法);
[2](C0a)および(e)を予め混合し、押出機、バンバリーミキサーまたはニーダ等を用いて溶融混練する方法(溶融混練法)が含まれる。
これらのうち(C0a)と(e)との反応性の観点から好ましいのは[1]の方法、さらに好ましいのは溶融法および溶液法である。
(1)水酸基含有(メタ)アクリレート
(1−1)下記の一般式(1)で示される(メタ)アクリレート
CH2=C(R1)−COO−(A−O)m−H (1)
[式中、R1はHまたはメチル基、AはC2〜4のアルキレン基、mは1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1)の数である。]
多価アルコールとしては、例えばC3〜12のアルカンポリオール、その分子内もしくは分子間脱水物および糖類等[例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール(それぞれ以下GR、TMP、PE、SOと略記)、ソルビタン、ジGR、ショ糖、メチルグルコシド等]が挙げられ、それらの(メタ)アクリレートとしてはGRモノ−およびジ−(メタ)アクリレート、TMPモノ−およびジ−(メタ)アクリレート、並びにショ糖(メタ)アクリレート等;
(2)C2〜12のアルケノール
ビニルアルコール(酢酸ビニルの加水分解により形成される)、およびC3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコール、(イソ)プロペニルアルコール、クロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、1−ブテン−4−オール、1−オクテノール、1−ウンデセノール、1−ドデセノール等]
(3)C4〜12のアルケンジオール
2−ブテン−1,4−ジオール等
(4)C3〜12の、アルケニル基を有する水酸基含有アルケニルエーテル
例えばヒドロキシアルキル(C1〜6)アルケニルエーテル〔例えば2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、並びに(1−2)で挙げた多価アルコールのアルケニル(C3〜12)エーテル[TMPモノ−およびジ−(メタ)アリルエーテル、蔗糖(メタ)アリルエーテル等]〕
(5)水酸基含有芳香族モノマー
o−、m−およびp−ヒドロキシスチレン等
(6)上記(1)〜(5)のAO付加物
(1)〜(5)の水酸基のうちの少なくとも1個が−O−(A−O)mHで置換されたモノマー[但し、Aおよびmは前記一般式(1)と同じ]。
[1](C0)および(y)を加熱溶融、あるいは適当な有機溶媒(前記に同じ)に懸濁あるいは溶解させ、これに必要により前記のラジカル開始剤(d)[もしくは(d)を適当な有機溶媒(前記に同じ)に溶解させた溶液]、前記の連鎖移動剤(t)、重合禁止剤(u)を加えて加熱撹拌する方法(溶融法、懸濁法および溶液法)、および
[2](C0)、(y)および必要により(d)、(t)、(u)を予め混合し、押出機、バンバリーミキサーまたはニーダ等を用いて溶融混練する方法(溶融混練法)が含まれる。
これらのうち(C0)と(y)との反応性の観点から好ましいのは[1]の方法、さらに好ましいのは溶融法および溶液法である。
本発明の生分解性樹脂組成物(Z)は、バイオマス由来樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)および相溶化剤(C)を含有し、該(C)が、分子中に0.1〜20個の水酸基を有する水酸基変性ポリオレフィン(C1)のみからなるものである。
(Z)における(A)と(B)の重量比は、環境保護および後述する成形品の機械物性の観点から好ましくは10/90〜60/40、さらに好ましくは25/75〜50/50である。
また、(A)、(B)、(C)の合計重量に基づく(C)の割合は、成形品の機械物性および(C)の(A)、(B)との相溶性の観点から好ましくは0.1〜30%、さらに好ましくは1〜20%、特に好ましくは2〜10%である。
(H)としては、着色剤(H1)、難燃剤(H2)、充填剤(H3)、帯電防止剤(H4)、分散剤(H5)、酸化防止剤(H6)および紫外線吸収剤(H7)からなる群から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
(1)非イオン性界面活性剤
AO付加型ノニオニックス、例えば疎水性基(C8〜24またはそれ以上)を有する活性水素原子含有化合物[高級アルコール、高級脂肪族アミンおよび高級脂肪酸等]の(ポリ)オキシアルキレン誘導体、多価アルコール[前記のもの、例えばGR、PEおよびソルビタン]の高級脂肪酸エステルの(ポリ)オキシアルキレン誘導体、高級脂肪酸の(アルカノール)アミドの(ポリ)オキシアルキレン誘導体、多価アルコールアルキルエーテルの(ポリ)オキシアルキレン誘導体、およびポリオキシプロピレンポリオール;多価アルコール型ノニオニックス、例えば多価アルコールの脂肪酸エステル、多価アルコールアルキルエーテル、および脂肪酸アルカノールアミド;並びに、アミンオキシド型ノニオニックス、例えば(ヒドロキシ)アルキルジ(ヒドロキシ)アルキルアミンオキシド。
第4級アンモニウム塩型カチオニックス、例えばテトラアルキルアンモニウム塩(C11〜100);トリアルキルベンジルアンモニウム塩(C17〜80);アルキル(C8〜60)ピリジニウム塩;(ポリ)オキシアルキレン(C2〜4、重合度1〜100またはそれ以上)トリアルキルアンモニウム塩(C12〜100);およびアシル(C8〜18)アミノアルキル(C2〜4)もしくはアシル(C8〜18)オキシアルキル(C2〜4)トリ[(ヒドロキシ)アルキル(C1〜4)]アンモニウム塩;並びにアミン塩型カチオニックス、例えば1〜3級アミン[例えば高級脂肪族アミンや脂肪族アミンのポリオキシアルキレン誘導体、およびアシルアミノアルキルもしくはアシルオキシアルキルジ(ヒドロキシ)アルキルアミン]の、無機酸塩および有機酸塩。
カルボン酸(塩)、例えば高級脂肪酸、エーテルカルボン酸、およびそれらの塩;硫酸エステル塩、例えば上記の高級アルコールまたはそのAO付加物の硫酸エステル塩、硫酸化脂肪酸エステルおよび硫酸化オレフィン;スルホン酸塩;並びにリン酸エステル塩、例えば高級アルコールもしくはそのAO付加物またはアルキル(C4〜60)フェノールのAO付加物のリン酸エステル塩。
カルボン酸(塩)型アンフォテリックス、例えばアミノ酸型アンフォテリックス、およびベタイン型アンフォテリックス;硫酸エステル(塩)型アンフォテリックス、例えばアルキルアミンの硫酸エステル(塩)、およびヒドロキシアルキルイミダゾリン硫酸エステル(塩);スルホン酸(塩)型アンフォテリックス、例えばアルキルスルホタウリン、およびイミダゾリンスルホン酸(塩);並びにリン酸エステル(塩)型アンフォテリックス、例えばGR高級脂肪酸エステルのリン酸エステル(塩)。
塩を構成するアミンには、C1〜20のアミン、例えばヒドロキシルアミン、3級アミノ基含有ジオールおよび1級モノアミン、2級モノアミン、並びにそれらのアルキル化(C1〜4)および/またはヒドロキシアルキル化(C2〜4)物(AO付加物):例えばモノ−、ジ−およびトリ−(ヒドロキシ)アルキル(アミン)(モノ−、ジ−およびトリ−エタノールアミンおよびエチルアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−ヒドロキシエチルモルホリン等)が含まれる。4級アンモニウム塩には、これらのアミンの4級化物[米国特許第4,271,217号明細書に記載の4級化剤またはジアルキルカーボネート(前記)による4級化物]が含まれる。
該組成物の重量に基づく各添加剤の使用量は、(H1)は通常10%以下、好ましくは1〜5%;(H2)は通常15%以下、好ましくは3〜10%;(H3)は通常15%以下、好ましくは3〜10%;(H4)は通常10%以下、好ましくは1〜5%;(H5)は通常2%以下、好ましくは0〜0.5%、特に好ましくは0%;(H6)は通常3%以下、好ましくは0.01〜1%、(H7)は通常3%以下、好ましくは0.01〜1%である。
該組成物の重量に基づく各添加剤の使用量は、(H1)は通常5%以下、好ましくは1.5〜5%;(H2)は通常8%以下、好ましくは1.5〜5%;(H3)は通常8%以下、好ましくは1.5〜5%;(H4)は通常8%以下、好ましくは1.5〜5%;(H5)は通常1%以下、好ましくは0〜0.03%、特に好ましくは0%;(H6)は通常2%以下、好ましくは0.005〜0.5%、(H7)は通常2%以下、好ましくは0.005〜0.5%である。
[1](A)、(B)、(C)、および必要により添加剤(H)を成形品中の割合と同じ割合で一括混合して(Z)(成形用樹脂組成物)とする方法(一括混合法);
[2](C)の全量、(A)の一部および/または(B)の一部、および必要により(H)の一部もしくは全量を混合して高濃度の(C)を含有するマスターバッチ樹脂組成物(MZ)を一旦作成し、その後残りの(A)、(B)、および必要により(H)の残りを加えて混合し(Z)(成形用樹脂組成物)とする方法(マスターバッチ法)。
これらの方法のうち、(A)、(B)と、(C)との混合性の観点から好ましいのは[2]の方法である。
<1>前記一括混合法の場合は、(A)、(B)、(C)、および必要により(H)を、また、前記マスターバッチ法の場合は、(C)と、(A)および/または(B)、および必要により(H)を、それぞれ例えば粉体混合機〔ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー[商品名、Farrel(株)製]等〕で例えば0〜80℃で混合した後、溶融混練装置{バッチ混練機(反応槽等)、連続混練機〔FCM[商品名、Farrel(株)製]、LCM[商品名、(株)神戸製鋼所製]、CIM[商品名、(株)日本製鋼所製]等〕、単軸押出機、二軸押出機等}を使用して120〜220℃で2〜30分間混練する方法;
<2>前記<1>と同様の配合物を、上記粉体混合をすることなく、上記と同様の溶融混練装置を使用して同様の条件で直接混練する方法、が挙げられる。
これらの方法のうち混練効率の観点から<1>の方法が好ましい。
該成形品を塗装する方法としては、例えばエアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、例えば、ポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料等のプラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が挙げられる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常10〜50μmである。
印刷インキとしてはプラスチックの印刷に通常用いられるもの、例えばグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキおよびオフセットインキが使用できる。
反応容器に、プロピレン98モル%およびエチレン2モル%を構成単位とするポリオレフィン(Mn70,000)100部を窒素雰囲気下に入れ、気相部分に窒素を通気しながら加熱溶融し、撹拌しながら360℃で60分間熱減成を行い熱減成物(C0−1)を得た。(C0−1)は炭素1,000個当たりの二重結合数が13.9個、Mn2,000であった。
別の反応容器に(C0−1)55部、無水マレイン酸45部およびキシレン100部を入れ、窒素置換後、窒素通気下に130℃まで加熱昇温して均一に溶解した。ここにジクミルパーオキサイド0.5部をキシレン10部に溶解した溶液を滴下した後、キシレン還流温度まで昇温し、3時間撹拌を続けた。その後、減圧下(1.5kPa、以下同じ。)でキシレンおよび未反応の無水マレイン酸を留去して、1分子当たりに18個の酸無水物基を有し、Mn4,800の酸無水物変性ポリオレフィン(C0a−1)を得た。
(C0a−1)85部に2−アミノエタノール15部を加え、180℃で1時間撹拌し、1分子当たりに18個の水酸基を有し、Mn4,400の水酸基変性ポリオレフィン(C11−1)を得た。
製造例1において、360℃で60分間の熱減成に代えて、360℃で10分間の熱減成を行ったこと以外は製造例1と同様にして、熱減成物(C0−2)を得た。(C0−2)は、炭素1,000個当たりの二重結合数が6個、Mn4,000であった。
さらに、製造例1において、(C0−1)55部、無水マレイン酸45部に代えて、(C0−2)80部、無水マレイン酸20部を用いたこと以外は製造例1と同様に行い、1分子当たりに8個の酸無水物基を有し、Mn5,000の酸無水物変性ポリオレフィン(C0a−2)を得た。
(C0a−2)89部に2−アミノエタノール11部を加え、180℃で1時間撹拌し、1分子当たりに8個の水酸基を有し、Mn6,000の水酸基変性ポリオレフィン(C11−2)を得た。
製造例1において、プロピレン98モル%およびエチレン2モル%を構成単位とするポリオレフィン(Mn70,000)に代えて、プロピレン80モル%、1−ブテン20モル%を構成単位とするポリオレフィン(Mn70,000)を用い、360℃で60分間の熱減成に代えて、360℃で5分間の熱減成を行ったこと以外は製造例1と同様にして、炭素1,000個当たりの二重結合数が2.0個、Mn12,000の熱減成物(C0−3)を得て、さらに1分子当たりに5個の酸無水物基を有し、Mn12,500の酸無水物変性ポリオレフィン(C0a−3)を得た。
(C0a−3)96部に2−アミノエタノール4部を加え、180℃で1時間撹拌し、1分子当たりに5個の水酸基を有し、Mn13,000の水酸基変性ポリオレフィン(C11−3)を得た。
製造例1において、プロピレン98モル%およびエチレン2モル%を構成単位とするポリオレフィン(Mn70,000)に代えて、プロピレン100モル%を構成単位とするポリオレフィン(Mn60,000)を用い、360℃で60分間の熱減成に代えて、360℃で5分間の熱減成を行ったこと以外は製造例1と同様にして、炭素1,000個当たりの二重結合数が2.1個、Mn12,000の熱減成物(C0−4)を得て、さらに1分子当たりに6個の酸無水物基を有し、Mn12,500の酸無水物変性ポリオレフィン(C0a−4)を得た。
(C0a−4)96部に2−アミノエタノール4部を加え、180℃で1時間撹拌し、1分子当たりに6個の水酸基を有し、Mn13,000の水酸基変性ポリオレフィン(C11−4)を得た。
製造例1において、360℃で60分間の熱減成に代えて、360℃で5分間の熱減成を行ったこと以外は製造例1と同様にして、炭素1,000個当たりの二重結合数が2個、Mn14,000の熱減成物(C0−5)を得て、さらに1分子当たりに2個の酸無水物基を有し、Mn14,200の酸無水物変性ポリオレフィン(C0a−5)を得た。
(C0a−5)99部に2−アミノエタノール1部を加え、180℃で1時間撹拌し、1分子当たりに2個の水酸基を有し、Mn14,500の水酸基変性ポリオレフィン(C11−5)を得た。
製造例1において、360℃で60分間の熱減成に代えて、360℃で3分間の熱減成を行ったこと以外は製造例1と同様にして、炭素1,000個当たりの二重結合数が1個、Mn28,000の熱減成物(C0−6)を得て、さらに1分子当たりに0.5個の酸無水物基を有し、Mn28,100の酸無水物変性ポリオレフィン(C0a−6)を得た。
(C0a−6)99.5部に2−アミノエタノール0.5部を加え、180℃で1時間撹拌し、1分子当たりに0.5個の水酸基を有し、Mn28,200の水酸基変性ポリオレフィン(C11−6)を得た。
反応容器に、熱減成物(C0−1)100部とキシレン100部を仕込み、130℃で熱減成物を溶解した。別のガラス製ビーカーに、HEMA14部、ジクミルパーオキサイド0.5部およびキシレン10部を仕込み、20℃で撹拌、混合してモノマー溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に還流下130℃で2時間かけてモノマー溶液を滴下し、滴下終了から2時間、130℃で熟成した後、減圧下でキシレンを留去し、1分子当たりに3個の水酸基を有し、Mn2,300の水酸基変性ポリオレフィン(C11−7)を得た。
製造例1において、プロピレン98モル%およびエチレン2%を構成単位とするポリオレフィン(Mn70,000)に代えて、エチレン100モル%を構成単位とするポリオレフィン(Mn80,000)を用い、360℃で60分間の熱減成に代えて、340℃で20分間の熱減成を行ったこと以外は製造例1と同様にして、炭素1,000個当たりの二重結合数が6.5個、Mn3,500の熱減成物(C0−8)を得て、さらに1分子当たりに10個の酸無水物基を有し、Mn4,500の酸無水物変性ポリオレフィン(C0a−8)を得た。
(C0a−8)88部に2−アミノエタノール22部を加え、170℃で1時間撹拌し、1分子当たりに10個の水酸基を有し、Mn5,000の水酸基変性ポリオレフィン(C11−8)を得た。
水酸基変性ポリオレフィン(C11−1)50部および市販のポリプロピレン(B−1)[商品名「サンアロマーPL500A」、サンアロマー(株)製、以下同じ。]50部をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、200℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練してマスターバッチ樹脂組成物(MZ−1)を得た。
反応容器に、プロピレン50モル%およびエチレン50モル%を構成単位とするポリオレフィン(Mn60,000)100部を窒素雰囲気下に仕込み、気相部分に窒素を通気しながら加熱溶融し、撹拌しながら360℃で120分間熱減成を行い、熱減成物(比C0−1)を得た。(比C0−1)は炭素1,000個当たりの二重結合数が18.5個、Mn1,500であった。
(C0a−6)99.7部に2−アミノエタノール0.3部を加え、180℃で1時間撹拌し、1分子当たりに0.04個の水酸基を有し、Mn28,100の水酸基変性ポリオレフィン(比C11−1)を得た。
(C0a−1)80部に2−アミノエタノール20部を加え、180℃で1時間撹拌し、1分子当たりに22個の水酸基を有し、Mn5,000の水酸基変性ポリオレフィン(比C11−2)を得た。
(C0a−1)、(C0a−2)、(C11−1)〜(C11−8)、(比C0−1)、(比C11−1)、(比C11−2)、(MZ−1)および市販の下記成分を表1、2に示した配合組成(部)でそれぞれヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、200℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して成形品樹脂組成物を得た。各樹脂組成物について射出成形機[商品名「PS40E5ASE」、日精樹脂工業(株)製]を用い、シリンダー温度240℃、金型温度40℃で成形して所定の試験片を切り出した後、後述の試験方法に従って評価した。結果を表3に示す。
:商品名「レイシアH−100」、三井化学(株)製。
市販のポリヒドロキシブチレート(以下PHBと略記)(A−2)
:商品名「ビオグリーン」三菱ガス化学(株)製。
市販のポリプロピレン(以下PPと略記)(B−1)
:商品名「サンアロマーPL500A」、サンアロマー(株)製。
市販のポリエチレン(以下PEと略記)(B−2)
:商品名「ノバテックHD HJ490」日本ポリエチレン(株)製
[1]アイゾット衝撃強度(単位:J/m)
ASTM D256に準拠して測定した。試験片の形状は、タテ63.5mm×ヨコ12.
7mm×厚み4mm、ノッチ付き。
[2]曲げ弾性率(単位:MPa)
ASTM D790に準拠して測定した。試験片の形状は、タテ80mm×ヨコ10mm×
厚み4mm。
[3]相溶性(数平均分散粒径μmで評価)
上記アイゾット衝撃強度評価後の試験片を−100℃条件下、ウルトラミクロトーム[型番「EMFC6」、LEICA(株)製]を用いて破断面をガラスカッターおよびダイヤモンドカッターで削り鏡面を作成した後、走査型電子顕微鏡[型番「S4800」、(株)日立製作所製]で観察し、マトリックス樹脂(PP)中のPLA樹脂またはPHB樹脂の数平均分散粒径を測定して相溶性を評価した。単位はμm。数平均分散粒径は20μm×25μmの範囲での数平均値である。数平均分散粒径が小さいほど相溶性が良好であることを示す。
Claims (7)
- バイオマス由来樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)および相溶化剤(C)を含有してなる樹脂組成物において、(C)が、分子中に0.1〜20個の水酸基を有する水酸基変性ポリオレフィン(C1)のみからなることを特徴とする生分解性樹脂組成物。
- (C1)が、熱減成ポリオレフィンを変性してなる水酸基変性ポリオレフィンである請求項1記載の組成物。
- (A)と(B)の重量比が、10/90〜60/40である請求項1または2記載の組成物。
- (C)の含有量が、(A)、(B)および(C)の合計重量に基づいて0.1〜30%である請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
- バイオマス由来樹脂(A)および/またはポリオレフィン樹脂(B)、並びに請求項1〜3のいずれか記載の相溶化剤(C)を含有してなり、(C)の含有量が(A)および/または(B)、並びに(C)の合計重量に基づいて30〜80%であるマスターバッチ生分解性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか記載の組成物を成形してなる生分解性樹脂成形品。
- 請求項6記載の成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品。
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