JP2013108061A - 帯電防止剤及び帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブロックポリマー(A)及び/又は親水性ポリマー(B)と、フッ素含有界面活性剤(C)を含有してなる帯電防止剤(Z)であって、(A)が疎水性ポリマー(D)のブロックと親水性ポリマー(B)のブロックとを構成単位とするブロックポリマーである帯電防止剤(Z)。
【選択図】なし
Description
また、(2)の方法としては、ポリエーテルエステルアミド(例えば、特許文献1参照)やポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマー(例えば、特許文献2参照)等の高分子型帯電防止剤を樹脂中に少量練り込む方法が知られている。
しかしながら、上記の高分子型帯電防止剤を練り込む方法においても、熱可塑性樹脂に十分な帯電防止性を付与するには、10重量%を超える量の添加が必要であり、機械強度、耐熱性等の成形品物性が低下するという問題があった。また、経済的な観点からも、従来よりも少量の添加で永久帯電防止性が付与できる帯電防止剤が望まれている。
(1)前記帯電防止剤は、少量の添加であっても成形品に優れた永久帯電防止性を付与できる。
(2)前記帯電防止性樹脂組成物を成形してなる成形品は、外観及び機械強度に優れる。
ブロックポリマー(A)は、疎水性ポリマー(D)のブロックと親水性ポリマー(B)のブロックとを構成単位とするブロックポリマーである。
本発明における疎水性ポリマー(D)とは、1×1011Ω・cmを超える体積固有抵抗値を有するポリマーのことを意味する。具体的には、ポリアミド(D1)、ポリオレフィン(D2)及びポリアミドイミド(D3)等が挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。(D)のうち、帯電防止性の観点から好ましいのは、ポリアミド(D1)及びポリオレフィン(D2)である。
なお、本発明における体積固有抵抗値は、ASTM D257(2007年)に準拠し、23℃、50%RHの雰囲気下で測定して得られた数値のことである。
ラクタム(α1−1)としては、炭素数4〜20のラクタム(カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタム等)等が挙げられる。
アミノカルボン酸(α1−2)としては、炭素数2〜20のアミノカルボン酸(ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸及びこれらの混合物等)等が挙げられる。
なお、本発明における末端とは、ポリマーを構成するモノマー単位の繰り返し構造が途切れる終端部を意味する。また、両末端とは、ポリマーの主鎖における両方の末端を意味し、片末端とは、ポリマーの主鎖におけるいずれか一方の末端を意味する。
これらのうち、カルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基を導入する際の変性のし易さ及び入手のし易さの観点から好ましいのは、減成されたポリオレフィンであり、更に好ましいのは熱減成されたポリオレフィンである。前記熱減成によれば、後述のとおり1分子当たりの平均末端二重結合数が1.5〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られ、前記低分子量ポリオレフィンはカルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基等を導入して変性することが容易である。
装置(一例):「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSKgelGMHXL」[東ソー(株)製](2本)
「TSKgelMultiporeHXL−M」[東ソー(株)製](1本)
試料溶液:0.3重量%のオルトジクロロベンゼン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:135℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、
1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
炭素数2〜30のオレフィンとしては、炭素数2〜30のα−オレフィン及び炭素数4〜30のジエンが挙げられる。
炭素数2〜30のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−イコセン及び1−テトラコセン等が挙げられる。
炭素数4〜30のジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン及び1,11−ドデカジエン等が挙げられる。
炭素数2〜30のオレフィンのうち、分子量制御の観点から好ましいのは、エチレン、プロピレン、炭素数4〜12のα−オレフィン、ブタジエン、イソプレン及びこれらの混合物であり、更に好ましいのは、エチレン、プロピレン、炭素数4〜10のα−オレフィン、ブタジエン及びこれらの混合物、特に好ましいのはエチレン、プロピレン、ブタジエン及びこれらの混合物である。
(D2−01)中の末端二重結合の数は、成形品の帯電防止性の観点から好ましくは炭素数1,000個当たり1〜40個であり、更に好ましくは2〜30個、特に好ましくは4〜20個である。
(D2−02)の炭素数1,000個当たりの二重結合数は、成形品の帯電防止性及びブロックポリマー(A)の分子量制御の観点から、好ましくは0.3〜20個であり、更に好ましくは0.5〜15個、特に好ましくは0.7〜10個である。
(D2−02)のうち、変性のしやすさの観点から好ましいのは、熱減成法により得られた低分子量ポリオレフィンであり、更に好ましいのは、熱減成法により得られたMnが3,000〜20,000のポリエチレン及び/又はポリプロピレンである。
熱減成法により低分子量ポリオレフィンを得る方法を用いると、Mnが6,000〜30,000の範囲で、1分子当たりの末端二重結合の平均数が1〜1.5個の(D2−02)が得られる。
熱減成法で得られた低分子量ポリオレフィンは、前記末端二重結合の平均数を有することから、カルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基等を導入して変性することが容易である。
変性に用いられるα,β−不飽和カルボン酸(無水物)としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、モノ又はジカルボン酸のアルキル(炭素数1〜4)エステル及びモノ又はジカルボン酸の無水物が挙げられ、具体的には(メタ)アクリル酸[(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタアクリル酸を意味する。以下同様。]、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、マレイン酸(無水物)、マレイン酸ジメチル、フマル酸、イタコン酸(無水物)、イタコン酸ジエチル及びシトラコン酸(無水物)等が挙げられる。
これらのうち、変性の容易さの観点から好ましいのは、ジカルボン酸、モノ又はジカルボン酸のアルキルエステル及びモノ又はジカルボン酸の無水物であり、更に好ましいのは、マレイン酸(無水物)及びフマル酸、特に好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)による変性は、例えば、(D2−01)の末端二重結合に、溶液法又は溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を付加反応(エン反応)させることにより行うことができ、反応温度は、好ましくは170〜230℃である。
二次変性に用いるラクタムとしては、炭素数6〜12(好ましくは6〜8、更に好ましくは6)のラクタム等が挙げられ、具体的には、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタム等が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、炭素数2〜12(好ましくは4〜12、更に好ましくは6〜12)のアミノカルボン酸等が挙げられ、具体的には、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン及びフェニルアラニン等)、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸等が挙げられる。
ラクタム及びアミノカルボン酸のうち好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、グリシン、ロイシン、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸であり、更に好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸、特に好ましいのはカプロラクタム及び12−アミノドデカン酸である。
酸化法によるカルボキシル基の導入は、公知の方法、例えば米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボキシル基の導入は、公知を含む種々の方法、例えば、Macromolecules、VOl.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
(D2−4)は、(D2−3)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性することにより得ることができる。
ラクタム及びアミノカルボン酸としては、前記(D2−1)の二次変性に用いられるラクタム及びアミノカルボン酸として例示されたものと同様のものが挙げられ、好ましい範囲、使用量も同様である。
また、(D2−1)の酸価は、(B)との反応性及びブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280mgKOH/g、更に好ましくは4〜100mgKOH/g、特に好ましくは5〜50mgKOH/gである。
変性に使用できる水酸基を有するアミンとしては、炭素数2〜10の水酸基を有するアミンが挙げられ、具体的には2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノール及び3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノールが挙げられる。
これらのうち、変性の容易さの観点から好ましいのは、炭素数2〜6の水酸基を有するアミン(2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール及び6−アミノヘキサノール等)であり、更に好ましいのは2−アミノエタノール及び4−アミノブタノール、特に好ましいのは2−アミノエタノールである。
(D2−2)のMnは、耐熱性及び後述する親水性ポリマー(B)との反応性の観点から、好ましくは800〜25,000であり、更に好ましくは1,000〜20,000、特に好ましくは2,500〜10,000である。
(D2−2)の水酸基価は、(B)との反応性及びブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280mgKOH/gであり、更に好ましくは4〜100mgKOH/g、特に好ましくは5〜50mgKOH/gである。
ジアミン(Q1)としては、炭素数2〜12のジアミン等が使用でき、具体的には、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン及びデカメチレンジアミン等が挙げられる。
これらのうち、変性の容易さの観点から好ましいのは、炭素数2〜8のジアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン及びオクタメチレンジアミン等)であり、更に好ましいのはエチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン、特に好ましいのはエチレンジアミンである。
(D2−3)のアミン価は、(B)との反応性及びブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280mgKOH/gであり、更に好ましくは4〜100mgKOH/g、特に好ましくは5〜50mgKOH/gである。
PIとしては、炭素数(NCO基中の炭素原子を除く。以下同様。)6〜20の芳香族PI、炭素数2〜18の脂肪族PI、炭素数4〜15の脂環式PI、炭素数8〜15の芳香脂肪族PI、これらのPIの変性体及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。
PIのうち好ましいのは、TDI、MDI及びHDIであり、更に好ましいのはHDIである。
PIと(D2−2)とのモル当量比(NCO/OH)は、好ましくは1.8/1〜3/1であり、更に好ましくは2/1である。
ウレタン化反応を促進するために、必要によりウレタン化反応に通常用いられる触媒を使用してもよい。触媒としては、金属触媒{錫触媒(ジブチルチンジラウレート及びスタナスオクトエート等)、鉛触媒(2−エチルヘキサン酸鉛及びオクテン酸鉛等)、その他の金属触媒[ナフテン酸金属塩(ナフテン酸コバルト等)及びフェニル水銀プロピオン酸塩等]};アミン触媒{トリエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等〕、ジアルキルアミノアルキルアミン(ジメチルアミノエチルアミン及びジメチルアミノオクチルアミン等)、複素環式アミノアルキルアミン[2−(1−アジリジニル)エチルアミン及び4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]の炭酸塩又は有機酸(ギ酸等)塩、N−メチル又はエチルモルホリン、トリエチルアミン及びジエチル−又はジメチルエタノールアミン等};及びこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
触媒の使用量は、PI及び(D2−2)の合計重量に基づいて、好ましくは3重量%以下であり、好ましくは0.001〜2重量%である。
分子量調整剤の使用量は、アミドイミド形成性モノマー及び分子量調整剤の合計重量に基づいて、帯電防止性及び成形品の耐熱性の観点から、好ましくは2〜80重量%であり、更に好ましくは4〜75重量%である。
本発明における親水性ポリマー(B)とは、1×105〜1×1011Ω・cmの体積固有抵抗値を有するポリマーのことを意味する。
(B)の体積固有抵抗値は、好ましくは1×106〜1×109Ω・cmであり、更に好ましくは1×106〜1×108Ω・cmである。体積固有抵抗値が1×105Ω・cm未満のものは実質的に入手が困難であり、1×1011Ω・cmを超えると後述する成形品の帯電防止性が低下する。
ポリエーテルジオール(B1−1)としては、ジオール(B0)にアルキレンオキサイド(以下AOと略記する。)を付加反応させることにより得られるものが挙げられ、具体的には一般式(1)で表されるものが挙げられる。
H−(OR1)a−O−E1−O−(R2O)b−H (1)
一般式(1)におけるE1は、ジオール(B0)からすべての水酸基を除いた残基であ
る。
ジオール(B0)としては、炭素数2〜12の脂肪族2価アルコール、炭素数5〜12の脂環式2価アルコール、炭素数6〜18の芳香族2価アルコール及び3級アミノ基含有ジオール等が挙げられる。
炭素数2〜12の脂肪族2価アルコールとしては、エチレングリコール(以下EGと略記する。)、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,12−ドデカンジオールが挙げられる。
炭素数5〜12の脂環式2価アルコールとしては、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,5−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘプタン等が挙げられる。
炭素数6〜18の芳香族2価アルコールとしては、単環芳香族2価アルコール(キシリレンジオール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン及びウルシオール等)及び多環芳香族2価アルコール(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシナフタレン及びビナフトール等)等が挙げられる。
3級アミノ基含有ジオールとしては、炭素数1〜12の脂肪族又は脂環式1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、シクロプロピルアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、ペンチルアミン、イソペンチルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン及びドデシルアミン等)のビスヒドロキシアルキル化物及び炭素数6〜12の芳香族1級アミン(アニリン及びベンジルアミン等)のビスヒドロキシアルキル化物が挙げられる。
これらのうち、ビスヒドロキシアルキル化物との反応性の観点から好ましいのは、炭素数2〜12の脂肪族2価アルコール及び炭素数6〜18の芳香族2価アルコールであり、更に好ましいのはEG及びビスフェノールAである。
一般式(1)におけるa及びbは、それぞれ独立に1〜300の数であり、好ましくは2〜250、更に好ましくは10〜100である。
一般式(1)におけるa、bがそれぞれ2以上の場合のR1、R2は、同一でも異なっていてもよく、(OR1)a、(R2O)b部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
AOとしては、炭素数2〜4のAO[エチレンオキサイド(以下EOと略記する。)、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレンオキサイド、及びこれらの2種以上の併用系が用いられるが、必要により他のAO[炭素数5〜12のα−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド及びエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)等]を少しの割合(AOの全重量に基づいて30重量%以下)で併用することもできる。
2種以上のAOを併用するときの結合形式は、ランダム結合、ブロック結合のいずれでもよい。AOとして好ましいのは、EO単独及びEOと他のAOとの併用である。
一般式(1)で表されるポリエーテルジオール(B1−1)の重量に基づく、(OR1)a及び(R2O)bの含有率は、好ましくは5〜99.8重量%であり、更に好ましくは8〜99.6重量%、特に好ましくは10〜98重量%である。
一般式(1)における(OR1)a及び(R2O)bの重量に基づくオキシエチレン基の含有率は、好ましくは5〜100重量%であり、更に好ましくは10〜100重量%、特に好ましくは50〜100重量%、最も好ましくは60〜100重量%である。
H2N−R3−(OR4)c−O−E2−O−(R5O)d−R6−NH2 (2)
一般式(2)におけるE2は、ジオール(B0)からすべての水酸基を除いた残基であ
る。
ジオール(B0)としては、前記のものと同様のものが挙げられ、好ましい範囲も同様
である。
一般式(2)におけるR3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基である。炭素数2〜4のアルキレン基としては、一般式(1)におけるR1及びR2として例示したものと同様のものが挙げられる。
一般式(2)におけるc及びdは、それぞれ独立に1〜300の数であり、好ましくは2〜250、更に好ましくは10〜100である。
一般式(2)におけるc、dがそれぞれ2以上の場合のR4、R5は、同一でも異なっていてもよく、(OR4)c、(R5O)d部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
アミノカルボン酸変性物は、(B1−1)又は(B1−2)と、アミノカルボン酸又はラクタムとを反応させることにより得ることができる。
イソシアネート変性物は、(B1−1)又は(B1−2)と、ポリイソシアネートとを反応させるか、(B1−2)とホスゲンとを反応させることにより得ることができる。
エポキシ変性物は、(B1−1)又は(B1−2)と、ジエポキシド(ジグリシジルエーテル、ジグリシジルエステル及び脂環式ジエポキシド等のエポキシ樹脂:エポキシ当量85〜600)とを反応させるか、(B1−1)とエピハロヒドリン(エピクロロヒドリン等)とを反応させることにより得ることができる。
本発明の帯電防止剤(Z)が(B1)を含有してなる場合、(B1)のMnは、帯電防止性及び機械物性の観点から、好ましくは1,000〜10,000,000であり、更に好ましくは5,000〜5,000,000、特に好ましくは50,000〜1,000,000である。
(D1’)としては、前記ラクタム(α1−1)の開環重合体、前記アミノカルボン酸(α1−2)の重縮合体、及び前記ジアミン(β)とジカルボン酸(γ)とのポリアミド等が挙げられる。
(D1’)のうち、帯電防止性の観点から好ましいのは、カプロラクタムの開環重合体、12−アミノドデカン酸の重縮合体、及びアジピン酸とヘキサメチレンジアミンとのポリアミドであり、更に好ましいのはカプロラクタムの開環重合体である。
(D3)としては、ラクタム(α1−1)と、前記の少なくとも1個のイミド環を形成し得る3価又は4価の芳香族ポリカルボン酸(δ)とからなる重合体、アミノカルボン酸(α1−2)と(δ)とからなる重合体、ポリアミド(D1’)と(δ)とからなる重合体、及びこれらの混合物が挙げられる。
(Q)としては、ジカルボン酸(γ)とジオール(B0)とのポリエステルが挙げられる。
ポリエーテルアミド(B2−4)としては、ポリアミド(D1)とポリエーテルジアミン(D212)とから構成されるものが挙げられる。
ポリエーテルウレタン(B2−5)としては、前記PIのうちのジイソシアネートと、ポリエーテルジオール(B1−1)又はポリエーテルジアミン(B1−2)及び必要により鎖伸長剤[前記ジオール(B0)及びジアミン(β)等]とから構成される。
(B2)におけるオキシエチレン基の含有率は、帯電防止性及び成形性の観点から、(B2)の重量に基づいて好ましくは30〜80重量%であり、更に好ましくは40〜70重量%である。
(B2)のMnの下限は、耐熱性の観点から好ましくは800であり、更に好ましくは1,000である。(B2)のMnの上限は、疎水性ポリマー(D)との反応性の観点から、好ましくは50,000であり、更に好ましくは30,000である。
非イオン性分子鎖としては、2価の炭化水素基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、イミノ結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合及びシロキシ結合からなる群から選ばれる1種以上の基を有する2価の炭化水素基、並びに窒素原子又は酸素原子を有する複素環構造を有する炭化水素基等が挙げられる。
非イオン性分子鎖のうち好ましいのは、2価の炭化水素基及びエーテル結合を有する2価の炭化水素基である。
カチオン性基としては、4級アンモニウム塩又はホスホニウム塩を有する基が挙げられる。4級アンモニウム塩又はホスホニウム塩を形成する対アニオンとしては、超強酸アニオン及びその他のアニオン等が挙げられる。
超強酸アニオンとしては、プロトン酸とルイス酸との組み合わせから誘導される超強酸(四フッ化ホウ酸及び六フッ化リン酸等)のアニオン及びトリフルオロメタンスルホン酸等のアニオンが挙げられる。
その他のアニオンとしては、ハロゲンイオン(F-、Cl-、Br-及びI-等)、OH-、PO4 -、CH3OSO4 -、C2H5OSO4 -、及びClO4 -等が挙げられる。
超強酸を誘導する上記プロトン酸としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素及びヨウ化水素等が挙げられる。
ルイス酸としては、三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素及び五フッ化タンタル等が挙げられる。
(B3)1分子中のカチオン性基の数は、好ましくは2〜80個であり、更に好ましくは3〜60個である。
(γ’)としては、前記ジカルボン酸(γ)にスルホニル基を導入したものが挙げられ、スルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸、スルホニル基を有する脂肪族ジカルボン酸、及びスルホニル基のみが塩となったスルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
スルホニル基を有する脂肪族ジカルボン酸としては、スルホコハク酸、及びそのエステル形成性誘導体[アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル及びエチルエステル等)及び酸無水物等]が挙げられる。
スルホニル基のみが塩となったスルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸を形成する塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)塩、アンモニウム塩、アルキル(炭素数2〜4)基又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)基を有するアミン(モノ、ジ又はトリエチルアミン、モノ、ジ又はトリエタノールアミン及びジエチルエタノールアミン等)等のアミン塩及び前記アミンの4級アンモニウム塩等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、スルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸であり、更に好ましいのは5−スルホイソフタル酸塩、特に好ましいのは5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩及び5−スルホイソフタル酸カリウム塩である。
(B4)の製法としては、通常のポリエステルの製法がそのまま適用できる。ポリエステル化反応は、減圧下150〜240℃の温度範囲で行われ、反応時間は好ましくは0.5〜20時間である。また、必要により通常のエステル化反応に用いられる触媒を用いてもよい。エステル化触媒としては、アンチモン触媒(三酸化アンチモン等)、錫触媒(モノブチル錫オキサイド及びジブチル錫オキサイド等)、チタン触媒(テトラブチルチタネート等)、ジルコニウム触媒(テトラブチルジルコネート等)及び酢酸金属塩触媒(酢酸亜鉛等)等が挙げられる。
本発明におけるブロックポリマー(A)は、疎水性ポリマー(D)のブロックと、親水性ポリマー(B)のブロックとを構成単位とする。
(A)のうち、帯電防止性の観点から好ましいのは、下記の(A1)及び/又は(A2)である。
(A1):(D)がポリアミド(D1)であり、(B)がポリエーテル(B1)又はポリエーテル含有親水性ポリマー(B2)であって、(D1)と、(B1)及び/又は(B2)を反応させて得られるポリエーテルエステルアミド。
(A2):(D)がポリオレフィン(D2)であって、(D2)のブロックと、親水性ポリマー(B)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合、ウレタン結合及びウレア結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して結合した構造を有するブロックポリマー。
ブロックポリマー(A)の構造としては、導電性の観点から(D)と(B)とが繰り返し交互に結合した[(D)−(B)]e型のものが好ましい。
[(D)−(B)]e型の構造におけるeは、導電性及び成形品の機械特性の観点から、好ましくは2〜50であり、更に好ましくは2.3〜30、特に好ましくは2.7〜20、最も好ましくは3〜10である。eは、ブロックポリマー(A)のMn及び1H−NMR分析により求めることができる。
(D)と(B)を反応容器に投入し、撹拌下、反応温度100〜250℃、圧力0.003〜0.1MPaで、アミド化反応、エステル化反応又はイミド化反応で生成する水(以下生成水と略記する。)を反応系外に除去しながら、1〜50時間反応させる方法が挙げられる。(D)と(B)の重量比は、帯電防止性及び耐水性の観点から、10/90〜80/20であり、更に好ましくは20/80〜75/25である。
エステル化反応の場合、反応を促進させるために、(D)及び(B)の重量に基づいて、0.05〜0.5重量%の触媒を使用することが好ましい。触媒としては、無機酸(硫酸及び塩酸等)、有機スルホン酸(メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びナフタレンスルホン酸等)及び有機金属化合物(ジブチルチンオキサイド、テトライソプロポキシチタネート、ビストリエタノールアミンチタネート及びシュウ酸チタン酸カリウム等)等が挙げられる。触媒を使用した場合は、エステル化反応終了後必要により触媒を中和し、吸着剤で処理して触媒を除去・精製することができる。生成水を反応系外に除去する方法としては、以下の方法が挙げられる。
[1]水と相溶しない有機溶媒(例えばトルエン、キシレン及びシクロヘキサン等)を使用して、還流下、有機溶媒と生成水とを共沸させて、生成水のみを反応系外に除去する方法。
[2]反応系内にキャリアガス(例えば空気、窒素、ヘリウム、アルゴン及び二酸化炭素等)を吹き込み、キャリアガスと共に生成水を反応系外に除去する方法。
[3]反応系内を減圧にして生成水を反応系外に除去する方法。
(D)を反応容器に投入し、撹拌下30〜100℃に加温した後(B)を投入し、同温度で1〜20時間反応させる方法が挙げられる。(D)と(B)の重量比は、帯電防止性及び耐水性の観点から、10/90〜80/20であり、更に好ましくは20/80〜75/25である。
反応を促進させるために、(D)及び(B)の重量に基づいて、0.001〜5重量%の触媒を使用することが好ましい。触媒としては、有機金属化合物(ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、オクタン酸鉛及びオクタン酸ビスマス等)、3級アミン{トリエチレンジアミン、炭素数1〜8のアルキル基を有するトリアルキルアミン(トリメチルアミン、トリブチルアミン及びトリオクチルアミン等)、ジアザビシクロアルケン類〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7〕等};及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。
フッ素含有界面活性剤(C)としては、アニオン性フッ素含有界面活性剤(パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキル硫酸エステル塩及びパーフルオロアルキルリン酸エステル塩等)、カチオン性フッ素含有界面活性剤(パーフルオロアルキル基含有アミン塩及びパーフルオロアルキル基含有4級アンモニウム塩等)、両性フッ素含有界面活性剤(パーフルオロアルキルカルボキシルベタイン及びパーフルオロアルキルアミノカルボン酸塩等)、ノニオン性フッ素含有界面活性剤(パーフルオロアルケニルポリオキシエチレンエーテル及びパーフルオロアルキル基含有スルホンアミドポリエチレングリコール付加物等)及び高分子型フッ素含有界面活性剤(パーフルオロアルキル基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基含有ポリマー及びパーフルオロアルキル基含有ポリマーエステル等)等が挙げられる。
これらのうち、帯電防止性の観点から好ましいのは、カチオン性フッ素含有界面活性剤である。
炭素数4〜18のパーフルオロアルケニル基としては、−CjF2j−1(jは4〜18の整数で表される基が挙げられ、具体的には、[(CF3)2C]2C=C(CF3)−、及び[(CF3)2CF]2C=C(CF3)−で表される基等が挙げられる。
これらのうち、帯電防止性の観点から好ましいのは、末端に分岐鎖をもつ炭素数4〜18のパーフルオロアルキル基及び末端に分岐鎖をもつ炭素数4〜18のパーフルオロアルケニル基である。
炭素数1〜30の直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ヘキサコシル基、n−オクタコシル基及びn−トリアコンチル基等が挙げられる。
炭素数3〜30の分岐アルキル基としては、イソプロピル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソデシル基、イソウンデシル基、イソドデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基、イソペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソヘプタデシル基、イソオクタデシル基、イソノナデシル基、イソエイコシル基、イソドコシル基、イソヘキサコシル基、2−n−デシル−n−ドデシル基及び炭素数3又は4のオレフィン(プロピレン及びブテン等)のオリゴマー由来の合成アルコールから水酸基を除いた残基等が挙げられる。
炭素数2〜30の直鎖アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、n−ヘキセニル基、n−ドデセニル基、n−ヘキサデセニル基、n−オクタデセニル基、n−エイコセニル基、n−ドコセニル基、n−テトラコセニル基及びn−オクタコセニル基等が挙げられる。
炭素数3〜30の分岐アルケニル基としては、イソプロペニル基、イソヘキセニル基、イソデセニル基、イソドデセニル基、イソオクタデセニル基、イソエイコセニル基、イソドコセニル基及びイソオクタコセニル基等が挙げられる。
R10Oは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。炭素数2〜4のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、1,2−オキシプロピレン基、1,3−オキシプロピレン基、1,2−オキシブチレン基及び1,4−オキシブチレン基等が挙げられる。炭素数2〜4のオキシアルキレン基は、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用している場合は、ブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。kは1〜15の数であり、帯電防止性の観点から好ましいのは、1〜10である。なお、kはオキシアルキレン基の平均付加モルを表しているため、整数であるとは限らず、小数の場合もある。
1〜4価の無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸及びリン酸等が挙げられる。
1価の有機酸としては、炭素数1〜22のスルホン酸(例えばメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸及びドデシルベンゼンスルホン酸等)、炭素数1〜22のモノカルボン酸(例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、安息香酸、エチル安息香酸、桂皮酸及びt−ブチル安息香酸等)、及びアミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、セリン、スレオニン、グルタミン、アスパラギン、システイン及びメチオニン等)等が挙げられる。
2〜4価の有機酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、グルタミン酸二酢酸、アスパラギン酸二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びトリメリット酸等が挙げられる。
Xのうち、帯電防止性の観点から好ましいのは、1〜4価の無機酸及び1価の有機酸であり、更に好ましいのは、トリフルオロメタンスルホン酸である。
炭素数1〜30の2価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜30の直鎖アルキレン基及び炭素数3〜30の分岐のアルキレン基並びに炭素数2〜30の直鎖アルケニレン基及び炭素数3〜30の分岐のアルケニレン基等が挙げられる。
炭素数1〜30の直鎖アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ヘキシレン基、n−オクチレン基、n−デシレン基、n−ウンデシレン基、n−ドデシレン基、n−トリデシレン基、n−テトラデシレン基、n−ペンタデシレン基、n−ヘキサデシレン基、n−ヘプタデシレン基、n−オクタデシレン基、n−ノナデシレン基、n−エイコシレン基、n−ヘンエイコシレン基、n−ドコシレン基、n−トリコシレン基、n−テトラコシレン基、n−ヘキサコシレン基、n−オクタコシレン基及びn−トリアコンチレン基等が挙げられる。
炭素数3〜30の分岐アルキレン基の分岐の位置はいずれの位置でもよく、分岐の数に特に制限はない。
炭素数3〜30の分岐アルキレン基としては、イソプロピレン基、イソブチレン基、2−エチルヘキシレン基、イソデシレン基、イソウンデシレン基、イソドデシレン基、イソトリデシレン基、イソテトラデシレン基、イソペンタデシレン基、イソヘキサデシレン基、イソヘプタデシレン基、イソオクタデシレン基、イソノナデシレン基、イソエイコシレン基、イソドコシレン基、イソヘキサコシレン基及び2−n−デシルn−ドデシレン基等が挙げられる。
炭素数2〜30の直鎖アルケニレン基としては、エテニレン基、n−プロペニレン基、n−ブテニレン基、n−ブタジエニレン基、n−ペンテニレン基、n−ペンタジエニレン基、n−ヘキセニレン基、n−ヘキサジエニレン基、n−ヘプテニレン基、n−ヘプタジエニレン基、n−オクテニレン基、n−ドデセニレン基、n−ヘキサデセニレン基、n−オクタデセニレン基、n−エイコセニレン基、n−ドコセニレン基、n−テトラコセニレン基及びn−トリアコンチレン基等が挙げられる。
炭素数3〜30の分岐アルケニレン基としては、イソプロペニレン基、イソブテニレン基、イソブタジエニレン基、イソペンテニレン基、イソヘキセニレン基、イソヘプテニレン基、2−エチルヘキセニレン基、イソデセニレン基、イソドデセニレン基、イソオクタデセニレン基、イソエイコセニレン基、イソドコセニレン基及びイソトリアコンチレン基等が挙げられる。
官能基αを構成する置換基の数は、好ましくは1〜5個であり、更に好ましくは1〜2個である。なお、置換基は、2種以上を併用していてもよい。
Xg−を構成する1〜4価の無機酸及び有機酸としては、一般式(3)におけるXとして例示したもの同様のものが挙げられる。
gは、帯電防止性の観点から、好ましくは1〜2である。
帯電防止性向上剤(F)としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩(F1)、4級アンモニウム塩(F2)、界面活性剤(F3)及びイオン性液体(F4)等が挙げられる。なお、(F1)〜(F4)は2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂(E)の重量に基づく(G1)の含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.1〜3重量%であり、更に好ましくは0.2〜2重量%である。
熱可塑性樹脂(E)の重量に基づく(G2)、(G3)、(G5)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.01〜3重量%であり、更に好ましくは0.05〜1重量%である。
熱可塑性樹脂(E)の重量に基づく(G4)、(G6)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.5〜20重量%であり、更に好ましくは1〜10重量%である。
熱可塑性樹脂(E)の重量に基づく(G7)、(G8)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.5〜10重量%であり、更に好ましくは1〜5重量%である。
溶融混合時の各成分の添加順序には特に制限はないが、例えば、
[1](Z)を溶融混合した後、(E)、必要により(F)、(G)を一括投入して溶融混合する方法。
[2](Z)を溶融混合した後、(E)の一部をあらかじめ溶融混合して(Z)の高濃度組成物(マスターバッチ樹脂組成物)を作製した後、残りの(E)並びに必要に応じて(F)、(G)を溶融混合する方法(マスターバッチ法又はマスターペレット法)。
等が挙げられる。
[2]の方法におけるマスターバッチ樹脂組成物中の(Z)の濃度は、好ましくは40〜80重量%であり、更に好ましくは50〜70重量%である。
[1]及び[2]の方法のうち、(Z)を(E)に効率的に分散しやすいという観点から、[2]の方法が好ましい。
本発明の帯電防止性樹脂成形品は、本発明の帯電防止性樹脂組成物を成形して得られる。成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法及びインフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形又は発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形できる。
成形品を塗装する方法としては、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装及び刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、プラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が使用でき、具体的にはポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料及びアクリルウレタン樹脂塗料等が挙げられる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常10〜50μmである。
印刷インキとしては、プラスチックの印刷に通常用いられるものが使用でき、グラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキ及びオフセットインキ等が挙げられる。
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、ε−カプロラクタム173重量部、テレフタル酸33.2重量部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、BASF社製]0.4重量部及び水10重量部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら220℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2〜0.3MPa)で4時間撹拌し、両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a1−1)を得た。(D1−1)の酸価は111、Mnは1,000であった。
製造例1と同様の耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン[ポリプロピレン(MFR:10g/10min)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,400、炭素数1,000個当たりの二重結合数:7.0、1分子当たりの二重結合の平均数:1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:90重量%]90重量部、無水マレイン酸10重量部及びキシレン30重量部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(D2−1−1α)95重量部を得た。(D2−1−1α)の酸価は27.5、Mnは3,600であった。
製造例1と同様の耐圧反応容器に、(D2−1−1α)88重量部及び12−アミノドデカン酸12重量部を投入し、均一に混合後、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃まで昇温し、同温度で減圧下(0.013MPa以下)3時間反応させ、(D2−1−1α)を二次変性して得られたポリオレフィン(D2−1−2)96重量部を得た。(D2−1−2)の酸価は24.8、Mnは4,000であった。
製造例2において、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン90重量部及び無水マレイン酸10重量部を、熱減成法で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体94重量部及び無水マレイン酸6重量部に変更した以外は製造例2と同様にして、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1β)98重量部を得た。(D2−1−1β)の酸価は9.9、Mnは10,200であった。なお、前記の熱減成法で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体(Mn:10,000、炭素数1,000個当たりの二重結合数:2.5、1分子当たりの二重結合の平均数:1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:90重量%)は、エチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含有率:2重量%、MFR:10g/10min)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)、14分間熱減成して得られたものである。
次いで、製造例1と同様の耐圧反応容器に、(D2−1−1β)97重量部及びエタノールアミン5重量部を投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら180℃に昇温し、同温度で2時間反応させた。過剰のエタノールアミンを減圧下(0.013MPa以下)、180℃で2時間かけて留去し、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(D2−2)を得た。(a2−2)の水酸基価は9.9、アミン価は0.01、Mnは10,200であった。
製造例2において、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン90重量部及び無水マレイン酸10重量部を、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン80重量部及び無水マレイン酸20重量部に変更した以外は製造例2と同様にして、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(D2−1−1γ)92重量部を得た。(D2−1−1γ)の酸価は64.0、Mnは1,700であった。なお、前記の熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn:1,500、炭素数1,000個当たりの二重結合数:17.8、1分子当たりの二重結合の平均数:1.94、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:98重量%)は、エチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含有率:3重量%、MFR:7g/10min)を410±0.1℃、18分間熱減成して得られたものである。
次いで、製造例1と同様の耐圧反応容器に、(D2−1−1γ)90重量部及びビス(2−アミノエチル)エーテル10重量部を投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃に昇温し、同温度で2時間反応させた。過剰のビス(2−アミノエチル)エーテルを減圧下(0.013MPa以下)、200℃で2時間かけて留去し、アミノ基を両末端に有する変性ポリオレフィン(D2−4)を得た。(D2−4)のアミン価は64.0、Mnは1,700であった。
製造例1と同様の耐圧反応容器に、N−メチルジエタノールアミン41重量部、アジピン酸49重量部及び酢酸ジルコニル0.3重量部を投入し、窒素置換後、2時間かけて220℃まで昇温し、1時間かけて0.013MPaまで減圧してポリエステル化反応させた。反応終了後、50℃まで冷却し、メタノール100重量部を加えて溶解した。撹拌しながら反応容器中の温度を120℃に保ち、炭酸ジメチル31重量部を3時間かけて滴下し、同温度で6時間熟成させた。室温まで冷却後、60重量%ヘキサフルオロリン酸水溶液100重量部を加え、室温で1時間撹拌した。次いでメタノールを減圧留去し、4級アンモニウム基を平均12個有するカチオン性ポリマー(B3)(水酸基価:30.1、酸価:0.5、体積固有抵抗値:1×105Ω・cm)を得た。
製造例1と同様の耐圧反応容器に、ジエチレングリコール114重量部、5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルのナトリウム塩268重量部及びジブチル錫オキサイド0.2重量部を投入し、0.067MPaの減圧下で190℃まで昇温し、メタノールを留去しながら同温度で6時間エステル交換反応させ、1分子内にスルホン酸ナトリウム塩基を平均6個有するアニオン性ポリマー(B4α)(水酸基価は49、酸価は0.6、体積固有抵抗値は3×108Ω・cm)を得た。
製造例1と同様の耐圧反応容器に、PEG(Mn:300)67重量部、5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルのナトリウム塩49重量部及びジブチルスズオキシド0.2重量部を投入し、0.067MPaの減圧下で190℃まで昇温し、メタノールを留去しながら同温度で6時間エステル交換反応させ、1分子内にスルホン酸ナトリウム塩基を平均5個有するアニオン性ポリマー(B4β)(水酸基価:29.6、酸価:0.4、体積固有抵抗値:2×106Ω・cm)を得た。
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、(D1−1)199重量部及びビスフェノールAのEO付加物(Mn:4,000、体積固有抵抗値:2×107Ω・cm)780重量部及び酢酸ジルコニル0.6重量部を投入し、撹拌しながら240℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で6時間重合させて、粘稠なブロックポリマー(A1−1)を得た。(A1−1)のMnは24,000であった。
製造例9と同様の耐圧反応容器に、(D1−1)143重量部、(B4α)320重量部及び酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3重量部を投入し、撹拌しながら240℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で5時間重合させて、粘稠なブロックポリマー(A1−2)を得た。(A1−2)のMnは21,000であった。
製造例9と同様の耐圧反応容器に、(D2−1−1α)67.1重量部、ポリエーテルジアミン(B1−2)[α,ω−ジアミノPEG(Mn:2,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]32.9重量部、酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3重量部及び酢酸ジルコニル0.5重量部を投入し、撹拌しながら220℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で3時間重合させて、粘稠なブロックポリマー(A2−1)を得た。(A2−1)のMnは50,000であった。
製造例11において、(D2−1−1α)67.1重量部及び(B1−2)32.9重量部を、(D2−1−2)60.1重量部及びポリエーテルジオール(B1−1α)[PEG(Mn:3,000、体積固有抵抗値:1×107Ω・cm)]39.9重量部に変更した以外は、製造例11と同様にして、ブロックポリマー(A2−2)を得た。(A2−2)のMnは30,000であった。
製造例11において、(D2−1−1α)67.1重量部及び(B1−2)32.9重量部を、(D2−2)48.0重量部、(B3)48.0重量部及びドデカン二酸4重量部に変更した以外は製造例11と同様にして、ブロックポリマー(A2−3)を得た。(A2−3)のMnは100,000であった。
製造例11において、(D2−1−1α)67.1重量部及び(B1−2)32.9重量部を、(D2−4)31.6重量部、(B4β)68.4重量部及びドデカン二酸8重量部に変更した以外は製造例11と同様にして、ブロックポリマー(A2−4)を得た。(A2−4)のMnは10,000であった。
製造例11において、(D2−1−1α)67.1重量部及び(B1−2)32.9重量部を、(a2−1−2)71.5重量部及びポリエーテルジオール(B1−1β)[ポリテトラメチレングリコール(Mn:1,800、体積固有抵抗値:1×1011Ω・cm)28.5重量部に変更した以外は製造例11と同様にして、ブロックポリマー(A2−5)を得た。(A2−5)のMnは40,000であった。
製造例11において、(D2−1−1α)67.1重量部及び(B1−2)32.9重量部を、(a2−2)48.0重量部、(B3)48.0重量部及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)3重量部に変更した以外は製造例11と同様にして、ブロックポリマー(A2−6)を得た。(A2−6)のMnは100,000であった。
表1に示す配合組成(重量部)に従って、配合成分をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、100rpm、200℃、滞留時間5分の条件で溶融混練して、実施例1〜10、比較例1、2の帯電防止剤(Z−1)〜(Z−10)、(Z’−1)、(Z’−2)を得た。
(B1−1):ポリエチレンオキサイド「PEO−1Z」[住友精化(株)]
(B2−5):ポリエーテルウレタン「メルポールHA−2200」[三洋化成工業(株)]
(C−1):ヨウ化フルオロアルキルトリメチルアンモニウム「フタージェントF310」[(株)ネオス製]
(C−2):パーフルオロアルコキシベンゼンスルホン酸ナトリウム「フタージェントF100」[(株)ネオス製]
(F2−1):1−エチル−3−メチルイミダゾリウムドデシルベンゼンスルホン酸塩
(F3−1):ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
表2、3に示す配合組成(重量部)に従って、配合成分を高速剪断混合装置「ヘンシェルミキサー」(登録商標)[三井三池化工機(株)製]で3分間混合した後、ベント付き2軸押出機により、100rpm、220℃、滞留時間5分の条件で溶融混練して実施例11〜27、比較例3〜9の帯電防止性樹脂組成物を得た。
(E−1):耐衝撃性PS樹脂「HIPS 433」[PSジャパン(株)製]
(E−2):ABS樹脂「セビアン 680SF」[ダイセルポリマー(株)製]
(E−3):PC/ABS樹脂「サイコロイ C6600」[SABICイノベーティブプラスチックスジャパン合同会社製]
(E−4):変性PPE樹脂「ノリル V−095」[SABICイノベーティブプラスチックスジャパン合同会社製]
(E−5):PP樹脂「PM771M」[サンアロマー(株)製]
(G3−1):酸化防止剤「イルガノックス1010」{テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン}[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製]
(G7−1):相溶化剤「エポフレンドAT501」(エポキシ化ポリスチレンエラストマー)[ダイセル化学工業(株)製]
(G7−2):相溶化剤「タフテックM1913」(スチレン−水添ブタジエンブロック共重合体)[旭化成(株)製]
(1)表面固有抵抗値(単位:Ω)
ASTM D257に準拠し、試験片(100×100×2mm)について、超絶縁計「DSM−8103」[東亜ディーケーケー(株)製]を用いて23℃、湿度50%RHの雰囲気下で測定した。
(2)水洗後の表面固有抵抗値(単位:Ω)
ななめに立てかけた試験片(100×100×2mm)を、23℃、流量100ml/分のイオン交換水100mlの流水で水洗し、その後循風乾燥機(80℃)で3時間乾燥させた。この水洗・乾燥の操作を10回繰り返し、得られた試験片について、(1)と同様の条件で測定した。
(3)アイゾット衝撃強度(単位:J/m)
ASTM D256 Method A(ノッチ付き、3.2mm厚)に準拠して測定した。
Claims (9)
- ブロックポリマー(A)及び/又は親水性ポリマー(B)と、フッ素含有界面活性剤(C)を含有してなる帯電防止剤(Z)であって、(A)が疎水性ポリマー(D)のブロックと親水性ポリマー(B)のブロックとを構成単位とするブロックポリマーである帯電防止剤(Z)。
- (A)が下記の(A1)及び/又は(A2)である請求項1記載の帯電防止剤(Z)。
(A1):ポリアミドと、ビスフェノール化合物のアルキレンオキシド付加物(数平均分子量300〜5,000)及び/又はポリアルキレングリコールからなるポリエーテルとから誘導されるポリエーテルエステルアミド
(A2):ポリオレフィンのブロックと、ポリエーテルのブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合及びウレタン結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し結合した構造を有するブロックポリマー - (B)が、ポリエーテル(B1)である請求項1又は2記載の帯電防止剤(Z)。
- (C)が、カチオン性界面活性剤である請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止剤(Z)。
- (A)と(B)の合計重量と(C)の重量比{[(A)+(B)]/(C)}が、99.9/0.1〜90/10である請求項1〜4のいずれかに記載の帯電防止剤(Z)。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の帯電防止剤(Z)を熱可塑性樹脂(E)に含有させてなる帯電防止性樹脂組成物。
- 更に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩、4級アンモニウム塩、界面活性剤及びイオン性液体からなる群から選ばれる少なくとも1種の帯電防止性向上剤(F)を含有させてなる請求項6記載の帯電防止性樹脂組成物。
- 請求項6又は7記載の帯電防止性樹脂組成物を成形してなる成形品。
- 請求項8記載の成形品に塗装及び/又は印刷を施してなる成形物品。
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