JP2004224944A - 高周波接着性に優れた熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高周波による接着性に優れ、柔軟でかつ環境負荷の少なく、さらに成形物にした場合、平滑な表面を付与する熱可塑性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(a)炭素原子および水素原子から構成される熱可塑性樹脂、(b)ポリオレフィンブロックと親水基ポリマーのブロックとが交互に結合した構造を有するブロックポリマーおよび(c)エーテル含有エステル化合物またはポリアルキレンオキシドポリオールに溶解した電解質リチウム塩からなり、重量比が(a):(b):(c)=100:(2〜100):(0.05〜10)で、かつJIS K6253 タイプAデュロメータ硬さが90以下である熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(a)炭素原子および水素原子から構成される熱可塑性樹脂、(b)ポリオレフィンブロックと親水基ポリマーのブロックとが交互に結合した構造を有するブロックポリマーおよび(c)エーテル含有エステル化合物またはポリアルキレンオキシドポリオールに溶解した電解質リチウム塩からなり、重量比が(a):(b):(c)=100:(2〜100):(0.05〜10)で、かつJIS K6253 タイプAデュロメータ硬さが90以下である熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波による接着性に優れ、柔軟で、かつ環境負荷が少なく、さらに成形物にした場合、平滑な表面を付与する熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両材料、建築材料、電気製品、日用品、その他のあらゆる分野においてプラスチック製品が広く使用されている。中でも、文具、各種容器やケース、包装用フィルム、農業用フィルムなど、軟質材を高周波接着する二次加工を必要とする場合が見られる。そのような軟質の熱可塑性樹脂組成物としては、例えば、高周波性接着適正に優れた塩化ビニル系樹脂が一般的に使用されていた。しかし、塩化ビニル系樹脂は成形・加工が容易で、かつ安価であるが、廃棄物を焼却処分する際に、塩素を含有しているために有毒なガスを発生する可能性があり、分別や処理に手間と費用がかかるという問題点がある。そこで、環境に優しいオレフィン共重合体、スチレン系エラストマーやオレフィン系のエラストマーなどの軟質の熱可塑性樹脂が用いられるが、極性基を有していないため、ポリアミド系樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合体などを添加する場合が多い。また、フィルム形状のものは、ポリアミド系樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合体のフィルムを積層し高周波接着性を発現させていた。しかし、費用や手間がかかったり、十分な高周波接着性が得られない場合が多い(特許文献1〜3)。また、高周波接着可能な軟質プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体組成物が提供されているが、特殊な軟質プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体を使用しなければならない制限があった(特許文献4)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−095553公報([0009]〜[0010])
【特許文献2】
特開2002−011839公報([0023]〜[0024])
【特許文献3】
特開平11−198312号公報([0010]〜[0013])
【特許文献4】
特開平09−263679号公報([請求項1〜4])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術のかかる状況に鑑み、高周波による接着性に優れ、柔軟でかつ環境負荷の少なく、さらに成形物にした場合、平滑な表面を付与する熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、(a)炭素原子および水素原子から構成される熱可塑性樹脂、(b)ポリオレフィンブロックと親水基ポリマーのブロックとが交互に結合した構造を有するブロックポリマー、(c)エーテル含有エステル化合物またはポリアルキレンオキシドポリオールに溶解した電解質リチウム塩からなり、重量比が(a):(b):(c)=100:(2〜100):(0.05〜10)で、かつJIS K6253 タイプAデュロメータ硬さが90以下である熱可塑性樹脂組成物を提供することによって達成される。
【0006】
【発明実施の形態】
本発明において(a)成分としては、オレフィン共重合体(イ)、水素添加ブロック共重合体を主体とした熱可塑性エラストマー(ロ)、および、オレフィン系エラストマー(ハ)が有用なものとして挙げられる。このうちとくに水素添加ブロック共重合体を主体とした熱可塑性エラストマー(ロ)が有用である。
【0007】
オレフィン系共重合体(イ)としては、エチレン単位と炭素数が4以上のα−オレフィン単位からなり、両者のモル比がエチレン単位/炭素数が4以上のα−オレフィン単位=55/45〜99/1であるオレフィン系共重合体が好適である。
【0008】
オレフィン系共重合体を構成する炭素数が4以上のα−オレフィン単位としては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−オクタデセンなどのα−オレフィン単位から誘導される構成単位が挙げられる。これらの中でも、炭素数が4〜10のα−オレフィンから誘導される構成単位がより好ましく、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンから誘導される構造単位が特に好ましい。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0009】
ここで、オレフィン系共重合体の具体例を示せば、例えば、エチレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−ヘキセンランダム共重合体、エチレン−オクテンランダム共重合体、エチレン−デセンランダム共重合体、エチレン−4−メチルペンテンランダム共重合体が挙げられる。これらの中でも、エチレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−ヘキセンランダム共重合体、エチレン−オクテンランダム共重合体が好ましい。
これらのオレフィン系共重合体は、メタロセン触媒を用いて重合して得られたものが最適である。メタロセン触媒(シングルサイト触媒、カミンスキー触媒ともいう)とは、メタロセン系遷移金属錯体と有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、無機物に担持されて使用されることもある。
【0010】
具体的なオレフィン系共重合体として、例えばデュポン ダウ エラストマー社製の「アフィニティー(AFFINITY)」、「エンゲージ(ENGAGE)」(いずれも商品名)、エクソン・ケミカル社製の「イグザクト(EXACT)」(商品名)、住友化学工業社製の「エスプレン(ESPRENE)SPO(商品名)のNシリーズ」などの市販のものを使用することができる。
【0011】
本発明において使用する水素添加ブロック共重合体を主体とした熱可塑性エラストマー(ロ)の水素添加ブロック共重合体とは、分子中にビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを2個以上有し、かつ、共役ジエン化合物からなる重合体ブロックBを1個以上有するブロック共重合体を水素添加して得られる水素添加ブロック共重合体であり、例えば(A−B)m(mは2〜10の整数を表す)、(A−B)n−A(nは1〜10の整数を表す)、(A−B)m−X(Xはカップリング剤残基を表し、mは2〜10の整数を表す)等の構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を水素添加して得られる水素添加ブロック共重合体などが挙げられる。水素添加ブロック共重合体においては、ビニル芳香族化合物の含有率が5〜75重量%であることが好ましく、10〜65重量%であることがより好ましい。
【0012】
水素添加前のブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o,mまたはp−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。これらの中でも、スチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。ビニル芳香族化合物は、単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
また、水素添加前のブロック共重合体を構成する共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルー1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、イソプレン、1,3−ブタジエンまたはこれらの混合物が好ましい。共役ジエン化合物は、単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0013】
水素添加前のブロック共重合体における重合体ブロックBのミクロ構造は特に限定されない。例えば、重合体ブロックBがポリイソプレンからなるブロックである場合には、その1,4結合量が80%以上であることが望ましい。また、重合体ブロックBがポリブタジエンからなるブロックである場合には、その1,4結合量が40〜80%であることが望ましい。
該水素添加ブロック共重合体における重合体ブロックAと重合体ブロックBの結合様式は、線状あるいは分岐状、あるいはこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0014】
水素添加ブロック共重合体を製造する際、耐熱性、耐候性の観点から、水素添加前のブロック共重合体における共役ジエン化合物に由来する不飽和二重結合の70%以上を水素添加することが好ましい。水素添加ブロック共重合体における重合体ブロックB中の不飽和二重結合量は、ヨウ素化測定、赤外分光光度計、核磁気共鳴装置等により求められる。
【0015】
さらに、該水素添加ブロック共重合体は、本発明の趣旨を損なわない限り、分子鎖中に、または分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物、アミノ基、エポキシ基などの官能基を含有してもよい。
【0016】
上記した水素添加ブロック共重合体には、硬度調整などを目的として、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン樹脂、非芳香族系の鉱物油または非芳香族系の液体もしくは低分子量の合成軟化剤であるゴム用軟化剤のパラフィン系、ナフテン系プロセスオイルが好適に用いられる。上記した水素添加ブロック共重合体にこのような添加剤を配合したものを使用する場合は、これらの組成物を、本発明においては、水素添加ブロック共重合体を主体とした熱可塑性エラストマーという。このようなスチレン系エラストマー組成物としては、クラレプラスチックス社製「セプトンコンパウンド」、リケンテクノス社製「レオストマー」、三菱化学社製「ラバロン」(いずれも商品名)などが挙げられる。
【0017】
本発明において使用するオレフィン系エラストマー(ハ)とは、オレフィン系ゴム(i)とプロピレン系重合体(ii)とが主成分の組成物が好適である。このようなオレフィン系エラストマーとしては、例えば、三菱化学社製「サーモラン」(商品名)、三井石油化学社製「ミラストマー」(商品名)、住友化学社製「住友TPE」、AESジャパン社製「サントプレーン」(商品名)等の市販品がある。
【0018】
上記のオレフィン系エラストマー(ハ)の主成分であるオレフィン系ゴム(i)としては、エチレン−プロピレン系共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴム、プロピレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴム等のオレフィンを主成分とする弾性共重合体が挙げられる。これらの中ではEPDMが好ましい。
【0019】
上記の非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等が挙げられるが、特にエチリデンノルボルネンが好ましい。オレフィン系ゴム(i)のより好ましい具体例としては、エチレン含量が55〜75重量%、非共役ジエン含有量が1〜10重量%のEPDMである。エチレン含量が55重量%未満の場合は押出成形性が低下し、75重量%より多い場合は柔軟性が失われる傾向がある。
【0020】
一方、オレフィン系エラストマー(ハ)の他の成分であるプロピレン系共重合体(ii)としては、特に制限されないが、ポリプロピレン又はプロピレンと炭素数が2以上のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。炭素数が2以上のα−オレフィンの具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチルー1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。
【0021】
オレフィン系エラストマー(ハ)において、上記のオレフィン系ゴム(i)とプロピレン系重合体(ii)の含有割合は次の通りである。すなわち、両者の合計量に対し、オレフィン系ゴム(i)は、通常20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、プロピレン系重合体(ii)は80〜20重量%、好ましくは70〜30重量%である。
【0022】
オレフィン系エラストマー(ハ)としては、上記割合のオレフィン系ゴム(i)とプロピレン系重合体(ii)の混合物を加硫剤の存在下で動的に熱処理したものが好ましい。上記の加硫剤としては、有機過酸化物、フェノール樹脂、硫黄などが挙げられる。これらの中では、有機過酸化物が好ましい。
【0023】
上記オレフィン系エラストマーには、硬度調整などを目的として、非芳香族系の鉱物油または非芳香族系の液体もしくは低分子量の合成軟化剤であるゴム用軟化剤のパラフィン系、ナフテン系プロセスオイルが可塑剤として好適に用いられる。
【0024】
上記したとおりの炭素原子および水素原子を主たる構成成分とする熱可塑性樹脂を使用することにより、柔軟で、かつ環境負荷の少ない熱可塑性組成物が得られる。本発明において、炭素原子および水素原子を主たる構成成分とする熱可塑性樹脂としては、炭素原子および水素原子のみから構成されるものが好適であるが、これら以外の原子を多少含有していてもよい。
【0025】
次に、本発明に使用する(b)成分のブロックポリマーとしては、特開2001−278985号公報に記載されているポリマーが挙げられる。例えば、ブロックポリマーとしては、オレフィンブロックと親水性ポリマーのブロックとがエステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するものが挙げられる。ブロックポリマーを構成するポリオレフィンのブロックとしては、カルボニル基(好ましくは、カルボキシル基、以下同じ。)をポリマーの両末端に有するポリオレフィン、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン、アミノ基をポリマー両末端に有するポリオレフィンが好適である。さらに、カルボニル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン、アミノ基をポリマー片末端に有するポリオレフィンも使用できる。このうち、変性のし易さからカルボニル基を有するポリオレフィンが好ましい。
【0026】
また、(b)成分のブロックポリマーを構成する親水性ポリマーとしては、ポリエーテル、ポリエーテル含有親水性ポリマー、カチオン性ポリマー、およびアニオン性ポリマーが使用できる。より詳細には、ポリエーテルジオール、ポリエーテルジアミン、およびこれらの変性物、ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステルアミド、同セグメントを有するポリエーテルアミドイミド、同セグメントを有するポリエーテルエステル、同セグメントを有するポリエーテルアミド、および同セグメントを有するポリエーテルウレタン、非イオン性分子鎖で隔てられた2〜80個、好ましくは3〜60個のカチオン性基を分子内に有するカチオン性ポリマー、スルホニル基を有するジカルボン酸と、ジオールまたはポリエーテルとを必須構成単位とし、かつ分子内に2〜80個、好ましくは3〜60個のスルホニル基を有するアニオン性ポリマーなどが挙げられる。
【0027】
具体的には、ポリプロピレンと無水マレイン酸とを反応させて得られる変性ポリプロピレンとポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)とを触媒存在下でエステル化することによって得られるブロックポリマーが好適なものとして挙げられる。このようなブロックポリマーとしては、三洋化成工業から上市されている商品名「ペレスタット300」などが挙げられる。
【0028】
(b)成分のブロックポリマーの添加量は、(a)炭素原子および水素原子から構成される熱可塑性樹脂100重量部に対し、2〜100重量部であることが重要である。2重量部未満では、高周波接着性が発現しない。100重量部を超えると硬くなる。3〜20重量部添加するのが好適である。
【0029】
さらに、本発明に使用する(c)成分を構成するの電解質リチウム塩としては、特開2002−146178号公報に記載されているトリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムが好ましい。
【0030】
リチウム塩は、優れた高周波接着性を付与することから、重要であるが、同塩のブリードアウトを防止し、さらに高周波接着性をより向上させる観点からリチウム塩をエーテル含有エステル化合物もしくはポリアルキレンオキシドポリオールに溶解して使用することが重要である。
【0031】
リチウム塩を溶解するエーテル含有エステル化合物またはポリアルキレンオキシドポリオール化合物としては、特開2002−146178号公報、特開2002−226704号公報に記載されているような化合物が好適に使用される。例えば、エーテル含有エステル化合物としては、炭素数1〜9の直鎖または分岐脂肪族アルコールに、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを1〜7モル付加して得られるアルコールと、二塩基酸とのエステル化物が好適なものとしてあげられる。
【0032】
ここで、上記炭素数2〜4のアルキレンオキシドを1〜7モル付加して得られるアルコールの例としては、プロパノールにエチレンオキシド1〜7モル、プロピレンオキシド1〜4モル、またはブチレンオキシド1〜3モル、ブタノールにエチレンオキシド1〜6モルまたはプロピレンオキシド1〜3モル、ヘキサノールにエチレンオキシド1〜2モル、ペンタノールにエチレンオキシド1〜5モル、プロピレンオキシド1〜3モル、またはブチレンオキシド1〜2モル、オクタノールにエチレンオキシド1〜5モル、プロピレンオキシド1〜3モル、またはブチレンオキシド1〜3モル、ノナノールにエチレンオキシド1〜4モル、プロピレンオキシド1〜2モル、またはブチレンオキシド1〜2モルを、それぞれ、付加させたヒドロキシル化合物が挙げられる。なお、これらの化合物の中で、ブタノール1モルにエチレンオキシド2モルを付加させた2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、ブタノール1モルにエチレンオキシド1モルを付加させた2−ブトキシエタノールが、加工性とのバランスに良い。
また、上記二塩基酸としては、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フタル酸、コハク酸などのカルボン酸、およびこれらのカルボン酸無水物などが挙げられる。
上記炭素数2〜4のアルキレンオキシドを1〜7モル付加して得られるアルコールと上記二塩基酸から得られるエステル化物のうち、ビス〔2−(2−ブトキシエトキシ)エチル〕アジペート、ビス(2−ブトキシエチル)フタレートが好適である。
【0033】
また、ポリアルキレンオキシドポリオールとしては、2個以上の活性水素原子を有するポリオールにアルキレンオキシドを付加して得られる化合物である。2個以上の活性水素原子を有するポリオールとしては、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール等が使用できる。また、アルキレンオキシドとしてはエチレンオキシドやプロピレンオキシド等が使用できる。
ポリアルキレンオキシドポリオールとしては、特にポリテトラメチレンエーテルグリコールや下記(I)式(nは1以上の整数)示されるポリプロピレンオキシドポリオールが好適である。
【0034】
【化1】
【0035】
また、リチウム塩の配合割合、上記エーテル含有エステル化合物もしくはポリアルキレンオキシドポリオールの化合物100重量部に対し、通常、0.1〜50重量部、好ましくは1〜40重量部である。この範囲内にあるときリチウム塩のブリードアウトをより充分に防止でき、また、高周波接着性もより向上し、さらに材料劣化をより充分に防ぐことができる。
【0036】
(c)成分のリチウム塩の溶解物の配合量は、(a)成分100重量部に対し、好ましくは0.05〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部である。0.05重量部未満であると高周波接着性が不十分である。一方、10重量部を超えると高周波接着性は変わらず、成形品の表面性が荒れる。
【0037】
このよな電解質リチウム塩をエーテル含有エステル化合物もしくはポリアルキレンオキシドポリオールに溶解したものとしては、三光化学工業から上市されている商品名「サンコノール0862−20R」(商品名)、「サンコノールPEO−20R」(商品名)などが挙げられる。
【0038】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の耐熱性、耐候性の向上あるいは増量などを目的として、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等の無機充填剤を混合することができる。更には、ガラス繊維、カーボン繊維のような無機あるいは有機繊維状物の混合も目的に応じ可能である。この他熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、粘着付与剤、帯電防止剤、滑剤、発泡剤、着色剤等の添加も可能である。
【0039】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、硬さが90度以下(JIS K6253 タイプデュロモーター)であることが重要である。90度を越える場合は柔軟性に欠ける。とくに30〜85度の範囲が好適である。このような硬さは、(a)、(b)および(c)の配合割合を適宜選択することにより得られる。
【0040】
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法としては、従来公知の方法が特に制限なく用いられる。例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ヘンシェルミキサー、オープンロール、ニーダー等の混練機あるいは混合機を用いて、各種成分を加熱溶融状態で混練することにより得られる。得られた混合物を従来公知の方法、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形で容易に成形体に加工することができる。
【0041】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形体同士を、または本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形体と他のプラスチックとを高周波ウエルダー装置で高周波接着することができる。ここで、プラスチックとしては、フェノール樹脂、ユリア樹脂などの熱硬化性樹脂やポリカーボネート、ポリアセタール、ナイロン等のエンジニアリングプラスチックス、およびアクリロニトリル−ブタジエンースチレン共重合体樹脂(ABS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0042】
本発明の熱可塑性樹脂組成物(エラストマー組成物)は、高周波接着性に優れ、かつ柔軟で、かつ環境負荷が少なく、さらに成形物にした場合、平滑な表面を付与することから、自動車、車両材料、建築材料、電気製品、日用品、スポーツ用品関係、OA機器、家電分野、その他の各種パーツ、チューブ、フィルム、被覆関係などその他の幅広い用途に用いることができる。
【0043】
【実施例】
本発明をより具体的かつ詳細に説明するために以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、本発明により得られる熱可塑性樹脂組成物の性能評価は以下に示す方法によって、硬さ、表面性、高周波接着性の評価を行った。結果を表1に示した。
【0044】
二軸押出機(口径46mm、L/D=46)を使用して、表1に示す配合に従って、各構成成分を200℃で溶融混練し、ペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0045】
また、表1の実施例1〜2および比較例1〜12では、(a)水素添加ブロック共重合体(イ)、オレフィン系エラストマー(ロ)、鉱物油系軟化剤、オレフィン系樹脂;(b)ブロックポリマー:(c)リチウム塩溶液としてそれぞれ以下のものを使用した。
(a)成分
熱可塑性樹脂(イ)
「エンゲージ8200」(商品名、デュポン ダウ エラストマー社製)オレフィン系共重合体
水素添加ブロック共重合体を主体とした熱可塑性エラストマー(ロ)
水素添加ブロック共重合体
スチレン含有量30重量%、数平均分子量20万、水添率97%のスチレン−エチレン・プロピレン−スチレントリブロック共重合体
鉱物油系軟化剤
「ダイアナプロセスオイルPW−90」(商品名、出光興産社製)
パラフィン系プロセスオイル
オレフィン系樹脂
「ノバッテック ポリプロピレン EA9」 (商品名、日本ポリケム社製)
MFR:0.5g/10分
オレフィン系熱可塑性エラストマー ( ハ )
「サントプレン101−55」(商品名、AESジャパン社製)
(b)成分
ブロックポリマー
「ペレスタット300」 (商品名、三洋化成工業社製) ポリプロピレンを主体としたポリオレフィンと無水マレイン酸とを反応させて得られる変性ポリオレフィンとポリエチレンを主体としたアルキレングリコールとを触媒存在下でエステル化することによって得られるブロックポリマー
(c)成分
リチウム塩溶解物
「サンコノールPEO−20R」(商品名、三光化学工業社製)
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム塩/ポリアルキレンオキシドポリオール=80/20(wt%)
【0046】
I)硬さ
表1に示す熱可塑性樹脂組成物を、押出機(200℃)で、25mm幅×2mm厚みの押出テープを作製し、JIS K6253準拠の方法によるタイプAデュロメータ硬度を測定した。なお、押出機は40φ、L/D=32を用いた。
【0047】
II)表面性
表1に示す熱可塑性樹脂組成物を、押出機(200℃)で、20mm幅×0.5mm厚みの押出テープを作製し、得られた押出しテープの外観を評価した。以上の結果を表1に示す。
○・・・表面が平滑で荒れていない。
×・・・表面が荒れている。
【0048】
III)高周波接着性
表1に示す熱可塑性樹脂組成物を、押出機(200℃)で、20mm幅×0.5mm厚みの押出テープを作製し、得られた押出テープ同士、得られた押出テープと日本バルカー工業社製「タフレタン585S30D」ウレタンシート(0.5mm厚み)を積層し、山本ビニター社製YD−3500(41.14Hz、出力3.5KW)を用い、圧力5kg/cm2で15秒印加し、高周波接着した。得られた二層について180度の反対方向に剥離した。以上の結果を表1に示す。
○・・・材料破壊まで融着している。
×・・・融着していない。
【0049】
【表1】
【0050】
実施例1、2
表1に示す配合で, 二軸押出機(口径46mm、L/D=46)を使用して、表1に示す配合に従って、各構成成分を200℃で溶融混練し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られたペレットコンパウンドを用い、上記評価方法I)、II)、III)に準じて試験片を作製し、評価を行った。柔軟性を有し、表面性、高周波接着性も良好であった。
【0051】
比較例1、5、9
表1に示す配合で、実施例1と同様にして、各種物性評価を行った。(c)成分のリチウム塩溶解物を添加しない場合は、高周波接着性は発現しなかった。
【0052】
比較例2、6、10
表1に示す配合で、実施例1と同様にして、各種物性評価を行った。(b)成分のブロックポリマーを添加しない場合は、高周波接着性は発現しなかった。
【0053】
比較例3、7、11
表1に示す配合で、実施例1と同様にして、各種物性評価を行った。(b)成分を過剰に添加した場合は、表面性、高周波接着性も良好であったが、硬く、柔軟性が不足していた。
【0054】
比較例4、8、12
表1に示す配合で、実施例1と同様にして、各種物性評価を行った。(c)成分を過剰に添加した場合は、柔軟性、高周波接着性も良好であったが、表面が荒れていた。
【0055】
【発明の効果】
高周波による接着性に優れ、柔軟でかつ環境負荷の少なく、さらに成形物にした場合、平滑な表面を付与する熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波による接着性に優れ、柔軟で、かつ環境負荷が少なく、さらに成形物にした場合、平滑な表面を付与する熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両材料、建築材料、電気製品、日用品、その他のあらゆる分野においてプラスチック製品が広く使用されている。中でも、文具、各種容器やケース、包装用フィルム、農業用フィルムなど、軟質材を高周波接着する二次加工を必要とする場合が見られる。そのような軟質の熱可塑性樹脂組成物としては、例えば、高周波性接着適正に優れた塩化ビニル系樹脂が一般的に使用されていた。しかし、塩化ビニル系樹脂は成形・加工が容易で、かつ安価であるが、廃棄物を焼却処分する際に、塩素を含有しているために有毒なガスを発生する可能性があり、分別や処理に手間と費用がかかるという問題点がある。そこで、環境に優しいオレフィン共重合体、スチレン系エラストマーやオレフィン系のエラストマーなどの軟質の熱可塑性樹脂が用いられるが、極性基を有していないため、ポリアミド系樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合体などを添加する場合が多い。また、フィルム形状のものは、ポリアミド系樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合体のフィルムを積層し高周波接着性を発現させていた。しかし、費用や手間がかかったり、十分な高周波接着性が得られない場合が多い(特許文献1〜3)。また、高周波接着可能な軟質プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体組成物が提供されているが、特殊な軟質プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体を使用しなければならない制限があった(特許文献4)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−095553公報([0009]〜[0010])
【特許文献2】
特開2002−011839公報([0023]〜[0024])
【特許文献3】
特開平11−198312号公報([0010]〜[0013])
【特許文献4】
特開平09−263679号公報([請求項1〜4])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術のかかる状況に鑑み、高周波による接着性に優れ、柔軟でかつ環境負荷の少なく、さらに成形物にした場合、平滑な表面を付与する熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、(a)炭素原子および水素原子から構成される熱可塑性樹脂、(b)ポリオレフィンブロックと親水基ポリマーのブロックとが交互に結合した構造を有するブロックポリマー、(c)エーテル含有エステル化合物またはポリアルキレンオキシドポリオールに溶解した電解質リチウム塩からなり、重量比が(a):(b):(c)=100:(2〜100):(0.05〜10)で、かつJIS K6253 タイプAデュロメータ硬さが90以下である熱可塑性樹脂組成物を提供することによって達成される。
【0006】
【発明実施の形態】
本発明において(a)成分としては、オレフィン共重合体(イ)、水素添加ブロック共重合体を主体とした熱可塑性エラストマー(ロ)、および、オレフィン系エラストマー(ハ)が有用なものとして挙げられる。このうちとくに水素添加ブロック共重合体を主体とした熱可塑性エラストマー(ロ)が有用である。
【0007】
オレフィン系共重合体(イ)としては、エチレン単位と炭素数が4以上のα−オレフィン単位からなり、両者のモル比がエチレン単位/炭素数が4以上のα−オレフィン単位=55/45〜99/1であるオレフィン系共重合体が好適である。
【0008】
オレフィン系共重合体を構成する炭素数が4以上のα−オレフィン単位としては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−オクタデセンなどのα−オレフィン単位から誘導される構成単位が挙げられる。これらの中でも、炭素数が4〜10のα−オレフィンから誘導される構成単位がより好ましく、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンから誘導される構造単位が特に好ましい。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0009】
ここで、オレフィン系共重合体の具体例を示せば、例えば、エチレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−ヘキセンランダム共重合体、エチレン−オクテンランダム共重合体、エチレン−デセンランダム共重合体、エチレン−4−メチルペンテンランダム共重合体が挙げられる。これらの中でも、エチレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−ヘキセンランダム共重合体、エチレン−オクテンランダム共重合体が好ましい。
これらのオレフィン系共重合体は、メタロセン触媒を用いて重合して得られたものが最適である。メタロセン触媒(シングルサイト触媒、カミンスキー触媒ともいう)とは、メタロセン系遷移金属錯体と有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、無機物に担持されて使用されることもある。
【0010】
具体的なオレフィン系共重合体として、例えばデュポン ダウ エラストマー社製の「アフィニティー(AFFINITY)」、「エンゲージ(ENGAGE)」(いずれも商品名)、エクソン・ケミカル社製の「イグザクト(EXACT)」(商品名)、住友化学工業社製の「エスプレン(ESPRENE)SPO(商品名)のNシリーズ」などの市販のものを使用することができる。
【0011】
本発明において使用する水素添加ブロック共重合体を主体とした熱可塑性エラストマー(ロ)の水素添加ブロック共重合体とは、分子中にビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを2個以上有し、かつ、共役ジエン化合物からなる重合体ブロックBを1個以上有するブロック共重合体を水素添加して得られる水素添加ブロック共重合体であり、例えば(A−B)m(mは2〜10の整数を表す)、(A−B)n−A(nは1〜10の整数を表す)、(A−B)m−X(Xはカップリング剤残基を表し、mは2〜10の整数を表す)等の構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を水素添加して得られる水素添加ブロック共重合体などが挙げられる。水素添加ブロック共重合体においては、ビニル芳香族化合物の含有率が5〜75重量%であることが好ましく、10〜65重量%であることがより好ましい。
【0012】
水素添加前のブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o,mまたはp−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。これらの中でも、スチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。ビニル芳香族化合物は、単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
また、水素添加前のブロック共重合体を構成する共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルー1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、イソプレン、1,3−ブタジエンまたはこれらの混合物が好ましい。共役ジエン化合物は、単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0013】
水素添加前のブロック共重合体における重合体ブロックBのミクロ構造は特に限定されない。例えば、重合体ブロックBがポリイソプレンからなるブロックである場合には、その1,4結合量が80%以上であることが望ましい。また、重合体ブロックBがポリブタジエンからなるブロックである場合には、その1,4結合量が40〜80%であることが望ましい。
該水素添加ブロック共重合体における重合体ブロックAと重合体ブロックBの結合様式は、線状あるいは分岐状、あるいはこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0014】
水素添加ブロック共重合体を製造する際、耐熱性、耐候性の観点から、水素添加前のブロック共重合体における共役ジエン化合物に由来する不飽和二重結合の70%以上を水素添加することが好ましい。水素添加ブロック共重合体における重合体ブロックB中の不飽和二重結合量は、ヨウ素化測定、赤外分光光度計、核磁気共鳴装置等により求められる。
【0015】
さらに、該水素添加ブロック共重合体は、本発明の趣旨を損なわない限り、分子鎖中に、または分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物、アミノ基、エポキシ基などの官能基を含有してもよい。
【0016】
上記した水素添加ブロック共重合体には、硬度調整などを目的として、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン樹脂、非芳香族系の鉱物油または非芳香族系の液体もしくは低分子量の合成軟化剤であるゴム用軟化剤のパラフィン系、ナフテン系プロセスオイルが好適に用いられる。上記した水素添加ブロック共重合体にこのような添加剤を配合したものを使用する場合は、これらの組成物を、本発明においては、水素添加ブロック共重合体を主体とした熱可塑性エラストマーという。このようなスチレン系エラストマー組成物としては、クラレプラスチックス社製「セプトンコンパウンド」、リケンテクノス社製「レオストマー」、三菱化学社製「ラバロン」(いずれも商品名)などが挙げられる。
【0017】
本発明において使用するオレフィン系エラストマー(ハ)とは、オレフィン系ゴム(i)とプロピレン系重合体(ii)とが主成分の組成物が好適である。このようなオレフィン系エラストマーとしては、例えば、三菱化学社製「サーモラン」(商品名)、三井石油化学社製「ミラストマー」(商品名)、住友化学社製「住友TPE」、AESジャパン社製「サントプレーン」(商品名)等の市販品がある。
【0018】
上記のオレフィン系エラストマー(ハ)の主成分であるオレフィン系ゴム(i)としては、エチレン−プロピレン系共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴム、プロピレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴム等のオレフィンを主成分とする弾性共重合体が挙げられる。これらの中ではEPDMが好ましい。
【0019】
上記の非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等が挙げられるが、特にエチリデンノルボルネンが好ましい。オレフィン系ゴム(i)のより好ましい具体例としては、エチレン含量が55〜75重量%、非共役ジエン含有量が1〜10重量%のEPDMである。エチレン含量が55重量%未満の場合は押出成形性が低下し、75重量%より多い場合は柔軟性が失われる傾向がある。
【0020】
一方、オレフィン系エラストマー(ハ)の他の成分であるプロピレン系共重合体(ii)としては、特に制限されないが、ポリプロピレン又はプロピレンと炭素数が2以上のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。炭素数が2以上のα−オレフィンの具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチルー1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。
【0021】
オレフィン系エラストマー(ハ)において、上記のオレフィン系ゴム(i)とプロピレン系重合体(ii)の含有割合は次の通りである。すなわち、両者の合計量に対し、オレフィン系ゴム(i)は、通常20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、プロピレン系重合体(ii)は80〜20重量%、好ましくは70〜30重量%である。
【0022】
オレフィン系エラストマー(ハ)としては、上記割合のオレフィン系ゴム(i)とプロピレン系重合体(ii)の混合物を加硫剤の存在下で動的に熱処理したものが好ましい。上記の加硫剤としては、有機過酸化物、フェノール樹脂、硫黄などが挙げられる。これらの中では、有機過酸化物が好ましい。
【0023】
上記オレフィン系エラストマーには、硬度調整などを目的として、非芳香族系の鉱物油または非芳香族系の液体もしくは低分子量の合成軟化剤であるゴム用軟化剤のパラフィン系、ナフテン系プロセスオイルが可塑剤として好適に用いられる。
【0024】
上記したとおりの炭素原子および水素原子を主たる構成成分とする熱可塑性樹脂を使用することにより、柔軟で、かつ環境負荷の少ない熱可塑性組成物が得られる。本発明において、炭素原子および水素原子を主たる構成成分とする熱可塑性樹脂としては、炭素原子および水素原子のみから構成されるものが好適であるが、これら以外の原子を多少含有していてもよい。
【0025】
次に、本発明に使用する(b)成分のブロックポリマーとしては、特開2001−278985号公報に記載されているポリマーが挙げられる。例えば、ブロックポリマーとしては、オレフィンブロックと親水性ポリマーのブロックとがエステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するものが挙げられる。ブロックポリマーを構成するポリオレフィンのブロックとしては、カルボニル基(好ましくは、カルボキシル基、以下同じ。)をポリマーの両末端に有するポリオレフィン、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン、アミノ基をポリマー両末端に有するポリオレフィンが好適である。さらに、カルボニル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン、アミノ基をポリマー片末端に有するポリオレフィンも使用できる。このうち、変性のし易さからカルボニル基を有するポリオレフィンが好ましい。
【0026】
また、(b)成分のブロックポリマーを構成する親水性ポリマーとしては、ポリエーテル、ポリエーテル含有親水性ポリマー、カチオン性ポリマー、およびアニオン性ポリマーが使用できる。より詳細には、ポリエーテルジオール、ポリエーテルジアミン、およびこれらの変性物、ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステルアミド、同セグメントを有するポリエーテルアミドイミド、同セグメントを有するポリエーテルエステル、同セグメントを有するポリエーテルアミド、および同セグメントを有するポリエーテルウレタン、非イオン性分子鎖で隔てられた2〜80個、好ましくは3〜60個のカチオン性基を分子内に有するカチオン性ポリマー、スルホニル基を有するジカルボン酸と、ジオールまたはポリエーテルとを必須構成単位とし、かつ分子内に2〜80個、好ましくは3〜60個のスルホニル基を有するアニオン性ポリマーなどが挙げられる。
【0027】
具体的には、ポリプロピレンと無水マレイン酸とを反応させて得られる変性ポリプロピレンとポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)とを触媒存在下でエステル化することによって得られるブロックポリマーが好適なものとして挙げられる。このようなブロックポリマーとしては、三洋化成工業から上市されている商品名「ペレスタット300」などが挙げられる。
【0028】
(b)成分のブロックポリマーの添加量は、(a)炭素原子および水素原子から構成される熱可塑性樹脂100重量部に対し、2〜100重量部であることが重要である。2重量部未満では、高周波接着性が発現しない。100重量部を超えると硬くなる。3〜20重量部添加するのが好適である。
【0029】
さらに、本発明に使用する(c)成分を構成するの電解質リチウム塩としては、特開2002−146178号公報に記載されているトリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンリチウムが好ましい。
【0030】
リチウム塩は、優れた高周波接着性を付与することから、重要であるが、同塩のブリードアウトを防止し、さらに高周波接着性をより向上させる観点からリチウム塩をエーテル含有エステル化合物もしくはポリアルキレンオキシドポリオールに溶解して使用することが重要である。
【0031】
リチウム塩を溶解するエーテル含有エステル化合物またはポリアルキレンオキシドポリオール化合物としては、特開2002−146178号公報、特開2002−226704号公報に記載されているような化合物が好適に使用される。例えば、エーテル含有エステル化合物としては、炭素数1〜9の直鎖または分岐脂肪族アルコールに、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを1〜7モル付加して得られるアルコールと、二塩基酸とのエステル化物が好適なものとしてあげられる。
【0032】
ここで、上記炭素数2〜4のアルキレンオキシドを1〜7モル付加して得られるアルコールの例としては、プロパノールにエチレンオキシド1〜7モル、プロピレンオキシド1〜4モル、またはブチレンオキシド1〜3モル、ブタノールにエチレンオキシド1〜6モルまたはプロピレンオキシド1〜3モル、ヘキサノールにエチレンオキシド1〜2モル、ペンタノールにエチレンオキシド1〜5モル、プロピレンオキシド1〜3モル、またはブチレンオキシド1〜2モル、オクタノールにエチレンオキシド1〜5モル、プロピレンオキシド1〜3モル、またはブチレンオキシド1〜3モル、ノナノールにエチレンオキシド1〜4モル、プロピレンオキシド1〜2モル、またはブチレンオキシド1〜2モルを、それぞれ、付加させたヒドロキシル化合物が挙げられる。なお、これらの化合物の中で、ブタノール1モルにエチレンオキシド2モルを付加させた2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、ブタノール1モルにエチレンオキシド1モルを付加させた2−ブトキシエタノールが、加工性とのバランスに良い。
また、上記二塩基酸としては、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フタル酸、コハク酸などのカルボン酸、およびこれらのカルボン酸無水物などが挙げられる。
上記炭素数2〜4のアルキレンオキシドを1〜7モル付加して得られるアルコールと上記二塩基酸から得られるエステル化物のうち、ビス〔2−(2−ブトキシエトキシ)エチル〕アジペート、ビス(2−ブトキシエチル)フタレートが好適である。
【0033】
また、ポリアルキレンオキシドポリオールとしては、2個以上の活性水素原子を有するポリオールにアルキレンオキシドを付加して得られる化合物である。2個以上の活性水素原子を有するポリオールとしては、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール等が使用できる。また、アルキレンオキシドとしてはエチレンオキシドやプロピレンオキシド等が使用できる。
ポリアルキレンオキシドポリオールとしては、特にポリテトラメチレンエーテルグリコールや下記(I)式(nは1以上の整数)示されるポリプロピレンオキシドポリオールが好適である。
【0034】
【化1】
【0035】
また、リチウム塩の配合割合、上記エーテル含有エステル化合物もしくはポリアルキレンオキシドポリオールの化合物100重量部に対し、通常、0.1〜50重量部、好ましくは1〜40重量部である。この範囲内にあるときリチウム塩のブリードアウトをより充分に防止でき、また、高周波接着性もより向上し、さらに材料劣化をより充分に防ぐことができる。
【0036】
(c)成分のリチウム塩の溶解物の配合量は、(a)成分100重量部に対し、好ましくは0.05〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部である。0.05重量部未満であると高周波接着性が不十分である。一方、10重量部を超えると高周波接着性は変わらず、成形品の表面性が荒れる。
【0037】
このよな電解質リチウム塩をエーテル含有エステル化合物もしくはポリアルキレンオキシドポリオールに溶解したものとしては、三光化学工業から上市されている商品名「サンコノール0862−20R」(商品名)、「サンコノールPEO−20R」(商品名)などが挙げられる。
【0038】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の耐熱性、耐候性の向上あるいは増量などを目的として、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等の無機充填剤を混合することができる。更には、ガラス繊維、カーボン繊維のような無機あるいは有機繊維状物の混合も目的に応じ可能である。この他熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、粘着付与剤、帯電防止剤、滑剤、発泡剤、着色剤等の添加も可能である。
【0039】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、硬さが90度以下(JIS K6253 タイプデュロモーター)であることが重要である。90度を越える場合は柔軟性に欠ける。とくに30〜85度の範囲が好適である。このような硬さは、(a)、(b)および(c)の配合割合を適宜選択することにより得られる。
【0040】
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法としては、従来公知の方法が特に制限なく用いられる。例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ヘンシェルミキサー、オープンロール、ニーダー等の混練機あるいは混合機を用いて、各種成分を加熱溶融状態で混練することにより得られる。得られた混合物を従来公知の方法、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形で容易に成形体に加工することができる。
【0041】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形体同士を、または本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形体と他のプラスチックとを高周波ウエルダー装置で高周波接着することができる。ここで、プラスチックとしては、フェノール樹脂、ユリア樹脂などの熱硬化性樹脂やポリカーボネート、ポリアセタール、ナイロン等のエンジニアリングプラスチックス、およびアクリロニトリル−ブタジエンースチレン共重合体樹脂(ABS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0042】
本発明の熱可塑性樹脂組成物(エラストマー組成物)は、高周波接着性に優れ、かつ柔軟で、かつ環境負荷が少なく、さらに成形物にした場合、平滑な表面を付与することから、自動車、車両材料、建築材料、電気製品、日用品、スポーツ用品関係、OA機器、家電分野、その他の各種パーツ、チューブ、フィルム、被覆関係などその他の幅広い用途に用いることができる。
【0043】
【実施例】
本発明をより具体的かつ詳細に説明するために以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、本発明により得られる熱可塑性樹脂組成物の性能評価は以下に示す方法によって、硬さ、表面性、高周波接着性の評価を行った。結果を表1に示した。
【0044】
二軸押出機(口径46mm、L/D=46)を使用して、表1に示す配合に従って、各構成成分を200℃で溶融混練し、ペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0045】
また、表1の実施例1〜2および比較例1〜12では、(a)水素添加ブロック共重合体(イ)、オレフィン系エラストマー(ロ)、鉱物油系軟化剤、オレフィン系樹脂;(b)ブロックポリマー:(c)リチウム塩溶液としてそれぞれ以下のものを使用した。
(a)成分
熱可塑性樹脂(イ)
「エンゲージ8200」(商品名、デュポン ダウ エラストマー社製)オレフィン系共重合体
水素添加ブロック共重合体を主体とした熱可塑性エラストマー(ロ)
水素添加ブロック共重合体
スチレン含有量30重量%、数平均分子量20万、水添率97%のスチレン−エチレン・プロピレン−スチレントリブロック共重合体
鉱物油系軟化剤
「ダイアナプロセスオイルPW−90」(商品名、出光興産社製)
パラフィン系プロセスオイル
オレフィン系樹脂
「ノバッテック ポリプロピレン EA9」 (商品名、日本ポリケム社製)
MFR:0.5g/10分
オレフィン系熱可塑性エラストマー ( ハ )
「サントプレン101−55」(商品名、AESジャパン社製)
(b)成分
ブロックポリマー
「ペレスタット300」 (商品名、三洋化成工業社製) ポリプロピレンを主体としたポリオレフィンと無水マレイン酸とを反応させて得られる変性ポリオレフィンとポリエチレンを主体としたアルキレングリコールとを触媒存在下でエステル化することによって得られるブロックポリマー
(c)成分
リチウム塩溶解物
「サンコノールPEO−20R」(商品名、三光化学工業社製)
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム塩/ポリアルキレンオキシドポリオール=80/20(wt%)
【0046】
I)硬さ
表1に示す熱可塑性樹脂組成物を、押出機(200℃)で、25mm幅×2mm厚みの押出テープを作製し、JIS K6253準拠の方法によるタイプAデュロメータ硬度を測定した。なお、押出機は40φ、L/D=32を用いた。
【0047】
II)表面性
表1に示す熱可塑性樹脂組成物を、押出機(200℃)で、20mm幅×0.5mm厚みの押出テープを作製し、得られた押出しテープの外観を評価した。以上の結果を表1に示す。
○・・・表面が平滑で荒れていない。
×・・・表面が荒れている。
【0048】
III)高周波接着性
表1に示す熱可塑性樹脂組成物を、押出機(200℃)で、20mm幅×0.5mm厚みの押出テープを作製し、得られた押出テープ同士、得られた押出テープと日本バルカー工業社製「タフレタン585S30D」ウレタンシート(0.5mm厚み)を積層し、山本ビニター社製YD−3500(41.14Hz、出力3.5KW)を用い、圧力5kg/cm2で15秒印加し、高周波接着した。得られた二層について180度の反対方向に剥離した。以上の結果を表1に示す。
○・・・材料破壊まで融着している。
×・・・融着していない。
【0049】
【表1】
【0050】
実施例1、2
表1に示す配合で, 二軸押出機(口径46mm、L/D=46)を使用して、表1に示す配合に従って、各構成成分を200℃で溶融混練し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を作製した。得られたペレットコンパウンドを用い、上記評価方法I)、II)、III)に準じて試験片を作製し、評価を行った。柔軟性を有し、表面性、高周波接着性も良好であった。
【0051】
比較例1、5、9
表1に示す配合で、実施例1と同様にして、各種物性評価を行った。(c)成分のリチウム塩溶解物を添加しない場合は、高周波接着性は発現しなかった。
【0052】
比較例2、6、10
表1に示す配合で、実施例1と同様にして、各種物性評価を行った。(b)成分のブロックポリマーを添加しない場合は、高周波接着性は発現しなかった。
【0053】
比較例3、7、11
表1に示す配合で、実施例1と同様にして、各種物性評価を行った。(b)成分を過剰に添加した場合は、表面性、高周波接着性も良好であったが、硬く、柔軟性が不足していた。
【0054】
比較例4、8、12
表1に示す配合で、実施例1と同様にして、各種物性評価を行った。(c)成分を過剰に添加した場合は、柔軟性、高周波接着性も良好であったが、表面が荒れていた。
【0055】
【発明の効果】
高周波による接着性に優れ、柔軟でかつ環境負荷の少なく、さらに成形物にした場合、平滑な表面を付与する熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
Claims (4)
- (a)炭素原子および水素原子から構成される熱可塑性樹脂、(b)ポリオレフィンブロックと親水性ポリマーのブロックとが交互に結合した構造を有するブロックポリマーおよび(c)エーテル含有エステル化合物またはポリアルキレンオキシドポリオールに溶解した電解質リチウム塩からなり、重量比が(a):(b):(c)=100:(2〜100):(0.05〜10)で、かつJIS K6253 タイプAデュロメータ硬さが90以下である熱可塑性樹脂組成物。
- 上記(a)の成分が、オレフィン系共重合体(イ)である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 上記(a)の成分が、分子中にビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを有し、かつ、共役ジエン化合物からなる重合体ブロックBを有するブロック共重合体を水素添加して得られる水素添加ブロック共重合体を主体とした熱可塑性エラストマー(ロ)である請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 上記(a)の成分が、オレフィン系エラストマー(ハ)である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-01-24 JP JP2003015599A patent/JP2004224944A/ja active Pending
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