JP2014185399A - ポリオレフィン樹脂用染色性向上剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリオレフィン、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)および1個の重合性不飽和基を有する有機スルホン酸(塩)を構成単位とする共重合体を含有してなるポリオレフィン樹脂用染色性向上剤;並びに、さらに、構成単位に脂肪族不飽和炭化水素を加えてなるポリオレフィン樹脂用染色性向上剤。
【選択図】 なし
Description
従来、ポリオレフィン樹脂に染色性を持たせる方法としては、例えばポリオレフィン樹脂を染色性良好な極性基含有化合物で表面処理する方法(例えば特許文献1参照)、ポリオレフィン樹脂に予め顔料を分散させる方法(例えば特許文献2参照)等が知られている。
(1)該染色性向上剤は、本来の機械的強度を損なうことなくポリオレフィン樹脂に優れたカチオン染料染色性を付与する。
(2)該成形品は、機械的強度および染色性に優れる。
本発明におけるポリオレフィン(A)には、オレフィンの1種または2種以上の(共)重合体、並びにオレフィンの1種または2種以上と他の単量体の1種または2種以上との共重合体が含まれる。
上記オレフィンには、炭素数(以下、Cと略記)2〜30のアルケン、例えばエチレン、プロピレン、1−および2−ブテン、およびイソブテン、並びにC5〜30のα−オレフィン(1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン等);他の単量体には、オレフィンとの共重合性を有するC4〜30の不飽和単量体、例えば、酢酸ビニルが含まれる。
これらのうち、後述する不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)、1個の重合性不飽和基を有する有機スルホン酸(塩)(C)および脂肪族不飽和炭化水素(E)との共重合性の観点から好ましいのはポリエチレン、プロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、プロピレン/C4〜30の不飽和単量体共重合体、さらに好ましいのはエチレン/プロピレン共重合体、プロピレン/C4〜30の不飽和単量体共重合体である。
装置 :高温ゲルパーミエイションクロマトグラフ[「Alliance
GPC V2000」、Waters(株)製]
検出装置 :屈折率検出器
溶媒 :オルトジクロロベンゼン
基準物質 :ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED−B 2本直列
[ポリマーラボラトリーズ(株)製]
カラム温度 :135℃
(A)の炭素1,000個(炭素数1,000個ともいう)当たりの該分子末端および/またはポリマー鎖中の二重結合数は、(A)と、(B)および(C)、もしくは(B)、(C)および(E)との共重合性および(K)の生産性の観点から好ましくは0.1〜20個、さらに好ましくは0.3〜18個、とくに好ましくは0.5〜15個である。
ここにおいて該二重結合数は、(A)の1H−NMR(核磁気共鳴)分光法のスペクトルから求めることができる。すなわち、該スペクトル中のピークを帰属し、(A)の4.5〜6.0ppmにおける二重結合由来の積分値および(A)由来の積分値から、(A)の二重結合数と(A)の炭素数の相対値を求め、(A)の炭素1,000個当たりの該分子末端および/またはポリマー鎖中の二重結合数を算出する。後述の実施例における二重結合数は該方法に従った。
これらの(1)、(2)のうち得られる(A)と、(B)および(C)、もしくは(B)、(C)および(E)との共重合性の観点から好ましいのは、分子末端および/またはポリマー鎖中の二重結合数のより多いものが得やすい(1)の方法である。
本発明における不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)は、重合性不飽和基を1個有するC3〜30の(ポリ)カルボン酸(無水物)である。なお、本発明において不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)は、不飽和モノカルボン酸、不飽和ポリカルボン酸および/または不飽和ポリカルボン酸無水物を意味する。
該(B)のうち、不飽和モノカルボン酸としては、脂肪族(C3〜24、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸)、脂環含有(C6〜24、例えばシクロヘキセンカルボン酸)等;不飽和ポリ(2〜3またはそれ以上)カルボン酸(無水物)としては、不飽和ジカルボン酸(無水物)[脂肪族ジカルボン酸(無水物)(C4〜24、例えばマレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、およびこれらの無水物)、脂環含有ジカルボン酸(無水物)(C8〜24、例えばシクロへキセンジカルボン酸、シクロヘプテンジカルボン酸、ビシクロヘプテンジカルボン酸、メチルテトラヒドロフタル酸、およびこれらの無水物)等]、不飽和トリカルボン酸(無水物)[脂肪族トリカルボン酸(無水物)(C5〜24、例えばアコニット酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン酸、4−ペンテン−1,2,4−トリカルボン酸、およびこれらの無水物)、脂環含有トリカルボン酸(無水物)(C9〜24、例えば4−シクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、4−シクロヘプテン−1,2,3−トリカルボン酸およびこれらの無水物)等]等が挙げられる。上記(B)は1種単独でも、2種以上併用してもいずれでもよい。
上記(B)のうち後述する1個の重合性不飽和基を有する有機スルホン酸(塩)(C)、および脂肪族不飽和炭化水素(E)との、共重合性の観点から好ましいのは不飽和ジカルボン酸(無水物)、さらに好ましいのは脂肪族不飽和ジカルボン酸(無水物)、とくに好ましいのは脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物、最も好ましいのは無水マレイン酸である。
本発明における1個の重合性不飽和基を有する有機スルホン酸(塩)(C)は、重合性不飽和基を有するC2〜36(好ましくはC2〜24)の有機スルホン酸(塩)である。 該(C)としては、脂肪族不飽和スルホン酸(C2〜30、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、テトラデセンスルホン酸、アルキル(C1〜23)アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、芳香族不飽和スルホン酸(C8〜24、例えばビニルベンゼンスルホン酸、ドデセンベンゼンスルホン酸)およびそれらの塩(例えばビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルベンゼンスルホン酸カリウム、アリルスルホン酸ピリジニウム、アリルスルホン酸トリメチルアンモニウム、メタリルスルホン酸アンモニウム)が挙げられる。(C)は1種単独でも、2種以上併用してもいずれでもよい。なお、本発明においてスルホン酸(塩)はスルホン酸および/またはスルホン酸塩を意味する。
上記(C)のうち前記(A)、(B)および後述する脂肪族不飽和炭化水素(E)との共重合性の観点から好ましいのは脂肪族不飽和スルホン酸およびその塩、さらに好ましいのは脂肪族不飽和スルホン酸塩、とくに好ましいのはアリルスルホン酸トリメチルアンモニウムおよびメタリルスルホン酸アンモニウムである。
本発明における脂肪族不飽和炭化水素(E)には、前記(A)を構成するC2〜30のアルケン、C6〜36(さらに好ましくはC8〜30)の、直鎖α−オレフィンおよび分岐鎖を有するα−オレフィンの他、オレフィンとの共重合性を有するC4〜30のその他の不飽和単量体(酢酸ビニル、ブタジエン等)が含まれる。
上記直鎖α−オレフィンとしては、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
また、分岐鎖を有するα−オレフィンとしては、プロピレン三量体、プロピレン四量体およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
上記(E)のうち、(A)、(B)および(C)との共重合性、ポリオレフィン樹脂基材の機械的強度および得られる染色性向上剤(K)の染色性付与効果の観点から好ましいのは、C6〜36(さらに好ましくはC8〜30)の、直鎖α−オレフィンおよび分岐鎖を有するα−オレフィンである。
本発明における共重合体(X)は、前記(A)、(B)、(C)、もしくは、(A)、(B)、(C)、(E)をラジカル発生源[ラジカル開始剤(D)、熱、光等]の存在下で共重合させることにより得られる。
(D)としては、例えばアゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等)、過酸化物〔単官能(分子内にパーオキシド基を1個有するもの)(ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド等)および多官能(分子内にパーオキシド基を2個以上有するもの)[2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジアリルパーオキシジカーボネート等]〕等が挙げられる。
これらのうち(A)、(B)、(C)もしくは、(A)、(B)、(C)、(E)のグラフト共重合性の観点、すなわち後述する、(A)を幹、(B)と(C)もしくは(B)と(C)および(E)の共重合体を枝とするグラフト共重合体の形成性の観点から好ましいのは、過酸化物、さらに好ましいのは単官能過酸化物、とくに好ましいのはジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオキシドである。
[共重合体(X)]
本発明における共重合体(X)は、前記ポリオレフィン(A)、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)および1個の重合性不飽和基を有する有機スルホン酸(塩)(C)を構成単位としてなる。
また、(X)は、(B)および(C)の共重合率を高めて染色性向上剤(K)の染色性付与効果をより向上させる観点から、さらに上記構成単位に脂肪族不飽和炭化水素(E)を加え、(A)、(B)、(C)および(E)を構成単位とする共重合体としてもよい。
また、(A)、(B)、(C)および(E)の合計重量に基づく各成分の含有量は、(A)は共重合体(X)を含有してなる染色性向上剤(K)の生産性および成形品の染色性向上の観点から好ましくは20〜85%、さらに好ましくは30〜80%;(B)は成形品の染色性向上および(K)の生産性の観点から好ましくは0.02〜40%、さらに好ましくは0.5〜35%;(C)は成形品の染色性向上および(K)の生産性の観点から好ましくは0.3〜65%、さらに好ましくは1〜50%;(E)は通常70%以下、成形品の機械的強度および染色性向上の観点から好ましくは5〜65%、さらに好ましくは10〜50%である。
[1](A)、(B)、(C)、もしくは(A)、(B)、(C)、および必要により(E)を適当な有機溶媒[C3〜18、例えば炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(ジ−、トリ−、およびテトラクロロエタン、ジクロロブタン等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジ−t−ブチルケトン等)、エーテル(エチル−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル、ジオキサン等)]に懸濁あるいは溶解させ、これに必要により、(D)[もしくは(D)を適当な有機溶媒(上記に同じ)に溶解させた溶液]、後述の連鎖移動剤(t)、重合禁止剤(f)を加えて加熱撹拌する方法(溶液法);
[2](A)、(B)、(C)もしくは(A)、(B)、(C)、および必要により(E)、(t)、(f)を予め混合し、押出機、バンバリーミキサー、ニーダ等を用いて溶融混練する方法(溶融法)。
(t)の使用量は、(A)、(B)、(C)の合計重量、もしくは、(A)、(B)、(C)、(E)の合計重量に基づいて通常30%以下、(A)、(B)、(C)、もしくは(A)、(B)、(C)、(E)の共重合性および(K)の生産性の観点から好ましくは0.1〜20%である。
(f)の使用量は、(A)、(B)、(C)の合計重量、もしくは、(A)、(B)、(C)、(E)の合計重量に基づいて通常5%以下、生産性、(A)、(B)、(C)、(C)の安定性および(A)、(B)、(C)、(E)の反応性の観点から好ましくは0.01〜0.5%である。
該スルホン酸(塩)基含量は、例えば以下の(i)〜(iii)の手順で測定することができる。後述の実施例におけるスルホン酸(塩)含量は該方法に従った。
(i)(X)を3g、加熱溶融後、加圧成形して、膜厚2mm、直径37mmの円形フィルムを作成する。
(ii)前記円形フィルムを蛍光X線分析により硫黄酸化物由来の硫黄含量(単位:ppm)を測定する。
<測定条件>
装置 :全自動波長分散型蛍光X線分析装置
[「Axios」、スペクトリス(株)社製]
X線励起条件:電圧50kV、電流40mA
測定室雰囲気:ヘリウム
(iii)次式により、スルホン酸(塩)含量(単位:モル/kg)を算出する。
[(X)のスルホン酸(塩)基含量]
=[(X)の硫黄酸化物由来の硫黄含量]/32100
ここにおける酸価は、JIS K0070に準じて以下の(i)〜(iii)の手順で測定して得られる値である。
(i)100℃に温度調整したキシレン100gに(X)1gを溶解させる。
(ii)同温度でフェノールフタレインを指示薬として、0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液[商品名「0.1mol/Lエタノール性水酸化カリウム溶液」、和光純薬(株)製]で滴定を行う。
(iii)滴定に要した水酸化カリウム量をmgに換算して酸価(単位:mgKOH/g)を算出する。
なお、上記測定ではスルホン酸基、カルボキシル基および酸無水物基は等価になる結果が得られる。後述の実施例における酸価は該方法に従った。
(1)適当な有機溶媒に懸濁もしくは溶解させ、加熱撹拌の条件下で、(A)、(B)および(C)の構成単位を共重合させる方法。
(2)(A)、(B)および(C)に、さらに(E)を加えた構成単位を(1)と同様に共重合させる方法。
上記方法は、具体的には、(A)、(B)および(C)、または(A)、(B)、(C)および(E)を適当な有機溶媒[C3〜18、例えば炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(ジ−、トリ−およびテトラクロロエタン、ジクロロブタン等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジ−t−ブチルケトン等)、エーテル(エチル−n−プロピルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル、ジオキサン等)等]に懸濁もしくは溶解させ、これに必要により、(D)[もしくは(D)を適当な有機溶媒(上記に同じ)に溶解させた溶液]、前記の連鎖移動剤(t)、重合禁止剤(f)を加えて加熱撹拌して行うことができる。
上記(1)、(2)のうち(2)は、(E)を構成単位に加えることにより(B)の共重合率のコントロールが容易となるとともに、ポリオレフィン樹脂(F)との相溶性を高めることから好ましい方法である。
[1](A)を幹、(B)と(C)もしくは(B)、(C)および(E)の共重合体を枝とするグラフト共重合体。
[2](A)、(B)および(C)、もしくは(A)、(B)、(C)および(E)のランダムおよび/またはブロック共重合体。
上記[1]の形態は、(D)、好ましくは過酸化物の存在下、(A)、(B)および(C)もしくは(A)、(B)、(C)および(E)を加熱溶融、もしくは適当な有機溶媒に懸濁もしくは溶解させ、さらに必要により前記の連鎖移動剤(t)、重合禁止剤(f)を加えて加熱撹拌することにより形成させることができる。
上記[2]の形態は、(D)、好ましくはアゾ化合物存在下、(A)、(B)および(C)、もしくは(A)、(B)、(C)および(E)を加熱溶融、もしくは適当な有機溶媒に懸濁もしくは溶解させ、さらに必要により後述の連鎖移動剤(t)、重合禁止剤(f)を加えて加熱撹拌することにより形成させることができる。
[1]、[2]の形態のうち[1]の形態が、後述する成形品に染色性を付与する観点から好ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂用染色性向上剤(K)は、前記ポリオレフィン(A)、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)および1個の重合性不飽和基を有する有機スルホン酸(塩)(C)を構成単位とする共重合体(X)を含有してなる。
本発明の染色性向上剤(K)は、後述するポリオレフィン樹脂(F)用の染色性向上剤として用いられる。
本発明の可染性ポリオレフィン樹脂組成物は、前記染色性向上剤(K)とポリオレフィン樹脂(F)を含有してなる。
(F)には、前記(A)の製造方法として例示した重合法、または高分子量ポリオレフィン(好ましくはMn80,000〜400,000)の減成(熱的、化学的および機械的減成)法で得られるものが含まれ、例えば、前記例示のエチレン単位含有(プロピレン単位非含有)(共)重合体、プロピレン単位含有(エチレン単位非含有)(共)重合体、エチレン/プロピレン共重合体およびC4以上のオレフィンの(共)重合体等が含まれる。
(G)としては、着色剤(G1)、難燃剤(G2)、充填剤(G3)、滑剤(G4)、帯電防止剤(G5)、分散剤(G6)、酸化防止剤(G7)および紫外線吸収剤(G8)からなる群から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
顔料としては、無機顔料(アルミナホワイト、グラファイト等);有機顔料(アゾレーキ系等)が挙げられる。
染料としては、アゾ系、アントラキノン系等が挙げられる。
(1)非イオン性界面活性剤
アルキレンオキシド(以下AOと略記)付加型ノニオニックス、例えば疎水性基(C8〜24またはそれ以上)を有する活性水素原子含有化合物[飽和および不飽和の、高級アルコール(C8〜18)、高級脂肪族アミン(C8〜24)および高級脂肪酸(C8〜24)等]の(ポリ)オキシアルキレン誘導体(AO付加物およびポリアルキレングリコールの高級脂肪酸モノ−およびジ−エステル);多価アルコール(C3〜60)の高級脂肪酸(C8〜24)エステルの(ポリ)オキシアルキレン誘導体(ツイーン型ノニオニックス等);高級脂肪酸(上記)の(アルカノール)アミドの(ポリ)オキシアルキレン誘導体;多価アルコール(上記)アルキル(C3〜60)エーテルの(ポリ)オキシアルキレン誘導体;およびポリオキシプロピレンポリオール[多価アルコールおよびポリアミン(C2〜10)のポリオキシプロピレン誘導体(プルロニック型およびテトロニック型ノニオニックス)];多価アルコール(上記)型ノニオニックス(例えば多価アルコールの脂肪酸エステル、多価アルコールアルキル(C3〜60)エーテル、および脂肪酸アルカノールアミド);並びに、アミンオキシド型ノニオニックス[例えば(ヒドロキシ)アルキル(C10〜18)ジ(ヒドロキシ)アルキル(C1〜3)アミンオキシド]。
第4級アンモニウム塩型カチオニックス[テトラアルキルアンモニウム塩(C11〜100)アルキル(C8〜18)トリメチルアンモニウム塩およびジアルキル(C8〜18)ジメチルアンモニウム塩等];トリアルキルベンジルアンモニウム塩(C17〜80)(ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩等);アルキル(C8〜60)ピリジニウム塩(セチルピリジニウム塩等);(ポリ)オキシアルキレン(C2〜4)トリアルキルアンモニウム塩(C12〜100)(ポリオキシエチレンラウリルジメチルアンモニウム塩等);およびアシル(C8〜18)アミノアルキル(C2〜4)もしくはアシル(C8〜18)オキシアルキル(C2〜4)トリ[(ヒドロキシ)アルキル(C1〜4)]アンモニウム塩(サパミン型4級アンモニウム塩)[これらの塩には、例えばハライド(クロライド、ブロマイド等)、アルキルサルフェート(メトサルフェート等)および有機酸(下記)の塩が含まれる];並びにアミン塩型カチオニックス:1〜3級アミン〔例えば高級脂肪族アミン(C12〜60)、脂肪族アミン(メチルアミン、ジエチルアミン等)のポリオキシアルキレン誘導体[エチレンオキシド(以下EOと略記)付加物等]、およびアシルアミノアルキルもしくはアシルオキシアルキル(上記)ジ(ヒドロキシ)アルキル(上記)アミン(ステアロイロキシエチルジヒドロキシエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン等)〕の、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸等)塩および有機酸(C2〜22)塩。
高級脂肪酸(上記)塩(ラウリル酸ナトリウム等)、エーテルカルボン酸[EO(1〜10モル)付加物のカルボキシメチル化物等]、およびそれらの塩;硫酸エステル塩(アルキルおよびアルキルエーテルサルフェート等)、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステルおよび硫酸化オレフィン;スルホン酸塩[アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジアルキルエステル型、α−オレフィン(C12〜18)スルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン(イゲポンT型等)等];並びにリン酸エステル塩等(アルキル、アルキルエーテルおよびアルキルフェニルエーテルホスフェート等)。
カルボン酸(塩)型アンフォテリックス[アミノ酸型アンフォテリックス(ラウリルアミノプロピオン酸(塩)等)、およびベタイン型アンフォテリックス(アルキルジメチルベタイン、アルキルジヒドロキシエチルベタイン等)等];硫酸エステル(塩)型アンフォテリックス[ラウリルアミンの硫酸エステル(塩)、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステル(塩)等];スルホン酸(塩)型アンフォテリックス[ペンタデシルスルホタウリン、イミダゾリンスルホン酸(塩)等];並びにリン酸エステル(塩)型アンフォテリックス等[グリセリンラウリル酸エステルのリン酸エステル(塩)等]。
該組成物の全重量に基づく各添加剤の使用量は、(G1)は通常5%以下、好ましくは0.1〜3%;(G2)は通常8%以下、好ましくは1〜3%;(G3)は通常5%以下、好ましくは0.1〜1%;(G4)は通常8%以下、好ましくは1〜5%;(G5)は通常8%以下、好ましくは1〜3%;(G6)は通常1%以下、好ましくは0.1〜0.5%;(G7)は通常2%以下、好ましくは0.05〜0.5%;(G8)は通常2%以下、好ましくは0.05〜0.5%である。
(1)前記(F)、(K)および必要により(G)を一括混合して可染性ポリオレフィン樹脂組成物とする方法(一括法);
(2)(F)の一部、(K)の全量、および必要により(G)の一部もしくは全量を混合して高濃度の(K)を含有するマスターバッチポリオレフィン樹脂組成物を一旦作成し、その後残りの(F)および必要により(G)の残りを加えて混合して可染性ポリオレフィン樹脂組成物とする方法(マスターバッチ法)が含まれる。
(K)の混合効率の観点から好ましいのは(2)の方法である。
(i)混合する各成分を、例えば粉体混合機〔「ヘンシェルミキサー」[商品名「ヘンシェルミキサーFM150L/B」、三井鉱山(株)、社名変更後は日本コークス工業(株)製]、「ナウターミキサー」[商品名「ナウターミキサーDBX3000RX」、ホソカワミクロン(株)製]、「バンバリーミキサー」[商品名「MIXTRON BB−16MIXER」、(株)神戸製鋼所製]等〕で混合した後、溶融混練装置[バッチ混練機、連続混練機(単軸混練機、二軸混練機等)等]を使用して通常120〜220℃で2〜30分間混練する方法;
(ii)混合する各成分をあらかじめ粉体混合することなく、上記と同様の溶融混練装置を使用して同様の条件で直接混練する方法が挙げられる。
これらの方法のうち混合効率の観点から(i)の方法が好ましい。
そのためこれら極性の異なるプラスチック同士の密着(一方が基材で他方が塗料である場合等)においては、本発明の染色性向上剤(K)、または該(K)を含有する可染性ポリオレフィン樹脂組成物は、プラスチック成形品等のプライマー用としても適用することができる。
本発明の成形品は、前記可染性ポリオレフィン樹脂組成物、または該組成物にカチオン染料を加えてなる樹脂組成物を成形してなる。
成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法、インフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形あるいは発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形できる。成形品の形態としては、板状、シート状、フィルム、繊維(不織布等も含む)等が挙げられる。
本発明の成形品は、前記スルホン酸(塩)基、カルボキシル基等を有する染色性向上剤(K)を含有することから、染色性に優れるとともに、後述のように極性の比較的高い塗料、インキ等との親和性にも優れる。
該成形品を塗装する方法としては、例えばエアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、例えば、ポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料等のプラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が挙げられ、これらのいわゆる極性の比較的高い塗料でも、また極性の低い塗料(オレフィン系等)でも使用することができる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常10〜50μmである。
印刷インキとしてはプラスチックの印刷に通常用いられるもの、例えばグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキおよびオフセットインキが使用できる。
本発明におけるカチオン染料による染色は、可染性ポリオレフィン樹脂組成物および/または成形品のうちいずれに施してもよい。
本発明において染色を施す方法には、(1)可染性ポリオレフィン樹脂組成物に染色を施す方法(溶融混練による該樹脂組成物の製造時にカチオン染料を添加する方法等)、(2)成形品に染色を施す方法(カチオン染料溶液に成形品を浸積する方法等)が含まれる。上記(1)の方法で得られる樹脂組成物はさらに成形することにより染色された成形品とすることができ、得られた成形品を上記(2)の方法でさらに染色を施すことも可能である。
カチオン染料としては種々のもの、例えば「CATHILON BLUE CD−FRLH」[保土ヶ谷化学(株)製]、「Aizen CATHILON Black BL−DP」[保土ヶ谷化学(株)製]が挙げられる。
前記(2)の方法におけるカチオン染料溶液は、水を溶媒とし、0.1〜5重量%の染料濃度にするのが好ましく、また、成形品を浸漬する際のカチオン染料溶液の温度は80〜100℃にするのが好ましい。
製造例1
反応容器に、プロピレン98モル%およびエチレン2モル%を構成単位とするポリオレフィン(A0−1)[商品名「サンアロマーPZA20A」、サンアロマー(株)製、Mn100,000、炭素1,000個当たりの分子末端および/またはポリマー鎖中の二重結合数0個、以下同じ。]100部を窒素雰囲気下に仕込み、気相部分に窒素を通気しながらマントルヒーターにて加熱溶融し、撹拌しながら360℃で70分間熱減成を行い、ポリオレフィン(A−1)を得た。(A−1)は、炭素1,000個当たりの分子末端および/またはポリマー鎖中の二重結合数は7.2個、Mnは3,000であった。
製造例1において、熱減成時間を70分間から100分間に変えたこと以外は製造例1と同様に行い、ポリオレフィン(A−2)を得た。(A−2)は、炭素1,000個当たりの分子末端および/またはポリマー鎖中の二重結合数は18個、Mnは1,200であった。
製造例1において、熱減成時間を70分間から20分間に変えたこと以外は製造例1と同様に行い、ポリオレフィン(A−3)を得た。(A−3)は、炭素1,000個当たりの分子末端および/またはポリマー鎖中の二重結合数は0.3個、Mnは45,000であった。
製造例1において、ポリオレフィン(A0−1)100部に代えて、プロピレン80モル%、1−ブテン20モル%を構成単位とするポリオレフィン(A0−2)[商品名「タフマーXM−5080」、三井化学(株)製、Mn90,000、以下同じ。]100部を用いたこと以外は製造例1と同様に行い、ポリオレフィン(A−4)を得た。(A−4)は、炭素1,000個当たりの分子末端および/またはポリマー鎖中二重結合数は7.2個、Mnは3,000であった。
製造例1において、熱減成時間を70分間から120分間に変えたこと以外は製造例1と同様に行い、ポリオレフィン(A−5)を得た。(A−5)は、炭素1,000個当たりの分子末端および/またはポリマー鎖中の二重結合数は36個、Mnは600であった。
製造例1において、熱減成時間を70分間から10分間に変えたこと以外は製造例1と同様に行い、ポリオレフィン(A−6)を得た。(A−6)は、炭素1,000個当たりの分子末端および/またはポリマー鎖中の二重結合数は0.05個、Mnは65,000であった。
実施例1
反応容器に(A−1)100部、無水マレイン酸24部、アリルスルホン酸トリメチルアンモニウム(C−1)20部、1−デセン(E−1)18.5部、およびキシレン100部を仕込み、窒素置換後、窒素通気下に130℃まで加熱昇温して均一に溶解させた。ここにジクミルパーオキシド[商品名「パークミルD」、日油(株)製](D−1)0.5部をキシレン10部に溶解させた溶液を10分間で滴下した後、キシレン還流下3時間撹拌を続けた。その後、減圧下(1.5kPa、以下同じ。)でキシレンおよび未反応の無水マレイン酸を留去して、共重合体(X−1)を含有してなるポリオレフィン樹脂用染色性向上剤(K−1)を得た。(X−1)は、スルホン酸(塩)基含量は0.68、酸価は84、Mnは5,000であった。
実施例1において、表1、2に従って、各使用原料を用いた以外は、実施例1と同様に行い、ポリオレフィン樹脂用染色性向上剤(K−2)〜(K−14)、(RK−1)〜(RK−4)を得た。結果を表1、2に示す。
実施例15〜31、比較例5〜14
前記得られた染色性向上剤(K−1)〜(K−14)、(RK−1)〜(RK−4)、市販の低分子量改質剤(RK−5)[脂肪族エステル系非イオン界面活性剤、商品名「ケミスタット1100」、三洋化成工業(株)製]、前記ポリオレフィン(A−1)、市販のポリプロピレン(F−1)[商品名「サンアロマーPL500A」、サンアロマー(株)製]、市販のポリエチレン(F−2)[商品名「ノバテックHJ490」、日本ポリエチレン(株)製、Mn300,000]および市販のエチレン/プロピレン共重合体(F−3)[商品名「サンアロマーPB222A」、サンアロマー(株)製、Mn350,000]を、表3の配合組成(部)に従って、それぞれヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物を得た。
各樹脂組成物について射出成形機[商品名「PS40E5ASE」、日精樹脂工業(株)]を用い、シリンダー温度240℃、金型温度60℃で成形して所定の試験片を作成後、後述の評価方法1、2に従って評価した。
また、ポリオレフィン樹脂組成物を用いて後述する不織布製造方法で得られたポリオレフィン樹脂不織布を後述のカチオン染色方法で染色した後、後述の評価方法3に従って評価した。結果を表3に示す。
各ポリオレフィン樹脂組成物を230℃で溶融し、230℃に温度調整された紡糸ノズルから吐出させて溶融紡糸し、これを冷却装置より35℃、65%R.H.の冷却風を吹き当てて冷却し、糸条牽引エアージェット装置にて4,500m/分の紡糸速度で牽引細化、延伸し、引き続き吸引装置を用いて排出された糸条群を開繊して移動堆積装置上に塊状の繊維を得た。次いで該塊状の繊維に、150℃に加熱されたエンボス装置を用いて部分的に熱圧着を施すことにより繊維径2.5dtex、目付け量40g/m2のポリオレフィン樹脂不織布を得た。
各ポリオレフィン樹脂不織布をカチオン染料[商品名「CATHILON BLUE CD−FRLH」、保土ヶ谷化学(株)製]0.2g/L、硫酸ナトリウム3g/L、酢酸0.3g/Lの染色水溶液中にて100℃で1時間で染色を行い、該不織布を水洗した後、50℃に調整した循風恒温器[商品名「DN410H」、ヤマト科学(株)製]中に1日静置し、乾燥した。
1.耐衝撃性(単位:J/m)
アイゾット衝撃値をASTM D256に準拠して測定した。
2.引張弾性率(単位:MPa)(柔軟性評価)
JIS K7161に準拠して測定した。
上記でカチオン染色を行った各不織布と比較して目視による色合い(色の濃さ)評価を行い、以下の基準で評価した。なお、アクリル生地(ポリアクリロニトリルを主成分とする繊維からなる織物)を各不織布と同様の条件で染色し標準サンプルとした。
◎:標準サンプルより色合いが濃い
○:標準サンプルと色合いが同程度
△:標準サンプルより色合いがやや薄い
×:染色性が認められない
40℃での染色堅牢度をJIS L0844に規定されているB−1号に準拠し、不織布を水洗、脱水、乾燥した不織布の変退色と、不織布に添付した白布への液汚染の程度について、それぞれ変退色用グレースケール、汚染用グレースケールを基準に級数判定をそれぞれ行った。
(i)変退色
◎:(5級)
○:(4級以上5級未満)
△:(4級)
×:(4級未満)
(ii)液汚染
◎:(4級超)
○:(4級)
△:(3級)
×:(3級未満)
Claims (13)
- ポリオレフィン(A)、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)および1個の重合性不飽和基を有する有機スルホン酸(塩)(C)を構成単位とする共重合体(X)を含有してなるポリオレフィン樹脂用染色性向上剤(K)。
- さらに、構成単位に脂肪族不飽和炭化水素(E)を加えてなる請求項1記載の染色性向上剤。
- (X)のスルホン酸(塩)基含量が、0.01〜6モル/kgである請求項1または2記載の染色性向上剤。
- (X)が、(A)を幹、(B)および(C)、もしくは(B)、(C)および(E)の共重合体を枝とするグラフト共重合体である請求項1〜3のいずれか記載の染色性向上剤。
- ラジカル開始剤(D)の存在下で、(A)、(B)および(C)、もしくは、(A)、(B)、(C)および(E)を共重合させてなる請求項1〜4のいずれか記載の染色性向上剤。
- (A)が、炭素数1,000個当たり0.1〜20個の二重結合を有する請求項1〜5のいずれか記載の染色性向上剤。
- (A)、(B)および(C)の合計重量に基づく含有量が、(A)が30〜98%、(B)が0.03〜50%、(C)が0.6〜65%である請求項1〜6のいずれか記載の染色性向上剤。
- (A)、(B)、(C)および(E)の合計重量に基づく(E)の含有量が、5〜65%である請求項2〜7のいずれか記載の染色性向上剤。
- 請求項1〜8のいずれか記載の染色性向上剤(K)およびポリオレフィン樹脂(F)を含有してなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物。
- (K)と(F)の重量比が、0.1/99.9〜50/50である請求項9記載の組成物。
- 請求項9または10記載の組成物を成形してなる成形品。
- さらに、請求項11記載の成形品をカチオン染料で染色してなる成形品。
- 請求項11または12の成形品にさらに塗装および/または印刷を施してなる成形物品。
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