JP3034143B2 - ポリイミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリイミド樹脂組成物

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JP3034143B2
JP3034143B2 JP4342548A JP34254892A JP3034143B2 JP 3034143 B2 JP3034143 B2 JP 3034143B2 JP 4342548 A JP4342548 A JP 4342548A JP 34254892 A JP34254892 A JP 34254892A JP 3034143 B2 JP3034143 B2 JP 3034143B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた成形加工性を有す
るポリイミド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ウルテム(GE社、登録商標)に代表さ
れる熱可塑性ポリイミド樹脂は、耐熱性および機械強度
の点で汎用エンジニアリングプラスチックより優れてい
ることから、スーパーエンジニアリングプラスチックと
称され、電気・電子機器、機械、自動車などの用途に幅
広く検討されている。
【0003】最近は技術の進歩と共にウルテム以上の耐
熱性、機械特性を有する新規な熱可塑性ポリイミド樹脂
の開発が要求されている。
【0004】例えば、エーテルジアミンとテトラカルボ
ン酸二無水物とを反応させて得られるポリイミド樹脂の
製法が米国特許4,847,349に開示されている、
また3,3’−ジアミノベンゾフェノンとテトラカルボ
ン酸二無水物とを反応させて得られるポリイミド樹脂の
製法も特開平2−018419等により提出されてい
る。何れも従来には無い耐熱性、機械特性を有する新規
なポリイミド樹脂を提供したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレン
スルフィドなどに代表される通常のエンジニアリングプ
ラスチックに比較すると、上記のポリイミドは耐熱性や
その他の特性においてはるかに優れているものの、分子
量が大きくなると溶融流動性が低下し、成形加工性はそ
れらの樹脂にいまだ及ばない。また、ポリイミドの最小
単位であるビスイミドを添加することにより、溶融流動
性が増すことを見つけ先に出願した(特願平03−28
7660)。しかし、この場合、ポリイミド樹脂本来の
機械特性及び耐熱性を損なう恐れがある。
【0006】本発明の目的は、ポリイミドが本来有する
特性を損なうことなく、溶融時流動性の面において極め
て優れた成形用のポリイミド系樹脂組成物を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決するために鋭意研究を行った結果、特定のポリ
イミドと特定のポリイミドオリゴマーとよりなるポリイ
ミド系樹脂組成物が前記目的に有効であることを見出
し、本発明を完成した。即ち、本発明は基本的に下記式
(1)(化3)
【0008】
【化3】
【0009】〔式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二
価の炭化水素基、六弗素化されたイソプロピリデン基、
カルボニル基、チオ基またはスルホニル基から成る群よ
り選ばれた基を表わし、Y1〜Y4は水素、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、塩素または臭素を示し、同じで
あっても異なっていてもよい。Rは炭素数2以上の脂肪
族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香
族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結さ
れた非縮合多環式芳香族基から成る群より選ばれた四価
の基を表わす。〕の繰り返し単位で示されるポリイミド
樹脂100重量部に対し、芳香族ポリイミドオリゴマー
0.5重量部以上100重量部未満を配合してなるポリ
イミド樹脂組成物であり、芳香族ポリイミドが下記式
(2)(化4)
【0010】
【化4】
【0011】〔式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二
価の炭化水素基、六弗素化されたイソプロピリデン基、
カルボニル基、チオ基またはスルホニル基から成る群よ
り選ばれた基を表わし、Y1〜Y4は水素、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、塩素または臭素を示し、同じで
あっても異なっていてもよい。Rは炭素数2以上の脂肪
族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香
族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結さ
れた非縮合多環式芳香族基から成る群より選ばれた四価
の基を表わす。〕の繰り返し単位で示されるポリイミド
樹脂組成物である。
【0012】前記した式(1)に示すポリイミド樹脂粉
の対数粘度は、通常0.40〜1.50dl/g、好ま
しくは0.40〜1.20dl/gの範囲である。0.
40より小さければ所望の機械特性を得ることが難し
く、また1.50より大きければ溶融粘度が高くなり成
形加工性に乏しくなる。
【0013】また、前記した式(2)に示す芳香族ポリ
イミドオリゴマーの対数粘度は、通常0.10〜0.3
8dl/g、好ましくは0.20〜0.30dl/gの
範囲である。0.10より小さければ機械特性、耐熱性
の保持が難しく、また、0.38より大きければ溶融流
動性の向上が見られなくなり本発明の目的である成形加
工性の向上は認められない。さらに好ましくは、前記し
た式(1)に示すポリイミド樹脂粉の対数粘度と式
(2)に示す芳香族ポリイミドオリゴマーの対数粘度の
差が0.20以上であれば、本発明の効果は更に大きく
なる。尚、ここに示す対数粘度はパラクロロフェノール
/フェノール(重量比90/10)の混合溶媒中、濃度
0.5g/100ml溶媒で加熱溶解した後、35℃に
冷却して測定した値である。前記した式(1)で表され
るポリイミド樹脂は、下記式(3)(化5)
【0014】
【化5】
【0015】〔式中、X、Y1〜Y4およびRは前に同
じ。〕で表されるエーテルジアミンと、下記式(4)
(化6)
【0016】
【化6】
【0017】〔式中、Rは前に同じ。〕に示す1種以上
のテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポ
リアミド酸を脱水環化して合成されるポリイミドであ
る。
【0018】具体的には特開昭61−143478、6
2−68817、62−205124、特開平1−11
0530等によって開示されている方法によって容易に
調整することができる。
【0019】前記式(3)で表されるジアミンとして
は、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メ
タン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン、2−〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)−3−メチルフェニル〕プロパン、2,2−ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニ
ル〕プロパン、2−〔4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕−2−〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,
5−ジメチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3
−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)−3−メチルビフェニル、4,4’−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジメチルビフ
ェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−
3,5−ジメチルビフェニル、4,4’−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチル
ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)
−3,3’−ジクロロビフェニル、4,4’−ビス(3
−アミノフェノキシ)−3,5−ジクロロビフェニル、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,
5,5’−テトラクロロビフェニル、4,4’−ビス
(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジブロモビフェ
ニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,
5−ジブロモビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノ
フェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラブロモビフ
ェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)−3−メトキシフェニル〕スルフィド、〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)−3,5−ジメトキシフェニル〕スルフィ
ド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジ
メトキシフェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕スルホン等が挙げられ、これ
らは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0020】この方法で用いられる式(4)のテトラカ
ルボン酸二無水物としては、例えばエチレンテトラカル
ボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シ
クロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット
酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェ
ニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフ
ェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水
物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無
水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、3,3’4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,
3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
(4,4’−p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無
水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナント
レンテトラカルボン酸二無水物などであり、これらテト
ラカルボン酸二無水物は単独あるいは2種以上混合して
用いられる。
【0021】本発明の式(1)で表されるポリイミド樹
脂の製造においては、本発明のポリイミド樹脂の良好な
性質を損なわない範囲、例えば前記ジアミンの量の通常
50重量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲で他
のジアミンを代替えして用いることもできる。
【0022】また、前記した式(1)で表されるポリイ
ミド樹脂の製造においては、ジカルボン酸無水物或いは
モノアミンの存在下に反応を行うのは、熱安定性を向上
させるのには好ましい方法である。
【0023】本発明において流動化促進剤として用いら
れる芳香族ポリイミドオリゴマーは、前記式(2)で示
されるものであり、下記式(5)(化7)
【0024】
【化7】
【0025】〔式中、X、Y1〜Y4およびRは前に同
じ。〕で表されるエーテルジアミンと、下記式(6)
(化8)
【0026】
【化8】
【0027】〔式中、Rは前に同じ。〕に示す1種以上
のテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポ
リアミド酸を脱水環化して合成される芳香族ポリイミド
オリゴマーである。
【0028】具体的には特開昭61−143478、6
2−68817、62−205124、特開平1−11
0530等によって開示されている方法によって容易に
調整することができる。
【0029】前記式(5)で表されるジアミンとして
は、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メ
タン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン、2−〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)−3−メチルフェニル〕プロパン、2,2−ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニ
ル〕プロパン、2−〔4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕−2−〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,
5−ジメチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3
−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)−3−メチルビフェニル、4,4’−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジメチルビフ
ェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−
3,5−ジメチルビフェニル、4,4’−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチル
ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)
−3,3’−ジクロロビフェニル、4,4’−ビス(3
−アミノフェノキシ)−3,5−ジクロロビフェニル、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,
5,5’−テトラクロロビフェニル、4,4’−ビス
(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジブロモビフェ
ニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,
5−ジブロモビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノ
フェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラブロモビフ
ェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)−3−メトキシフェニル〕スルフィド、〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)−3,5−ジメトキシフェニル〕スルフィ
ド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジ
メトキシフェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕スルホン等が挙げられ、これ
らは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0030】この方法で用いられる式(6)のテトラカ
ルボン酸二無水物としては、例えばエチレンテトラカル
ボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シ
クロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット
酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェ
ニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフ
ェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水
物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無
水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、3,3’4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,
3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
(4,4’−p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無
水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナント
レンテトラカルボン酸二無水物などであり、これらテト
ラカルボン酸二無水物は単独あるいは2種以上混合して
用いられる。
【0031】本発明の式(2)で表される芳香族ポリイ
ミドオリゴマーの製造においては、本発明の芳香族ポリ
イミドオリゴマーの良好な性質を損なわない範囲、例え
ば前記ジアミンの量の通常50重量%以下、好ましくは
30重量%以下の範囲で他のジアミンを代替えして用い
ることもできる。
【0032】また、前記した式(2)で表される芳香族
ポリイミドオリゴマーの製造においては、ジカルボン酸
無水物或いはモノアミンの存在下に反応を行うのは、熱
安定性を向上させるのには好ましい方法である。
【0033】本発明の成形用樹脂組成物は前記式(1)
のポリイミド100重量部に対して、前記式(2)で示
される芳香族ポリイミドオリゴマー0.5重量部以上1
00重量部未満の範囲で使用される。芳香族ポリイミド
オリゴマーの流動化促進剤としての効果は比較的少量で
も認められ、その下限はポリイミド100重量部に対し
て0.5重量部であるが、好ましくは1重量部以上20
重量部である。しかし、芳香族ポリイミドオリゴマーを
100重量部以上使用すると、得られるポリイミド樹脂
組成物の機械的強度が損なわれるので、その使用量には
上限があり、100重量部未満の範囲で使用するのが好
ましい。
【0034】本発明に係るポリイミド樹脂組成物を調整
するにあたっては、通常公知の方法により製造できる
が、例えば次に示す方法等は好ましい方法である。
【0035】1. ポリイミド樹脂粉末と芳香族ポリイ
ミドオリゴマーとを乳鉢、ヘンシェルミキサー、ドラム
ブレンダー、タンブラーブレンダー、ボールミルリボン
ブレンダーなどを利用して予備混練し粉状とする。
【0036】2. ポリイミド樹脂粉末をあらかじめ有
機溶媒に溶解あるいは懸濁させ、この溶液あるいは懸濁
液に芳香族ポリイミドオリゴマーを添加し、均一に分散
または溶解させた後、溶媒を除去して粉状とする。
【0037】3. ポリイミドの前駆体であるポリアミ
ド酸の有機溶媒溶液に、芳香族ポリイミドオリゴマーお
よび/またはその前駆体である芳香族ポリアミド酸オリ
ゴマーを溶解または懸濁させた後、100〜400℃に
加熱処理するか、または通常用いられるイミド化剤を用
いて化学イミド化した後、溶剤を除去して粉状とする。
【0038】このようにして得られた粉状の樹脂組成物
は、そのまま各種成形用途、すなわち射出成形、圧縮成
形、トランスファー成形、押出成形などに用いられる
が、溶融ブレンドしてから用いるのはさらに好ましい方
法である。
【0039】溶融ブレンドには通常のゴムまたはプラス
チック類を溶融ブレンドするのに用いられる装置、例え
ば熱ロール、バンバリーミキサー、ブラベンダー、押出
機などを利用することができる。溶融温度は配合系が溶
融可能な温度以上で、かつ配合系が熱分解し始める温度
以下に設定されるが、その温度は通常280〜420
℃、好ましくは300〜400℃である。
【0040】本発明の樹脂組成物の成形方法としては、
均一溶融ブレンド体を形成し、かつ生産性の高い成形方
法である押出成形または射出成形が好適であるが、その
他のトランスファー成形、圧縮成形、焼結成形、押出フ
ィルム成形なども適用される。 また複合材料用のプリ
プレグの製造においては、前記の均一に調整された樹脂
組成物をカーボン繊維、ガラス繊維等に溶融含浸するこ
ともできるし、あるいはポリイミド樹脂、芳香族ポリイ
ミドオリゴマーを均一に分散または溶解させた液を各種
繊維に含浸させた後、溶媒を除去する方法も採用でき
る。
【0041】なお、本発明の樹脂組成物に対して固体潤
滑剤、例えば二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホ
ウ素、一酸化鉛、鉛粉などを一種以上添加することがで
きる。また補強剤、例えばガラス繊維、炭素繊維、芳香
族ポリアミド、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊
維、ガラスビーズ等を一種以上添加することもできる。
【0042】なお、本発明の樹脂組成物に対して、本発
明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、
紫外線吸収剤、難燃性剤、難燃助剤、帯電防止剤、滑
剤、着色剤などの通常の添加剤を一種以上添加すること
ができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を合成例、実施例、比較例によ
り更に詳細に説明する。 合成例1 ポリイミドの合成 特開平1−110530に準拠し、4,4’−ビス(3
−アミノフェノキシ)ビフェニルと無水ピロメリット酸
及びフタル酸より対数粘度0.50dl/g〔ここに対
数粘度はパラクロロフェノール:フェノール(重量比9
0:10)の混合溶媒を用い0.5g/100ml濃度
で加熱溶解後、35℃に冷却後測定した値である。〕の
ポリイミド粉末を得た。このポリイミドのガラス転移温
度は250℃、融点は390℃(DSCによる)であっ
た。
【0044】合成例2 ポリイミドの合成 合成例1と同様にして、但しジアミン類の種類を変えて
ポリイミド粉末を得た。表1に原料、生成ポリイミドの
物性をまとめて示す。なお、表1には合成例1の結果も
併せて示す。
【0045】
【表1】
【0046】合成例3 芳香族ポリイミドオリゴマー
の合成 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反応
容器に4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェ
ニル368.4g(1.0モル)、無水フタル酸59.
24g(0.4モル)、無水ピロメリット酸174.5
g(0.8モル)およびm−クレゾール2,172gを
装入し、攪拌下200℃まで加熱し、6時間200℃に
て保温した。次いで反応溶液にトルエンを装入し、析出
物を濾別し、さらにトルエンにて数回洗浄を行った後、
窒素雰囲気下250℃で6時間乾燥を行い、対数粘度
0.21dl/gのポリイミドオリゴマー粉末を得た。
このポリイミドのガラス転移温度は210℃、融点は3
85℃(DSCによる)であった。
【0047】合成例4 芳香族ポリイミドオリゴマー
の合成 合成例3と同様にして、但しジアミン類の種類を変えて
芳香族ポリイミドオリゴマー粉末を得た。表2に原料、
生成芳香族ポリイミドオリゴマーの物性をまとめて示
す。なお、表2には合成例3の結果も併せて示す。
【0048】
【表2】
【0049】実施例1〜3、比較例1 合成例1で得られたポリイミドと、合成例3で得られた
芳香族ポリイミドオリゴマーを表3に示す割合でドライ
ブレンドした。得られた樹脂組成物を高化式フローテス
ター(島津製作所製、CFT−500)で直径0.1c
m、長さ1cmのオリフィスを用い、420℃の温度に
5分間保った後、100kgの荷重で押し出し、溶融粘
度を測定した。結果を表3に示す。さらに、得られた樹
脂組成物を二軸溶融押出機を用いて400℃で押出して
製粒した。得られたペレットを通常の射出成形機にかけ
て成形温度400℃、金型温度150℃で射出成形し、
成形物の熱変形温度(HDT)を測定した。結果を表3
に示す。表中、熱変形温度はASTM D−648によ
る。
【0050】比較例2〜4 合成例1で得られたポリイミドと、特願平03−004
963に準拠し、4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニルと無水フタル酸より合成されたビスイミ
ドを表3に示す割合でドライブレンドした。実施例1と
同様にして溶融粘度および熱変形温度を測定し、表3に
示す結果を得た。
【0051】実施例4〜6、比較例5 合成例2で得られたポリイミドと、合成例4で得られた
芳香族ポリイミドオリゴマーを表3に示す割合でドライ
ブレンドした。溶融粘度の測定において400℃の温度
に5分間保った他は、実施例1と同様にして溶融粘度お
よび熱変形温度を測定し、表3に示す結果を得た。
【0052】比較例6〜8 合成例2で得られたポリイミドと、特願平03−004
963に準拠し、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル〕スルフィドと無水フタル酸より合成されたビ
スイミドを表3に示す割合でドライブレンドした。実施
例4と同様にして、溶融粘度および熱変形温度を測定
し、表3に示す結果を得た。
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】芳香族ポリイミドオリゴマーを添加する
ことにより、添加前のポリイミド樹脂の耐熱性を著しく
低下させることなく、樹脂の溶融時粘度を大幅に低下さ
せ、成形加工性を改良することが出来た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 79/00 - 79/08 C08G 73/00 - 73/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)(化1) 【化1】 〔式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二価の炭化水素
    基、六弗素化されたイソプロピリデン基、カルボニル
    基、チオ基またはスルホニル基から成る群より選ばれた
    基を表わし、Y1〜Y4は水素、低級アルキル基、低級ア
    ルコキシ基、塩素または臭素を示し、同じであっても異
    なっていてもよい。Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式
    脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香
    族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合
    多環式芳香族基から成る群より選ばれた四価の基を表わ
    す。〕の繰り返し単位で示されるポリイミド樹脂100
    重量部に対し、芳香族ポリイミドオリゴマー0.5重量
    部以上100重量部未満を配合してなるポリイミド樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 上記式(1)で表されるポリイミド樹脂
    の対数粘度〔パラクロロフェノール:フェノール(重量
    比90:10)の混合溶媒を用い、濃度0.5g/10
    0ml溶媒で加熱溶解後冷却し35℃で測定〕が0.4
    0〜1.50dl/gである請求項1記載のポリイミド
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリイミドオリゴマーが下記式
    (2)(化2) 【化2】 〔式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二価の炭化水素
    基、六弗素化されたイソプロピリデン基、カルボニル
    基、チオ基またはスルホニル基から成る群より選ばれた
    基を表わし、Y1〜Y4は水素、低級アルキル基、低級ア
    ルコキシ基、塩素または臭素を示し、同じであっても異
    なっていてもよい。Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式
    脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香
    族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合
    多環式芳香族基から成る群より選ばれた四価の基を表わ
    す。〕の繰り返し単位で示される請求項1記載のポリイ
    ミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記式(2)で表される芳香族ポリイミ
    ドオリゴマーの対数粘度が0.10〜0.38dl/g
    である請求項1記載のポリイミド樹脂組成物。
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