JP2007025012A - 樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板上での樹脂膜形成時における基板周辺部での膜厚の偏り、及び現像表面荒れが実質的に生じない、電子部品用樹脂膜の形成に好適な樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】樹脂、平均粒子径が50nm以下であるコロイダルシリカに代表される無機微粒子、有機溶剤、感放射線剤、及び全量に対して0.01〜5重量%の水を含有してなる樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】樹脂、平均粒子径が50nm以下であるコロイダルシリカに代表される無機微粒子、有機溶剤、感放射線剤、及び全量に対して0.01〜5重量%の水を含有してなる樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子部品用樹脂膜の形成に好適な、無機微粒子を含有する樹脂組成物に関する。
液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品や、液晶ディスプレイ用カラーフィルタなどには、その劣化や損傷を防止するための保護膜、素子表面や配線を平坦化するための平坦化膜、電気絶縁性を保つための電気絶縁膜等、機能性の電子部品用樹脂膜が設けられている。また、薄膜トランジスタ型液晶表示素子や集積回路素子には、層状に配置される配線の間を絶縁するために層間絶縁膜が機能性の電子部品用樹脂膜として設けられている。
これらの平坦化膜や絶縁膜のような樹脂膜には、配線やデバイスの高密度化に伴い、低誘電性が求められるばかりでなく、耐熱性や耐ドライエッチング性などが要求される。
例えば、特許文献1には、耐熱性や耐ドライエッチング性を向上させることを目的として、感放射線性樹脂組成物に平均粒子径が1〜100nm程度のコロイダルシリカのような無機微粒子を添加することが提案されている。
特開平11−327125号公報
しかしながら、かかる組成物によれば、樹脂膜の耐熱性や耐ドライエッチング性の向上はある程度見込めるものの、基板上に樹脂膜を形成する際、基板周辺部に樹脂膜の偏りが生じて厚くなり、また、例えば、半導体集積回路などの微細パターンを形成する際に行われるフォトリソグラフィーでのマスクパターンの転写により樹脂膜に形成された潜像パターンを顕在化させる現像工程の後に樹脂膜表面の荒れ(現像表面荒れ)が顕著に認められた。
従って、本発明は、基板上での樹脂膜形成時における基板周辺部での膜厚の偏り、及び現像表面荒れが実質的に生じない、電子部品用樹脂膜の形成に好適な樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、樹脂、無機微粒子、有機溶剤を含む樹脂組成物に微量の水を添加し、なおかつ無機微粒子の平均粒子径を50nm以下とすることが前記課題の達成に有効であることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)樹脂、平均粒子径が50nm以下である無機微粒子、有機溶剤、及び全量に対して0.01〜5重量%の水を含有してなる樹脂組成物、
(2)無機微粒子の含有量が樹脂100重量部に対して5〜200重量部である前記(1)記載の樹脂組成物、
(3)無機微粒子がコロイダルシリカである前記(1)又は(2)記載の樹脂組成物、
(4)樹脂が、脂環式オレフィン樹脂、ノボラック樹脂、ビニルフェノール樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、芳香族ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(1)〜(3)いずれか記載の樹脂組成物、
(5)感放射線剤をさらに含有する前記(1)〜(4)いずれか記載の樹脂組成物、
(6)前記(1)〜(5)いずれかに記載の樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して形成してなる樹脂膜を有する基板、
(7)前記(5)に記載の樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥した後、露光し、現像し、さらに加熱して形成してなるパターン化された樹脂膜を有する基板、
(8)前記(6)又は(7)に記載の基板を用いてなる電子部品、
を提供するものである。
(1)樹脂、平均粒子径が50nm以下である無機微粒子、有機溶剤、及び全量に対して0.01〜5重量%の水を含有してなる樹脂組成物、
(2)無機微粒子の含有量が樹脂100重量部に対して5〜200重量部である前記(1)記載の樹脂組成物、
(3)無機微粒子がコロイダルシリカである前記(1)又は(2)記載の樹脂組成物、
(4)樹脂が、脂環式オレフィン樹脂、ノボラック樹脂、ビニルフェノール樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、芳香族ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(1)〜(3)いずれか記載の樹脂組成物、
(5)感放射線剤をさらに含有する前記(1)〜(4)いずれか記載の樹脂組成物、
(6)前記(1)〜(5)いずれかに記載の樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して形成してなる樹脂膜を有する基板、
(7)前記(5)に記載の樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥した後、露光し、現像し、さらに加熱して形成してなるパターン化された樹脂膜を有する基板、
(8)前記(6)又は(7)に記載の基板を用いてなる電子部品、
を提供するものである。
本発明の樹脂組成物によれば、基板上での樹脂膜形成時に基板周辺部での膜厚の偏り、及び現像表面荒れを実質的に生ずることなく、電子部品用として好適な樹脂膜を形成することができる。
本発明の樹脂組成物は、樹脂、平均粒子径が50nm以下である無機微粒子、有機溶剤、及び全量に対して0.01〜5重量%の水を含有してなることを特徴とする。
本発明の樹脂組成物はかかる構成を有することから、該組成物は基板への塗布時に基板の全面に容易に広がり、しかも基板周辺部における該組成物の偏りが容易に解消され得、基板全面が一様に平坦化され得る。本発明の樹脂組成物は微量の水を含有するが、かかる水は無機微粒子の分散助剤的効果を発揮するものと推測される。また、所定の平均粒子径を有する無機微粒子を含んでなることより、塗布する際には遠心力、表面張力等により流動性の向上が図られる一方、基板搬送時や静置状態では流動性が低下するものと推定される。その結果、上記の通りの所望の効果が発揮され得るものと考えられる。
また、本発明の樹脂組成物には所定量の水が含まれるが、それにより保存時の無機微粒子の凝集化が抑制され得、そのことは、保存後の樹脂組成物の各種性能、例えば、得られる樹脂膜の表面均一性やパターニング性などの低下抑制に大きく寄与するものと考えられる。
なお、本明細書において「基板周辺部」とは、基板の端から基板表面の内側に向かって1cm程度の範囲の基板のへり部分をいう。基板が正方形や長方形であれば基板の端の形状は直線をなし、その場合、該直線に垂直な方向で該範囲を定める。一方、基板が円形等、基板の端の形状が曲線をなす場合には、該曲線の接線に対し垂直な方向で、該曲線と接線との接点から該範囲を定める。
本発明に用いられる樹脂に格別な制限はなく、例えば、任意の置換基を有していてもよい、脂環式オレフィン樹脂、ノボラック樹脂、ビニルフェノール樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、芳香族ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂など、各種の公知の樹脂を使用することができる。これらの樹脂は、任意に水素添加した水素化物であってもよい。また、これらの樹脂は公知の重合方法に従って所定のモノマーを重合することにより調製することができる。水素添加も公知の方法に従って行うことができる。これらの樹脂はそれぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
特に表示素子や半導体素子などの電子部品を製造する場合、レジスト材料用に用いられる、例えば、脂環式オレフィン樹脂、ノボラック樹脂、ビニルフェノール樹脂、アクリル樹脂、芳香族ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく、パターン化した樹脂膜を得る観点からは、酸性基を有する脂環式オレフィン樹脂や、ノボラック樹脂が好ましい。電子部品の一部として本発明の樹脂組成物からなる樹脂膜が残存する場合は、透明性と誘電特性に優れることから、樹脂としては脂環式オレフィン樹脂(酸性基を有するものを含む)が好ましい。
ここで、酸性基とは、ルイス(Lewis)酸として機能し得る置換基、すなわち、イオン化状態において電子対を受容し得る性質を有する置換基をいう。かかる酸性基の具体例としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。
酸性基を有する脂環式オレフィン樹脂としては、例えば、メタセシス重合触媒を用いた脂環式オレフィンモノマーの開環又は付加重合体が挙げられ、脂環式オレフィン樹脂は、脂環式オレフィンモノマーの単独重合体であっても、その他のモノマーとの共重合体であってもよい。脂環式オレフィン樹脂中の脂環式オレフィンモノマー単位の含有量としては、透明性、耐熱性や、塗工性等の機械特性が良好であることから、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50重量%以上である。
また、脂環式オレフィン樹脂は水素化物であってもよい。特に脂環式オレフィンモノマーを用いて得られた水素化脂環式オレフィン樹脂であって酸性基を有するものは、感放射線剤とともに用いて、パターン状の透明樹脂膜を得るのに好適である。
脂環式オレフィンモノマーは、脂環式構造内に炭素−炭素二重結合を有する重合性モノマーである。脂環式構造は、単環であっても、多環(縮合多環、橋架け環、及びこれらの組み合わせ多環等)であってもよい。脂環式オレフィン樹脂の機械的強度や耐熱性などが良好となることから多環が好ましい。該モノマー中、脂環式構造を構成する炭素原子数に格別な制限はないが、通常、4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲である。該炭素原子数がかかる範囲にあれば、脂環式オレフィン樹脂の耐熱性やパターニング性などの諸特性が高度にバランスされ好適である。
なお、脂環式オレフィンモノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエンのような脂肪族不飽和炭化水素等が挙げられる。かかるモノマーはそれぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
酸性基を有する脂環式オレフィン樹脂中に存在する酸性基の存在割合は特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択すればよいが、酸性基は、樹脂の構成モノマー単位の総モル数中、良好な耐熱性などを確保する観点から、通常、30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%の構成モノマー単位に存在するのがよい。各構成モノマー単位に存在する酸性基の種類又は数に特に限定はない。また、酸性基を有する脂環式オレフィン樹脂の酸価としては40〜200mgKOH/gであることが好ましい。酸価は、酸化還元滴定により測定することができる。
脂環式オレフィン樹脂中には、それぞれ同一種類の又は異なる種類の酸性基が存在していてもよい。また、酸性基は、脂環式オレフィンモノマー単位に結合していても、脂環式オレフィンモノマー以外のモノマー単位に結合していてもよいが、脂環式オレフィンモノマー単位に結合しているのが好ましい。
酸性基を有する脂環式オレフィン樹脂は、酸性基を有する脂環式オレフィンモノマーを単独で重合して得てもよいし、所望によりこれと酸性基を有しない脂環式オレフィンモノマーと共に用いて重合して得てもよいし、酸性基を有しない脂環式オレフィンモノマーを重合した後、変性剤を反応させて酸性基を導入して得てもよい。重合に際しては前記その他のモノマーを用いてもよい。変性剤による変性反応は、常法に従えばよく、通常、ラジカル発生剤の存在下で行われる。また、酸性基を有する脂環式オレフィン樹脂は、エステル基やシアノ基のような加水分解によってカルボキシル基となるような、化学変化により酸性基をもたらす酸性基前駆体基を有する脂環式オレフィンモノマーを、所望により他の脂環式オレフィンモノマー等と重合した後、酸性基を呈させるべく前記前駆体基を化学変化させて得ることもできる。
酸性基を有する脂環式オレフィンモノマーとしては、例えば、5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチル−5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メチル−8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−カルボキシメチル−8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどの1つのカルボキシル基を有する脂環式オレフィンモノマー;5−エキソ−6−エンド−ジヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−エキソ−9−エンド−ジヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8,9−ジカルボン酸無水物、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エン−11,12−ジカルボン酸無水物などの2つのカルボキシル基を有する脂環式オレフィンモノマー;5−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチル−5−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メチル−8−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−カルボキシメチル−8−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどの1つのヒドロキシフェニル基を有する脂環式オレフィンモノマーが挙げられる。これらのモノマーはそれぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
酸性基を有しない脂環式オレフィンモノマーとしては、例えば、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、テトラシクロ[8.4.0.111,14.02,8]テトラデカ−3,5,7,12,11−テトラエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]デカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどの非極性の脂環式オレフィンモノマー;N−(4−フェニル)−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)などのN−置換イミド基含有環状オレフィンモノマー;5−アセトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどのエステル基を有する脂環式オレフィンモノマー;8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどのシアノ基を有する脂環式オレフィンモノマー;等が挙げられる。これらのモノマーはそれぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
酸性基を導入するための変性剤としては、通常、一分子内に酸性基と反応性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物が用いられる。このような化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、アトロパ酸、ケイ皮酸等の等の不飽和カルボン酸;アリルアルコール、メチルビニルメタノール、クロチルアルコール、メタリルアルコール、1−フェニルエテン−1−オール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、4−メチル−4−ぺンテン−1−オール、2−ヘキセン−1−オール等の不飽和アルコール;等を挙げることができる。これらの変性剤はそれぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
一方、酸性基を有しない脂環式オレフィン樹脂は、前記酸性基を有しない脂環式オレフィンモノマーを単独重合するか、又は当該モノマーと所望により前記その他のモノマーとを共重合することにより得ることができる。脂環式オレフィン樹脂中の脂環式オレフィンモノマー単位の含有量としては、酸性基を有する脂環式オレフィン樹脂の場合と同様であるのが好適である。
上記各モノマーの重合方法は、常法に従えばよく、例えば、開環重合法や付加重合法が採用される。
使用する重合触媒としては、例えば、周期律表の第V族、第VI族及び第VIII族の遷移金属原子、中でもルテニウム、オスミウム等の第VIII族の遷移金属原子の金属錯体が好ましく、特にルテニウムの金属錯体がより好ましい。これらの重合触媒は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。重合触媒の量は、重合触媒中の金属化合物:脂環式オレフィンモノマーのモル比で、通常、1:100〜1:2,000,000、好ましくは1:500〜1:1,000,000、より好ましくは1:1,000〜1:500,000の範囲である。重合反応は、通常、0〜250℃で10分間〜48時間程度行えばよい。
上記重合体の水素添加は、通常、水素添加触媒を用いて行われる。水素添加触媒としては、例えば、オレフィン化合物の水素添加に際して一般的に使用されているものを用いることができる。具体的には、チーグラータイプの均一系触媒、貴金属錯体触媒、及び担持型貴金属系触媒等が利用できる。これらの水素添加触媒のうち、官能基が変性する等の副反応が起きず、重合体中の炭素−炭素不飽和結合を選択的に水素添加できる点から、ロジウム、ルテニウム等の貴金属錯体触媒が好ましく、電子供与性の高い含窒素複素環式カルベン化合物又はホスフィン類が配位したルテニウム触媒が特に好ましい。なお、脂環式オレフィン樹脂の水素化率としては、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上である。水素化率は、1H−NMRにより求めることができる。
本発明で使用される脂環式オレフィン樹脂(酸性基を有するものを含む)の重量平均分子量(Mw)は、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは1,500〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000の範囲である。本発明で使用される脂環式オレフィン樹脂の分子量分布は、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)比で、通常、4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下である。本明細書において重量平均分子量及び数平均分子量は、ポリスチレンを標準試料とし、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定することができる。
本発明において好適に用いられるノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類との縮合反応生成物である。フェノール類とアルデヒド類との縮合反応は常法に従って行うことができる。
ノボラック樹脂の製造に用いるフェノール類の具体例としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール、2,5−キシレノール、2,3−キシレノール、3,4−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3−ジメトキシフェノール、2,5−ジメトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−プロピルフェノール、3−プロピルフェノール、4−プロピルフェノール、2,3,5−トリエチルフェノール、3,5−ジエチルフェノール、2,5−ジエチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、3−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、2−フェニルフェノール、3−フェニルフェノール、4−フェニルフェノール、などの一価フェノール類;レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、カテコール、4−tert−ブチルカテコール、3−メトキシカテコール、2−メトキシレゾルシノール、4−メトキシレゾルシノール、ビスフェノールA、フロログリシノールなどの多価フェノール類などが挙げられる。これらのフェノール類は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルデヒド類の具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、トリメチルアセトアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、シクロヘキサンアルデヒド、シクロペンタンアルデヒド、フルフラール、フリルアクロレインなどの脂肪族又は脂環式アルデヒド類;ベンズアルデヒド、o−トルアルデヒド、m−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,5−ジメチルベンズアルデヒド、3,4−又は3,5−ジメチルベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、ケイ皮アルデヒド、o−アニスアルデヒド、m−アニスアルデヒド、p−アニスアルデヒドなどの芳香族アルデヒド類;などが挙げられる。これらのアルデヒド類も、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができ、好ましくはホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの低分子量脂肪族飽和アルデヒドやo−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒドなどのヒドロキシベンズアルデヒド類である。
本発明で使用されるノボラック樹脂の重量平均分子量(Mw)は、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは1,500〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000の範囲である。本発明で使用されるノボラック樹脂の分子量分布は、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)比で、通常、4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下である。
本発明の樹脂組成物中の樹脂の含有量としては、特に限定はないが、パターン性、塗工性、耐熱性等の機械特性が良好となることから、好ましくは30〜100重量%、より好ましくは40〜100重量%である。
本発明の無機微粒子の平均粒子径(体積平均径)は50nm以下であるが、保存安定性、流動性を向上させる観点から、好ましくは40nm以下である。また、下限としては通常2nm程度である。原料として使用する無機微粒子の平均粒子径は、動的光散乱方式粒子径測定装置「ゼータサイザーNano−S」(製品名:シスメックス社製)を用いて測定することができる。
なお、無機微粒子の平均粒子径は樹脂組成物中においても実質的に変化することはない。従って、使用する無機微粒子の平均粒子径は樹脂組成物中における無機微粒子の平均粒子径を表す。また、得られた樹脂組成物を前記動的光散乱方式粒子径測定装置で測定することにより、該組成物中における無機微粒子の平均粒子径を測定することができる。
本発明の無機微粒子に格別な制限はなく、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウムなどの金属単体微粒子、無機酸化物微粒子、無機炭酸塩微粒子、無機硫酸塩微粒子、無機リン酸塩微粒子などが挙げられる。無機微粒子はそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機酸化物微粒子としては、コロイダルシリカ、ポリオルガノシロキサン、アエロジル、ガラスなどのシリカ原子を含む化合物;アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化銅、酸化鉛、酸化イットリウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物;を例示することができる。無機炭酸塩微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどを、無機硫酸塩微粒子としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどを、無機リン酸塩微粒子としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムなどを例示することができる。
本発明の無機微粒子としては中でも、取り扱い容易性の観点から、無機酸化物微粒子が好ましい。また、無機酸化物微粒子としては、樹脂膜の透明性の向上の観点から、シリカ原子を含む微粒子が好ましく、コロイダルシリカがより好ましい。
コロイダルシリカは、通常、水、又はアルコール系やセロソルブ系などの有機分散媒中にコロイド状に分散されてなる。これをそのまま使用してもよいが、分散媒置換して、後述の有機溶剤に分散させた分散液を用いることもできる。コロイダルシリカの分散液の固形分濃度としては、通常5〜60重量%程度が好適である。
コロイダルシリカは、ケイ酸のアルカリ塩を中和する方法、四ハロゲン化ケイ素の加水分解法、アルコキシシランの加水分解によるゾル−ゲル法などにより製造することができる。コロイダルシリカの平均粒子径の調整は、例えば、得られたコロイダルシリカを孔径0.45μmのフィルタでろ過することにより行うことができる。また、本発明の所定の平均粒子径を満たし得る市販品が入手可能であればそれを用いてもよい。さらに、樹脂組成物の状態で所定のフィルタでろ過することによりコロイダルシリカの平均粒子径を調整することもできる。本発明において使用されるコロイダルシリカ以外の無機微粒子についても同様である。
本発明の樹脂組成物中の無機微粒子(固形分)の含有量としては、特に限定はないが、樹脂100重量部に対し、好ましくは5〜200重量部、より好ましくは10〜150重量部、さらに好ましくは15〜125重量部の範囲で選定される。無機微粒子の含有量がかかる範囲にあれば、本発明の樹脂膜としてより好適な樹脂膜が得られる。
本発明に使用する有機溶剤に格別な制限はなく、公知の有機溶剤を任意に使用することができる。有機溶剤は、本発明の樹脂組成物において有機溶剤以外のその他の成分を除いた残部を構成する。
前記有機溶剤としては、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルエステル類;メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド;等の極性有機溶媒が挙げられる。これらはそれぞれ適宜単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
本発明の樹脂組成物にはその全量に対して0.01〜5重量%の水が含まれる。本発明の樹脂組成物中の水の含有量としては、無機微粒子の凝集や沈降を効果的に抑制する観点から、通常0.3〜5重量%、好ましくは0.5〜4重量%、より好ましくは0.5〜3重量%である。本発明の樹脂組成物中の水の含有量はカールフィッシャー水分計を用いて測定することができる。水としては特に限定されるものではなく、例えば、地下水、水道水、蒸留水、イオン交換水、超純水等を使用すればよいが、得られる樹脂膜の電気特性を向上させる観点から、超純水を使用するのが好ましい。
本発明の樹脂組成物には上記成分以外にその他の成分を含有させてもよい。例えば、その他の成分として感放射線剤を用いると、樹脂組成物に感放射線性が付与され、いわゆる感放射線性組成物として用い得ることから、パターン状の樹脂膜を基板上に容易に形成することができる。
感放射線剤(放射線に感応して化学構造を変化する化合物)としては、特に限定されるものではないが、例えば、キノンジアジドスルホン酸エステルが挙げられる。キノンジアジドスルホン酸エステルは、一般的に感放射線剤として用いられている、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドなどのキノンジアジドスルホン酸ハライドとフェノール性水酸基を1つ以上有するフェノール類とのエステル化合物である。フェノール類としては、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、ノボラック樹脂のオリゴマー、フェノール類とジシクロペンタジエンとを共重合して得られるオリゴマー(特開平5−5022号公報参照)などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物中の感放射線剤の含有量は、樹脂100重量部に対して、通常0.5〜100重量部であり、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部である。感放射線剤の含有量が0.5重量部以上であれば、該組成物をレジストとして用いた場合、残膜率が低く、高解像性が得られ、一方、100重量部以下であれば、該組成物からなる樹脂膜の耐熱性や光透過性が優れる。
本発明の樹脂組成物に添加することができる、感放射線剤以外のその他の成分としては、例えば、架橋剤、界面活性剤、接着助剤などが挙げられる。
架橋剤とは、加熱により架橋剤分子間に架橋構造を形成したり、樹脂と反応して樹脂間に架橋構造を形成したりする化合物であり、具体的には、2以上の反応性基を有する化合物である。かかる反応性基としては、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、ビニル基などが好ましい。
架橋剤の具体例としては、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン類;4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルフォンなどの芳香族ポリアミン類;2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン、4,4’−ジアジドジフェニルスルフォンなどのアジド化合物;ナイロン、ポリヘキサメチレンジアミンテレレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミドなどのポリアミド類;N,N,N’,N’,N”,N”−(ヘキサアルコキシメチル)メラミンなどのメラミン類;N,N’,N”,N”’−(テトラアルコキシメチル)グリコールウリルなどのグリコールウリル類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート重合体などのアクリレート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート系ポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート系ポリイソシアネートなどのイソシアネート系化合物;水添ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート;1,4−ジ−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ−(ヒドロキシメチル)ノルボルナン;1,3,4−トリヒドロキシシクロヘキサン;脂環式構造含有のエポキシ化合物又は重合体などが挙げられる。中でも、得られる樹脂膜の透明性が良好であることから脂環式構造含有のエポキシ化合物又は重合体が好ましい。また、樹脂組成物に良好な保存安定性が得られる点、及び架橋剤として良好な反応性が得られる点でメラミン類が好ましい。
本発明の樹脂組成物中の架橋剤の含有量としては、格別制限されず、例えば、樹脂膜に形成されたパターンに求められる耐熱性の程度を考慮して任意に設計すればよいが、樹脂100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは5〜80重量部、より好ましくは10〜70重量部、さらに好ましくは15〜50重量部である。
界面活性剤は、樹脂膜形成時のストリエーション(塗布筋跡)の防止、樹脂膜のパターン化の際の現像性の向上などの目的で使用される。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンジラウレートなどのノニオン系界面活性剤、新秋田化成社製エフトップシリーズ、大日本インキ化学工業社製メガファックシリーズ、住友スリーエム社製フロラードシリーズ、旭硝子社製アサヒガードシリーズなどのフッ素系界面活性剤、信越化学工業社製オルガノシロキサンポリマーKPシリーズなどのシラン系界面活性剤、共栄社油脂化学工業社製ポリフローシリーズなどのアクリル酸共重合体系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用することができる。本発明の樹脂組成物中の界面活性剤の含有量としては、樹脂組成物の固形分100重量部に対して、通常2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。
接着助剤は、例えば、樹脂膜を形成する基板と樹脂膜との接着性を向上させる目的で使用される。接着助剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどの官能性シランカップリング剤などが挙げられる。本発明の樹脂組成物中の接着助剤の含有量としては、樹脂100重量部に対して、通常20重量部以下、好ましくは0.05〜10重量部、より好ましくは1〜10重量部である。
本発明の樹脂組成物には、さらに帯電防止剤、防曇剤、保存安定剤、消泡剤、顔料、染料、酸化防止剤、増感剤などを含有させてもよい。これらの成分は所望の効果が得られ得る範囲で適宜使用すればよい。
本発明の樹脂組成物は以上のような成分を含有してなる。該組成物の固形分濃度は、例えば、得られる樹脂膜の厚さを考慮して任意に設定すればよいが、操作容易性の観点から、通常5〜40重量%である。
本発明の樹脂組成物の調製は前記各成分を適宜混合することにより行えばよく、各成分の添加順序に特に限定はないが、無機微粒子の凝集抑制により効果的であることから、無機微粒子の分散液を攪拌しながら、樹脂を有機溶剤に溶解させた樹脂溶液を徐々に該分散液に添加し、さらにカールフィッシャー水分計を用いて所望の水分量になるように水を添加する方法が好ましい。水の添加方法は特に限定されるものではなく、例えば、任意のシリンジ等を用いて前記分散液に所定量の水を添加すればよい。その他の成分は所望によりそれらの工程の任意の時点で適宜混合すればよい。
樹脂組成物を得た後に水を一部除去して本発明の水の含有量範囲に調整するのは困難であるため、該組成物の原料、該組成物の調製時には余剰の水が混入しないようにするのが好ましい。
本発明の樹脂組成物としては、性能向上の観点から、前記動的光散乱方式粒子径測定装置を用いて測定される平均粒子径で1μmを超える粒子(無機微粒子に限定されるものではない)を含まないものが好ましい。かかる大粒径粒子が存在する場合、例えば、0.02〜1μm程度のフィルタでろ過して該粒子を除去した後、使用に供するのが好ましい。なお、そのようなろ過操作は、本発明の樹脂組成物を製造する際、原料成分に対して行ってもよい。
本発明の樹脂組成物は、例えば、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品用の各種樹脂膜(パターン化された樹脂膜を含む)の形成用材料として好適に用いられる。
本発明の基板は、本発明の樹脂組成物を任意の基板に塗布し乾燥して形成されるものである。該基板としては、プリント配線板や液晶ディスプレイ用基板など配線を有するものに限らず、樹脂膜を形成した後、適宜、樹脂膜と剥離される支持フィルムなどでもよい。また、該基板としては平坦なものばかりでなく、段差を有するものであってもよい。
樹脂膜の厚さは用途に応じて調整すればよく特に限定はないが、通常、0.1〜10μm程度である。なお、本明細書において膜厚は平均膜厚をいい、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
基板に樹脂組成物を塗布する方法に格別な制限はなく、形成する膜の厚さに応じて任意に決められるが、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリット塗布法、インクジェット塗布法などが挙げられる。本発明の樹脂組成物は、基板上での樹脂膜形成時に基板周辺部での膜厚の偏りを実質的に生ずることがないので、特に回転塗布法による樹脂膜形成における樹脂膜の形成改善効果が顕著である。従って、本発明の樹脂組成物は、回転塗布法による樹脂膜形成用として特に好適である。
乾燥条件は、形成する樹脂膜の厚さや、後にパターンを形成するか否かなどの状況に応じて任意に設定されるが、前記範囲程度の厚さの樹脂膜を形成するのであれば、通常30〜120℃で10〜600秒間程度、オーブンやホットプレートを用いて加熱する方法により行えばよい。
樹脂膜は基板表面の全体又は一部に形成されていればよい。基板表面の一部に形成された樹脂膜の例としては、パターン化された樹脂膜が挙げられる。パターン化された樹脂膜は、例えば、樹脂組成物として感放射線剤を含有してなるものを用いて、例えば、フォトリソグラフィー法により基板上に形成することができる。
パターン化された樹脂膜は具体的には以下に記載の方法に従って容易に形成することができる。
すなわち、前記の通りにして、感放射線剤を含有する樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥(プリベーク)して樹脂膜を形成する。次いで、例えば、マスクパターンを介して活性放射線を照射(露光)し、前記樹脂膜中に潜像パターンを形成し、潜像パターンを有する当該樹脂膜と現像液とを接触させることにより潜像パターンを顕在化(現像)させて基板上にパターン化された樹脂膜を形成する。さらに、所望により得られたパターン状の樹脂膜を加熱(ポストベーク)すれば、パターン状の樹脂膜を硬化させることもできる。
活性放射線の種類は特に制限されず、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、プロトンビーム線などが挙げられ、特に可視光線及び紫外線が好ましい。照射する放射線量は、目的の樹脂膜の使用目的、膜の厚さなどにより任意に設定することができる。パターンの形成は、前記のようにマスクパターンを介して活性放射線を照射することによる方法の他、電子線などにより直接描画する方法によっても行うことができる。
前記現像液とはアルカリ性化合物を水に溶解した水性液である。アルカリ性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第一級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの第二級アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、N−メチルピロリドンなどの第三級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどの第四級アンモニウム塩;ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンなどの環状アミン類;等が挙げられる。これらのアルカリ性化合物はそれぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。現像液には、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶剤や任意の界面活性剤を適当量添加することもできる。
現像時間、すなわち、現像液を樹脂膜と接触させてから、樹脂膜を一部現像液に溶解させ、当該現像液と樹脂膜との接触を終了するまでの時間は、特に制限されないが、通常30〜180秒間である。また現像液と潜像パターンを有する樹脂膜との接触方法は特に制限されず、例えば、パドル法、スプレー法、ディッピング法などによればよい。現像温度は、特に制限されないが、通常15〜35℃、好ましくは20〜30℃である。
基板上にパターン状の樹脂膜を形成した後、所望により、基板上、基板裏面、基板端部などに残る不要な現像残渣(溶解した樹脂膜残渣)を除去するために、現像に供した後の基板とリンス液とを常法により接触させてもよい。リンス液との接触後の基板は、通常、圧縮空気や圧縮窒素で乾燥させることによって、基板上のリンス液を除去する。その後、さらに所望により、基板の樹脂膜が形成されている面に活性放射線を全面照射することもできる。
以上のようにして得たパターン状の樹脂膜の加熱(ポストベーク)は、樹脂膜の耐熱性向上の観点から好ましい。加熱の方法に格別な制限はなく、上述した乾燥のための加熱方法と同様でよい。その際、使用した樹脂組成物が架橋剤を含有するものであれば、ポストベークにより架橋反応が進行し、樹脂膜が架橋され、硬化させることができる。なお、パターン状の樹脂膜に限らず、その他の樹脂膜も同様な樹脂組成物を用いることにより同様に硬化させることができる。
硬化のための樹脂膜の加熱条件に格別な制限はなく、通常350℃以下、好ましくは100〜300℃で、例えばホットプレートを用いる場合、通常1〜120分間、オーブンを用いる場合、通常20〜180分間とすればよい。硬化されたパターン状の樹脂膜を得る場合、架橋反応をパターン形成後に行うのがよい。
本発明の樹脂膜は各種電子部品の保護膜、平坦化膜、電気絶縁膜等として好適であり、該樹脂膜を形成してなる基板は、例えば、テレビ、モニター、携帯電話、PDA、産業機器等の液晶表示装置、半導体素子、IC等の電子回路等の電子部品に好適に用いられる。当該電子部品は本発明の樹脂組成物又は基板を用い、公知の方法に従って製造することができる。本発明は、本発明の基板を用いてなるそのような電子部品も包含する。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、部及び%は、特記ない限り重量基準である。また、試験や評価は以下の方法によった。
(粒径の測定)
コロイダルシリカの平均粒子径は、動的光散乱方式を用いた粒子径測定装置「ゼータサイザーNano−S」(製品名:シスメックス社製)を用い、23℃で試料(コロイダルシリカ分散液)を石英製のセルに入れて測定した。
コロイダルシリカの平均粒子径は、動的光散乱方式を用いた粒子径測定装置「ゼータサイザーNano−S」(製品名:シスメックス社製)を用い、23℃で試料(コロイダルシリカ分散液)を石英製のセルに入れて測定した。
(水分量の測定)
水分量は、カールフィッシャー水分計を用い、23℃で測定した。
水分量は、カールフィッシャー水分計を用い、23℃で測定した。
(基板周辺部における膜厚の偏りの評価)
日本電気硝子社製の基板(厚さ0.7mm、縦550mm、横650mm)上に樹脂組成物を回転塗布法により塗布し、ホットプレート上で100℃にて2分間乾燥した。なお、塗布、乾燥を終えた樹脂膜が基板の塗布面全体に対して3μmの膜厚になるように回転塗布法で塗布した。膜厚は触針式膜厚計(P-10)(ケーエルエー・テンコール株式会社製)により測定した。
日本電気硝子社製の基板(厚さ0.7mm、縦550mm、横650mm)上に樹脂組成物を回転塗布法により塗布し、ホットプレート上で100℃にて2分間乾燥した。なお、塗布、乾燥を終えた樹脂膜が基板の塗布面全体に対して3μmの膜厚になるように回転塗布法で塗布した。膜厚は触針式膜厚計(P-10)(ケーエルエー・テンコール株式会社製)により測定した。
基板の端から樹脂膜の厚さを測定し、前記膜厚±3%の範囲内にある絶対膜厚が得られるまでの、基板の端からの距離を折り返し幅として求めた。当該距離が小さいものほど、基板上での樹脂膜形成時に基板周辺部での膜厚の偏りがないと評価した。なお、基板の端からの距離は基板の4つの各辺で求め、それらの平均値とした。また、各辺における当該距離の測定は各辺の中央の位置において行った。
(現像表面荒れの評価)
現像処理を行って得られたパターン状の樹脂膜の表面を光学顕微鏡の暗視野モードにおいて樹脂膜表面の光の散乱度合いを肉眼により観察した。以下の評価基準に従って光の散乱度合いを評価し、現像表面荒れの評価とした。
〔評価基準〕
○: 光の散乱が認められない(表面荒れが認められない)
△: 光の散乱が多少認められる(表面荒れが多少認められる)
×: 光の散乱がかなり認められる(表面荒れが認められる)
現像処理を行って得られたパターン状の樹脂膜の表面を光学顕微鏡の暗視野モードにおいて樹脂膜表面の光の散乱度合いを肉眼により観察した。以下の評価基準に従って光の散乱度合いを評価し、現像表面荒れの評価とした。
〔評価基準〕
○: 光の散乱が認められない(表面荒れが認められない)
△: 光の散乱が多少認められる(表面荒れが多少認められる)
×: 光の散乱がかなり認められる(表面荒れが認められる)
[合成例1]
冷却管と撹拌装置を装着したセパラフラスコに、m−クレゾール4210部、p−クレゾール2800部、37%ホルマリン3430部、及びシュウ2物水和24.5部を入れ、95〜100℃に保ちながら、2時間反応させた。この後、100〜105℃で2時間かけて水を留去した後、180℃まで昇温しながら1.3kPaまで減圧し、未反応モノマー及び水を除去した後、室温に戻して回収し、ノボラック樹脂を得た。このノボラック樹脂のMwは6,000であった。
冷却管と撹拌装置を装着したセパラフラスコに、m−クレゾール4210部、p−クレゾール2800部、37%ホルマリン3430部、及びシュウ2物水和24.5部を入れ、95〜100℃に保ちながら、2時間反応させた。この後、100〜105℃で2時間かけて水を留去した後、180℃まで昇温しながら1.3kPaまで減圧し、未反応モノマー及び水を除去した後、室温に戻して回収し、ノボラック樹脂を得た。このノボラック樹脂のMwは6,000であった。
[合成例2]
8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロドデセン60部、N−フェニル−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)40部、1−ヘキセン1.3部、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド0.05部、及びテトラヒドロフラン400部を、窒素置換したガラス製耐圧反応器に仕込み、攪拌しつつ70℃にて2時間反応させて重合体溶液A(固形分濃度:約20%)を得た。
8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロドデセン60部、N−フェニル−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)40部、1−ヘキセン1.3部、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド0.05部、及びテトラヒドロフラン400部を、窒素置換したガラス製耐圧反応器に仕込み、攪拌しつつ70℃にて2時間反応させて重合体溶液A(固形分濃度:約20%)を得た。
この重合体溶液Aの一部を攪拌機つきオートクレーブに移し、温度150℃にて水素を圧力4MPaで溶存させて5時間反応させ、水素化された重合体(水素化率100%)を含む重合体溶液B(固形分濃度:約20%)を得た。
100部の重合体溶液Bに、1部の活性炭粉末を添加した耐熱容器をオートクレーブに入れ、攪拌しつつ150℃にて水素を4MPaの圧力で3時間溶存させた。次いで、溶液を取り出して孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルタでろ過して活性炭を分離して重合体溶液を得た。ろ過は滞りなく行えた。該溶液をエチルアルコール中に注いで凝固させ、生成したクラムを乾燥して酸性基としてカルボキシル基を有する脂環式オレフィン樹脂を得た。得られた樹脂のMwは5,500であり、Mw/Mn比は1.7であった。また、水素化率は99%であった。
[樹脂溶液1の調製]
合成例1で得たノボラック樹脂100部に対し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500部、1,2−キノンジアジド化合物として4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド(2モル)との縮合物25部、架橋剤としてメラミン樹脂(三井サイテック社製、品名サイメル303)5部、シリコン系界面活性剤として「KP−341」(製品名:信越化学工業社製)0.05部を混合し溶解させた後、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタでろ過して樹脂溶液1を調製した。
合成例1で得たノボラック樹脂100部に対し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500部、1,2−キノンジアジド化合物として4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド(2モル)との縮合物25部、架橋剤としてメラミン樹脂(三井サイテック社製、品名サイメル303)5部、シリコン系界面活性剤として「KP−341」(製品名:信越化学工業社製)0.05部を混合し溶解させた後、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタでろ過して樹脂溶液1を調製した。
[樹脂溶液2の調製]
樹脂を合成例2で得た脂環式オレフィン樹脂に代え、架橋剤を脂環式エポキシ化合物「EHPE3150」(製品名:ダイセル化学社製)30部に代え、更に接着助剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1部を混合したこと以外は樹脂溶液1と同様にして樹脂溶液2を調製した。
樹脂を合成例2で得た脂環式オレフィン樹脂に代え、架橋剤を脂環式エポキシ化合物「EHPE3150」(製品名:ダイセル化学社製)30部に代え、更に接着助剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1部を混合したこと以外は樹脂溶液1と同様にして樹脂溶液2を調製した。
[コロイダルシリカ分散液1]
無機微粒子としてコロイダルシリカを用いた。コロイダルシリカ分散液「PMA−ST」(製品名:日産化学社製)を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタでろ過処理して得られたものを「PMA−ST」とする。樹脂組成物調製前のPMA−ST粒子の平均粒子径を表1に示す。
無機微粒子としてコロイダルシリカを用いた。コロイダルシリカ分散液「PMA−ST」(製品名:日産化学社製)を孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタでろ過処理して得られたものを「PMA−ST」とする。樹脂組成物調製前のPMA−ST粒子の平均粒子径を表1に示す。
[コロイダルシリカ分散液2]
コロイダルシリカ分散液「IPA−ST−MS」(製品名:日産化学社製)をPMA−STと同様に処理して得られたものを「IPA−ST−MS」とする。樹脂組成物調製前のIPA−ST−MS粒子の平均粒子径を表1に示す。
コロイダルシリカ分散液「IPA−ST−MS」(製品名:日産化学社製)をPMA−STと同様に処理して得られたものを「IPA−ST−MS」とする。樹脂組成物調製前のIPA−ST−MS粒子の平均粒子径を表1に示す。
[コロイダルシリカ分散液3]
コロイダルシリカ分散液「IPA−ST−ZL」(製品名:日産化学社製)をPMA−STと同様に処理して得られたものを「IPA−ST−ZL」とする。樹脂組成物調製前のIPA−ST−ZL粒子の平均粒子径を表1に示す。
コロイダルシリカ分散液「IPA−ST−ZL」(製品名:日産化学社製)をPMA−STと同様に処理して得られたものを「IPA−ST−ZL」とする。樹脂組成物調製前のIPA−ST−ZL粒子の平均粒子径を表1に示す。
[実施例1〜8]
コロイダルシリカ分散液1をスリーワンモーターで100rpmの速さで攪拌状態にし、樹脂溶液1を徐々に滴下しながら混合させた後、23℃でカールフィッシャー水分計(製品名「DL31」、メトラー・トレド社製)を用い水分量を測定しながら、表1に記載の水分量になるように超純水を添加して、樹脂組成物を得た。樹脂組成物中のコロイダルシリカの含有量をノボラック樹脂100部に対する量(phr)として表1に示す。
コロイダルシリカ分散液1をスリーワンモーターで100rpmの速さで攪拌状態にし、樹脂溶液1を徐々に滴下しながら混合させた後、23℃でカールフィッシャー水分計(製品名「DL31」、メトラー・トレド社製)を用い水分量を測定しながら、表1に記載の水分量になるように超純水を添加して、樹脂組成物を得た。樹脂組成物中のコロイダルシリカの含有量をノボラック樹脂100部に対する量(phr)として表1に示す。
[実施例9〜13]
コロイダルシリカ分散液2と樹脂溶液2とを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。樹脂組成物中のコロイダルシリカの含有量を脂環式オレフィン樹脂100部に対する量(phr)として表1に示す。
コロイダルシリカ分散液2と樹脂溶液2とを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。樹脂組成物中のコロイダルシリカの含有量を脂環式オレフィン樹脂100部に対する量(phr)として表1に示す。
[比較例1]
樹脂組成物として樹脂溶液1を用いた。
樹脂組成物として樹脂溶液1を用いた。
[比較例2〜7]
コロイダルシリカ分散液3を用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。樹脂組成物中のコロイダルシリカの含有量をノボラック樹脂100部に対する量(phr)として表1に示す。
コロイダルシリカ分散液3を用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。樹脂組成物中のコロイダルシリカの含有量をノボラック樹脂100部に対する量(phr)として表1に示す。
以上の樹脂組成物を用いて基板上に樹脂膜を形成し、基板周辺部における膜厚の偏りの評価、及び現像表面荒れの評価を行った。結果を表1に併せて示す。
実施例1〜13の、ノボラック樹脂又は脂環式オレフィン樹脂、平均粒子径が50nm以下である所定のコロイダルシリカ、有機溶剤、及び所定量の水を含んでなる樹脂組成物からなる樹脂膜ではいずれも、基板周辺部における膜厚の偏りや現像表面荒れは実質的に認められなかった。一方、比較例1の樹脂組成物のように所定量の水を含むが所定のコロイダルシリカを含まない場合には基板周辺部における膜厚の偏りが生じ、また、比較例2〜7の樹脂組成物のように所定量の水を含むが平均粒子径が50nmを超えるコロイダルシリカを含む場合には基板周辺部における膜厚の偏り及び/又は現像表面荒れが認められた。
Claims (8)
- 樹脂、平均粒子径が50nm以下である無機微粒子、有機溶剤、及び全量に対して0.01〜5重量%の水を含有してなる樹脂組成物。
- 無機微粒子の含有量が樹脂100重量部に対して5〜200重量部である請求項1記載の樹脂組成物。
- 無機微粒子がコロイダルシリカである請求項1又は2記載の樹脂組成物。
- 樹脂が、脂環式オレフィン樹脂、ノボラック樹脂、ビニルフェノール樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、芳香族ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物。
- 感放射線剤をさらに含有する請求項1〜4いずれか記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5いずれかに記載の樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して形成してなる樹脂膜を有する基板。
- 請求項5に記載の樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥した後、露光し、現像し、さらに加熱して形成してなるパターン化された樹脂膜を有する基板。
- 請求項6又は7に記載の基板を用いてなる電子部品。
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