JP2013209619A - 帯電防止剤及び帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】疎水性ポリマー(a)のブロックと、結晶化温度が25℃以下であるオキシエチレン基含有ポリマー(b)のブロックとを構成単位とするブロックポリマー(A)を含有してなり、(A)の重量に基づくオキシエチレン基の割合が50〜80重量%である帯電防止剤(Z);及び前記帯電防止剤(Z)を熱可塑性樹脂(C)に含有させてなる帯電防止性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
しかしながら、これらの高分子型帯電防止剤は帯電防止性が十分ではなく、成形品の機械特物性が悪化するという課題があった。
(1)本発明の帯電防止剤は、成形品に優れた永久帯電防止性を付与できる。
(2)本発明の帯電防止性樹脂組成物を成形してなる成形品は、機械物性に優れる。
[疎水性ポリマー(a)]
なお、本発明における体積固有抵抗値は、ASTM D257に準拠し、23℃、50%RHの雰囲気下で測定して得られた数値のことである。
ラクタム(α1−1)としては、炭素数4〜20のラクタム(カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタム等)等が挙げられる。
アミノカルボン酸(α1−2)としては、炭素数2〜20のアミノカルボン酸(ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸及びこれらの混合物等)等が挙げられる。
なお、本発明における末端とは、ポリマーを構成するモノマー単位の最も長い繰り返し構造(主鎖)が途切れる終端部を意味する。また、両末端とは、ポリマーの主鎖における両方の末端を意味し、片末端とは、ポリマーの主鎖におけるいずれか一方の末端を意味する。
これらのうち、カルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基を導入する際の変性のし易さ及び入手のし易さの観点から好ましいのは、減成されたポリオレフィンであり、更に好ましいのは熱減成されたポリオレフィンである。前記熱減成によれば、後述のとおり1分子当たりの平均末端二重結合数が1.5〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られ、前記低分子量ポリオレフィンはカルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基等を導入して変性することが容易である。
装置(一例):「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSKgelGMHXL」[東ソー(株)製](2本)
「TSKgelMultiporeHXL−M」[東ソー(株)製](1本)
試料溶液:0.3重量%のオルトジクロロベンゼン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:135℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandardPOLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
炭素数2〜30のオレフィンとしては、炭素数2〜30のα−オレフィン及び炭素数4〜30のジエンが挙げられる。
炭素数2〜30のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−イコセン及び1−テトラコセン等が挙げられる。
炭素数4〜30のジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン及び1,11−ドデカジエン等が挙げられる。
炭素数2〜30のオレフィンのうち、分子量制御の観点から好ましいのは、エチレン、プロピレン、炭素数4〜12のα−オレフィン、ブタジエン、イソプレン及びこれらの混合物であり、更に好ましいのは、エチレン、プロピレン、炭素数4〜10のα−オレフィン、ブタジエン及びこれらの混合物、特に好ましいのはエチレン、プロピレン、ブタジエン及びこれらの混合物である。
(a2−01)中の末端二重結合の数は、成形品の帯電防止性の観点から好ましくは炭素数1,000個当たり1〜40個であり、更に好ましくは2〜30個、特に好ましくは4〜20個である。
(a2−02)の炭素数1,000個当たりの二重結合数は、成形品の帯電防止性及びブロックポリマー(A)の分子量制御の観点から、好ましくは0.3〜20個であり、更に好ましくは0.5〜15個、特に好ましくは0.7〜10個である。
(a2−02)のうち、変性のしやすさの観点から好ましいのは、熱減成法により得られた低分子量ポリオレフィンであり、更に好ましいのは、熱減成法により得られたMnが3,000〜20,000のポリエチレン及び/又はポリプロピレンである。
熱減成法により低分子量ポリオレフィンを得る方法を用いると、Mnが6,000〜30,000の範囲で、1分子当たりの末端二重結合の平均数が1〜1.5個の(a2−02)が得られる。
熱減成法で得られた低分子量ポリオレフィンは、前記末端二重結合の平均数を有することから、カルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基等を導入して変性することが容易である。
変性に用いられるα,β−不飽和カルボン酸(無水物)としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、モノ又はジカルボン酸のアルキル(炭素数1〜4)エステル及びモノ又はジカルボン酸の無水物が挙げられ、具体的には(メタ)アクリル酸[(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタアクリル酸を意味する。以下同様。]、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、マレイン酸(無水物)、マレイン酸ジメチル、フマル酸、イタコン酸(無水物)、イタコン酸ジエチル及びシトラコン酸(無水物)等が挙げられる。
これらのうち、変性の容易さの観点から好ましいのは、ジカルボン酸、モノ又はジカルボン酸のアルキルエステル及びモノ又はジカルボン酸の無水物であり、更に好ましいのは、マレイン酸(無水物)及びフマル酸、特に好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)による変性は、例えば、(a2−01)の末端二重結合に、溶液法又は溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を付加反応(エン反応)させることにより行うことができ、反応温度は、好ましくは170〜230℃である。
二次変性に用いるラクタムとしては、炭素数6〜12(好ましくは6〜8、更に好ましくは6)のラクタム等が挙げられ、具体的には、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタム等が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、炭素数2〜12(好ましくは4〜12、更に好ましくは6〜12)のアミノカルボン酸等が挙げられ、具体的には、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン及びフェニルアラニン等)、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸等が挙げられる。
ラクタム及びアミノカルボン酸のうち好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、グリシン、ロイシン、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸であり、更に好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸、特に好ましいのはカプロラクタム及び12−アミノドデカン酸である。
酸化法によるカルボキシル基の導入は、公知の方法、例えば米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボキシル基の導入は、公知を含む種々の方法、例えば、Macromolecules、VOl.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
(a2−1−4)は、(a2−1−3)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性することにより得ることができる。
ラクタム及びアミノカルボン酸としては、前記(a2−1)の二次変性に用いられるラクタム及びアミノカルボン酸として例示されたものと同様のものが挙げられ、好ましい範囲、使用量も同様である。
また、(a2−1)の酸価は、(b)との反応性及びブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280mgKOH/g、更に好ましくは4〜100mgKOH/g、特に好ましくは5〜50mgKOH/gである。
変性に使用できる水酸基を有するアミンとしては、炭素数2〜10の水酸基を有するアミンが挙げられ、具体的には2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノール及び3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノールが挙げられる。
これらのうち、変性の容易さの観点から好ましいのは、炭素数2〜6の水酸基を有するアミン(2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール及び6−アミノヘキサノール等)であり、更に好ましいのは2−アミノエタノール及び4−アミノブタノール、特に好ましいのは2−アミノエタノールである。
(a2−2)のMnは、耐熱性及び後述する親水性ポリマー(b)との反応性の観点から、好ましくは800〜25,000であり、更に好ましくは1,000〜20,000、特に好ましくは2,500〜10,000である。
(a2−2)の水酸基価は、(b)との反応性及びブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280mgKOH/gであり、更に好ましくは4〜100mgKOH/g、特に好ましくは5〜50mgKOH/gである。
ジアミン(Q1)としては、炭素数2〜12のジアミン等が使用でき、具体的には、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン及びデカメチレンジアミン等が挙げられる。
これらのうち、変性の容易さの観点から好ましいのは、炭素数2〜8のジアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン及びオクタメチレンジアミン等)であり、更に好ましいのはエチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン、特に好ましいのはエチレンジアミンである。
(a2−3)のアミン価は、(b)との反応性及びブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280mgKOH/gであり、更に好ましくは4〜100mgKOH/g、特に好ましくは5〜50mgKOH/gである。
PIとしては、炭素数(NCO基中の炭素原子を除く。以下同様。)6〜20の芳香族PI、炭素数2〜18の脂肪族PI、炭素数4〜15の脂環式PI、炭素数8〜15の芳香脂肪族PI、これらのPIの変性体及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。
PIのうち好ましいのは、TDI、MDI及びHDIであり、更に好ましいのはHDIである。
PIと(a2−2)とのモル当量比(NCO/OH)は、好ましくは1.8/1〜3/1であり、更に好ましくは2/1である。
ウレタン化反応を促進するために、必要によりウレタン化反応に通常用いられる触媒を使用してもよい。触媒としては、金属触媒{錫触媒[ジブチルチンジラウレート及びスタナスオクトエート等]、鉛触媒[2−エチルヘキサン酸鉛及びオクテン酸鉛等]、その他の金属触媒[ナフテン酸金属塩(ナフテン酸コバルト等)及びフェニル水銀プロピオン酸塩等]};アミン触媒{トリエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等〕、ジアルキルアミノアルキルアミン(ジメチルアミノエチルアミン及びジメチルアミノオクチルアミン等)、複素環式アミノアルキルアミン[2−(1−アジリジニル)エチルアミン及び4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]の炭酸塩又は有機酸(ギ酸等)塩、N−メチル又はエチルモルホリン、トリエチルアミン及びジエチル−又はジメチルエタノールアミン等};及びこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
触媒の使用量は、PI及び(a2−2)の合計重量に基づいて、好ましくは3重量%以下であり、好ましくは0.001〜2重量%である。
分子量調整剤の使用量は、アミドイミド形成性モノマー及び分子量調整剤の合計重量に基づいて、帯電防止性及び成形品の耐熱性の観点から、好ましくは2〜80重量%であり、更に好ましくは4〜75重量%である。
本発明におけるオキシエチレン基含有ポリマー(b)は、結晶化温度が25℃以下である。(b)の結晶化温度は、帯電防止性の観点から好ましくは20℃以下であり、更に好ましくは15℃以下である。
(b)の結晶化温度は、例えば示差走査熱量計「ユニックス(登録商標)DSC7」(PERKIN−ELMER社製)を使用して測定することができ、(b)5mgを試料とし、10℃/分の等温速度で100℃から−80℃まで冷却したときに観測される結晶化温度を用いることができる。
H−(OR1)a−O−E1−O−(R2O)b−H (1)
一般式(1)におけるE1は、ジオール(b0)からすべての水酸基を除いた残基である。
ジオール(b0)としては、炭素数2〜12の脂肪族2価アルコール、炭素数5〜12の脂環式2価アルコール、炭素数6〜18の芳香族2価アルコール及び3級アミノ基含有ジオール等が挙げられる。
炭素数2〜12の脂肪族2価アルコールとしては、エチレングリコール(以下EGと略記する)、1,2−プロピレングリコール(以下PGと略記する)、1,4−ブタンジオール(以下1,4−BDと略記する)、1,6−ヘキサンジオール(以下1,6−HDと略記する)、ネオペンチルグリコール(以下NPGと略記する)及び1,12−ドデカンジオールが挙げられる。
炭素数5〜12の脂環式2価アルコールとしては、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,5−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘプタン等が挙げられる。
炭素数6〜18の芳香族2価アルコールとしては、単環芳香族2価アルコール(キシリレンジオール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ウルシオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン及びジヒドロキシビフェニル等)及び多環芳香族2価アルコール(ジヒドロキシナフタレン及びビナフトール等)等が挙げられる。
3級アミノ基含有ジオールとしては、炭素数1〜12の脂肪族又は脂環式1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、シクロプロピルアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、ペンチルアミン、イソペンチルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン及びドデシルアミン等)のビスヒドロキシアルキル化物及び炭素数6〜12の芳香族1級アミン(アニリン及びベンジルアミン等)のビスヒドロキシアルキル化物が挙げられる。
これらのうち、AOとの反応性の観点から好ましいのは、炭素数2〜12の脂肪族2価アルコール及び炭素数6〜18の芳香族2価アルコールであり、更に好ましいのはEG及びビスフェノールAである。
一般式(1)におけるa及びbは、それぞれ独立に1〜300の数であり、好ましくは2〜250、更に好ましくは10〜100である。
一般式(1)におけるa、bがそれぞれ2以上の場合のR1、R2は、同一でも異なっていてもよく、(OR1)a、(R2O)b部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
AOとしては、炭素数2〜4のAO[エチレンオキサイド(以下EOと略記する)、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド(以下POと略記する)、1,2−、1,3−、1,4−、2,3−又はブチレンオキサイド(以下BOと略記する)、及びこれらの2種以上の併用系が用いられるが、必要により他のAO[炭素数5〜12のα−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド及びエピハロヒドリン(エピクロロヒドリン等)等]を少しの割合(AOの全重量に基づいて30重量%以下)で併用することもできる。
2種以上のAOを併用するときの結合形式は、ランダム結合、ブロック結合のいずれでもよい。AOとして好ましいのは、EOと他のAOとの併用である。
一般式(1)で表されるポリエーテルジオール(b1)の重量に基づく、(OR1)a及び(R2O)bの含有率は、好ましくは50〜99.8重量%であり、更に好ましくは55〜99.6重量%、特に好ましくは60〜98重量%である。
一般式(1)における(OR1)a及び(R2O)bの重量に基づくオキシエチレン基の含有率は、好ましくは50〜99.9重量%であり、更に好ましくは55〜99.5重量%、特に好ましくは60〜99重量%、最も好ましくは65〜98.5重量%である。
(b2)は、(b1)の両末端水酸基を種々の方法によりアミノ基に変えることにより、容易に得ることができる。
水酸基をアミノ基に変える方法としては、種々の方法、例えば、(b1)の水酸基をシアノアルキル化して得られる末端シアノアルキル基を還元してアミノ基とする方法[例えば、(b1)とアクリロニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化物に水素添加する方法]、(b1)とアミノカルボン酸又はラクタムとを反応させる方法、及び(b1)とハロゲン化アミンをアルカリ条件下で反応させる方法等が挙げられる。
(b3)は、(b1)の両末端水酸基を種々の方法によりカルボキシル基に変えることにより、容易に得ることができる。
水酸基をカルボキシル基に変える方法としては、種々の方法、例えば、(b1)の水酸基を酸化する方法[例えば、(b1)を酸化クロムで酸化する方法]等が挙げられる。
また、(b)のMnは、耐熱性及び(a)との反応性の観点から好ましくは150〜20,000、更に好ましくは300〜18,000、特に好ましくは1,000〜15,000、最も好ましくは1,200〜8,000である。
本発明におけるブロックポリマー(A)は、疎水性ポリマー(a)のブロックと、オキシエチレン基含有ポリマー(b)のブロックとを構成単位とする。
(A)のうち、帯電防止性の観点から好ましいのは、下記の(A1)及び/又は(A2)である。
(A1):(a)がポリアミド(a1)であり、(a1)と(b)を反応させて得られるポリエーテルエステルアミド。
(A2):(a)がポリオレフィン(a2)であって、(a2)のブロックと、(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合、ウレタン結合及びウレア結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して結合した構造を有するブロックポリマー。
ブロックポリマー(A)の構造としては、導電性の観点から(a)と(b)とが繰り返し交互に結合した[(a)−(b)]n型のものが好ましい。
[(a)−(b)]n型の構造におけるnは、導電性及び成形品の機械物性の観点から、好ましくは2〜50であり、更に好ましくは2.3〜30、特に好ましくは2.7〜20、最も好ましくは3〜10である。nは、ブロックポリマー(A)のMn及び1H−NMR分析により求めることができる。
(a)と(b)を反応容器に投入し、撹拌下、反応温度100〜250℃、圧力0.003〜0.1MPaで、アミド化反応、エステル化反応又はイミド化反応で生成する水(以下生成水と略記する)を反応系外に除去しながら、1〜50時間反応させる方法が挙げられる。(a)と(b)の重量比は、帯電防止性及び耐水性の観点から、15/85〜50/50であり、更に好ましくは20/80〜40/60である。
エステル化反応の場合、反応を促進させるために、(a)及び(b)の重量に基づいて、0.05〜0.5重量%の触媒を使用することが好ましい。触媒としては、無機酸(硫酸及び塩酸等)、有機スルホン酸(メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びナフタレンスルホン酸等)及び有機金属化合物(ジブチルチンオキサイド、テトライソプロポキシチタネート、ビストリエタノールアミンチタネート及びシュウ酸チタン酸カリウム等)等が挙げられる。触媒を使用した場合は、エステル化反応終了後必要により触媒を中和し、吸着剤で処理して触媒を除去・精製することができる。生成水を反応系外に除去する方法としては、以下の方法が挙げられる。
(1)水と相溶しない有機溶媒(例えばトルエン、キシレン及びシクロヘキサン等)を使用して、還流下、有機溶媒と生成水とを共沸させて、生成水のみを反応系外に除去する方法。
(2)反応系内にキャリアガス(例えば空気、窒素、ヘリウム、アルゴン及び二酸化炭素等)を吹き込み、キャリアガスと共に生成水を反応系外に除去する方法。
(3)反応系内を減圧にして生成水を反応系外に除去する方法。
反応を促進させるために、(a)及び(b)の重量に基づいて、0.001〜5重量%の触媒を使用することが好ましい。触媒としては、有機金属化合物(ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、オクタン酸鉛及びオクタン酸ビスマス等)、3級アミン{トリエチレンジアミン、炭素数1〜8のアルキル基を有するトリアルキルアミン(トリメチルアミン、トリブチルアミン、及びトリオクチルアミン等)、ジアザビシクロアルケン類〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7 〕等};及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。
本発明の帯電防止剤(Z)は、ブロックポリマー(A)を含有してなる。
本発明の帯電防止剤(Z)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に帯電防止性向上剤(B)を含有させることができる。
帯電防止性向上剤(B)としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩(B1)、4級アンモニウム塩(B2)、界面活性剤(B3)及びイオン性液体(B4)等が挙げられる。(B1)〜(B4)は2種以上を併用してもよい。
(B1)〜(B4)の2種以上を併用した場合の(B)の総含有率は、帯電防止性及び析出せず良好な外観の樹脂成形品を与える観点から、好ましくは20重量%以下であり、更に好ましくは0.01〜15重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の帯電防止性樹脂組成物は、帯電防止剤(Z)を熱可塑性樹脂(C)に含有させてなる。
(C)としては、ポリフェニレンエーテル樹脂(C1)(PPE);ポリオレフィン樹脂(C2)[ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)及びエチレン−エチルアクリレート共重合樹脂等];ポリ(メタ)アクリル樹脂(C3)[ポリメタクリル酸メチル等];ポリスチレン樹脂(C4)[ビニル基含有芳香族炭化水素単独、及びビニル基含有芳香族炭化水素と、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル及びブタジエンからなる群から選ばれる1種以上とを構成単位とする共重合体;例えばポリスチレン(PS)、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AN樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)及びスチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)]等;ポリエステル樹脂(C5)[ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート及びポリエチレンアジペート];ポリアミド樹脂(C6)[ナイロン66、ナイロン69、ナイロン612、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6/66及びナイロン6/12等];ポリカーボネート樹脂(C7)[ポリカーボネート及びポリカーボネート/ABSアロイ樹脂(PC/ABS)等];ポリアセタール樹脂(C8)、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち、後述する成形品の機械物性及び(Z)の(C)への分散性の観点から好ましいのは、(C1)、(C2)、(C3)、(C4)及び(C7)である。
熱可塑性樹脂(C)の重量に基づく(D1)の含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.1〜3重量%であり、更に好ましくは0.2〜2重量%である。
熱可塑性樹脂(C)の重量に基づく(D2)、(D3)、(D5)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.01〜3重量%であり、更に好ましくは0.05〜1重量%である。
熱可塑性樹脂(C)の重量に基づく(D4)、(D6)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.5〜20重量%であり、更に好ましくは1〜10重量%である。
熱可塑性樹脂(C)の重量に基づく(D7)、(D8)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.5〜10重量%であり、更に好ましくは1〜5重量%である。
溶融混合時の各成分の添加順序には特に制限はないが、例えば、
[1](Z)を溶融混合した後、(C)、必要により(D)を一括投入して溶融混合する方法。
[2](Z)を溶融混合した後、(C)の一部をあらかじめ溶融混合して(Z)の高濃度組成物(マスターバッチ樹脂組成物)を作製した後、残りの(C)並びに必要に応じて(D)、を溶融混合する方法(マスターバッチ法又はマスターペレット法)。
等が挙げられる。
[2]の方法におけるマスターバッチ樹脂組成物中の(Z)の濃度は、好ましくは40〜80重量%であり、更に好ましくは50〜70重量%である。
[1]及び[2]の方法のうち、(Z)を(C)に効率的に分散しやすいという観点から、[2]の方法が好ましい。
本発明の帯電防止性樹脂成形品は、本発明の帯電防止性樹脂組成物を成形して得られる。成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法及びインフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形又は発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形できる。
成形品を塗装する方法としては、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装及び刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、プラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が使用でき、具体的にはポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料及びアクリルウレタン樹脂塗料等が挙げられる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常10〜50μmである。
印刷インキとしては、プラスチックの印刷に通常用いられるものが使用でき、グラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキ及びオフセットインキ等が挙げられる。
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、ε−カプロラクタム173重量部、テレフタル酸33.2重量部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバ・ジャパン(株)製]0.4重量部及び水10重量部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら220℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2〜0.3MPa)で4時間撹拌し、両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a1−1)を得た。(a1−1)の酸価は111、Mnは1,000であった。
製造例1と同様の耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン[ポリプロピレン(MFR:10g/10min)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,400、炭素数1,000個当たりの二重結合数:7.0、1分子当たりの二重結合の平均数:1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:90重量%]90重量部、無水マレイン酸10重量部及びキシレン30重量部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1α)95重量部を得た。(a2−1−1α)の酸価は27.5、Mnは3,600であった。
製造例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−1α)88重量部及び12−アミノドデカン酸12重量部を投入し、均一に混合後、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃まで昇温し、同温度で減圧下(0.013MPa以下)3時間反応させ、(a2−1−1α)を二次変性して得られたポリオレフィン(a2−1−2α)96重量部を得た。(a2−1−2α)の酸価は24.8、Mnは4,000であった。
製造例2において、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン90重量部及び無水マレイン酸10重量部を、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン80重量部及び無水マレイン酸20重量部に変更した以外は製造例2と同様にして、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1β)92重量部を得た。(a2−1−1β)の酸価は64.0、Mnは1,700であった。なお、前記の熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn:1,500、炭素数1,000個当たりの二重結合数:17.8、1分子当たりの二重結合の平均数:1.94、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:98重量%)は、エチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン基含有率:3重量%、MFR:7g/10min)を410±0.1℃、18分間熱減成して得られたものである。
次いで、製造例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−1β)80重量部及び12−アミノドデカン酸20重量部を投入し、均一に混合後、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃まで昇温し、同温度で減圧下(0.013MPa以下)3時間反応させ、(a2−1−1β)を二次変性して得られたポリオレフィン(a2−1−2β)96重量部を得た。(a2−1−2β)の酸価は51.8、Mnは2,100であった。
製造例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−1β)90重量部及びビス(2−アミノエチル)エーテル10重量部を投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃に昇温し、同温度で2時間反応させた。過剰のビス(2−アミノエチル)エーテルを減圧下(0.013MPa以下)、200℃で2時間かけて留去し、アミノ基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a2−3)を得た。(a2−3)のアミン価は64.0、Mnは1,700であった。
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、(a1−1)100重量部及びビスフェノールAのEO/POランダム付加物(Mn:4,000、体積固有抵抗値:2×107Ω・cm、オキシエチレン基の割合:70重量%、結晶化温度:20℃)396重量部及び酢酸ジルコニル0.6重量部を投入し、撹拌しながら240℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で6時間重合させて、粘稠なブロックポリマー(A1−1)を得た。(A1−1)のMnは24,000、オキシエチレン基の割合は56重量%であった。
製造例6において、ビスフェノールAのEO/POランダム付加物396重量部を、EO/THFランダム共重合体(Mn:4,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm、オキシエチレン基の割合:98.5重量%、結晶化温度:10℃)396重量部に変更した以外は製造例6と同様にして、ブロックポリマー(A1−2)を得た。(A1−2)のMnは100,000、オキシエチレン基の割合は79重量%であった。
製造例6と同様の反応容器に、(a2−1−2α)100重量部、EO/THFランダム共重合体(Mn:4,700、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm、オキシエチレン基の割合:98.5重量%、結晶化温度:10℃)104重量部、酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3重量部及び酢酸ジルコニル0.5重量部を投入し、撹拌しながら220℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で3時間重合させて、粘稠なブロックポリマー(A2−1)を得た。(A2−1)のMnは50,000、オキシエチレン基の割合は50重量%であった。
製造例8において、EO/THFランダム共重合体104重量部を、EO/POブロック共重合体(Mn:7,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm、オキシエチレン基の割合:91重量%、結晶化温度:5℃)155重量部に変更した以外は、製造例8と同様にして、ブロックポリマー(A2−2)を得た。(A2−2)のMnは30,000、オキシエチレン基の割合は55重量%であった。
製造例8において、(a2−1−2α)100重量部及びEO/THFランダム共重合体104重量部を、(a2−1−2β)100重量部、EO/POランダム共重合体(Mn:12,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm、オキシエチレン基の割合:94重量%、結晶化温度:25℃)554重量部に変更した以外は製造例8と同様にして、ブロックポリマー(A2−3)を得た。(A2−3)のMnは100,000、オキシエチレン基の割合は80重量%であった。
製造例8において、(a2−1−2α)100重量部及びEO/THFランダム共重合体104重量部を、(a2−3)100重量部、EO/POブロック共重合体(Mn:8,800、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm、オキシエチレン基の割合:94重量%、結晶化温度:10℃)503重量部及びドデカン二酸26重量部に変更した以外は製造例8と同様にして、ブロックポリマー(A2−4)を得た。(A2−4)のMnは10,000、オキシエチレン基の割合は75重量%であった。
製造例8において、(a2−1−2α)100重量部及びEO/THFランダム共重合体104重量部を、(a2−3)100重量部、EO/THFブロック共重合体(Mn:4,000、体積固有抵抗値:1×108Ω・cm、オキシエチレン基の割合:85重量%、結晶化温度:5℃)110重量部、EO/POランダム共重合体(Mn:4,000、体積固有抵抗値:2×108Ω・cm、オキシエチレン基の割合:85重量%、結晶化温度:5℃)124重量部及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)19重量部に変更した以外は製造例8と同様にして、ブロックポリマー(A2−5)を得た。(A2−5)のMnは40,000、オキシエチレン基の割合は56重量%であった。
製造例6において、ビスフェノールAのEO/POランダム付加物396重量部を、ポリエチレングリコール(Mn:8,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm、エチレンオキサイド単位:100重量%、結晶化温度:55℃)790重量部に変更した以外は、製造例6と同様にして、ブロックポリマー(A’1−1)を得た。(A’1−1)のMnは30,000、オキシエチレン基の割合は89重量%であった。
製造例8において、EO/THFランダム共重合体104重量部を、EO/THFランダム共重合体(Mn:2,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm、オキシエチレン基の割合:80重量%、結晶化温度:10℃)45重量部に変更した以外は、製造例8と同様にして、ブロックポリマー(A’2−1)を得た。(A’2−1)のMnは30,000、オキシエチレン基の割合は25重量%であった。
製造例8において、(a2−1−2α)100重量部及びEO/THFランダム共重合体104重量部を、(a2−1−2β)100重量部、EO/POランダム共重合体(Mn:18,000、体積固有抵抗値:1×108Ω・cm、オキシエチレン基の割合:94重量%、結晶化温度:24℃)831重量部に変更した以外は製造例8と同様にして、ブロックポリマー(A’2−2)を得た。(A’2−2)のMnは40,000、オキシエチレン基の割合は84重量%であった。
製造例6において、ビスフェノールAのEO/POランダム付加物396重量部を、EO/POランダム付加物(Mn:2,200、体積固有抵抗値:2×107Ω・cm、オキシエチレン基の割合:70重量%、結晶化温度:19℃)220重量部に変更した以外は製造例6と同様にして、ブロックポリマー(A’1−2)を得た。(A’1−2)のMnは50,000、オキシエチレン基の割合は48重量%であった。
製造例8において、EO/THFランダム共重合体104重量部を、EO/POランダム共重合体(Mn:10,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm、オキシエチレン基の割合:96重量%、結晶化温度:27℃)221重量部に変更した以外は製造例8と同様にして、ブロックポリマー(A’2−3)を得た。(A’2−3)のMnは100,000、オキシエチレン基の割合は66重量%であった。
表1に示す配合組成(重量部)に従って、配合成分をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、100rpm、200℃、滞留時間5分の条件で溶融混練して、実施例1〜11、比較例1〜5の帯電防止剤(Z−1)〜(Z−11)、(Z’−1)〜(Z’−5)を得た。
(B−1):1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムドデシルベンゼンスルホン酸塩
(B−2):ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩
(B−3):トリフルオロメタンスルホン酸リチウム塩
表2、3に示す配合組成(重量部)に従って、配合成分をヘンシェルミキサーで3分間混合した後、ベント付き2軸押出機にて、100rpm、220℃、滞留時間5分の条件で溶融混練して実施例12〜28、比較例6〜16の帯電防止性樹脂組成物を得た。
(C−1):変性PPE樹脂「ノリル PPO534」(SABICイノベーティブプラスチックスジャパン合同会社製)
(C−2):PP樹脂「PM771M」[サンアロマー(株)製]
(C−3):耐衝撃性PS樹脂「HIPS 433」[PSジャパン(株)製]
(C−4):ABS樹脂「セビアン 680SF」[ダイセルポリマー(株)製]
(D3):酸化防止剤「イルガノックス1010」{テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン}[チバ・ジャパン(株)製]
(D7):相溶化剤「エポフレンドAT501」(エポキシ化ポリスチレンエラストマー)[ダイセル化学工業(株)製]
(1)表面固有抵抗値(単位:Ω)
ASTM D257に準拠し、試験片(100×100×2mm)について、超絶縁計「DSM−8103」[東亜ディーケーケー(株)製]を用いて23℃、湿度50%RHの雰囲気下で測定した。
(2)水洗後の表面固有抵抗値(単位:Ω)
ななめに立てかけた試験片(100×100×2mm)を、23℃、流量100ml/分のイオン交換水100mlの流水で水洗し、その後循風乾燥機(80℃)で3時間乾燥させた。この水洗・乾燥の操作を10回繰り返し、得られた試験片について、(1)と同様の条件で測定した。
(3)アイゾット衝撃強度(単位:J/m)
ASTM D256 Method A(ノッチ付き、3.2mm厚)に準拠して測定
した。
(4)外観
(4−1)表面外観
試験片(100×100×2mm)の表面の外観を目視で観察して、以下の基準で評価した。
[評価基準]
○:異常なく良好(帯電防止剤を含有しない熱可塑性樹脂と同等)
×:表面荒れ、フクレ等が認められる
(4−2)断面外観
試験片(100×100×2mm)の面中央部を通るように面に垂直に試験片をカッターで切断し、その断面を観察して以下の基準で評価した。
[評価基準]
○:断面が均一で良好(帯電防止剤を含有しない熱可塑性樹脂と同等)
×:断面が層状で不均一
Claims (7)
- 疎水性ポリマー(a)のブロックと、結晶化温度が25℃以下であるオキシエチレン基含有ポリマー(b)のブロックとを構成単位とするブロックポリマー(A)を含有してなり、(A)の重量に基づくオキシエチレン基の割合が50〜80重量%である帯電防止剤(Z)。
- (A)が下記の(A1)及び/又は(A2)である請求項1に記載の帯電防止剤。
(A1):(a)がポリアミド(a1)であって、(a1)と、(b)を反応させて得られるポリエーテルエステルアミド。
(A2):(a)がポリオレフィン(a2)であって、(a2)のブロックと、(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合、ウレタン結合及びウレア結合からなる群から選ばれる1種以上の結合を介して結合した構造を有するブロックポリマー。 - 更に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩、4級アンモニウム塩、界面活性剤、イオン性液体及び相溶化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の帯電防止性向上剤(B)を含有させてなる請求項1又は2に記載の帯電防止剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止剤を熱可塑性樹脂(C)に含有させてなる帯電防止性樹脂組成物。
- 更に、着色剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、相溶化剤及び充填剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(D)を含有させてなる請求項4に記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 請求項4又は5に記載の帯電防止性樹脂組成物を成形してなる帯電防止性樹脂成形品。
- 請求項6に記載の成形品に塗装及び/又は印刷を施してなる成形物品。
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