JP2714544B2 - ポリイミド系樹脂組成物 - Google Patents

ポリイミド系樹脂組成物

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JP2714544B2
JP2714544B2 JP7236575A JP23657595A JP2714544B2 JP 2714544 B2 JP2714544 B2 JP 2714544B2 JP 7236575 A JP7236575 A JP 7236575A JP 23657595 A JP23657595 A JP 23657595A JP 2714544 B2 JP2714544 B2 JP 2714544B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミド樹脂を主た
る成分として含有する成形用樹脂組成物に関する。さら
に、詳しくは、ポリイミド樹脂と420 ℃以下の温度で異
方性メルト相を形成しうる芳香族ポリエステル樹脂とを
含有してなる、耐熱性、耐薬品性、機械的強度および成
形加工性に優れたポリイミド系の成形用樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリイミドは耐熱性が極めて
優れている上に、力学的強度、寸法安定性が優れ、難燃
性、電気絶縁性などをあわせ持つために、電気・電子機
器、宇宙航空用機器、輸送機器などの分野で使用されて
おり、今後も耐熱性が要求される分野への用途拡大が期
待され、既に、優れた特性を示すポリイミドが種々開発
されている。しかし、ポリイミドは、一般に、耐熱性に
優れていても、成形材料として用いる場合には、焼結成
形などの手法を用いて加工しなければならないものであ
ったり、溶融成形が可能な熱可塑性のポリイミドであっ
ても、高温、高圧下で成形しなければならないものが多
い。このように高い成形温度、圧力を必要とするもので
は、優れた耐熱性を有するポリイミドであっても、樹脂
が熱劣化や酸化を受け機械的特性が低下することがあ
り、薄肉成形品の成形が困難となる場合がある。また、
加工性は改善されても、ガラス転移温度が低く、しかも
ハロゲン化炭化水素に可溶で、耐熱性、耐溶剤性の面か
らは性能が低下する等、既に提案されたポリイミドの性
能には一長一短があり、さらなる改善が要望されてい
る。
【0003】すでに、本発明者らも、一般式(I)
【化6】 (式中、Xは直接結合、炭素数1乃至10の2価の炭化水
素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニ
ル基、チオ基またはスルホニル基を示す。Y1,Y2,Y3
よびY4は、それぞれ水素、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基、塩素または臭素原子を示す。また、Rは炭素数
2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮
合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員より相
互に連結された非縮合多環式芳香族基である4価の基を
示す)で表わされる繰り返し単位を有するポリイミド樹
脂を見出した(特開昭 61-143478、62-68817、62-8602
1、62-235381 、63-128025 )。このポリイミド樹脂
は、機械的性質、熱的性質、電気的性質、耐溶剤性等に
優れ、かつ耐熱性を有する等多くの良好な物性を有する
新規な耐熱性樹脂である。
【0004】これらの樹脂は、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスル
ホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィドなどに
代表される通常のエンジニアリングプラスチックにくら
べ耐熱性や機械特性、電気特性等の特性において、はる
かに優れているので、成形加工性を改良することによ
り、これらの樹脂では満足できなかったエンジニアリン
グプラスチックとしての使用分野への用途拡大が可能と
なる。しかしながら、成形時の結晶化速度が遅く通常の
成形品が非晶状態で得られる。結晶化度を高めるために
熱処理を施しても、結晶化に伴う寸法変化を生じ、精密
部品用途に適用する上で著しい制約を受けていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポリ
イミドが本来有する優れた特性に加え、溶融時、流動性
の面において極めて優れ、結晶化速度の向上した、およ
び熱処理過程での成形品の寸法安定性の向上した成形用
ポリイミド系樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、新規ポ
リイミドと420 ℃以下の温度で異方性メルト相を形成し
うる芳香族ポリエステル樹脂を含有してなるポリイミド
系樹脂組成物が特に前記課題の解決に有効であることを
見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、一般式(I)
【化7】 (式中、Xは直接結合、
【化8】 からなる群から選ばれる2価の基を示し、Y1 、Y2
3 およびY4 はそれぞれ水素、メチル基、メトキシ
基、塩素または臭素原子を示し、
【0008】Rは
【化9】 からなる群から選ばれる4価の基を示す)で表わされる
繰り返し構造単位を有するポリイミド、
【0009】好ましくは、一般式(II)
【化10】 〔式中、XおよびRは一般式(I)の場合と同じであ
る〕で表わされる繰り返し単位を有するポリイミド99.9
〜50重量%と約 420℃以下の温度で異方性メルト相を形
成し、
【0010】かつ式(III)、式(IV) および式 (V)
【化11】 で表される基本構造単位からなる共重合体であるポリエ
ステル樹脂 0.1〜50重量%とを含有してなるポリイミド
系樹脂組成物である。
【0011】本発明で使用されるポリイミドは前記一般
式 (I) で表される。これらのポリイミドは、一般式
(VI)
【化12】 〔式中、X ,Y1,Y2,Y3およびY4は一般式(I)の場合
と同じである〕で表わされるエーテルジアミン
【0012】好ましくは、一般式(VII)
【化13】 〔式中、Xは一般式(I)の場合と同じである〕で表わ
されるエーテルジアミンと1種以上のテトラカルボン酸
二無水物とを反応させて得られる。
【0013】すなわち、エーテルジアミンとテトラカル
ボン酸二無水物を溶剤中で反応させ、得られるポリアミ
ド酸を化学的または熱的にイミド化して製造することが
できる。反応温度は、通常 250℃以下である。反応圧力
は、特に限定されず、常圧で充分実施できる。反応時間
は、使用するテトラカルボン酸二無水物、溶剤の種類、
反応温度により異なり、通常中間生成物であるポリアミ
ド酸の生成が完了するのに充分な時間反応させる。反応
時間は、24時間以内、場合によっては1時間以内で充分
である。
【0014】このような反応により、一般式 (I) の繰
り返し構造単位のポリイミドに対応するポリアミド酸が
得られ、ついで、このポリアミド酸を 100〜400 ℃に加
熱脱水するか、または通常用いられるイミド化剤を用い
て、化学イミド化することにより、一般式 (I) の繰り
返し構造単位を有するポリイミドが得られる。また、ポ
リアミド酸の生成と熱イミド化反応を同時に行ってポリ
イミドを得ることもできる。
【0015】本発明の組成物の主成分として使用される
前記のポリイミドを製造するために使用されるジアミン
化合物は、前記一般式 (VI) で表される化合物であり、
具体的な化合物として、例えば、ビス〔4-(3- アミノフ
ェノキシ)フェニル〕メタン、1,1-ビス〔4-(3- アミノ
フェノキシ)フェニル〕エタン、1,2-ビス〔4-(3- アミ
ノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2-ビス〔4-(3- ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2-〔4-(3- アミ
ノフェノキシ)フェニル〕-2- 〔4-(3- アミノフェノキ
シ)-3-メチルフェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(3- ア
ミノフェノキシ)-3-メチルフェニル〕プロパン、2-〔4-
(3-アミノフェノキシ)フェニル〕-2-〔4-(3- アミノフ
ェノキシ)- 3,5- ジメチルフェニル〕プロパン、2,2-ビ
ス〔4-(3- アミノフェノキシ)-3,5-ジメチルフェニル〕
プロパン、2,2-ビス〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニ
ル〕ブタン、2,2-ビス〔4-(3- アミノフェノキシ) フェ
ニル〕-1,1,1,3,3,3- ヘキサフルオロプロパン、
【0016】4,4'- ビス(3- アミノフェノキシ)ビフェ
ニル、4,4'- ビス(3- アミノフェノキシ)-3-メチルビフ
ェニル、4,4'- ビス(3- アミノフェノキシ)-3,3'- ジメ
チルビフェニル、4,4'- ビス(3- アミノフェノキシ)-
3,5- ジメチルビフェニル、4,4'-ビス(3- アミノフェノ
キシ)-3,3',5,5'-テトラメチルビフェニル、4,4'- ビス
(3- アミノフェノキシ)-3,3'- ジクロロビフェニル、4,
4'- ビス(3- アミノフェノキシ)- 3,5- ジクロロビフェ
ニル、4,4'- ビス(3- アミノフェノキシ)- 3,3',5,5'-
テトラクロロビフェニル、4,4'- ビス(3-アミノフェノ
キシ)-3,3'- ジブロモビフェニル、4,4'- ビス(3- アミ
ノフェノキシ)-3,5'- ジブロモビフェニル、4,4'- ビス
(3-アミノフェノキシ)- 3,3',5,5'- テトラブロモビフ
ェニル、ビス〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニル〕ケ
トン、ビス〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニル〕スル
フィド、ビス〔4-(3- アミノフェノキシ)-3-メトキシフ
ェニル〕スルフィド、〔4-(3- アミノフェノキシ) フェ
ニル〕〔4-(3- アミノフェノキシ)-3,5-ジメトキシフェ
ニル〕スルフィド、ビス〔4-(3- アミノフェノキシ)-3,
5-ジメトキシフェニル〕スルフィド、ビス〔4-(3- アミ
ノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3- アミ
ノフェノキシ) フェニル〕エーテル、ビス〔4-(4- アミ
ノフェノキシ) フェニル〕エーテル、1,4-ビス〔4-(3-
アミノフェノキシ) フェノキシ〕ベンゼン、1,4-ビス
〔4-(3- アミノフェノキシ) ベンゾイル〕ベンゼン、1,
3-ビス〔4-(3- アミノフェノキシ) ベンゾイル〕ベンゼ
ンなどが挙げられ、これらは単独または2種以上混合し
て用いられる。
【0017】また、一般式(I) で表されるポリイミド
を製造するのに用いられる一方の原料であるテトラカル
ボン酸二無水物は、一般式(VIII)
【化14】 〔式中、Rは一般式(I)の場合と同じである〕で表わ
されるテトラカルボン酸二無水物である。
【0018】ポリイミドを製造する原料として使用され
るテトラカルボン酸二無水物は、具体的には、例えば、
エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテ
トラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,
3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,
2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',
3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
1,1-ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水
物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水
物、4-〔4-(3,4−ジカルボキシフェノキシ) フェノキ
シ〕フタル酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,
9,10- ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ア
ントラセンカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナントレ
ンテトラカルボン酸二無水物などであり、これらテトラ
カルボン酸二無水物は単独または2種以上混合して用い
られる。
【0019】なお、本発明の組成物に用いられるポリイ
ミドは、前記のエーテルジアミンを原料として用い製造
されるポリイミドであるが、このポリイミドの良好な物
性を損なわない範囲で他のジアミンを混合使用して製造
されるポリイミドも本発明の組成物に用いることができ
る。混合して使用できるジアミンとしては、例えば、m-
フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、p-フェニ
レンジアミン、m-アミノベンジルアミン、p-アミノベン
ジルアミン、ビス(3-アミノフェニル)エーテル、(3−
アミノフェニル)(4−アミノフェニル)エーテル、ビス
(4−アミノフェニル)エーテル、ビス(3−アミノフェニ
ル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4-アミノフェニ
ル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィ
ド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミ
ノフェニル)(4-アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4
−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェ
ニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4-アミノフェニ
ル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、
【0020】3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジ
アミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノ
ン、ビス〔4-(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタ
ン、1,1-ビス〔4-(4−アミノフェノキシ) フェニル〕エ
タン、1,2-ビス〔4-(4−アミノフェノキシ) フェニル〕
エタン、2,2-ビス〔4-(4−アミノフェノキシ) フェニ
ル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ) フ
ェニル〕ブタン、2,2-ビス〔4-(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕-1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,
3-ビス(3−アミノフェノキシ) ベンゼン、1,3-ビス(4−
アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、
ビス〔4-(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビ
ス〔4-(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、
ビス〔4-(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシ
ド、ビス〔4-(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホ
ン、ビス〔4-(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテ
ル、ビス〔4-(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテ
ル、1,4-ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベン
ゼン、1,3-ビス〔4-(3−アミノフェノキシ)ベンゾイ
ル〕ベンゼンなどが挙げられる。
【0021】本発明の樹脂組成物は、上記のポリイミド
樹脂につぎのポリエステル樹脂を含有させて得られる。
本発明で使用されるポリエステル樹脂は異方性のメルト
相を形成する、いわゆるサーモトロピック液晶ポリマー
であるポリエステル樹脂であり、式(III)、式(IV)お
よび式 (V)
【化15】 で表される基本構造単位がポリエステル結合を形成する
ように重合してなる共重合体であり、サーモトロピック
液晶ポリマーである。
【0022】本発明の成形用樹脂組成物は、前記ポリイ
ミド樹脂 99.9 〜50重量%、ポリエステル樹脂 0.1〜50
重量%の範囲にあるように含有させて調製される。本発
明の樹脂組成物は、300 ℃以上の高温域において著しく
低い溶融粘度を示す。ポリエステル樹脂を含有させるこ
とによる組成物の良好な流動化効果は、組成物中の含有
量が少量でも認められ、その組成割合の下限は 0.1重量
%であり、好ましくは 0.5重量%である。
【0023】異方性メルト相を形成するポリエステルを
用いると耐薬品性、吸水性、難燃性、機械的強度は耐熱
性樹脂の中でも非常に優れた部類に属するものが得られ
る。また、異方性メルト相を形成するポリエステルの配
合量が多いとき、機械的性質の異方性が強すぎたり、フ
ィブリルを生じ、またウエルド強度に支障を生じるもの
もあるので、該組成物中のポリエステル樹脂を少なめに
調節して配合し組成物を得る。通常、ポリエステル樹脂
の配合割合は、50重量%以下が好ましい。
【0024】本発明の組成物を混合調製するにあたって
は、通常公知の方法により製造できるが、例えば、次に
示す方法は好ましいものである。 ポリイミド樹脂粉末とポリエステル樹脂粉末を乳
鉢、ヘンシェルミキサー、ドラムブレンダー、タンブラ
ー、ボールミル、リボンブレンダーなどを利用して予備
混練し、粉状とする方法、 ポリイミド樹脂粉末をあらかじめ有機溶媒に溶解ま
たは懸濁させ、この溶液または懸濁液にポリエステル樹
脂を添加し、均一に分散させた後、溶媒を除去し、粉状
とする方法、 本発明のポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の
有機溶媒溶液中に、ポリエステル樹脂を懸濁させた後、
100〜 400℃に加熱処理するか、または通常用いられる
イミド化剤を用いて化学的イミド化した後、溶媒を除去
して粉状とする方法、等がある。このようにして得られ
た粉状のポリイミド樹脂組成物は、そのまま各種成形用
途、すなわち射出成形、圧縮成形、トランスファー成
形、押出成形などに用いられるが、各成分を溶融し混合
して用いるのは、さらに好ましい方法である。とくに、
前記組成物を混合調整するにあたり、粉末同志、ペレッ
ト同志、あるいは粉末とペレットを混合して溶融するの
も簡易で有効な方法である。
【0025】溶融混合には、通常のゴムまたはプラスチ
ック類を溶融ブレンドするのに用いられる装置、例え
ば、熱ロール、バンバリーミキサー、ブラベンダー、押
出機などを利用することができる。溶融温度は配合系が
溶融可能な温度以上で、かつ配合系が熱分解し始める温
度以下に設定されるが、その温度は通常 250〜 420℃、
好ましくは 300〜400 ℃である。
【0026】本発明の樹脂組成物の成形方法としては、
均一な溶融ブレンド体を形成し、かつ生産性の高い成形
方法である射出成形または押出成形が好適である。しか
し、その他のトランスファー成形、圧縮成形、焼結成形
などを適用しても、なんら差し支えない。なお、本発明
では必要に応じタルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラ
スビーズ、グラファイト、二硫化モリブデン等の充填
剤、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、アラミド
繊維、チタン酸カリウム繊維、金属繊維等の繊維補強
材、滑材、離型剤、安定剤、着色剤の他、他の熱可塑性
樹脂(例えばポリフェニレンサルファイド、ポリエーテ
ルイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテ
ルケトンなど)、熱硬化性樹脂(例えばフェノール樹
脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、
ポリアミドイミド樹脂など)を併用してもよい。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により詳
細に説明する。なお、実施例および比較例において、諸
物性の測定はつぎの方法によった。対数粘度 :ポリイミド粉末0.5gをp-クロロフェノール/
フェノール( 重量比9/1)の混合溶媒100 mlに加熱溶解し
た後、35℃に冷却し、測定した。引張強度 :ウエルドの無い試料及び平行部中心箇所にウ
エルドを有する試料で何れもASTM D- 638 に準じて測定
した。破断伸度 : ASTM D-638に準拠する。アイゾット衝撃値 : ASTM D-258に準拠する。熱変形温度 (HDT):ASTM D-648に準拠する。MFR (メルトフロー):JIS K 7210に準じ、400 ℃、
荷重1.05 Kg で測定した。スパイラル流動長 :シリンダー温度 400℃、金型温度 1
80℃、射出圧力 1000kg/cm2 、流動肉厚 1mmの条件下に
測定した。加熱収縮率 :ASTM D-638に準じた引張試験片に下記熱処
理を施し、熱処理前後に於ける長手方向の寸法変化を測
定した。 〔熱処理方法:三段階の加熱ステップで熱処理を実施し
た。( 150℃×20hrs→ 260℃×20hrs → 300℃×2hr
s)〕ソリ :射出成形で得た平板(75×100×2mm)に熱処理を施
し、熱処理前後における長手方向のソリの高さ変化を測
定した。結晶化発熱ピーク温度(Tc) :室温から、10℃/minの昇温
速度下での結晶化発熱ピーク温度(Tc1) 及び400 ℃から
10℃/minの降温速度下での結晶化発熱ピーク温度(Tc2)
を示差走査熱量計を用いて測定した。線膨張係数 :ウエルドの無い引張試験片の流れ方向(M
D)、直角方向(TD)について、25〜200 ℃間の線膨張
係数を熱膨張計を用いて測定した。異方性 :線膨脹係数の(TD)/(MD)比
【0028】実施例1〜3 4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルとピロ
メリット酸二無水物とから、対数粘度0.50dl/g、ガラス
転移温度 257℃、融点 387℃を有するポリイミド粉末を
得た。上記ポリイミド粉末と、 420℃以下の温度で異方
性メルト相を形成する芳香族ポリエステル XYDAR SRT-5
00(DARTCO社商標)を第1表のように各種組成でドライ
ブレンドした後、押出機(口径40mm、圧縮比3.0 のスク
リュー付き、処理温度340〜 360℃) で溶融混練しなが
ら押出し、均一な配合ペレットを得た。つぎに、上記で
得たペレットを通常の射出成形機にかけて成形温度 370
℃、金型温度 150℃で射出成形し、成形物の物理的・熱
的性質を測定した。その結果を第1表に示す。
【0029】比較例1、2 本発明の範囲外の組成物を用い、実施例1〜3と同様の
操作で得られた成形物の物理的・熱的性質を測定した結
果を第1表に示す。
【0030】実施例4〜8および比較例3、4 4,4 ' - ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルとピ
ロメリット酸二無水物を原料として得られた対数粘度0.
45dl/gのポリイミドと、サーモトロピック液晶ポリマー
(DARTCO社製、Xydar SRT-500 )をそれぞれ第2表に記
載の組成でドライブレンドした後、押出機によりシリン
ダー温度 400℃にてペレット状に押出した。このペレッ
トをシリンダー温度 380〜410 ℃、金型温度 190℃、射
出圧力 500kg/cm2の条件下に射出成形して引張試験片を
得た。更に、同様の成形条件にて、平行部中心箇所にウ
エルドを有する引張試験片も得た。引張強度の測定結果
を第2表に示す。また、シリンダー温度 400℃、金型温
度 180℃、射出圧力1000kg/cm2、流動肉厚1mmの条件下
にスパイラル流動長を測定した。結果を第2表に示す。
引続き、射出成形で得たウエルドの無い引張試験片を用
いて加熱収縮率、線膨張係数及び結晶化発熱ピーク温度
(Tc)を測定した。各結果を第2表に示す。尚、TD/MD
の線膨張係数比を異方性として、同じく第2表に示す。
【0031】実施例9 サーモトロピック液晶ポリマーとして住友化学社製エコ
ノールE−6000を使用した以外は実施例7と同様の評価
を行なった。その結果を第2表に示す。
【0032】実施例10 サーモトロピック液晶ポリマーとして住友化学社製エコ
ノールE−6000を使用した以外は実施例7と同様の評価
を行なった。その結果を第2表に示す。
【0033】比較例5 サーモトロピック液晶ポリマーとして住友化学社製エコ
ノールE−6000を使用した以外は比較例4と同様の評価
を行なった。その結果を第2表に示す。
【0034】実施例11 ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフ
ィドとピロメリット酸二無水物を原料として得られた対
数粘度0.46dl/gのポリイミドを使用した以外は実施例6
と同様の評価を行なった。その結果を第2表に示す。
【0035】比較例6 ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフ
ィドとピロメリット酸二無水物を原料として得られた対
数粘度0.46dl/gのポリイミドを使用した以外は比較例3
と同様の評価を行なった。その結果を第2表に示す。
【0036】比較例7 ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフ
ィドとピロメリット酸二無水物を原料として得られた対
数粘度0.46dl/gのポリイミドを使用した以外は比較例4
と同様の評価を行なった。その結果を第2表に示す。
【0037】実施例12 2,2 −ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
プロパンと3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物を原料として得られた対数粘度0.45dl/gのポ
リイミドを使用した以外は実施例6と同様の評価を行な
った。その結果を第2表に示す。
【0038】比較例8 2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
プロパンと 3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物を原料として得られた対数粘度0.45dl/gのポ
リイミドを使用した以外は比較例3と同様の評価を行な
った。その結果を第2表に示す。
【0039】比較例9 2,2 −ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
プロパンと3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物を原料として得られた対数粘度0.45dl/gのポ
リイミドを使用した以外は比較例4と同様の評価を行な
った。その結果を第2表に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、結晶化速度が著
しく向上し、昇温過程に於ける結晶化発熱温度(Tc1)が
低温側にシフトすることを可能とするポリイミド系樹脂
組成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 淳 神奈川県横浜市戸塚区平戸3−42−7 (72)発明者 古賀 信史 神奈川県横浜市栄区尾月17−7 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県鎌倉市材木座1−13−24 (72)発明者 太田 正博 福岡県大牟田市正山町97 (56)参考文献 特開 平1−131239(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Xは直接結合、 【化2】 からなる群から選ばれる2価の基を示し、Y1 、Y2
    3 およびY4 はそれぞれ水素、メチル基、メトキシ
    基、塩素または臭素原子を示し、また、Rは 【化3】 からなる群から選ばれる4価の基を示す)で表わされる
    繰り返し構造単位を有するポリイミド99.9〜50重量%と
    式(III)、式(IV) および式 (V) 【化4】 で表される基本構造単位からなる共重合体であるポリエ
    ステル樹脂 0.1〜50重量%とを含有してなるポリイミド
    系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリイミドが、一般式(II) 【化5】 〔式中、X及びRは一般式(I)の場合と同じである〕
    で表されるポリイミドである請求項1記載のポリイミド
    系樹脂組成物
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