JP2020019934A - 樹脂改質剤 - Google Patents

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Shimpei Hasegawa
真平 長谷川
友平 田中
Yuhei Tanaka
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Abstract

【課題】 機械的強度を損なうことなく、コロナ処理、プラズマ処理及びフレーム処理等の表面処理により熱可塑性樹脂に付与された濡れ性及び密着性等の表面改質効果を更に向上させることができる樹脂改質剤を提供する。【解決手段】 プロピレンに由来する構成単位を30モル%以上有するポリオレフィン(a)のブロックと、ポリアミド(b)のブロックとを構成単位として有し、分子構造が下記(1)〜(3)のいずれかの構造であるブロックポリマー(X)を含有する樹脂改質剤(Y)。(1)直鎖状の(a)−(b)ジブロック型構造;(2)直鎖状の(b)−(a)−(b)トリブロック型構造;(3)ポリオレフィン(a)のブロックの一方の末端にポリアミド(b)のブロックが2〜3個結合してなる分岐型構造。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂改質剤に関する。詳しくは、熱可塑性樹脂組成物の機械的物性を損なわずに、コロナ処理、プラズマ処理及びフレーム処理等の表面処理により熱可塑性樹脂に付与された塗料、印刷インキ及び接着剤等に対する優れた濡れ性及び密着性(塗装性の向上)等の表面改質効果を更に向上させることができる樹脂改質剤に関する。
本発明における濡れ性とは、塗料、印刷インキ及び接着剤等に対する親和性を意味し、後述する濡れ張力で評価されるものである。
熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン樹脂は、成形性、剛性、耐熱性、耐薬品性、軽量性及び電気絶縁性等に優れ、フィルム、繊維、中空糸膜、その他さまざまな形状の成形品として幅広く使用されている。
一方で、分子内に極性基を有しない、いわゆる非極性で極めて不活性な高分子物質である熱可塑性樹脂、中でもポリオレフィン樹脂は、結晶性が高く、溶剤類に対する溶解性も著しく低い。そのため、接着性や塗装性等に課題があり、例えば、塗料、印刷インキ及び接着剤等に対する濡れ性や密着性が悪く、後加工の表面処理無しでは適用できない等の問題があった。
従来、濡れ性や密着性を向上する方法としては、熱可塑性樹脂、例えばポリオレフィン樹脂成形品の表面にコロナ処理又はプラズマ処理を施す方法(例えば特許文献1参照)やフレーム処理する方法等が知られている。
特開2000−319426号公報
しかしながら、成形品表面にコロナ処理、プラズマ処理又はフレーム処理を施すだけの方法では、処理条件によって所望の濡れ性が得られないことや、成形品表面の濡れ性にばらつきが生じ、密着性不良や塗布ムラが発生するため、成形品部材の歩留まり率が低下してしまうという問題がある。また、ポリオレフィン樹脂組成物に界面活性剤を添加し、これを成形品とする方法では、改質効果を十分発揮する添加量を加えると元のポリオレフィン樹脂基材の成形品が本来有する機械的強度(引張弾性率、耐衝撃性等。以下同じ。)が損なわれたり、界面活性剤が成形品からブリードアウトしたりするため、密着性不良や塗布ムラが発生するという問題等があり、それを解決することが望まれていた。
本発明の目的は、機械的強度を損なうことなく、コロナ処理、プラズマ処理及びフレーム処理等の表面処理により熱可塑性樹脂に付与された濡れ性及び密着性等の表面改質効果を更に向上させることができる樹脂改質剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、プロピレンに由来する構成単位を30モル%以上有するポリオレフィン(a)のブロックと、ポリアミド(b)のブロックとを構成単位として有し、分子構造が下記(1)〜(3)のいずれかの構造であるブロックポリマー(X)を含有する樹脂改質剤(Y);前記樹脂改質剤(Y)と熱可塑性樹脂(C)とを含有してなる樹脂組成物(Z);前記樹脂組成物(Z)を成形してなる成形品;前記成形品にコロナ処理、プラズマ処理又はフレーム処理を施してなる成形品;前記処理を施してなる成形品に塗装、印刷及び接着剤塗布からなる群から選ばれる少なくとも1種の処理を施してなる成形物品である。
(1)直鎖状の(a)−(b)ジブロック型構造;
(2)直鎖状の(b)−(a)−(b)トリブロック型構造;
(3)ポリオレフィン(a)のブロックの一方の末端にポリアミド(b)のブロックが2〜3個結合してなる分岐型構造。
本発明の樹脂改質剤及び本発明の樹脂改質剤を含有してなる熱可塑性樹脂組成物の成形品は下記の効果を奏する。
(1)本発明の樹脂改質剤は、本来の機械的強度(機械物性)を損なうことなく、コロナ処理、プラズマ処理及びフレーム処理等の表面処理により熱可塑性樹脂に付与された塗料、印刷インキ及び接着剤等に対する濡れ性及び密着性(特に塗装性向上効果)等の表面改質効果を更に向上させることができる。
(2)本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形品をコロナ処理、プラズマ処理及びフレーム処理等により表面処理したものは、塗料、印刷インキ及び接着剤等に対する濡れ性及び密着性(特に塗装性向上効果)等の表面改質効果に優れる。
本発明の樹脂改質剤(Y)は、プロピレンに由来する構成単位を30モル%以上有するポリオレフィン(a)のブロックと、ポリアミド(b)のブロックとを構成単位として有し、分子構造が下記(1)〜(3)のいずれかの構造であるブロックポリマー(X)を含有する。
(1)直鎖状の(a)−(b)ジブロック型構造;
(2)直鎖状の(b)−(a)−(b)トリブロック型構造;
(3)ポリオレフィン(a)のブロックの一方の末端に2〜3個のポリアミド(b)のブロックが結合してなる分岐型構造。
<ポリオレフィン(a)>
ポリオレフィン(a)としては、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1−1)、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1−2)、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1−3)及びイソシアネート基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1−4)、カルボキシル基及び水酸基の両方をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1−5)、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a2−1)、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a2−2)、アミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a2−3)及びイソシアネート基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a2−4)、及びカルボキシル基及び水酸基の両方をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a2−5)等が挙げられる。これらの内で、変性の容易さ及び成形時の耐熱性の観点から好ましいのは、末端にカルボキシル基又はカルボン酸無水物基を有する(a1−1)及び(a2−1)である。
尚、本発明における末端とは、ポリマーを構成するモノマー単位の繰り返し構造が途切れる終端部を意味する。また、両末端とは、ポリマーの主鎖における両方の末端を意味し、片末端とは、ポリマーの主鎖におけるいずれか一方の末端を意味する。
(a)は、例えば、両末端が変性可能なポリオレフィンを主成分とするポリオレフィン(a1−0)の両末端に、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基を導入することによって得ることができる。
なお、「主成分」とは、ポリオレフィン全体の重量に占める両末端が変性可能なポリオレフィンの重量が、ポリオレフィン全体の重量の50重量%以上(好ましくは50重量%超)であることを意味する。
ただし、両末端が変性可能なポリオレフィンの重量がポリオレフィン全体の重量の50重量%未満であっても、両末端が変性可能なポリオレフィンの重量と、後述する片末端が変性可能なポリオレフィンの重量の合計がポリオレフィン全体の重量の50重量%以上であり、両末端が変性可能なポリオレフィンの重量が片末端が変性可能なポリオレフィンの重量以上である場合には、(a1−0)であるとする 。
両末端が変性可能なポリオレフィンを主成分とするポリオレフィン(a1−0)には、炭素数2〜30(好ましくは2〜12、更に好ましくは2〜10)のオレフィンの1種又は2種以上の混合物の(共)重合[(共)重合は、重合又は共重合を意味する。以下同様。]によって得られ、プロピレンに由来する構成単位をポリオレフィン中に30モル%以上含有するポリオレフィン(重合法)及び減成されたポリオレフィン{高分子量[好ましくは数平均分子量(以下Mnと略記)10,000〜150,000]ポリオレフィンを機械的、熱的又は化学的に減成してなるもの(減成法)}が含まれる。
これらの内、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基を導入する際の変性のし易さ及び入手のし易さの観点から好ましいのは、減成されたポリオレフィンであり、更に好ましいのは熱減成されたポリオレフィンである。熱減成によれば、後述の通り1分子当たりの末端二重結合数が1〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られ、上記低分子量ポリオレフィンはカルボキシル基、カルボン酸無水物基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基等を導入して変性することが容易である。
本発明におけるポリマーのMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定することができる。
装置(一例) :「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSKgelGMHXL」[東ソー(株)製](2本)
「TSKgelMultiporeHXL−M」[東ソー(株)製] (1本)
試料溶液:0.3重量%のオルトジクロロベンゼン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:135℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandardPOLYSTYRENE)
12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、
9,100、18,100、37,900、96,400、
190,000、355,000、1,090,000、
2,890,000)[東ソー(株)製]
熱減成されたポリオレフィンとしては特に限定されないが、高分子量ポリオレフィンを、不活性ガス中で加熱して得られたもの(300〜450℃で0.5〜10時間、例えば特開平3−62804号公報に記載の方法で得られたもの)及び空気中で加熱することにより熱減成されたもの等が挙げられる。
熱減成法に用いられる高分子量ポリオレフィンとしては、炭素数2〜30(好ましくは2〜12、更に好ましくは2〜10)のオレフィンの1種又は2種以上の混合物の(共)重合体[Mnは好ましくは12,000〜100,000、更に好ましくは15,000〜70,000:メルトフローレート(以下MFRと略記:単位はg/10min)は好ましくは0.5〜150、更に好ましくは1〜100]であって、プロピレンに由来する構成単位をポリオレフィン中に30モル%以上有するもの等が挙げられる。ここでMFRとは、樹脂の溶融粘度を表す数値であり、数値が大きいほど溶融粘度が低いことを表す。MFRの測定には、JIS K6760で定められた押出し形プラストメータを用い、測定方法はJIS K7210−1(2014)で規定した方法に準拠する。例えばポリプロピレンの場合は、230℃、荷重2.16kgfの条件で測定される。
炭素数2〜30のオレフィンとしては、炭素数2〜30のα−オレフィン及び炭素数4〜30のジエンが挙げられる。
炭素数2〜30のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−イコセン及び1−テトラコセン等が挙げられる。
炭素数4〜30のジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン及び1,11−ドデカジエン等が挙げられる。
炭素数2〜30のオレフィンの内、分子量制御の観点から好ましいのは、エチレン、プロピレン、炭素数4〜12のα−オレフィン、ブタジエン、イソプレン及びこれらの混合物であり、更に好ましいのは、エチレン、プロピレン、炭素数4〜10のα−オレフィン、ブタジエン及びこれらの混合物、特に好ましいのはエチレン、プロピレン及びこれらの混合物である。
ポリオレフィン(a1−0)のMnは、濡れ性向上及び密着性向上(塗装性向上)等の表面改質効果の観点から、好ましくは800〜20,000であり、更に好ましくは1,000〜10,000、特に好ましくは1,200〜6,000である。
(a1−0)の1分子当たりの末端二重結合の平均数は、濡れ性向上及び密着性向上(塗装性向上)等の表面改質効果の観点並びに後述するブロックポリマー(X)の構造制御の容易さ及び熱可塑性の観点から、好ましくは1.1〜2.5個であり、更に好ましくは1.3〜2.2個、特に好ましくは1.5〜2.0個である。
熱減成法により低分子量ポリオレフィンを得る方法を用いると、Mn800〜20,000の範囲で、1分子当たりの末端二重結合の平均数が1.1〜2.5個の(a1−0)が容易に得られる。
片末端が変性可能なポリオレフィンを主成分とするポリオレフィン(a2−0)は、(a1−0)と同様にして得ることができ、(a2−0)のMnは、濡れ性向上及び密着性向上(塗装性向上)等の表面改質効果の観点から、好ましくは800〜20,000であり、更に好ましくは1,000〜10,000、特に好ましくは1,200〜6,000である。
(a2−0)の1分子当たりの二重結合の平均数は、濡れ性向上及び密着性向上(塗装性向上)等の表面改質効果の観点並びに後述するブロックポリマー(X)の構造制御の容易さ及び熱可塑性の観点から、好ましくは0.5〜1.4個であり、更に好ましくは0.6〜1.3個、特に好ましくは0.7〜1.2個、最も好ましくは0.8〜1.1個である。
熱減成法により低分子量ポリオレフィンを得る方法を用いると、Mnが800〜20,000の範囲で、1分子当たりの末端二重結合の平均数が0.5〜1.4個の(a2−0)が容易に得られる。
熱減成法で得られた低分子量ポリオレフィンは、前記末端二重結合の平均数を有することから、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基等を導入して変性することが容易である。
(a1−0)及び(a2−0)は、一般的にこれらの混合物として得られるが、混合物をそのまま使用してもよく、精製分離してから使用してもよい。これらの内、製造コスト等の観点から好ましいのは、混合物である。
以下、ポリオレフィン(a1−0)の両末端にカルボキシル基、カルボン酸無水物基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基を有する(a1−1)〜(a1−5)について説明するが、ポリオレフィン(a2−0)の片末端にこれらの基を有する(a2−1)〜(a2−5)については、(a1−0)を(a2−0)に置き換えたものについて、(a1−1)〜(a1−5)と同様にして得ることができる。
カルボキシル基又はカルボン酸無水物基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1−1)としては、(a1−0)の末端をα,β−不飽和カルボン酸(無水物)(α,β−不飽和カルボン酸又はその無水物を意味する。以下同様。)で変性した構造を有するポリオレフィン(a1−1−1)、(a1−1−1)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性した構造を有するポリオレフィン(a1−1−2)、(a1−0)を酸化又はヒドロホルミル化により変性した構造を有するポリオレフィン(a1−1−3)、(a1−1−3)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性した構造を有するポリオレフィン(a1−1−4)及びこれらの2種以上の混合物等が使用できる。
なお、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)は、α,β−不飽和カルボン酸又はその無水物を意味する。
(a1−1−1)は、(a1−0)をα,β−不飽和カルボン酸(無水物)で変性することにより得ることができる。
変性に用いられるα,β−不飽和カルボン酸(無水物)としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸及びモノ又はジカルボン酸の無水物が挙げられ、具体的には(メタ)アクリル酸[(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタアクリル酸を意味する。以下同様。]、マレイン酸(無水物)、フマル酸、イタコン酸(無水物)及びシトラコン酸(無水物)等が挙げられる。
これらの内、変性の容易さの観点から好ましいのは、ジカルボン酸及びモノ又はジカルボン酸の無水物であり、更に好ましいのは、マレイン酸(無水物)及びフマル酸、特に好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
変性に使用するα,β−不飽和カルボン酸(無水物)の量は、ポリオレフィン(a1−0)の重量に基づき、成形品の濡れ性向上効果、密着性向上(塗装性向上)効果、ブロックポリマー(X)の構造制御の容易さ及び後述する樹脂組成物(Z)へのブロックポリマー(X)の分散性の観点から、好ましくは0.5〜20重量%であり、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)による変性は、例えば、(a1−0)の末端二重結合に、溶液法又は溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を付加反応(エン反応)させることにより行うことができ、反応温度は、好ましくは170〜230℃である。
(a1−1−2)は、(a1−1−1)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性することにより得ることができる。
二次変性に用いるラクタムとしては、炭素数6〜12のラクタム等が挙げられ、具体的には、ε−カプロラクタム、7−エナントラクタム、11−ウンデカンラクタム及び12−ラウロラクタム等が挙げられる。
これらの内で好ましいのは、ε−カプロラクタム及び12−ラウロラクタム、特に好ましいのはε−カプロラクタムである。
アミノカルボン酸としては、炭素数2〜12(好ましくは4〜12、更に好ましくは6〜12)のアミノカルボン酸等が挙げられ、具体的には、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン及びフェニルアラニン等)、6−アミノカプロン酸、7−アミノエナント酸、8−アミノカプリル酸、9−アミノペラルゴン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸等が挙げられる。
これらの内で好ましいのは、グリシン、ロイシン、8−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸であり、更に好ましいのは8−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸、特に好ましいのは12−アミノドデカン酸である。
二次変性に用いるラクタム又はアミノカルボン酸の使用量は、被変性物(a1−1−1)の重量に基づいて、成形品の濡れ性向上効果、密着性向上(塗装性向上)効果、ブロックポリマー(X)の構造制御の容易さ及び後述する樹脂組成物(Z)へのブロックポリマー(X)の分散性の観点から、好ましくは0.5〜25重量%であり、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜5重量%である。
(a1−1−3)は、(a1−0)を酸素及び/又はオゾンにより酸化する方法(酸化法)、又はオキソ法によるヒドロホルミル化によりカルボキシル基を導入することにより得ることができる。
酸化法によるカルボキシル基の導入は、公知の方法、例えば米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボキシル基の導入は、公知の方法を含む種々の方法、例えば、Macromolecules、VOl.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
(a1−1−4)は、(a1−1−3)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性することにより得ることができる。
ラクタム及びアミノカルボン酸としては、前記(a1−1−1)の二次変性に用いられるラクタム及びアミノカルボン酸として例示されたものと同様のものが挙げられ、好ましい範囲、使用量も同様である。
また、(a1−1)の酸価は、(b)との反応性及びブロックポリマー(X)の構造制御の容易さ及び熱可塑性の観点から、好ましくは4〜100mgKOH/g、更に好ましくは4〜50mgKOH/g、特に好ましくは5〜30mgKOH/gである。
尚、本発明における酸価は、指示薬としてフェノールフタレインを含むKOH/メタノール溶液を用いた滴定によって測定され、酸基がカルボン酸無水物基の場合、メタノールによりハーフエステル化された後のハーフエステル化酸価として測定される。
水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1−2)としては、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1−1)を、水酸基を有するアミンで変性したヒドロキシル基を有するポリオレフィン及びこれらの2種以上の混合物が使用できる。
変性に使用できる水酸基を有するアミンとしては、炭素数2〜10の水酸基を有するアミンが挙げられ、具体的には2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノール及び3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール等が挙げられる。
これらの内、変性の容易さの観点から好ましいのは、炭素数2〜6の水酸基を有するアミン(2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール及び6−アミノヘキサノール等)であり、更に好ましいのは2−アミノエタノール及び4−アミノブタノール、特に好ましいのは2−アミノエタノールである。
変性に用いる水酸基を有するアミンの量は、被変性物(a1−1)の重量に基づいて、成形品の濡れ性向上効果、密着性向上(塗装性向上)効果、ブロックポリマー(X)の構造制御の容易さ及び後述する樹脂組成物(Z)へのブロックポリマー(X)の分散性の観点から、好ましくは、0.5〜20重量%であり、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
(a1−2)の水酸基価は、(b)との反応性及びブロックポリマー(X)の構造制御の容易さ及び熱可塑性の観点から、好ましくは4〜100mgKOH/gであり、更に好ましくは4〜50mgKOH/g、特に好ましくは5〜30mgKOH/gである。
アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1−3)としては、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1−1)を、ジアミンで変性したアミノ基を有するポリオレフィン及びこれらの2種以上の混合物が使用できる。
ジアミンとしては、炭素数2〜12の脂肪族のジアミン[直鎖ジアミン(エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン及び1,10−ジアミノデカン等)及び分岐アルキル鎖を有するジアミン(1,2−ジアミノプロパン、1,5−ジアミノ−3−メチルペンタン、1,3−ジアミノ−2,2−ジエチルプロパンジアミン、1,2−、1,3−又は2,3−ジアミノブタン等)等]及び炭素数6〜20の脂環式のジアミン[1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン及び2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン等]等が挙げられる。
これらの内、変性の容易さの観点から好ましいのは、炭素数2〜8のジアミン、更に好ましいのはエチレンジアミン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン及び1,8−ジアミノオクタン、特に好ましいのはエチレンジアミン及び1,6−ジアミノヘキサン、最も好ましいのはエチレンジアミンである。
(a1−1)の変性に用いるジアミンの量は、成形品の濡れ性向上効果、密着性向上(塗装性向上)効果、ブロックポリマー(X)の構造制御の容易さ及び後述する樹脂組成物(Z)へのブロックポリマー(X)の分散性の観点から、(a1−1)の重量に基づいて、好ましくは0.5〜20重量%であり、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。尚、ジアミンによる(a1−1)の変性は、ポリマー分子間の架橋反応を防止する観点から、(a1−1)の重量に基づいて、好ましくは0.5〜1,000重量%、更に好ましくは1〜500重量%、特に好ましくは2〜300重量%のジアミンを使用した後、未反応のジアミンを減圧下、120〜230℃で除去する方法が好ましい。
(a1−3)のアミン価は、(b)との反応性、ブロックポリマー(X)の構造制御の容易さ及び熱可塑性の観点から、好ましくは4〜100mgKOH/gであり、更に好ましくは4〜50mgKOH/g、特に好ましくは5〜30mgKOH/gである。
イソシアネート基を両末端に有するポリオレフィン(a1−4)としては、(a1−2)をポリ(2〜3又はそれ以上)イソシアネートで変性したイソシアネート基を有するポリオレフィン及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、炭素数(イソシアネート(NCO)基中の炭素原子を除く。以下同様。)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの変性体及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン及び1,5−ナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
(a1−5)としては、(a1−0)の片末端をα,β−不飽和カルボン酸無水物で変性した構造を有するポリオレフィンを、さらにジオールアミンで二次変性した構造を有するポリオレフィン(a1−5−1)が使用できる。
二次変性に用いるジオールアミンとしては、例えば、ジエタノールアミンが挙げられる。
ポリイソシアネートの変性体としては、ウレタン変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体及びウレトジオン変性体等が挙げられる。
ポリイソシアネートの内好ましいのは、TDI、MDI及びHDIであり、更に好ましいのはHDIである。
ポリイソシアネートと(a1−2)との反応は、一般的なウレタン化反応と同様の方法で行うことができる。
ポリイソシアネートのイソシアネート基と(a1−2)の水酸基との当量比(NCO:OH)は、好ましくは1.8:1〜3:1であり、更に好ましくは2:1である。
ウレタン化反応を促進するために、必要によりウレタン化反応に一般的に用いられる触媒を使用してもよい。触媒としては、金属触媒{錫触媒[ジブチルチンジラウレート及びスタナスオクトエート等]、鉛触媒[2−エチルヘキサン酸鉛及びオクテン酸鉛等]、その他の金属触媒[ナフテン酸金属塩(ナフテン酸コバルト等)及びフェニル水銀プロピオン酸塩等]};アミン触媒{トリエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等〕、ジアルキルアミノアルキルアミン(ジメチルアミノエチルアミン及びジメチルアミノオクチルアミン等)、複素環式アミノアルキルアミン[2−(1−アジリジニル)エチルアミン及び4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]の炭酸塩又は有機酸(ギ酸等)塩、N−メチル又はエチルモルホリン、トリエチルアミン及びジエチル−又はジメチルエタノールアミン等};及びこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
触媒の使用量は、ポリイソシアネート及び(a1−2)の合計重量に基づいて、好ましくは3重量%以下であり、好ましくは0.001〜2重量%である。
ポリオレフィン(a)のMnは、ブロックポリマー(X)の分散性、成形品の機械物性、濡れ性向上効果及び密着性向上(塗装性向上)効果の観点から、好ましくは1,000〜25,000であり、更に好ましくは1,500〜12,000、特に好ましくは2,000〜7,000である。
ポリオレフィン(a)中のプロピレンに由来する構成単位の量は、樹脂組成物(Z)(特にポリプロピレン樹脂を用いた場合)の機械物性、濡れ性向上効果及び密着性向上(塗装性向上)効果の観点から、30〜100モル%、好ましくは35〜100モル%、更に好ましくは50〜100モル%、特に好ましくは80〜100モル%、最も好ましくは96〜100モル%である。
(a1−0)及び(a2−0)に、ポリオレフィン中のプロピレンに由来する構成単位の含有量が30〜100モル%のものを用いることで、所定のプロピレン量を含有するポリオレフィン(a)を得ることができる。
ポリオレフィン(a)においては、ブロックポリマー(X)の分散性及び成形品の機械物性、濡れ性向上効果及び密着性向上(塗装性向上)効果の観点から、プロピレン部分のアイソタクティシティーが90〜100%であることが好ましい。
本発明におけるアイソタクティシティーは、例えば、13C−NMR(核磁気共鳴分光法)を用いて算出することができる。一般的に、側鎖メチル基は両隣(三連子、トリアッド)、その三連子の両隣隣(五連子、ペンタッド)、更にその五連子の両隣(七連子、ヘプタッド)程度までのメチル基との立体配置(メソ又はラセモ)の影響を受け、異なる化学シフトにピークが観測されることが知られており、立体規則性の評価はペンタッドについて行うことが一般的であり、本発明におけるアイソタクティシティーも、ペンタッドの評価に基づいて算出することができる。
即ち、13C−NMRで得られるプロピレン中の側鎖メチル基由来の炭素ピークについて、化学シフト19.0〜20.0ppmの範囲で観測されるペンタッド各ピーク(H)、ペンタッドがメソ構造のみで形成されるアイソタクティックのプロピレン中のメチル基由来の炭素ピークが21.8ppmで観測されるメチル基ピーク(Ha)とした場合、アイソタクティシティ−は、以下の式で算出される。
アイソタクティシティー(%)=[(Ha)/Σ(H)]×100 (1)
但し、式中、Haはアイソタクチック(ペンタッドがメソ構造のみで形成される)の信号のピーク高さ、Hはペンタッドの各ピーク高さである。
<ポリアミド(b)>
ポリアミド(b)としては、ジカルボン酸又はそのアミド形成性誘導体とジアミンとを必須構成単量体とするポリアミド(b1)、水、ジアミン又はモノアミンにラクタムを開環重合させたポリアミド(b2)、アミノカルボン酸を重縮合させたポリアミド(b3)及び(b1)〜(b3)の内の少なくとも2種以上をワンショットで合成して得られるポリアミド(b4)等が挙げられる。
ポリアミド(b)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリアミド(b1)に用いられるジカルボン酸としては、炭素数2〜20のジカルボン酸[炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸等)、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、2,6−又は2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、トリレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸及び5−スルホイソフタル酸等)及び炭素数5〜20の脂環式ジカルボン酸(シクロプロパンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ビシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸及びショウノウ酸等)等]等が挙げられる。
ジカルボン酸のアミド形成性誘導体としては、ジカルボン酸のアルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル及びエチルエステル等)及びジカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。
ジカルボン酸及びそのアミド形成性誘導体は、それぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリアミド(b1)に用いられるジカルボン酸及びそのアミド形成性誘導体の内、濡れ性向上及び密着性向上(塗装性向上)等の表面改質効果の観点から好ましいのは、炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及びこれらのアミド形成性誘導体であり、更に好ましいのは、炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸及びそのアミド形成性誘導体であり、特に好ましいのは炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸及びこれらのアミド形成性誘導体、とりわけ好ましいのは、アジピン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸及びこれらのアミド形成性誘導体、最も好ましいのは、アジピン酸及びそのアミド形成誘導体である。
ポリアミド(b1)及び(b2)に用いられるジアミンとしては、上記ポリオレフィン(a1−3)に用いられるジアミンと同様のものが挙げられ、濡れ性向上及び密着性向上(塗装性向上)等の表面改質効果の観点から好ましいのは、炭素数2〜12の脂肪族ジアミン、更に好ましいのは、炭素数6及び炭素数10の脂肪族ジアミン、特に好ましいのは、1,6−ジアミノヘキサン及び1,10−ジアミノデカン、最も好ましいのは1,6−ジアミノヘキサンである。
ジアミンは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリアミド(b2)に用いられるモノアミンとしては、炭素数1〜20のモノアミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン及びドデシルアミン等)が挙げられる。
ポリアミド(b2)に用いられるラクタムとしては、上記ポリオレフィン(a1−1−2)に用いられるラクタムと同様のものが挙げられ、合成の容易さ並びに濡れ性向上及び密着性向上(塗装性向上)等の表面改質効果の観点から好ましいのは、ε−カプロラクタム、11−ウンデカンラクタム、12−ラウロラクタムであり、更に好ましいのは、ε−カプロラクタムである。
ポリアミド(b3)に用いられるアミノカルボン酸としては、上記ポリオレフィン(a1−1−2)に用いられるアミノカルボン酸と同様のものが挙げられ、合成の容易さ並びに濡れ性向上及び密着性向上(塗装性向上)等の表面改質効果の観点から好ましいのは、グリシン、ロイシン、8−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸であり、更に好ましいのは、8−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸、特に好ましいのは11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸、最も好ましいのは12−アミノドデカン酸である。
ポリアミド(b)としては、ブロックポリマー(X)の構造制御の観点から、片末端に1級アミノ基を有するポリアミド(以下ポリアミドモノアミンと記載する場合がある。)を用いることが好ましい。ポリアミドモノアミンは、ジカルボン酸とジアミンのモル比を調整することにより得る方法;モノアミン共存下でジカルボン酸とジアミンのモル比を調整することにより得る方法;モノアミンにラクタムを開環重合する方法;アミノカルボン酸を重縮合する方法等が挙げられる。
また、ポリアミド(b)は濡れ性向上及び密着性向上(塗装性向上)等の表面改質効果の観点から、1,6−ジアミノヘキサン、1,10−ジアミノデカン、ε−カプロラクタム、11−ウンデカンラクタム、12−ラウロラクタム、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を必須構成単量体とするポリアミドであることが好ましい。
ポリアミド(b)のMnは、成形品の濡れ性向上効果、密着性向上(塗装性向上)効果及びポリオレフィン(a)との反応性の観点から、好ましくは500〜10,000であり、更に好ましくは1,000〜6,000、特に好ましくは2,000〜4,000である。
ポリアミド(b)の製法としては、一般的なポリアミドの製法がそのまま適用できる。ポリアミド化反応は、減圧下150〜300℃の温度範囲で行われ、反応時間は好ましくは0.5〜20時間である。また、必要により一般的にポリアミド化反応に用いられる触媒を用いてもよい。
<ブロックポリマー(X)>
本発明におけるブロックポリマー(X)は、プロピレンに由来する構成単位を30モル%以上有するポリオレフィン(a)のブロックと、ポリアミド(b)のブロックとを構成単位として有し、分子構造が下記(1)〜(3)のいずれかの構造である。
(1)直鎖状の(a)−(b)ジブロック型構造;
(2)直鎖状の(b)−(a)−(b)トリブロック型構造;
(3)ポリオレフィン(a)のブロックの一方の末端にポリアミド(b)のブロックが2〜3個結合してなる分岐型構造。
(X)の構造として、成形品の濡れ性向上効果、密着性向上(塗装性向上)効果及び後述する樹脂組成物(Z)へのブロックポリマー(X)の分散性の観点から好ましいのは、(a)−(b)ジブロック型構造又は(b)−(a)−(b)トリブロック型構造、特に好ましいのは、(a)−(b)ジブロック型構造である。
分子構造が上記(1)〜(3)のブロックポリマーは、特に限定されるわけではないが、例えば、以下の方法で得ることできる。
直鎖状の(a)−(b)ジブロック型構造のブロックポリマーは、例えばカルボキシル基又はカルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a2−1)とポリアミドモノアミンとを1:1のモル比で反応させることや、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a2−1)と両末端に1級アミノ基を有するポリアミド(以下ポリアミドジアミンと記載する場合がある。)とを1:1のモル比で反応させることや、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1−1)とポリアミドモノアミンとを1:1のモル比で反応させることで得ることができる。
また、カルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a2−1)にアミノカルボン酸を重縮合反応させることでポリアミド(b)のブロックの末端にカルボキシル基を有する直鎖状の(a)−(b)ジブロック型構造のブロックポリマーを得ることができる。
直鎖状の(b)−(a)−(b)トリブロック型構造のブロックポリマーは、例えばカルボキシル基又はカルボン酸無水物基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1−1)とポリアミドモノアミンとを1:2のモル比で反応させることで得ることができる。
また、カルボン酸無水物基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1−1)にアミノカルボン酸を重縮合反応させることでポリアミド(b)のブロックの末端にカルボキシル基を有する直鎖状の(a)−(b)−(b)トリブロック型構造のブロックポリマーを得ることができる。
ポリオレフィン(a)のブロックの一方の末端に2個のポリアミド(b)のブロックが結合してなる分岐型構造のブロックポリマーは、例えばカルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィンとポリアミドモノアミンとを1:2のモル比で反応させることで得ることができる。
尚、上記においては各構造を有するブロックポリマー(X)を得る際のポリオレフィン(a)とポリアミド(b)の組合せの一例を示したが、上述の通り、(a)と(b)は種々の官能基を有するため、(a)が有する官能基と(b)が有する官能基が反応し得るものであればいかなる組合せでも採用することができる。
(X)としては、ポリオレフィン(a)のブロックとポリアミド(b)のブロックとが、アミド結合、イミド結合、エステル結合又はウレア結合を介して結合した構造を有するものが好ましく、耐熱性及び製造上の容易さの観点から、イミド結合又はエステル結合であることが更に好ましく、イミド結合であることが特に好ましい。
(X)のMnは、後述する成形品の機械物性、濡れ性向上効果及び密着性向上(塗装性向上)効果の観点から、好ましくは3,000〜14,000であり、更に好ましくは4,000〜11,000、特に好ましくは5,000〜8,000である。
ブロックポリマー(X)に対するポリアミド(b)のブロックの重量比率[(b)/(X)]は、成形品の機械物性、濡れ性向上効果、密着性向上(塗装性向上)効果及び樹脂組成物へのブロックポリマーの分散性の観点から、好ましくは20〜60重量%であり、更に好ましくは25〜50重量%、特に好ましくは30〜40重量%である。
(X)が、(a)のブロックと(b)のブロックとが、アミド結合、イミド結合又はエステル結合を介して結合した構造を有するものである場合、例えば、(a)と(b)を反応容器に投入し、撹拌下、反応温度100〜250℃、圧力0.003〜0.1MPaで、アミド化反応、イミド化反応又はエステル化反応で生成する水(以下生成水と略記)を反応系外に除去しながら、1〜50時間反応させる方法で製造することができる。
アミド化反応、イミド化反応及びエステル化反応においては、反応を促進させるために各反応で一般的に用いられる触媒を使用することができる。触媒の使用量は、(a)及び(b)の重量に基づいて、好ましくは0.05〜0.5重量%である。触媒を使用した場合は、反応終了後必要により触媒を中和し、吸着剤で処理して触媒を除去・精製することができる。
生成水を反応系外に除去する方法としては、以下の方法が挙げられる。
[1]水と相溶しない有機溶媒(例えばトルエン、キシレン及びシクロヘキサン等)を使用して、還流下、有機溶媒と生成水とを共沸させて、生成水のみを反応系外に除去する方法。
[2]反応系内にキャリアガス(例えば空気、窒素、ヘリウム、アルゴン及び二酸化炭素等)を吹き込み、キャリアガスと共に生成水を反応系外に除去する方法。
[3]反応系内を減圧にして生成水を反応系外に除去する方法。
(X)が、(a)のブロックと(b)のブロックとが、ウレア結合を介して結合した構造を有するものである場合、例えば、(b)を反応容器に投入し、撹拌下30〜100℃に加温した後(a)を投入し、同温度で1〜20時間反応させる方法で製造することができる。
<樹脂改質剤(Y)>
本発明の樹脂改質剤(Y)は、上述のブロックポリマー(X)を含有する。
樹脂改質剤(Y)は、後述の熱可塑性樹脂(C)用の樹脂改質剤として好適に使用できる。
樹脂改質剤(Y)は、後述の着色剤(D1)、離型剤(D2)、酸化防止剤(D3)、難燃剤(D4)、紫外線吸収剤(D5)、抗菌剤(D6)、相溶化剤(D7)、充填剤(D8)及びエステル交換防止剤(D9)等の添加剤(D)を含有することができる。
<樹脂組成物(Z)>
本発明の樹脂組成物(Z)は、本発明の樹脂改質剤(Y)と熱可塑性樹脂(C)とを含有する。
樹脂改質剤(Y)と熱可塑性樹脂(C)との重量比[(Y):(C)]は、機械物性、濡れ性向上効果及び密着性向上(塗装性向上)効果の観点から、好ましくは1:99〜50:50、更に好ましくは5:95〜20:80、特に好ましくは10:90〜15:85である。
熱可塑性樹脂(C)としては、ポリオレフィン樹脂(C1)[ポリプロピレン(PP)、エチレン/プロピレン共重合体、ポリエチレン(PE)等];フッ素樹脂(C2)[PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン(四フッ化エチレン(C24)とパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体)及びPVDF(ポリフッ化ビニリデン樹脂)];ポリスチレン樹脂(C3)[ビニル基含有芳香族炭化水素単独及びビニル基含有芳香族炭化水素と、ブタジエンからなる群から選ばれる1種以上とを構成単位とする共重合体;例えばポリスチレン(PS)及び耐衝撃性ポリスチレン]等;及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらの内、後述する成形品の機械物性、濡れ性向上効果及び密着性向上(塗装性向上)効果の観点から、好ましいのは(C1)及び(C2)の内のPVDF、更に好ましいのは(C1)、特に好ましいのは、(C1)の内のポリプロピレン(ホモタイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン及びエチレン/プロピレン共重合体)、最も好ましいのは、ホモタイプポリプロピレンである。
樹脂組成物(Z)には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により、着色剤(D1)、離型剤(D2)、酸化防止剤(D3)、難燃剤(D4)、紫外線吸収剤(D5)、抗菌剤(D6)、相溶化剤(D7)、充填剤(D8)及びエステル交換防止剤(D9)等の添加剤(D)を含有させることができる。各添加剤はそれぞれ1種又は2種以上併用のいずれでもよい。
着色剤(D1)としては、無機顔料[白色顔料、コバルト化合物、鉄化合物及び硫化物等]、有機顔料[アゾ顔料及び多環式顔料等]、染料[アゾ系、インジゴイド系、硫化系、アリザリン系、アクリジン系、チアゾール系、ニトロ系及びアニリン系等]等が挙げられる。
離型剤(D2)としては、高級脂肪酸の低級(炭素数1〜4)アルコールエステル(ステアリン酸ブチル等)、脂肪酸(炭素数2〜18)の多価(2価〜4価又はそれ以上)アルコールエステル(硬化ヒマシ油等)、脂肪酸(炭素数2〜18)のグリコール(炭素数2〜8)エステル(エチレングリコールモノステアレート等)及び流動パラフィン等が挙げられる。
酸化防止剤(D3)としては、フェノール化合物〔単環フェノール(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等)、ビスフェノール[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等]、多環フェノール[1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等]等〕、硫黄化合物(ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート等)、リン化合物(トリフェニルホスファイト等)及びアミン化合物(オクチル化ジフェニルアミン等)等が挙げられる。
難燃剤(D4)としては、ハロゲン含有難燃剤、窒素含有難燃剤、硫黄含有難燃剤、珪素含有難燃剤及びリン含有難燃剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤(D5)としては、ベンゾトリアゾール[2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]、ベンゾフェノン(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等)、サリチレート(フェニルサリチレート等)及びアクリレート(2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等)等が挙げられる。
抗菌剤(D6)としては、安息香酸、ソルビン酸、ハロゲン化フェノール、有機ヨウ素、ニトリル(2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等)、チオシアノ(メチレンビスチアノシアネート)、N−ハロアルキルチオイミド、銅剤(8−オキシキノリン銅等)、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、トリハロアリル、トリアゾール、有機窒素硫黄化合物(スラオフ39等)、4級アンモニウム化合物及びピリジン系化合物等が挙げられる。
相溶化剤(D7)としては、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基及びポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基(極性基)を有する変性ビニル重合体等:例えば、特開平3−258850号公報に記載の重合体、また、特開平6−345927号公報に記載のスルホン酸基を有する変性ビニル重合体及びポリオレフィン部分と芳香族ビニル重合体部分とを有するブロック重合体等が挙げられる。
充填剤(D8)としては、例えば無機充填剤(炭化カルシウム、タルク及びクレイ等)及び有機充填剤(尿素及びステアリン酸カルシウム等)等が挙げられる。
エステル交換防止剤(D9)としては、例えばリン酸エステル[ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、モノオクタデシルホスフェート及びジオクタデシルホスフェート等]及び亜リン酸エステル[トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等]等が挙げられる。
熱可塑性樹脂(C)の重量に基づく(D)の合計含有量は、一般的に45重量%以下、各添加剤の効果及び成形品の機械物性の観点から好ましくは0.001〜40重量%、更に好ましくは0.01〜35重量%;各(D)の含有量は、同様の観点から(D1)は好ましくは0.1〜3重量%、更に好ましくは0.2〜2重量%;(D2)は好ましくは0.01〜3重量%、更に好ましくは0.05〜1重量%;(D3)は好ましくは0.01〜3重量%、更に好ましくは0.05〜1重量%;(D4)は好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは1〜10重量%;(D5)は好ましくは0.01〜3重量%、更に好ましくは0.05〜1重量%;(D6)は好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは1〜10重量%;(D7)は好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%;(D8)は好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%;(D9)は0.01〜3重量%、更に好ましくは0.05〜1重量%である。
本発明の樹脂組成物(Z)は、本発明の樹脂改質剤(Y)、熱可塑性樹脂(C)及び必要により添加剤(D)を溶融混合することにより得ることができる。
このとき、樹脂改質剤(Y)に含まれている添加剤(D)と同様の添加剤(D)を、樹脂組成物(Z)に添加してもよい。
溶融混合する方法としては、一般的にはペレット状又は粉体状にした各成分を、適切な混合機(ヘンシェルミキサー等)で混合した後、押出機で溶融混合してペレット化する方法が適用できる。
溶融混合時の各成分の添加順序には特に制限はないが、例えば、
[1](C)と(Y)を溶融混合した後、必要により(D)を一括投入して溶融混合する方法;
[2](C)と(Y)を溶融混合する際、(C)の一部をあらかじめ溶融混合して(Y)の高濃度組成物(マスターバッチ樹脂組成物)を作製した後、残りの(C)及び必要に応じて(D)を溶融混合する方法(マスターバッチ法又はマスターペレット法);
等が挙げられる。
[2]の方法におけるマスターバッチ樹脂組成物中の(Y)の濃度は、好ましくは20〜80重量%であり、更に好ましくは50〜70重量%である。
[1]及び[2]の方法の内、(Y)を(C)に効率的に分散しやすいという観点から、[2]の方法が好ましい。
<成形品>
本発明の成形品は、本発明の樹脂組成物(Z)を成形したものである。成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形及びフィルム成形(キャスト法、テンター法及びインフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形又は発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形できる。
本発明の成形品は、優れた機械物性、濡れ性向上効果及び密着性向上(塗装性向上)効果を有すると共に、良好な塗装性及び印刷性を有し、成形品に塗装及び/又は印刷を施すことにより成形物品が得られる。
成形品を塗装する方法としては、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装及び刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、プラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が使用でき、具体的にはポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料及びアクリルウレタン樹脂塗料等が挙げられる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが10〜50μmであることが好ましい。
成形品又は成形品に塗装を施した面に印刷する方法としては、一般的にプラスチックの印刷に用いられる印刷法であればいずれも用いることができ、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、ドライオフセット印刷及びオフセット印刷等が挙げられる。
印刷インキとしては、プラスチックの印刷に一般的に用いられるものが使用でき、グラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキ及びオフセットインキ等が挙げられる。
本発明の樹脂改質剤(Y)は、表面処理により成形品に付与された表面改質効果の向上に優れることから、コロナ処理、プラズマ処理又はフレーム処理により表面処理される樹脂成形品の濡れ性向上剤又は密着性向上剤として好適に使用される。
(Y)を含有する本発明の成形品を表面処理したものは、優れた濡れ性及びその持続性を有することから、以下の用途にも好適に用いることができる。即ち、電池のセパレータ用PPの液濡れ性向上、水処理膜のPEやPVDFの液濡れ性向上、自動車内装材・外装材の液濡れ性向上や食品包装フィルムの液濡れ性向上にも好適である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において部は重量部を示す。
<製造例1>[片末端酸変性エチレン−プロピレンランダム共重合体(a−1)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体[エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含有量=32モル%)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,900、1分子当たりの二重結合の平均数:1.0]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a−1)95部を得た。
(a−1)のMnは4,000、プロピレン含有量は32モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは40%であった。
<製造例2>[片末端酸変性エチレン−プロピレンランダム共重合体(a−2)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量エチレン−エプロピレンランダム共重合体[エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含有量=52モル%)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,900、1分子当たりの二重結合の平均数:1.0]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a−2)95部を得た。
(a−2)のMnは4,000、プロピレン含有量は52モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは60%であった。
<製造例3>[片末端酸変性1−ブテン−プロピレンランダム共重合体(a−3)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量1−ブテン−プロピレンランダム共重合体[1−ブテン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含有量=82モル%)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,900、1分子当たりの二重結合の平均数:1.0]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a−3)95部を得た。
(a−3)のMnは4,000、プロピレン含有量は82モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは80%であった。
<製造例4>[片末端酸変性エチレン−プロピレンランダム共重合体(a−4)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体[エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含有量=96モル%)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,900、1分子当たりの二重結合の平均数:1.0]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a−4)95部を得た。
(a−4)のMnは4,000、プロピレン含有量は96モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは90%であった。
<製造例5>[片末端酸変性ホモタイプポリプロピレン(a−5)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量ホモタイプポリプロピレン[ホモタイプポリプロピレンを410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,900、1分子当たりの二重結合の平均数:1.0]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a−5)95部を得た。
(a−5)のMnは4,000、プロピレン含有量は100モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは99%であった。
<製造例6>[両末端酸変性エチレン−プロピレンランダム共重合体(a−6)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体[エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含有量=96モル%)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,900、1分子当たりの二重結合の平均数:2.0]90部、無水マレイン酸20部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボン酸無水物基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a−6)95部を得た。
(a−6)のMnは4,000、プロピレン含有量は96モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは90%であった。
<製造例7>[片末端酸変性エチレン−プロピレンランダム共重合体(a−7)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体[エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含有量=96モル%)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:1,400、1分子当たりの二重結合の平均数:1.0]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a−7)95部を得た。
(a−7)のMnは1,500、プロピレン含有量は96モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは90%であった。
<製造例8>[片末端酸変性エチレン−プロピレンランダム共重合体(a−8)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体[エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含有量=96モル%)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:2,400、1分子当たりの二重結合の平均数:1.0]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a−8)95部を得た。
(a−8)のMnは2,500、プロピレン含有量は96モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは90%であった。
<製造例9>[片末端酸変性エチレン−プロピレンランダム共重合体(a−9)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体[エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含有量=96モル%)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:10,000、1分子当たりの二重結合の平均数:1.0]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a−9)95部を得た。
(a−9)のMnは10,000、プロピレン含有量は96モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは90%であった。
<製造例10>[両末端酸変性エチレン−プロピレンランダム共重合体(a−10)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体[エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含有量=96モル%)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:10,000、1分子当たりの二重結合の平均数:2.0]90部、無水マレイン酸20部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボン酸無水物基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a−10)95部を得た。
(a−10)のMnは10,000、プロピレン含有量は96モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは90%であった。
<製造例11>[両末端酸変性エチレン−プロピレンランダム共重合体(a−11)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体[エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含有量=96モル%)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:1,400、1分子当たりの二重結合の平均数:2.0]90部、無水マレイン酸20及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボン酸無水物基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a−11)95部を得た。
(a−11)のMnは1,500、プロピレン含有量は96モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは90%であった。
<製造例12>[片末端アミノ変性エチレン−プロピレンランダム共重合体(a−12)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体[エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含有量=96モル%)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,900、1分子当たりの二重結合の平均数:1.0]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン95部を得た。
次いで、上記と同様の耐圧反応容器に、カルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有する上述のポリオレフィン90部及びビス(2−アミノエチル)エーテル10部を投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃に昇温し、同温度で2時間反応させた。過剰のビス(2−アミノエチル)エーテルを減圧下(0.013MPa以下)、200℃で2時間かけて留去し、アミノ基を片末端に有する変性ポリオレフィン(a−12)を得た。
(a−12)のMnは4,000、プロピレン含有量は96モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは90%であった。
<製造例13>[片末端水酸基変性エチレン−プロピレンランダム共重合体(a−13)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体[エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含有量=96モル%)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,900、1分子当たりの二重結合の平均数:1.0]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン95部を得た。
次いで、上記と同様の耐圧反応容器に、カルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有する上述のポリオレフィン90部及びエタノールアミン5部を投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら180℃に昇温し、同温度で2時間反応させた。過剰のエタノールアミンを減圧下(0.013MPa以下)、180℃で2時間かけて留去し、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a−13)を得た。
(a−13)のMnは4,000、プロピレン含有量は96モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは90%であった。
<製造例14>
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、ε−カプロラクタム565部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]0.4部及び水20部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2〜0.5MPa)で4時間撹拌し、片末端に1級アミノ基を有するポリアミドモノアミン(b−1)を得た。(b−1)のアミン価は110mgKOH/g、酸価は110mgKOH/g、Mnは500であった。
<製造例15>
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、12−アミノドデカン酸1075部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]0.4部及び水30部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2〜0.5MPa)で4時間撹拌し、片末端に1級アミノ基を有するポリアミドモノアミン(b−2)を得た。(b−2)のアミン価は56mgKOH/g、酸価は56mgKOH/g、Mnは1,000であった。
<製造例16>
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、アジピン酸580部、1,6−ジアミノヘキサン405部、メチルアミンの40重量%水溶液37.5部(メチルアミンとして15部)、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]0.4部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2〜0.5MPa)で4時間撹拌し、片末端に1級アミノ基を有するポリアミドモノアミン(b−3)を得た。(b−3)のアミン価は28mgKOH/g、酸価は28mgKOH/g、Mnは2,000であった。
<製造例17>
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に11−アミノウンデカン酸400部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]0.4部及び水10部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2〜0.5MPa)で4時間撹拌し、片末端に1級アミノ基を有するポリアミドモノアミン(b−4)を得た。(b−4)のアミン価は14mgKOH/g、酸価は14mgKOH/g、Mnは4,000であった。
<製造例18>
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、イソフタル酸480部、1,12−ジアミノドデカン500部、1−アミノヘキサン50部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]0.4部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2〜0.5MPa)で4時間撹拌し、片末端に1級アミノ基を有するポリアミドモノアミン(b−5)を得た。(b−5)のアミン価は28mgKOH/g、酸価は0mgKOH/g、Mnは2,000であった。
<製造例19>
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、テレフタル酸165部、アジピン酸220部、1,12−ジアミノドデカン400部、ε−カプロラクタム225部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]0.4部及び水10部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2〜0.5MPa)で4時間撹拌し、両末端に1級アミノ基を有するポリアミドジアミン(b−6)を得た。(b−6)のアミン価は56mgKOH/g、酸価は0.5mgKOH/g、Mnは2,000であった。
<製造例20>
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、セバシン酸600部、1,6−ジアミノヘキサン400部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]0.4部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2〜0.5MPa)で4時間撹拌し、両末端に1級アミノ基を有するポリアミドジアミン(b−7)を得た。(b−7)のアミン価は56mgKOH/g、酸価は1mgKOH/g、Mnは2,000であった。
<比較製造例1>[片末端酸変性エチレン−プロピレンランダム共重合体(a’−1)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体[エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含有量=20モル%)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,900、1分子当たりの二重結合の平均数:1.0]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボン酸無水物基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a’−1)95部を得た。
(a’−1)のMnは4,000、プロピレン含有量は20モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは10%であった。
<比較製造例2>[グラフト酸変性エチレン−プロピレンランダム共重合体(a’−2)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量エチレン−プロピレンランダム共重合体[エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含有量=96モル%)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:10,000、1分子当たりの二重結合の平均数:2.0]90部、無水マレイン酸20部及びキシレン100部を仕込み、窒素置換後、窒素通気下に140℃まで加熱昇温して均一に溶解させた。ここにジクミルパーオキシド[商品名「パークミルD」、日油(株)製]2.0部をキシレン10部に溶解させた溶液を10分間で滴下した後、キシレン還流下3時間撹拌を続けた。その後、減圧下(1.5kPa、以下同じ。)でキシレン及び未反応の無水マレイン酸を留去して、カルボン酸無水物基がポリマーにグラフトされたポリオレフィン(a’−2)95部を得た。
(a’−2)のMnは10,000、プロピレン含有量は96モル%、プロピレン部分のアイソタクティシティーは90%であった。
<実施例1>
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、製造例1で得られた(a−1)100部、製造例16で得られたポリアミドモノアミン(b−3)50部及び酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部を投入し、撹拌しながら210℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で5時間反応させて、Mnが6,000のブロックポリマー(X−1)を含有してなる樹脂改質剤(Y−1)を得た。
表1に実施例で使用する原料の記号と組成の一覧を示す。
Figure 2020019934
<実施例2〜20及び比較例1〜3>
使用原料及びその使用量を表2又は表3に記載のものに代えた以外は実施例1と同様に行い、樹脂改質剤(Y−2)〜(Y−20)及び(RY−1)〜(RY−3)を得た。
実施例1〜20及び比較例1〜3で得られた樹脂改質剤(Y−1)〜(Y−20)及び(RY−1)〜(RY−3)の物性及び組成を表2及び表3に示す。
Figure 2020019934
Figure 2020019934
<実施例21〜49及び比較例4〜11>
表4及び表5に示す配合処方(部)に従って、各配合成分をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、100rpm、220℃、滞留時間5分の条件で溶融混練して、樹脂組成物(Z−1)〜(Z−29)及び(RZ−1)〜(RZ−8)を得た。
表4及び表5に記載の熱可塑性樹脂の内容は以下の通りである。
(C−1):ホモタイプポリプロピレン[商品名「サンアロマーPM900A」、サンアロマー(株)製]
(C−2):ブロックタイプポリプロピレン [「PM771M」、サンアロマー(株)製]
(C−3):エチレン−プロピレン共重合体[商品名「サンアロマーPB222A」、サンアロマー(株)製]
(C−4):ポリエチレン[商品名「ノバテックHJ490」、日本ポリエチレン(株)製]
(C−5):耐衝撃性ポリスチレン樹脂[「HIPS 433」、PSジャパン(株)製]
(C−6):ポリフッ化ビニリデン樹脂[「KYNAR741」、アルケマ(株)製]
得られた各樹脂組成物について、射出成形機[「PS40E5ASE」、日精樹脂工業(株)製]を用い、シリンダー温度230℃、金型温度50℃で成形試験片を作製し、下記の性能試験により評価した結果を表4及び表5に示す。
尚、以下の評価(3)〜(4)では、上記成形試験片を以下に示した機器と条件で表面処理(コロナ処理)を行った試験片を用いて評価した。
・機器:信光電気計装株式会社製 コロナスキャナーASA−4
・処理条件:処理電力12.5kV、処理速度70mm/s、室温
<性能試験>
(1)外観
試験片(80×80×2mm)の表面の外観を目視で観察して、以下の基準で評価した。
○:異常なく良好(樹脂改質剤を含有しない熱可塑性樹脂と同等)
×:表面荒れ、フクレ等が認められる。
(2)機械的強度(アイゾット衝撃強度及び曲げ弾性率)の低下率
熱可塑性樹脂(C)に本発明の樹脂改質剤(Y)を配合した際の機械的強度の低下率を、アイゾット衝撃強度及び曲げ弾性率について評価した。尚、機械的強度の低下率は樹脂改質剤(Y)の配合量によっても異なるので、樹脂改質剤(Y)の種類による低下率を明確にするため、特定の配合量での低下率をその際の樹脂改質剤(Y)の配合重量%で除した値を用いて評価した。
即ち、下式により求めた機械強度の低下率(%/重量%)を用いて以下の評価基準で評価した。
[機械的強度の低下率(%/重量%)]={[配合前の機械的強度]−[配合後の機械的強度]}/[配合前の機械的強度]/[樹脂改質剤の配合重量量重量]×100(%)
例えば、ホモタイプポリプロピレン(アイゾット衝撃強度=2.0J/m)に樹脂改質剤(Y)を10重量%配合した場合で、配合後のアイゾット衝撃強度が1.8J/mである場合、計算式は以下の通りとなる。
[機械的強度の低下率(%/重量%)]=[2.0(J/m)−1.8(J/m)]/2.0(J/m)/10(重量%)×100(%)=1.0(%/重量%)
<評価基準>
◎: [低下率]≦0.5
○:0.5<[低下率]≦1.5
-:1.5<[低下率]≦2.5
△:2.5<[低下率]≦5.5
×:5.5<[低下率]
(2−1)アイゾット衝撃強度(単位:J/m)
ASTM D256 Method A(ノッチ付き、3.2mm厚)に準拠して測定した。
(2−2)曲げ弾性率(単位:MPa)
ASTM D638に準拠して測定した。
(3)表面処理後の濡れ性(単位:dyn/cm)
表面処理(コロナ処理)を行った試験片について、JIS K6768に準拠して濡れ張力を測定して濡れ性を評価した。濡れ張力が大きいほど塗料や接着剤に対する濡れ性が高く、濡れ性が良好である。
(4)表面処理後の試験片に対する塗料の密着性
塗装性(塗料に対する濡れ性と密着性)について、ウレタン系塗料の密着性で評価を行った。表面処理(コロナ処理)を行った試験片について、試験片(100×100×2mm)上にウレタン系塗料をアプリケーターで乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗布し、80℃で30分間乾燥後の塗装面について、JIS K 5600−5−6に準拠して、透明感圧付着テープを用いて碁盤目剥離試験を行った。碁盤目数100の内、塗膜が剥離しなかった部分の数を計測して以下の基準で評価した。
◎:剥離しなかった数が100
+:剥離しなかった数が95〜99
○:剥離しなかった数が90〜94
-:剥離しなかった数が81〜89
△:剥離しなかった数が50〜80
×:剥離しなかった数が0〜49
Figure 2020019934
Figure 2020019934
表4及び表5から、本発明の樹脂改質剤は比較のものと比べて、熱可塑性樹脂にその機械物性を損なうことなく、優れた濡れ性及び密着性の向上効果を付与できることがわかる。
本発明の樹脂改質剤(Y)は、熱可塑性樹脂成形品の機械強度や良好な外観を損なうことなく、コロナ処理、プラズマ処理及びフレーム処理等の表面処理により成形品に付与された濡れ性及び密着性(塗装性)等の表面改質効果を向上させることができるため、コロナ処理、プラズマ処理若しくはフレーム処理により表面処理される樹脂成形品の濡れ性向上剤又は密着性向上剤として特に有用である。また、濡れ性が向上することから、電池のセパレータ用PPの液濡れ性向上、水処理膜のPEやPVDFの液濡れ性向上、自動車内装材・外装材の液濡れ性向上や食品包装フィルムの液濡れ性向上にも好適である。
本発明の樹脂改質剤(Y)を用いた樹脂組成物(Z)は、これを用いた成形品を表面処理したものが良好な塗装性及び印刷性を有するため、各種成形法[射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、発泡成形及びフィルム成形(キャスト法、テンター法及びインフレーション法)等]で成形されるハウジング製品(家電・OA機器、ゲーム機器及び事務機器用等)、プラスチック容器材[クリーンルームで使用されるトレー(ICトレー等)及びその他容器等]、各種緩衝材、被覆材(包材用フィルム及び保護フィルム等)、床材用シート、人工芝、マット、テープ基材(半導体製造プロセス用等)及び各種成形品(自動車部品等)用材料として幅広く用いることができ、極めて有用である。
本発明の成形品は、優れた機械物性、優れた濡れ性、塗装性及び印刷性を有し、この成形品に塗装及び/又は印刷を施すことにより塗膜等との密着性が良好な成形物品が得られる。

Claims (14)

  1. プロピレンに由来する構成単位を30モル%以上有するポリオレフィン(a)のブロックと、ポリアミド(b)のブロックとを構成単位として有し、分子構造が下記(1)〜(3)のいずれかの構造であるブロックポリマー(X)を含有する樹脂改質剤(Y)。
    (1)直鎖状の(a)−(b)ジブロック型構造;
    (2)直鎖状の(b)−(a)−(b)トリブロック型構造;
    (3)ポリオレフィン(a)のブロックの一方の末端にポリアミド(b)のブロックが2〜3個結合してなる分岐型構造。
  2. 前記ポリオレフィン(a)中のプロピレン部分のアイソタクティシティーが90〜100%である請求項1記載の樹脂改質剤。
  3. 前記ブロックポリマー(X)の数平均分子量が、3,000〜14,000である請求項1又は2記載の樹脂改質剤。
  4. 前記ブロックポリマー(X)に対する前記ポリアミド(b)のブロックの重量比率[(b)/(X)]が20〜60重量%である請求項1〜3のいずれか記載の樹脂改質剤。
  5. 前記ブロックポリマー(X)が、前記ポリオレフィン(a)のブロックと前記ポリアミド(b)のブロックとが、アミド結合、イミド結合、エステル結合又はウレア結合を介して結合されてなる請求項1〜4のいずれか記載の樹脂改質剤。
  6. 前記ブロックポリマー(X)が、(a)−(b)ジブロック型ポリマーである請求項1〜5のいずれか記載の樹脂改質剤。
  7. 前記ポリアミド(b)が、1,6−ジアミノヘキサン、1,10−ジアミノデカン、ε−カプロラクタム、11−ウンデカンラクタム、12−ラウロラクタム、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を必須構成単量体とするポリアミドである請求項1〜6のいずれか記載の樹脂改質剤。
  8. コロナ処理、プラズマ処理若しくはフレーム処理により表面処理される樹脂成形品の濡れ性向上剤又はコロナ処理、プラズマ処理若しくはフレーム処理により表面処理される樹脂成形品の密着性向上剤として用いられる請求項1〜7のいずれか記載の樹脂改質剤。
  9. 請求項1〜8のいずれか記載の樹脂改質剤(Y)と熱可塑性樹脂(C)とを含有してなる樹脂組成物(Z)。
  10. 前記熱可塑性樹脂(C)が、ポリオレフィンである請求項9記載の樹脂組成物。
  11. 前記樹脂改質剤(Y)と前記熱可塑性樹脂(C)の重量比[(Y):(C)]が、1:99〜50:50である請求項9又は10記載の樹脂組成物。
  12. 請求項9〜11のいずれか記載の樹脂組成物(Z)を成形してなる成形品。
  13. 請求項12記載の成形品にコロナ処理、プラズマ処理又はフレーム処理を施してなる成形品。
  14. 請求項13に記載の成形品に塗装、印刷及び接着剤塗布からなる群から選ばれる少なくとも1種の処理を施してなる成形物品。
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