JP2000034408A - 熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその成形品

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JP2000034408A JP12987399A JP12987399A JP2000034408A JP 2000034408 A JP2000034408 A JP 2000034408A JP 12987399 A JP12987399 A JP 12987399A JP 12987399 A JP12987399 A JP 12987399A JP 2000034408 A JP2000034408 A JP 2000034408A
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aromatic
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Toru Nagashima
徹 永嶋
Mitsuo Maeda
光男 前田
Hiroshi Nakamura
宏 中村
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、成形性に優れ、帯電防止性もしくは導
電性を有する熱可塑性樹脂組成物およびその成形品を提
供すること。 【解決手段】芳香族ポリカーボネート樹脂15〜55重
量%と芳香族ポリサルホン樹脂85〜45重量%からな
る樹脂成分100重量部に対し、炭素繊維5〜45重量
部、および150ml/100g以上のDBP(ジブチ
ルフタレート)吸油量を有する導電性カーボンブラック
0.1〜10重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物
およびその成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性もしく
は導電性を有する熱可塑性樹脂組成物およびそれを用い
てなる成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】帯電防止性もしくは導電性を有する熱可
塑性樹脂組成物を用いた成形品は従来方種々の用途に用
いられてきた。特に該成形品は、IC部品(チップ)を
搬送するトレーとして好適に用いられてきた。具体的に
は、IC部品(チップ)を搬送するトレーとしては、従
来から導電性もしくは帯電防止性を付与させた塩化ビニ
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが
使われていた。IC部品をハンダによりプリント基板上
に実装する際、ICのパッケージが吸湿しているとハン
ダ熱によりIC内部に水蒸気が発生し、フクレ、クラッ
クなどを生じIC部品が破損するので、実装前に120
〜150℃の温度で水分を除去する必要がある。従来、
この乾燥工程においては、IC部品を搬送用トレーから
アルミダイカスト製トレーに移し替える必要があった。
ところが、近年この搬送用と乾燥用を兼用できるトレー
として、導電性もしくは帯電防止性を付与させた変性ポ
リフェニレンエーテル樹脂が開発され普及している。し
かし、そのIC部品の乾燥に要する時間を短縮化する場
合、例えば150℃以上の高い乾燥温度が必要となる
が、変性ポリフェニレンエーテル樹脂からなるトレーで
は、該トレーの反りが生じて、耐熱性などの面で満足す
るものが得られなかった。一方、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂は、機械強度、寸法精度に優れた樹脂であるが、
耐熱性が高々150℃である。そこで、その耐熱性など
を向上させる目的で芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香
族ポリサルホン樹脂とを混合してなる熱可塑性樹脂組成
物が種々開示されている。例えば、特公昭45−391
81号公報には、芳香族ポリサルホン樹脂と芳香族ポリ
カーボネート樹脂とを混合することによって、耐熱性や
機械的特性に優れた組成物が得られることが開示されて
いる。また、特公昭49−13855号公報には、芳香
族ポリサルホン樹脂および芳香族ポリカーボネート樹脂
からなる組成物は、ABS樹脂に比べて耐熱性や機械的
特性に優れることが開示されている。また、特開昭54
−28361号公報には、重量平均分子量が60000
より大きい芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香族ポリサ
ルホン樹脂からなる組成物は、各樹脂に比べて耐薬品性
や荷重たわみ温度が改良されることが開示されている。
また、特開昭60−51739号公報には、特定の構造
を有する芳香族ポリサルホン樹脂と芳香族ポリカーボネ
ート樹脂からなる組成物は、機械的性質に優れ耐薬品性
が改良されることが開示されている。しかしながら、上
記で述べたこれらの組成物は、芳香族ポリカーボネート
樹脂が芳香族ポリサルホン樹脂の本来有する耐熱性に代
表される優れた物性を阻害するため満足できる物性が得
られないことが多い。さらに、IC用耐熱トレーに求め
られる帯電防止性、あるいは導電性を付与するために
は、一般に炭素繊維あるいは導電性カーボンブラックを
配合することが行われるが、成形品の表面抵抗の異方性
が生じたり、配合量のわずかな振れにより成形品の表面
抵抗が変動するなどの問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性、成
形性に優れ、帯電防止性もしくは導電性を有する熱可塑
性樹脂組成物およびそれを用いてなる成形品を提供する
ことを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂に、炭素繊維と導
電性カーボンブラックを配合した組成物とすることによ
り上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、次のとおりである。 (1)芳香族ポリカーボネート樹脂15〜55重量%と
芳香族ポリサルホン樹脂85〜45重量%からなる樹脂
成分100重量部に対し、炭素繊維5〜45重量部、お
よび150ml/100g以上のDBP(ジブチルフタ
レート)吸油量を有する導電性カーボンブラック0.1
〜10重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物。 (2)下記に定義される芳香族ポリカーボネート樹脂の
溶融粘度(ηa)と芳香族ポリサルホン樹脂の溶融粘度
(ηb)の比(ηa/ηb)が0.5〜2.0である
(1)記載の熱可塑性樹脂組成物。 ηa:340℃、せん断速度1216/秒で測定したと
きの芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融粘度。 ηb:340℃、せん断速度1216/秒で測定したと
きの芳香族ポリサルホン樹脂の溶融粘度。 (3)ηa/ηbが0.8〜1.8である(2)記載の熱
可塑性樹脂組成物。 (4)芳香族ポリカーボネート樹脂が、その製造原料と
してビスフェノールAを少なくとも30mol%以上用
いるコポリカーボネートもしくはホモポリカーボネート
である(1)、(2)または(3)記載の熱可塑性樹脂
組成物。 (5)芳香族ポリサルホン樹脂が次式
【0005】
【化2】 で表される繰り返し単位を80mol%以上有する
(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成
物。 (6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性
樹脂組成物を用いてなる成形品。 (7)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性
樹脂組成物を成形してなるIC用耐熱トレー。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる芳香族ポリカ
ーボネート樹脂は、一般式、
【0007】
【化3】 で表される繰り返し単位を有する単独重合体、共重合体
またはその混合物である。式中、Aは原料の二価フェノ
ールの残基である二価芳香族基である。このような芳香
族ポリカーボネートを製造するために用いることのでき
る二価フェノールは、官能基として芳香族の炭素原子に
直接結合している2つの水酸基を含有する単核または多
核芳香族化合物である。二価フェノールの例としては、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン、2,2−(3,5,3’,5’−テト
ラクロロ−4,4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−(3,5,3’,5’−テトラブロモ−4,
4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ハイドロ
キノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェニルなど
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ま
た、この芳香族ポリカーボネート樹脂は、その製造原料
として、ビスフェノールAを少なくとも30mol%以
上を用いるコポリカーボネートもしくはホモポリカーボ
ネートであることが好ましい。その末端構造は、各々の
製法に従って決まるものであり、例えば、OHやOC
(CH33などが挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。市販品の例としては、住友ダウ株式会社の
商品名カリバー200−3,200−20などがあげら
れるが、これらに限定されるものではない。本発明で用
いられる芳香族ポリカーボネート樹脂の340℃、せん
断速度1216/秒で測定したときの溶融粘度は、20
00〜10000poiseであることが好ましく、2
000〜6000poiseであることがより好まし
い。溶融粘度が10000poiseを越える場合、組
成物の溶融粘度が高いために成形加工が困難となるため
好ましくない。
【0008】本発明で用いられる芳香族ポリサルホン樹
脂は、アリーレン単位、エーテル結合およびスルホン結
合の三者が必須の構成単位であって、アリーレン単位が
エーテルおよびスルホン結合とともに無秩序にまたは秩
序正しく位置するポリアリーレン化合物として定義され
る。代表的な例としては次のような繰り返し単位を有す
るものがあげられるが、これに限定されるものではな
い。
【0009】
【化4】 [(II)の化合物は、ランダム共重合体を含む。式
中、R1は、炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素
原子数3ないし10のアルケニル基、フェニル基または
ハロゲン原子を表し、pは、0ないし4の正数である。
m、nは、平均の繰り返し単位数を示し、m、nは0.
1から100の正数である。同一または異なる核上の各
1は、相互に異なっていても良い。各pは、相互に異
なっていても良い。]
【0010】
【化5】 (この化合物は、ランダム共重合体を含む。式中、R1
は、炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数3
ないし10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン
原子を表し、pは、0ないし4の正数である。q、m、
nは、平均の繰り返し単位数を示し、qは、1〜3の正
数、m、nは、0.1〜100の正数である。同一また
は異なる核上の各R1は、相互に異なっていても良い。
各pは、相互に異なっていても良い。) 本発明で用いられる芳香族ポリサルホン樹脂としては、
(II)または(III)で表される繰り返し単位中の
(m/m+n)が、0.8以上であることが好ましい。
また、(III)の構造単位中のqは、1であることが
好ましい。これらの中でも(I)、(II)の繰り返し
構造単位を持つものが好ましく、さらに好ましくは
(I)の繰り返し構造単位を持つものである。市販品の
例としては、(I)のものは、住友化学工業株式会社の
商品名スミカエクセルPES3600P、4100Pな
どが、(II)のものは、AMOCO社の商品名UDE
L P−1700などが挙げられるがこれらに限定され
るものではない。また、その末端構造は、各々の樹脂の
製法に従って決まるものであり、例えば、Cl、OH、
OR(Rはアルキル基)などが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0011】本発明で用いられる芳香族ポリサルホン樹
脂の340℃、せん断速度1216/秒で測定したとき
の溶融粘度は、1000〜6000poiseであるこ
とが好ましく、1000〜3000poiseであるこ
とがより好ましい。溶融粘度が6000poiseを越
える場合、組成物の溶融粘度が高いために成形加工が困
難となるため好ましくない。本発明で用いられる芳香族
ポリカーボネート樹脂(a)と芳香族ポリサルホン樹脂
(b)の、340℃、せん断速度1216/秒で測定し
たときの溶融粘度の比(ηa/ηb)は、0.5〜2.0
であることが好ましく、0.8〜1.8であることがよ
り好ましく、さらに好ましくは、1.0〜1.6であ
る。本発明の樹脂組成物に配合される芳香族ポリカーボ
ネート樹脂の配合量は、芳香族ポリサルホン樹脂と芳香
族ポリカーボネート樹脂の全重量を基にして15〜55
重量%であり、25〜45重量%であることがより好ま
しい。芳香族ポリカーボネート樹脂を55重量%より多
く配合すると、組成物の耐熱性が劣るために好ましくな
い。
【0012】本発明で用いる炭素繊維は、化学組成の9
0%以上が炭素よりなる繊維状物質であり、原料として
はポリアクリロニトリル、ピッチ、再生セルロースなど
を用いることができる。これらの原料を用いて紡糸され
た繊維状前駆体を1000〜2000℃で処理したも
の、あるいは2000〜3000℃で黒鉛化したものが
高強度、高弾性を示すため一般に用いられる。本発明で
用いられる炭素繊維の繊維長や繊維径は、特に限定され
ないが、繊維長30μm〜6mm、繊維径5〜20μm
のものが一般に用いられる。市販品の例としては、東邦
レーヨン株式会社の商品名ベスファイトHTA−C6−
CS、HTA−CMF−0160N/S、株式会社ドナ
ックの商品名ドナカーボS−231、S−244などが
あげられるが、これらに限定されるものではない。本発
明で用いられる炭素繊維の配合量は、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂からなる樹脂成分
100重量部に対し5〜45重量部である。炭素繊維の
配合量が5重量部より少ないとIC用耐熱トレー等の成
形品に求められる帯電防止性が充分でないため好ましく
なく、45重量部より多いと組成物の溶融粘度が高くな
るためにICトレー等の精密な成形品へ加工することが
困難になったり、導電性カーボンブラックを添加しても
成形品の表面抵抗値の異方性が充分解消されないために
好ましくない。さらに、導電性カーボンブラックを0.
1〜10重量部の範囲で適宜添加して成形品の表面抵抗
値の異方性を解消するためには、配合量は5〜25重量
部であることが好ましく、より好ましくは5〜15重量
部である。
【0013】本発明で用いられる特定の導電性カーボン
ブラックは、150ml/100g以上のDBP吸油量
を有するものである。DBP(ジブチルフタレート)吸
油量とは、ASTM−D2414−88に規定された吸
油量を意味する。DBP吸油量が150ml/100g
未満の導電性カーボンブラックを用いると、IC用耐熱
トレーに求められる帯電防止性を与えるためには導電性
カーボンブラックの添加量が多量となり、組成物の溶融
粘度が高くなるために該成形品へ加工することが困難に
なったり、該成形品の機械的強度が低下するために好ま
しくない。上限は特に制限されないが、製造上の都合か
ら実際は750ml/100g以下が適当である。市販
品の例としては、350ml/100gのDBP吸油量
を有するライオン・アクゾ社の商品名ケッチェンブラッ
クEC、215ml/100gのDBP吸油量を有する
キャボット社の商品名バルカンXC−72などがあげら
れるが、これらに限定されるものではない。また、DB
P吸油量の異なる2種以上の導電性カーボンブラックを
添加して用いることも可能である。本発明で用いる導電
性カーボンブラックの配合量は、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂からなる樹脂成分10
0重量部に対し0.1〜10重量部である。導電性カー
ボンブラックの配合量が0.1重量部未満である場合、
成形品の表面抵抗の異方性が解消されず、添加量のわず
かな変化で抵抗値が変動してしまうといった問題がある
ため好ましくない。また、10重量部より多いと組成物
の溶融粘度が高くなるためにICトレー等の成形品へ加
工することが困難になるために好ましくない。さらに、
良好な加工性を維持しつつ成形品の表面抵抗値の異方性
を解消するためには、配合量は1〜5重量部であること
が好ましい。
【0014】本発明においては、必要に応じてガラス繊
維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、ホウ酸アルミ
ニウムウィスカーなどの繊維状あるいは針状の補強材、
タルク、マイカ、クレー、ガラスビーズなどの無機充填
材、フッ素樹脂などや金属石鹸類などの離型改良剤、染
料、顔料などの着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線
吸収剤、界面活性剤などの通常の添加剤を一種以上添加
することができる。特に、タルクもしくはクレーを3〜
10重量部配合することが、成形品の反りをより低減す
る上で好ましい。また、少量の熱可塑性樹脂、たとえ
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ABS樹脂、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエ
ーテルケトン、ポリフェニレンエーテルおよびその変成
物、ポリエーテルイミドなど、少量の熱硬化性樹脂、た
とえば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹
脂、イソシアネート樹脂、ポリイミド樹脂などや、少量
のゴム成分などの一種または二種以上を添加することも
できる。
【0015】本発明の樹脂組成物を得るための原材料の
配合手段は、特に限定されない。芳香族ポリカーボネー
ト樹脂、芳香族ポリサルホン樹脂、必要に応じてガラス
繊維などの補強材や無機充填材、離型改良剤、熱安定剤
などをヘンシェルミキサー、タンブラー等を用いて混合
した後、押出機を用いて溶融混練することが一般的であ
る。そのときの溶融混練法としては、すべての原材料を
一括して混合した後で押出機へフィードしてもかまわな
いし、必要に応じてガラス繊維などの補強材や無機充填
材などの原材料を、樹脂を主体とする原材料とは別にフ
ィードしてもかまわない。
【0016】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形体の作
成方法は、特に限定されない。樹脂を溶融し賦形、固化
させる方法としては押出成形、射出成形、ブロー成形な
どが挙げられるが、この中では特に射出成形が好ましく
用いられる。また、押出成形された成形品を、切削やプ
レスによって加工しても良い。本発明のIC用耐熱トレ
ー(チップトレーともいう)としては、正方形ポケット
付トレー、長方形ポケット付トレー等が挙げられる。本
発明の熱可塑性樹脂組成物は、IC用耐熱トレー以外
に、自動車、航空機等の部品、産業用機器、家電製品、
食器や医療機器、OA、AV機器、電子、電子部品、た
とえば、特に耐熱性が必要とされる半導体ウエハーキャ
リヤー、LCDキャリヤー、TABテープキャリヤー、
ICソケットなどの成形品の材料として好適に用いるこ
とができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、実施例中の溶融
粘度、荷重たわみ温度、Izod衝撃強度、曲げ強度、
および表面抵抗の測定は、次の方法で行った。 (1)溶融粘度:芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香族
ポリサルホン樹脂の溶融粘度は、(株)東洋精機製作所
製キャピログラフ1Bを用いて、ダイ径1mm、340
℃、せん断速度1216/秒で測定した。 (2)荷重たわみ温度:熱可塑性樹脂組成物から、射出
成形機を用いて長さ127mm、幅12.7mm、厚み
6.4mmの試験片を成形し、ASTM D−648に
準拠し18.6kg/cm2の荷重で測定した。 (3)Izod衝撃強度 上記(2)の試験片を2等分してIzod衝撃強度測定
用の試験片とし、ASTM D−256に準拠して測定
した。 (4)曲げ強度 上記(2)の試験片を用いて曲げ強度測定用の試験片と
し、ASTM D−790に準拠して測定した。 (5)表面抵抗 熱可塑性樹脂組成物から、射出成形機を用いて1辺64
mm、厚み3mmの試験片を成形して成形品の各辺に導
電ペーストで電極を接着し、絶縁抵抗計(三和電気計器
株式会社製、PDM−256)を用いて電圧250Vで
射出成形時の樹脂流動方向(MD)および流動に直角方
向(TD)の表面抵抗を測定した。
【0018】実施例1〜5、比較例1〜3 上記の方法で測定した溶融粘度の異なる芳香族ポリカー
ボネート樹脂(住友ダウ株式会社製、商品名カリバー)
を数種、芳香族ポリサルホン樹脂(住友化学工業株式会
社製、商品名スミカエクセルPES)を数種、炭素繊維
(東邦レーヨン(株)製、商品名ベスファイトHTA−C
6−CS)および150ml/100g以上のDBP吸
油量を有する導電性カーボンブラック(ライオン・アク
ゾ社製、商品名ケッチェンブラックEC)を表1に示す
組成でヘンシェルミキサーで混合後、二軸押出機(池貝
鉄工(株)製、PCM−30)を用いてシリンダー温度3
40℃で造粒し、熱可塑性樹脂組成物を得た。なお、そ
れぞれの樹脂の溶融粘度は上記の方法で測定した。この
熱可塑性樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業(株)
製PS40E5ASE)を用いてシリンダー温度350
℃、金型温度120℃で上記の試験片を成形し、荷重た
わみ温度、Izod衝撃強度、曲げ強度、および表面抵
抗の測定を行い、結果を表2に示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】実施例5 上記の方法で得た実施例3に示す組成の熱可塑性樹脂組
成物を用いて、射出成形機(住友重機械工業製、SG1
50M)を用いてシリンダー温度340℃、金型温度1
50℃、射出速度70%、射出圧力1400kg/cm
2、保持圧力800kg/cm2でICトレー(長さ31
0mm、幅140mm、高さ8mm、平均肉厚1.5m
m)を成形し、反りのない良好な製品を得た。このIC
トレーを熱風循環オーブンで180℃で1時間熱処理し
たところ、反りや変形は生じなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物およびそれ
を用いてなる成形品、特にIC用耐熱トレーは、耐熱性
や機械的物性に優れていることから、高温での処理、特
にICの乾燥に耐えることができ、取り扱い性に優れた
きわめて有用なものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリカーボネート樹脂15〜55重
    量%と芳香族ポリサルホン樹脂85〜45重量%からな
    る樹脂成分100重量部に対し、炭素繊維5〜45重量
    部、および150ml/100g以上のDBP(ジブチ
    ルフタレート)吸油量を有する導電性カーボンブラック
    0.1〜10重量部を配合してなることを特徴とする熱
    可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】下記に定義される芳香族ポリカーボネート
    樹脂の溶融粘度(ηa)と芳香族ポリサルホン樹脂の溶
    融粘度(ηb)の比(ηa/ηb)が0.5〜2.0であ
    ることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。 ηa:340℃、せん断速度1216/秒で測定したと
    きの芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融粘度。 ηb:340℃、せん断速度1216/秒で測定したと
    きの芳香族ポリサルホン樹脂の溶融粘度。
  3. 【請求項3】ηa/ηbが0.8〜1.8であることを特
    徴とする請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】芳香族ポリカーボネート樹脂が、その製造
    原料としてビスフェノールAを少なくとも30mol%
    以上用いるコポリカーボネートもしくはホモポリカーボ
    ネートであることを特徴とする請求項1、2または3記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】芳香族ポリサルホン樹脂が次式 【化1】 で表される繰り返し単位を80mol%以上有すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性
    樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形品。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性
    樹脂組成物を成形してなることを特徴とするIC用耐熱
    トレー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013128251A1 (en) * 2012-03-02 2013-09-06 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Injection moldable esd compounds having low tribo-charge background
JP2015168810A (ja) * 2014-03-11 2015-09-28 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品

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