JPH04351663A - ポリイミド系樹脂組成物 - Google Patents

ポリイミド系樹脂組成物

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JPH04351663A
JPH04351663A JP12572691A JP12572691A JPH04351663A JP H04351663 A JPH04351663 A JP H04351663A JP 12572691 A JP12572691 A JP 12572691A JP 12572691 A JP12572691 A JP 12572691A JP H04351663 A JPH04351663 A JP H04351663A
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JP
Japan
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formula
group
resin composition
polyimide resin
chemical formula
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Pending
Application number
JP12572691A
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English (en)
Inventor
Atsushi Morita
淳 森田
Toshiyuki Nakakura
中倉 敏行
Yoshihisa Goto
善久 後藤
Toshihiko Tsutsumi
敏彦 堤
Toshiaki Takahashi
敏明 高橋
Hiroyasu Ochi
広泰 大地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】  本発明はポリイミド樹脂とサ
ーモトロピック液晶ポリマーからなる樹脂組成物にチタ
ン酸カリウム繊維を配合してなるポリイミド系樹脂組成
物に関する。更に詳しくは、機械特性、寸法安定性等を
改良した耐熱性に優れたポリイミド系樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来開発されたポリイミドには優れた特
性を示すものが多いが、優れた耐熱性を有するけれども
加工性にとぼしいとか、また加工性向上を目的として開
発された樹脂は耐熱性、耐溶剤性に劣るなど性能に一長
一短があり、さらに結晶化に伴う熱処理過程での寸法変
化が大きいなどの欠点を有している。これらの欠点を解
決すべく、本出願人は特開昭62−236858および
特開昭62−253655等に、本発明の構成要素のひ
とつである式(1)〔化9〕
【0003】
【化9】 で表わされる繰り返し単位を有するポリイミド樹脂を開
発した。
【0004】しかし、上記ポリイミド樹脂は、成形加工
性の点ではまだ十分ではなく、さらに、結晶化に伴う熱
処理過程での寸法変化が大きく、寸法安定性に欠けるな
どの欠点を有していた。
【0005】そして、本発明者らは、上記ポリイミド樹
脂の欠点を改良するためには、上記ポリイミド樹脂にサ
ーモトロピック液晶ポリマーを配合することが有効であ
ることを見出し、特許出願した(特願平2−19905
8)。この樹脂組成物は、耐熱性、加工性などに優れて
いるため、従来、金属またはセラミックスの領域と考え
られていた分野への用途開発が進められている。しかし
、これらの樹脂組成物も、機械強度、成形収縮率に関し
ても未だ十分に満足のいくものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
イミド樹脂とサーモトロピック液晶ポリマーからなる樹
脂組成物において、優れた耐熱性、熱処理に伴う後結晶
化前後の優れた寸法安定性に加え、優れた機械物性、成
形収縮における寸法安定性を付与することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
を達成するために鋭意検討した結果、ポリイミド樹脂と
サーモトロピック液晶ポリマーを含有してなる樹脂組成
物に、チタン酸カリウム繊維を配合することにより、機
械物性が顕著に向上し、成形収縮における寸法安定性の
良い樹脂組成物を得、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、 (1)        式(1)〔化10〕で表わされ
る繰り返し単位を有するポリイミド樹脂50〜99重量
%と、サーモトロピック液晶ポリマーの1種または2種
以上の混合物50〜1重量%とを含む樹脂組成物と、こ
の樹脂組成物100重量部に対して、チタン酸カリウム
繊維5〜200重量%を含有してなることを特徴とする
ポリイミド系樹脂組成物、
【0009】
【化10】 (式中、Xは直結、イオウ、炭素数1〜10の二価の炭
化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カル
ボニル基、チオ基、スルホニル基、エーテル基から成る
群より選ばれた基を表わし、Y1 、Y2 、Y3およ
びY4 はそれぞれ水素、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基、塩素または臭素から成る群より選ばれた基を表
わし、またR1 は炭素数4〜9の脂肪族基、炭素数4
〜10の単環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式
芳香族基、芳香族基が直接又は架橋員より相互に連結さ
れた非縮合多環式芳香族基から成る群より選ばれた4価
の基を表わす。) (2)          サーモトロピック液晶ポリ
マーが、式(2)〔化11〕、式(3)〔化12〕、式
(4)〔化13〕および式(5)〔化14〕の繰り返し
単位を有する基本構造からなる群より選ばれた少なくと
も1種のものであることを特徴とする(1)項記載のポ
リイミド系樹脂組成物、
【0010】
【化11】
【0011】
【化12】
【0012】
【化13】
【0013】
【化14】 (3)      式(1)で表わされる繰り返し構造
単位を有するポリイミド樹脂の式中のR1 が、次の(
a)〜(e)からなる群より選ばれた少なくとも1種で
ある(1)項記載のポリイミド系樹脂組成物、(a) 
 炭素数4〜9の脂肪族基 (b)  炭素数4〜10の環式脂肪族基(c)  次
式〔化15〕で表される単環式芳香族基
【0014】
【化15】 (d)  次式〔化16〕で表される縮合多環式芳香族
【0015】
【化16】 (e)次式〔化17〕で表わされる芳香族基が直接又は
架橋員より相互に連結された非縮合多環式芳香族基
【0
016】
【化17】 である。
【0017】本発明の摺動材用ポリイミド系樹脂組成物
における式(1)で表わされる繰り返し単位を基本骨格
として有するポリイミド樹脂の原料として用いるジアミ
ン成分は、式(6)〔化18〕
【0018】
【化18】 (式中、Xは前記に同じ)に示すエーテルジアミンと式
(7)〔化19〕
【0019】
【化19】 (式中、R1 は前記に同じ)に示す1種以上のテトラ
カルボン酸二無水物とを有機溶媒の存在下または不存在
下において反応させ、得られたポリアミド酸を化学的に
または熱的にイミド化して製造することができる。反応
温度は通常250℃以下であり、反応圧力は特に限定さ
れず、常圧で充分実施できる。また反応時間は使用する
テトラカルボン酸二無水物、溶剤の種類、反応温度によ
り異なり、通常中間生成物であるポリアミド酸の生成が
完了するのに充分な時間反応させる。反応時間は24時
間、場合によっては1時間以内で充分である。
【0020】このような反応により式(1)の繰り返し
単位に対応するポリアミド酸が得られ、ついでこのポリ
アミド酸を100〜400℃に加熱脱水するか、または
通常用いられるイミド化剤を用いて化学イミド化するこ
とにより式(1)の繰り返し構造単位を有するポリイミ
ドが得られる。また、ポリアミド酸の生成と熱イミド化
反応を同時に行ってポリイミドを得ることもできる。
【0021】この方法て使用される式(6)のエーテル
ジアミンとしては、式(6)中のXが脂肪属基であるも
のとして、〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2−〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(3
−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕プロパン
、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−
メチルフェニル〕プロパン、2−〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(3−アミノフェノ
キシ)−3,5−ジメチルフェニル〕プロパン、2,2
−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメ
チルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、式中のXが直接
結合のものとして、4,4’−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノ
キシ)−3−メチルビフェニル、4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)−3,3’−ジメチルビフェニル、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジ
メチルビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノ
キシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル
、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’
−ジクロロビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)−3,5−ジクロロビフェニル、4,4’−
ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,5,5’−
テトラクロロビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノ
フェノキシ)−3,3’−ジブロモビフェニル、4,4
’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジブロモ
ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)
−3,3’,5,5’−テトラブロモビフェニル、式中
のXが−CO−基のものとして、ビス〔4−(3−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−{4−(
4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕ケトン
、式中のXが−S−基のものとして、ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)−3−メトキシフェニル〕ス
ルフィド、〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
〔4−(3−アミノフェノキシ)3,5−ジメトキシフ
ェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)−3,5−ジメトキシフェニル〕スルフィド、式中
のXが−SO2 −基のものとして、ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−{
4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕
スルホン、式中のXが−O−基のものとして、ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、
式中のXがその他のものとして、1,4−ビス〔4−(
3−アミノフェノキシ)フェノキシ〕ベンゼン、1,4
−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕ベ
ンゼン、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミ
ノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、ビス〔4−{4
−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕ス
ルホンなどが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上
混合して用いられる。
【0022】また、上記熱可塑性ポリイミド樹脂の溶融
流動性を損なわない範囲で他のジアミンを混合して用い
ることもできる。混合して用いることのできるジアミン
としてはm−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジ
ルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3
,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニ
ルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3
’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノ
ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルス
ルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’
−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾ
フェノン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1
,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2
−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェ
ニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕ケトン、ビス〔4−アミノフェノキシ)フェニル〕
スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルホン等が挙げられ、これらのジアミンは通常
30重量%以下、好ましくは5重量%以下混合して用い
られる。
【0023】また、式(1)で表されるポリイミドを製
造するのに用いられる一方の原料であるテトラカルボン
酸二無水物の具体例としては、式(7)において、式中
のR1 が脂肪族基であるエチレンテトラカルボン酸二
無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、式中のR1
 が環式脂肪族基であるものとしてはシクロペンタンテ
トラカルボン酸二無水物、式中のR1 が単環式脂肪族
基であるものとしてはピロメリット酸二無水物、1,2
,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、式中の
R1 が次式〔化20〕で表され、
【0024】
【化20】 同式中のX1 が−CO−基である3,3’,4,4’
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’
,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
、同式中のX1 が直接結合である3,3’,4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3
,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、同式中
のX1 が脂肪族基である2,2−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(
2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1
,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二
無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン
二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタ
ン二無水物、同式中のX1 が−O−基であるビス(3
,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、同式
中のX1 が−SO2 −基であるビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)スルホン二無水物、また、式(7)
中のR1 が縮合多環式芳香族基である2,3,6,7
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,
8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5
,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,
9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3
,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1
,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水
物、同式中のR1 がその他のものとして、ビス(3,
4ジカルボキシ)(p−フェニレンジオキシ)二無水物
などであり、これらテトラカルボン酸二無水物は単独ま
たは2種以上混合して用いられる。
【0025】また、本発明に用いられる式(1)で表さ
れるポリイミド樹脂は、無水フタル酸、 2,3−ベン
ゾフェノンジカルボン酸無水物、 3,4−ベンゾフェ
ノンジカルボン酸無水物、 2,3−ジカルボキシフェ
ニルフェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフ
ェニルフェニルエーテル無水物、 2,3−ビフェニル
ジカルボン酸無水物、 3,4−ビフェニルジカルボン
酸無水物、 2,3−ジカルボキシフェニルフェニルス
ルホン無水物、 3,4−ジカルボキシフェニルフェニ
ルスルホン無水物、 2,3−ジカルボキシフェニルフ
ェニルスルフィド無水物、 3,4−ジカルボキシフェ
ニルフェニルスルフィド無水物、 1,2−ナフタレン
ジカルボン酸無水物、 2,3−ナフタレンジカルボン
酸無水物、 1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、
 1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、 2,3
−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9 −アント
ラセンジカルボン酸無水物等のジカルボン酸無水物で封
止されたものも使用可能である。
【0026】式(1)で表わされる繰り返し単位を有す
るポリイミド樹脂の対数粘度は通常0.35〜0.65
dl/g、好ましくは0.40〜0.60dl/gの範
囲のものである。この対数粘度が上記の範囲を越えて0
.35以下であると機械物性、耐久性が不十分となり、
また0.65以上であると成形性悪化し射出成形困難と
なる。この対数粘度はパラクロロフェノール/フェノー
ル(90/10重量比)の混合溶媒中、濃度0.5g/
100mlの溶媒で加熱溶解した後、35℃に冷却して
測定される。
【0027】また、本発明で用いられるサーモトロピッ
ク液晶ポリマーは、前記の式(2)、式(3)、式(4
)、および式(5)の基本構造からなる熱可塑性樹脂で
ある。
【0028】これらサーモトロピック液晶ポリマーで市
販されている代表的なものには、日本石油化学(株)「
ザイダー」(商標)、住友化学工業(株)「エコノール
」(商標)、ポリプラスチック(株)「ベクトラ」(商
標)として市販されている本発明の炭素繊維強化ポリイ
ミド系樹脂組成物において、ポリイミドとサーモトロピ
ック液晶ポリマーとを含む樹脂組成物の両者の配合割合
は、ポリイミド樹脂50〜99重量%とサーモトロピッ
ク液晶ポリマー50〜1重量%である。好ましくはサー
モトロピック液晶ポリマー40〜1重量%、さらに好ま
しくはサーモトロピック液晶ポリマー30〜2重量%で
ある。
【0029】サーモトロピック液晶ポリマーの配合割合
が、50重量%を越えると得られる樹脂組成物のウエル
ド強度が低下し、また、異方性が目立つようになる。ま
た、1重量%未満では得られる樹脂組成物の成形加工性
が十分ではなく、結晶化に伴う熱処理過程での成形品の
寸法安定性も改良されない。
【0030】また、ネマチック液晶相を形成しうるこれ
らのサーモトロピック液晶ポリマーをブレンドすること
により、結晶化速度が著しく向上し、昇温過程における
結晶化発熱温度の低温側へのシフト及び降温過程におけ
る結晶化発熱温度の高温側へのシフトが可能である。
【0031】本発明で使用されるチタン酸カリウム繊維
は、高強度繊維(ウィスカー)の1種であり、化学組成
としてK2O・6TiO2 、K2O・6TiO2 ・
  H2Oを基本とする針状結晶であり、代表的融点は
1300〜1350℃である。平均繊維長は5〜50μ
m、平均繊維径は0.05〜1.0μmのものが適用さ
れるが、平均繊維長は20〜30μm、平均繊維径は0
.1〜0.3μmのものが好ましい。該チタン酸カリウ
ム繊維は通常無処理でも使用しうるが、本発明の基材樹
脂と親和性をもたせるために、アミノシラン、エポキシ
シラン等のシランカップリング剤、クロミッククロライ
ド、その他目的に応じた表面処理剤を使用することがで
きる。
【0032】チタン酸カリウム繊維の添加量は、  ポ
リマーからなる前記樹脂組成物100重量部に対して、
チタン酸カリウム繊維5〜200重量%の範囲である。 好ましくは、チタン酸カリウム繊維5〜100重量%で
ある。
【0033】ポリイミド樹脂とサーモトロピック液晶ポ
リマーからなる前記樹脂組成物100重量部に対して、
チタン酸カリウム繊維の添加量が5%未満では、得られ
る樹脂組成物の機械特性が悪く、成形収縮における寸法
安定性もあまり改良されない。チタン酸カリウム繊維の
添加量が200%を越えると、得られる樹脂組成物の成
形加工性が十分ではない。
【0034】本発明のポリイミド系樹脂組成物には、必
要に応じ炭素繊維、ガラス繊維、光学繊維、セラミック
繊維、金属繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、アスベ
スト、ロックウール等の繊維状強化材、炭酸カルシウム
、マイカ、ガラスビーズ、グラファイト、二硫化モリブ
デン、クレー、シリカ、アルミナ、タルク、ケイソウ土
、水和アルミナ、シラスバルーン等の充填剤、滑剤、離
型剤、安定剤、着色剤、結晶核剤の他、他の熱可塑性樹
脂(例えば、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド
、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエ
ーテルケトン、ポリテトラフロロエチレン等)、熱硬化
性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリ
アミドイミド樹脂等)を併用してもよい。
【0035】本発明のポリイミド系樹脂組成物を調製す
るための諸原材料を混合する手段は、特に限定されるも
のではなく、原料を個別に溶融混合機に供給しても、ま
た予めヘンシェルミキサー、ボールミキサー、リボンブ
レンダー等の汎用の混合機を用いて2種以上のものを同
時に混合してもよい。通常、混合温度は、250〜42
0℃、好ましくは300〜400℃である。
【0036】本発明のポリイミド系樹脂組成物を成形方
法も、圧縮成形、焼結成形等を適用し得ることは勿論で
あるが、均一溶融ブレンド体を形成し生産性の高い射出
成形もしくは押出成形を行うことができる。以下、本発
明を実施例および比較例により詳細に説明する。
【0037】なお、実施例および比較例で用いたサーモ
トロピック液晶ポリマー、チタン酸カリウム繊維は次の
通りである。 (1)サーモトロピック液晶ポリマー:日本石油化学社
製  Xydar  SRT−500住友化学工業社製
  エコノール  E−6000ポリプラスチックス社
  ベクトラ  A−950(2)チタン酸カリウム繊
維: 大塚化学社製  チタン酸カリウムウィスカー  ティ
スモD
【0038】
【実施例】
実施例1〜7 4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルと
ピロメリット酸二無水物を原料として得られた対数粘度
0.46dl/gのポリイミドと各種原材料を第1表に
示すような割合で乾式混合した後、二軸押出機を用いて
370〜400℃で押出して造粒し、得られたペレット
を射出成形機(シリンダー温度370〜410℃、射出
圧力900kg/cm2 、金型温度180℃)に供給
し、後述する各試験法に定められた試験片を成形し、成
形収縮率、引張強度、、曲げ強度、熱変形温度を測定し
た。各試験方法は下記に示した。また、それらの結果を
第1表に示す。
【0039】1)成形収縮率:上記条件にて、成形した
50mm×50mm×3mmの平板を使用し、ゲートは
50mmの1辺に1mmの厚さを有するフィルムゲート
が設けられている。溶融の流れ方向をMD(MACHI
NE−DIRECTION),直角方向をTD(TRA
NSVERSE−DIRECTION)で表した。 2)引張強度:ASTM  D−638に準じて測定し
た。 3)曲げ強度:ASTM  D−790に準じて測定し
た。 4熱変形温度:ASTM  D−648に準じて測定し
た。
【0040】実施例8 4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルと
ピロメリット酸二無水物を原料として得られた対数粘度
0.46dl/gのポリイミドと各種原材料を第3表に
示すような割合で乾式混合した後、二軸押出機を用いて
370〜400℃で押出して造粒し、得られたペレット
を射出成形機(シリンダー温度420℃、射出圧力15
00kg/cm2 、金型温度180℃)に供給し、流
動肉厚1mmにおけるスパイラルフロー流動長を測定し
た。結果を第3表に示す。
【0041】比較例1〜4 諸原材料の配合割合を第2表に示したようにした以外は
全て実施例1と全く同様の操作を行って試験片を作製し
、それぞれの性質を測定し、得られた結果を第2表に併
記した。
【0042】比較例5 諸原材料の配合割合を第3表に示したようにおこない、
実施例8と同条件でスパイラルフロー流動長の測定をお
こなった。結果を第3表に示す。第1表と第2表を比較
すると、実施例1〜7はいづれも優れた機械特性、成形
収縮の寸法安定性を有しているのに対し、比較例1〜4
は、機械特性が劣っているか、成形収縮の寸法安定性が
悪いかのいづれかの欠点を有していることは明白である
。また、表3より、実施例8と比較例5を比較すると、
実施例8は優れた成形加工性を有しているのに対し、比
較例5はスパイラルフロー流動長が小さく成形加工性が
劣っている。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明のポリイミド系樹脂組成物は、ポ
リイミド樹脂およびサーモトロピック液晶ポリマーから
なる樹脂組成物の特性を大きく損なうことなく、機械特
性、成形収縮の寸法安定性に非常に優れたものである。
【0047】よって、本発明の樹脂組成物は、機械特性
,耐熱性,耐薬品性、成形収縮の寸法安定性に非常に優
れているため、高機能、高精度が要求される各種の部品
、例えば、歯車,カム,プッシング,プーリー,プーリ
ー,スリーブ,軸受け等の機械部品や、コネクター,ボ
ビン,ICソケット等の電気・電子部品、またインペラ
,マニホールド,バルブガイド,バルブシステム,ピス
トンスカート,オイルパン,フロントカバー,ロッカー
カバー等の自動車部品、その他高機能、高精度が要求さ
れる多くの各種機構部品に使用できるので、この発明の
意義は極めて大きいといえる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  式(1)〔化1〕で表わされる繰り返
    し単位を有するポリイミド樹脂50〜99重量%と、サ
    ーモトロピック液晶ポリマーの1種または2種以上の混
    合物50〜1重量%とを含む樹脂組成物と、この樹脂組
    成物100重量部に対して、チタン酸カリウム繊維5〜
    200重量%を含有してなることを特徴とするポリイミ
    ド系樹脂組成物。 【化1】 (式中、Xは直結、イオウ、炭素数1〜10の二価の炭
    化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カル
    ボニル基、チオ基、スルホニル基、エーテル基から成る
    群より選ばれた基を表わし、Y1 、Y2 、Y3およ
    びY4 はそれぞれ水素、低級アルキル基、低級アルコ
    キシ基、塩素または臭素から成る群より選ばれた基を表
    わし、またR1 は炭素数4〜9の脂肪族基、炭素数4
    〜10の単環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式
    芳香族基、芳香族基が直接又は架橋員より相互に連結さ
    れた非縮合多環式芳香族基から成る群より選ばれた4価
    の基を表わす。)
  2. 【請求項2】    サーモトロピック液晶ポリマーが
    、式(2)〔化2〕、式(3)〔化3〕、式(4)〔化
    4〕および式(5)〔化5〕の繰り返し単位を有する基
    本構造からなる群より選ばれた少なくとも1種のもので
    あることを特徴とする請求項1記載のポリイミド系樹脂
    組成物。 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】
  3. 【請求項3】式(1)で表わされる繰り返し構造単位を
    有するポリイミド樹脂の式中のR1 が、次の(a)〜
    (e)からなる群より選ばれた少なくとも1種である請
    求項1記載のポリイミド系樹脂組成物。 (a)  炭素数4〜9の脂肪族基 (b)  炭素数4〜10の環式脂肪族基(c)  次
    式〔化6〕で表される単環式芳香族基【化6】 (d)  次式〔化7〕で表される縮合多環式芳香族基
    【化7】 (e)次式〔化8〕で表わされる芳香族基が直接又は架
    橋員より相互に連結された非縮合多環式芳香族基【化8
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