JP4944418B2 - 塗装性改良剤 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、少量の添加で、樹脂の機械物性を低下させることなく樹脂の塗装性(塗膜密着性等、以下同じ。)を向上させる塗装性改良剤、該塗装性改良剤をポリオレフィン樹脂に含有させてなるポリオレフィン樹脂組成物を提供することにある。
本発明におけるポリオレフィン(a)には、オレフィンの1種または2種以上の(共)重合体、およびオレフィンの1種以上と他の単量体の1種以上との共重合体が含まれる。以下において、%および比は、とくに規定しない限り、それぞれ重量%および重量比を表す。
上記オレフィンには、炭素数(以下、Cと略記)2〜30(好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜4)のアルケン、例えばエチレン、プロピレン、1−、2−およびイソブテン、並びにC5〜30のα−オレフィン(1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1,1−デセン、1−ドデセン等);他の単量体には、オレフィンと共重合性の不飽和単量体、例えばスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸およびそのアルキル(C1〜30)エステルが含まれる。
これらのうち、後述のポリオレフィン樹脂への分散性の観点から好ましいのはポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体、プロピレン/不飽和単量体(C4〜20)共重合体、およびとくに好ましくはポリプロピレンである。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)(m1)には、不飽和モノ−およびジカルボン酸、並びにそれらの無水物が含まれる。
不飽和モノカルボン酸には、C3〜18(好ましくは3〜15とくに3〜10)の脂肪族、脂環式および芳香環含有のモノカルボン酸、例えば(メタ)アクリル酸、(イソ)クロトン酸、シクロヘキセンモノカルボン酸、ケイ皮酸等が含まれる。
ジカルボン酸(無水物)には、脂肪族のもの(C4〜18、好ましくはC4〜15とくに好ましくはC4〜12)、例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、(無水)シトラコン酸、メサコン酸、アリルマロン酸等;脂環式のもの(C7〜24、好ましくはC8〜16)、例えば4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等;芳香環含有のもの(C8〜24、好ましくはC8〜16)、例えばフェニルマレイン酸等が含まれる。(a)との相溶性および反応性の観点から、好ましいのは不飽和ジカルボン酸(とくに脂肪族ジカルボン酸)の無水物、とくに無水マレイン酸(以下、MAと略記)である。
変性に用いる(m1)の量は、(a)の重量に基づいて通常0.5〜40%、後述する塗装性および(a)との反応性の観点から好ましくは1〜30%である。
反応温度は、広範囲(例えば80〜260℃)に変えることができ、方法に応じ適宜採択され、方法(1)では通常100〜220℃、好ましくは140〜200℃、方法(2)では通常80〜180℃、好ましくは110〜150℃、方法(3)では通常80〜260℃、好ましくは120〜240℃、さらに好ましくは140〜220℃である。方法(2)の溶剤としては例えばトルエン、キシレン等が挙げられる。
これらの方法のうち、副生物が少なく均一な反応が可能であるとの観点から好ましいのは方法(2)である。酸化によるカルボキシル基の導入は、例えば米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。
(m20)のラクタムには、C4〜15(好ましくは6〜12)のもの、例えばカプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタム等;ラクトンおよびヒドロキシカルボン酸には、上記ラクタムおよびアミノカルボン酸に相当する(NHがOに置換った)もの(例えばε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ω−ヒドロキシカプロン酸、サリチル酸、p−およびm−ヒドロキシ安息香酸等)、グリコール酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、ベンジル酸等が含まれる。好ましいのはカプロラクタムおよび12−アミノドデカン酸である。
(m20)または(m21)の量は、(ax1)の不飽和ジカルボン酸(無水物)基またはカルボキシル基1個当たり1〜10モルまたはそれ以上、好ましくは1〜2モルである。
−E−(G−L−E)n−G−L−E−OH
(−E−)pG−L3[−G−(E−L1−E−G−L2−G)n−E−L1−E−OH]f
(−E−)pG−L3[−G−E−(L−G−E)n−L1−(E−G−L)n−E−OH]f
エポキシ開環基には、−CH2−CH(OH)−CH2−、およびポリエポキシ開環基、例えば式−CR4−CR5−J−(CR5−CR4−)fで示される基が含まれる[式中、Jはポリエポキシドの残基(エポキシ基が除かれた);R4およびR5の、一方(例えばR5)はOHであり、他方(例えばR4)はHであるか、またはそれら(例えば2個のR4)が互いに若しくはJと結合して環を形成していてもよい(Jが脂環式ポリエポキシドの残基の場合)]。
カルボキシ変性ポリオレフィン(ax)のうちで好ましいのは(ax1)、とくに不飽和ジカルボン酸(無水物)で変性されたものである。
2価アルコール(C2〜20またはそれ以上)、例えばC2〜12の脂肪族2価アルコール[(ジ)アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび3−メチルペンタンジオール(以下、それぞれEG、DEG、PG、DPG、BD、HD、NPGおよびMPDと略記)、ドデカンジオール等]、C6〜10の脂環式2価アルコール[1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等]、C8〜20の芳香脂肪族2価アルコール[キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等]等;
OH末端のPTには、AOの開環重合物、少なくとも2個(2個〜8個またはそれ以上)の活性水素原子を有する開始剤[前記の多価アルコール、ヒドロキシルアミン、アミノカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸;多価フェノール;並びにポリカルボン酸(後述)等]に1種または2種以上のAOを付加させた構造を有するPTポリオール(AO付加物)、およびそれら(同一または異なる)の2分子またはそれ以上をカップリング剤(ポリハライド、エピハロヒドリン、ポリエポキシド等)でカップリングさせてなるPTポリオールが含まれる。
上記AOには、C2〜12またはそれ以上(好ましくは2〜4)のAO、例えばエチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−、2,3−および1,3−ブチレンオキシド、テトラヒドロフランおよび3−メチル−テトラヒドロフラン(以下それぞれEO、PO、BO、THFおよびMTHFと略記)、1,3−プロピレンオキシド、イソBO、C5〜12のα−オレフィンオキシド、置換AO、例えばスチレンオキシドおよびエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)、並びにこれらの2種以上の併用(ランダム付加および/またはブロック付加)が含まれる。
縮合PSポリオールは、ポリオールとポリカルボン酸類(および必要によりヒドロキシカルボン酸)との重縮合またはポリオールとポリカルボン酸無水物およびAOとの反応により、PLポリオールはポリオールを開始剤とするラクトンの開環付加(またはポリオールとヒドロキシカルボン酸との重縮合)により、ヒマシ油系ポリオール変性物はヒマシ油とポリオールとのエステル交換反応により、そしてポリカーボネートポリオールは、(1)ポリオールを開始剤とするアルキレンカーボネートの開環付加/重縮合、(2)ポリオールとジフェニルもしくはジアルキルカーボネートの重縮合(エステル交換)、または(3)ポリオールもしくは2価フェノール(ビスフェノールA等)のホスゲン化により、製造することができる。
PSの製造に用いるポリオールは、通常1,000以下、好ましくは30〜500のOH当量を有する。その例には、上記の多価アルコール[ジオール(例えばEG、1,4−BD、NPG、HDおよびDEG)、3価以上のポリオール(GR、TMP、PE等)]、上記PTポリオール(PEG、PPG、PTMG等)、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。縮合PSポリオールの製造に好ましいのは、ジオール、およびそれと少割合(例えば10当量%以下)の3価以上のポリオールとの併用である。
ラクトンおよびヒドロキシカルボン酸には前掲のものが含まれる。
アルキレンカーボネートには、C2〜6のアルキレン基を有するもの、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が含まれる。
ジアルキルカーボネートには、C1〜4のアルキル基を有するもの、例えばジメチル、ジエチルおよびジ−i−プロピルカーボネートが含まれる。
OH末端のPDには、ポリカルボン酸類(上記)を、ヒドロキシルアミン(前記)またはポリオール(上記)およびPA(後述)と重縮合させてなる、ポリ(エステル)アミドポリオールが含まれる。
OH末端ウレタンプレポリマー製造に当り、ポリオールとPIとの当量比(OH/NCO比)は、通常1.1〜10、好ましくは1.4〜4、とくに好ましくは1.4〜2である。ポリオールとPIとは、1段で反応させても、多段で反応(例えばポリオールもしくはPIの一部を反応させたのち残部を反応)させてもよい。
C(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族PI:ジイソシアネート(以下DIと略記)、例えばエチレンDI、テトラメチレンDI、ヘキサメチレンDI(HDI)、ヘプタメチレンDI、オクタメチレンDI、デカメチレンDI、ドデカメチレンDI、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンDI、リジンDI、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート等;3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアミンとの反応生成物のホスゲン化物、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等);
C8〜15の芳香脂肪族PI:m−および/またはp−キシリレンDI(XDI)、ジエチルベンゼンDI、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンDI(TMXDI);
P/Pは、例えば5〜80%またはそれ以上、好ましくは30〜70%の重合体含量を有する。
(m22)のポリオールの高分子ポリオールのうちで好ましいのはPTポリオールおよびPSポリオールである。
好ましいPAは、ジアミン(以下DAと略記)、とくに脂肪族DAである。さらに好ましいのは、C2〜12のもの[エチレンDA(以下EDAと略記)、ヘキサメチレンDA、ヘプタメチレンDA、オクタメチレンDAおよびデカメチレンDA]、とくにEDAである。
(1)脂肪族ポリエポキシド:脂肪族ポリオール[前記2価〜8価またはそれ以上の多価アルコールおよびPTポリオール]のポリグリシジルエーテル(グリシジルエーテルは以下GEと略記):ジGE[例えばEG、PG、1,4−BD、HD、MPD、DEG、NPG、PEG(Mn150〜200,000)およびPPG(Mn134〜200,000)のジGE]、トリGE[例えばGRおよびTMPのトリGE等]、および4価またはそれ以上のGE[例えばPEテトラGEおよびSOヘキサGE];脂肪族ポリカルボン酸(前記PS製造用に挙げた2価〜3価またはそれ以上の脂肪族ポリカルボン酸)のポリグリシジルエステル(グリシジルエステルは以下GSと略記)[例えばシュウ酸およびアジピン酸ジGS、トリカルバリルトリGS等]、グリシジル(メタ)アクリレート重合体およびグリシジル(メタ)アクリレートと他のモノマー〔例えば不飽和HC(脂肪族HC、脂環式HC、芳香族HC等)、アルキル(メタ)アクリレート[C1〜50のアルキル基を有するもの、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルおよびエイコシル(メタ)アクリレート等]、カルボニル、エーテルおよび/またはイオウ含有不飽和モノマー[例えば不飽和エステル、不飽和エーテル、ビニルケトン、サルファイド結合含有モノマー、スルホン基含有モノマー等]等、好ましくはアルキル(メタ)アクリレート〕との共重合体(Mnは好ましくは300〜10,000、とくに500〜5,000;共重合比〔グリシジル(メタ)アクリレート/他のモノマー〕は好ましくは2/98〜80/20、とくに5/95〜50/50);エポキシ化動植物油(例えばエポキシ化大豆油);
(3)複素環含有ポリエポキシド:C5〜20、例えばトリスグリシジルメラミン等;
また、上記ポリエポキシドのうちさらに好ましいのは、50〜500とくに60〜200のエポキシ当量を有するものである。
本発明における、アミノ基(b)を少なくとも1個含む親水基は、分子中にカルボキシル基と反応しうる官能基(1級もしくは2級アミノ基、水酸基、不飽和基等)とアミノ基(b)を有する化合物(b01)から構成される。アミノ基(b)としては、1級、2級又は3級アミノ基が挙げられる。
Xにおける炭素数1〜20の2価の炭化水素としては、アルキレン基、2価の芳香族基等が挙げられ、例えばエチレン基、プロピレン基、フェニレン基等が挙げられる。
式中、R1およびR2が炭化水素基の場合は、成形品の機械強度および塗装性の観点から好ましくはC1〜15、さらに好ましくはC1〜4である。これらのR1、R2の組み合わせのうち成形品の塗装性の観点から好ましいのはR1がH、R2がHまたはアルキル基、さらに好ましいのはR1がH、R2がアルキル基の組み合わせである。
Xで表される2価の炭化水素基は、成形品の機械強度および塗装性の観点から好ましくはC1〜15、さらに好ましくはC1〜4である。これらの炭化水素基のうち成形品の機械強度の観点から好ましいのは置換基を有しない炭化水素基である。
また、Zで表されるアミド基もしくはイミド基を構成するNは、成形品の塗装性の観点から好ましいのはイミド基を構成するNである。
本発明における変性ポリオレフィンは、前記ポリオレフィン(a)からなる疎水基と、アミノ基(b)を少なくとも1個含む親水基を有し、かつ(b)1個当たり400〜50,000、好ましくは450〜20,000、さらに好ましくは550〜12,000、特に好ましくは650〜6,000のMnを有する。該Mnが400未満では成形品の機械強度が低下し、50,000を超えると塗装性が悪くなる。
なお、変性ポリオレフィンの、(b)1個当たりのMnは、変性ポリオレフィンのアミン価とKOHの式量から、〔(KOHの式量)×103/アミン価〕の式により求めることができる。
上記製造方法において、(ax)と(b01)との反応における官能基当量比[COOH/(1級又は2級アミノ基、水酸基および/または不飽和基)]は、成形品の塗装性および機械強度の観点から好ましくは1/0.2〜1/8、さらに好ましくは1/0.5〜1/4である。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、本発明の塗装性改良剤(A)をポリオレフィン樹脂(B)に含有させてなる。該樹脂組成物中の(A)の使用量は、(B)の重量に基づいて、塗装性および(B)の機械物性保持の観点から好ましくは0.01〜30%、さらに好ましくは0.1〜25%、とくに好ましくは1〜20%である。
(B)のMnは、成形品の機械強度の観点から好ましくは10,000〜1,000,000、さらに好ましくは50,000〜500,000である。
(C)としては、可塑剤(C1)、滑剤(C2)、密着性、分散性および/または相溶性付与剤(C3)、酸化防止剤(C4)、紫外線吸収剤(C5)、着色剤(C6)、充填剤(C7)、難燃剤(C8)および帯電防止剤(C9)からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤等が挙げられる。
(C11)モノカルボン酸エステル
脂肪族カルボン酸エステル[C10〜96、例えばステアリン酸ブチル(BS)、オレイン酸メトキシエチル(MEO)、アセチルリシノール酸メチル(MAR)、アセチルリシノール酸エチル(EAR)、アセチルリシノール酸メトキシエチル(MEAR)、グリセリントリヘプタン酸エステル等]、芳香(脂肪)族カルボン酸エステル[C7〜96、例えば安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、フェニル酢酸ブチル、フェニル酢酸ヘキシル等]、脂環式カルボン酸エステル[C5〜96、例えばシクロプロパンカルボン酸メチル、シクロプロパンカルボン酸ブチル、シクロブタンカルボン酸メトキシエチル、シクロペンタンカルボン酸エチル、シクロペンタンカルボン酸ブチル、シクロヘキサンカルボン酸メチル、シクロヘキサンカルボン酸メトキシエチル、シクロヘキサンカルボン酸オクチル等];
脂肪族ジカルボン酸エステル〔C10〜96、例えばアジピン酸エステル[例えばアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、アジピン酸ジ(メチルシクロヘキシル)等]、アゼライン酸エステル[例えばアゼライン酸ジ−n−ヘキシル(DNHZ)、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOZ)等]、セバシン酸エステル[例えばセバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOS)等]〕、芳香(脂肪)族ジカルボン酸エステル〔C10〜96、例えばフタル酸エステル[例えばフタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ヘプチルノニル(HNP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジ−n−オクチル(DNOP)、フタル酸ジ−i−オクチル(DIOP)、フタル酸ジ−s−オクチル(DCapP)、フタル酸ジ(79アルキル)(D79P)、フタル酸−i−デシル(DIDP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)、ブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)等]〕;
脂肪族トリカルボン酸エステル〔C5〜96、例えばクエン酸エステル[例えばクエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸トリブチル(TBC)、アセチルクエン酸トリエチル(ATEC)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、アセチルクエン酸トリシクロヘキシル、クエン酸トリオクチル、クエン酸トリ(オクチルデシル)等]〕、芳香(脂肪)族トリカルボン酸エステル[C10〜96、例えばベンゼントリカルボン酸エチル、ベンゼントリカルボン酸オクチル等];
(C14)エポキシ系
C10〜96、例えばエポキシ化大豆油(ESO)、4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ−2−エチルヘキシル(E−PS)等;
C3〜96、例えばリン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリフェニル(TPP)、リン酸トリクレジル(TCP)、リン酸ジフェニルモノクレジル、リン酸−2−エチルヘキシルジフェニル、リン酸トリプロピレングリコール、リン酸トリブトキシエチル、リン酸トリクロルエチル、リン酸トリエチル、リン酸トリキシリル等;
(C16)含塩素系炭化水素
C10〜96、例えば塩素化パラフィン、塩素化芳香族炭化水素(例えば塩素化ナフタリン、塩素化ビフェニル等)等。
これらのうち(A)と(C3)の相溶性、(A)の機能発現および(C3)の密着性、分散性および/または相溶性付与剤としての機能発現の観点から好ましいのは変性ポリオレフィンおよびポリエステル樹脂である。
1)非イオン性界面活性剤:
AO付加型ノニオニックス、例えば疎水性基(C8〜24またはそれ以上)を有する活性水素原子含有化合物[飽和および不飽和の、高級アルコール(C8〜18)、高級脂肪族アミン(C8〜24)、高級脂肪酸(C8〜24)等:例えばアルキルもしくはアルケニル(ドデシル、ステアリル、オレイル等)アルコールおよびアミン、アルカン酸もしくはアルケン酸(ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等)]の(ポリ)オキシアルキレン誘導体(分子量150以上、かつMn30,000以下)等;多価アルコール(前記のもの、例えばGR、PE、ソルビタン等)の高級脂肪酸(上記)エステルの(ポリ)オキシアルキレン誘導体(分子量320以上、かつMn30,000以下;例えばツイーン型ノニオニックス等);高級脂肪酸(上記)の(アルカノール)アミドの(ポリ)オキシアルキレン誘導体(分子量330以上、かつMn30,000以下);多価アルコール(上記)アルキル(C3〜60)エーテルの(ポリ)オキシアルキレン誘導体(分子量180以上、かつMn30,000以下);ポリオキシプロピレンポリオール[多価アルコール(上記)およびポリアミン(前記PA)のポリオキシプロピレン誘導体]のポリオキシエチレン誘導体(Mn1,000〜30,000)[例えばプルロニック型、テトロニック型ノニオニックス等];多価アルコール(C3〜60)型ノニオニックス、例えば多価アルコール(上記)の高級脂肪酸(上記)エステル、多価アルコール(上記)アルキル(C3〜60)エーテル、高級脂肪酸(上記)アルカノールアミド等;アミンオキシド型ノニオニックス、例えば(ヒドロキシ)アルキル(C10〜18)、ジ(ヒドロキシ)アルキル(C1〜3)アミンオキシド等。
第4級アンモニウム塩型カチオニックス、例えばテトラアルキルアンモニウム塩(C11〜100);トリアルキルベンジルアンモニウム塩(C17〜80);アルキル(C8〜60)ピリジニウム塩;(ポリ)オキシアルキレン(C2〜4、重合度1〜100またはそれ以上)トリアルキルアンモニウム塩(C12〜100);アシル(C8〜18)アミノアルキル(C2〜4)もしくはアシル(C8〜18)オキシアルキル(C2〜4)トリ[(ヒドロキシ)アルキル(C1〜4)]アンモニウム塩[これらの塩には、例えばハライド(クロライド、ブロマイド等)、アルキルサルフェート(メトサルフェート等)、有機酸(下記)の塩等が含まれる];アミン塩型カチオニックス:1〜3級アミン[例えば高級脂肪族アミン、高級脂肪族アミン(上記)のポリオキシアルキレン誘導体(上記;EO付加物等)、アシルアミノアルキルもしくはアシルオキシアルキル(上記)ジ(ヒドロキシ)アルキル(上記)アミン]の、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等)塩又は有機酸(C2〜22:酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、オレイン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、安息香酸等)塩。
カルボン酸(塩)、例えば高級脂肪酸(上記)、エーテルカルボン酸[高級アルコール(上記)またはそのAO付加物]、およびそれらの塩;硫酸エステル塩、例えば上記の高級アルコールまたはそのAO付加物の硫酸エステル塩、硫酸化脂肪酸エステルおよび硫酸化オレフィン(C12〜18のオレフィンを硫酸化して中和した塩);スルホン酸塩、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン(イゲポンT型等);リン酸エステル塩、例えば上記の高級アルコールもしくはそのAO付加物またはアルキル(C4〜60)フェノールのAO付加物(同上)のリン酸エステル塩等。
カルボン酸(塩)型アンフォテリックス、例えばアミノ酸型アンフォテリックス、ベタイン型アンフォテリックス等;硫酸エステル(塩)型アンフォテリックス、例えばヒドロキシアルキル(C2〜4)イミダゾリン硫酸エステル(塩);スルホン酸(塩)型アンフォテリックス;リン酸エステル(塩)型アンフォテリックス等。
塩を構成するアミンには、C1〜20のアミン、例えばヒドロキシルアミン、3級アミノ基含有ジオール、1級モノアミン、2級モノアミン、並びにそれらのアルキル化(C1〜4)および/またはヒドロキシアルキル化(C2〜4)物(AO付加物):例えばモノ−、ジ−およびトリ−(ヒドロキシ)アルキル(アミン)(モノ−、ジ−およびトリ−エタノールアミンおよびエチルアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−ヒドロキシエチルモルホリン等)が含まれる。4級アンモニウム塩には、これらのアミンの4級化物[米国特許第4,271,217号明細書に記載の4級化剤またはジアルキルカーボネート(前記)による4級化物等]が含まれる。
(B)の重量に基づく(C1)〜(C9)のそれぞれの使用量は、通常(C1)、(C2)、(C3)及び(C9)は15%以下、(C)の効果および経済性の観点から好ましくは0.01〜10%、さらに好ましくは0.1〜5%;(C4)、(C5)および(C8)は通常10%以下、同様の観点から好ましくは0.01〜10%、さらに好ましくは0.1〜3%;(C6)および(C7)は通常30%以下、同様の観点から好ましくは0.01〜25%、さらに好ましくは0.1〜20%である。
上記の方法のうち、塗装性の観点から好ましいのは(2)の方法である。
溶融混合装置としては、例えばバッチ混練機〔例えばバンバリー[商品名、Farrel(株)製]、ニーダー等〕、連続混練機〔例えばFCM[商品名、Farrel(株)製]、LCM[商品名、(株)神戸製鋼所製]、CIM[商品名、(株)日本製鋼所製]等〕、単軸押出機、二軸押出機等が挙げられる。
本発明のマスターバッチ樹脂組成物中の(A)と(B)の合計重量に基づく(A)の割合は、塗装性、(B)の機械物性保持および作業性の観点から1〜95%、好ましくは10〜80%である。
成形品は、優れた機械物性を有するとともに良好な塗装性を有し、塗装および/または印刷を施して成形物品とすることができる。
該成形品を塗装する方法としては、例えばスプレー塗装(エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレー塗装等)、浸漬塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等が挙げられる。
塗料としては、例えばポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料等のプラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が挙げられる。塗装膜厚(乾燥後膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常5〜100μm、塗装性および経済性の観点から好ましくは10〜50μmである。
また、該成形品に印刷する方法としては、一般的にプラスチックの印刷に用いられる印刷法であればいずれも用いることができ、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、ドライオフセット印刷、オフセット印刷等が挙げられる。
印刷インキとしてはプラスチックの印刷に通常用いられるもの、例えばグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキ、オフセットインキ等が使用できる。
なお、変性ポリオレフィンのMnは、高温GPC{(株)Waters製、カラム:PLgel MIX ED−B、ポリマーラボラトリーズ(株)製}を用いてGPC法により測定した値である。
窒素導入管、排ガス留出管、撹拌装置および冷却管を備えた4ツ口フラスコに、市販のポリプロピレン(ペレット状)[ノーブレンH501、住友化学(株)製、Mn120,000]100部を窒素雰囲気下に入れ、気相部分に窒素を通気しながらマントルヒーターにて加熱溶融し、撹拌しながら360℃で70分間熱減成を行った。得られた熱減成物の炭素1,000個当たりの二重結合量は2.7であった。
該熱減成物90部、無水マレイン酸10部およびキシレン100部を入れ、窒素置換後、窒素通気下に130℃まで加熱昇温して均一に溶解した。ここにジクミルパーオキサイド0.5部をキシレン10部に溶解した溶液を滴下した後、キシレン還流温度まで昇温し、3時間撹拌を続けた。その後、減圧下(1.5kPa、以下同じ。)でキシレンおよび未反応の無水マレイン酸を留去して生成物(1)を得た。
得られた生成物(1)90部、キシレン150部、デカヒドロナフタリン80部を入れ、130℃まで加熱昇温して均一に溶解した。ここにN−メチル−1,3−プロパンジアミン80部とキシレン150部の混合溶液を滴下し、還流温度で10時間撹拌を続けた。その後、減圧下で未反応のN−メチル−1,3−プロパンジアミン、キシレンおよびデカヒドロナフタリンを留去して変性ポリオレフィン(P1)を得た。(P1)は、アミン価51、Mn5,000、熱軟化点143℃であった。(P1)は、後述の実施例3において塗装性改良剤(A1)として用いた。
実施例1において、ポリプロピレン(ペレット状)に代えて、プロピレン・αオレフィンコポリマー(ペレット状)[タフマーXR107L、三井化学(株)製、Mn90,000]を用いた以外は実施例1と同様に行い、熱減成物さらに変性ポリオレフィン(P2)を得た。該熱減成物は、炭素1,000個当たりの二重結合量が2.8であり、(P2)は、アミン価49、Mn5,100、熱軟化点111℃であった。(P2)は後述の実施例4において塗装性改良剤(A2)として用いた。
実施例1と同様の4ツ口フラスコに、ポリプロピレン(ペレット状)[ノーブレンH501、住友化学(株)製、Mn120,000、炭素1,000個当たりの二重結合量0]95部、無水マレイン酸5部およびキシレン1,000部を入れ、窒素置換後、窒素通気下に135℃まで加熱昇温して均一に溶解した。ここにジクミルパーオキサイド0.3部をキシレン5部に溶解した溶液を滴下した後、キシレン還流温度まで昇温し、3時間撹拌を続けた。その後、常圧下でキシレンおよび未反応の無水マレイン酸を300部留去後、130℃まで冷却し離型紙を敷いたトレーに取り出した。150℃の減圧乾燥機にて残存するキシレンおよび未反応の無水マレイン酸を留去した。
窒素導入管、撹拌装置および冷却管を備えた別の4ツ口フラスコに、得られた生成物97部、キシレン500部、デカヒドロナフタリン800部を入れ、140℃まで加熱昇温して均一に溶解した。ここにN−メチル−1,3−プロパンジアミン30部とキシレン150部の混合溶液を滴下し、還流温度で10時間撹拌を続けた。その後、常圧下で未反応のN−メチル−1,3−プロパンジアミン、キシレンおよびデカヒドロナフタリンを留去後、150℃まで冷却し離型紙を敷いたトレーに取り出した。190℃の減圧乾燥機にて残留するキシレン、デカヒドロナフタリンおよび未反応のN−メチル−1,3−プロパンジアミンを留去して変性ポリオレフィン(比P1)を得た。(比P1)は、アミン価8、Mn120,000、熱軟化点は200℃以上であった。(比P1)は後述の比較例3において塗装性改良剤(比A1)として用いた。
実施例1と同様の4ツ口フラスコに、実施例1と同様にして得られた生成物(1)80部とモノエタノールアミン20部を入れ、180℃で2時間撹拌を続けた。その後、減圧下で未反応のモノエタノールアミンを留去して変性ポリオレフィン(比P2)を得た。(比P2)は、アミン価0、水酸基価(単位:mgKOH/g)52、Mn4,900、熱軟化点145℃であった。(比P2)は後述の比較例4において塗装性改良剤(比A2)として用いた。
市販のポリプロピレン[商品名:チッソポリプロK1011、チッソ(株)製]100部と、塗装性改良剤(A1)、(A2)、(比A1)および(比A2)の各6部をそれぞれヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、240℃、100rpm、滞留時間20分の条件で溶融混練して4種のポリオレフィン樹脂組成物を得た。各組成物について射出成形機[PS40E5ASE、日精樹脂工業(株)製]を用い、シリンダー温度230℃、金型温度40℃で成形して所定の試験片を作成後、下記の試験方法に従い成形品の機械物性および塗装性を評価した。結果を表1に示す。
(1)衝撃強度
成形品試験片(厚み3.2mm)について、ASTM D256(ノッチ付、厚み3.2mm)に基づき、Method Aにて測定した(単位:kgf・cm/cm2)。
(2)曲げ弾性率
成形品試験片(100×10×4mm)について、ASTM D790に基づき、支点間距離60mmにて測定した(単位:kgf/cm2)。
(3)塗装性試験
成形品試験片(150×70×2mm)の表面に、市販のメラミンアルキッド系上塗り塗料[商品名:フレキセン♯101、日本ビーケミカル(株)製]をシンナー[商品名:♯101−10、日本ビーケミカル(株)製]にて希釈(塗料/シンナー重量比=2/1)したものを、スプレー機を用いてスプレー塗装した後、室温で15分間静置し、循風乾燥機で120℃、20分間焼き付けを行った(乾燥後膜厚約40μm)。得られた塗装面についてJIS K5400に準拠した碁盤目テープ法による付着性試験を行った。碁盤目100のうち、塗膜が剥離しなかった部分の数を0〜100で表した。
Claims (9)
- (a)が、分子末端および/または分子内に炭素1,000個当たり0.2〜10個の二重結合を有するポリオレフィンである請求項1記載の塗装性改良剤(A)。
- (a)が、ポリオレフィンの熱減成物である請求項1または2記載の塗装性改良剤(A)。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の塗装性改良剤(A)をポリオレフィン樹脂(B)に含有させてなるポリオレフィン樹脂組成物。
- (B)の重量に基づく(A)の割合が0.01〜30%である請求項4記載の組成物。
- さらに、可塑剤、滑剤、密着性、分散性および/または相溶性付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、充填剤、難燃剤並びに帯電防止剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤(C)を含有させてなる請求項4または5記載の組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の塗装性改良剤(A)とポリオレフィン樹脂(B)からなり、(A)と(B)の合計重量に基づく(A)の割合が1〜95%であるマスターバッチ樹脂組成物。
- 請求項4〜6のいずれか1項記載の組成物を成形してなる成形品。
- 請求項8記載の成形品に塗装及び/又は印刷を施してなる成形物品。
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