JP2016155368A - 積層ポリエチレンフィルム - Google Patents

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JP2016155368A JP2015252815A JP2015252815A JP2016155368A JP 2016155368 A JP2016155368 A JP 2016155368A JP 2015252815 A JP2015252815 A JP 2015252815A JP 2015252815 A JP2015252815 A JP 2015252815A JP 2016155368 A JP2016155368 A JP 2016155368A
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吉宏 池田
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Abstract

【課題】 帯電防止性が良好で、かつヒートシール性に優れる積層ポリエチレンフィルムを提供する。【解決手段】 ポリオレフィンのブロックと体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの親水性ポリマーのブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーとポリエチレン樹脂とを含有する帯電防止性樹脂組成物からなる帯電防止層を有し、該帯電防止層の上にヒートシール層を有してなる積層ポリエチレンフィルム;帯電防止層の下に、さらにポリエチレン樹脂を含有する基材層を有してなることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、積層ポリエチレンフィルムに関する。さらに詳しくは、帯電防止性が良好で、かつヒートシール性に優れる積層ポリエチレンフィルムに関する。
従来、熱可塑性樹脂に帯電防止剤を添加することで帯電防止効果を付与することは広く行われている。帯電防止剤の中でも、高分子型永久帯電防止剤といわれているものは、帯電防止効果が長く続くことから広く用いられている。
しかしながら、フィルム等に成形された高分子型永久帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂は、そのヒートシール性が著しく低下することが知られている。従って、ヒートシール性を確保するためにはヒートシール温度やヒートシール圧力を上げる必要があり、エネルギー効率の低下や、樹脂の劣化の問題があった。
この問題を解決しようと、熱可塑性樹脂に、高分子型永久帯電防止剤および脂環族飽和炭化水素を配合した樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2010−116446号公報
しかしながら、特許文献1の技術でも、帯電防止性とヒートシール性との両立は不十分であり、解決することが求められていた。
本発明は、帯電防止性が良好で、かつヒートシール性に優れる積層ポリエチレンフィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、ポリオレフィン(a)のブロックと体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマー(A)とポリエチレン樹脂(B)とを含有する帯電防止性樹脂組成物(β0)からなる帯電防止層(β)を有し、該(β)の上にヒートシール層(α)を有してなる積層ポリエチレンフィルム(Z)である。
本発明の積層ポリエチレンフィルムは以下の効果を奏する。
(1)帯電防止性に優れる。
(2)ヒートシール性に優れる。
[ポリオレフィン(a)]
本発明におけるポリオレフィン(a)としては、カルボニル基(好ましくは、カルボキシル基、以下同じ。)をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1)、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2)、およびアミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a3)およびイソシアネート基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a4)等が使用できる。
さらに、カルボニル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a5)、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a6)、アミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a7)、およびイソシアネート基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a8)等が使用できる。
これらのうち、変性のし易さから(a1)および(a5)が好ましい。
(a1)としては、両末端が変性可能なポリオレフィンを主成分(好ましくは含量50%以上、さらに好ましくは75%以上、とくに好ましくは80〜100%)とするポリオレフィン(a0)の両末端にカルボニル基を導入したもの;(a2)としては、(a0)の両末端に水酸基を導入したもの;(a3)としては、(a0)の両末端にアミノ基を導入したもの;並びに、(a4)としては、(a0)の両末端にイソシアネート基を導入したものをそれぞれ用いることができる。
(a5)〜(a8)としては、ポリオレフィン(a0)に代えて片末端が変性可能なポリオレフィンを主成分(好ましくは含量50%以上、さらに好ましくは75%以上、とくに好ましくは80〜100%)とするポリオレフィン(a00)の片末端にカルボニル基、水酸基、アミノ基またはイソシアネート基をそれぞれ導入したものを用いることができる。
両末端が変性可能なポリオレフィンを主成分とするポリオレフィン(a0)には、炭素数(以下、Cと略記することがある)2〜30(好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜10)のオレフィンの1種または2種以上の混合物の(共)重合(重合または共重合を意味する。以下同様。)によって得られるポリオレフィン(重合法)および減成されたポリオレフィン{高分子量〔好ましくは数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]50,000〜150,000〕ポリオレフィンを機械的、熱的または化学的に減成してなるもの}(減成法)が含まれる。
カルボニル基、水酸基、アミノ基またはイソシアネート基を導入する変性のし易さおよび入手のし易さの観点から好ましいのは、減成されたポリオレフィン、特に熱減成されたポリオレフィンである。該熱減成によれば、後述のとおり1分子当たりの平均末端二重結合数が1.5〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られ、該低分子量ポリオレフィンはカルボニル基、水酸基、アミノ基またはイソシアネート基等を導入して変性することが容易である。
熱減成ポリオレフィン(熱減成されたポリオレフィン)は特に限定されないが、高分子量ポリオレフィンを、不活性ガス中で加熱すること(通常300〜450℃で0.5〜10時間、例えば特開平3−62804号公報に記載の方法)、もしくは空気中で加熱することにより熱減成されたものが挙げられる。
該熱減成法に用いられる高分子量ポリオレフィンとしては、C2〜30(好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜10)のオレフィンの1種または2種以上の混合物の(共)重合体[Mnは好ましくは12,000〜100,000、さらに好ましくは15,000〜70,000、メルトフローレート(以下、MFRと略記。単位はg/10min)は好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100]等が使用できる。ここにおいてMFRは、ヒーターで加熱された円筒容器内で一定量の合成樹脂を、定められた温度で加熱・加圧し、容器底部に設けられた開口部(ノズル)から10分間当たりに押出された樹脂量(単位はg/10min)で示されるものである。試験機械はJIS K6760で定められた押出し形プラストメータを用い、測定方法はJIS K7210(1976年)で規定されている。例えばポリプロピレンの場合は、230℃、荷重2.16kgfの条件で測定される。
C2〜30のオレフィンとしては、後述のポリオレフィン(重合法)製造に用いられるものと同じものが使用でき、これらのうち分子量制御の観点から好ましいのはエチレン、プロピレン、C4〜12のα−オレフィンおよびこれらの2種以上の混合物、さらに好ましいのはエチレン、プロピレン、C4〜10のα−オレフィンおよびこれらの2種以上の混合物、とくに好ましいのはエチレン、プロピレン、およびこれらの混合物である。
上記ポリオレフィン(重合法)の製造に用いられるC2〜30のオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、C4〜30(好ましくは4〜12、さらに好ましくは4〜10)のα−オレフィン、C4〜30(好ましくは4〜18、さらに好ましくは4〜8)のジエン、およびこれらの混合物が挙げられる。
α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、およびこれらの混合物が挙げられる。
ジエンとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン、1,11−ドデカジエン、およびこれらの混合物が挙げられる。
これらのうち分子量制御の観点から好ましいのはエチレン、プロピレン、C4〜12のα−オレフィン、ブタジエン、イソプレン、およびこれらの混合物、さらに好ましいのはエチレン、プロピレン、C4〜10のα−オレフィン、ブタジエン、およびこれらの混合物、とくに好ましいのはエチレン、プロピレン、ブタジエン、およびこれらの混合物である。
両末端が変性可能なポリオレフィンを主成分とするポリオレフィン(a0)のMnは、後述する積層ポリエチレンフィルムの帯電防止性の観点から好ましくは800〜20,000、さらに好ましくは1,000〜10,000、とくに好ましくは1,200〜6,000である。
(a0)中の末端二重結合の数は、積層ポリエチレンフィルムの帯電防止性の観点から好ましくは炭素数(以下Cと略記)1,000個当たり1〜40個、さらに好ましくは2〜30個、とくに好ましくは4〜20個である。
1分子当たりの末端二重結合の平均数は、分子中の繰り返し構造のとりやすさ、積層ポリエチレンフィルムの帯電防止性および後述するブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から好ましくは1.1〜5個、さらに好ましくは1.3〜3個、とくに好ましくは1.5〜2.5個、最も好ましくは1.8〜2.2個である。
熱減成法による低分子量ポリオレフィンでは、Mn800〜6,000の範囲で、1分子当たりの末端二重結合の平均数が1.5〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られる〔村田勝英、牧野忠彦、日本化学会誌、192頁(1975)〕。
片末端が変性可能なポリオレフィンを主成分とするポリオレフィン(a00)は、(a0)と同様にして得ることができ、(a00)のMnは、後述する積層ポリエチレンフィルムの帯電防止性の観点から好ましくは2,000〜50,000、さらに好ましくは2,500〜30,000、とくに好ましくは3,000〜20,000である。
(a00)のC1,000個当たりの二重結合数は、積層ポリエチレンフィルムの帯電防止性およびブロックポリマー(A)の分子量制御の観点から好ましくは0.3〜20個、さらに好ましくは0.5〜15個、とくに好ましくは0.7〜10個である。
1分子当たりの二重結合の平均数は、分子中の繰り返し構造のとりやすさ、積層ポリエチレンフィルムの帯電防止性および後述するブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から好ましくは0.5〜1.4、さらに好ましくは0.6〜1.3、とくに好ましくは0.7〜1.2、最も好ましくは0.8〜1.1である。
前記(a0)の場合と同様に変性のしやすさの観点から好ましいのは、熱減成法による低分子量ポリオレフィン(とくにMnが3,000〜20,000のポリエチレンおよび/またはポリプロピレン)である。
熱減成法による低分子量ポリオレフィンでは、Mnが6,000〜30,000の範囲で、1分子当たりの末端二重結合の平均数が1〜1.5個のものが得られる。
低分子量ポリオレフィンは該末端二重結合の平均数を有することから、カルボニル基、水酸基、アミノ基またはイソシアネート基等を導入して変性することが容易である。
なお、(a0)および(a00)は、通常これらの混合物として得られるが、これらの混合物をそのまま使用してもよく、精製分離してから使用してもかまわない。これらのうち製造コスト等の観点から、混合物として使用するのが好ましい。
以下、ポリオレフィン(a0)の両末端にカルボニル基、水酸基、アミノ基またはイソシアネート基を有する(a1)〜(a4)について説明するが、ポリオレフィン(a00)の片末端にこれらの基を有する(a5)〜(a8)については、(a0)を(a00)に置き換えて(a1)〜(a4)に準じ同様にして得ることができる。
カルボニル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1)としては、(a0)の末端をα,β−不飽和カルボン酸(無水物)(α,β−不飽和カルボン酸、そのC1〜4のアルキルエステルまたはその無水物を意味する。以下、同様。)で変性した構造を有するポリオレフィン(a1−1)、(a1−1)をラクタムまたはアミノカルボン酸で二次変性した構造を有するポリオレフィン(a1―2)、(a0)を酸化、またはヒドロホルミル化による変性をした構造を有するポリオレフィン(a1−3)、(a1―3)をラクタムまたはアミノカルボン酸で二次変性した構造を有するポリオレフィン(a1―4)およびこれらの2種以上の混合物等が使用できる。
(a1−1)は、(a0)をα,β−不飽和カルボン酸(無水物)により変性することにより得ることができる。
変性に用いられるα,β−不飽和カルボン酸(無水物)としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、これらのアルキル(C1〜4)エステルおよびこれらの無水物が使用でき、例えば(メタ)アクリル酸(アクリル酸またはメタアクリル酸を意味する。以下同じ。)、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、マレイン酸(無水物)、マレイン酸ジメチル、フマル酸、イタコン酸(無水物)、イタコン酸ジエチルおよびシトラコン酸(無水物)等が挙げられる。
これらのうち変性の容易さの観点から好ましいのは、ジカルボン酸、これらのアルキルエステルおよびこれらの無水物、さらに好ましいのはマレイン酸(無水物)およびフマル酸、とくに好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
変性に使用するα,β−不飽和カルボン酸(無水物)の量は、ポリオレフィン(a0)の重量に基づき、分子中の繰り返し構造のとりやすさおよび積層ポリエチレンフィルムの帯電防止性の観点から好ましくは0.5〜40%、さらに好ましくは1〜30%、とくに好ましくは2〜20%である。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)による変性は、例えば、(a0)の末端二重結合に、溶液法または溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を熱的に付加(エン反応)させることにより行うことができる。(a0)にα,β−不飽和カルボン酸(無水物)を反応させる温度は、通常170〜230℃である。
(a1−2)は、(a1−1)をラクタムまたはアミノカルボン酸で二次変性することにより得ることができる。
二次変性に用いるラクタムとしては、C6〜12(好ましくは6〜8、さらに好ましくは6)のラクタム等が使用でき、例えば、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタムおよびウンデカノラクタム等が挙げられる。
また、アミノカルボン酸としては、C2〜12(好ましくは4〜12、さらに好ましくは6〜12)のアミノカルボン酸等が使用でき、例えば、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンおよびフェニルアラニン等)、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノドデカン酸等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、グリシン、ロイシン、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノドデカン酸、さらに好ましいのはカプロラクタム、ラウロラクタム、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノドデカン酸、とくに好ましいのはカプロラクタムおよび12−アミノドデカン酸である。
二次変性に用いるラクタムまたはアミノカルボン酸の量は、被変性物(a1−1)の重量に基づいて、分子中の繰り返し構造のとりやすさ、積層ポリエチレンフィルムの帯電防止性およびブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から好ましくは0.5〜200%、さらに好ましくは1〜150%、とくに好ましくは2〜100%である。
(a1−3)は、(a0)を酸素および/もしくはオゾンによる酸化法またはオキソ法によるヒドロホルミル化によりカルボニル基を導入することにより得ることができる。
酸化法によるカルボニル基の導入は、公知を含む種々の方法、例えば、米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボニル基の導入は、公知を含む種々の方法、例えば、Macromolecules、VOl.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
(a1−4)は、(a1−3)をラクタムまたはアミノカルボン酸で二次変性することにより得ることができる。
ラクタムおよびアミノカルボン酸およびこれらの好ましい種類や使用量は、前記(a1−2)の場合と同様である。
(a1)のMnは、耐熱性および後述する親水性ポリマー(b)との反応性の観点から、好ましくは800〜25,000、さらに好ましくは1,000〜20,000、とくに好ましくは2,500〜10,000である。
また、(a1)の酸価は、(b)との反応性およびブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280(単位はmgKOH/g。以下においては数値のみを記載する。)、さらに好ましくは4〜100、とくに好ましくは5〜50である。
水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2)としては、前記カルボニル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1)をヒドロキシルアミンで変性したヒドロキシル基を有するポリオレフィンおよびこれらの2種以上の混合物が使用できる。
変性に使用できるヒドロキシルアミンとしては、C2〜10のヒドロキシルアミン、例えば、2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノールおよび3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノールが挙げられる。
これらのうち、変性の容易さの観点から好ましいのはC2〜6のヒドロキシルアミン(2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノールおよび6−アミノヘキサノール等)、さらに好ましいのは2−アミノエタノールおよび4−アミノブタノール、とくに好ましいのは2−アミノエタノールである。
変性に用いるヒドロキシルアミンの量は、被変性物(a1−1)の重量に基づいて、分子中の繰り返し構造のとりやすさ、積層ポリエチレンフィルムの帯電防止性の観点から好ましくは、0.5〜50%、さらに好ましくは1〜40%、とくに好ましくは2〜30%である。
(a2)のMnは、耐熱性および後述する親水性ポリマー(b)との反応性の観点から、好ましくは800〜25,000、さらに好ましくは1,000〜20,000、特に好ましくは2,500〜10,000である。
また、(a2)の水酸基価は、(a2)との反応性およびブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280(mgKOH/g。以下においては数値のみを記載する。)、さらに好ましくは4〜100、とくに好ましくは5〜50である。
アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a3)としては、前記カルボニル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1)をジアミン(Q1)で変性したアミノ基を有するポリオレフィンおよびこれらの2種以上の混合物が使用できる。
この変性に用いるジアミン(Q1)としては、C2〜12のジアミン等が使用でき、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンおよびデカメチレンジアミンが挙げられる。
これらのうち、変性の容易さの観点から好ましいのはC2〜8のジアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミンおよびオクタメチレンジアミン等)、さらに好ましいのはエチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン、とくに好ましいのはエチレンジアミンである。
変性反応に与る(Q1)の量は、被変性物(a1−1)の重量に基づいて、分子中の繰り返し構造のとりやすさ、積層ポリエチレンフィルムの帯電防止性および機械的強度の観点から好ましくは0.5〜50%、さらに好ましくは1〜40%、とくに好ましくは2〜30%である。なお、(a3)の実際の製造に当たって(Q1)は、被変性物(a1−1)の重量に基づいて、ポリアミド(イミド)化を防止する観点から好ましくは0.5〜1,000%、さらに好ましくは1〜500%、とくに好ましくは2〜300%を使用し、反応後に未反応の過剰の(Q1)を減圧下、通常120〜230℃で除去することが好ましい。
(a3)のMnは、耐熱性および後述する親水性ポリマー(b)との反応性の観点から好ましくは800〜25,000、さらに好ましくは1,000〜20,000、とくに好ましくは2,500〜10,000である。
また、(a3)のアミン価は、(a2)との反応性およびブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から好ましくは4〜280(単位はmgKOH/g。以下、数値のみを記載する。)、さらに好ましくは4〜100、とくに好ましくは5〜50である。
イソシアネート基を両末端に有するポリオレフィン(a4)としては、前記水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2)をポリ(2〜3またはそれ以上)イソシアネート(以下PIと略記)で変性したイソシアネート基を有するポリオレフィンおよびこれらの2種以上の混合物が使用できる。
PIとしては、C(NCO基中のCを除く、以下同様。)6〜20の芳香族PI、C2〜18の脂肪族PI、C4〜15の脂環式PI、C8〜15の芳香脂肪族PI、これらのPIの変性体およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
上記芳香族PIの具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート(ジイソシアネートは以下DIと略記)、2,4−および/または2,6−トリレンDI(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンDI(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンDI等が挙げられる。
上記脂肪族PIの具体例としては、エチレンDI、テトラメチレンDI、ヘキサメチレンDI(HDI)、ドデカメチレンDI、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンDI、リジンDI、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等が挙げられる。
上記脂環式PIの具体例としては、イソホロンDI(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−DI(水添MDI)、シクロヘキシレンDI、メチルシクロヘキシレンDI(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンDI等が挙げられる。
上記芳香脂肪族PIの具体例としては、M−および/またはP−キシリレンDI(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
また、上記PIの変性体としては、ウレタン変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体、ウレトジオン変性体等が挙げられる。
これらのうち、好ましいのはTDI、MDIおよびHDI、さらに好ましいのはHDIである。
(a2)とPIとの反応は通常のウレタン化反応と同様の方法で行うことができる。
イソシアネート変性ポリオレフィンを形成する際の、PIと(a2)との当量比(NCO/OH比)は、通常1.8/1〜3/1、好ましくは2/1である。
反応を促進するために必要によりポリウレタンに通常用いられる触媒を使用してもよい。このような触媒としては、金属触媒、例えば錫触媒[ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート等]、鉛触媒[2−エチルヘキサン酸鉛、オクテン酸鉛等]、その他の金属触媒[ナフテン酸金属塩(ナフテン酸コバルト等)、フェニル水銀プロピオン酸塩等];アミン触媒、例えばトリエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン{1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7〔DBU[登録商標、サンアプロ(株)製]等}、ジアルキルアミノアルキルアミン[ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノオクチルアミン等]、複素環式アミノアルキルアミン[2−(1−アジリジニル)エチルアミン、4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]の炭酸塩および有機酸塩(ギ酸塩等)、N−メチルおよび−エチルモルホリン、トリエチルアミン、ジエチル−およびジメチルエタノールアミン;およびこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
これらの触媒の使用量はPIと(a2)の合計重量に基づいて、通常3%以下、好ましくは0.001〜2%である。
(a4)のMnは、耐熱性および後述する親水性ポリマー(b)との反応性の観点から、好ましくは800〜25,000、さらに好ましくは1,000〜20,000、とくに好ましくは2,500〜10,000である。
[親水性ポリマー(b)]
前記ブロックポリマー(A)を構成する親水性ポリマー(b)としては、特許第3488163号に記載の親水性ポリマーが挙げられる。
すなわち、(b)としては、ポリエーテル(b1)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)、カチオン性ポリマー(b3)およびアニオン性ポリマー(b4)からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
親水性ポリマー(b)の体積固有抵抗値(単位:Ω・cm)(ASTM D257に(1984年)に準拠し、23℃、50%RHの雰囲気下で測定される値)は、1×105〜1×1011、好ましくは1×106〜1×109である。体積固有抵抗値が1×105未満のものは存在せず、1×1011を超えると後述する積層ポリエチレンフィルムの帯電防止性が低下する。ここにおいて、親水性とは、上記範囲の体積固有抵抗値を有することを意味するものとする。
ポリエーテル(b1)としては、ポリエーテルジオール(b11)、ポリエーテルジアミン(b12)、およびこれらの変性物(b13)が使用できる。
ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)としては、ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオール(b11)のセグメントを有するポリエーテルエステルアミド(b21)、同じく(b11)のセグメントを有するポリエーテルアミドイミド(b22)、同じく(b11)のセグメントを有するポリエーテルエステル(b23)、同じく(b12)のセグメントを有するポリエーテルアミド(b24)および同じく(b11)または(b12)のセグメントを有するポリエーテルウレタン(b25)が使用できる。
カチオン性ポリマー(b3)としては、非イオン性分子鎖(c1)で隔てられた2〜80個、好ましくは3〜60個のカチオン性基(c2)を分子内に有するカチオン性ポリマーが使用できる。
アニオン性ポリマー(b4)としては、スルホ基を有するジカルボン酸(e1)と、ジオール(b0)またはポリエーテル(b1)とを必須構成単位とし、かつ分子内に2〜80個、好ましくは3〜60個のスルホ基を有するアニオン性ポリマーが使用できる。
ポリエーテル(b1)について説明する。
(b1)のうち、ポリエーテルジオール(b11)は、ジオール(b0)にアルキレンオキサイド(以下AOと略記)を付加反応させることにより得られる構造のものであり、

一般式:H−(OA1m−O−E1−O−(A1O)m'−Hで示されるものが挙げられる。
式中、E1はジオール(b0)から水酸基を除いた残基、A1は炭素数(以下Cと略記)2〜4のアルキレン基、mおよびm’はジオール(b0)の水酸基1個当たりのAO付加モル数を表す。m個の(OA1)とm’個の(A1O)とは同一でも異なっていてもよく、また、これらが2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合形式はブロックもしくはランダムまたはこれらの組合せのいずれでもよい。
mおよびm’は、通常1〜300、好ましくは2〜250、特に好ましくは10〜100の整数である。また、mとm’とは同一でも異なっていてもよい。
ジオール(b0)としては、二価アルコール(例えばC2〜12の脂肪族、脂環含有もしくは芳香環含有二価アルコール)、C6〜18の二価フェノールおよび三級アミノ基含有ジオールが挙げられる。
脂肪族二価アルコールとしては、例えば、アルキレングリコール[エチレングリコール、プロピレングリコール(以下それぞれEG、PGと略記)]、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール(以下それぞれ1,4−BD、1,6−HD、NPGと略記)、1,12−ドデカンジオールが挙げられる。
脂環含有二価アルコールとしては、例えば、シクロヘキサンジメタノールが挙げられ、芳香環含有二価アルコールとしては、例えば、キシリレンジオール等が挙げられる。
二価フェノールとしては、例えば、単環二価フェノール(ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ウルシオール等)、ビスフェノール(ビスフェノールA、−Fおよび−S、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、ジヒドロキシビフェニル等)および縮合多環二価フェノール(ジヒドロキシナフタレン、ビナフトール等)が挙げられる。
三級アミノ基含有ジオールとしては、例えば、C1〜12の脂肪族または脂環含有一級モノアミン(メチルアミン、エチルアミン、シクロプロピルアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、アミルアミン、イソアミルアミン、ヘキシルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチルアミン、2−アミノヘプタン、3−アミノヘプタン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン等)のビスヒドロキシアルキル化物およびC6〜12の芳香環含有一級モノアミン(アニリン、ベンジルアミン等)のビスヒドロキシアルキル化物が挙げられる。
これらのうち反応性の観点から好ましいのは、脂肪族二価アルコール、ビスフェノール、特に好ましいのはEGおよびビスフェノールAである。
ポリエーテルジオール(b11)は、ジオール(b0)にAOを付加反応させることにより製造することができる。
AOとしては、C2〜4のAO[エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,4−、2,3−および1,3−ブチレンオキサイド(以下それぞれEO、PO、BOと略記)、およびこれらの2種以上の併用系が用いられるが、必要により他のAOまたは置換AO(以下、これらも含めてAOと総称する。)、例えばC5〜12のα−オレフィン、スチレンオキサイド、エピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)を少しの割合(例えば、全AOの重量に基づいて30%以下)で併用することもできる。
2種以上のAOを併用するときの結合形式はランダムおよび/またはブロックのいずれでもよい。AOとして好ましいのは、EO単独およびEOと他のAOとの併用(ランダムおよび/またはブロック付加)である。AOの付加モル数は、ジオール(b0)の水酸基1個当り、通常1〜300、好ましくは2〜250、特に好ましくは10〜100の整数である。
AOの付加は、公知の方法、例えばアルカリ触媒の存在下、100〜200℃の温度で行なうことができる。(b11)中のC2〜4のオキシアルキレン単位の含量は、通常5〜99.8%、好ましくは8〜99.6%、特に好ましくは10〜98%である。
ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン単位の含量は、通常5〜100%、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%、特に好ましくは60〜100%である。
ポリエーテルジアミン(b12)は、一般式:H2N−A2−(OA1m−O−E1
O−(A1O)m'−A2−NH2(式中の記号E1、A1、mおよびm’は前記と同様であり、A2はC2〜4のアルキレン基である。A1とA2とは同じでも異なってもよい。)で示
されるものが使用できる。
(b12)は、(b11)の水酸基を公知の方法によりアミノ基に変えることにより得ることができ、例えば、(b11)の水酸基をシアノアルキル化して得られる末端を還元してアミノ基としたものが使用できる。
例えば(b11)とアクリロニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化物を水素添加することにより製造することができる。
変性物(b13)としては、例えば、(b11)または(b12)のアミノカルボン酸変性物(末端アミノ基)、同イソシアネート変性物(末端イソシアネート基)および同エポキシ変性物(末端エポキシ基)が挙げられる。
アミノカルボン酸変性物は、(b11)または(b12)と、アミノカルボン酸またはラクタムとを反応させることにより得ることができる。
イソシアネート変性物は、(b11)または(b12)と、後述のようなポリイソシアネートとを反応させるか、(b12)とホスゲンとを反応させることにより得ることができる。
エポキシ変性物は、(b11)または(b12)と、ジエポキシド(ジグリシジルエーテル、ジグリシジルエステル、脂環式ジエポキシド等のエポキシ樹脂:エポキシ当量85〜600)とを反応させるか、(b11)とエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)とを反応させることにより得ることができる。
ポリエーテル(b1)のMnは、通常150〜20,000、耐熱性および前記のポリオレフィン(a)との反応性の観点から好ましくは300〜18,000、さらに好ましくは1,000〜15,000、とくに好ましくは1,200〜8,000である。
前記Mnの測定条件は以下のとおりで、以下Mnは同じ条件で測定するものとする。
装置:高温GPC
溶媒:オルトジクロロベンゼン
基準物質:ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム温度:135℃
前記ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)としては、ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオール(b11)のセグメントを有するポリエーテルエステルアミド(b21)、同じく(b11)のセグメントを有するポリエーテルアミドイミド(b22)、同じく(b11)のセグメントを有するポリエーテルエステル(b23)、同じくポリエーテルジアミン(b12)のセグメントを有するポリエーテルアミド(b24)および同じく(b11)または(b12)のセグメントを有するポリエーテルウレタン(b25)が挙げられる。
ポリエーテルエステルアミド(b21)は、末端にカルボキシル基を有するポリアミド(Q1)とポリエーテルジオール(b11)とから構成される。
(Q1)としては、C4〜20のラクタム(Q11)(前記のもの)の開環重合体;C2〜20のアミノカルボン酸(Q12)(前記のもの)の重縮合体;ジアミン(Q13)(前記のもの)(C2〜20の脂肪族ジアミン、C6〜15の脂環式ジアミン、C8〜15の芳香脂肪族ジアミンおよびC6〜15の芳香族ジアミン等)とC2〜20のジカルボン酸(Q14)(前記のもの)〔脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体[低級アルキル(C1〜6)エステル、無水物等]等〕とのポリアミド(Q15);およびこれらの混合物が挙げられる。
(Q1)として帯電防止性の観点から好ましいのは、カプロラクタムの開環重合体、12−アミノドデカン酸の重縮合体およびアジピン酸とヘキサメチレンジアミンとのポリアミド、さらに好ましいのはカプロラクタムの開環重合体である。
ポリエーテルアミドイミド(b22)としては、少なくとも1個のイミド環を有するポリアミドイミド(Q2)とポリエーテルジオール(b11)とから構成される。
(Q2)としては、C4〜20のラクタム(Q11)と少なくとも1個のイミド環を形成しうる3価または4価の芳香族ポリカルボン酸(Q21)とからなる重合体;C2〜20のアミノカルボン酸(Q12)と(Q21)とからなる重合体;ポリアミド(Q15)と(Q21)とからなる重合体;およびこれらの混合物が挙げられる。
ポリエーテルエステル(b23)は、ポリエステル(Q3)とポリエーテルジオール(b11)とから構成される。
(Q3)としては、C2〜20のジカルボン酸(Q14)とグリコール[前記ジオール(b0)中の二価アルコール等]とのポリエステル;C6〜12のラクトン(前記のもの)もしくはC2〜20のヒドロキシカルボン酸のポリエステル;およびこれらの混合物が挙げられる。
ポリエーテルアミド(b24)は、ポリアミド(Q1)とポリエーテルジアミン(b12)とから構成される。
ポリエーテルウレタン(b25)は、前記ポリイソシアネートのうちのジイソシアネートと、ポリエーテルジオール(b11)またはポリエーテルジアミン(b12)および必要により鎖伸長剤[前記ジオール(b0)中の二価アルコール、ジアミン(Q13)等]とから構成される。
ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)中のポリエーテル(b1)セグメントの含量は、成形性の観点から好ましくは、(b2)の重量に基づいて30〜80%、さらに好ましくは40〜70%である。
(b2)中のオキシエチレン基の含量は、帯電防止性および成形性の観点から、(b2)の重量に基づいて30〜80%、さらに好ましくは40〜70%である。
(b2)のMnは、耐熱性の観点から好ましい下限は800、さらに好ましくは1,000、ポリオレフィン(a)との反応性の観点から好ましい上限は50,000、さらに好ましくは30,000である。
カチオン性ポリマー(b3)は、分子内に非イオン性分子鎖(c1)で隔てられた2〜80個、好ましくは3〜60個のカチオン性基(c2)を有する親水性ポリマーである。
カチオン性基(c2)としては、4級アンモニウム塩またはホスホニウム塩を有する基が挙げられる。(c2)の対アニオンとしては、超強酸アニオンおよびその他のアニオンが挙げられる。
超強酸アニオンとしては、プロトン酸(d1)とルイス酸(d2)との組み合わせから誘導される超強酸(四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸等)のアニオン、トリフルオロメタンスルホン酸等の超強酸のアニオンが挙げられる。
その他のアニオンとしては、例えばハロゲンイオン(F-、Cl-、Br-、I-等)、OH-、PO4 -、CH3OSO4 -、C25OSO4 -、ClO4 -等が挙げられる。
超強酸を誘導する上記プロトン酸(d1)の具体例としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素等が挙げられる。
また、ルイス酸(d2)の具体例としては、三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素、五フッ化タンタル等が挙げられる。
非イオン性分子鎖(c1)としては、二価の炭化水素基、またはエーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、イミノ結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合および/またはシロキシ結合を有する炭化水素基並びに窒素原子もしくは酸素原子を含む複素環構造を有する炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種の二価の炭化水素基等の二価の有機基;およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
これらの(c1)のうち好ましいのは、二価の炭化水素基およびエーテル結合を有する二価の炭化水素基である。
カチオン性ポリマー(b3)のMnは、帯電防止性および前記ポリオレフィン(a)との反応性の観点から、好ましくは500〜20,000、さらに好ましくは1,000〜15,000、とくに好ましくは1,200〜8,000である。
カチオン性ポリマー(b3)の具体例としては、特開2001−278985号公報記載のカチオン性ポリマーが挙げられる。
アニオン性ポリマー(b4)は、スルホニル基を有するジカルボン酸(e1)と、ジオール(b0)またはポリエーテル(b1)とを必須構成単位とし、かつ分子内に2〜80個、好ましくは3〜60個のスルホニル基を有する親水性ポリマーである。
ジカルボン酸(e1)としては、スルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸、スルホニル基を有する脂肪族ジカルボン酸およびこれらのスルホニル基のみが塩となったものが使用できる。
スルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸としては、例えば5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体[低級アルキル(C1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル等)、酸無水物等]が挙げられる。
スルホニル基を有する脂肪族ジカルボン酸としては、例えばスルホコハク酸、およびそのエステル形成性誘導体[低級アルキル(C1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル等)、酸無水物等]が挙げられる。
これらのスルホニル基のみが塩となったものとしては、例えばアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)の塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)の塩、アンモニウム塩、ヒドロキシアルキル(C2〜4)基を有するモノ−、ジ−もしくはトリ−アミン(モノ−、ジ−もしくはトリ−エチルアミン、モノ−、ジ−もしくはトリ−エタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の有機アミン塩)等のアミン塩、これらアミンの四級アンモニウム塩およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、スルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸、さらに好ましいのは5−スルホイソフタル酸塩、とくに好ましくは5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩および5−スルホイソフタル酸カリウム塩である。
(b4)を構成する(b0)または(b1)のうち好ましいのは、C2〜10のアルカンジオール、EG、ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)(重合度2〜20)、ビスフェノール(ビスフェノールA等)のEO付加物(付加モル数2〜60)およびこれらの2種以上の混合物である。
(b4)の製法としては、通常のポリエステルの製法がそのまま適用できる。ポリエステル化反応は、通常減圧下150〜240℃の温度範囲で行われ、反応時間は0.5〜20時間である。また、該エステル化反応においては、必要により通常のエステル化反応に用いられる触媒を用いてもよい。
エステル化触媒としては、例えばアンチモン触媒(三酸化アンチモン等)、錫触媒(モノブチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド等)、チタン触媒(テトラブチルチタネート等)、ジルコニウム触媒(テトラブチルジルコネート等)、酢酸金属塩触媒(酢酸亜鉛等)等が挙げられる。
(b4)のMnは、帯電防止性および前記ポリオレフィン(a)との反応性の観点から、好ましくは500〜20,000、さらに好ましくは1,000〜15,000、とくに好ましくは1,200〜8,000である。
[ブロックポリマー(A)]
本発明におけるブロックポリマー(A)は、上記ポリオレフィン(a)のブロックと、親水性ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合、ウレタン結合およびウレア結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し結合したものである。
これらのうち帯電防止性の観点から好ましいのは、(b)がポリエーテル(b1)であるブロックポリマー(A1)、(b)がカチオン性ポリマー(b3)であるブロックポリマー(A3)、および(b)がアニオン性ポリマー(b4)であるブロックポリマー(A4)である。
(A)を構成する(a)のブロックと(b)のブロックの重量比は、積層ポリエチレンフィルムの帯電防止性および機械物性の観点から好ましくは10/90〜80/20、さらに好ましくは20/80〜75/25である。
(A)のMnは、後述する積層ポリエチレンフィルムの機械物性および帯電防止性の観点から好ましくは2,000〜1,000,000、さらに好ましくは4,000〜500,000、とくに好ましくは6,000〜100,000である。
ブロックポリマー(A)には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により、さらにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩、第4級アンモニウム塩、界面活性剤およびイオン性液体からなる群から選ばれる少なくとも1種の帯電防止性向上剤(D)を含有させることができる。
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩(D1)としては、金属[アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)もしくはアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)]の、有機酸(C1〜7のモノ−およびジ−カルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸;C1〜7のスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸;チオシアン酸)の塩、および無機酸(ハロゲン化水素酸、例えば塩酸、臭化水素酸;過塩素酸;硫酸;硝酸;リン酸)の塩が挙げられる。
第4級アンモニウム塩(D2)としては、アミジニウム(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム等)もしくはグアニジウム(2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム等)]の、有機酸(前記)および無機酸(前記)の塩が挙げられる。
界面活性剤(D3)としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性の界面活性剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。
イオン性液体(D4)としては、上記(D1)〜(D3)を除く化合物で、室温以下の融点を有し、構成するカチオンまたはアニオンのうち少なくとも一つが有機物イオンで、初期電導度が1〜200ms/cm(好ましくは10〜200ms/cm)である常温溶融塩であって、例えばWO95/15572公報に記載の常温溶融塩が挙げられる。
(A)の重量に基づく(D)の合計含有量は、通常15%以下、帯電防止性およびフィルム表面へのブリードアウトを抑える観点から好ましくは0.001〜10%、さらに好ましくは0.1〜5%である。
(D)を(A)の製造時に含有させるタイミングは特に限定はなく、重合前、重合中および重合後のいずれでもよいが重合前の原料に含有させるのが好ましい。
[ポリエチレン樹脂(B)]
本発明におけるポリエチレン樹脂(B)は、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン・α−オレフィン共重合体およびこれらの混合物が挙げられる。該(B)のメルトフローレート(MFR)(温度190℃、荷重2.16kgで測定)は好ましくは0.1〜5.0g/10分である。
[帯電防止層(β)]
本発明における帯電防止層(β)は、前記ブロックポリマー(A)とポリエチレン樹脂(B)とを含有してなる帯電防止性樹脂組成物(β0)からなる。該(A)と(B)の重量比[(A)/(B)]は、帯電防止性および後述のフィルム(Z)の機械的強度の観点から、好ましくは1/99〜50/50、さらに好ましくは3/97〜30/70、とくに好ましくは5/95〜25/75である。該(β)は、後述の積層ポリエチレンフィルム(Z)を構成する。
帯電防止層(β)には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により、さらに前記(D)以外の、着色剤、酸化防止剤、難燃剤および紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の以下に示すその他の添加剤(E)を含有させることができる。該各(E)はそれぞれ1種または2種以上併用のいずれでもよい。
着色剤(E1)としては、無機顔料[白色顔料、コバルト化合物、鉄化合物、硫化物等]、有機顔料[アゾ顔料、多環式顔料等]、染料[アゾ系、インジゴイド系、硫化系、アリザリン系、アクリジン系、チアゾール系、ニトロ系、アニリン系等]等;
酸化防止剤(E3)としては、フェノール化合物〔単環フェノール(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等)、ビスフェノール[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等]、多環フェノール[1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等]等〕、硫黄化合物(ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート等)、リン化合物(トリフェニルホスファイト等)、アミン化合物(オクチル化ジフェニルアミン等)等;
難燃剤(E4)としては、ハロゲン含有難燃剤、窒素含有難燃剤、硫黄含有難燃剤、珪素含有難燃剤、リン含有難燃剤等;
紫外線吸収剤(E5)としては、ベンゾトリアゾール[2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]、ベンゾフェノン[2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等]、サリチレート[フェニルサリチレート等]、アクリレート[2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’1−ジフェニルアクリレート等]等;
帯電防止剤(A)とポリエチレン樹脂(B)との合計重量に基づく(E)の合計含有量は、通常45%以下、各添加剤の効果および成形品の観点から好ましくは0.001〜40%、さらに好ましくは0.01〜35%;各(E)の含有量は、同様の観点から(E1)は好ましくは0.1〜3%、さらに好ましくは0.2〜2%;(E3)は好ましくは0.01〜3%、さらに好ましくは0.05〜1%;(E4)は好ましくは0.5〜20%、さらに好ましくは1〜10%;(E5)は好ましくは0.01〜3%、さらに好ましくは0.05〜1%である。
[ヒートシール層(α)]
本発明におけるヒートシール層(α)を構成するヒートシール性樹脂組成物(α0)は、公知の低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂、およびこれらの混合物を含有してなる。
これらのうち好ましいのは、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン・α−オレフィン共重合体、アイオノマー樹脂、さらに好ましいのはエチレン・α−オレフィン共重合体である。
また、上記(α0)には、必要により、公知の粘着性付与剤(水添石油樹脂、水添テルペン樹脂等)を含有してもよい。
該(α0)のメルトフローレート(以下、MFRと略記することがある)は、好ましくは0.3〜10g/min、さらに好ましくは0.5〜6g/minである。本発明における該MFRはJIS K7210に準じて測定できる。
該(α)は後述の積層ポリエチレンフィルム(Z)を構成する。
[基材層(γ)]
本発明における基材層(γ)は、前記ポリエチレン樹脂(B)を含有してなる基材組成物(γ0)から構成される。該(γ0)中には、前記(A)は含有しないのが好ましい。該(γ)は、必要により後述の積層ポリエチレンフィルム(Z)を構成する。
[積層ポリエチレンフィルム(Z)]
本発明の積層ポリエチレンフィルム(Z)は、前記帯電防止層(β)を有し、該帯電防止層(β)の上に、前記ヒートシール層(α)を有してなる。
該フィルム(Z)には、フィルム強度の観点から、前記帯電防止層(β)の下に前記基材層(γ)を有してもよい。
該(α)の厚みは、ヒートシール性および帯電防止性の観点から、好ましくは0.5〜20μm、さらに好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは1.5〜5μmである。
該(β)の厚みは、帯電防止性およびフィルム強度の観点から、好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは10〜20μmである。
本発明の積層ポリエチレンフィルム(Z)は、(α)の厚みを上記の範囲とすることにより、ヒートシール性と帯電防止性との両方を、より優れたものにすることができる。
前記フィルム(Z)の構成としては、下記の[1]〜[6]等が挙げられる。
[1]:上から順に、(α)−(β)
[2]:上から順に、(α)−(β)−(α)
[3]:上から順に、(α)−(β)−(γ)
[4]:上から順に、(α)−(β)−(γ)−(α)
[5]:上から順に、(α)−(β)−(γ)−(β)
[6]:上から順に、(α)−(β)−(γ)−(β)−(α)
フィルム(Z)の構成は、用途や目的により、種々使い分けられるが、上記[1]〜[6]のうち、ヒートシール性と帯電防止性の利便性および強度の観点から、好ましいのは[2]、[6]である。
また、(γ)の厚みについては、とくに制限されず、用途や目的により、使い分けられる。該(γ)の厚みは、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmである。
本発明の積層ポリエチレンフィルム(Z)は、公知の製造方法により製造できる。
すなわち、前記(α0)、(β0)、必要により(γ0)の各構成成分を、種々の成形機により、成形して積層ポリエチレンフィルムを得る。好ましくは積層インフレーション成形機を用いるものであり、例えば、複数(2〜5台)の押出機を備えた積層インフレーション成形機を用いて、前記各構成成分を、ヘンシェルミキサーなどにより、ドライブレンドした後、押出機によりドライブレンド物を溶融混練し、次に多層ダイから共押出し、空冷した後、巻き取り機により巻き取ることにより積層ポリエチレンフィルム(Z)が得られる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
製造例1
[酸変性ポリオレフィン(a−1)の製造]
ステンレス製のオートクレーブに、熱減成法[ポリプロピレン(MFR10)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)、16分間で熱減成]で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn3,400、C1,000個当たりの二重結合数7.0、1分子当たりの二重結合の平均数1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量90%)90部、無水マレイン酸10部およびキシレン30部を仕込み、均一混合後、窒素ガス雰囲気下(密閉下)、撹拌しながら200℃で溶融させ10時間反応させた。その後、過剰の無水マレイン酸とキシレンを減圧下(1.3kPa以下)、200℃、3時間で留去して、酸変性ポリオレフィン(a−1)95部を得た。(a−1)の酸価は27.5、Mnは3,600であった。
製造例2
[二次変性した酸変性ポリオレフィン(a−2)の製造]
ステンレス製のオートクレーブに、(a−1)88部、12−アミノドデカン酸12部を仕込み、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃で溶融し、3時間、減圧下(1.3kPa以下以下)で反応させ、二次変性した酸変性ポリオレフィン(a−2)96部を得た。(a−2)の酸価は24.8、Mnは、4,000であった。
製造例3
[水酸基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a−3)の製造]
製造例1において、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン90部および無水マレイン酸10部に代えて、熱減成法[エチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含量2%、MFR10)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)、14分間で熱減成] で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体(Mn10,000、C1,000個当たりの二重結合数2.5、1分子当たりの二重結合の平均数1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量90%)94部および無水マレイン酸6部を用いたこと以外は製造例1と同様にして、酸変性ポリオレフィン(a−1α)98部を得た。(a−1α)の酸価は9.9、Mnは10,200であった。
次に、(a−1α)97部に対して、エタノールアミン5部を加え、窒素ガス雰囲気下、180℃で溶融し、2時間反応させた。その後、過剰のエタノールアミンを減圧下(1.3kPa以下)、180℃、2時間で留去して、水酸基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a−3)を得た。(a−3)の水酸基価は9.9、アミン価は0.01、Mnは10,200であった。
製造例4
[アミノ基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a−4)の製造]
製造例1において、ステンレス製のオートクレーブに、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン90部および無水マレイン酸10部に代えて、熱減成法[エチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含量3%、MFR7)を410±0.1℃、18分間で熱減成]で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn1,500、C1,000個当たりの二重結合数17.8、1分子当たりの二重結合の平均数1.94、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量98%)80部および無水マレイン酸20部を用いたこと以外は製造例1と同様にして、酸変性ポリオレフィン(a−1β)92部を得た。(a−1β)の酸価は64.0、Mnは1,700であった。
次に、酸変性ポリオレフィン(a−1β)90部に対して、ビス(2−アミノエチル)エーテル10部を加え、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら、200℃で溶融し、2時間反応させた。その後、過剰のビス(2−アミノエチル)エーテルを減圧下(1.3kPa以下)、200℃、2時間で留去して、アミノ基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a−4)を得た。(a−4)のアミン価は64.0、Mnは1,700であった。
製造例5
[カチオン性ポリマー(b3)の製造]
ステンレス製オートクレーブにN−メチルジエタノールアミン41部、アジピン酸49部および酢酸ジルコニル0.3部を仕込み、窒素置換後、2時間かけて220℃まで昇温し、1時間かけて0.13kPaまで減圧してポリエステル化反応させた。反応終了後、50℃まで冷却し、メタノール100部を加えて溶解した。撹拌しながら反応容器中の温度を120℃に保ち、炭酸ジメチル31部を3時間かけて徐々に滴下し、同温度で6時間熟成させた。室温まで冷却後、60%ヘキサフルオロリン酸水溶液100部を加え、室温で1時間撹拌した。次いでメタノールを減圧留去し、4級アンモニウム基を平均12個有するカチオン性ポリマー(b3α)(水酸基価30.1、酸価0.5、体積固有抵抗値1×105Ω・cm)を得た。
製造例6
[アニオン性ポリマー(b4)の製造]
ステンレス製オートクレーブに、PEG (Mn300)67部、5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルのナトリウム塩49部およびジブチルスズオキシド0.2部を仕込み、0.67kPaの減圧下で190℃まで昇温し、メタノールを留去しながら6時間エステル交換反応させ、1分子内にスルホン酸ナトリウム塩基を平均5個有するアニオン性ポリマー(b4α)(水酸基価29.6、酸価0.4、体積固有抵抗値2×106Ω・cm)を得た。
製造例11
[ブロックポリマー(A−1)の製造]
ステンレス製オートクレーブに、酸変性ポリオレフィン(a−1)67.1部、ポリエチレングリコール[以下、PEGと略記することがある](Mn3,000、体積固有抵抗値1×107Ω・cm)(b1α)32.9部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(D−1)5.0部、酸化防止剤[商品名「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]0.3部および酢酸ジルコニル0.5部を仕込み、220℃、0.13kPa以下の減圧下で3時間重合させ粘稠なポリマーを得た。このポリマ−をベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによって、ブロックポリマー(A−1)(Mn50,000、体積固有抵抗値3×106Ω・cm)を得た。
製造例12
[ブロックポリマー(A−2)の製造]
製造例11において、(a−1)67.1部、(b1α)32.9部に代えて、二次変性した酸変性ポリオレフィン(a−2)60.1部、α,ω−ジアミノPEG(Mn2,000、体積固有抵抗値1×107Ω・cm)(b2α)39.9部を用いたこと以外は、製造例11と同様にして、ブロックポリマー(A−2)(Mn30,000、体積固有抵抗値5×106Ω・cm)を得た。
製造例13
[ブロックポリマー(A−3)の製造]
製造例11において、(a−1)67.1部、(b1α)32.9部に代えて、水酸基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a−3)48.0部、カチオン性ポリマー(b3α)48.0部を用い、さらにドデカン二酸4部を加えたこと以外は、製造例11と同様にして、ブロックポリマー(A−3)(Mn100,000、体積固有抵抗値5×106Ω・cm)を得た。
製造例14
[ブロックポリマー(A−4)の製造]
製造例11において、(a−1)67.1部、(b1α)32.9部に代えて、アミノ基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a−4)31.6部、アニオン性ポリマー(b4α)68.4部を用い、さらにドデカン二酸8部を加えたこと以外は、製造例11と同様にして、ブロックポリマー(A−4)(Mn10,000、体積固有抵抗値6×106Ω・cm)を得た。
製造例15〜19
表1に示す配合組成(部)に従って、配合成分をヘンシェルミキサーで3分間混合した後、ベント付き2軸押出機にて、100rpm、220℃、滞留時間5分の条件で溶融混練して、帯電防止性樹脂組成物(β0−1)〜(β0−5)を得た。
なお、表1中の記号の内容は以下の通りである。
(B−1):ポリエチレン樹脂
「ノバテック LF128」[日本ポリエチレン(株)製]
(B−2):ポリエチレン樹脂
「ノバテック LF280H」[日本ポリエチレン(株)製]
<実施例1〜15、比較例1〜3>
表2に記載のヒートシール性樹脂組成物(α0)、帯電防止性樹脂組成物(β0)、基材組成物(γ0)の各成分をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機を複数備えた積層インフレーション成形機を用いて、100rpm、170℃、滞留時間5分の条件で溶融混練した後、170℃で温調した多層ダイから共押出し成形して得た多層フィルムを引取速度が10m/min、ブロー比が2.0で空冷した後、巻き取り機により巻き取り、表2に示すように各層の厚みを変えることで実施例1〜15、比較例1〜3の積層ポリエチレンフィルムを得た。
なお、使用した原料は以下のとおり。
(α0−1):直鎖状低密度ポリエチレン、
「2515HF」、宇部丸善ポリエチレン(株)製
(α0−2):直鎖状低密度ポリエチレン、
「2525F」、宇部丸善ポリエチレン(株)製
(γ0−1):低密度ポリエチレン樹脂、
「ノバテックLF128」、日本ポリエチレン(株)製
(γ0−2):低密度ポリエチレン樹脂
「ノバテックLF280H」、日本ポリエチレン(株)製
<実施例16>
(α0−1)、(β0−1)、(γ0−1)成分を、それぞれヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機を5台備えた積層インフレーション成形機を用いて、100rpm、170℃、滞留時間5分の条件で溶融混練した後、170℃で温調した多層ダイから共押出し成形して得た多層フィルムを引取速度が10m/min、ブロー比が2.0で空冷した後、巻き取り機により巻き取り、表2に示すように各層の厚みを変えることで積層ポリエチレンフィルム(Z−16)を得た。
(Z−16)は、上から順に、(α0−1):5μm、(β0−1):10μm、(γ0−1):20μm、(β0−1):10μm、(α0−1):5μmであり、フィルムの厚さは50μmであった。
実施例1〜16、比較例1〜3で得られた各積層ポリエチレンフィルムについて、以下の(1)〜(2)の手順にしたがって、性能試験を行った。結果を表2に示す。
<性能試験>
(1)表面固有抵抗値(単位:Ω)
ASTM D257に準拠。試験片(100×100mm)について、下記ヒートシール強度の測定面を超絶縁計[型番「DSM−8103」、東亜電波(株)製]により23℃、湿度50%RHの雰囲気下で測定した。
(2)ヒートシール強度
15mm巾に裁断したヒートシール面を重ね合わせ、そのT字剥離強度を、シール温度:120℃ 、シール圧力:0.2M Pa、シール時間:1.0秒でヒートシールを行い、引張試験機にて100mm/分の引張速度、23℃、湿度50%RHの雰囲気下でヒートシール強度を測定した。
表2の結果から、本発明の積層ポリエチレンフィルムは、比較のものと比べて、優れた帯電防止性と優れたヒートシール性とを両立できていることが明らかである。
本発明の積層ポリエチレンフィルムは、ヒートシール性および帯電防止性が要求される電子材料、工業部品、食品、医薬品の包装用途に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. ポリオレフィン(a)のブロックと体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマー(A)とポリエチレン樹脂(B)とを含有する帯電防止性樹脂組成物(β0)からなる帯電防止層(β)を有し、該(β)の上にヒートシール層(α)を有してなる積層ポリエチレンフィルム(Z)。
  2. (a)が、熱減成ポリオレフィンである請求項1記載の積層ポリエチレンフィルム。
  3. (A)と(B)の重量比[(A)/(B)]が5/95〜25/75である請求項1または2記載の積層ポリエチレンフィルム。
  4. ヒートシール層(α)が、低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体およびアイオノマー樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有してなるヒートシール性樹脂組成物(α0)から構成される請求項1〜3のいずれか記載の積層ポリエチレンフィルム。
  5. ヒートシール層(α)の厚みが、0.5〜20μmである請求項1〜4のいずれか記載の積層ポリエチレンフィルム。
  6. 帯電防止層(β)の下に、さらにポリエチレン樹脂(B)を含有する基材層(γ)を有してなる請求項1〜5のいずれか記載の積層ポリエチレンフィルム。
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