JP2015098579A - 変性ポリオレフィンの製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)のポリオレフィンへのグラフト化率が高く、遊離の不飽和カルボン酸量の少ない変性ポリオレフィンの製造法を提供する。【解決手段】 ポリオレフィン(A0)を熱減成して得られる炭素数1,000個当たり0.10〜20個の二重結合を有するポリオレフィン(A)と、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)とをラジカル開始剤(C)の存在下で反応させる変性ポリオレフィン(X)の製造法において、下記の式(1)および(2)を満足することを特徴とする製造法。0<rA?rB<1 (1)0<rB<1.5 (2)【選択図】なし

Description

本発明は変性ポリレフィンの製造法に関する。さらに詳しくは、ポリオレフィンおよび不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)をラジカル開始剤の存在下で反応させる変性ポリオレフィンの製造法に関する。
変性ポリオレフィンは、樹脂の表面改質剤、分散剤および相溶化剤などとして幅広く用いられており、その製造方法としては、オレフィンモノマーの重合により得られる低分子量ポリレフィンまたはオレフィンモノマーの重合により得られる高分子量ポリオレフィンを熱減成して得られる低分子量ポリオレフィンに、ラジカル開始剤の存在下、不飽和カルボン酸をグラフト重合させる方法(例えば、特許文献1参照)、高分子量ポリオレフィンにラジカル開始剤の存在下、不飽和カルボン酸を加え、高分子量ポリオレフィンの熱減成と不飽和カルボン酸のポリオレフィンへのグラフト重合を同時に行わせる方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。
特開2005−194507号公報 特開平6−287401号公報
しかしながら、上記の変性ポリオレフィンの製造法は、ポリオレフィン鎖中のラジカル開始剤での水素引き抜き反応による不飽和カルボン酸のグラフト重合であるが、不飽和カルボン酸のグラフト量に限界があり、ポリオレフィンにグラフトしない遊離の不飽和カルボン酸が多量に残存するため、得られる変性ポリオレフィンの臭気や前記の改質剤等の効果が期待できないという問題がある。また、遊離の不飽和カルボン酸が多量に含まれることで、該変性ポリオレフィンを含有するポリオレフィン樹脂組成物からなる成形品等の機械物性が低下するという問題もあり改善が切望されていた。
本発明の目的は、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)のポリオレフィンへのグラフト化率が高く、遊離の不飽和カルボン酸量の少ない変性ポリオレフィンの製造法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、ポリオレフィン(A0)を熱減成して得られる炭素数1,000個当たり0.10〜20個の二重結合を有するポリオレフィン(A)と、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)とをラジカル開始剤(C)の存在下で反応させる変性ポリオレフィン(X)の製造法において、下記の式(1)および(2)を満足することを特徴とする製造法である。

0<rA×rB<1 (1)

0<rB<1.5 (2)

[式(1)、(2)中、rAはrA=kAA/kABで定義される(A)の反応性比、rBはrB=kBB/kBAで定義される(B)の反応性比;kAAは(A)が成長末端活性点である場合に(A)が付加する時の成長反応速度定数、kABは(A)が成長末端活性点である場合に(B)が付加する時の成長反応速度定数、kBBは(B)が成長末端活性点である場合に(B)が付加する時の成長反応速度定数、kBAは(B)が成長末端活性点である場合に(A)が付加する時の成長反応速度定数を示す。]
本発明の変性ポリオレフィンの製造法、該製造法で製造される変性ポリオレフィンを含有してなる改質剤、該改質剤を含有してなるポリオレフィン樹脂組成物、該樹脂組成物を成形してなる成形品は以下の効果を奏する。
(1)該製造法で製造される変性ポリオレフィンは、ポリオレフィンと不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)の共重合率が高い。
(2)該変性ポリオレフィンを含有してなる樹脂改質剤は、ポリオレフィン樹脂に無機フィラーの優れた分散性を付与する。
(3)該樹脂組成物を含有してなる成形品は、機械的強度(耐衝撃性、曲げ弾性等)および熱的特性に優れる。
[ポリオレフィン(A0)]
本発明におけるポリオレフィン(A0)には、オレフィンの1種または2種以上の(共)重合体、並びにオレフィンの1種または2種以上と他の単量体の1種または2種以上との共重合体が含まれる。
上記オレフィンには、炭素数(以下、Cと略記)2〜30のアルケン、例えばエチレン、プロピレン、1−および2−ブテン、およびイソブテン、並びにC5〜30のα−オレフィン(1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン等);他の単量体には、オレフィンとの共重合性を有するC4〜30の不飽和単量体、例えば、酢酸ビニルが含まれる。
(A0)の具体例には、エチレン単位含有(プロピレン単位非含有)(共)重合体、例えば高、中および低密度ポリエチレン、およびエチレンとC4〜30の不飽和単量体[ブテン(1−ブテン等)、C5〜30のα−オレフィン(1−ヘキセン、1−ドデセン等)、酢酸ビニル等]との共重合体(重量比はポリオレフィン樹脂組成物の成形性および(A)の分子末端および/または分子鎖中の二重結合量の観点から好ましくは30/70〜99/1、さらに好ましくは50/50〜95/5)等;プロピレン単位含有(エチレン単位非含有)(共)重合体、例えばポリプロピレン、プロピレンとC4〜30の不飽和単量体(前記に同じ)との共重合体(重量比は前記に同じ);エチレン/プロピレン共重合体(重量比はポリオレフィン樹脂組成物の成形性および(A)の分子末端および/または分子鎖中の二重結合量の観点から、好ましくは0.5/99.5〜30/70、さらに好ましくは2/98〜20/80);C4以上のオレフィンの(共)重合体、例えばポリブテンが含まれる。
これらのうち、後述のポリオレフィン(A)および後述する不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)との重合性の観点から好ましいのはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、プロピレン/C4〜30の不飽和単量体共重合体、さらに好ましいのはエチレン/プロピレン共重合体、プロピレン/C4〜30の不飽和単量体共重合体である。
(A0)の数平均分子量[以下、Mnと略記。測定は後述するゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。以下同じ。]は、後述するポリオレフィン(A)の炭素1,000個当たりの該分子末端および/または分子鎖中の二重結合数および後述するポリオレフィン(A)の生産性の観点から好ましくは30,000〜400,000、さらに好ましくは50,000〜200,000である。
本発明におけるGPCによるMnの測定条件は以下のとおりである。
装置 :高温ゲルパーミエイションクロマトグラフ
[「Alliance GPC V2000」、
Waters(株)製]
検出装置 :屈折率検出器
溶媒 :オルトジクロロベンゼン
基準物質 :ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED−B 2本直列
[ポリマーラボラトリーズ(株)製]
カラム温度 :135℃
[ポリオレフィン(A)]
本発明におけるポリオレフィン(A)は、前記ポリオレフィン(A0)を熱的減成法(以下において熱減成法ということがあり、例えば特公昭43−9368号公報、特公昭44−29742号公報、特公平6−70094号公報に記載の製造方法)により熱減成して得られる。
また、(A)は、後述の不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)との共重合性の観点から分子末端および/または分子鎖中に二重結合を有する。
(A)の炭素1,000個(炭素数1,000個ともいう)当たりの該分子末端および/または分子鎖中の二重結合数は、0.10〜20個、好ましくは0.30〜18個、さらに好ましくは0.50〜15個である。該二重結合数が0.10個未満であると、後述の(B)との共重合性が劣り、20個を超えると後述の変性ポリオレフィン(X)の生産性が劣る。
ここにおいて、該二重結合数は、(A)の1H−NMR(核磁気共鳴)分光法のスペクトルから求めることができる。すなわち、該スペクトル中のピークを帰属し、(A)の4.5〜6ppmにおける二重結合由来の積分値および(A)由来の積分値から、(A)の二重結合数と(A)の炭素数の相対値を求め、(A)の炭素1,000個当たりの該分子末端および/または分子鎖中の二重結合数を算出する。後述の実施例における二重結合数は該方法に従った。
熱減成法には、前記ポリオレフィン(A0)を窒素通気下で、(1)有機過酸化物不存在下、通常300〜450℃で0.5〜10時間、熱減成する方法、および(2)有機過酸化物存在下、通常180〜300℃で0.5〜10時間、熱減成する方法等が含まれる。
これらのうち得られる(A)と(B)との共重合性の観点から好ましいのは、分子末端および/または分子鎖中の二重結合数のより多いものが得やすい(1)の方法である。
(A)のMnは、後述する成形品の機械的強度および後述する樹脂用改質剤(K)の生産性の観点から好ましくは800〜70,000、さらに好ましくは1,000〜60,000である。
[不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)]
本発明における不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)は、重合性不飽和基を1個有するC3〜30の(ポリ)カルボン酸(無水物)である。なお、本発明において不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)は、不飽和モノカルボン酸、不飽和ポリカルボン酸および/または不飽和ポリカルボン酸無水物を意味する。
該(B)のうち、不飽和モノカルボン酸としては、脂肪族(C4〜24、例えばアリルカルボン酸、メタリルカルボン酸、クロトン酸、イソクロトン酸)、脂環含有(C6〜24、例えばシクロヘキセンカルボン酸);不飽和ポリ(2〜3またはそれ以上)カルボン酸(無水物)としては、不飽和ジカルボン酸(無水物)[脂肪族ジカルボン酸(無水物)(C4〜24、例えばマレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、およびこれらの無水物)、脂環含有ジカルボン酸(無水物)(C8〜24、例えばシクロへキセンジカルボン酸、シクロヘプテンジカルボン酸、ビシクロヘプテンジカルボン酸、メチルテトラヒドロフタル酸、およびこれらの無水物)等]等が挙げられる。(B)は1種単独でも、2種以上併用してもいずれでもよい。
上記(B)のうち、後述するエチレン性不飽和モノマー(C)との、後述で定義される共重合性の観点から好ましいのは不飽和ジカルボン酸無水物、さらに好ましいのは無水マレイン酸である。
[ラジカル開始剤(C)]
本発明における変性ポリオレフィン(X)は、前記(A)、(B)をラジカル開始剤(C)の存在下で共重合させることにより得られる。
(C)としては、例えばアゾ化合物[アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等]、過酸化物〔単官能(分子内にパーオキシド基を1個有するもの)(ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド等)および多官能(分子内にパーオキシド基を2個以上有するもの)[2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジアリルパーオキシジカーボネート等]〕等が挙げられる。
これらのうち(A)、(B)の重合性の観点、すなわち後述する、(A)を幹、(B)を枝とするグラフト共重合体の形成性の観点から好ましいのは、過酸化物、さらに好ましいのは単官能過酸化物、とくに好ましいのはジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオキシドである。
(C)の使用量は、反応性および副反応抑制の観点から、(A)、(B)の合計重量に基づいて好ましくは0.05〜10%、さらに好ましくは0.2〜5%、とくに好ましくは0.5〜3%である。
[変性ポリオレフィン(X)の製造法]
本発明の変性ポリオレフィン(X)の製造法は、前記ポリオレフィン(A)と、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)とをラジカル開始剤(C)の存在下で反応させて、該(X)を得るものである。
(X)の具体的な製造方法には、以下の[1]、[2]の方法が含まれる。
[1](A)、(B)を適当な有機溶媒[C3〜18、例えば炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(ジ−、トリ−、およびテトラクロロエタン、ジクロロブタン等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジ−t−ブチルケトン等)、エーテル(エチル−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル、ジオキサン等)]に懸濁あるいは溶解させ、これに(C)[もしくは(C)を適当な有機溶媒(上記に同じ)に溶解させた溶液]、および必要により後述の連鎖移動剤(t)、重合禁止剤(f)を加えて加熱撹拌する方法(溶液法);
[2](A)、(B)、(C)、および必要により(t)、(f)を予め混合し、押出機、バンバリーミキサー、ニーダ等を用いて溶融混練する方法(溶融法)。
溶液法での反応温度は、(A)が有機溶媒に溶解する温度であればよく、(A)、(B)の共重合性および生産性の観点から好ましくは50〜220℃、さらに好ましくは110〜210℃、とくに好ましくは120〜180℃である。
また、溶融法での反応温度は、(A)が溶融する温度であればよく、(A)、(B)の共重合性および反応生成物の分解温度の観点から好ましくは120〜260℃、さらに好ましくは130〜240℃である。
前記連鎖移動剤(t)としては、例えば;アルコール(C1〜24、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−ブタノール、アリルアルコール);チオール(C1〜24、例えばエタンチオール、プロパンチオール、1−および2−ブタンチオール、1−オクタンチオール);アルデヒド(C2〜18、例えば1−および2−ブチルアルデヒド、1−ペンチルアルデヒド);フェノール(C6〜36、例えばフェノール、o−、m−およびp−クレゾール);アミン(C3〜24、例えばジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、ジフェニルアミン);ジスルフィド(C2〜24、例えばジエチルジスルフィド、ジ−1−プロピルジスルフィド)が挙げられる。
(t)の使用量は、(A)、(B)の合計重量に基づいて通常30%以下、(A)、(B)の共重合性および(X)の生産性の観点から好ましくは0.1〜20%である。
前記重合禁止剤(f)としては、カテコール(C6〜36、例えば2−メチル−2−プロピルカテコール)、キノン(C6〜24、例えばp−ベンゾキノン)、ニトロ化合物(C3〜24、例えばニトロベンゼン)、安定化ラジカル[C5〜36、例えば1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシド(TEMPO)]が挙げられる。
(f)の使用量は、(A)、(B)の合計重量に基づいて通常5%以下、生産性(A)、(B)の安定性および(A)、(B)の反応性の観点から好ましくは0.01〜0.5%である。
変性ポリオレフィン(X)のMnは、後述する成形品(以下単に成形品ということがある)の機械的強度および成形性の観点から好ましくは1,500〜120,000、さらに好ましくは2,000〜100,000、とくに好ましくは2,500〜80,000である。
(X)の酸価は、後述の樹脂改質剤(K)の改質効果の観点から、下限は好ましくは5mgKOH/g(以下数値のみを示す)、さらに好ましくは10、とくに好ましくは15、最も好ましくは20であり、(X)と後述するポリオレフィン樹脂(E)との相溶性の観点から、上限は好ましくは100、さらに好ましくは80、とくに好ましくは60、最も好ましくは45である。
ここにおける酸価はJIS K0070に準じて以下の(i)〜(iii)の手順で測定して得られる値である。
(i)100℃に温度調整したキシレン100gに(X)1gを溶解させる。
(ii)同温度でフェノールフタレインを指示薬として、0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液[商品名「0.1mol/Lエタノール性水酸化カリウム溶液」、和光純薬(株)製]で滴定を行う。
(iii)滴定に要した水酸化カリウム量をmgに換算して酸価(単位:mgKOH/g)を算出する。
なお、実施例における酸価は該方法に従った。
本発明の変性ポリオレフィン(X)の製造法は、下記の式(1)および(2)を満足し、好ましくは下記の式(3)および(4)を満足する。
0<rA×rB<1 (1)

0<rB<1.5 (2)

0<rA×rB<0.01 (3)

0<rB<1.0 (4)

式(1)〜(4)中、rAはrA=kAA/kABで定義される(A)の反応性比、rBはrB=kBB/kBAで定義される(B)の反応性比;kmn(m、nはそれぞれAまたはBを表す)は成長反応速度定数であり、kAAは(A)が成長末端活性点である場合に(A)が付加する時の成長反応速度定数、kABは(A)が成長末端活性点である場合に(B)が付加する時の成長反応速度定数、kBBは(B)が成長末端活性点である場合に(B)が付加する時の成長反応速度定数、kBAは(B)が成長末端活性点である場合に(A)が付加する時の成長反応速度定数を示す。
上記kAA、kAB、kBB、kBAは、さらに具体的には次のような反応式で表される。
AA
A *+MA → MA *
AB
A *+MB → MB *
BA
B *+MA → MA *
BB
B *+MB → MB *
ここで、2種類のモノマー(MAとMB) を含む共重合を考えたときに、MA *とMB *は、それぞれ末端モノマー単位としてMAとMBを有する生長ポリマー鎖を表わす。
また、rA、rBの値は、POLYMER HANDBOOK(J.Brandrup、E.H.Immergut、E.A.Grulke)に記載のQ、e値から算出した値である。ここでQ、e値とはモノマーの反応性を性格づけるパラメーターであり、それぞれ共鳴因子(モノマーが付加して生じるラジカルの共鳴安定性)、極性因子(モノマーの二重結合の荷電量)に関係する値である。Q値が大きいほどモノマーの共重合反応性が大きく、e値の差の大きいモノマーの組合せは交互性が大きくなる。具体的には次の式から求めることができる。

A=(QA/QB)×EXP(−eA×(eA−eB))

B=(QB/QA)×EXP(−eB×(eB−eA))

ここで、QA値、QB値、eA値、eB値はモノマー(MAとMB)のそれぞれのQ値、e値を表す。
前記式(1)において、rA×rBが1より小さく0に近いほど、(A)と(B)の交互共重合性は良くなり、1以上では交互共重合性は悪くなる。また、前記式(2)において、rBが1.5以上では共重合体[変性ポリオレフィン(X)]中の(B)の含有量が増え、後述する成形品の機械的強度が悪くなる。
ここで、式(1)、(2)を満足する(A)と(B)の組合せ[(A)/(B)]としては、例えば、ポリプロピレンの熱減成物/無水マレイン酸、プロピレン・エチレン共重合体の熱減成物/無水マレイン酸、およびポリプロピレンの熱減成物/アリルカルボン酸等が挙げられ、後述する成形品の機械的強度の観点から好ましいのはポリプロピレンの熱減成物/無水マレイン酸である。
[変性ポリオレフィン(X)]
本発明における変性ポリオレフィン(X)は、前記ポリオレフィン(A)、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)を構成単位としてなる。
(X)中の(A)と(B)との重量比[(A)/(B)]は、成形品の機械的強度および(K)の改質効果の観点から好ましくは80/20〜99.5/0.5、さらに好ましくは85/15〜99/1である。
また、変性ポリオレフィン(X)の形態には次のものが含まれる。
[1](A)を幹、(B)を枝とするグラフト共重合体。
[2](A)および(B)のランダム共重合体。
上記[1]の形態は、(C)、好ましくは過酸化物の存在下、(A)および(B)を加熱溶融、もしくは適当な有機溶媒に懸濁もしくは溶解させ、さらに必要により前記の連鎖移動剤(t)、重合禁止剤(f)を加えて加熱撹拌することにより形成させることができる。
上記[2]の形態は、(C)、好ましくはアゾ化合物存在下、(A)および(B)を加熱溶融、もしくは適当な有機溶媒に懸濁もしくは溶解させ、さらに必要により後述の連鎖移動剤(t)、重合禁止剤(f)を加えて加熱撹拌することにより形成させることができる。
[1]、[2]の形態のうち[1]の形態が、後述する成形品の機械的強度の観点から好ましい。
また、変性ポリオレフィン(X)は、ポリオレフィン(A)と不飽和(ポリ)カルボン酸(B)の共重合率が高い。(B)の共重合率は、仕込んだ(B)のうち、(A)と共重合した(B)の比率を意味する。該(B)の共重合率(単位:%)は後述の方法によって算出できる。
(B)の共重合率は、後述する成形品の機械的強度の観点から、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。
[樹脂改質剤(K)]
本発明の樹脂改質剤(K)は、前記変性ポリオレフィン(X)を含有してなる。
樹脂改質剤(K)は、後述するポリオレフィン樹脂(E)用改質剤、とりわけポリオレフィン樹脂および無機フィラー(F)の樹脂改質剤として好適に用いられる。
[ポリオレフィン樹脂(E)]
本発明におけるポリオレフィン樹脂(E)には、前記(A0)の製造方法として例示した重合法、または高分子量ポリオレフィン(好ましくはMn80,000〜400,000)の減成(熱的、化学的および機械的減成)法で得られるものが含まれ、例えば、前記例示のエチレン単位含有(プロピレン単位非含有)(共)重合体、プロピレン単位含有(エチレン単位非含有)(共)重合体、エチレン/プロピレン共重合体およびC4以上のオレフィンの(共)重合体等が含まれる。
(E)と(K)の組合せとしては、(E)の構成単位と(K)を構成するポリオレフィン(A)の構成単位が同じか類似している場合が(E)と(K)との相溶性の観点から好ましい。例えば、(E)がプロピレン単位含有(エチレン単位非含有)(共)重合体である場合は、(K)を構成する(A)もプロピレン単位含有(エチレン単位非含有)(共)重合体である場合が好ましい。
(E)のMnは、後述する本発明の成形品の機械的強度および前記樹脂改質剤(K)との相溶性の観点から好ましくは10,000〜500,000、さらに好ましくは20,000〜400,000である。
[無機フィラー(F)]
本発明における(F)としては、種々のもの、例えば下記(F1)〜(F8)、およびこれらの混合物が挙げられる。
(F1)酸化物(例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、ケイ灰石、焼成カオリン、ケイ石);
(F2)水酸化物(例えば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム);
(F3)ケイ酸塩(例えばタルク、マイカ、クレー、ドロマイト、ベントナイト、珪石、ケイ酸カルシウム、ゼオライト);
(F4)炭酸塩(例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム);
(F5)金属塩(例えばバライト、蛍石、硫酸カルシウム);
(F6)金属硫化物(例えば二硫化モリブデン);
(F7)無機マイクロバルーン(例えばガラス、シラス);
(F8)金属粉(例えばアルミニウム粉、銅粉)。
これらの(F)のうち、成形品の機械的強度および工業的な観点から好ましいのは(F1)、(F2)、(F3)および(F4)、さらに好ましいのは(F1)、(F2)および(F3)、とくに好ましいのはタルク、炭酸マグネシウムおよび水酸化マグネシウムである。
(F)の粒子径についてはとくに限定されないが、(F)の体積平均粒子径は成形品の機械的強度および成形性の観点から、好ましくは0.1〜1,000μm、さらに好ましくは0.5〜500μm、とくに好ましくは1〜100μmである。
[ポリオレフィン樹脂組成物]
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、前記樹脂改質剤(K)、ポリオレフィン樹脂(E)および無機フィラー(F)を含有してなる。
該樹脂組成物において、(K)、(E)、(F)の合計重量に基づく各成分の割合は、(K)は、(F)の分散性および成形品の機械的強度の観点から好ましくは0.1〜15%、さらに好ましくは0.5〜12%、とくに好ましくは1〜10%;(E)は、成形品の生産性および機械的強度の観点から好ましくは30〜98%、さらに好ましくは40〜85%、とくに好ましくは50〜80%;(F)は、成形品の機械的強度および生産性の観点から好ましくは1〜60%、さらに好ましくは5〜55%、とくに好ましくは10〜50%である。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、必要により本発明の効果を阻害しない範囲でさらに、着色剤(G1)、補強剤(G2)、艶消剤(G3)、帯電防止剤(G4)、(K)以外の分散剤(G5)、難燃剤(G6)、発泡剤(G7)、酸化防止剤(G8)、紫外線吸収剤(G9)および可塑剤(G10)からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤(G)を含有させることができる。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物中の(G)の合計使用量は、ポリオレフィン樹脂組成物の全重量に基づいて、通常30%以下、(G)の機能発現および工業上の観点から好ましくは1〜10%である。
該組成物の全重量に基づく各添加剤(G)の使用量は、(G1)は通常10%以下、好ましくは1〜5%;(G2)は通常15%以下、好ましくは3〜10%;(G3)は通常20%以下、好ましくは1〜10%;(G4)は通常10%以下、好ましくは1〜5%;(G5)は通常20%以下、好ましくは0〜15%、特に好ましくは0〜10%;(G6)は通常15%以下、好ましくは3〜10%;(G7)は通常1〜20%以下、好ましくは5〜15%;(G8)は通常3%以下、好ましくは0.01〜1%;(G9)は通常3%以下、好ましくは0.01〜1%;(G10)は通常20%以下、好ましくは5〜15%である。
(G1)〜(G10)の間で添加剤が同一で重複する場合は、それぞれの添加剤が該当する添加効果を奏する量を他の添加剤としての効果に関わりなく使用するのではなく、他の添加剤としての効果も同時に得られることをも考慮し、使用目的に応じて使用量を調整するものとする。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物の製造方法としては、
(1)前記(E)、(K)、(F)および必要により(G)を一括混合してポリオレフィン樹脂組成物とする方法(一括法);
(2)(E)の一部、(K)の全量、および必要により(G)の一部もしくは全量を混合して高濃度の(K)を含有するマスターバッチポリオレフィン樹脂組成物を一旦作成し、その後残りの(E)、(F)および必要により(G)の残りを加えて混合してポリオレフィン樹脂組成物とする方法(マスターバッチ法)が含まれる。
(K)の混合効率の観点から好ましいのは(2)の方法である。
前記のポリオレフィン樹脂組成物の製造方法における具体的な混合方法としては、
(i)混合する各成分を、例えば粉体混合機〔「ヘンシエルミキサー」[商品名「ヘンシエルミキサーFM150L/B」、日本コークス工業(株)製]、「ナウターミキサー」[商品名「ナウターミキサーDBX3000RX」、ホソカワミクロン(株)製]、「バンバリーミキサー」[商品名「MIXTRON BB−16MIXER」、神戸製鋼(株)製]等〕で混合した後、溶融混練装置[バッチ混練機、連続混練機(単軸混練機、二軸混練機等)等]を使用して通常120〜220℃で2〜30分間混練する方法;
(ii)混合する各成分をあらかじめ粉体混合することなく、上記と同様の溶融混練装置を使用して同様の条件で直接混練する方法が挙げられる。
これらの方法のうち混合効率の観点から(i)の方法が好ましい。
本発明のポリオレフィン組成物は、無機フィラーの分散性に優れ、後述の成形品は機械的強度および熱的特性に優れる。該成形品の機械的強度は後述の耐衝撃性および曲げ弾性率等により評価でき、熱的特性は後述の荷重たわみ温度等で評価できる。一方、無機フィラーの分散性は後述のポリオレフィン樹脂(E)と無機フィラー(F)との親和性等により評価できる。
[成形品および成形物品]
本発明の成形品は、前記ポリオレフィン樹脂組成物を成形してなる。
成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法、インフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形あるいは発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形できる。成形品の形態としては、板状、シート状、フィルム、繊維(不織布等も含む)等が挙げられる。
本発明の成形品は、前記カルボキシル基等を有する樹脂改質剤(K)を含有することから、極性の比較的高い塗料、インキ等との親和性にも優れる。
本発明の成形品は、優れた機械的強度を有すると共に、良好な塗装性および印刷性を有し、成形品に塗装および/または印刷を施すことにより成形物品が得られる。
該成形品を塗装する方法としては、例えばエアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、例えば、ポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料等のプラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が挙げられ、これらのいわゆる極性の比較的高い塗料でも、また極性の低い塗料(オレフィン系等)でも使用することができる。
塗装膜厚(乾燥膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常10〜50μmである。
また、該成形品または成形品に塗装を施した上にさらに印刷する方法としては、一般的にプラスチックの印刷に用いられている印刷法であればいずれも用いることができ、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、ドライオフセット印刷およびオフセット印刷等が挙げられる。
印刷インキとしてはプラスチックの印刷に通常用いられるもの、例えばグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキおよびオフセットインキが使用できる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の部は重量部、モル%以外の%は重量%を表す。
[ポリオレフィン(A)]
製造例1
反応容器に、プロピレン99モル%およびエチレン1モル%を構成単位とするポリオレフィン(A0−1)[商品名「サンアロマーPC412A」、サンアロマー(株)製、Mn150,000、炭素1,000個当たりの分子末端および/または分子鎖中の二重結合数0個、以下同じ。]100部を窒素雰囲気下に仕込み、気相部分に窒素を通気しながらマントルヒーターにて加熱溶融し、撹拌しながら360℃で40分間熱減成を行い、ポリオレフィン(A−1)を得た。(A−1)は、炭素1,000個当たりの分子末端および/または分子鎖中の二重結合数は2.5個、Mnは15,000であった。
製造例2〜9、比較製造例1〜2
製造例1において、表1に従って熱減成を行った以外は、製造例1と同様に行い、ポリオレフィン(A−2)〜(A−9)、(比A−1)〜(比A−2)を得た。結果を表1に示す。
Figure 2015098579
[樹脂改質剤]
実施例1
反応容器に(A−1)100部、無水マレイン酸(B−1)6部を仕込み、窒素置換後、窒素通気下に180℃まで加熱昇温して均一に溶解させた。ここにジクミルパーオキシド[商品名「パークミルD」、日油(株)製](C−1)0.5部をキシレン10部に溶解させた溶液を10分間で滴下した後、キシレン還流下3時間撹拌を続けた。その後、減圧下(1.5kPa、以下同じ。)でキシレンを留去して、変性ポリオレフィン(X−1)を含有してなる樹脂改質剤(K−1)を得た。(X−1)は、酸価は27、Mnは20,000であった。
実施例2〜13、比較例1〜5
実施例1において、表2に従って、各使用原料を用いた以外は、実施例1と同様に行い、樹脂改質剤(K−2)〜(K−13)、(RK−1)〜(RK−5)を得て、後述の方法で不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)の共重合率[表2中、共重合率と略記]を算出した。結果を表2に示す。
<不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)の共重合率の算出方法>
容器に得られた変性ポリオレフィンを含有してなる樹脂改質剤100部、キシレン200部を加え、100℃まで加熱昇温して均一に溶解させた。この溶液をアセトン900部に加え、樹脂改質剤を再度沈殿させた。その沈殿物から残存する溶剤を除去して、再沈殿後の樹脂改質剤を得た。該(B)の共重合率(%)は下記の式によりを算出した。

(B)の共重合率(%)=[再沈殿後の樹脂改質剤の酸価]×100
/[再沈殿前の樹脂改質剤の酸価]
Figure 2015098579
[樹脂組成物、成形品]
実施例14〜29、比較例6〜16
(K−1)〜(K−13)、(RK−1)〜(RK−5)、前記熱減成物(A−1)、市販のポリプロピレン(E−1)[商品名「サンアロマーPL500A」、サンアロマー(株)製]、市販のポリエチレン(E−2)[商品名「ノバテックHJ490」、日本ポリエチレン(株)製、Mn300,000]および市販のエチレン/プロピレン共重合体(E−3)[商品名「サンアロマーPB222A」、サンアロマー(株)製、Mn350,000]を、表3の配合組成(部)に従って、それぞれヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物を得た。
各樹脂組成物について射出成形機[商品名「PS40E5ASE」、日精樹脂工業(株)]を用い、シリンダー温度240℃、金型温度60℃で成形して所定の試験片を作成後、後述の評価方法に従って評価した。結果を表3に示す。
(備考)使用原料
(F−1):市販のタルク[商品名「LMS−100」、富士タルク(株)製、
体積平均粒子径6μm]
(F−2):市販の炭酸マグネシウム[商品名「軽微性炭酸カルシウム」、
近江化学工業(株)製、体積平均粒子径4μm]
(F−3):市販の水酸化マグネシウム[商品名「スキマ5A」、
協和化学工業(株)製、体積平均粒子径1μm]
<評価方法>
(1)耐衝撃性(単位:kJ/m2
ASTM D6110に準拠してシャルピー衝撃値を測定した。
(2)ポリオレフィン樹脂(B)と無機フィラー(C)との親和性[(C)の分散性]
上記(1)の試験後の試験片の破断面を電子顕微鏡により観察し、(B)と(C)の親和性を以下の基準で評価した。
◎ (B)/(C)間に界面剥離なし
○ (B)/(C)間に界面剥離があるがごく一部
△ (B)/(C)間に界面剥離がやや多い
× (B)/(C)間に界面剥離が多い
(3)曲げ弾性率(単位:MPa)
ASTM D790に準拠して測定した。
(4)荷重たわみ温度(単位:℃)
荷重たわみ温度をJIS K7191−2に準拠して測定した。
Figure 2015098579
表3の結果から、本発明の変性ポリオレフィンの製造法で得られる変性ポリオレフィンを(X)含有してなる改質剤(K)を含有してなるポリオレフィン樹脂組成物を成形してなる成形品は比較のものに比べ機械的強度かつ熱的特性に優れることがわかる。
本発明の変性ポリオレフィン(X)の製造法で得られる変性ポリオレフィン(X)を含有してなる樹脂改質剤(K)は、無機フィラーの分散性に優れ、該組成物を成形してなる成形品は、優れた機械的強度および熱的特性を有するため、電気・電子機器用、搬送材用、生活資材用および建材用等の幅広い分野に好適に適用することができることから、極めて有用である。

Claims (9)

  1. ポリオレフィン(A0)を熱減成して得られる炭素数1,000個当たり0.10〜20個の二重結合を有するポリオレフィン(A)と、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(B)とをラジカル開始剤(C)の存在下で反応させる変性ポリオレフィン(X)の製造法において、下記の式(1)および(2)を満足することを特徴とする製造法。

    0<rA×rB<1 (1)

    0<rB<1.5 (2)

    [式(1)、(2)中、rAはrA=kAA/kABで定義される(A)の反応性比、rBはrB=kBB/kBAで定義される(B)の反応性比;kAAは(A)が成長末端活性点である場合に(A)が付加する時の成長反応速度定数、kABは(A)が成長末端活性点である場合に(B)が付加する時の成長反応速度定数、kBBは(B)が成長末端活性点である場合に(B)が付加する時の成長反応速度定数、kBAは(B)が成長末端活性点である場合に(A)が付加する時の成長反応速度定数を示す。]
  2. ポリオレフィン(A0)が、数平均分子量30,000〜400,000である請求項1記載の製造法。
  3. ポリオレフィン(A)が、数平均分子量800〜70,000である請求項1または2記載の製造法。
  4. (A)と(B)との重量比[(A)/(B)]が、80/20〜99.5/0.5である請求項1〜3のいずれか記載の製造法。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の製造法で得られる変性ポリオレフィン(X)を含有してなる樹脂改質剤(K)。
  6. 請求項5記載の改質剤(K)、ポリオレフィン樹脂(E)および無機フィラー(F)を含有してなるポリオレフィン樹脂組成物。
  7. (K)、(E)、(F)の合計重量に基づく割合が、(K)が0.1〜15%、(E)が30〜98%、(F)が1〜60%である請求項6記載の組成物。
  8. 請求項6または7記載の組成物を成形してなる成形品。
  9. 請求項8記載の成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品。
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