JP2000007914A - 樹脂組成物、それを用いた成型品およびicトレ― - Google Patents
樹脂組成物、それを用いた成型品およびicトレ―Info
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Abstract
性を具備し、かつ反りなどの変形の少ない成形品を得る
こと。 【解決手段】 成分(A)100重量部、成分(B)1
〜70重量部及び成分(C)を0〜100重量部を含有
してなる樹脂組成物であって、成分(A)は、熱可塑性
ポリイミド樹脂を含有するポリマーであり、成分(B)
は、繊維長が0.01〜2.5mmの炭素繊維であり、
成分(C)は、フレーク状フィラーである樹脂組成物、
それを用いた成形物及びICトレーの提供。
Description
熱性を具備し、かつ反りなどの変形の少ない成形品を与
える樹脂組成物に関する。さらに本発明は該樹脂組成物
を成形して得られる成形物、特にICトレーに関する。
特性・耐薬品性などの点で通常の汎用エンジニアリング
プラスチックより大幅に優れていることにより、スーパ
ーエンジニアリングプラスチックのひとつに数えられ、
種々の分野に使用されている。しかしこの熱可塑性ポリ
イミド樹脂も単独では、使用目的によっては特性が不十
分な場合があり、種々の改良を施すことがある。
程用のトレーとして従来ポリフェニレンエーテルやポリ
スルホン樹脂を主体とする組成物を成形したものが用い
られてきたが、昨今はより高い熱処理温度に耐えるトレ
ーが要求されるようになった。そこで熱可塑性ポリイミ
ド樹脂の応用が考えられているが、通常このような用途
では成形品の表面抵抗値を制御し帯電防止性を付与する
必要が多く、この点の改良が重要視される。
場合、導電性カーボンを練り込む手法が採られる。しか
しこの手法では成形品と電子部品の接触部分の擦れによ
るカーボンの脱落が生じる場合があり、その脱落カーボ
ンが電子部品本体中の絶縁部分を導通するなど、用途に
よっては問題となることがある。
可塑性樹脂に練り込む手法では上記の問題が避けられる
が、成形品中で炭素繊維の配向が起こると収縮率に異方
性を生じ、反りの原因となる問題があった。
し、帯電防止性と高い耐熱性を具備し、かつ反りなどの
変形の少ない成形品を与える樹脂組成物及びそれから得
られる成形物の提供を目的とする。
を達成するため鋭意検討した結果、所望の性能を有する
新規な樹脂組成物を見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
様を包含する。
(B)1〜70重量部および(C)0〜100重量部を
含有してなる樹脂組成物であって、成分(A)は、熱可
塑性ポリイミド樹脂を含有するポリマーであり、成分
(B)は、平均繊維長が0.01〜2.5mmの炭素繊維
であり、成分(C)はフレーク状フィラーである樹脂組
成物。
ド樹脂以外に、さらにポリスルホン樹脂及び/又はポリ
エーテルイミド樹脂を、熱可塑性ポリイミド樹脂の重量
を基準として、50重量パーセント以下含有するもので
ある(a)に記載した樹脂組成物。
ィラーを0.5〜100重量部含有する(a)または
(b)に記載の樹脂組成物。
(1)(化3)のくり返し構造単位を有するものである
請求項1乃至3の何れかに記載した樹脂組成物。
O−、−C(CH3)2 −、−C(CF3)2 −または−S
−である。R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ水素、ア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロ
ゲン化アルコキシ基またはハロゲン基である。
選ばれた1種または2種以上の基である)。
である、請求項1乃至5の何れかに記載した樹脂組成
物。
スペクト比が20〜200のものである (a)乃至
(e)の何れかに記載した樹脂組成物。
る(a)乃至(f)の何れかに記載した樹脂組成物。
載した樹脂組成物を成形して得られる帯電防止性のある
成形物。
(h)または(i)記載の成形物。
ち、熱可塑性ポリイミド樹脂は式(1)で表される繰り
返し単位を持つものであり、次式(3)(化5)のエー
テルジアミンと次式(4)(化5)のテトラカルボン酸
二無水物とを有機溶媒の存在下または非存在下で反応さ
せ、得られたポリアミド酸を化学的にまたは熱的にイミ
ド化して製造できる。
ン酸無水物は一種または複数を組み合わせて用いること
ができ、本発明の目的を害さない範囲で他の共重合成分
を含むことができる。また異なるモノマーから得られた
複数の熱可塑性ポリイミド樹脂をポリマーブレンドして
用いても良い。
れる熱可塑性ポリイミド樹脂(三井化学(株)製:商品
名オーラム)が最適である。
ポリイミド樹脂を単体で用いても良いが、流動性改良な
どの目的に応じてポリスルホン樹脂、ポリエーテルイミ
ド樹脂などを添加した、いわゆるポリマーアロイとして
も良い。ともに市販のものを問題なく使用できる。
て例えば式(6)(化8)〜式(9)(化11)の様な
構造単位を有するポリマーが挙げられ、単独あるいは二
種以上を混合して用いられる。
みから成るもの、または式(7)の構造単位のみから成
るもの、あるいは両者を含むものが特に好ましく用いら
れる。両者を含むという意味は、ジフェニルスルホン残
基に対するビスフェノールA残基の量が0〜50モル%
の範囲で変動しても差し支えないことを指す。
ミカエクセル(住友化学(株)製)、ウルトラゾーン
(BASF社製)、レーデル(アモコ社製)、ユーデル
(アモコ社製)などの名称で上市されている。
0)(化12)で表されるウルテム(ジェネラル・エレ
クトリック社製)が好ましく用いられる。
脂は一方あるいは両方を成分(A)に対して100重量
部まで加えることができる。好ましくは20重量部〜7
0重量部、特に好ましくは20重量部〜50重量部を添
加すると溶融樹脂の流動性が向上して成形加工が容易に
なる。100重量部を超えると耐熱性に劣る場合があり
好ましくない。
ルロースやポリアクリロニトリルなどの繊維を焼成して
製造する方法、石油系・石炭系ピッチを溶融紡糸して得
る方法などで製造されるものである。本発明では上記の
いずれも使用することができ、ザイラス(大阪ガス
(株)製)、トレカ(東レ(株)製)、クレカ(呉羽化
学(株)製)などの商品名で市場より容易に入手可能で
ある。これらは単独または二種以上を組み合わせて用い
ることが出来る。
いる炭素繊維の平均繊維長であり、0.01〜2.5mm
の範囲が好ましく、さらに0.1〜1.5mmの範囲が
好適である。0.01mm未満では帯電防止性が得られ
ない場合があり、また2.5mm)を越えると反りなど
の変形が大きくなる場合があり好ましくない。また、繊
維の径としては3〜20μm程度の炭素繊維が用いられ
る。
(A)100重量部に対して1〜70重量部、好ましく
は5〜50重量部の範囲である。1重量部未満では帯電
防止性が得られない場合があり、また70重量部を越え
ると反りなどの変形が大きくなるため好ましくない。
ィラーは二次元的な平板状の広がりを持つものであり、
粒状・針状・繊維状の物とは異なる。このようなものと
して、雲母、ガラスフレーク、タルク、セリサイト、カ
オリナイト、窒化ほう素、黒鉛、金属フレークなどが挙
げられるが、いずれも市場より容易に入手でき、単独あ
るいは二種以上を組み合わせて用いることができる。こ
の中でもとりわけ雲母が好適である。
スペクト比)は、その重量平均値が20〜200の範囲
のものが好ましく、さらに50〜200の範囲のものが
好適である。
量は成分(A)100重量部に対して、0〜100重量
部の範囲であり、より好ましくは5〜50重量部の範囲
である。100重量部を超えると機械的物性を害する場
合があり好ましくない。
可塑性樹脂を目的に応じて適当量配合することも可能で
ある。配合することのできる熱可塑性樹脂としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカー
ボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリア
リレート、ポリエーテルニトリル及びポリエーテルケト
ンなどが挙げられる。
いフィラー類も発明の目的を損なわない程度ならば充填
可能である。熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂等が挙げられる。フィラー類としては、ケイ
石粉、二硫化モリブデン等の耐摩耗性向上材、ガラス繊
維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊
維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ほ
う酸アルミニウムウィスカー、カーボンウィスカー、金
属繊維、セラミック繊維等の補強材、三酸化アンチモ
ン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の難燃性向上
材、アスベスト、シリカなどの耐トラッキング向上材、
硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カルシウム等の耐酸
性向上材、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉等の熱
伝導度向上材、その他、ガラスビーズ、ケイ藻土、アル
ミナ、シラスバルン、水和アルミナ、ハイドロタルサイ
ト、ゼオライト、各種の金属酸化物等が挙げられる。
明の効果を害さない範囲で添加可能である。
(B)、必要により(C)およびその他必要とする成分
を均一混合した後、通常公知な方法、例えば一軸あるい
は多軸の押出機を用いた連続生産が可能である。
成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法などの公知
の成形法により成形され実用に供される。本願発明の方
法で得られる成形物は耐熱性、帯電防止及び寸法安定性
の必要な製品として使用できる。
ような大面積・平板上の成型品に有効であり、QFP(Q
uad Flat L-Leaded Package)、SOP(Small Outline L
-Leaded Package)、PGA(Pin Grid Array Package)、
BGA(Ball Grid Array Package)、その他の形式のI
Cの熱処理用トレーとして広く用いることができる。
QFP14x14の形状トレー等に好ましく使用でき
る。
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。なお、実施例、比較例における樹脂の物性測
定、評価は以下の要領で実施した。 (1)アイゾット衝撃強度 JIS K−7110に準拠した。試験片の厚み:6.
4mm。 (2)熱変形温度 JIS K−7207に準拠し、230℃以上を合格と
した。曲げ応力:18.6kgf/cm2。 (3)成型品の表面抵抗 本樹脂組成物の射出成型品(300mm×150mm×
2mmのICトレー。)の表面抵抗を表面高抵抗計(三
菱油化(株)製、商品名ハイレスタ)を用いて、23
℃、相対湿度50%の条件下で測定した。印可電圧:5
00V、端子間距離:20mm。表面抵抗値が1012オ
ーム以下を合格とした。 (4)成形品の反り 上記(3)で用いた成形品を230℃で3時間アニール
し、十分冷却後に定板に乗せ、ハイトメーターで反りを
測定した。最大の反りが1mm以下のものを合格とし
た。
ミド樹脂(三井化学(株)製、商品名オーラムPD45
0)、成分(B)として炭素繊維(呉羽化学(株)製、商
品名クレカM107)、成分(C)のフレーク状フィラ
ーとしてマイカ(レプコ(株)製、商品名S−60)を
表1に示す割合で配合したのちタンブラーミキサーで十
分に混合して、スクリュー径37mm、L/D=32の
二軸押出機にて420℃、スクリュー回転数80rpm
として溶融混合し、押出してペレット化した。このペレ
ットを用いて先述のICトレーを成形し、評価を行っ
た。結果を表1に示す。
イラスGM300J)、その他の条件は実施例1と同様
として評価を行った。結果を表1に示す。
D30)、その他の条件は実施例1と同様として評価を
行った。結果を表1に示す。
(株)製、商品名S−200HG)とし、その他の条件
は実施例1と同様として評価を行った。結果を表2に示
す。
板硝子(株)製、商品名REF−140A)とし、その
他の条件は実施例1と同様として評価を行った。結果を
表2に示す。
リイミド樹脂とポリスルホン樹脂(三井化学(株)製、
商品名E−2010)のアロイとし、その他の条件は実
施例1と同様として評価を行った。結果を表2に示す。
リイミド樹脂とポリエーテルイミド樹脂(ジェネラル・
エレクトリック社製、商品名ウルテム1000)のアロ
イとし、その他の条件は実施例1と同様として評価を行
った。結果を表2に示す。
施例1と同様として評価を行った。結果を表3に示す。
の条件は実施例1と同様として評価を行った。結果を表
3に示す。
他の条件は実施例1と同様として評価を行った。結果を
表4に示す。
範囲とし、その他の条件は実施例1と同様として評価を
行った。結果を表4に示す。衝撃強度に劣り好ましくな
い。
(大阪ガス(株)製、商品名ザイラスGC03J)と
し、他の条件は実施例1と同様として評価を行った。結
果を表5に示す。
砕したものを用いた。その他の条件は実施例1と同様と
して評価を行った。結果を表5に示す。
し、その他の条件は実施例6と同様として評価を行っ
た。結果を表6に示す。
囲外とし、その他の条件は実施例7と同様として評価を
行った。結果を表6に示す。
耐熱性を具備し、かつ反りなどの変形の少ない成形品を
与える。幅広い用途に応用でき産業上の価値が高く、特
に電機・電子分野に有用である。
Claims (9)
- 【請求項1】 成分(A)100重量部、成分(B)1
〜70重量部および(C)0〜100重量部を含有して
なる樹脂組成物であって、成分(A)は、熱可塑性ポリ
イミド樹脂を含有するポリマーであり、成分(B)は、
平均繊維長が0.01〜2.5mmの炭素繊維であり、成
分(C)はフレーク状フィラーである樹脂組成物。 - 【請求項2】 成分(A)が、熱可塑性ポリイミド樹脂
以外に、ポリスルホン樹脂及び/又はポリエーテルイミ
ド樹脂を、熱可塑性ポリイミド樹脂の重量基準として、
50重量パーセント以下含有するものである請求項1に
記載した樹脂組成物。 - 【請求項3】 成分(C)のフレーク状フィラーを0.
5〜100重量部含有する請求項1または2に記載の樹
脂組成物。 - 【請求項4】 熱可塑性ポリイミド樹脂が、式(1)
(化1)のくり返し構造単位を有するものである請求項
1乃至3の何れかに記載した樹脂組成物。 【化1】 (ただし式(1)中、Xは直接結合、−SO2−、−C
O−、−C(CH3)2 −、−C(CF3)2 −または−S
−である。R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ水素、ア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロ
ゲン化アルコキシ基またはハロゲン基である。またYは
式(2)(化2)からなる群より選ばれた1種または2
種以上の基である)。 【化2】 - 【請求項5】 フレーク状フィラーの含有量が5〜50
重量部である、請求項1乃至4の何れかに記載した樹脂
組成物。 - 【請求項6】 フレーク状フィラーの重量平均アスペク
ト比が20〜200のものである請求項1乃至5の何れ
かに記載した樹脂組成物。 - 【請求項7】 フレーク状フィラーが、雲母である請求
項1乃至6の何れかに記載した樹脂組成物。 - 【請求項8】 請求項1乃至7に何れかに記載した樹脂
組成物を成形して得られる帯電防止性のある成形物。 - 【請求項9】 成形物がICトレーである請求項8に記
載の成形物。
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JP10-115364 | 1998-04-24 | ||
JP11708999A JP4460672B2 (ja) | 1998-04-24 | 1999-04-23 | Icトレー |
Publications (2)
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JP4460672B2 JP4460672B2 (ja) | 2010-05-12 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1314761C (zh) * | 2002-04-11 | 2007-05-09 | 通用电气公司 | 填料增强的聚醚酰亚胺树脂组合物及其模塑制品 |
JP2013510013A (ja) * | 2009-11-06 | 2013-03-21 | ザ・ボーイング・カンパニー | 圧縮成形法及び同成形法により成形される強化熱可塑性部品 |
JP2016079335A (ja) * | 2014-10-21 | 2016-05-16 | 三菱樹脂株式会社 | フィルム |
-
1999
- 1999-04-23 JP JP11708999A patent/JP4460672B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2016079335A (ja) * | 2014-10-21 | 2016-05-16 | 三菱樹脂株式会社 | フィルム |
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