JP3843995B2 - 感放射線性樹脂組成物、パターン状樹脂膜を有する基板の製造方法、及び該樹脂組成物の利用 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物、パターン状樹脂膜を有する基板の製造方法、及び該樹脂組成物の利用 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、粒子線や電子線のような活性放射線の照射により、現像液に対する溶解性を変化させる感放射線性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、保護膜、平坦化膜、電気絶縁膜などの電子部品用樹脂膜として、低誘電率で、透明性、耐熱性(特に、耐熱変色性)、解像度、残膜率、パターン形状に優れた樹脂膜を形成するための樹脂材料として好適な感放射線性樹脂組成物に関する。
背景技術
液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品や、液晶ディスプレイ用カラーフィルタなどには、それらの劣化や損傷を防止するための保護膜、素子表面や配線を平坦化するための平坦化膜、電気絶縁性を保つための電気絶縁膜など、機能性の電子部品用樹脂膜が設けられている。また、薄膜トランジスタ型液晶表示素子や集積回路素子には、層状に配置される各配線の間を絶縁するために層間絶縁膜が電子部品用樹脂膜として設けられている。
従来から電子部品用の絶縁膜形成用樹脂材料として熱硬化性樹脂材料が知られているが、十分な平坦性を有する層間絶縁膜を得ることが困難である。そこで、微細なパターニングが可能な新しい絶縁膜形成用樹脂材料の開発が求められている。また、近年、配線やデバイスの高密度化に伴い、これらの樹脂材料には、誘電特性に優れ、特に低誘電率であることが求められるようになってきている。
このような要求に対応して、エステル基を含有するノルボルネン系単量体を開環重合し、水素添加した後、エステル基部分を加水分解して得られるアルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂と、酸発生剤と、架橋剤とを含有する感放射線性樹脂組成物が提案されている(例えば、特開平10−307388号公報、特開平11−52574号公報)。
発明の開示
しかし、本発明者らは、アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂を含有する前記公知の感放射線性樹脂組成物を用いて得られる樹脂膜の特性について検討した結果、該樹脂膜は、誘電特性(低誘電率)、低吸水性、平坦性、耐溶剤性、耐熱寸法安定性などには優れるものの、透明性、解像度、露光マージン、残膜率などが十分ではなく、特に高温での加熱処理により変色し易く、さらには、良好なパターン形状を得ることが困難であることを見出した。
回路基板上にある電極やトランジスタの電気特性を向上させる目的で、基板を200℃以上の高温で加熱処理することがある。本発明者らが検討した結果、前記公知の感放射線性樹脂組成物を用いて形成された樹脂膜は、200℃以下の加熱処理温度では安定であるものの、200℃を超える高温で加熱処理すると変色し易いことが判明した。このため、前記公知の感放射線性樹脂組成物からなる樹脂膜を電気絶縁膜として有する透明回路基板を製造する場合、酸素濃度の極めて低い不活性ガス雰囲気下で加熱処理を行わなければ、電気絶縁膜の透明性を維持することができない。
本発明の目的は、アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂を基剤樹脂とし、低誘電率で、平坦性、耐熱寸法安定性、耐溶剤性などが良好であることに加えて、透明性、耐熱変色性、解像度、残膜率、パターン形状、露光マージンなどが顕著に優れた感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究した結果、アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂、キノンジアジドスルホン酸ハライドと少なくとも1つのフェノール性水酸基を有するフェノール類とのエステル化合物であるキノンジアジドスルホン酸エステルからなる酸発生剤、架橋剤、及び溶剤を含有する感放射線性樹脂組成物において、1分子中に芳香族環を3個以上有する特定構造のフェノール化合物を添加することにより、各成分の相溶性が良好で、解像度、露光マージン、残膜率、パターン形状などのパターンニング性能が向上する上、透明性、耐熱変色性などを顕著に改善できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
かくして、本発明によれば、
(A)アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂、
(B)キノンジアジドスルホン酸ハライドと少なくとも1つのフェノール性水酸基を有するフェノール類とのエステル化合物であるキノンジアジドスルホン酸エステルからなる酸発生剤、
(C)架橋剤、
(D)下記式(1)
Figure 0003843995
〔式(1)中、nは、1〜4の整数であり、Aは、n価の有機基もしくは炭素原子であり、Bは、2価の有機基もしくは単結合であり、Yは、水素原子もしくは炭素原子数1〜6のアルキル基であり、Zは、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、または下記式(2)
Figure 0003843995
(式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル基、または炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基である。)
で表される置換フェニル基であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル基、もしくは炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基である。ただし、Y及びZが共に水素原子の時、nは2〜4の整数であり、Aが炭素原子の時、nは4である。〕
で表され、かつ3個以上の芳香族環を有するフェノール化合物、及び
(E)溶剤
を含有する感放射線性樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、(1)前記の感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に膜を形成する工程1、
(2)該膜上にパターン状に活性放射線を照射して、該膜中に潜像パターンを形成する工程2、及び
(3)潜像パターンを形成した膜と現像液とを接触させて潜像パターンを顕在化させる工程3
を含むパターン状樹脂膜を有する基板の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、前記の感放射線性樹脂組成物の電子部品用樹脂膜としての利用が提供される。
同様に、本発明によれば、前記工程1ないし3を含む基板上へのパターン状樹脂膜の形成方法が提供される。また、本発明によれば、該形成方法により得られるパターン状樹脂膜が提供される。さらに、本発明によれば、該パターン状樹脂膜の電子部品用樹脂膜としての利用が提供される。
発明を実施するための最良の形態
1.脂環式オレフィン樹脂
本発明の感放射線性樹脂組成物は、基剤樹脂として、アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂を含有する。
本発明で使用する(A)アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂は、脂環式構造を含有するオレフィン単量体(以下、「脂環式オレフィン単量体」という)由来の構造単位を有する重合体である。該重合体は、脂環式オレフィン単量体由来の構造単位に加えて、それ以外の構造単位を含んでいてもよい。
本発明で使用するアルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂は、極性基を有するものが好ましい。特に、極性基として、カルボキシル基(すなわち、ヒドロキシカルボニル基)、酸無水物基(ジカルボン酸無水物残基)、スルホン酸基、リン酸基のような酸性基を有する脂環式オレフィン樹脂は、感放射線性樹脂組成物のアルカリ現像液に対する溶解性が高まるので好ましい。また、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、エステル基などの酸性基ではない極性基を有する脂環式オレフィン樹脂は、感放射線性樹脂組成物の耐熱性などの諸特性が向上するので好ましい。
アルカリ可溶性の脂環式オレフィン単量体に含有される脂環式構造は、単環であっても、多環(縮合多環、橋架け環、これらの組み合わせ多環等)であってもよい。機械的強度、耐熱性などの観点から、脂環式構造は、多環であることが好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数に格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であり、それによって、耐熱性、パターン形状などの諸特性が高度にバランスされる。
アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂中、脂環式オレフィン単量体由来の構造単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常30〜100重量%、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%である。脂環式オレフィン単量体由来の構造単位の割合が過度に少ないと、耐熱性に劣り好ましくない。
アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量として、通常500〜20,000、好ましくは1,000〜15,000、より好ましくは1,000〜10,000の範囲内である。
本発明に用いるアルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂としては、例えば、(i)脂環式オレフィン単量体の開環重合体、(ii) 脂環式オレフィン単量体の開環重合体の水素添加物、(iii)脂環式オレフィン単量体の付加重合体、(iv)脂環式オレフィン単量体とビニル化合物との付加重合体、(v)単環シクロアルケン重合体、(vi)脂環式共役ジエン重合体、(vii)ビニル系脂環式炭化水素重合体、(viii) ビニル系脂環式炭化水素重合体の水素添加物、(ix)芳香族オレフィン重合体の芳香環水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、脂環式オレフィン単量体の開環重合体及びその水素添加物、脂環式オレフィン単量体の付加重合体、脂環式オレフィン単量体とビニル化合物との付加重合体、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素添加物が好ましく、特に脂環式オレフィン単量体の開環重合体の水素添加物が好ましい。なお、これらの重合体は、単独重合体のみならず、共重合体をも包含している。
アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂を得る方法は特に制限されない。例えば、特開平11−52574号公報、特開2002−363263号公報、国際公開WO01/79325号公報などに記載された常法に従って、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、シクロペンタジエン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−ヒドロキシエトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどの脂環式オレフィン単量体を付加重合または開環重合し、必要に応じて不飽和結合部分を水素添加し、さらに必要に応じて、無水マレイン酸などの極性基を有する化合物を付加(グラフト)する変性反応等に付すことによって得られる。また、脂環式オレフィン単量体と、これと共重合可能な単量体(例えばエチレンなど)とを共重合して得ることもできる。
このほか、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルトルエンなどの芳香族オレフィンを付加重合して得られた重合体の芳香環を水素添加して、脂環式オレフィン単量体由来の構造単位と同じ構造単位を形成させてもよい。
アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂の中でも、アルカリ現像液に対する溶解性(アルカリ可溶性)や耐熱性の観点から、極性基を含有する脂環式オレフィン樹脂が好ましく、極性基として、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシル基(フェノール性水酸基、アルコール性水酸基)、またはエステル基を含有する脂環式オレフィン樹脂がより好ましい。
また、透明性、耐熱性、誘電特性などの点で、脂環式オレフィン単量体として、ノルボルネン系単量体を用いて得られる開環重合体、開環重合体の水素添加物、付加重合体、ビニル化合物との付加共重合体などが脂環式オレフィン樹脂として好ましく、ノルボルネン系単量体の開環重合体または該開環重合体の水素添加物であって、極性基を含有するものがより好ましい。
さらに、アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂として、−(CHCOOR(式中、kは、0または1〜4の整数であり、Rは、炭素原子数1〜12の炭化水素基もしくはフッ素置換炭化水素基である。)などの極性基を含有するノルボルネン系単量体の開環重合体の加水分解物、または該開環重合体の水素添加物の加水分解物がアルカリ可溶性が良好で、アルカリ現像液により現像が容易であり、感度も良好である点で特に好ましい。加水分解により、前記エステル基などの極性基が加水分解され、開環重合体やその水素添加物のアルカリ可溶性を向上させ、感放射線性樹脂組成物の感度を向上させる。
エステル基などの極性基を有するノルボルネン系単量体としては、例えば、5−アセトキシビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−アセトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。これらの中でも、誘電特性、感度、耐熱性などの観点から、前記エステル基を有するノルボルネン系単量体が好ましく、特に8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンが好ましい。
前記エステル基などの極性基を有するノルボルネン系単量体の開環重合体またはその水素添加物を加水分解するには、常法に従って溶剤中でアルカリまたは酸を用いて加水分解を行う方法を採用することができる。反応温度、反応時間、酸またはアルカリの量などを調整することにより、加水分解率を制御することができる。
2.酸発生剤
本発明に用いる(B)酸発生剤は、活性放射線の照射により酸を発生させる化合物である。活性放射線の照射により生成した酸は、感放射線性樹脂組成物から形成される樹脂膜の活性放射線照射部と未照射部との溶解度差を大きくし、パターニングを可能とする。
ポジ型パターンを与える酸発生剤としては、キノンジアジドスルホン酸エステルが挙げられる。キノンジアジドスルホン酸エステルは、一般的に感光剤として用いられている、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドなどのキノンジアジドスルホン酸ハライドとフェノール性水酸基を1つ以上有するフェノール類とのエステル化合物である。フェノール類としては、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、ノボラック樹脂のオリゴマー、フェノール類とジシクロペンタジエンとを共重合して得られるオリゴマー(例えば、特許第3090991号公報参照)などが挙げられる。
発生剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸発生剤の使用割合は、脂環式オレフィン樹脂100重量部に対して、通常0.5〜100重量部、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部である。酸発生剤の使用割合が小さすぎると、残膜率や解像性が悪くなるおそれがあり、逆に、酸発生剤の使用割合が大きすぎると、耐熱性(耐熱変色性)や光透過性(透明性)が低下するおそれがある。
3.架橋剤
本発明において使用する(C)架橋剤は、脂環式オレフィン樹脂と反応して脂環式オレフィン樹脂間に架橋構造を形成するものであり、具体的には、2以上の反応性基を有するラジカル重合性を有さない化合物である。反応性基としては、例えば、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、ビニル基などが挙げられる。
架橋剤の具体例としては、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン類;4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルフォンなどの芳香族ポリアミン類;2,6−ビス(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン、4,4′−ジアジドジフェニルスルフォンなどのアジド化合物;ナイロン、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミドなどのポリアミド類;N,N,N′,N′,N″,N″−(ヘキサアルコキシメチル)メラミンなどのメラミン類;N,N′,N″,N′′′−(テトラアルコキシメチル)グリコールウリルなどのグリコールウリル類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート樹脂などのアクリレート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート系ポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート系ポリイソシアネートなどのイソシアネート系化合物;水添ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート;1,4−ジ−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ−(ヒドロキシメチル)ノルボルナン;1,3,4−トリヒドロキシシクロヘキサン;ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ポリグリシジルエーテル、脂環式構造含有のエポキシ化合物(樹脂)などのエポキシ化合物;などが挙げられる。これらの架橋剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の中でも、耐熱性が良好である点で、N−アルコキシメチル化メラミンやN−アルコキシメチル化グリコールウリル、エポキシ化合物が好ましい。これらの化合物は、PL−1170、PL−1174、UFR65、CYMEL300、CYMEL303(以上、いずれも商品名、三井サイテック社製)、BX−4000、ニカラックMW−30、MX290(以上、いずれも商品名、三和ケミカル社製)、エピコートシリーズ(油化シェルエポキシ社製)などの市販品として入手が容易である。また、密着性や貯蔵安定性を良好にするためには、架橋剤としてイソシアネート系化合物を用いるのが好ましい。架橋剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の使用割合は、脂環式オレフィン樹脂100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは5〜80重量部、より好ましくは10〜70重量部、最も好ましくは20〜50重量部である。架橋剤の使用割合が大きすぎても小さすぎても、パターニング性能が低下する傾向にある。
4.フェノール化合物
本発明で使用する(D)フェノール化合物は、1分子中に芳香族環を3個以上有し、かつ前記式(1)で表される化合物である。
式(1)中、nは、1〜4の整数である。YとZとが共に水素原子の時、nは、2〜3の整数である。Aが炭素原子の時、nは、4である。YとZが共に水素原子の時、nは、好ましくは3または4であり、より好ましくは3である。YとZが共に水素原子である時以外は、nは、好ましくは1または2である。
式(1)中、Aは、n価の有機基または炭素原子である。n価の有機基としては、炭素原子数が1〜6、好ましくは3〜5、より好ましくは3〜4のアルキル基が挙げられる。アルキル基は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよい。また、n価の有機基としては、−(CH−G−CH)y−(yは、1〜3、好ましくは1〜2の整数であり、Gは、酸素原子または硫黄原子である。)、ベンゼン環を1もしくは2個有する炭素原子数6〜22のn価の有機基、及び複素環を有するn価の有機基が挙げられる。
nが1であるとき、Aは、下記式(3)
Figure 0003843995
〔式(3)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子またはヒドロキシフェニルアルキル基(アルキル部分の炭素原子数は1〜3)である。〕
で表わされる1価の有機基であるのが好ましい。
nが2であるとき、Aは、炭素原子数1〜6、好ましくは3〜5、より好ましくは3〜4のアルキル基、−(CH−G−CH)y−(yは、1〜3、好ましくは1〜2の整数であり、Gは、酸素原子または硫黄原子である。)、2価のフェニレン基(フェニレン基は、ヒドロキシル基または炭素原子数1〜3のアルキル基を置換基として有していてもよい。以下、同じ。)であるのが好ましい。
nが3のとき、Aは、3価のフェニレン基または下記式(4)
Figure 0003843995
で表わされる3価の有機基であるのが好ましい。nが4のとき、Aは、炭素原子であるのが好ましい。
式(1)中、Bは、2価の有機基または単結合であり、好ましくは下記式(5)
Figure 0003843995
〔式(5)中、Lは、酸素原子もしくは−NH−であり、mは、1〜3の整数である。〕
で表わされる2価の有機基(ただし、LによりY及びZが結合する炭素原子に結合する。)または単結合であり、より好ましくは単結合である。
式(1)中、Yは、水素原子または炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状、また環状のアルキル基である。
式(1)中、Zは、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、または前式(2)で表される基である。
式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル基、または炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基である。
前記式(1)で表されるフェノール化合物は、感放射線性樹脂組成物中の他の成分との相溶性に優れ、良好なパターン形状を与える。
本発明に用いるフェノール化合物としては、芳香族環を個以上有するものが用いられる。
個の芳香族環を有する化合物としては、以下のフェノール化合物を例示することができる。
i)式(1)において、n=1、A=4−ヒドロキシフェニル、B=単結合、R〜R=水素原子、Y=水素原子、Z=式(2)で表わされる置換フェニル基〔式(2)中のR〜R=水素原子〕であるトリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ii)式(1)において、n=1、A=4−ヒドロキシフェニル、B=単結合、R〜R=水素原子、Y=メチル基、Z=式(2)で表わされる置換フェニル基〔式(2)中のR〜R=水素原子〕である1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
iii)式(1)において、n=1、A=4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル、B=単結合、R=メチル基、R及びR=水素原子、Y=メチル基、Z=式(2)で表わされる置換フェニル基〔式(2)中のR=メチル基、R及びR=水素原子〕である1,1,1−トリス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、
iv)式(1)において、n=1、A=4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル〕フェニル、B=単結合、R、R及びR=水素原子、Y=メチル、Z=式(2)で表わされる置換フェニル基〔式(2)中のR〜R=水素原子〕である4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ビスフェノール、
v)式(1)において、n=2、A=4−ヒドロキシ−1−フェニル、B=単結合、R=メチル基、R及びR=水素原子、Y=メチル基、Z=式(2)で表わされる置換フェニル基〔式(2)中のR=メチル基、R及びR=水素原子〕である1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
vi)式(1)において、n=2、A=1,4−フェニレン、B=単結合、R=メチル基、R及びR=水素原子、Y及びZ=メチル基である1,4−ビス〔2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピル〕ベンゼン。
3個の芳香族環の他に脂肪族環又は複素環を有する化合物としては、以下のフェノール化合物を例示することができる。
i)式(1)において、n=3、A=式(4)で表わされる有機基、B=単結合、R及びR=t−ブチル基、R=水素原子、Y及びZ=水素原子であるトリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、
ii)式(1)において、n=1、A=2−ヒドロキシフェニル、B=単結合、R=シクロヘキシル基、R=水素原子、R=メチル基、Y=水素原子、Z=式(2)で表わされる置換フェニル基〔式(2)中のR=シクロヘキシル基、R=水素原子、R=メチル基〕である4,4′−〔(2−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)。
4個以上の芳香族環を有する化合物としては、以下のフェノール化合物を例示することができる。
i)式(1)において、n=1、A=ジ(4−ヒドロキシフェニル)メチル、B=単結合、R〜R=水素原子、Y=水素原子、Z=式(2)で表わされる置換フェニル基〔式(2)中のR〜R=水素原子〕である1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
ii)式(1)において、n=1、A=ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル、B=単結合、R=メチル基、R及びR=水素原子、Y=水素原子、Z=式(2)で表わされる置換フェニル基〔式(2)中のR=メチル基、R及びR=水素原子〕である1,1,2,2−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、
iii)式(1)において、n=3、A=1,3,5−フェニレン、B=単結合、R、R、及びR=水素原子、Y及びZ=メチル基である1,3,5−トリス〔2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル〕ベンゼン、
iv)式(1)において、n=3、A=2,4,6−トリメチル−1,3,5−フェニレン、B=単結合、R及びR=t−ブチル基、R=水素原子、Y及びZ=水素原子である1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
v)式(1)において、n=2、A=1,3−フェニレン、B=単結合、R〜R=水素原子、Y=水素原子、Z=式(2)で表わされる置換フェニル基〔式(2)中のR〜R=水素原子〕であるα,α,α′,α′−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−3−キシレン、
vi)式(1)において、n=2、A=1,4−フェニレン、B=単結合、R〜R=水素原子、Y=水素原子、Z=式(2)で表わされる置換フェニル基〔式(2)中のR〜R=水素原子〕であるα,α,α′,α′−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−4−キシレン、
vii)式(1)において、n=2、A=1,4−フェニレン、B=単結合、R=メチル基、R及びR=水素原子、Y=水素原子、Z=式(2)で表わされる置換フェニル基〔式(2)中のR=メチル基、R及びR=水素原子〕であるα,α,α′,α′−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−キシレン、
viii)式(1)において、n=4、A=C、B=式(5)で表わされる2価の有機基〔式(5)中のL=酸素原子、m=2〕、R及びR=t−ブチル基、R=水素原子、Y及びZ=水素原子であるペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]。
これらのフェノール化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
フェノール化合物としては、脂環式オレフィン樹脂との高い相溶性があり、透明性に優れる点から、環構造を豊富に有する化合物、具体的には1分子中に芳香族環を3個以上有する化合物が用いられるが、芳香族環を4個有する化合物または3個の芳香族環の他に脂肪族環もしくは複素環を有する化合物が好ましい。
(D)フェノール化合物の使用割合は、脂環式オレフィン樹脂100重量部に対して、通常0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜25重量部、より好ましくは0.5〜20重量部である。フェノール化合物の使用割合が小さすぎると、十分な効果を得ることが困難になり、逆に、大きすぎると、現像残渣が発生し易くなる。Zが水素原子であるフェノール化合物は、上記使用割合の中でも少なめの添加量(10重量部以下)でパターンニング性能と透明性能とをバランスさせることができる点で好ましい。
5.溶剤
本発明において(E)溶剤は、前記各成分を溶解することができる溶剤を用いればよい。このような溶剤として、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブエステル類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノt−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチルなどのエステル類;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチルラクトンなどの非プロトン性極性溶剤;等が挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶剤は、前記各成分を均一に溶解するに足る量で使用される。
6.その他の添加剤
本発明の感放射線性樹脂組成物には、ストリエーション(塗布すじあと)の防止、現像性の向上などの目的で、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンジラウレートなどのノニオン系界面活性剤;新秋田化成社製エフトップシリーズ、大日本インキ化学工業社製メガファックシリーズ、住友スリーエム社製フロラードシリーズ、旭硝子社製アサヒガードシリーズなどのフッ素系界面活性剤;信越化学社製オルガノシロキサンポリマーKPシリーズなどのシラン系界面活性剤;共栄社油脂化学工業社製ポリフローシリーズなどのアクリル酸共重合体系界面活性剤;などの各種界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤は、感放射線性樹脂組成物の固形分100重量部に対して、通常2重量部以下、好ましくは1重量部以下の量で必要に応じて用いられる。
本発明の感放射線性樹脂組成物には、基板との接着性を向上させる目的で、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどの官能性シランカップリング剤などを接着助剤として添加することができる。接着助剤の使用割合は、脂環式オレフィン樹脂100重量部に対して、通常20重量部以下、好ましくは0.05〜10重量部、特に好ましくは1〜10重量部である。
さらに本発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、帯電防止剤、保存安定剤、消泡剤、顔料、染料などの各種添加剤を添加してもよい。
7.感放射線性樹脂組成物とその利用
各成分を常法に従って混合し、溶剤に溶解して感放射線性樹脂組成物を調製する。本発明の感放射線性樹脂組成物の固形分濃度は、必要な樹脂膜の厚みを考慮して適宜設定すればよいが、操作性の観点から、通常5〜40重量%である。感放射線性樹脂組成物は、孔径0.1〜1μm程度のフィルタを用いて異物などを濾過により除去した後、使用に供することが好ましい。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、ディスプレイ表示素子、集積回路素子などの素子や、液晶ディスプレイ用カラーフィルタなどの保護膜、素子表面や配線を平坦化するための平坦化膜、電気絶縁性を保つための絶縁膜(薄型トランジスタ型液晶表示素子や集積回路素子の電気絶縁膜である層間絶縁膜やソルダーレジスト膜などを含む)のような各種の電子部品用樹脂膜の材料として好適である。
本発明の感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に樹脂膜を形成し、例えばマスクパターンを介して活性放射線を照射して、樹脂膜中に潜像パターンを形成し、潜像パターンを有する樹脂膜と現像液とを接触させることにより樹脂パターンを顕在化させて基板上にパターンを形成する。
すなわち、下記の各工程1〜3:
(1)感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に膜を形成する工程1、
(2)該膜上にパターン状に活性放射線を照射して、該膜中に潜像パターンを形成する工程2、及び
(3)潜像パターンを形成した膜と現像液とを接触させて潜像パターンを顕在化させる工程3
により、パターン状樹脂膜を有する基板を製造することができる。この製造方法によって、パターン状の樹脂膜(「樹脂パターン」ともいう)を得ることができる。
基板上に樹脂膜を形成する方法としては、基板表面に感放射線性樹脂組成物を塗布、乾燥して基板上に直接樹脂膜を形成する方法;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムなどからなる支持体上に感放射線性樹脂組成物を塗布、乾燥して樹脂膜を形成した後、支持体付き樹脂膜を基板上に重ね合わせる方法がある。支持体付き樹脂膜を基板に重ね合わせる際、加圧ラミネータ、加圧プレス、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータなどの加圧機を使用して加熱圧着するのが望ましい。加熱圧着時の温度は、通常30〜250℃、好ましくは70〜200℃である。圧着力は、通常10kPa〜20MPa、好ましくは100kPa〜10MPaである。圧着時間は、通常30秒間〜5時間、好ましくは1分間〜3時間である。加熱圧着に際しては、通常100kPa〜1Pa、好ましくは40kPa〜10Paに雰囲気を減圧することが望ましい。
基板表面や支持体上に感放射線性樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法などの各種の方法を採用することができる。次いで、この塗膜を加熱により乾燥し、流動性のない樹脂膜を得る。基板表面に直接樹脂膜を形成する場合の加熱条件は、各成分の種類、配合割合などによっても異なるが、通常60〜120℃で10〜600秒間程度である。基板表面に感放射線性樹脂組成物を塗布、乾燥して基板上に直接樹脂膜を形成する方法において、乾燥のための加熱を、一般に「プリベーク(Pre−Bake)」と言う。
得られた樹脂膜に活性放射線を照射し、樹脂膜に潜像パターンを形成する。活性放射線の種類は、特に制限されず、例えば、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、プロトンビーム線などが挙げられ、特に可視光線、紫外線が好ましい。照射する放射線量は、樹脂膜の種類や厚みにより任意に設定することができる。パターンの形成は、マスクを介して照射線を照射することによっても、電子線などで直接描画することによってもよい。
放射線照射後、基板上の潜像パターンを有する樹脂膜と現像液とを接触させることで、照射部を除去し、潜像パターンを顕在化(現像)する。現像前に、必要に応じて加熱(PEB処理:Post Exposure Bake)を行うことができる。PEB処理を行うことにより、現像液に溶解して除去されるべき不要な樹脂成分などの現像残渣を減らすことができる。脂環式オレフィン樹脂がアルカリ溶解性の極性基、特に酸性基を有していると、現像液による流出が、より容易になるので好ましい。
現像液としては、一般に、アルカリ化合物を水に溶解した水性液が好ましく用いられる。アルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第一級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの第二級アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、N−メチルピロリドンなどの第三級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどの第四級アンモニウム塩;ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンなどの環状アミン類;等が挙げられる。これらアルカリ化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
現像液に、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加することもできる。
現像時間は、通常30〜180秒間である。現像液と潜像パターンを有する樹脂膜との接触方法は、特に制限されず、例えば、パドル法、スプレー法、ディッピング法などによればよい。現像温度は、特に制限されないが、通常15〜35℃、好ましくは20〜30℃である。
このようにして基板上に目的とする樹脂パターンを形成した後、必要に応じて、基板上、基板裏面、基板端部に残る不要な現像残渣を除去するために、この基板とリンス液とを常法により接触させことができる。リンス液と接触させた基板は、通常、圧縮空気や圧縮窒素で乾燥させることによって、基板上のリンス液が除去される。さらに、必要に応じて、基板の樹脂パターンのある面に活性放射線を全面照射することもできる。
基板上に形成された樹脂パターンは、必要に応じて、加熱(ポストベーク:Post Bake)により硬化される。加熱の方法は、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置により行われる。加熱温度は、通常150〜250℃、好ましくは180〜220℃であり、加熱時間は、例えばホットプレートを用いる場合、通常5〜60分間、オーブンを用いる場合、通常30〜90分間である。ポストベークは、低酸素雰囲気中、具体的には酸素濃度10ppm以下の雰囲気中で行うことが好ましい。
実施例
以下に合成例、実施例、及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、各例中の「部」及び「%」は、特に断りのない限り重量基準である。
[合成例1]
特開平11−52574号公報の合成例5に開示されている方法に準じて、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(すなわち、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン)を開環重合し、重量平均分子量が17,600の開環重合体を得た。次いで、得られた開環重合体を水素添加して、水素転化率100%の開環重合体水素添加物を得た。この開環重合体水素添加物100部、N−メチル−2−ピロリドン100部、プロピレングリコール500部、水酸化カリウム(85%)84.5部を反応器に仕込み、190℃で1.5時間加熱撹拌した。得られた反応溶液を大量の水、テトラヒドロフラン、及び塩酸を含む混合溶液に注いで、加水分解物を凝固させた。凝固ポリマーを水洗、乾燥して、加水分解率75%のポリマーを得た。
[実施例1]
合成例1で得たポリマー100部に対して、シクロヘキサノン550部、1,2−キノンジアジド化合物として1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(1.9モル)との縮合物20重量部、架橋剤としてCYMEL300(商品名、三井サイテック社製)25部、接着助剤としてγ−グリドキシプロピルトリメトキシシラン5部、界面活性剤としてメガファックF172(商品名、大日本インキ化学工業社製)0.05部、及びフェノール化合物として4,4′−〔(2−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)1.0部を混合し、各成分を均一に溶解させた後、孔径0.45μmのミリポアフィルターで濾過して、感放射線性感光性樹脂組成物(溶液)を調製した。
この溶液をシリコン基板上にスピンコートした後、90℃にて2分間ットプレート上でプリベークして、膜厚3.0μmの塗膜を形成した。
得られた塗膜付きのシリコン基板上に所定のパターンを有するマスクを置き、波長365nm、光強度5mW/cmの紫外線を空気中で40秒間照射した。次いで、現像液として0.3%のテトラメチルアンモニウム水溶液を用いて、25℃で60秒間の現像処理を行った。その後、超純水でリンス処理を1分間行い、ポジ型のパターンを有する薄膜を形成した。その後、全面に365nmにおける光強度が5mW/cmである紫外線を60秒間照射した。このパターンが形成されたシリコン基板をホットプレート上、200℃で30分間加熱することにより、パターン及び塗膜のポストベークを行い、パターン状薄膜(パターン状樹脂膜)を形成したシリコン基板を得た。
シリコン基板の代わりに、ガラス基板、及び1μm段差を有するシリコン酸化膜基板(以下、「段差有基板」という)を用いて、前記と同様にして、パターン状薄膜を形成したガラス基板、及び段差有基板を得た。
[実施例2]
フェノール化合物として、4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ビスフェノールを用いる以外は、実施例1と同様にしてパターン状薄膜を形成したシリコン基板、ガラス基板、及び段差有基板を得た。
[実施例3]
フェノール化合物として、1,4−ビス〔2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピル〕ベンゼンを用いる以外は、実施例1と同様にしてパターン状薄膜を形成したシリコン基板、ガラス基板、及び段差有基板を得た。
[実施例4]
フェノール化合物として、1,3,5−トリス〔2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル〕ベンゼンを用いる以外は、実施例1と同様にしてパターン状薄膜を形成したシリコン基板、ガラス基板、及び段差有基板を得た。
[実施例5]
フェノール化合物として、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンを用いる以外は、実施例1と同様にしてパターン状薄膜を形成したシリコン基板、ガラス基板、及び段差有基板を得た。
[実施例6]
フェノール化合物として、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレートを用いる以外は、実施例1と同様にしてパターン状薄膜を形成したシリコン基板、ガラス基板、及び段差有基板を得た。
[比較例1]
フェノール化合物を用いないこと以外は、実施例1と同様にしてパターン状薄膜を形成したシリコン基板、ガラス基板、及び段差有基板を得た。
<物性の評価>
実施例1〜6及び比較例1において得られた各シリコン基板は、いずれもJIS C6481に準じて測定した10KHz(室温)での比誘電率(ε)が2.85未満、かつ基板を220℃のオーブンで60分間加熱した後の膜厚が、加熱前の膜厚の95%以上であり、低誘電率で、耐熱寸法安定性に優れることが確認された。
実施例1〜6及び比較例1において得られた各ガラス基板は、いずれも基板を70℃のジメチルスルホキシド中に30分間浸漬した場合、膜厚変化率(S)が10%未満であり、耐溶剤性に優れていることが確認された。
さらに、実施例1〜6及び比較例1において得られたパターン状薄膜が形成された各段差有基板について、段差を接触式膜厚測定器で測定したところ、いずれも0.1μm未満であり、平坦性に優れていることが確認された。
透明性、耐熱変色性、解像度、及びパターン形状について、以下の方法により評価した。その結果を表1に示した。
(1)透明性:
実施例1〜6及び比較例1で得られたパターン状薄膜を形成した各ガラス基板について、日本分光社製の紫外可視近赤外分光光度計(V−570)を用いて、400〜800nmの波長での最低光線透過率(t)を測定した。
(2)耐熱変色性:
実施例1〜6及び比較例1で得られたパターン状薄膜を形成した各ガラス基板を、それぞれ240℃のオーブンで60分間加熱した後、最低光線透過率(t)を上記(1)と同様に測定し、下式により加熱前後の変化率(T)を算出した。
T=〔(t−t)/t〕×100
この加熱変化率を耐熱変色性の指標とした。
(3)解像度:
実施例1〜6及び比較例1で得られたパターン状薄膜を形成した各ガラス基板について、パターン状薄膜を走査型電子顕微鏡にて観察し、ライン・アンド・スペース(L&S)が1:1の線幅で形成されている最小のパターン寸法(W)を測定した。
(4)残膜率:
0.3%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(25℃)による1分間現像前後の未露光部分の膜厚を接触式の膜厚測定器を用いて測定し、(現像後の膜厚/現像前膜厚)×100を残膜率(R)とした。
(5)パターン形状:
パターンニング後のライン・アンド・スペース(L&S)断面を走査型電子顕微鏡にて観察し、感放射線性樹脂組成物由来の残渣がなく、形状崩れもない矩形である時をA、樹脂パターンと基板の界面に僅かなすそ引きがある時をB、スペース部分に現像残渣が存在する時をCと評価した。
これらの測定結果を表1に示す。
Figure 0003843995
以上の結果より、本発明の感放射線性樹脂組成物を用いた場合(実施例1〜6)、比誘電率、耐熱寸法安定性、平坦性、耐溶剤性の特性バランスを高度に維持したまま、透明性、耐熱変色性、解像度、残膜率などが顕著に改善され、パターン形状も良好な樹脂膜の得られることが判る。本発明の感放射線性樹脂組成物は、解像度や残膜率などに優れることから、露光マージンも良好である。
産業上の利用可能性
本発明によれば、誘電特性、耐熱変色性、平坦性、耐溶剤性などに優れることに加えて、透明性、耐熱変色性、解像度、残膜率などが顕著に改善され、パターン形状も良好な感放射線性樹脂組成物が提供される。本発明の感放射線性樹脂組成物から形成された樹脂膜は、200℃を超える高温での加熱処理によっても変色し難く、高度の透明性を維持することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたパターン状の樹脂膜は、透明性に優れた透明樹脂膜として用いることができる。本発明の樹脂膜は、例えば、半導体素子、発光ダイオード、各種メモリー類のごとき電子素子;ハイブリッドIC、MCM、プリント配線基板などのオーバーコート材;多層回路基板の層間絶縁膜;液晶ディスプレイの絶縁層など、各種の電子部品に好適に用いることができる。

Claims (16)

  1. (A)アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂、
    (B)キノンジアジドスルホン酸ハライドと少なくとも1つのフェノール性水酸基を有するフェノール類とのエステル化合物であるキノンジアジドスルホン酸エステルからなる酸発生剤、
    (C)架橋剤、
    (D)下記式(1)
    Figure 0003843995
    〔式(1)中、nは、1〜4の整数であり、Aは、n価の有機基もしくは炭素原子であり、Bは、2価の有機基もしくは単結合であり、Yは、水素原子もしくは炭素原子数1〜6のアルキル基であり、Zは、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、または下記式(2)
    Figure 0003843995
    (式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル基、または炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基である。)
    で表される置換フェニル基であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル基、もしくは炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基である。ただし、Y及びZが共に水素原子の時、nは2〜4の整数であり、Aが炭素原子の時、nは4である。〕
    で表され、かつ3個以上の芳香族環を有するフェノール化合物、及び
    (E)溶剤
    を含有する感放射線性樹脂組成物。
  2. (A)アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂が(i)脂環式オレフィン単量体の開環重合体、(ii) 脂環式オレフィン単量体の開環重合体の水素添加物、(iii)脂環式オレフィン単量体の付加重合体、(iv)脂環式オレフィン単量体とビニル化合物との付加重合体、(v)単環シクロアルケン重合体、(vi)脂環式共役ジエン重合体、(vii)ビニル系脂環式炭化水素重合体、(viii) ビニル系脂環式炭化水素重合体の水素添加物、及び(ix)芳香族オレフィン重合体の芳香環水素添加物からなる群より選ばれる少なくとも一種の脂環式オレフィン樹脂である請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. (A)アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂が、極性基を含有する脂環式オレフィン樹脂である請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. 極性基を含有する脂環式オレフィン樹脂が、極性基として、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、またはエステル基を含有する脂環式オレフィン樹脂である請求項3記載の感放射線性樹脂組成物。
  5. (A)アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂が、ノルボルネン系単量体の開環重合体または該開環重合体の水素添加物であって、極性基を含有するものである請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
  6. (A)アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂が、置換基として−(CHCOOR(式中、kは、0または1〜4の整数であり、Rは、炭素原子数1〜12の炭化水素基もしくはフッ素置換炭化水素基である。)を含有するノルボルネン系単量体の開環重合体または該開環重合体の水素添加物の加水分解物である請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
  7. (C)架橋剤が、少なくとも2つの反応性基を含有し、脂環式オレフィン樹脂と反応して脂環式オレフィン樹脂間に架橋構造を形成することができる化合物である請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
  8. (C)架橋剤が、脂肪族ポリアミン類、芳香族ポリアミン類、アジド化合物類、ポリアミド類、メラミン類、グリコールウリル類、アクリレート化合物類、イソシアネート化合物類、水添ジイソシアネート系ポリイソシアネート類、1,4−ジ−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ−(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、1,3,4−トリヒドロキシシクロヘキサン、及びエポキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
  9. (D)3個以上の芳香族環を有するフェノール化合物が、前記式(1)において、Aが、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、下式
    −(CH−G−CH
    (式中、Gは、酸素原子もしくは硫黄原子であり、yは、1〜3の整数である。)
    で表わされる2価の有機基、ベンゼン環を1もしくは2個有する炭素原子数6〜22のn価の有機基、または複素環を有するn価の有機基である請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
  10. (D)3個以上の芳香族環を有するフェノール化合物が、前記式(1)において、nが1であって、かつAが、下記式(3)
    Figure 0003843995
    〔式(3)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子またはヒドロキシフェニルアルキル基(アルキル部分の炭素原子数は1〜3)である。〕
    で表わされる1価の有機基である請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
  11. (D)3個以上の芳香族環を有するフェノール化合物が、前記式(1)において、nが2であって、かつAが、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、下式
    −(CH−G−CH
    (式中、Gは、酸素原子もしくは硫黄原子であり、yは、1〜3の整数である。)
    で表わされる2価の有機基、または2価のフェニレン基(ただし、フェニレン基は、ヒドロキシル基もしくは炭素原子数1〜3のアルキル基を置換基として含有していてもよい。)である請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
  12. (D)3個以上の芳香族環を有するフェノール化合物が、前記式(1)において、nが3であって、かつAが、3価のフェニレン基(ただし、フェニレン基は、ヒドロキシル基もしくは炭素原子数1〜3のアルキル基を置換基として含有していてもよい。)、または下記式(4)
    Figure 0003843995
    で表わされる3価の有機基である請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
  13. (D)3個以上の芳香族環を有するフェノール化合物が、前記式(1)において、Bが、下記式(5)
    Figure 0003843995
    〔式(5)中、Lは、酸素原子もしくは−NH−であり、mは、1〜3の整数である。〕
    で表わされる2価の有機基(ただし、LによりY及びZが結合する炭素原子に結合する。)、または単結合である請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
  14. (A)アルカリ可溶性の脂環式オレフィン樹脂100重量部に対して、(B)キノンジアジドスルホン酸エステルからなる酸発生剤0.5〜100重量部、(C)架橋剤1〜100重量部、(D)前記式(1)で表わされ、3個以上の芳香族環を有するフェノール化合物0.1〜30重量部、及び(E)前記各成分を均一に溶解するに足る量の溶剤を含有する請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
  15. (1)請求項1ないし14のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物を用いて基板上に膜を形成する工程1、
    (2)該膜上にパターン状に活性放射線を照射して、該膜中に潜像パターンを形成する工程2、及び
    (3)潜像パターンを形成した膜と現像液とを接触させて潜像パターンを顕在化させる工程3
    を含むパターン状樹脂膜を有する基板の製造方法。
  16. 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物の電子部品用樹脂膜としての利用。
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