JP6875969B2 - ポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤 - Google Patents
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Description
本発明における誘電加熱特性とは、物体が高周波電界の中で、誘電損失による発熱が原因で、物体が加熱される性質を意味し、後述する誘電加熱後の溶着性で評価されるものである。
従来、ポリオレフィンに誘電加熱特性を有する方法としては、ポリオレフィン系樹脂にカーボンブラックを配合する方法(例えば、特許文献1参照)等の提案がある。
本発明の目的は、機械的強度や外観を損なうことなく、ポリオレフィン樹脂に対して優れた誘電加熱特性を付与するポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤を提供することにある。
(1)本発明のポリオレフィン用誘電加熱性付与剤(Z)は、本来の機械的強度(機械物性)を損なうことなくポリオレフィン樹脂に優れた誘電加熱特性(誘電加熱性)を付与する。
(2)本発明の誘電加熱性付与剤(Z)を含有してなる誘電加熱用ポリオレフィン樹脂組成物(X)の成形品は、優れた誘電加熱特性を有し、良好な外観を有する。
本発明におけるポリマー(a)は、1×1011Ω・cmを超える体積固有抵抗値を有する。ポリマー(a)は、具体的には、ポリアミド(a1)、ポリオレフィン(a2)及びポリアミドイミド(a3)等が挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。(a)の内、誘電加熱特性の観点から好ましいのは、ポリアミド(a1)及びポリオレフィン(a2)、更に好ましいのはポリオレフィン(a2)である。
尚、本発明における体積固有抵抗値は、ASTM D257(1984年)に準拠し、23℃、50%RHの雰囲気下で測定して得られた数値のことである。
ラクタム(α1−1)としては、炭素数4〜20のラクタム(カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタム等)等が挙げられる。
アミノカルボン酸(α1−2)としては、炭素数2〜20のアミノカルボン酸(ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸及びこれらの混合物等)等が挙げられる。
これらの内、変性の容易さ及び樹脂混合後の着色を抑制する観点から好ましいのは、末端にカルボキシル基を有する(a2−1)及び(a2−5)である。
尚、本発明における末端とは、ポリマーを構成するモノマー単位の繰り返し構造が途切れる終端部を意味する。また、両末端とは、ポリマーの主鎖における両方の末端を意味し、片末端とは、ポリマーの主鎖におけるいずれか一方の末端を意味する。
これらの内、カルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基を導入する際の変性のし易さ及び入手のし易さの観点から好ましいのは、減成されたポリオレフィン(減成ポリオレフィン)であり、更に好ましいのは熱減成されたポリオレフィン(熱減成ポリオレフィン)である。
前記熱減成によれば、後述の通り1分子当たりの平均末端二重結合数が1.5〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られ、前記低分子量ポリオレフィンはカルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基等を導入して変性することが容易である。
装置(一例):「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSKgelGMHXL」(2本)
「TSKgelMultiporeHXL−M」(1本)
試料溶液:0.3重量%のオルトジクロロベンゼン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:135℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
ここでMFRとは、樹脂の溶融粘度を表す数値であり、数値が大きいほど溶融粘度が低いことを表す。MFRの測定には、JIS K 6760で定められた押出し形プラストメータを用い、測定方法はJIS K 7210(1976年)で規定した方法に準拠する。例えばポリプロピレンの場合は、230℃、荷重2.16kgfの条件で測定される。
炭素数2〜30のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−イコセン及び1−テトラコセン等が挙げられる。
炭素数4〜30のジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン及び1,11−ドデカジエン等が挙げられる。
炭素数2〜30のオレフィンの内、分子量制御の観点から好ましいのは、エチレン、プロピレン、炭素数4〜12のα−オレフィン、ブタジエン、イソプレン及びこれらの混合物であり、更に好ましいのは、エチレン、プロピレン、炭素数4〜10のα−オレフィン、ブタジエン及びこれらの混合物、特に好ましいのはエチレン、プロピレン、ブタジエン及びこれらの混合物である。
(a2−01)中の末端二重結合の数は、成形品の誘電加熱性の観点から好ましくは炭素数1,000個当たり1〜40個であり、更に好ましくは2〜30個、特に好ましくは4〜20個である。
(a2−02)の炭素数1,000個当たりの二重結合数は、成形品の誘電加熱性及びブロックポリマー(A)の分子量制御の観点から、好ましくは0.3〜20個であり、更に好ましくは0.5〜15個、特に好ましくは0.7〜10個、最も好ましくは0.7〜7個である。
(a2−02)の内、変性のしやすさの観点から好ましいのは、熱減成法により得られた低分子量ポリオレフィンであり、更に好ましいのは、熱減成法により得られたMnが3,000〜20,000のポリエチレン及び/又はポリプロピレンである。
熱減成法により低分子量ポリオレフィンを得る方法を用いると、Mnが6,000〜30,000の範囲で、1分子当たりの末端二重結合の平均数が1〜1.5個の(a2−02)が得られる。
熱減成法で得られた低分子量ポリオレフィンは、前記末端二重結合の平均数を有することから、カルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基等を導入して変性することが容易である。
変性に用いられるα,β−不飽和カルボン酸(無水物)としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、モノ又はジカルボン酸のアルキル(炭素数1〜4)エステル及びモノ又はジカルボン酸の無水物が挙げられ、具体的には(メタ)アクリル酸[(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタアクリル酸を意味する。以下同様。]、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、マレイン酸(無水物)、マレイン酸ジメチル、フマル酸、イタコン酸(無水物)、イタコン酸ジエチル及びシトラコン酸(無水物)等が挙げられる。
これらの内、変性の容易さの観点から好ましいのは、ジカルボン酸、モノ又はジカルボン酸のアルキルエステル及びモノ又はジカルボン酸の無水物であり、更に好ましいのは、マレイン酸(無水物)及びフマル酸、特に好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)による変性は、例えば、(a2−01)の末端二重結合に、溶液法又は溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を付加反応(エン反応)させることにより行うことができ、反応温度は、好ましくは170〜230℃である。
二次変性に用いるラクタムとしては、炭素数6〜12(好ましくは6〜8、更に好ましくは6)のラクタム等が挙げられ、具体的には、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタム等が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、炭素数2〜12(好ましくは4〜12、更に好ましくは6〜12)のアミノカルボン酸等が挙げられ、具体的には、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン及びフェニルアラニン等)、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸等が挙げられる。
ラクタム及びアミノカルボン酸の内で好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、グリシン、ロイシン、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸であり、更に好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸、特に好ましいのはカプロラクタム及び12−アミノドデカン酸である。
酸化法によるカルボニル基の導入は、公知の方法、例えば米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボニル基の導入は、公知を含む種々の方法、例えば、Macromolecules、VOl.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
(a2−1−4)は、(a2−1−3)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性することにより得ることができる。
ラクタム及びアミノカルボン酸としては、前記(a2−1−1)の二次変性に用いられるラクタム及びアミノカルボン酸として例示されたものと同様のものが挙げられ、好ましい範囲、使用量も同様である。
変性に使用できる水酸基を有するアミンとしては、炭素数2〜10の水酸基を有するアミンが挙げられ、具体的には2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノール及び3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノールが挙げられる。
これらの内、変性の容易さの観点から好ましいのは、炭素数2〜6の水酸基を有するアミン(2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール及び6−アミノヘキサノール等)であり、更に好ましいのは2−アミノエタノール及び4−アミノブタノール、特に好ましいのは2−アミノエタノールである。
(a2−2)の水酸基価は、(b)との反応性及びブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280mgKOH/gであり、更に好ましくは4〜100mgKOH/g、特に好ましくは5〜50mgKOH/gである。
ジアミン(Q1)としては、炭素数2〜12のジアミン等が使用でき、具体的には、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン及びデカメチレンジアミン等が挙げられる。
これらの内、変性の容易さの観点から好ましいのは、炭素数2〜8のジアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン及びオクタメチレンジアミン等)であり、更に好ましいのはエチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン、特に好ましいのはエチレンジアミンである。
尚、(Q1)による(a2−1)の変性は、ポリアミド(イミド)化を防止する観点から、(a2−1)の重量に基づいて、好ましくは0.5〜1,000重量%、更に好ましくは1〜500重量%、特に好ましくは2〜300重量%の(Q1)を使用した後、未反応の(Q1)を減圧下、120〜230℃で除去する方法が好ましい。
PIとしては、炭素数(NCO基中の炭素原子を除く、以下同様。)6〜20の芳香族PI、炭素数2〜18の脂肪族PI、炭素数4〜15の脂環式PI、炭素数8〜15の芳香脂肪族PI、これらのPIの変性体及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。
PIの内で好ましいのは、TDI、MDI及びHDIであり、更に好ましいのはHDIである。
PIと(a2−2)とのモル当量比(NCO/OH)は、好ましくは1.8/1〜3/1であり、更に好ましくは2/1である。
ウレタン化反応を促進するために、必要によりウレタン化反応に用いられる公知の触媒を使用してもよい。触媒としては、金属触媒{錫触媒[ジブチルチンジラウレート及びスタナスオクトエート等]、鉛触媒[2−エチルヘキサン酸鉛及びオクテン酸鉛等]、その他の金属触媒[ナフテン酸金属塩(ナフテン酸コバルト等)及びフェニル水銀プロピオン酸塩等]};アミン触媒{トリエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等〕、ジアルキルアミノアルキルアミン(ジメチルアミノエチルアミン及びジメチルアミノオクチルアミン等)、複素環式アミノアルキルアミン[2−(1−アジリジニル)エチルアミン及び4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]の炭酸塩又は有機酸(ギ酸等)塩、N−メチル又はエチルモルホリン、トリエチルアミン及びジエチル−又はジメチルエタノールアミン等};及びこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
触媒の使用量は、PI及び(a2−2)の合計重量に基づいて、好ましくは3重量%以下であり、好ましくは0.001〜2重量%である。
分子量調整剤の使用量は、アミド形成性モノマー及び分子量調整剤の合計重量に基づいて、誘電加熱性及び成形品の耐熱性の観点から、好ましくは2〜80重量%であり、更に好ましくは4〜75重量%である。
本発明におけるポリマー(b)は、1×105〜1×1011Ω・cmの体積固有抵抗値を有し、(b)が有する体積固有抵抗値は更に好ましくは1×106〜1×109Ω・cm、特に好ましくは1×106〜1×108Ω・cmである。
体積固有抵抗値が1×105Ω・cm未満のものは実質的に入手が困難であり、1×1011Ω・cmを超えると後述する成形品の誘電加熱性が低下する。
ポリマー(b)は、具体的には、ポリエーテル(b1)、ポリエーテル含有ポリマー(b2)、カチオン性ポリマー(b3)及びアニオン性ポリマー(b4)等が挙げられる。
ポリエーテルジオール(b1−1)としては、ジオール(b0)にアルキレンオキサイド(以下AOと略記する。)を付加反応させることにより得られるものが挙げられ、具体的には一般式(1)で表されるものが挙げられる。
H−(OR1)m−O−E1−O−(R2O)n−H (1)
ジオール(b0)としては、炭素数2〜12の脂肪族2価アルコール、炭素数5〜12の脂環式2価アルコール、炭素数6〜18の芳香脂肪族族2価アルコール、炭素数6〜18の2価フェノール及び3級アミノ基含有ジオール等が挙げられる。
炭素数5〜12の脂環式2価アルコールとしては、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,5−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘプタン等が挙げられる。
炭素数6〜18の芳香脂肪族2価アルコールとしては、m−又はp−キシリレンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン及びビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等が挙げられる。
3級アミノ基含有ジオールとしては、炭素数1〜12の脂肪族又は脂環式1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、シクロプロピルアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、ペンチルアミン、イソペンチルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン及びドデシルアミン等)のビスヒドロキシアルキル化物及び炭素数6〜12の芳香族1級アミン(アニリン及びベンジルアミン等)のビスヒドロキシアルキル化物が挙げられる。
一般式(1)におけるm及びnは、それぞれ独立に1〜300の数であり、好ましくは2〜250、更に好ましくは10〜100である。
一般式(1)におけるm、nがそれぞれ2以上の場合のR1及びR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、(OR1)m、(R2O)n部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
AOとしては、炭素数2〜4のAO[エチレンオキサイド(以下EOと略記する。)、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−、1,4−、2,3−又はブチレンオキサイド及びこれらの2種以上の併用系]が好適に用いられるが、必要により他のAO[炭素数5〜12のα−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド及びエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)等]を少量の割合(AOの全重量に基づいて30重量%以下)で併用することもできる。
2種以上のAOを併用するときの結合形式は、ランダム結合、ブロック結合のいずれでもよい。AOとして好ましいのは、EO単独及びEOと他のAOとの併用である。
一般式(1)で表されるポリエーテルジオール(b1−1)の重量に基づく、(OR1)m及び(R2O)nの含有率は、好ましくは5〜99.8重量%であり、更に好ましくは8〜99.6重量%、特に好ましくは10〜98重量%である。
一般式(1)における(OR1)m及び(R2O)nの重量に基づくオキシエチレン基の含有率は、好ましくは5〜100重量%であり、更に好ましくは10〜100重量%、特に好ましくは50〜100重量%、最も好ましくは60〜100重量%である。
H2N−R3−(OR4)p−O−E2−O−(R5O)q−R6−NH2 (2)
一般式(2)におけるR3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に炭素数2〜12のアルキレン基であり、一般式(1)におけるR1及びR2として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
一般式(2)におけるp及びqは、それぞれ独立に1〜300の数であり、好ましくは2〜250、更に好ましくは10〜100である。
一般式(2)におけるp、qがそれぞれ2以上の場合のR4、R5は、同一でも異なっていてもよく、(OR4)p、(R5O)n部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
アミノカルボン酸変性物は、(b1−1)又は(b1−2)と、アミノカルボン酸又はラクタムとを反応させることにより得ることができる。
イソシアネート変性物は、(b1−1)又は(b1−2)と、ポリイソシアネートとを反応させるか、(b1−2)とホスゲンとを反応させることにより得ることができる。
エポキシ変性物は、(b1−1)又は(b1−2)と、ジエポキシド(ジグリシジルエーテル、ジグリシジルエステル及び脂環式ジエポキシド等のエポキシ樹脂:エポキシ当量85〜600)とを反応させるか、(b1−1)とエピハロヒドリン(エピクロロヒドリン等)とを反応させることにより得ることができる。
(a1’)としては、前記ラクタム(α1−1)の開環重合体、前記アミノカルボン酸(α1−2)の重縮合体及び前記ジアミン(β)とジカルボン酸(γ)とのポリアミド等が挙げられる。
(a1’)の内、誘電加熱性の観点から好ましいのは、カプロラクタムの開環重合体、12−アミノドデカン酸の重縮合体及びアジピン酸とヘキサメチレンジアミンとのポリアミドであり、更に好ましいのはカプロラクタムの開環重合体である。
(a3)としては、ラクタム(α1−1)と、前記の少なくとも1個のイミド環を形成し得る3価又は4価の芳香族ポリカルボン酸(δ)とからなる重合体、アミノカルボン酸(α1−2)と(δ)とからなる重合体、ポリアミド(a1’)と(δ)とからなる重合体及びこれらの混合物が挙げられる。
(Q)としては、ジカルボン酸(γ)とジオール(b0)とのポリエステルが挙げられる。
ポリエーテルアミド(b2−4)としては、ポリアミド(a1)とポリエーテルジアミン(a212)とから構成されるものが挙げられる。
ポリエーテルウレタン(b2−5)としては、前記PIの内のジイソシアネートと、ポリエーテルジオール(b1−1)又はポリエーテルジアミン(b1−2)及び必要により鎖伸長剤[前記ジオール(b0)及びジアミン(β)等]とから構成される。
(b2)におけるオキシエチレン基の含有率は、誘電加熱性及び成形性の観点から、(b2)の重量に基づいて好ましくは30〜80重量%であり、更に好ましくは40〜70重量%である。
非イオン性分子鎖としては、2価の炭化水素基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、イミノ結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合及びシロキシ結合からなる群から選ばれる1種以上の基を有する2価の炭化水素基、並びに窒素原子又は酸素原子を有する複素環構造を有する炭化水素基等が挙げられる。
カチオン性基としては、4級アンモニウム塩又はホスホニウム塩を有する基が挙げられる。4級アンモニウム塩又はホスホニウム塩を形成する対アニオンとしては、超強酸アニオン及びその他のアニオン等が挙げられる。
超強酸アニオンとしては、プロトン酸とルイス酸との組み合わせから誘導される超強酸(四フッ化ホウ酸及び六フッ化リン酸等)のアニオン及びトリフルオロメタンスルホン酸等のアニオンが挙げられる。
その他のアニオンとしては、ハロゲンイオン(F-、Cl-、Br-及びI-等)、OH-、PO4 -、CH3OSO4 -、C2H5OSO4 -及びClO4 -等が挙げられる。
超強酸を誘導する上記プロトン酸としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素及びヨウ化水素等が挙げられる。
ルイス酸としては、三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素及び五フッ化タンタル等が挙げられる。
(b3)1分子中のカチオン性基の数は、好ましくは2〜80個であり、更に好ましくは3〜60個である。
(γ’)としては、前記ジカルボン酸(γ)にスルホニル基を導入したものが挙げられ、スルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸、スルホニル基を有する脂肪族ジカルボン酸及びスルホニル基のみが塩となったスルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
スルホニル基を有する脂肪族ジカルボン酸としては、スルホコハク酸及びそのエステル形成性誘導体[アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル及びエチルエステル等)及び酸無水物等]が挙げられる。
これらの内で好ましいのは、スルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸であり、更に好ましいのは5−スルホイソフタル酸塩、特に好ましいのは5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩及び5−スルホイソフタル酸カリウム塩である。
(b4)の製法としては、公知のポリエステルの製法がそのまま適用できる。ポリエステル化反応は、減圧下150〜240℃の温度範囲で行われ、反応時間は好ましくは0.5〜20時間である。また、必要により公知のエステル化反応に用いられる触媒を用いてもよい。エステル化触媒としては、アンチモン触媒(三酸化アンチモン等)、錫触媒(モノブチル錫オキサイド及びジブチル錫オキサイド等)、チタン触媒(テトラブチルチタネート等)、ジルコニウム触媒(テトラブチルジルコネート等)及び酢酸金属塩触媒(酢酸亜鉛等)等が挙げられる。
(b)の数平均分子量(Mn)は、誘電加熱性及び機械物性の観点から、好ましくは500〜20,000、更に好ましくは700〜18,000、特に好ましくは1,000〜15,000、とりわけ好ましくは1,200〜8,000、最も好ましくは2,000〜4,000である。
本発明におけるブロックポリマー(A)は、前記ポリマー(a)のブロックと、ポリマー(b)のブロックとを構成単位として含む。
(A1):(a)がポリアミド(a1)であり、(b)がポリエーテル(b1)又はポリエーテル含有ポリマー(b2)であって、(a1)と、(b1)及び/又は(b2)を反応させて得られるポリエーテルエステルアミド。
(A2):(a)がポリオレフィン(a2)であって、(a2)のブロックと、ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合、ウレタン結合及びウレア結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して結合した構造を有するブロックポリマー。
ブロックポリマー(A)の構造としては、誘電加熱特性及び機械物性の観点から(a)と(b)とが繰り返し交互に結合した[(a)−(b)]n型のものが好ましい。
[(a)−(b)]n型の構造におけるnは、誘電加熱特性及び成形品の機械特性、樹脂へのアンカー効果の観点から、好ましくは2〜50であり、更に好ましくは2.3〜30、特に好ましくは2.7〜20、最も好ましくは3〜10である。nは、ブロックポリマー(A)、(a)及び(b)のMn並びに1H−NMR分析により求めることができる。
上記結合を形成するために必要な反応性基を有する(a)と(b)とを選定して反応容器に投入し、撹拌下、反応温度100〜250℃、圧力0.003〜0.1MPaで、アミド化反応、エステル化反応又はイミド化反応で生成する水(以下生成水と略記する。)を反応系外に除去しながら、1〜50時間反応させる方法が挙げられる。(a)と(b)の重量比は、誘電加熱性及び耐水性の観点から、10/90〜80/20であり、更に好ましくは20/80〜75/25である。
(1)水と相溶しない有機溶媒(例えばトルエン、キシレン及びシクロヘキサン等)を使用して、還流下、有機溶媒と生成水とを共沸させて、生成水のみを反応系外に除去する方法。
(2)反応系内にキャリアガス(例えば空気、窒素、ヘリウム、アルゴン及び二酸化炭素等)を吹き込み、キャリアガスと共に生成水を反応系外に除去する方法。
(3)反応系内を減圧にして生成水を反応系外に除去する方法。
上記結合を形成するために必要な反応性基を有する(a)と(b)とを選定下後、(a)を反応容器に投入し、撹拌下30〜100℃に加温した後(b)を投入し、同温度で1〜20時間反応させる方法が挙げられる。(a)と(b)の重量比は、誘電加熱性及び耐水性の観点から、10/90〜80/20であり、更に好ましくは20/80〜75/25である。
本発明のポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z)は、前記ブロックポリマー(A)を含有してなる。
(Z)は、後述のポリオレフィン樹脂(Y)用の誘電加熱性付与剤として好適に使用できる。
誘電加熱性付与剤(Z)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に誘電加熱性向上剤(C)を含有させることができる。
誘電加熱性向上剤(C)としては、融点が25℃を超えるアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩(C1)、融点が25℃を超える4級アンモニウム塩(C2)、融点が25℃以下のイオン性液体(C3)及び無機酸化物(C4)等が挙げられる。(C1)〜(C4)は2種以上を併用してもよい。
(C4)の体積平均粒子径は、好ましくは2nm〜5μm、更に好ましくは5nm〜2μm、特に好ましくは10nm〜300nmである。
(C1)〜(C4)を2種以上を併用した場合の(C)の合計含有率は、誘電加熱性及び樹脂表面に析出せず良好な外観の成形品を与える観点から、(Z)の重量に基づいて、好ましくは0.01〜20重量%、更に好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.5〜3重量%である。
本発明の誘電加熱用ポリオレフィン樹脂組成物(X)は、本発明のポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z)と、ポリオレフィン樹脂(Y)とを含有してなる。
(Y)の内、好ましいのは、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレン(PE)である。
ポリオレフィン樹脂(Y)の重量に基づく(E1)の含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.1〜3重量%であり、更に好ましくは0.2〜2重量%である。
ポリオレフィン樹脂(Y)の重量に基づく(E2)、(E3)及び(E5)のそれぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.01〜3重量%であり、更に好ましくは0.05〜1重量%である。
ポリオレフィン樹脂(Y)の重量に基づく(E4)及び(E6)のそれぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.5〜20重量%であり、更に好ましくは1〜10重量%である。
ポリオレフィン樹脂(Y)の重量に基づく(E7)及び(E8)のそれぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.5〜10重量%であり、更に好ましくは1〜5重量%である。
溶融混合時の各成分の添加順序には特に制限はないが、例えば、
[1](Z)を溶融混合した後、(Y)及び必要により(E)を一括投入して溶融混合する方法。
[2](Z)を溶融混合した後、(Y)の一部をあらかじめ溶融混合して(Z)の高濃度組成物(マスターバッチ樹脂組成物)を作製した後、残りの(Y)及び必要に応じて(E)を溶融混合する方法(マスターバッチ法又はマスターペレット法)。
等が挙げられる。
[2]の方法におけるマスターバッチ樹脂組成物中の(Z)の濃度は、好ましくは40〜80重量%であり、更に好ましくは50〜70重量%である。
[1]及び[2]の方法の内、(Z)を(Y)に効率的に分散させやすいという観点から、[2]の方法が好ましい。
本発明の誘電加熱用成形品は、誘電加熱用ポリオレフィン樹脂組成物(X)を成形したものである。成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形及びフィルム成形(キャスト法、テンター法及びインフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形又は発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形できる。
[ポリアミド(a1−1)の製造]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、ε−カプロラクタム173部、テレフタル酸33.2部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]0.4部及び水10部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら220℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2〜0.3MPa)で4時間撹拌し、両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a1−1)得た。(a1−1)の酸価は111mgKOH/g、Mnは1,000、体積固有抵抗値は1×1012Ω・cmであった。
[カルボキシル基を両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1α)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン[ポリプロピレン(MFR:10g/10min)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,400、炭素数1,000個当たりの二重結合数:7.0、1分子当たりの二重結合の平均数:1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:90重量%]90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1α)95部を得た。(a2−1−1α)の酸価は27.5mgKOH/g、Mnは3,600、体積固有抵抗値は1×1018Ω・cmであった。
[(a2−1−1α)を二次変性して得られたポリオレフィン(a2−1−2)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−1α)88部及び12−アミノドデカン酸12部を投入し、均一に混合後、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃まで昇温し、同温度で減圧下(0.013MPa以下)3時間反応させ、(a2−1−1α)を二次変性して得られたポリオレフィン(a2−1−2)96部を得た。(a2−1−2)の酸価は24.8mgKOH/g、Mnは4,000、体積固有抵抗値は1×1018Ω・cmであった。
[水酸基を両末端に有するポリオレフィン(a2−2)の製造]
製造例2において、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン90部及び無水マレイン酸10部を、熱減成法で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体94部及び無水マレイン酸6部に変更した以外は製造例2と同様にして、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1β)98部を得た。(a2−1−1β)の酸価は9.9mgKOH/g、Mnは10,200であった。尚、前記の熱減成法で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体(Mn:10,000、炭素数1,000個当たりの二重結合数:2.5、1分子当たりの二重結合の平均数:1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:90重量%)は、エチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含有率:2重量%、MFR:10g/10min)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)、14分間熱減成して得られたものである。
次いで、製造例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−1β)97部及びエタノールアミン5部を投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら180℃に昇温し、同温度で2時間反応させた。過剰のエタノールアミンを減圧下(0.013MPa以下)、180℃で2時間かけて留去し、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−2)を得た。(a2−2)の水酸基価は9.9mgKOH/g、アミン価は0.01mgKOH/g、Mnは10,200、体積固有抵抗値は1×1018Ω・cmであった。
[アミノ基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a2−4)の製造]
製造例2において、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン90部及び無水マレイン酸10部を、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン80部及び無水マレイン酸20部に変更した以外は製造例2と同様にして、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1γ)92部を得た。(a2−1−1γ)の酸価は64.0mgKOH/g、Mnは1,700であった。尚、前記の熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn:1,500、炭素数1,000個当たりの二重結合数:17.8、1分子当たりの二重結合の平均数:1.94、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:98重量%)は、エチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含有率:3重量%、MFR:7g/10min)を410±0.1℃、18分間熱減成して得られたものである。
次いで、製造例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−1γ)90部及びビス(2−アミノエチル)エーテル10部を投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃に昇温し、同温度で2時間反応させた。過剰のビス(2−アミノエチル)エーテルを減圧下(0.013MPa以下)、200℃で2時間かけて留去し、アミノ基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a2−4)を得た。(a2−4)のアミン価は64.0mgKOH/g、Mnは1,700、体積固有抵抗値は1×1018Ω・cmであった。
[カチオン性ポリマー(b3)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、N−メチルジエタノールアミン41部、アジピン酸49部及び酢酸ジルコニル0.3部を投入し、窒素置換後、2時間かけて220℃まで昇温し、1時間かけて0.013MPaまで減圧してポリエステル化反応させた。反応終了後、50℃まで冷却し、メタノール100部を加えて溶解した。撹拌しながら反応容器中の温度を120℃に保ち、炭酸ジメチル31部を3時間かけて滴下し、同温度で6時間熟成させた。室温まで冷却後、60重量%ヘキサフルオロリン酸水溶液100部を加え、室温で1時間撹拌した。次いでメタノールを減圧留去し、1分子内に4級アンモニウム基を平均12個有するカチオン性ポリマー(b3)(水酸基価:30.1mgKOH/g、酸価:0.5mgKOH/g、Mn:3,800、体積固有抵抗値:1×105Ω・cm)を得た。
[アニオン性ポリマー(b4α)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、ジエチレングリコール114部、5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルのナトリウム塩268部及びジブチル錫オキサイド0.2部を投入し、0.067MPaの減圧下で190℃まで昇温し、メタノールを留去しながら同温度で6時間エステル交換反応させ、1分子内にスルホン酸ナトリウム塩基を平均6個有するアニオン性ポリマー(b4α)(水酸基価は49mgKOH/g、酸価は0.6mgKOH/g、Mn:2,300、体積固有抵抗値は3×108Ω・cm)を得た。
製造例1と同様の耐圧反応容器に、PEG(Mn:300)67部、5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルのナトリウム塩49部及びジブチルスズオキシド0.2部を投入し、0.067MPaの減圧下で190℃まで昇温し、メタノールを留去しながら同温度で6時間エステル交換反応させ、1分子内にスルホン酸ナトリウム塩基を平均5個有するアニオン性ポリマー(b4β)(水酸基価:29.6mgKOH/g、酸価:0.4mgKOH/g、Mn:3,800、体積固有抵抗値:2×106Ω・cm)を得た。
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、(a1−1)199部及びビスフェノールAのEO付加物(Mn:4,000、体積固有抵抗値:2×107Ω・cm)780部及び酢酸ジルコニル0.6部を投入し、撹拌しながら240℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で6時間重合させて、ブロックポリマー(A1−1)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z―1)を得た。
尚、(A1−1)のMnは24,000であった。
実施例1と同様の耐圧反応容器に、(a1−1)143部、(b4α)320部及び酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部を投入し、撹拌しながら240℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で5時間重合させて、ブロックポリマー(A1−2)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z−2)を得た。
尚、(A1−2)のMnは21,000であった。
実施例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−1α)67.1部、ポリエーテルジアミン(b1−2)[α,ω−ジアミノPEG(Mn:2,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]32.9部、酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を投入し、撹拌しながら220℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で3時間重合させて、ブロックポリマー(A2−1)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z−3)を得た。
尚、(A2−1)のMnは50,000であった。
実施例3において、(a2−1−1α)67.1部及び(b1−2)32.9部を、(a2−1−2)60.1部及びポリエーテルジオール(b1−1α)[PEG(Mn:3,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]39.9部に変更した以外は、実施例3と同様にして、ブロックポリマー(A2−2)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z−4)を得た。
尚、(A2−2)のMnは30,000であった。
実施例3において、(a2−1−1α)67.1部及び(b1−2)32.9部を、(a2−2)48.0部、(b3)48.0部及びドデカン二酸4部に変更した以外は実施例3と同様にして、ブロックポリマー(A2−3)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z−5)を得た。
尚、(A2−3)のMnは100,000であった。
実施例3において、(a2−1−1α)67.1部及び(b1−2)32.9部を、(a2−4)31.6部、(b4β)68.4部及びドデカン二酸8部に変更した以外は実施例3と同様にして、ブロックポリマー(A2−4)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z−6)を得た。
尚、(A2−4)のMnは10,000であった。
実施例3において、(a2−1−1α)67.1部及び(b1−2)32.9部を、(a2−1−2)71.5部及びポリエーテルジオール(b1−1β)[ポリテトラメチレングリコール(Mn:1,800、体積固有抵抗値:1×1011Ω・cm)28.5部に変更した以外は実施例3と同様にして、ブロックポリマー(A2−5)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z−7)を得た。
尚、(A2−5)のMnは40,000であった。
実施例3において、(a2−1−1α)67.1部及び(b1−2)32.9部を、(a2−2)48.0部、(b3)48.0部及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)3部に変更した以外は実施例3と同様にして、ブロックポリマー(A2−6)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z−8)を得た。
尚、(A2−6)のMnは100,000であった。
実施例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−2)60.1部、ポリエーテルジオール(b1−1α)[PEG(Mn:3,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]39.9部、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(C−1)10部、酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を投入し、撹拌しながら220℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で3時間重合させて、ブロックポリマー(A2−7)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z−9)を得た。
尚、(A2−7)のMnは30,000であった。
実施例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−2)60.1部、ポリエーテルジオール(b1−1α)[PEG(Mn:3,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]39.9部、ドデシルベンゼンスルホン酸エチルメチルイミダゾリウム(C−2)[融点:127℃]10部、酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を投入し、撹拌しながら220℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で3時間重合させて、ブロックポリマー(A2−8)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z−10)を得た。
尚、(A2−8)のMnは30,000であった。
実施例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−2)60.1部、ポリエーテルジオール(b1−1α)[PEG(Mn:3,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]39.9部、酸化チタン微粒子(C−3)[「CR−SUPER70」石原産業(株)製]10部、酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を投入し、撹拌しながら220℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で3時間重合させて、ブロックポリマー(A2−9)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z−11)を得た。
尚、(A2−9)のMnは30,000であった。
実施例3において、(a2−1−1α)67.1部及び(b1−2)32.9部を、(a2−1−2)25部及びポリエーテルジオール(b1−1α)[PEG(Mn:3,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]475部に変更した以外は、実施例3と同様にして、ブロックポリマー(A2−10)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z−12)を得た。
尚、(A2−10)のMnは15,000であった。
実施例3において、(a2−1−1α)67.1部及び(b1−2)32.9部を、(a2−1−2)425部及びポリエーテルジオール(b1−1α)[PEG(Mn:3,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]75部に変更した以外は、実施例3と同様にして、ブロックポリマー(A2−11)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z−13)を得た。
尚、(A2−11)のMnは20,000であった。
実施例3において、(a2−1−1α)67.1部、(b1−2)32.9部を、(a2−1−1α)80部、(b1−2)20部に変更した以外は、実施例3と同様にして、ブロックポリマー(A2−12)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z−14)を得た。
尚、(A2−12)のMnは25,000であった
実施例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−2)60.1部、ポリエーテルジオール(b1−1α)[PEG(Mn:3,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]39.9部、1−エチル−3―メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスフォニル)イミド塩(C−4)[融点:−17℃]10部、酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を投入し、撹拌しながら220℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で3時間重合させて、ブロックポリマー(A2−13)を含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z−15)を得た。
尚、(A2−13)のMnは30,000であった。
市販のカーボンブラック[商品名「デンカブラック」デンカ(株)製]を、そのまま用いて、比較のためのポリオレフィン用誘電加熱性付与剤(比Z−1)とした。
表1に示す配合組成(部)に従って、配合成分をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、100rpm、220℃、滞留時間5分の条件で溶融混練して、各誘電加熱用ポリオレフィン樹脂組成物(X)を得た。得られた誘電加熱用ポリオレフィン樹脂組成物(X)について、以下の性能試験を行った結果を表1に示す。
(Y−1):PP樹脂[「PM771M」、サンアロマー(株)製]
(Y−2):PE樹脂[低密度ポリエチレン「NUC8321」、ダウ・ケミカル(株)製]
(1)誘電加熱特性
各誘電加熱用ポリオレフィン樹脂組成物について、T型ダイを備えた押出機[ラボプラストミル2D20C、(株)東洋精機製作所製]を用い、シリンダー温度230℃の条件で溶融押出し、20℃の冷却ロールで急冷することにより厚さ0.2mmの押出成形シートを得た。
得られたシートについて、下記の誘電加熱条件で、高周波ウェルダー[山本ビニター(株)製「YTO−5A」]にて2枚重ねにしたシート(各厚さ0.2mm)に高周波を与え、誘電加熱(高周波)シールして成形物品を得た。
<誘電加熱条件>
・金型:10mm×100mm
・周波数:40.46MHz
・出力:5kW
・陽極電流:0.22A
・溶着時間:0.5秒
・定盤温度:30℃
上記で得られた成形物品について、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
<評価基準>
◎:180度剥離試験で剥がれず
○:シール部位の全面(シール部位面積の9割以上)が溶着していることを目視確認
△:一部(シール部位面積1割以上〜9割未満)溶着を目視確認
×:溶着せず(シール部位面積1割未満)を目視確認
××:焼けが発生し、外観不良になったことを目視確認
各誘電加熱用ポリオレフィン樹脂組成物について、射出成形機[「PS40E5ASE」、日精樹脂工業(株)製]を用い、シリンダー温度230℃、金型温度50℃で成形試験片を作製して、ASTM D256 Method A(ノッチ付き、3.2mm厚)に準拠してアイゾット衝撃強度(単位:J/m)を測定した。
各誘電加熱用ポリオレフィン樹脂組成物について、T型ダイを備えた押出機[ラボプラストミル2D20C、(株)東洋精機製作所製]を用い、シリンダー温度230℃の条件で溶融押出し、20℃の冷却ロールで急冷することにより厚さ0.2mmの押出成形シートを得た。得られた押出し成形シートについて、表面外観について、試験片(縦100mm×横100mm×厚さ2mm)の表面の外観を目視で観察して、以下の基準で評価した。
<評価基準>
○:異常なく良好(誘電加熱性付与剤を含有しない熱可塑性樹脂と同等)
×:表面荒れ、フクレ等が認められる
Claims (11)
- 体積固有抵抗値が1×1011Ω・cmを超えるポリマー(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmであるポリマー(b)のブロックとを構成単位として含むブロックポリマー(A)と、融点が25℃を超える4級アンモニウム塩(C2)とを含有してなるポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z)。
- 前記ブロックポリマー(A)が下記の(A1)及び/又は(A2)である請求項1記載のポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤。
(A1):(a)がポリアミド(a1)であり、(b)がポリエーテル(b1)及び/又はポリエーテル含有ポリマー(b2)であって、(a1)と、(b1)及び/又は(b2)とが反応した構造を有するポリエーテルエステルアミド。
(A2):(a)がポリオレフィン(a2)であって、(a2)のブロックと、ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合、ウレタン結合及びウレア結合からなる群から選ばれる1種以上の結合を介して結合した構造を有するブロックポリマー。 - 前記ブロックポリマー(A)を構成する(a)のブロックと、(b)のブロックの重量比[(a)/(b)]が、10/90〜80/20である請求項1又は2記載のポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤。
- 前記ブロックポリマー(A)の数平均分子量が2,000〜1,000,000である請求項1〜3のいずれか記載のポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤。
- 前記ポリマー(a)の数平均分子量が200〜25,000である請求項1〜4のいずれか記載のポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤。
- 前記ポリマー(b)の数平均分子量が500〜20,000である請求項1〜5のいずれか記載のポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤。
- 融点が25℃を超える4級アンモニウム塩(C2)が、アミジニウムと、有機酸又は無機酸との塩である請求項1〜6のいずれか記載のポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤。
- 請求項1〜7のいずれか記載のポリオレフィン樹脂用誘電加熱性付与剤(Z)と、ポリオレフィン樹脂(Y)とを含有してなる誘電加熱用ポリオレフィン樹脂組成物(X)。
- 前記(Z)と(Y)の重量比[(Z)/(Y)]が、1/99〜50/50である請求項8記載の誘電加熱用ポリオレフィン樹脂組成物。
- 請求項8又は9記載の誘電加熱用ポリオレフィン樹脂組成物(X)を成形した誘電加熱用成形品。
- 請求項10記載の成形品を誘電加熱した成形物品。
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