JP2006291003A - ポリイミド共重合体およびポリイミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリイミド共重合体およびポリイミド樹脂組成物 Download PDF

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井 基 泰 安
Takayasu Kido
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Abstract

【課題】
耐熱性と靭性とに優れた特定の組成であるポリイミド共重合体、またランダム共重合性が特定されたポリイミド共重合体、更には該ポリイミド共重合体と繊維補強材とからなる樹脂組成物、並びに該樹脂組成物から得られる成形体を提供することである。
【解決手段】
繰り返し単位が化学式(1)及び化学式(2)の2種であり、分子末端が化学式(3)及び/または化学式(4)であり、mが0.930〜0.990であり、nが0.070〜0.010であるポリイミド共重合体、それと繊維補強材とから得られるポリイミド樹脂組成物、およびそれから得られる成形体を与える。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性と靭性とに優れた特定の組成であるポリイミド共重合体、またランダム共重合性が特定されたポリイミド共重合体に関する。更には該ポリイミド共重合体と繊維補強材とからなる樹脂組成物、並びに該樹脂組成物から得られる成形体に関する。
ポリイミド樹脂はその耐熱性に加え、力学的強度、寸法安定性に優れ、難燃性、電気絶縁性などを併せ持つために、電気・電子機器・宇宙航空機・輸送機器等の分野で使用されている。今後も耐熱性が要求される分野へ幅広く用いられることが期待され、優れた特性を示すポリイミド樹脂が開発されている。
例えば、射出成形が可能な熱可塑性ポリイミド樹脂として、商品名『AURUM』(三井化学社製)が開発された(特開昭62−68817号公報等)。このポリイミド樹脂は、押出成形や射出成形等の溶融成形へ好適に供されている。このポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)は245℃であり、融点(Tm)は388℃である。荷重たわみ温度(荷重41.2N)の評価によると、ナチュラル材(ニート)の『AURUM』は238℃であり、炭素繊維30重量%充填材『AURUM』は248℃であるので、耐熱性に優れているといえる。
本質的に『AURUM』は結晶性樹脂であり、成形後に熱処理(いわゆるアニーリング処理、もしくはアニーリング)を実施することによって結晶化させることが可能である。結晶化させた場合、『AURUM』の荷重たわみ温度(荷重41.2N)は、ナチュラル材(ニート)で260℃であり、炭素繊維30重量%充填材『AURUM』の荷重たわみ温度(荷重41.2N)は、349℃である。結晶化していない場合と比較して、顕著に高い耐熱性を有している。
しかしながら、このポリイミド樹脂は結晶化が遅く、すなわち結晶化に要する時間が長く、一般的な成形サイクル、例えば30〜60秒程度の射出成形サイクルで得られる成形品は、非晶質である。そのため、得られた成形品は、ガラス転移点以下の温度条件で使用する限りにおいては、寸法精度と曲げ弾性率に優れる特徴を有する。
一方、得られた成形品を、ガラス転移点以上の温度条件下で使用すると、曲げ弾性率が著しく低下し、成形品の形状を維持できず、継続的な使用が困難となる。この『AURUM』からなる成形品を、ガラス転移点以上の温度条件下で継続的に使用しようとする場合は、非晶質な成形品に熱処理を実施して結晶化させればよい。
しかし、一度成形して得られた非晶質の成形品を結晶化させるため、長い時間を要する熱処理工程に供することは、生産性を著しく低下させ、更には結晶化に伴う成形品の熱収縮により、寸法変化、変形、表面粗化等の問題が生じる。
結晶性でかつ結晶化が速いポリイミド樹脂として、特開昭61−143433号、特開昭62−11727号、特開昭63−172735号等に開示され、化学式(5)で示される繰り返し単位を有しているポリイミドがある。
このポリイミド樹脂が、射出成形に供することが可能であり、さらに通常の成形サイクルにおいて、金型内で結晶化することが可能であり、得られる成形体は、高い耐熱性と寸法精度を有する。
Figure 2006291003
このポリイミドを成型する際の熱安定性の向上させ、実用化に向けた検討が種々なされた(Macromolecules,29巻・135〜142貢(1996年)、及びMacromolecules,30巻・1012〜1022貢(1997年)、特開2000−103854号公報参照)。
該ポリイミド樹脂は、その耐熱性を特徴として、特に電気・電子部品の分野で、幅広く使用されるようになった。最近では、製品の厚みが1mm以下の薄肉成形品の要求が高くなっている。例えば、表面実装用材料(SMT材料)への使用が望まれる。
ところが、組立工程において、コンタクトピンの圧入時等によって、成形品へクラックが発生し、割れてしまうことが多く、問題となっていた。すなわち、該ポリイミド樹脂の問題点である脆さを改良し、靭性を向上させたポリイミド樹脂が望まれていた。
一般に靭性とは、エネルギーを吸収することができることを示す。靭性の大きい材料とは、破壊するまでのエネルギー(仕事量)が大きいことである。具体的には、破断に至るまでの伸びが大きく、かつ耐衝撃性が高い材料と定義されていることが知られている。
樹脂の靭性を向上させる手段として、例えば、『実用ポリマーアロイ設計』(井出文雄、1996、工業調査会)によれば、エラストマー等のゴム成分を適当量配合することが知られている。しかしながら、ポリイミドの場合、押出成形や射出成形等の加工温度が350℃以上420℃以下であるため、そのエラストマー等のゴム成分自体に、熱分解を原因とする劣化が起こり、靭性向上の効果を得ることができない。
特開昭62−68817号公報 特開昭61−143433号公報 特開昭62−11727号公報 特開昭63−172735号公報 特開2000−103854号公報 Macromolecules,29巻・135〜142貢(1996年) Macromolecules,30巻・1012〜1022貢(1997年) 井出文雄著 「実用ポリマーアロイ設計」 工業調査会 1996年
本発明の課題は、前記の背景技術における問題点に鑑み、耐熱性と靭性とに優れた特定の組成であるポリイミド共重合体、またランダム共重合性が特定されたポリイミド共重合体、更には該ポリイミド共重合体と繊維補強材とからなる樹脂組成物、並びに該樹脂組成物から得られる成形体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、繰り返し単位が、化学式(1)及び化学式(2)の2種であり、分子末端が化学式(3)及び/または化学式(4)であり、mが0.93〜0.99で、nが0.07〜0.01であるポリイミド共重合体が、耐熱性と靭性とに優れたものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[11]に記載の事項により提供される。
[1] 繰り返し単位が化学式(1)及び化学式(2)の2種であり、分子末端が化学式(3)及び/または化学式(4)であり、mが0.930〜0.990であり、nが0.070〜0.010であるポリイミド共重合体。
Figure 2006291003
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(化学式(1)におけるm及び化学式(2)におけるnは、ポリイミド共重合体の共重合比を示し、mとnの合計は1.000であり、化学式(2)及び化学式(4)におけるXは、化学式(A)、化学式(B)、及び化学式(C)から選ばれた1種の2価の芳香族基を示し、化学式(3)及び化学式(4)におけるYは、化学式(E)、化学式(F)、及び化学式(G)から選ばれた1種の2価の芳香族基を示す。)
Figure 2006291003
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(化学式(A)、化学式(B)、及び化学式(C)において、1つの芳香環上における2つの結合基の位置関係はパラ位またはメタ位であり、化学式(B)において、化学式(D)の構造は除く。)
[2] [1]に記載のポリイミド共重合体であって、化学式(2)及び化学式(4)におけるXが、化学式(A)であり、化学式(3)及び化学式(4)におけるYが、化学式(E)である[1]に記載のポリイミド共重合体。
[3] [1]に記載のポリイミド共重合体であって、化学式(2)及び化学式(4)におけるXが、化学式(B)であり、化学式(3)及び化学式(4)におけるYが、化学式(E)である[1]に記載のポリイミド共重合体。
[4] [1]に記載のポリイミド共重合体であって、化学式(2)及び化学式(4)におけるXが、化学式(C)であり、化学式(3)及び化学式(4)におけるYが、化学式(E)である[1]に記載のポリイミド共重合体。
[5] [1]に記載のポリイミド共重合体において、ランダム共重合性の指標であり、数式(2)で定義される連続伝播率pが、数式(1)で示される範囲にある[1]記載のポリイミド共重合体。

(m−0.010)≦ p ≦(m+0.010) (数式1)
p:化学式(1)で示される繰り返し単位の連続伝播率
m:化学式(1)で示される繰り返し単位の共重合比

ln p=(dH(c)/R)×[(1/Tm(h))−(1/Tm(c))](数式2)
ln:自然対数
dH(c):請求項1記載のポリイミド共重合体の融解エンタルピー[J/mol]
R:気体定数[8.314J/(mol・K)]
Tm(h):請求項1記載のポリイミド共重合体において、n=0.000であるホモポリイミドの融点[K]
Tm(c):請求項1記載のポリイミド共重合体の融点[K]
[6] [5]に記載のポリイミド共重合体であって、化学式(2)及び化学式(4)におけるXが、化学式(A)であり、化学式(3)及び化学式(4)におけるYが、化学式(E)である[5]に記載のポリイミド共重合体。
[7] [5]に記載のポリイミド共重合体であって、化学式(2)及び化学式(4)におけるXが、化学式(B)であり、化学式(3)及び化学式(4)におけるYが、化学式(E)である[5]に記載のポリイミド共重合体。
[8] [5]に記載のポリイミド共重合体であって、化学式(2)及び化学式(4)におけるXが、化学式(C)であり、化学式(3)及び化学式(4)におけるYが、化学式(E)である[5]に記載のポリイミド共重合体。
[9] [1]〜[8]に記載のいずれかのポリイミド共重合体60〜95重量%と、1種以上の繊維補強材5〜40重量%とであるポリイミド樹脂組成物。
[10] [9]に記載のポリイミド組成物において、繊維補強材がガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウム繊維、金属繊維、ボロン繊維、及び炭化ケイ素繊維から選ばれる少なくとも1種以上の繊維である[9]に記載のポリイミド樹脂組成物。
[11] [1]〜[8]に記載のいずれかのポリイミド共重合体、または[9]または[10]に記載のポリイミド樹脂組成物から得られる成形体。
本発明の特定の組成であるポリイミド共重合体、ランダム共重合性が特定されたポリイミド共重合体、更には該ポリイミド共重合体と繊維補強材とからなる樹脂組成物、並びに該樹脂組成物から得られる成形体は、耐熱性と靭性とに優れている。
よって本発明のポリイミド、樹脂組成物、および成形体は従来のポリイミド樹脂と比較してより高い耐熱性と靭性とが要求される用途で用いることができる。特に、300℃以上という高温の環境における用途であるとか、形状が複雑かつ厚みが1mm程度の薄肉成形品での使用が、大いに期待できる。
ポリイミド共重合体の合成
本発明に係るポリイミド共重合体(以下、共重合体と略す)は、化学式(6)で示される1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
Figure 2006291003
化学式(7)〜(9)から選ばれた1種、
Figure 2006291003
Figure 2006291003
Figure 2006291003
(化学式(7)〜(9)において、芳香族上の結合基の位置は、一方の結合基に対してパラ位、またはメタ位であり、化学式(8)においては、化学式(6)で示される1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンは除く。)、および化学式(10)
Figure 2006291003
で示される3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを、有機溶媒の存在下、または非存在下で反応させ、中間体として経由するポリアミド酸を化学的に、または熱的にイミド化により得られる。ここで、化学式(11)〜(13)から選ばれた1種のジカルボン酸無水物を用いて、分子鎖の末端封止および/または分子量調整を行うことが必須である。
Figure 2006291003
Figure 2006291003
Figure 2006291003
ジアミンとその量
本発明の共重合体では、前記の化学式(6)で示される1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンが重合に係わる必須の主たるジアミンである。
前記の化学式(7)で表される2核体ジアミンの具体的化合物は、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、および3,3’−ジアミノジフェニルエーテルの3種である。
前記の化学式(8)で表される3核体ジアミンの具体的化合物は、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、および1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンの3種である。
前記の化学式(9)で表される4核体ジアミンの具体的化合物は、4,4’−(3−アミノフェノキシ)ビフェニルおよび4,4’−(4−アミノフェノキシ)ビフェニルの2種である。
化学式(6)で示されるジアミンに対して、化学式(7)〜(9)から選ばれた1種のジアミン化合物の量は、本発明の共重合体の求める共重合比と同一の比によって決定される。
すなわち、化学式(6)のジアミンが93.0〜99.0モル%の範囲に対して、化学式(7)〜(9)のジアミン化合物1種の量は、7.0〜1.0モル%であり、両者の合計は100.0モル%である。
具体的に例えば、本発明の共重合体の繰り返し単位である化学式(2)のXが、化学式(A)であるとし、共重合比mが0.950で、nが0.050である共重合体の場合を想定すると、化学式(6)のジアミンが95.0モル%に対し、化学式(7)のジアミンは、5モル%となる。
上記のジアミン化合物の純度は、高純度であるほど好ましく、本発明の共重合体の物性、特に熱安定性や耐熱性などの熱的性質の向上が成される。一般的な純度検定法である公知の液体クロマトグラフによる純度測定によれば、好ましくは99.0%以上、更に好ましくは99.5%以上である。
テトラカルボン酸二無水物とその量
本発明の共重合体では、前記の化学式(10)の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、酸二無水物と略す)が重合に係わる必須の原料である。
酸二無水物の量は、化学式(6)のジアミンと化学式(7)〜(9)から選ばれたジアミン1種との合計量に対する比で示される。そしてその比は、本発明の共重合体の求めるに応じる重合度によって決定される。
ここで重合度とは、数平均分子量、重量平均分子量、極限粘度や対数粘度で代表される溶液粘度、本発明の共重合体が可溶する溶媒に溶解させて得られた共重合体溶液のある条件下(濃度や温度)での機械的粘度、あるいはメルトインデックス、ムーニ粘度、フローテスターによる溶融粘度、射出成形におけるスパイラルフローなどの溶融流動にかかわる物性などであり、実際に測定で求められ、重合度と相関関係がある公知の物性値と同等の意味であり、あるいは読替えが可能である。物性項目には公知であれば特に制限はない。
この設定に関して例えば、高分子量である低溶融流動性の共重合体を所望するならば、比は1.000に近づき、低分子量である高溶融流動性ならば、比は小さく設定すればよく、特に制限はない。本発明の共重合体のダイマーやトリマーなどの繰り返し単位が数量体を得る場合は、比は0.5まで小さくなる。また、用いるジアミンや酸二無水物の純度を考慮して比を補正することも差し支えない。
共重合体の物性等から、その比は、0.940〜0.995が好ましく、更に好ましくは0.960〜0.990、最も好ましくは0.970〜0.985の範囲である。
酸二無水物の純度は、高純度であるほど好ましく、本発明の共重合体の物性、特に熱安定性や耐熱性などの熱的性質の向上が成される。既に公知の純度検定法である機器分析やアミド化法によれば、好ましくは99.0%以上、更に好ましくは99.5%以上である。
ジカルボン酸無水物とその量
本発明の共重合体では、化学式(11)〜(13)から選ばれた1種のジカルボン酸無水物が重合において必須である。それらジカルボン酸無水物は、分子鎖の末端封止および/または分子量調整のために用いられる。
本発明の共重合体で用いられるジカルボン酸無水物は、化学式(11)の無水フタル酸、化学式(12)の2,3−ナフタリンジカルボン酸無水物、化学式(13)のナフタル酸無水物の3種である。
ジカルボン酸無水物の量は、分子鎖の末端封止の割合や求める分子量によって設定され、具体的な量は、重合で用いる上記ジアミンの合計量100モル%に対して、0.5〜20モル%が好ましく、更に好ましくは3〜12モル%、最も好ましくは4〜9の範囲である。
その他の原料
化学式(7)〜(9)に示すジアミンおよびそれら以外で特許公報に開示された公知のジアミンを適宜1種または2種以上選択し、本発明の共重合体の特性を損なわない範囲で、原料であるジアミンとして用いることは何ら差し支えない。
化学式(10)の酸二無水物およびそれ以外で特許公報に開示された公知のテトラカルボン酸二無水物、並びに化学式(11)〜(13)に示すジカルボン酸無水物およびそれら以外で特許公報に開示された公知のジカルボン酸無水物もまったく同様である。
公知の、ジアミン、テトラカルボン酸二無水物、およびジカルボン酸無水物の具体的な化合物は、例えば、特開2000−344888公報に記載されている。
具体的な記載は、ジアミンについては該公報の段落番号0147と0148、テトラカルボン酸二無水物については該公報の段落番号0159と0160、およびジカルボン酸無水物については該公報の段落番号と0181と0182にそれぞれなされている。
ポリイミド共重合体の構造と組成
本発明の共重合体は、繰り返し単位が化学式(1)及び化学式(2)の2種であり、分子末端が化学式(3)及び/または化学式(4)である。共重合体の共重合比を示す、化学式(1)のmは、0.930〜0.990であり、化学式(2)のnは0.070〜0.010である。
mが0.990を越え、nが0.010未満の範囲である場合、共重合体の靭性向上の効果が得られない。また、mが0.930未満で、nが0.070を越える範囲である場合、共重合体の靭性向上の効果は得られるが、結晶化速度が著しく低下し、例えば、射出成形時に金型内で結晶化させることが困難となり、耐熱性を有する結晶化された成形品は得られない。
ポリイミド共重合体のランダム性
本発明の共重合体の分子構造上における共重合形態は、ランダム共重合体であることが最も好ましく、ブロック性や交互性は好ましくない。ブロック共重合体あるいは交互共重合体である場合、靭性向上の効果は得られない。
結晶性ポリマーは、結晶部分(ラメラ構造)と非晶部分が混在している。結晶性ポリマーの靭性は、結晶部と結晶部を結ぶタイ分子鎖の数に依存することが知られている(高分子学会編、奥居徳昌氏著、高分子の結晶 高分子サイエンスOne Point 4、1995年、共立出版株式会社(東京)より発行を参照)。ポリイミドの靭性を向上させるために、タイ分子鎖を増やした分子設計をすれば、具体的には、ランダム共重合体系を適用すれば、共重合部分を結晶部から排除されるように分子設計ことで、タイ分子鎖の増加に繋がる。
一方、コポリマーの分子構造において、1種のモノマー単位のみが結晶化しうる共重合体の融点Tm(c)、ホモポリマーの融点Tm(h)、及び共重合体の融解エンタルピーdH(c)[J/mol]と連続伝播率pとの関係は、数式(2)で示されるFloryの式により導かれることが知られている(中浜精一氏ら共著、エッセンシャル高分子科学、1992年、株式会社講談社サイエンティフィク(東京)より発行を参照)。
本発明の共重合体において、そのランダム性の指標は、数式(2)で定義される。ここで連続伝播率pは、化学式(1)で示される繰り返し単位の隣に、再度、化学式(1)の繰り返し単位が配列する確立を示すものである。
連続伝播率pと化学式(1)のmが等しい場合は、化学式(10)の酸二無水物に対する、化学式(6)と化学式(7)〜(9)に示すジアミンとの反応性が同程度となり、共重合体はランダム共重合となる。
また、連続伝播率pが、化学式(1)のmより大きい場合は、化学式(10)の酸二無水物に対する化学式(6)の反応性が、化学式(7)〜(9)に示すジアミンより高いくなり、化学式(6)の反応が優先的に起こるので、共重合体は、化学式(1)の繰り返し単位が局在化し、ブロック共重合体となる。
逆に、連続伝播率pが、化学式(1)のmより小さい場合は、化学式(10)の酸二無水物に対する化学式(6)の反応性が、化学式(7)〜(9)に示すジアミンより低くなり、化学式(7)〜(9)の反応が優先的に起こるので、共重合体は、化学式(2)の繰り返し単位が局在化し、ブロック共重合体となる。
本発明の共重合体において、連続伝播率pと化学式(1)のmは、数式(1)で示される範囲であることが好ましい。その範囲外では、共重合体がブロック性を示し、共重合体の靭性向上は望めない。範囲内でれば、ランダム性が保持されて、靭性向上が達成される。
本発明の共重合体において、ランダム共重合体を得るため、化学式(6)の1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンと、化学式(7)〜(9)から選ばれた1種のジアミンとは、化学式(10)の酸二無水物との反応性が、同程度であることが必要である。したがって、化学式(7)〜(9)から選ばれた1種のジアミンは、上記に示した特定の化学構造のジアミンが必須となる。
本発明の共重合体において、その融点Tm(h)[K]及びTm(c)[K]と、融解エンタルピーdH(c)[J/mol]は、示差走査型熱量計(DSC)測定により、10℃/分の昇温速度で、室温から溶融状態の430℃まで加熱し、結晶化に伴う吸熱ピークの検出によって求められる。
ポリイミド共重合体の結晶性
本発明の共重合体の結晶性は、冷却速度50℃/分で、溶融状態430℃から固体状態の50℃まで冷却した時に結晶化が発現する機能を有する。このような冷却条件において、結晶化が発現する樹脂、すなわち、結晶化速度の大きい樹脂は、通常の射出成形サイクルでも、十分に結晶化した成形加工品を得ることができる。対照的に、溶融状態の430℃から固体状態の50℃まで、冷却速度50℃/分で冷却した時に結晶化が発現しない樹脂は、通常の射出成形サイクルでは、十分に結晶化した成形加工品を得ることができない。なお、結晶化の発現は、例えば、示差走査型熱量計(DSC)測定により、溶融状態にある樹脂を50℃/分の冷却速度で冷却した時、結晶化に伴う発熱ピークの検出によって確認できる。
ポリイミド共重合体の対数粘度
本発明の共重合体の重合度は、溶液粘度である対数粘度によって評価される。本発明の共重合体の対数粘度(ηinh)は、0.1〜3.0dl/gが好ましく、0.3〜2.0dl/gがより好ましく、0.5〜1.5dl/gが特に好ましい。対数粘度が0.1dl/g未満だと、機械的物性が低下する。また対数粘度が3.0dl/gを越えると、溶融流動性が低下し、押出成形や射出成形が困難になる。
対数粘度は、p−クロロフェノール/フェノール(重量比9/1)の混合溶媒100mlに、共重合体0.50gを加熱溶解し、35℃において測定した値である。
本発明の共重合体の対数粘度の設定は、化学式(6)と化学式(7)〜(9)から選ばれたジアミン1種との合計量に対して化学式(10)の酸ニ無水物の量を適宜調節することにより、所望の対数粘度とすることができる。または両者の量を一定にして、化学式(11)、化学式(12)および化学式(13)から選ばれたジカルボン酸無水物1種の使用量を適宜調節することによっても可能である。
ポリイミド共重合体の製造方法
本発明の共重合体の製造は、特に限定されず、公知の製造方法が全て用いることができる。具体的な製造方法は、例えば、特開2000−344888公報に記載されている。
具体的な記載は、該公報の段落番号0190から0209である。
繊維補強材とその量
本発明の共重合体は、それ自体をそのまま成形に用いることも可能であるが、共重合体に繊維補強材を充填してポリイミド樹脂組成物とすることが好ましい。
繊維補強材の量は、共重合体が60〜95重量%、繊維補強材が5〜40重量%であり、それらの合計は100重量%である。繊維補強材の量が、5重量%未満であると、繊維補強の効果が得られず、40重量%を超えると溶融流動性が低下して成型加工が困難になる。
繊維補強材の具体例は、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウム繊維、金属繊維、ボロン繊維、及び炭化ケイ素繊維から選ばれる少なくとも1種以上の繊維が好ましい。また、カーボンナノチューブも適宜用いることができる。
充填材とその量
本発明の共重合体には、本発明の共重合体およびポリイミド樹脂組成物の特性を損ねない範囲内において、各種充填材を用いることができる。
先ず、針状、板状、粒状及びその他の無機補強材を充填することも可能である。針状補強材の具体例としては、チタン酸カリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、カーボンウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ワラストナイト、酸化亜鉛ウィスカー、及び酸化チタンウィスカー等が挙げられる。板状補強材の具体例としては、雲母、ガラスフレーク、タルク、セリサイト、カオリナイト、窒化ほう素、黒鉛、及び金属フレーク等が挙げられる。粒状補強材の具体例としては、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、シリカ、硫酸バリウム、及び金属粉等が挙げられる。
また、所望の性質改良を目的として、ケイ石粉、二硫化モリブテン等の耐摩耗性向上材、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の難燃性向上材、アスベスト等のトラッキング向上材、メタケイ酸カルシウム等の耐酸性向上材、その他、ケイ藻土、アルミナ、シラスバルン、水和アルミナ、ハイドロタルサイト、ゼオライト等の金属酸化物などを用いることもできる。これらは、単独でまたは複数を組み合わせて用いることができる。
充填材の充填量は、ポリイミド樹脂100重量%に対して、5〜40重量%が好ましい。この充填量が5重量%以上であれば、補強効果が向上し、40重量%未満であれば、成形時の流動性を害さない傾向にある。
樹脂ブレンド
本発明の共重合体およびポリイミド樹脂組成物は、本発明の効果を損ねない範囲内において、他の種類の熱可塑性樹脂を所望により適当配合することも可能である。その具体例としては、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンアミド、ポリスルホンイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、液晶ポリマー、及び本発明の共重合体以外の熱可塑性ポリイミド樹脂が挙げられる。
また同様に、熱硬化性樹脂を所望により適当配合することも可能である。その具体例としては、ポリベンズイミダゾール、ビスマレイミド系樹脂が挙げられる。
更に、ポリテトラフルオルエチレン等のフッ素系樹脂や、シリコーン樹脂類を適当量配合することも、樹脂の離型性を改善する上で効果が大きい。芳香族ポリアミド繊維等を適当量配合することも、機械的物性を向上させる上で好ましい。それらは、単独でまたは複数を組み合わせて用いることができる。
ポリイミド樹脂組成物の製造方法
本発明のポリイミド樹脂組成物の製造は、特に限定されず、公知の製造方法が全て用いることができる。通常、一軸あるいは多軸の押出機を用いて連続的に行う。混練ロール、ブラベンダー等のバッチ式方法も実施可能である。
ポリイミド共重合体とポリイミド樹脂組成物の成形
本発明の共重合体およびポリイミド樹脂組成物の成形は、特に限定されず、公知の成形方法が全て用いることができる。通常、主に射出成形により成形加工して、各種用途に用いられる。その他、押出成形、圧縮成形、及びトランスファー成形等の従来から知られる方法で成形加工することも可能である。
用途
本発明の共重合体およびポリイミド樹脂組成物は、耐熱性と靭性のバランスに優れているので、形状が複雑、かつ薄肉な成形品に広く応用可能である。
例えば、半導体部品の分野では、IC包装用トレー、IC製造工程用トレー、ICソケット、ウェハーキャリア、プラズマリング、フォーカスリング、及びCMPリング等に有効である。
電気・電子部品の分野では、コネクター、ソケット、ボビン、ハードディクスキャリア、液晶ディスプレイキャリア、及び水晶発振器製造用トレー等の製造用治具に有効である。特に、表面実装用材料(SMT材料)に有効である。
事務機器部品の分野では、コピー機用分離爪、コピー機用断熱軸受、及びコピー機用ギヤ等に有効である。
自動車部品の分野では、スラストワッシャー、トランスミッションリング、ピストンリング、及びオイルシールリング等に有効である。
産業機器部品の分野では、ベアリングリテーナー、ポンプギヤ、コンベアチェーン、及びストレッチマシン用スライドブッシュ等に有効である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、実施例、参考例及び比較例における樹脂の物性測定と評価は、以下の要領で実施した。
[フィルムの折り曲げ]
一定の温度と圧力が設定できる熱プレス機を用いて、ポリイミドのペレットを加熱溶融させ、面積100cm2、厚さ200μmのフィルムを成形した。そのフィルムを人の手によって、180度になるように折り曲げた。フィルムを折り曲げた時に、割れる等の破壊が起こらないほど、フィルム折り曲げ強度が優れているといえる。
[引張破断伸び率]
ASTM D638に準拠し、引張破断伸び率を測定した。この値が大きいほど、引張伸びが優れているといえる。
[アイゾット衝撃強度]
ASTM D256に準拠し、衝撃強度を測定した。この値が大きいほど、衝撃強度が優れているといえる。
[荷重たわみ温度]
ASTM D648に準拠し、荷重41.2Nで測定した。この値が大きいほど、たわみ強度が優れているといえる。
[ポリイミド共重合体の製造例]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管を備えた容器に、表1に示す割合で、ジアミン、芳香族カルボン酸ニ無水物、及び無水フタル酸を装入し、m−クレゾール/N−メチル−2−ピロリドン(重量比5/5)混合溶媒中、窒素雰囲気下で攪拌しながら、200℃まで加熱した(濃度20重量%)。その後、200℃で8時間反応させて重合を完了し、生成ポリマーを濾別、乾燥し、ポリイミド樹脂を得た。
なお、表1中の略号は、各々、以下の化合物を意味する。
「APB−R」:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
「ODA」:4,4´−ジアミノジフェニルエーテル
「APB」:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
「m−BP」:4,4´−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル
「AB」:4,4´−ジアミノベンゾフェノン
「ASN」:4,4´−ジアミノジフェニルスルホン
「BPDA」:3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物

得られたポリイミド樹脂の融点と融解エンタルピーを測定し、連続伝播率pを求めた。結果を表1〜4に示す。また、得られたポリイミド樹脂の対数粘度(ηinh)を測定した。結果を表1〜4に示す。
[実施例1〜5]
製造例で得たポリイミド樹脂1〜5を、スクリュー直径37mm、L/D=42の二軸押出機にて410℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混合し、押出を行ってペレット化した。このペレットを用いて、シリンダー温度420℃、金型温度210℃の条件で、射出成形を行って、試験片を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例6及び7]
ポリイミド樹脂1〜5に代えて、表2に示すように、ガラス繊維(セントラル硝子社製ECS03−630)、及び炭素繊維(東レ社製トレカTO08−3)を所定量充填したこと以外は、実施例1〜5と同様にして、ポリイミド樹脂組成物を調整、評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
ポリイミド1〜5に代えて、表3に示すように、ジアミンの1種のみを選定したこと以外は、実施例1〜5と同様にして、ポリイミド樹脂を調整、評価した。結果を表3に示す。
[比較例2〜8]
ジアミンの混合比率を表3に示すように、好適範囲を外れた比率に変更したこと以外は、実施例1〜5と同様にして、ポリイミド樹脂を調整、評価した。結果を表3に示す。
[比較例9及び10]
本発明で不適とされる化学構造(芳香族上の結合基)を持つジアミンを選定したこと以外は、実施例2〜4と同様にして、ポリイミド樹脂を調整、評価した。結果を表4に示す。
Figure 2006291003
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本発明の共重合体およびポリイミド樹脂組成物は、耐熱性と靭性のバランスに優れているので、形状が複雑、かつ薄肉な成形品に広く応用可能であり、例えば、半導体、電気・電子、事務機器、自動車、産業機器の各分野で、各種部品や部材として用いられる。特に、電気・電子部品の分野での表面実装用材料(SMT材料)に好適である。















Claims (11)

  1. 繰り返し単位が化学式(1)及び化学式(2)の2種であり、分子末端が化学式(3)及び/または化学式(4)であり、mが0.930〜0.990であり、nが0.070〜0.010であるポリイミド共重合体。
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    (化学式(1)におけるm及び化学式(2)におけるnは、ポリイミド共重合体の共重合比を示し、mとnの合計は1.000であり、化学式(2)及び化学式(4)におけるXは、化学式(A)、化学式(B)、及び化学式(C)から選ばれた1種の2価の芳香族基を示し、化学式(3)及び化学式(4)におけるYは、化学式(E)、化学式(F)、及び化学式(G)から選ばれた1種の2価の芳香族基を示す。)
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    (化学式(A)、化学式(B)、及び化学式(C)において、1つの芳香環上における2つの結合基の位置関係はパラ位またはメタ位であり、化学式(B)において、化学式(D)の構造は除く。)
  2. 請求項1に記載のポリイミド共重合体であって、化学式(2)及び化学式(4)におけるXが、化学式(A)であり、化学式(3)及び化学式(4)におけるYが、化学式(E)である請求項1に記載のポリイミド共重合体。
  3. 請求項1に記載のポリイミド共重合体であって、化学式(2)及び化学式(4)におけるXが、化学式(B)であり、化学式(3)及び化学式(4)におけるYが、化学式(E)である請求項1に記載のポリイミド共重合体。
  4. 請求項1に記載のポリイミド共重合体であって、化学式(2)及び化学式(4)におけるXが、化学式(C)であり、化学式(3)及び化学式(4)におけるYが、化学式(E)である請求項1に記載のポリイミド共重合体。
  5. 請求項1に記載のポリイミド共重合体において、ランダム共重合性の指標であり、数式(2)で定義される連続伝播率pが、数式(1)で示される範囲にある請求項1記載のポリイミド共重合体。

    (m−0.010)≦ p ≦(m+0.010) (数式1)
    p:化学式(1)で示される繰り返し単位の連続伝播率
    m:化学式(1)で示される繰り返し単位の共重合比

    ln p=(dH(c)/R)×[(1/Tm(h))−(1/Tm(c))] (数式2)
    ln:自然対数
    dH(c):請求項1記載のポリイミド共重合体の融解エンタルピー[J/mol]
    R:気体定数[8.314J/(mol・K)]
    Tm(h):請求項1記載のポリイミド共重合体において、n=0.000であるホモポリイミドの融点[K]
    Tm(c):請求項1記載のポリイミド共重合体の融点[K]
  6. 請求項5に記載のポリイミド共重合体であって、化学式(2)及び化学式(4)におけるXが、化学式(A)であり、化学式(3)及び化学式(4)におけるYが、化学式(E)である請求項5に記載のポリイミド共重合体。
  7. 請求項5に記載のポリイミド共重合体であって、化学式(2)及び化学式(4)におけるXが、化学式(B)であり、化学式(3)及び化学式(4)におけるYが、化学式(E)である請求項5に記載のポリイミド共重合体。
  8. 請求項5に記載のポリイミド共重合体であって、化学式(2)及び化学式(4)におけるXが、化学式(C)であり、化学式(3)及び化学式(4)におけるYが、化学式(E)である請求項5に記載のポリイミド共重合体。
  9. 請求項1〜8に記載のいずれかのポリイミド共重合体60〜95重量%と、1種以上の繊維補強材5〜40重量%とであるポリイミド樹脂組成物。
  10. 請求項9に記載のポリイミド組成物において、繊維補強材がガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウム繊維、金属繊維、ボロン繊維、及び炭化ケイ素繊維から選ばれる少なくとも1種以上の繊維である請求項9に記載のポリイミド樹脂組成物。
  11. 請求項1〜8に記載のいずれかのポリイミド共重合体、または請求項9または請求項10に記載のポリイミド樹脂組成物から得られる成形体。

































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