JP5315172B2 - 帯電防止性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、帯電防止性フィルムに関し、さらに詳しくは、ヒートシール性に優れる帯電防止性フィルムに関する。
従来、ポリオレフィンのブロックと、体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの親水性ポリマーのブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーおよびベース樹脂のポリオレフィン樹脂を必須成分とする帯電防止性樹脂組成物からなる表層フィルムと、熱可塑性樹脂からなる基層フィルムとからなる多層フィルムが帯電防止性および強度に優れるものとして提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−321314号公報
しかしながら、上記多層フィルムでは、表層フィルムにブロックポリマーを含有することから、ベース樹脂であるポリオレフィン樹脂のフィルム表面特性に少なからぬ影響があり、ヒートシール性が悪化したり、表面荒れや表面析出物がある、塗装や印刷がしにくくなるという問題がある。
本発明の目的は、帯電防止性フィルムを構成するベース樹脂の本来の表面特性を損なう(表面荒れや表面析出物がある)ことなく、ヒートシール性等に優れる帯電防止性フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、下記(A)〜(C)を含有してなり、(A)〜(C)の合計重量に基づいて、(A)を40〜98%、(B)を1〜30%、(C)を1〜30%含有することを特徴とする帯電防止性フィルム
(A)ポリオレフィン樹脂
(B)ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω
・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有
するブロックポリマーからなる帯電防止剤
(C)カルボジイミド化合物
;並びに、該フィルムに塗装および/または印刷を施してなるフィルム物品である。
本発明の帯電防止性フィルムは、下記の効果を奏する。
(1)永久帯電防止性およびヒートシール性に優れる。
(2)帯電防止性フィルムを構成するベース樹脂の本来の表面特性を損なうことがない。
[ポリオレフィン樹脂(A)]
本発明におけるポリオレフィン樹脂(A)としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体[共重合比(重量比)=0.1/99.9〜99.9/0.1]、プロピレンおよび/またはエチレンと他のα−オレフィン[炭素数(以下Cと略記)4〜12]の1種以上との共重合体(ランダムおよび/またはブロック付加)[共重合比(重量比)=99/1〜5/95]、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA
)[共重合比(重量比)=95/5〜60/40]、エチレン/エチルアクリレート共重合体(EEA)[共重合比(重量比)=95/5〜60/40]が挙げられる。
これらのうち後述の(B)および(C)との相溶性およびヒートシール性の観点から好ましいのは、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレンおよび/またはエチレンとC4〜12のα−オレフィンの1種以上との共重合体[共重合比(重量比)=90/10〜10/90、ランダムおよび/またはブロック付加]、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)[共重合比(重量比)=85/15〜60/40]である。
(A)のメルトフローインデックス(以下MFRと略記)は、後述するフィルムの帯電防止性および機械特性の観点から好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。MFRは、JIS K6758に準じて(例えばポリプロピレンの場合:23
0℃、荷重2.16kgf、ポリエチレンの場合:190℃、荷重2.16kgf)測定される。
(A)の結晶化度は、帯電防止性の観点から好ましくは98%以下、さらに好ましくは0〜80%、とくに好ましくは0〜70%である。結晶化度は、X線回折、赤外線吸収スペクトル等の方法によって測定される〔「高分子の固体構造−高分子実験学講座2」(南篠初五郎)、42頁、共立出版1958年刊参照〕。
[帯電防止剤(B)]
(B)を構成するブロックポリマー(BP)としては、国際公開WO00/47652号公報明細書に記載されているブロックポリマーが使用できる。
(BP)を構成するポリオレフィン(a)としては、カルボニル基含有基(カルボキシル基、アルデヒド基、カルボキシアルキル基、アミド基が含まれ、ブロックポリマーの形成のし易さの観点から、カルボキシル基が好ましい)をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1)、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2)、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a3)が使用でき、さらに、カルボニル基含有基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a4)、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a5)およびアミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a6)が使用できる。これらのうち、変性のし易さからカルボニル基含有基を有するポリオレフィン(a1)および(a4)が好ましい。
(a1)〜(a3)としては、両末端が変性可能なポリオレフィンの両末端にそれぞれ、カルボニル基含有基、水酸基、アミノ基を導入したものが用いられる。
(a4)〜(a6)としては、少なくとも片末端が変性可能なポリオレフィンの片末端にそれぞれ、カルボニル基含有基、水酸基、アミノ基を導入したものが用いられる。
末端が変性可能なポリオレフィンとは、ポリオレフィン鎖の末端に変性可能な官能基(二重結合、アミノ基、カルボキシル基、アリル基、グリシジル基等が含まれ、変性のし易さの観点から二重結合が好ましい。)を有するポリオレフィンを意味する。
変性可能なポリオレフィンとしては、両末端が変性可能なポリオレフィンを主成分(好ましくは含量50重量%以上、さらに好ましくは75重量%以上、とくに好ましくは80〜100重量%)とするポリオレフィン(a0)が使用できる。(a0)は、通常、両末端が変性可能なポリオレフィン、片末端が変性可能なポリオレフィンおよび変性可能な末端基を持たないポリオレフィンの混合物であり、(a0)を変性した場合、官能基(カルボニル基含有基、水酸基またはアミノ基)を両末端に導入したポリオレフィン、官能基を片末端に導入したポリオレフィンおよび官能基を導入していないポリオレフィンの混合物が得られる。
(a0)としては、C2〜30のオレフィンの1種または2種以上の混合物の(共)重合(重合または共重合を意味する。以下同様。)によって得られるポリオレフィン[重合法]および高分子量のポリオレフィン(C2〜30のオレフィンの重合によって得られるポリオレフィン)の熱減成法によって得られる低分子量ポリオレフィン[熱減成法]が使用できる。
C2〜30のオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、C4〜30(帯電防止性の観点から好ましくは4〜12、さらに好ましくは4〜10)のα−オレフィン、およびC4〜30(帯電防止性の観点から好ましくは4〜18、さらに好ましくは4〜8)のジエン等が挙げられる。
α−オレフィンとしては、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセン等が挙げられ、ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、シクロペンタジエンおよび1,11−ドデカジエン等が挙げられる。
これらのうち帯電防止性の観点から好ましいのはC2〜12のオレフィン(エチレン、プロピレン、C4〜12のα−オレフィン、ブタジエンおよび/またはイソプレン等)、さらに好ましいのはC2〜10(エチレン、プロピレン、C4〜10のα−オレフィンおよび/またはブタジエン等)、とくに好ましいのはエチレン、プロピレンおよび/またはブタジエンである。
熱減成法によって得られる低分子量ポリオレフィンは、例えば、特開平3−62804号公報記載の方法等により容易に得ることができる。
重合法によって得られるポリオレフィンは種々の方法で製造でき、例えば、ラジカル触媒、金属酸化物触媒、チーグラー触媒およびチーグラー−ナッタ触媒等の存在下で上記オレフィンを(共)重合させる方法等により容易に得ることができる。
ラジカル触媒としては、例えばジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルベンゾエート、デカノールパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、パーオキシ−ジ−カーボネートエステル、アゾ化合物等、およびγ−アルミナ担体に酸化モリブデンを付着させたもの等が挙げられる。金属酸化物触媒としては、シリカ−アルミナ担体に酸化クロムを付着させたもの等が挙げられる。チーグラー触媒およびチーグラー−ナッタ触媒としては、(C253Al−TiCl4等が挙げられる。
重合法としては、−50〜−100℃に冷却したキシレン、トルエン等の炭化水素系溶媒に、触媒、モノマーを加え、重合する方法等が挙げられる。
変性基であるカルボニル基含有基の導入のしやすさ、および入手のしやすさの点で、熱減成法による低分子量ポリオレフィンが好ましい。
(a0)のMnは帯電防止性の観点から好ましくは800〜20,000、さらに好ましくは1,000〜10,000、とくに好ましくは1,200〜6,000である。
(a0)中の二重結合の量は、帯電防止性の観点から好ましくは、C1,000個当たり1〜40個、さらに好ましくは2〜30個、とくに好ましくは4〜20個である。
1分子当たりの二重結合の平均数は、繰り返し構造の形成性の観点および帯電防止性の観点から好ましくは、1.1〜5、さらに好ましくは1.3〜3、とくに好ましくは1.5〜2.5、最も好ましくは1.8〜2.2である。
熱減成法においては、Mnが800〜6,000の範囲で、1分子当たりの平均末端二重結合数が1.5〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られる〔例えば、村田勝英、牧野忠彦、日本化学会誌、192頁(1975)参照〕。
カルボニル基含有基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1)としては、両末端を変性可能なポリオレフィンの両末端をα、β−不飽和カルボン酸(無水物)(α,β−不飽和カルボン酸、そのC1〜4のアルキルエステルまたはその無水物を意味する。
以下、同様。)で変性した構造を有するポリオレフィン(a11)、(a11)をラクタムまたはアミノカルボン酸で二次変性した構造を有するポリオレフィン(a12)、両末端を変性可能なポリオレフィンを酸化またはヒドロホルミル化変性した構造を有するポリオレフィン(a13)、(a13)をラクタムまたはアミノカルボン酸で二次変性した構造を有するポリオレフィン(a14)、(a13)をヒドロキシアミンで二次変性した構造を有するポリオレフィン(a15)およびこれらの2種以上の混合物等;水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2)としては、(a11)をヒドロキシルアミンで変性した構造を有するポリオレフィン(a21)、(13)をヒドロキシルアミンで変性した構造を有するポリオレフィン(a22)、およびこれらの2種以上の混合物等;アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a3)としては、(a11)をジアミンで二次変性した構造を有するポリオレフィン(a31)、(a12)をジアミンで二次変性した構造を有するポリオレフィン(a32)、(a12)をヒドロキシアミンで変性した構造を有するポリオレフィン(a33)、(a13)をジアミンで二次変性した構造を有するポリオレフィン(a34)、(a13)をヒドロキシアミンで変性した構造を有するポリオレフィン(a235)、(a214)をジアミンで二次変性した構造を有するポリオレフィン(a36)およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
(a11)は、両末端を変性可能なポリオレフィンをα,β−不飽和カルボン酸(無水物)により変性することにより得られる。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)としては、C3〜12のカルボン酸、例えばモノカルボン酸[(メタ)アクリル酸等]、ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等)、これらのアルキル(C1〜4)エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、イタコン酸ジエチル等]およびこれらの無水物が挙げられる。
これらのうち両末端を変性可能なポリオレフィンとの反応性の観点から好ましいのは、ジカルボン酸、これらのアルキルエステルおよびこれらの無水物、さらに好ましいのはマレイン酸(無水物)およびフマル酸、とくに好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
α、β−不飽和カルボン酸(無水物)の使用量は、両末端を変性可能なポリオレフィンの重量に基づき、繰り返し構造の形成性および帯電防止性の観点から好ましくは、0.5〜40重量%、さらに好ましくは1〜30重量%、とくに好ましくは2〜20重量%である。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)による両末端を変性可能なポリオレフィンの変性は種々の方法、例えば、両末端を変性可能なポリオレフィンの末端二重結合に、溶液法または溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を熱的に付加(エン反応)させることにより行うことができる。
溶液法としては、キシレン、トルエン等の炭化水素系溶媒の存在下、両末端を変性可能なポリオレフィンにα,β−不飽和カルボン酸(無水物)を加え、窒素等の不活性ガス雰囲気中170〜230℃で反応させる方法等が挙げられる。
溶融法としては、両末端を変性可能なポリオレフィンを加熱溶融した後に、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を加え、窒素等の不活性ガス雰囲気中170〜230℃で反応させる方法が挙げられる。
これらの方法のうち、反応の均一性の観点から好ましいのは溶液法である。
(a12)は、(a11)をラクタムまたはアミノカルボン酸で二次変性することにより得られる。
ラクタムまたはアミノカルボン酸としては、前述のものが使用できる。
これらのうち、二次変性の反応性の観点から好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、グリシン、ロイシン、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノドデカン酸、さらに好ましいのはカプロラクタム、ラウロラクタム、ω−ア
ミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、特に好ましいのはカプロラクタムおよび12−アミノドデカン酸である。
ラクタムまたはアミノカルボン酸の使用量は、帯電防止性の観点から好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸からカルボキシル基を除いた残基1個当たり、ラクタムまたはアミノカルボン酸0.1〜20個、さらに好ましくは0.3〜15個、特に好ましくは0.5〜10個である。
(a13)は、両末端を変性可能なポリオレフィンを酸素および/またはオゾンにより酸化またはオキソ法によりヒドロホルミル化してカルボニル基含有基を導入することにより得られる。
酸化によるカルボニル基含有基の導入は、種々の方法、例えば、米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボニル基含有基の導入は、種々の方法、例えば、Macromolecules、Vol.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
(a14)は、(a13)をラクタムまたはアミノカルボン酸で二次変性することにより得られる。
ラクタムおよびアミノカルボン酸としては、前述したものが挙げられその使用量も同様である。
(a15)は、(a13)をヒドロキシルアミンで二次変性することにより得られる。ヒドロキシルアミンとしては、C2〜10のヒドロキシルアミン、例えば、2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノール、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、2−アミノエタノールである。ヒドロキシルアミンによる変性は、(a11)とヒドロキシルアミンとを直接反応させることにより行うことができる。反応温度は、通常120〜230℃である。変性に用いるヒドロキシルアミンのヒドロキシル基の量は、(a11)中のα、β不飽和カルボン酸(無水物)の残基1個当たり0.1〜2個、好ましくは0.3〜1.5個、特に好ましくは0.5〜1.2個、最も好ましくは1個である。
(a3)は、(a11)をジアミンで二次変性することにより得られる。ジアミンとしては、C2〜18、好ましくは2〜12のジアミン、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、エチレンジアミンである。ジアミンによる変性は、(a11)とジアミンとを直接反応させることにより行うことができる。反応温度は、通常120〜230℃である。変性に用いるジアミンのアミノ基の量は、(a11)中のα、β不飽和カルボン酸(無水物)の残基1個当たり0.1〜2個、好ましくは0.3〜1.5個、特に好ましくは0.5〜1.2個、最も好ましくは1個である。
(a32)は、(a12)をヒドロキシルアミンで二次変性することにより得られる。
ヒドロキシルアミンとしては、(a15)で例示したものが挙げられその使用量も同様である。
(a32)は、(a13)をジアミンで二次変性することにより得られる。
ジアミンとしては、前述で例示したものが挙げられその使用量も同様である。
片末端を変性したポリオレフィン(a4)〜(a6)については、片末端が変性可能なポリオレフィンを(a1)〜(a3)と同様の方法で変性することにより得られる。
ポリオレフィン(a)のMnは、耐熱性および後述する(b)との反応性の観点から好ましくは、800〜25,000、さらに好ましくは1,000〜20,000、とくに好ましくは2,500〜10,000である。
また、(a)は、カルボキシル基を含有することが好ましく、その場合、(a)の酸価(mgKOH/g、以下は数値のみで示す。)は、(b)との反応性の観点から好ましくは、4〜280、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。水酸基を含有する場合、(a)の水酸基価(mgKOH/g、以下は数値のみで示す。)は、(b)との反応性の観点から好ましくは、4〜280、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。アミノ基を含有する場合、(a)のアミン価(mgKOH/g、以下は数値のみで示す。)は、(b)との反応性の観点から好ましくは、4〜280、さらに好ましくは4〜100、特に好ましくは5〜50である。
ブロックポリマー(BP)を構成する親水性ポリマー(b)は、1×105〜1×1011(好ましくは1×106〜1×1010、さらに好ましくは1×107〜1×109)Ω・cmの体積固有抵抗値を有する。該体積固有抵抗値が1×105未満ではフィルムの機械特性が悪くなり、1×1011を超えるとフィルムの帯電防止性が低下する。該体積固有抵抗値は、後述の方法で、23℃、50%RHの雰囲気下で測定される値である。
なお、ここにおいて親水性とは吸湿性を意味するものであり、親水性ポリマーとは上記1×105〜1×1011Ω・cmの体積固有抵抗値を有するポリマーを指すものとする。
親水性ポリマー(b)としては、ポリエーテル(b1)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)、カチオン性ポリマー(b3)およびアニオン性ポリマー(b4)が使用できる。
(b1)としては、ポリエーテルジオール(b1−1)およびポリエーテルジアミン(b1−2)、およびこれらの変性物(b1−3)が使用できる。(b2)としては、ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオール(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルエステルアミド(b2−1)、(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルアミドイミド(b2−2)、(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルエステル(b2−3);(b1−2)のセグメントを有するポリエーテルアミド(b2−4)、および(b1−1)または(b1−2)のセグメントを有するポリエーテルウレタン(b2−5)が使用できる。
(b3)としては、非イオン性分子鎖(c1)で隔てられた2〜80個、好ましくは3〜60個のカチオン性基(c2)を分子内に有するカチオン性ポリマーが使用できる。
(b4)としては、スルホ基を有するジカルボン酸(e1)と、ジオール(b01)またはポリエーテル(b1)とを必須構成単位とし、かつ分子内に2〜80個、好ましくは3〜60個のスルホ基を有するアニオン性ポリマーが使用できる。
ポリエーテル(b1)のうち、ポリエーテルジオール(b1−1)としては、ジオール(b01)または2価フェノール(b02)にエチレンオキシド(以下EOと略記)を必須成分として含むアルキレンオキシド(以下AOと略記)(C2〜12)を付加反応させることにより得られる構造のもの、例えば下記の一般式で示されるものが挙げられる。

H(OA1)mO−E1−O(A1O)m'

式中、E1は(b01)または(b02)から水酸基を除いた残基を表し、A1はC2〜4のアルキレン基;mおよびm’は1〜300、好ましくは2〜250、さらに好ましくは10〜100の整数を表し、mとm’とは同一でも異なっていてもよい。また、m個の(OA1)とm’個の(A1O)とは同一でも異なっていてもよく、また、これらが2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合形式はランダムおよび/またはブロックのいずれでもよい。
ジオール(b01)としては、例えばC2〜12(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8)の2価アルコール(例えば脂肪族、脂環式および芳香脂肪族2価アルコール)およびC1〜12の3級アミノ基含有ジオールが挙げられる。
脂肪族2価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール(以下それぞれEG、PG、1,4−BD、1,6−HD、NPGと略記)および1,12−ドデカンジオールが挙げられる。
脂環式2価アルコールとしては、例えば1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロオクタンジオールおよび1,3−シクロペンタンジオールが挙げられる。
芳香脂肪族2価アルコールとしては、例えばキシリレンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオールおよび1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼンが挙げられる。
3級アミノ基含有ジオールとしては、脂肪族または脂環式1級モノアミン(C1〜12、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8)のビスヒドロキシアルキル(アルキル基のC1〜12、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8)化物および芳香(脂肪)族1級モノアミン(C6〜12)のビスヒドロキシアルキル(アルキル基のC1〜12)化物が挙げられる。
モノアミンのビスヒドロキシアルキル化物は、例えばモノアミンとC2〜4のAO[例えばEO、POおよびブチレンオキシド]とを反応させるか、モノアミンとC1〜12のハロゲン化ヒドロキシアルキル(例えば2−ブロモエチルアルコールおよび3−クロロプロピルアルコール)とを反応させることにより容易に得ることができる。
脂肪族1級モノアミンとしては、例えばメチルアミン、エチルアミン、1−および2−プロピルアミン、n−およびi−アミルアミン、ヘキシルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチルアミン、2−および3−アミノヘプタン、ヘプチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミンおよびドデシルアミンが挙げられる。
脂環式1級モノアミンとしては、例えばシクロプロピルアミン、シクロペンチルアミンおよびシクロヘキシルアミンが挙げられる。
芳香(脂肪)族1級モノアミンとしては、例えばアニリンおよびベンジルアミンが挙げられる。
2価フェノール(b02)としては、C6〜18(好ましくは8〜18、さらに好ましくは10〜15)、例えば単環2価フェノール(例えばハイドロキノン、カテコール、レゾルシンおよびウルシオール)、ビスフェノール(例えばビスフェノールAおよび−F)および縮合多環2価フェノール(例えばジヒドロキシナフタレンおよびビナフトール)が挙げられる。
(b01)および(b02)のうち帯電防止性の観点から好ましいのは、2価アルコールおよび2価フェノール、さらに好ましいのは脂肪族2価アルコールおよびビスフェノール、とくに好ましいのはEGおよびビスフェノールAである。
ジオール(b01)または2価フェノール(b02)に付加反応させるAOとしては、EO以外には例えばC3〜12のAO(例えばPO、1,2−、1,4−、2,3−および1,3−ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の混合物)が挙げられるが、必要によりその他のAOおよび置換AOを併用してもよい。
その他のAOおよび置換AOとしては、例えばC5〜12のα−オレフィンのエポキシ化物、スチレンオキシドおよびエピハロヒドリン(例えばエピクロルヒドリンおよびエピブロモヒドリン)が挙げられる。他のAOおよび置換AOのそれぞれの使用量は、全AO
の重量に基づいて帯電防止性の観点から好ましくは30%以下、さらに好ましくは0または25%以下、特に好ましくは0または20%以下である。
AOの付加モル数は、親水性ポリマー(b)の体積固有抵抗値の観点から好ましくは、(b01)または(b02)の水酸基1個当り1〜300モル、さらに好ましくは2〜250モル、特に好ましくは10〜100モルである。2種以上のAOを併用するときの結合形式はランダムおよび/またはブロックのいずれでもよい。
AOの付加反応は、例えばアルカリ触媒(例えば水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム)の存在下、100〜200℃、圧力0〜0.5MPaGの条件で行なうことができる。
ポリエーテルジオール(b1−1)中のオキシアルキレン単位の含量は、(b1−1)の重量に基づいて親水性ポリマー(b)の体積固有抵抗値および(B)の(A)への分散性の観点から好ましくは5〜99.8%、さらに好ましくは8〜99.6%、特に好ましくは10〜98%である。また、ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン単位の含量は、ポリオキシアルキレン鎖の重量に基づいて(b)の体積固有抵抗値および(B)の(A)への分散性の観点から好ましくは5〜100%、さらに好ましくは10〜100%、特に好ましくは50〜100%、最も好ましくは60〜100%である。
ポリエーテルジアミン(b1−2)としては、ポリエーテルジオール(b1−1)の水酸基をアミノ基(1級または2級アミノ基)に変性した構造のもの、例えば、一般式:RNH−A2−(OA1)mO−E1−O(A1O)m'−A2−NHRで示されるものが挙げられる。従って、ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン単位の含量は(b1−1)の場合と同じであり、(b1−2)中のオキシアルキレン単位の含量は対応する(b1−1)中のオキシアルキレン単位の含量と同じである。
上記式中の記号E1、A1、mおよびm’は前記と同様であり、A2はC2〜4のアルキ
レン基を表し、A1とA2とは同じでも異なっていてもよい。RはHまたはC1〜4(好ましくは1または2)のアルキル基を表す。
(b1−2)は、(b1−1)の両末端水酸基を種々の方法によりアミノ基に変えることにより、容易に得ることができる。
水酸基をアミノ基に変える方法としては、例えば(b1−1)の水酸基をシアノアルキル化して得られる末端シアノアルキル基を還元してアミノ基とする方法[例えば、(b1−1)とアクリロニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化物に水素添加する方法]、(b1−1)とアミノカルボン酸またはラクタムとを反応させる方法、および(b1−1)とハロゲン化アミンをアルカリ条件下で反応させる方法が挙げられる。
(b1−1)または(b1−2)の変性物(b1−3)としては、例えば(b1−1)または(b1−2)のアミノカルボン酸変性物(末端アミノ基)、同イソシアネート変性物(末端イソシアネート基)および同エポキシ変性物(末端エポキシ基)が挙げられる。
ポリエーテル(b1)のMnは、耐熱性およびポリオレフィン(a)のブロックとの反応性の観点から好ましくは150〜20,000、さらに好ましくは300〜18,000、とくに好ましくは1,000〜15,000、最も好ましくは1,200〜8,000である。
ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)としては、国際公開WO00/47652号公報明細書に記載のポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)が挙げられる。
カチオン性ポリマー(b3)は、非イオン性分子鎖(c1)で隔てられた2〜80個、好ましくは3〜60個のカチオン性基(c2)を分子内に有する。
(c2)としては、4級アンモニウム塩およびホスホニウム塩を有する基が挙げられる。
(c2)の対アニオンとしては、Hammettの酸度関数(−H0)が12〜20の
超強酸のアニオン、およびその他のアニオンが挙げられる。超強酸としては、(1)プロトン酸(d1)とルイス酸(d2)との組み合わせから誘導される超強酸(四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸等)、(2)プロトン酸(過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸等)が挙げられる。
その他のアニオンとしては、例えばハロゲンイオン(F-、Cl-、Br-、I-等)、OH-、PO4 -、CH3OSO4 -、C25OSO4 -、ClO4 -が挙げられる。
(d1)の具体例としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素等が挙げられる。また、(d2)の具体例としては、三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素、五フッ化タンタル等が挙げられる。
(d1)と(d2)の組み合わせは任意であるが、これらの組み合わせから誘導される超強酸アニオンの好ましい例としては、BF4 -、PF6 -、SbF6 -、AsF6 -、TaF6 -、BF3Cl-、PF5Cl-、SbF5Cl-、AsF5Cl-、TaF5Cl-、BF3Br-、PF5Br-、SbF5Br-、AsF5Br-、TaF5Br-、BF3-、PF5-、SbF5-、AsF5-およびTaF5-などが挙げられ、これらの2種以上の組み合わせでもよい。これらの対アニオンのうち耐熱性の観点から、好ましいのは超強酸のアニオン、さらに好ましいのはBF4 -、PF6 -、BF3Cl-およびPF5Cl-、特に好ましいのはBF4 -およびPF6 -である。
非イオン性分子鎖(c1)としては、2価の炭化水素基、またはエーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、イミノ結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合および/またはシロキシ結合を有する炭化水素基および窒素原子もしくは酸素原子を含む複素環構造を有する炭化水素基からなる群から選ばれる少なくとも1種の2価の有機基;並びにこれらの2種以上の併用が挙げられる。
2価の炭化水素基としては、C1〜18(好ましくは2〜8)の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基(アルキレン基、アルケニレン基等)、例えばエチレン、プロピレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、デカメチレン、ドデカメチレン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンなど;C6〜20の芳香族炭化水素基、例えば1,3−および1,4−フェニレン、2,4−および2,6−トリレン、4,4’−および2,4’−メチレンビスフェニレン、m−およびp−キシリレン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレン、ナフチレン等;C4〜15の脂環式炭化水素基、例えばシクロヘキシレン、メチルシクロヘキシレン、4,4’−メチレンビスシクロヘキシレン、2,5−および/または2,6−ノルボルニレンなどが挙げられる。
エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、イミノ結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合および/またはシロキシ結合を有する2価の炭化水素基としては、(ポリ)オキシアルキレン基、例えば前記ポリエーテルジオール(b−1)の残基[例えば−(OA1)m−E1−(A1O)m'−(式中、E1、A1、mおよびm’は前記と同様)]、および一般式−A1−O−E1−で示されるモノエーテルジオールの残基(式中、E1、A1は前記と同様);上記に相当する(酸素原子がイオウ原子に置き換った)ポリチオエーテルの残基;ポリエステルおよび/またはポリアミドの残基、例えば下記一般式(1)〜(4)で示される基;ポリウレタンおよび/またはポリウレアの残基、例えば下記一般式(5)で示される基;ポリカーボネート[前記ジオール(b01)とホスゲンとから誘導される]の残基;ポリシロキサン(ポリオルガノシロキサン、例えばポリジメチルシロキサン)の残基などが挙げられる。
上記一般式(1)〜(5)中、Dは酸素原子またはイミノ基、R1はC1〜11の炭化
水素基、R2はカチオン性基と結合する2価の有機基、E2はジオールの残基(Dが酸素原子の場合)またはジアミンの残基(Dがイミノ基の場合)、E3はジカルボン酸の残基、
4は後述のジイソシアネートの残基、uおよびvは0または1、kは1〜20の整数を
表す。
1には、ラクタムの残基(Dがイミノ基の場合)およびラクトンの残基(Dが酸素原
子の場合)が含まれ、ラクタムとしては前記のもの、ラクトンとしては前記ラクタムに相当するラクトン(カプロラクトンなど)が挙げられる。R2としては、C2〜12の2価
の炭化水素基、例えばアルキレン基、および前記(ポリ)オキシアルキレン基[−A1
O−E1−、−(A1O)m−E1−(OA1m'−]が挙げられる。
2のうちジオールの残基としては、2価アルコール(例えば前述のようなC2〜12
の脂肪族、脂環族および芳香族2価アルコール)、これらのAO(C2〜4)付加物(付加モル数1〜20またはそれ以上)、2価フェノール(例えば前述のようなC6〜18の2価フェノール)のAO(C2〜4)付加物(付加モル数2〜20またはそれ以上)、およびこれらの2種以上の混合物などのジオールからヒドロキシル基を除いた残基が挙げられる。
2のうちジアミンの残基としては、低分子量ジアミン、例えば前記ジイソシアネート
に相当するジアミン:C2〜20の脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン等)、C6〜15の脂環式ジアミン(1,4−シクロヘキシレンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン等)、C8〜15の芳香脂肪族ジアミン(キシリレンジアミン等)、C6〜15の芳香族ジアミン[p−フェニレンジアミン、2,4−および2,6−トルエンジアミン、2,2−ビス(4,4’−ジアミノフェニル)プロパン等]、前記ポリエーテルジアミン(b1−2)、およびこれらの2種以上の混合物などのジアミンからア
ミノ基を除いた残基が挙げられる。
3としては、ジカルボン酸[C4〜12の脂肪族ジカルボン酸(例えばコハク酸、ア
ジピン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸などの飽和ジカルボン酸、および前記不飽和ジカルボン酸)、C8〜15の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等)、およびこれらの2種以上の混合物などのジカルボン酸からカルボキシル基を除いた残基が挙げられる。
4としてはジイソシアネート(例えば芳香族、脂肪族、脂環式および芳香脂肪族ジイソシアネート、これらの変性体、およびこれらの2種以上の混合物)からイソシアネート基を除いた残基が挙げられる。
上記ジイソシアネートとしては、C(NCO基中の炭素を除く、以下同様。)6〜20の芳香族ジイソシアネート、C2〜18の脂肪族ジイソシアネート、C4〜15の脂環式ジイソシアネート、C8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性体およびこれらの2種以上の混合物が使用できる。
上記芳香族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
上記脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
上記脂環式ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
上記芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、m−またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、上記ジイソシアネートの変性体としては、ウレタン変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体及びウレトジオン変性体などが挙げられる。
これらのうち、好ましいのはTDI、MDIおよびHDI、特に好ましいのはHDIである。
非イオン性分子鎖(c1)の分子量は通常分子量28以上かつMn10,000以下、好ましくはMn300〜5,000である。これらの非イオン性分子鎖(c1)のうち好ましいのは、2価の炭化水素基およびエーテル結合を有する2価の炭化水素基、さらに好ましいのはC1〜8のアルキレン基(ヘキサメチレン基等)、フェニレン基;並びに(ポリ)オキシアルキレン基、とくに好ましいのは(ポリ)オキシエチレン基、(ポリ)オキシプロピレン基である。
カチオン性ポリマー(b3)としては、例えば下記一般式(6)で示される繰り返し単位を有するものが挙げられる。
式中、Mは窒素原子またはリン原子、J-は対アニオン、dは2〜60の整数、L1は非イオン性分子鎖(c1)、R3、R4は1価の非イオン性有機基である。さらに、(b3)は、下記一般式(7)または(8)で示されるように一般式(6)の隣接するR3および
/またはR4がそれぞれ互いに結合して2価の非イオン性有機基(L3、L5)となりM+とともに環を形成していてもよい。
式中、Mは窒素原子またはリン原子、L2、L3、L4およびL5は2価の非イオン性分子鎖、R4、R4'は1価の非イオン性有機基、J-は対アニオン、eは1〜30の整数である。
一般式(6)および(7)におけるR3、R4およびR4'としては、エーテル結合もしくはエステル結合を有していてもよい、C1〜20の、脂肪族、脂環式および芳香族の1価炭化水素基[例えばばアルキル基(メチル基、エチル基、オクチル基、ドデシル基等)、アルケニル基(アリル基、1−ブテニル基、オレイル基等)、(置換)アラルキル基(ベンジル基、4−メチルベンジル基等)、脂環式炭化水素基(シクロヘキシル基等)、アルコキシ(C1〜12)アルキル(C1〜20)基(メトキシエチル基等)、アシロキシ(C1〜12)アルキル(C1〜20)基(アセトキシ基等)]等が挙げられる。
dは通常2〜60またはそれ以上の整数で、帯電防止性および前記末端変性ポリオレフィン(a1)〜(a6)との反応性の観点から好ましくは3〜50、さらに好ましくは5〜30の整数である。
1〜L5としては、前述のような非イオン性分子鎖(c1)が挙げられる。
カチオン性ポリマー(b3)の好ましい例としては、一般式(6)または(8)の繰り返し単位を有するものである。さらに好ましい例としては、一般式(6)において、R3
、R4がC1〜8のアルキル基、L1がポリエステルの残基[とくに好ましいのは一般式(2)中R2がC2〜4のアルキレン基、Dが酸素原子、kが1であるポリエステル]であるもの、および一般式(8)においてL2、L3およびL5がC2〜8のアルキレン基、L4がC2〜20のアルキレン基であるものである。それらの具体例としては下記式(9)および(10)で示される繰り返し単位を有するものが挙げられる。
式(9)および(10)中、J-は対アニオン、fは2〜12の整数を表す。
カチオン性ポリマー(b3)の他の例としては、下記一般式(11)で示される繰り返し単位を有するものが挙げられる。
式(11)中、Aは3価の炭化水素基、M、J-、R3、R4、R4'及びdは前記と同じである。
3価の炭化水素基Aとしては、C2〜20の3価の脂肪族炭化水素基、例えば、−CH2(CH2gCH<で示される基(gは0または1〜18の整数)、C6〜12の3価の芳香族炭化水素基、例えば結合位置が1,3,5−、1,2,4−または1,2,3−であるベンゼン環が挙げられる。
カチオン性基(c2)としては、4級アンモニウム塩またはホスホニウム塩を有する基が挙げられる。4級アンモニウム塩を有する基としては2価の4級アンモニウム塩含有複素環基が好ましい。
2価の4級アンモニウム塩基含有複素環基としては、2価の三級アミノ基含有複素環基[例えば2価のイミダゾール環基(1,4−イミダゾレン基、2−フェニル−1,4−イミダゾレン基など)、2価のピペリジン環基(2,3−、3,4−または2,6−ピペリジレン基)、2価の芳香複素環基(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−又は3,5−ピリジレン基、2,5−ピリミジニレン基、3,6−ピリダジニレン基、2,5−ピラジニレン基など)]が4級化された構造の基が挙げられる。
カチオン性ポリマー(b3)の末端構造はポリオレフィン(a)のブロックとの反応性の観点から好ましいのはカルボニル基、水酸基またはアミノ基である。
(b3)のMnは、帯電防止性および前記末端変性ポリオレフィン(a1)〜(a6)との反応性の観点から、好ましくは500〜20,000、さらに好ましくは1,000〜15,000、とくに好ましくは1,200〜8,000である。
アニオン性ポリマー(b4)は、スルホ基を有するジカルボン酸(e1)と、ジオール(b01)またはポリエーテル(b1)とを必須構成単位とし、かつ分子内に2〜80個、好ましくは3〜60個のスルホ基を有する。
(e1)としては、スルホ基を有する芳香族ジカルボン酸、例えば5−スルホ−、2−スルホ−および4−スルホイソフタル酸、4−スルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体[低級アルキル(C1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル等)、酸無水物等];スルホ基を有する脂肪族ジカルボン酸、例えばスルホコハク酸、そのエステル形成性誘導体[低級アルキル(C1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル等)、酸無水物等];およびこれらのスルホ基のみの塩〔アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)塩、アンモニウム塩、有機アミン塩[モノ−、ジ−およびトリ−ア
ルキル(C1〜4)アミン(モノ−、ジ−およびトリエチルアミン等)、またはヒドロキシアルキル(C2〜4)基を有するアミン(モノ−、ジ−およびトリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等)等]およびこれらアミンの4級アンモニウム塩等];およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
これらのうち好ましいのはスルホ基を有する芳香族ジカルボン酸(塩)、さらに好ましいのは5−スルホイソフタル酸塩(とくに5−スルホイソフタル酸−ナトリウムおよび−カリウム)である。
アニオン性ポリマー(b4)を構成するジオール(b01)またはポリエーテル(b1)のうち好ましいのは、C2〜10のアルカンジオール、EG、ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)(重合度2〜20)、ビスフェノール(ビスフェノールA等)のEO付加物(付加モル数2〜60)およびこれらの2種以上の混合物である。
(b4)のMnは、帯電防止性および前記末端変性ポリオレフィン(a1)〜(a6)との反応性の観点から、好ましくは500〜20,000、さらに好ましくは1,000〜15,000、とくに好ましくは1,200〜8,000である。
親水性ポリマー(b)として上述したものは、2種以上を任意に併用してもよい。
(b)のMnは、耐熱性およびポリオレフィン(a)のブロックとの反応性の観点から好ましい下限は150、さらに好ましくは300、とくに好ましくは1,000、最も好ましくは1,200、好ましい上限は20,000、さらに好ましくは18,000、とくに好ましくは15,000、最も好ましくは8,000である。
ブロックポリマー(BP)は、上記ポリオレフィン(a)のブロックと、親水性ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合およびウレタン結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するものであり、これらのうち帯電防止性の観点から好ましいのは、(b)がポリエーテル(b1)であるブロックポリマー(BP1)、(b)がカチオン性ポリマー(b3)であるブロックポリマー(BP3)、(b)がアニオン性ポリマー(b4)であるブロックポリマー(BP4)である。
ブロックポリマー(BP1)は、下記一般式(12)で示される繰り返し単位を有する。
式(12)において、nは2〜50(好ましくは3〜40、さらに好ましくは4〜30、特に好ましくは4〜30)の整数;R5およびR6の一方はHで他方はHまたはメチル基;yは15〜800(好ましくは20〜500、さらに好ましくは30〜400)の整数;E1、A1、mおよびm’は前記と同様であり;XおよびX’は、下記一般式(13)、(14)および対応する(13’)、(14’)から選ばれる基、すなわち、Xが一般式(13)で示される基のとき、X’は一般式(13’)で示される基であり、一般式(14)と(14’)についても同様の関係である。
;一般式(13)、(14)および対応する(13’)、(14’)式において、Rは前記(b2)において述べたものと同じでH又はC1〜4(好ましくは1または2)のアルキル基、R7はC2〜22(好ましくは3〜16、さらに好ましくは5〜11)の2価の炭化水素基、R8はHまたはC1〜10(好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜6)のアルキル基;rは1〜20(好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10)の整数であり、uは0または1;Q、Q’、TおよびT’は次式で示される基
;上記の一般式(15)、(16)および対応する(15’)、(16’)式中、R9はHまたはC1〜10(好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜6)のアルキル基、R10はHまたはメチル基、tはR10がメチル基のとき1、Hのとき0である。
一般式(12)で示される繰り返し単位中の{ }内のポリエーテルセグメント{(O
1)mO−E1−O(A1O)m'}は、前記ポリエーテルジオール(b1−1)またはポリエーテルジアミン(b1−2)に由来する構造であり、式中のE1、A1、mおよびm’は前記と同様である。
一般式(12)において、Xが一般式(13)で示される基、およびX’が一般式(13’)で示される基であるブロックポリマーには、前記末端変性ポリオレフィン(a11)および/または(a12)と(b1−1)とを重合反応させることにより得られる(BP11)と、(a11)および/または(a12)と(b1−2)とを重合反応させることにより得られる(BP12)とが含まれる。
(BP11)には(a11)と(b1−1)とを組み合わせた(BP11−1)、(a12)と(b1−1)とを組み合わせた(BP11−2)、および(BP11−1)と(BP11−2)の混合物が含まれる。また、同様に(BP12)には(a11)と(b1−2)とを組み合わせた(BP12−1)、(a12)と(b1−2)とを組み合わせた(BP12−2)、および(BP12−1)と(BP12−2)の混合物が含まれる。
(BP11)は、例えば(a11)および/または(a12)に、(b1−1)を加えて減圧下、通常200〜250℃で重合(重縮合)反応を行う方法、または、一軸もしくは二軸の押出機を用い、通常160〜250℃、滞留時間0.1〜20分で重合する方法により製造することができる。
上記の重合反応では、種々の触媒、例えばアンチモン触媒(例えば三酸化アンチモン);スズ触媒(例えばモノブチルスズオキシド);チタン触媒(例えばテトラブチルチタネート);ジルコニウム触媒(例えばテトラブチルジルコネート);有機酸金属塩触媒[例えばジルコニウム有機酸塩(例えば酢酸ジルコニル)および酢酸亜鉛];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいのは、ジルコニウム触媒およびジルコニウム有機酸塩、さらに好ましいのは酢酸ジルコニルである。
触媒の使用量は、(a11)および/または(a12)と(b1−1)の合計重量に対
して、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%である。
(BP11)のうち、(BP11−2)は(a11)を前記ラクタムもしくはアミノカルボン酸で二次変性した後に、(b1−1)を加えて反応させてもよいし、(a11)とラクタムもしくはアミノカルボン酸を(b1−1)の存在下反応させ、続いて(b1−1)と反応させて製造してもよい。
(BP12)は、(BP11)における(a11)および/または(a12)と(b1−1)の組み合わせを、(a11)および/または(a12)と(b1−2)の組み合わせに代える以外は(BP11)と同様の方法で製造することができる。
また、(BP12)のうち、(BP12−2)は(a11)を前記ラクタムもしくはアミノカルボン酸で二次変性した後に、これと(b1−2)とを反応させて製造してもよい。
一般式(12)において、Xが一般式(14)で示される基、およびX’が一般式(14’)で示される基であるブロックポリマーには、(a13)(r=1の場合)および/または(a14)(r≧2の場合)と(b1−1)とを重合反応させることにより得られる(BP13)と、(a13)および/または(a14)と(b1−2)とを重合反応させることにより得られる(BP14)とが含まれる。
(BP13)には(a13)と(b1−1)とを組み合わせた(BP13−1)、(a14)と(b1−1)とを組み合わせた(BP13−2)、および(BP13−1)と(BP13−2)の混合物が含まれる。また、同様に(BP14)には(a13)と(b1−2)とを組み合わせた(BP14−1)、(a14)と(b1−2)とを組み合わせた(BP14−2)、および(BP14−1)と(BP14−2)の混合物が含まれる。
(BP13)および(BP14)は(BP11)や(BP12)と同様の方法で製造することができる。
ブロックポリマー(BP3)は、カチオン性ポリマー(b3)のブロックを有するものであり、前記ポリオレフィン(a)と(b3)とが繰り返し交互に結合した構造を有する。(BP3)は前記(a1)〜(a3)と(b3)との重合反応により得ることができ、上記(BP1)における、(a11)および/または(a12)と(b1)との重合反応と同様の方法で製造することができる。また、必要により、(b3)と(b1)とを任意の割合(例えば1:9〜9:1の重量比)で併用することができる。
(BP3)中のカチオン性基(c2)の含量は、帯電防止性の観点から(BP3)1分子当たり好ましくは2〜500個、さらに好ましくは10〜300個、とくに好ましくは15〜250個である。また、(c2)1個当たりの(BP3)のMnは、帯電防止性の観点から好ましくは120〜30,000、さらに好ましくは200〜6,000、とくに好ましくは300〜4,000である。
ブロックポリマー(BP4)は、アニオン性ポリマー(b4)のブロックを有するものであり、前記ポリオレフィン(a)と(b4)とが繰り返し交互に結合した構造を有する。(BP4)は前記(a1)〜(a3)と(b4)との重合反応により得ることができ、上記(BP1)と同様の方法で製造することができる。また、必要により、(b4)と(b1)とを任意の割合(例えば1:9〜9:1の重量比)で併用してもよい。
(BP4)中のスルホ基の含量は、帯電防止性の観点から(BP4)1分子当たり好ましくは2〜500個、さらに好ましくは10〜300個、とくに好ましくは15〜250個である。また、スルホ基1個当たりの(BP4)のMnは、帯電防止性の観点から好ましくは120〜30,000、さらに好ましくは200〜6,000、とくに好ましくは300〜4,000である。
ブロックポリマー(BP)を構成する(b)の量は、帯電防止性の観点から好ましくは(a)と(b)との合計重量に基づいて20〜90%、さらに好ましくは25〜80%、特に好ましくは30〜70%である。
ブロックポリマー(BP)のMnは、帯電防止性および帯電防止剤(B)の(A)への分散性の観点から好ましくは2,000〜60,000、さらに好ましくは5,000〜40,000、特に好ましくは8,000〜30,000である。
(BP)の構造において、(a)のブロックと、(b)のブロックとの繰り返し単位の平均繰り返し数(Nn)は、帯電防止性および帯電防止剤(B)の(A)への分散性の観点から好ましくは2〜50、さらに好ましくは2.3〜30、特に好ましくは2.7〜20、最も好ましくは3〜10である。
Nnは、(BP)のMnおよび1H−NMR分析によって求めることができる。
例えば、(a11)のブロックと(b1−1)のブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有する(BP11)の場合は、1H−NMR分析において、4.0〜4.1ppmのエステル結合{−C(C=O)−OCH2−}のプロトンに帰属されるシグナル、および3.2〜3.7ppmのPEGのプロトンに帰属されるシグナルが観測できることから、これらのプロトン積分値の比を求めて、この比とMnとからNnを求めることができる。
(BP)の末端は、(a)由来のカルボニル基、アミノ基および/または無変性ポリオレフィン末端(何ら変性がなされていないポリオレフィン末端、すなわち、アルキル基またはアルケニル基)、あるいは(b)由来の水酸基および/またはアミノ基のいずれかである。これらのうち反応性の観点から末端として好ましいのはアミノ基、およびさらに好ましいのはカルボニル基および水酸基である。
[カルボジイミド化合物(C)]
カルボジイミド化合物(C)には、カルボジイミド単量体(C1)およびカルボジイミド(共)重合体(C2)が含まれる。これらのうち、(C)の(A)および/または(B)への分散性の観点からカルボジイミド(共)重合体(C2)が好ましい。
カルボジイミド単量体(C1)は、下記一般式(17)で示される。
式(17)において、R11はC1〜20の、脂肪族、脂環式および芳香族の1価炭化水素基である。
カルボジイミド単量体(C1)としては、例えば、ジメチルカルボジイミド、ジエチルカルボジイミド、ジプロピルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジヘキシルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ビス(メチルフェニル)カルボジイミド、ビス(ジメチルフェニル)カルボジイミド、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド等が挙げられる。
カルボジイミド(共)重合体(C2)は、下記一般式(18)で示される繰り返し単位を有する。
式(18)において、R12は脂肪族、脂環式および芳香族の2価炭化水素基である。
(C2)の合成法は特に限定されるものではないが、例えば以下の多価ポリイソシアナネート化合物の1種または2種以上を、イソシアネート基のカルボジイミド化反応を促進する触媒(以下カルボジイミド化触媒と略記)の存在下で反応させることにより合成することができる。
該ポリイソシアネートのうち、ジイソシアネートとしては、前記の芳香族、脂肪族、脂環式および芳香脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
3官能以上のポリイソシアネートとしては、フェニル−1,3,5−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4′−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,5,4′−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−2,4’,4’’−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,2’,4’−テトライソシアネート、ジフェニルメタン−2,5,2’,5’−テトライソシアネート、シクロヘキサン−1,3,5−トリイソシアネート、シクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアネート)、3,5−ジメチルシクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアネート)、1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアネート)、ジシクロヘキシルメタン−2,4,2’−トリイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート等が挙げられる。
これらのうちカルボジイミド化反応の容易さの観点から好ましいのはジイソシアネートである。
(C2)のMnは、好ましくはMn400〜500,000、さらに好ましくはMn1,000〜200,000、とくに好ましくはMn2,000〜100,000である。
カルボジイミド化触媒としては、例えばホスホレン化合物(1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−フェニル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−フェニル−3−メチル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−メチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−メチル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−メチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−スルフィド、およびこれらの3−ホスホレン異性体等)、金属カルボニル錯体(ペンタカルボニル鉄、ノナカルボニル二鉄、テトラカルボニルニッケル、ヘキサカルボニルタングステン、ヘキサカルボニルクロム等)、金属(ベリリウム、アルミニウム、ジルコニウム、クロム、鉄等)のアセチルアセトン錯体、リン酸エステル(トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート、トリ−t−ブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等)が挙げられる。カルボジイミド化触媒は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して使用することもできる。
該触媒の使用量は、ポリイソシアネートの重量に基づいて、好ましくは0.001〜30%、さらに好ましくは0.01〜10%である。
[帯電防止性フィルム]
本発明の帯電防止性フィルムは、上記(A)〜(C)を含有してなり、(A)〜(C)の合計重量に基づいて、(A)を40〜98(好ましくは55〜95)%、(B)を1〜30(好ましくは3〜25)%、(C)を1〜30(好ましくは2〜20)%含有することを特徴とする。
(A)の含有量が40%未満ではフィルムの機械特性が悪くなり、98%を超えるとフィルムの帯電防止性が悪くなる;(B)の含有量が1%未満ではフィルムの帯電防止性が悪くなり、30%を超えるとフィルムの表面特性が悪くなる;(C)の含有量が1%未満ではフィルムのヒートシール性が悪くなり、30%を超えるとフィルムの機械特性および外観が悪くなる。
該フィルム中の(A)〜(C)の各成分の含有量は、得られたフィルム自体から推定することもできる。すなわち、フィルム断面における分散状態を透過型電子顕微鏡で観察後、画像解析[観察像中の白色部分:(A)、灰色部分:(B)、黒色部分:(C)]を行い、適当な範囲(例えば10μm×10μm)の中での面積比により求める方法が挙げられる。仕込み割合(重量比)が既知の(A)〜(C)から得られたフィルムについての上記画像解析によれば、該面積比と仕込み重量比はほぼ一致する。
本発明の帯電防止性フィルムは、上記(A)〜(C)を含有する樹脂組成物を成形することにより得られるが、該樹脂組成物には、フィルムの帯電防止性をさらに向上させる目的で、必要によりアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩(D1)、界面活性剤(D2)およびイオン性液体(D3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(D)を含有させてもよい。
(D1)としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウムおよびカリウム等)および/またはアルカリ土類金属(例えばマグネシウムおよびカルシウム等)の有機酸(C1〜12のモノ−およびジカルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸およびコハク酸;C1〜20のスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸;およびチオシアン酸)の塩、および無機酸(ハロゲン化水素酸、例えば塩酸および臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸)の塩が挙げられる。
(D1)の具体例としては、ハロゲン化物[フッ化物(フッ化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、塩化物(塩化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、臭化物(臭化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)およびヨウ化物(ヨウ化リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)等]、過塩素酸塩(過塩素酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、フッ化スルホン酸塩(フルオロスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、メタンスルホン酸塩(メタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、トリフルオロメタンスルホン酸塩(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、ペンタフルオロエタンスルホン酸塩(ペンタフルオロエタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、ノナフルオロブタンスルホン酸塩(ノナフルオロブタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸塩(ウンデカフルオロペンタンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸塩(トリデカフルオロヘキサンスルホン酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、酢酸塩(酢酸リチウム、−ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、硫酸塩(硫酸ナトリ
ウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、燐酸塩(燐酸ナトリウム、−カリウム、−マグネシウムおよび−カルシウム等)、チオシアン酸塩(チオシアン酸カリウム等)等が挙げられる。
これらのうち帯電防止性の観点から好ましいのは、ハロゲン化物、過塩素酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、酢酸塩、さらに好ましいのは塩化リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、過塩素酸リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、−カリウムおよび−ナトリウム、酢酸カリウムである。
(D1)の使用量は、帯電防止性向上効果の観点および樹脂表面に析出せず良好な外観のフィルムを与える観点から、(A)および(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.001〜3%、さらに好ましくは0.01〜2.5%、特に好ましくは0.1〜2%、最も好ましくは0.15〜1%である。
(D1)を含有させる方法については特に限定はないが、樹脂組成物中への効果的な分散の観点から、帯電防止剤(B)中に予め分散させておくことが好ましい。
また、(B)中へ(D1)を分散させる場合、(B)の製造(重合)時に予め(D1)を含有、分散させておくのが特に好ましい。(D1)を(B)の製造時に含有させるタイミングは特に制限なく、製造前、製造中および製造直後のいずれでもよい。
界面活性剤(D2)としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性の界面活性剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えばEO付加型非イオン性界面活性剤[例えば高級アルコール(C8〜18、以下同じ)、高級脂肪酸(C8〜24、以下同じ)または高級アルキルアミン(C8〜24)のEO付加物(分子量158以上かつMn200,000以下);グリコールのEO付加物であるポリアルキレングリコール(分子量150以上かつMn6,000以下)の高級脂肪酸エステル;多価アルコール(C2〜18の2価〜8価またはそれ以上、例えばEG、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびソルビタン)高級脂肪酸エステルのEO付加物(分子量250以上かつMn30,000以下);高級脂肪酸アミドのEO付加物(分子量200以上かつMn30,000以下);および多価アルコール(前記のもの)アルキル(C3〜60)エーテルのEO付加物(分子量120以上かつMn30,000以下)]、および多価アルコ−ル(C3〜60)型非イオン性界面活性剤[例えば多価アルコールの脂肪酸(C3〜60)エステル、多価アルコールのアルキル(C3〜60)エーテルおよび脂肪酸(C3〜60)アルカノールアミド]が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、上記(D1)を除く化合物が使用でき、例えば、高級脂肪酸塩等のカルボン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型[例えばテトラアルキル(C4〜100)アンモニウム塩(例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイドおよびステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド)、トリアルキル(C3〜80)ベンジルアンモニウム塩(例えばラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、アルキル(C2〜60)ピリジニウム塩(例えばセチルピリジニウムクロライド)、ポリオキシアルキレン(C2〜4)トリアルキルアンモニウム塩(例えばポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド)およびサパミン型第4級アンモニウム塩(例えばステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェート)];およびアミン塩型[例えば高級脂肪族アミン(C12〜60、例えばラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミンおよびロジンアミン)の無機酸(例えば
塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸)塩または有機酸(C2〜22、例えば酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、オレイン酸、安息香酸、コハク酸、アジピン酸およびアゼライン酸)塩、脂肪族アミン(C1〜30)のEO付加物等の無機酸(上記のもの)塩または有機酸(上記のもの)塩および3級アミン(C3〜30、例えばトリエタノールアミンモノステアレートおよびステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミン)の無機酸(上記のもの)塩または有機酸(上記のもの)塩]が挙げられる。
両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤[例えば高級アルキルアミン(C8〜24)のプロピオン酸塩]、ベタイン型両性界面活性剤[例えば高級アルキル(C12〜18)ジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン]、硫酸エステル塩型両性界面活性剤[例えば高級アルキルアミン(C8〜24)の硫酸エステル塩およびヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステル塩]、スルホン酸塩型両性界面活性剤(例えばペンタデシルスルホタウリン塩およびイミダゾリンスルホン酸塩)およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤[例えばグリセリン高級脂肪酸(C8〜24)エステル化物のリン酸エステル塩]が挙げられる。
これらの界面活性剤は単独使用でも2種以上を併用してもよい。
上記のアニオン性および両性界面活性剤における塩には、金属塩、例えばアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)およびIIB族金属(亜鉛等)の塩;アンモニウム塩;並びに、アミン塩[アルキルアミン(C1〜20)塩およびアルカノールアミン(C2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩等]および4級アンモニウム塩が含まれる。
これらのうち、帯電防止性の観点から好ましいのはアニオン性界面活性剤、さらに好ましいのはスルホン酸塩、特に好ましいのはアルキルベンゼンスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、アルキルスルホン酸塩およびパラフィンスルホン酸塩である。
(D2)の使用量は、(A)〜(C)の合計重量に基づいて、帯電防止性および樹脂表面に析出せず良好な外観のフィルムを与える観点から好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%、特に好ましくは0.1〜2.5%である。
(D2)を含有させる方法についても特に限定はないが、樹脂組成物中へ効果的な分散の観点から、帯電防止剤(B)中に予め分散させておくことが好ましい。また、(B)中へ(D2)を分散させる場合のタイミング等は前記(D1)の場合と同じである。
イオン性液体(D3)は、上記(D1)および(D2)を除く化合物で、室温以下の融点を有し、(D3)を構成するカチオンまたはアニオンのうち少なくとも一つが有機物イオンで、初期電導度が1〜200ms/cm(好ましくは10〜200ms/cm)である常温溶融塩であって、例えばWO95/15572公報に記載の常温溶融塩が挙げられる。(D3)を構成するカチオンとしては、例えばアミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオンおよび3級アンモニウムカチオンが挙げられる。
アミジニウムカチオンとしては、例えばイミダゾリニウムカチオン[1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム等]、イミダゾリウムカチオン[1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム等]、テトラヒドロピリミジニウムカチオン[1,3−ジメチル−1,4
,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム等]、およびジヒドロピリミジニウムカチオン[1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム等]が挙げられる。
グアニジニウムカチオンとしては、例えばイミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエ
チルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム等]、イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム等]、テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム等]、およびジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム等]が挙げられる。
3級アンモニウムカチオンとしては、例えばメチルジラウリルアンモニウムが挙げられる。
上記のアミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオンおよび3級アンモニウムカチオンは1種単独でも、また2種以上を併用してもいずれでもよい。
これらのうち、初期電導度の観点から好ましいのはアミジニウムカチオン、さらに好ましいのはイミダゾリウムカチオン、特に好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
(D3)において、アニオンを構成する有機酸または無機酸としては下記のものが挙げられる。
有機酸としては、例えばカルボン酸、硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル、スルホン酸およびリン酸エステルが挙げられる。
無機酸としては、例えば超強酸(例えばホウフッ素酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸および六フッ化ヒ素酸)、リン酸およびホウ酸が挙げられる。
上記有機酸および無機酸は1種単独でも2種以上の併用でもいずれでもよい。
上記有機酸および無機酸のうち、(D3)の初期電導度の観点から好ましいのは(D3)を構成するアニオンのHamett酸度関数(−H0)が12〜100である、超強酸の共役塩基、超強酸の共役塩基以外のアニオンを形成する酸およびこれらの混合物である。
超強酸の共役塩基以外のアニオンとしては、例えばハロゲン(例えばフッ素、塩素および臭素)イオン、アルキル(C1〜12)ベンゼンスルホン酸(例えばp−トルエンスル
ホン酸およびドデシルベンゼンスルホン酸)イオンおよびポリ(n=1〜25)フルオロアルカンスルホン酸(例えばウンデカフルオロペンタンスルホン酸)イオンが挙げられる。
超強酸としては、プロトン酸およびプロトン酸とルイス酸との組み合わせから誘導されるもの、およびこれらの混合物が挙げられる。
超強酸としてのプロトン酸としては、例えばビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン、過塩素酸、フルオロスルホン酸、アルカン(C1〜30)スルホン酸[例えばメタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸等)、ポリ(n=1〜30)フルオロアルカン(C1〜30)スルホン酸(例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸およびトリデカフルオロヘキサンスルホン酸)、ホウフッ素酸および四フッ化ホウ素酸が挙げられる。
これらのうち合成の容易さの観点から好ましいのはホウフッ素酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸である。
ルイス酸と組合せて用いられるプロトン酸としては、例えばハロゲン化水素(例えばフッ化水素、塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素)、過塩素酸、フルオロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸およびこれらの混合物が挙げられる。
これらのうち(D3)の初期電導度の観点から好ましいのはフッ化水素である。
ルイス酸としては、例えば三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素、五フッ化タンタルおよびこれらの混合物が挙げられる。これらのうちで、(D3)の初期電導度の観点から好ましいのは三フッ化ホウ素および五フッ化リンである。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であるが、これらの組み合わせからなる超強酸としては、例えばテトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タンタル酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化タンタルスルホン酸、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、塩化三フッ化ホウ素酸、六フッ化ヒ素酸およびこれらの混合物が挙げられる。
上記のアニオンのうち、(D3)の初期電導度の観点から好ましいのは超強酸の共役塩基(プロトン酸からなる超強酸およびプロトン酸とルイス酸との組合せからなる超強酸)、さらに好ましいのはプロトン酸からなる超強酸およびプロトン酸と、三フッ化ホウ素および/または五フッ化リンとからなる超強酸の共役塩基である。
(D3)の使用量は、(A)〜(C)の合計重量に基づいて、通常10%以下、フィルムの良好な外観と帯電防止性効果、および機械特性の観点から好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%である。
(D3)を添加する方法についても特に限定はないが、樹脂組成物中への効果的な分散の観点から、帯電防止剤(B)中に予め分散させておくことが好ましい。また、(B)中へ(D3)を分散させる場合のタイミング等は前記(D1)の場合と同じである。
(D3)の製造法としては、例えばジメチルカーボネート等で4級化して得られるアミジニウムカチオンおよび/またはグアニジニウムカチオンのジメチルカーボネート塩に、酸[(D3)においてアニオンを構成する前記の有機酸または無機酸]を加えて酸交換を行う方法、または、アミジニウムカチオンおよび/またはグアニジニウムカチオンを一旦加水分解してモノアミドアミンを生成した後、そのモノアミドアミンを酸(上記に同じ)で中和する方法が挙げられる。
本発明における樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により、相溶化剤(E)およびその他の樹脂用添加剤(F)からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有させることができる。
相溶化剤(E)としては、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基およびポリオキシアルキレン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基(極性基)を有する変性ビニル重合体等が使用でき、例えば、特開平3−258850号公報に記載の重合体が挙げられる。また、例えば、特開平6−345927号公報に記載のスルホニル基を有する変性ビニル重合体、ポリオレフィン部分と芳香族ビニル重合体部分とを有するブロック重合体等も使用できる。
(E)の使用量は、フィルムの機械的強度の観点から、(A)〜(C)の合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜15%、さらに好ましくは1〜10%、特に好ましくは1.5〜8%である。
(E)を含有させる方法については特に限定はないが、樹脂組成物中への効果的な分散または溶解の観点から、帯電防止剤(B)中に予め分散させておくことが好ましい。
また、(B)中へ(E)を分散もしくは溶解させる場合のタイミング等は前記(D)の場合と同じである。
その他の樹脂用添加剤(F)としては、核剤(F1)、滑剤(F2)、顔料(F3)、染料(F4)、離型剤(F5)、酸化防止剤(F6)、難燃剤(F7)、紫外線吸収剤(F8)、抗菌剤(F9)、分散剤(F10)、可塑剤(F11)、導電性物質(F12)および充填剤(F13)からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
核剤(F1)としては、有機系核剤[例えば1,3,2,4−ジ−ベンジリデン−ソルビトール、アルミニウム−モノ−ヒドロキシ−ジ−p−t−ブチルベンゾエート、ソジウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェートおよび安息香酸ナトリウム]および無機系核剤(例えばグラファイト、カーボンブラック、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化亜鉛、アルミナ、硫酸バリウムおよび硫酸カルシウム)が挙げられる。
滑剤(F2)としては、ワックス(例えばカルナバロウワックス、パラフィンワックスおよびポリオレフィンワックス)、高級脂肪酸(C8〜24、例えばステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸)、高級アルコール(C8〜18、例えばステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコールおよびベヘニルアルコール)および高級脂肪酸アミド(C8〜24、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、リノール酸アミドおよびリノレン酸アミド)が挙げられる。
顔料(F3)としては、無機顔料[白色顔料(酸化チタン、リトポン、鉛白、亜鉛華等)、コバルト化合物(オーレオリン、コバルトグリーン等)、鉄化合物(酸化鉄、紺青等)、クロム化合物(酸化クロム、クロム酸鉛等)および硫化物(硫化カドミウム、ウルトラマリン等)等]、有機顔料[アゾ顔料(アゾレーキ系、モノアゾ系、ジスアゾ系、キレートアゾ系等)、多環式顔料(ベンゾイミダゾロン系、フタロシアニン系、イソインドリノン系、アンスラキノン系等)等が挙げられる。
染料(F4)としては、アゾ系、インジゴイド系、硫化系、アリザリン系、アクリジン系、チアゾール系、ニトロ系、アニリン系等が挙げられる。
離型剤(F5)としては、高級脂肪酸(上記のもの)の低級(C1〜4)アルコールエステル(例えばステアリン酸ブチル)、脂肪酸(C2〜18)の多価(2価〜4価またはそれ以上)アルコールエステル(例えば硬化ヒマシ油)、脂肪酸(C2〜18)のグリコール(C2〜8)エステル(例えばEGモノステアレート)および流動パラフィンが挙げ
られる。
酸化防止剤(F6)としては、フェノール系{例えば単環フェノール[例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールおよびブチル化ヒドロキシアニソール]、ビスフェノール[例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル)−6−t−ブチルフェノールおよび4,4’−チオビス(3−メチル)−6−t−ブチルフェノール]および多環フェノール〔例えば1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン〕};硫黄系〔例えばジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジブチレートおよびジラウリルサルファイド〕;リン系〔例えばトリフェニルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトおよびジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト〕;およびアミン系〔例えばオクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミンおよびフェノチアジン〕が挙げられる。
難燃剤(F7)には、ハロゲン含有難燃剤(F71)、窒素含有難燃剤(F72)、硫黄含有難燃剤(F73)、珪素含有難燃剤(F74)およびリン含有難燃剤(F75)からなる群から選ばれる1種または2種以上の難燃剤が含まれる。
ハロゲン含有難燃剤(F71)としては、ヘキサクロロペンタジエン、ヘキサブロモジフェニル、オクタブロモジフェニルオキシド、トリブロモフェノキシメタン、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルオキシド、テトラブロモビスフェノールA、テトラブルモフタルイミド、ヘキサブロモブテン、ヘキサブロモシクロドデカン等;
窒素含有難燃剤(F72)としては、尿素化合物、グアニジン化合物またはトリアジン化合物(メラミン、グアナミン等)と、シアヌール酸またはイソシアヌル酸との塩等;
硫黄含有難燃剤(F73)としては、硫酸エステル、有機スルホン酸、スルファミン酸、有機スルファミン酸、およびそれらの、塩、エステルおよびアミド等;
珪素含有難燃剤(F74)としては、ポリオルガノシロキサン等;
リン含有難燃剤(F75)としては、リン含有の酸およびそのエステル(C2〜20)、例えばリン酸、ホスフェート、ハロゲン含有ホスフェート、亜リン酸、ホスホネート、およびリン酸アンモニウム塩等が挙げられる。
上記ホスフェートとしては、ホスフェート[トリアルキル(アルキル基はC1〜12)ホスフェート等]、縮合ホスフェート[トリアルキル(アルキル基はC1〜12)ポリ(n=2〜30)ホスフェート等];
ハロゲン含有ホスフェートとしては、トリスハロゲン化アルキル(アルキル基はC2〜4)ホスフェート等;
ホスホネートとしては、ホスホネート[トリアルキル(アルキル基はC1〜12)ホスホネート等]、縮合ホスホネート[トリアルキル(アルキル基はC1〜12)ポリ(n=2〜30)ホスホネート等];
リン酸アンモニウム塩としては通常難燃剤用に市販されているもの等、を用いることができる。これらは、必要に応じてメラミン化合物(例えばメラミン単体)、ペンタエリスリトール化合物(例えばペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール)、アミド(例えばナイロン6、ナイロン66)等を併用してもよい。
上記難燃剤は、必要に応じて難燃助剤[ドリップ防止剤(例えばポリテトラフルオロエチレン)、金属酸化物(例えば酸化亜鉛)等]を併用してもよい。
上記難燃剤のうち難燃性、および焼却時におけるダイオキシン発生等の環境汚染がないとの観点から好ましいのは(F72)である。
紫外線吸収剤(F8)としては、ベンゾトリアゾール系[例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール]、ベンゾフェノン系[例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンおよび2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン]、サリチレート系[例えばフェニルサリチレートおよびEGモノサリチレート]およびアクリレート系[例えば2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’1−ジフェニルアクリレート]が挙げられる。
抗菌剤(F9)としては、安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、ハロゲン化フェノール(例えば2,4,6−トリブロモフェノールナトリウム塩)、有機ヨウ素(例えば4−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルホルマール)、ニトリル(例えば2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル)、チオシアノ(例えばメチレンビスチアノシアネート)、N−ハロアルキルチオイミド(例えばN−テトラクロロエチル−チオ−テトラヒドロフタルイミド)、銅剤(例えば8−オキシキノリン銅)、ベンズイミダゾール(例えば2−4−チアゾリルベンズイミダゾール)、ベンゾチアゾール(例えば2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾール)、トリハロアリル(例えば3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカルボナート)、トリアゾール(例えばアザコナゾール)、有機窒素硫黄化合物(例えばスラオフ39)、4級アンモニウム化合物(例えばトリメトキシシリル−プロピルオクタデシルアンモニウムクロライド)およびピリジン系化合物[例えば2,3,5,6−チトクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン]が挙げられる。
分散剤(F10)としては、Mn1,000〜100,000の分散剤、例えばナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物(Mn1,000〜10,000)、ポリスチレンスルホン酸金属[例えばアルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)]塩(Mn1,000〜100,000)、ポリアクリル酸金属[例えばアルカリ金属(上記に同じ)]塩(Mn2,000〜50,000)、カルボキシメチルセルロースおよびポリビニルアルコールが挙げられる。
可塑剤(F11)としては、ポリオキシアルキレン鎖を含有するモノおよびジエステル、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、芳香族カルボン酸エステル[C10〜28、例えばフタル酸エステル(例えばジオクチルフタレートおよびジブチルフタレート、ジ2−エチルヘキシルフタレート等)]、脂肪族モノカルボン酸エステル[C3〜30、例えばメチルアセチルリシノレートおよびトリエチレングリコールジベンゾエート]、脂肪族ジカルボン酸エステル[C8以上かつMn2,000以下、例えばジ(2−エ
チルヘキシル)アジペートおよびアジピン酸−プロピレングリコール系ポリエステル(Mn200〜2,000)]、脂肪族トリカルボン酸エステル[例えばクエン酸エステル(例えばクエン酸トリエチル)]、リン酸トリエステル[例えばトリフェニルホスフェート]および石油樹脂等が挙げられる。
導電性物質(F12)としては、前記(D1)および(D3)を除く化合物で、例えばカーボンナノチューブ、カーボンブラックおよびホワイトカーボンが挙げられる。
充填剤(F13)としては、例えば無機充填剤(例えば炭酸カルシウム、タルク、クレー、けい酸、けい酸塩、アスベスト、マイカ、ガラス繊維、ガラスバルーン、カーボン繊維、金属繊維、セラミックウィスカおよびチタンウィスカ)および有機充填剤[例えば尿素、ステアリン酸カルシウムおよび有機架橋微粒子(例えばエポキシ系およびウレタン系)]が挙げられる。
(F)の合計の使用量は、(A)〜(C)の合計重量に基づいて、通常45%以下、各添加剤の効果およびフィルムの機械特性の観点から好ましくは0.001〜40%、さらに好ましくは0.01〜35%、とくに好ましくは0.05〜30%である。
(F)のうち、(F9)、(F10)、(F11)および(F13)はそれぞれ通常10%以下、好ましくは1〜5%;(F7)は通常20%以下、好ましくは1〜10%;(F3)、(F4)および(F12)は通常5%以下、好ましくは0.1〜3%;(F1)、(F2)、(F5)、(F6)および(F8)は通常3%以下、好ましくは0.05〜1%である。
本発明の(A)〜(C)を含有してなるフィルムは上記樹脂組成物を、例えば下記の工程に従って成形することにより得られる。また、後述のように該フィルムを少なくとも表層に用いて多層フィルムを形成することもできる。
1.フィルムの製造
<1>(A)〜(C)および必要により加えられる(D)〜(F)の混合工程;
<2>製膜工程;
<3>ロール等による冷却工程;
<4>延伸工程(必要に応じて行われる)
また、熱可塑性樹脂(G)からなるフィルムおよび/または本発明の前記フィルムを基層とし、該基層の片面または両面に本発明の前記フィルムを表層として積層して成形した多層フィルムとすることもできる。
ここにおいて、熱可塑性樹脂(G)には、本発明におけるポリオレフィン樹脂(A)を含む後述のものが含まれ、上記の基層を構成する熱可塑性樹脂(G)からなるフィルムには、本発明における帯電防止剤(B)が含まれていても含まれていなくてもいずれでもよい。
熱可塑性樹脂(G)には、前記ポリオレフィン樹脂(A)の他に、ポリアセタール樹脂(G1);ビニル樹脂〔ポリアクリル樹脂(G2)[例えばポリメタクリル酸メチル];ポリスチレン樹脂(G3)[ビニル基含有芳香族炭化水素単独またはビニル基含有芳香族炭化水素と、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルおよびブタジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種とを構成単位とする共重合体、例えばポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AN樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)]等〕;ポリエステル樹脂(G4)[例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート];ポリアミド樹脂(G5)[例えばナイロン66、ナイロン69、ナイロン612、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6/66、ナイロン6/12];ポリカーボネート樹脂(G6)[例えばポリカーボネート、ポリカーボネート/ABSアロイ樹脂];ポリフェニレンエーテル樹脂(G7);生分解性樹脂(G8)、およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
積層する場合は、表層フィルムを基層の片面または両面に積層してよく、両面に積層する場合の表層樹脂の種類はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、基層の表裏面のそれぞれにおいて樹脂の種類の異なるフィルムを多層(2〜6層またはそれ以上)に積層してもよい。また、基層は、熱可塑性樹脂(G)からなるフィルム−本発明のフィルム、の単位が繰り返される多層フィルムであってもよい。
また、表層および基層のいずれかまたは両方が発泡層または発泡層と非発泡層からなる多層フィルムや、表層および基層の少なくとも一層が一軸または多軸に延伸されている多層フィルムであってもよい。
フィルム製造工程について以下にさらに詳細に説明する。
<1>混合工程
樹脂組成物の混合方法は、特に限定されないが、例えば、
(1)(A)、(B)、(C)および必要により(D)〜(F)をタンブルミキサー、リボンブレンダーまたはヘンシェルミキサー等でドライブレンドして混合する方法、
(2)上記の各成分を上記の方法でドライブレンドした後、押出機で溶融混合(通常200〜280℃)してペレット化する方法、
(3)(A)の一部、(B)および(C)のマスターバッチ樹脂組成物を押出機による溶融混合(200〜280℃)で予め作成しておき[マスターバッチ樹脂組成物中の(B)の含有量は好ましくは30〜70重量%]、該マスターバッチ、残りの(A)および必要により(D)〜(F)を上記混合機でドライブレンドして混合する方法が挙げられる。
これらの方法のうち、(B)の(A)への分散性の観点から好ましいのは(2)および(3)、とくに好ましいのは(2)の方法である。本発明におけるフィルムを形成する樹脂組成物では(A)と(B)が相溶性に優れることから、(1)の方法でも良好なフィルムを得ることができる。
<2>製膜工程
製膜方法については、特に限定はなく、種々の製膜方法(例えば押出成形法、インフレーション法およびチューブラー法)を用いることができる。
いずれの方法においても、共押出が可能なダイスから樹脂組成物を積層した状態で押出して製膜するか、基層に表層をラミネートするかまたは表層と基層を接着剤もしくは接着層を用いて貼り合わせる等を行い、多層フィルムとしてもよい。
製膜時に発泡剤(例えば塩化メチル、ブタン、炭酸ガスおよびアゾビスイソブチロニトリル)を添加することによりフィルム中に発泡層を形成させることもできる。
共押出では、例えば樹脂組成物の温度はその加熱流動温度85〜280℃とし、ダイスの温度は180〜280℃とするのが好ましい。
基層に表層をラミネートする場合は、例えば各層を積層した後に加熱圧着してもよいし、予めそれぞれの接合面を加熱装置によって加熱した後に接合して圧着してもよい。
貼り合わせる方法において使用される接着剤は、特に限定されないが、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体およびメタアクリル酸メチル重合体エラストマー〔例えば商品名:タフプレンおよびタフテック[いずれも旭化成工業(株)製]〕等の接着剤が好ましい。
<3>ロール等による冷却工程
冷却方法については、例えば、ロールとの接触によって冷却する方法(例えば押出成形法のとき)および空気を吹き付け冷却する方法(例えばインフレーション法およびチューブラー法のとき)を用いることができる。
<4>延伸工程
延伸方法としては、例えば予め無延伸のフィルムを製膜した後、別工程で延伸する方法(例えばロールの周速度の差を利用して延伸する方法およびテンター法)と、フィルムの生産工程に延伸工程が含まれるような方法(例えばインフレーション法およびチューブラー法)を挙げることができる。
延伸倍率は、いずれの延伸方法においても帯電防止性の観点から、一軸延伸の場合は好ましくは2〜20倍、二軸延伸の場合は好ましくはそれぞれの方向に2〜15倍である。本発明の帯電防止性樹脂フィルムは延伸工程を経ることで、さらに優れた帯電防止性を発現させることができる。
また、本発明の帯電防止性フィルムには、用途(例えばフィルムへの印刷および他の物へのフィルムの接着)、目的(例えば印刷インキの定着性やフィルムの接着性の改良)に応じて、コロナ処理や火炎処理等の表面処理を行うこともできる。
該表面処理をする面は、帯電防止性の表層の面であっても、帯電防止性表層が積層されていない(片側積層の場合)裏面側(基層表面)であってもよい。
積層する場合は、フィルムの製造と同じく、多層シートであってもよいし、発泡層を含んでいてもよいし、延伸されていてもよい。
本発明のフィルムは、優れた機械特性および永久帯電防止性を有すると共に、良好な塗装性および印刷性を有する。
該フィルムを塗装する方法としては、エアスプレー法、エアレススプレー法、静電スプレー法、浸漬法、ローラー法、刷毛塗り法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、該フィルムに印刷する方法としては、種々の印刷法、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷およびオフセット印刷が挙げられる。
印刷インキとしてはプラスチックの印刷に通常用いられるものが挙げられる。
以下実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は重量部、%は重量%を表す。
製造例1[酸変性ポリオレフィン(a−1)の製造]
ステンレス製オートクレーブに、熱減成法[23℃における密度0.90g/cm3
MFR6.0g/10分のエチレン/プロピレン(ランダム付加)共重合体(エチレン含量2%)を410±0.1℃で熱減成]で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体(Mn3,500、密度0.89g/cm3、C1,000個当たりの二重結
合量7.1個、1分子当たりの二重結合の平均数1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有量90%)95部、無水マレイン酸10部、キシレン30部を仕込み、窒素ガス雰囲気(密閉)下、200℃で溶融し、200℃、20時間反応させた。
その後、過剰の無水マレイン酸とキシレンを減圧下、200℃、3時間で留去して、酸変性ポリオレフィン(a−1)を得た。(a−1)の酸価は27.2、Mnは3,700であった。
製造例2[二次変性ポリオレフィン(a−2)の製造]
ステンレス製オートクレーブに、(a−1)66部と12−アミノドデカン酸34部を仕込み、窒素ガス雰囲気下、200℃で溶融し、200℃、3時間、1.3kPa以下の減圧下、反応させ、二次変性ポリオレフィン(a−2)を得た。(a−2)の酸価は17.7、Mnは5,700であった。
製造例3[ブロックポリマーからなる帯電防止剤(B−1)の製造]
ステンレス製オートクレーブに、(a−2)73.3部、Mn2,000、体積固有抵抗値1×107Ω・cmのPEGの両末端の水酸基をシアノアルキル化して得られる末端
シアノアルキル基を還元して1級アミノ基に変性した親水性ポリマー(体積固有抵抗値2×108Ω・cm)(b−1)26.7部、および酸化防止剤[商品名「イルガノックス
1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製。以下同じ。]0.3部を仕込み、220℃、0.13kPa以下の減圧下の条件で3時間重合させ粘稠なポリマーを得た。このポリマ−をベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマーからなる帯電防止剤(B−1)を得た。
製造例4[カチオン性ポリマー(b−2)(親水性ポリマー)の製造]
ガラス製オートクレーブにN−メチルジエタノールアミン41部、アジピン酸49部および酢酸ジルコニル0.3部を仕込み、窒素置換後、2時間かけて220℃まで昇温し、1時間かけて0.13kPaまで減圧してポリエステル化反応を行わせた。反応終了後、50℃まで冷却し、メタノール100部を加えて溶解した。撹拌しながら反応容器中の温度を120℃に保ち、炭酸ジメチル31部を3時間かけて徐々に滴下し、同温度で6時間熟成させた。室温まで冷却後、60%ヘキサフルオロリン酸水溶液100部を加え、室温で1時間撹拌した。次いで溶剤を減圧留去し、4級アンモニウム基を平均12個有するカチオン性ポリマー(b−2)(水酸基価30.1、酸価0.5、体積固有抵抗値1×105Ω・cm)を得た。
製造例5[ブロックポリマーからなる帯電防止剤(B−2)の製造]
ステンレス製オートクレーブに、(a−2)63.0部、(b−2)37.0部、酸化防止剤0.3部および酢酸ジルコニル0.5部を加え、230℃、0.13kPa以下の減圧下の条件で4時間重合させ粘稠なポリマーを得た。このポリマ−をベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化することによってブロックポリマーからなる帯電防止剤(B−2)を得た。
製造例6[アニオン性ポリマー(b−3)(親水性ポリマー)の製造]
ステンレス製オートクレーブに、 Mn300のPEG67部、5−スルホイソフタル
酸ジメチルエステルのナトリウム塩49部およびジブチルスズオキシド0.2部を仕込み、0.67kPaの減圧下で190℃まで昇温し、メタノールを留去しながら6時間エステル交換反応を行い、1分子内にスルホン酸ナトリウム塩基を平均5個有するアニオン性ポリマー(b−3)(水酸基価29.6、酸価0.4、体積固有抵抗値2×106Ω・cm)を得た。
製造例7[ブロックポリマーからなる帯電防止剤(B−3)の製造]
製造例5において(a−2)63.0部、(b−2)37.0部に代えて、(a−2)62.6部、(b−3)37.4部を用いた以外は、製造例5と同様にして、ブロックポリマーからなる帯電防止剤(B−3)を得た。
製造例8[ブロックポリマーからなる帯電防止剤(B−4)の製造]
製造例3において(a−2)73.3部、(b−1)26.7部に代えて、(a−2)77.9部、ポリテトラメチレングリコール(Mn1,800、体積固有抵抗値1×1011Ω・cm)(b−4)22.1部を用い、さらに酢酸ジルコニル0.5部を加えた以外は、製造例3と同様にして、ブロックポリマーからなる帯電防止剤(B−4)を得た。
実施例1〜6、比較例1〜6
表1に示す配合組成に従って、T型ダイを備えた押出成形機[シリンダー温度:(A−1)使用時は220℃、(A−2)使用時は180℃、(A−3)使用時は150℃とする。以下同じ。]により溶融押出し、20℃の冷却ロールで急冷することにより厚さ100μmの押出フィルム(単層フィルム)とした。
実施例7〜13、比較例7〜13
表2に示す配合組成に従って、基層(X)、表層(Y)を2種3層共押出が可能なT型ダイを備えた押出成形機[シリンダー温度は上記に同じ。(A−1)〜(A−3)のうち2種類を使用する場合のシリンダー温度は高い方の温度とする。]により溶融押出し、20℃の冷却ロールで急冷することにより表裏面に10μmの表層(Y)を有する厚さ70μmの(Y)/(X)/(Y)型押出フィルム(3層フィルム)とした。
(注)
A−1:ポリプロピレン樹脂[商品名:ノバテックPP F203T、日本ポリプロ(株
)製]
A−2:ポリエチレン樹脂[商品名:ノバテックLL UJ960、日本ポリエチレン
(株)製]
A−3:エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂[商品名:ノバテックEVA LV430、日
本ポリエチレン(株)製]
G−1:ナイロン樹脂[商品名:ウベナイロン 1013B、宇部興産(株)製]
G−2:シクロヘキサンジメタノール/エチレングリコール/テレフタル酸共重合物(ポ
リエステル樹脂)[商品名:EASTER PETG6763、イーストマンケ
ミカルジャパン(株)製]
C−1:カルボジイミド化合物[カルボジライトLA−1」、日清紡(株)製]
C−2:カルボジイミド化合物[カルボジライトHMV−8CA」、日清紡(株)製]
D−1:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムドデシルベンゼンスルホン酸塩
D−2:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
[性能試験等]
上記で得られたフィルムについて、下記の試験法に基づき性能評価等を行った。結果を表3に示す。
[1]帯電防止性[ASTM D257(1984年)に準拠]
表面固有抵抗値(単位はΩ)で評価。フィルムからそれぞれ切り出した試験片(100×100mm)を用い、該試験片を23℃、湿度50%RHの条件で48時間静置後、超絶縁計[アドバンテスト(株)製、以下同じ。]により同条件の雰囲気下で測定する。
[2]ヒートシール性[JIS Z−0238に準拠]
フィルムを2枚合わせて重ね、熱傾斜試験機[東洋精機(株)製]を使用して、熱圧着〔温度:合わせた面が(A−1)、(A−2)または(A−3)を使用時はそれぞれ160℃、140℃または90℃、圧力:3kg/cm2、時間:1秒〕後、該試験片を23℃、湿度50%RHの条件で24時間静置後、引張試験[JIS K7127−1989に準拠]と同様の方法で試験し、ヒートシール部分の破断強度(単位はkg/15mm)を測定する。
[3]表面粗度[JIS B0601−2001に準拠]
表面を、形状測定顕微鏡[超深度形状測定顕微鏡VK−8550、(株)キーエンス製]を用いて、倍率1,250倍の条件でJIS B0601:2001の付属書2に記載
された中心線平均粗さ(Ra)(単位はμm)を5箇所測定し、これらの平均値を指標とした。なお、数値は小さいほど表面粗さが小さく良好であることを示している。表面粗度により表面荒れを評価する。
[4]ガラス板汚染性
フィルムから切り出した試験片(100×100mm)と2枚のガラス板(120×120×2mm)を、それぞれ超純水(比抵抗17.5MΩ・cm)を用いて充分に水洗した後、循風乾燥機内50℃で2時間乾燥させる。該試験片を表裏面から該2枚のガラス板で挟んで密着させ、さらに片面のガラス板上に1kgの重しを置き、60℃、90%RHで7日間静置する。その後、試験片を取り除き、ガラス板の試験片接触面を観察し、付着物の有無でガラス板汚染性を評価する。ガラス板汚染性によりフィルム表面析出物の有無を評価する。

評価基準 ○:ガラス板に付着物なし
×:ガラス板に付着物あり
[5]単層または表層フィルムの断面の画像解析による成分の面積比率
単層フィルムまたは、3層フィルムにおける表層フィルムの各断面中の(A)〜(C)成分の分散状態を透過型電子顕微鏡で観察し、得られた画像の10μm×10μmの範囲について、画像解析計測ソフトウェア[商品名「WinROOF」、三谷商事(株)製]を用いて、(A)〜(C)の各面積比率(%)を求めた。
表3から明らかなように、本発明の帯電防止性フィルムは、比較の樹脂組成物を成形してなるフィルムと比較して、ヒートシール性、永久帯電防止性に優れ、表面特性にも優れることがわかる。
本発明の帯電防止性フィルムは、帯電防止性およびヒートシール性に優れることから、包装材(インスタント食品やマヨネーズ等の食品用包装袋、タバコの個包装袋、クリーニングの袋、プラスチック製ケース用フィルム、電気部品の包装袋等)、被覆材(紙にラミネートするプリントラミ、フレキシブルディスクの保護フィルム、農業材料等)、テープ材(半導体製造プロセス用のテープ基材等)その他帯電防止性およびヒートシール性を必要とする幅広い分野の各種材料として極めて有用である。

Claims (4)

  1. 下記(A)〜(C)を含有してなり、(A)〜(C)の合計重量に基づいて、(A)を40〜98%、(B)を1〜30%、(C)を1〜30%含有することを特徴とする帯電防止性フィルム。
    (A)ポリオレフィン樹脂。
    (B)ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1×105〜1×1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーからなる帯電防止剤
    (C)カルボジイミド化合物
  2. さらに、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩、界面活性剤およびイオン性液体からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(D)を含有させてなる請求項1記載のフィルム。
  3. 熱可塑性樹脂からなるフィルムおよび/または請求項1または2記載のフィルムを基層とし、該基層の片面または両面に請求項1または2記載のフィルムを表層として積層してなる帯電防止性多層フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載のフィルムに塗装および/または印刷を施してなるフィルム物品。
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