JPH0539363A - ポリイミド樹脂成形物とその製造方法 - Google Patents

ポリイミド樹脂成形物とその製造方法

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JPH0539363A
JPH0539363A JP21806291A JP21806291A JPH0539363A JP H0539363 A JPH0539363 A JP H0539363A JP 21806291 A JP21806291 A JP 21806291A JP 21806291 A JP21806291 A JP 21806291A JP H0539363 A JPH0539363 A JP H0539363A
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polyimide resin
diamine
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general formula
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JP21806291A
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Hironobu Kawasato
浩信 川里
Takeo Teramoto
武郎 寺本
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性の高い、線膨張係数の小さなポリイミ
ド成形物を製造する。 【構成】 フルオレン骨格を有する芳香族ジアミン
(a)と脂肪族ジアミン(b)のモル比(a/b)が1
00/0〜10/90であるジアミン成分と、テトラカ
ルボン酸類とを重縮合して得られた重縮合物であり、イ
ンヘレント粘度が0.40〜3.00の範囲であるポリ
イミド樹脂を、溶融成形して得られた成形体であって、
線膨張係数が7.00×10-5-1以下であるポリイミ
ド樹脂成形物である。また、この様なポリイミド樹脂成
形物を500kgf/cm2 以下の圧力で溶融成形する
製造方法である。 【効果】 本発明における成形条件は、その圧力や温度
が一般のポリイミド樹脂に比べてマイルドであり、ま
た、その成形物の線膨張係数が小さくて精密な寸法安定
性が要求される電子材料分野等への応用が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高耐熱性でかつ成形性
に優れたポリイミド樹脂成形物とその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は、耐熱性、電気的特
性、機械的物性に優れたエンジニアリングプラスチック
として知られており、電子機器分野における保護材料、
絶縁材料あるいは構造材料として広く用いられている。
しかしながら、従来のポリイミド樹脂は、融点又はガラ
ス転移温度が高く、これらが熱分解温度に接近している
か、あるいはそれを越えている場合もあり、成形が極め
て困難である。
【0003】このため、現在のポリイミド樹脂の成形法
としては、ポリアミド酸溶液又は可溶性ポリイミド溶液
を基板に塗布して焼成するか、あるいは、粉末状のポリ
イミド樹脂を例えば450℃、3×103 kgf/cm
2 のような高温高圧の条件で圧縮成形する方法(特開平
2−58,538号公報)等が採られているが、これら
の方法は何れも生産性が低いため、ポリイミド樹脂の利
用形態としては、成形物としてよりもむしろワニス、フ
ィルムとしての利用の方が進んでいる。
【0004】従って、射出成形や押出成形等の熱可塑性
樹脂の成形法が適用可能なポリイミド樹脂が得られれ
ば、生産性の向上とともに多様な成形物を得ることが可
能となり、成形物に関しても幅広い用途展開が期待され
る。以上のような状況のもとで、ポリイミド樹脂の加工
性の向上を狙って、既にポリアミドイミド、ポリエーテ
ルイミド等が開発されているが、これらは何れもポリイ
ミド樹脂本来の耐熱性を大きく損なうものであった。例
えば、代表的なポリイミド樹脂であるカプトンはガラス
転移温度を持たないが、ポリアミドイミドのガラス転移
温度は289℃であり、ポリエーテルイミドでは217
℃まで低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリイミド
樹脂本来の耐熱性を損なうことなく、溶融成形が可能で
ある新規なポリイミド樹脂成形物及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(1)
【化3】 (但し、式中Rは−H、−CH3 又は−C2 5 を示
す)で表される芳香族ジアミン(a)及び下記一般式
(2) H2 N−Cn m −NH2 (2) (但し、式中nは2〜20の整数であり、mは2〜40
の整数である)で表される脂肪族ジアミン(b)のモル
比(a/b)が100/0〜10/90であるジアミン
成分と、テトラカルボン酸類とを重縮合して得られた重
縮合物であり、インヘレント粘度が0.40〜3.00
の範囲であるポリイミド樹脂を、溶融成形して得られた
成形体であって、線膨張係数が7.00×10-5-1
下であるポリイミド樹脂成形物である。また、本発明
は、上記一般式(1)で表される芳香族ジアミン(a)
及び上記一般式(2)で表される脂肪族ジアミン(b)
のモル比(a/b)が100/0〜10/90であるジ
アミン成分と、テトラカルボン酸類とを重縮合して得ら
れたインヘレント粘度が0.40〜3.00の範囲であ
るポリイミド樹脂の粉末を、加熱して500kgf/c
2 以下の圧力で溶融成形し、次いで冷却固化させて線
膨張係数が7.00×10-5-1以下であるポリイミド
樹脂成形物とするポリイミド樹脂成形物の製造方法であ
る。
【0007】本発明で用いる芳香族ジアミン(a)とし
ては、前記の一般式(1)で示されるものであり、例え
ば、9,9−ビス(3−メチル−4アミノフェニル)フ
ルオレン、9,9−ビス(3−エチル−4−アミノフェ
ニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)フルオレン等を挙げることができ、好ましくは9,
9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンである。こ
の一般式(1)で示される芳香族ジアミン(a)は1種
のみであっても2種以上を併用しても差し支えない。
【0008】脂肪族ジアミン(b)としては、前記の一
般式(2)で表されるものである。n=2〜20及びm
=4〜40の場合に良好な溶剤可溶性と成形物として十
分な強度が得られる。ところで、一般にカプトンのよう
なポリイミドはイミド化した状態では溶剤に不溶なため
にアミック酸の状態で粉末にしなければならないが、本
発明のように、一般式(1)の芳香族ジアミン(a)、
すなわちビスアニリンフルオレン類を用い、これに一般
式(2)の脂肪族ジアミン(b)を共重合させた場合に
は、ポリイミドの状態で溶剤に溶解するため、イミドの
状態で容易に粉末にできる。このため、成形時に縮合水
の発生によるボイドや成形歪を軽減できる。また、一般
式(1)の芳香族ジアミン(a)と一般式(2)の脂肪
族ジアミン(b)を用いて共重合させた場合には、この
ポリマーが閉環したポリイミドの状態でも可溶なため、
反応が進み易く十分な重合度となり、その結果、成形体
も十分な強度を持つものとなる。
【0009】このような一般式(2)の脂肪族ジアミン
(b)の例としては、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、ブチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、
2−メチル−1,5−ペンタン、ヘキサメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン、ドデシルジアミン、1,
4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられ
る。この脂肪族ジアミン(b)は、使用に当り1種のみ
であっても2種以上であっても差し支えない。
【0010】一般式(1)の芳香族ジアミン(a)と一
般式(2)の脂肪族ジアミン(b)とのモル比(a/
b)は100/0〜10/90であり、このモル比(a
/b)が10/90を超えて0/100の場合にはガラ
ス転移温度が200℃以下になり、耐熱性が不十分であ
る。なお、ジアミン成分が一般式(1)の芳香族ジアミ
ン(a)のみからなるポリマーは、耐熱性、成形性の両
者を兼ね備えており特に好ましい。
【0011】これらのジアミン成分と反応させるテトラ
カルボン酸類は、その分子内に互いに隣接する2組のカ
ルボキシル基を有するか、若しくはその誘導体であり、
具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水
物、2,2−ビス(3,4−ビスカルボキシフェニル)
−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二
無水物等が挙げられる。特に、ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸無水物を用いると、溶融し易くなって加工性が
向上し、ビフェニルテトラカルボン酸無水物を用いると
耐熱性が向上するので、これらベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸無水物やビフェニルテトラカルボン酸無水物を
用いることが望ましい。なお、これらのテトラカルボン
酸類は、その1種のみであってもよく、また、2種以上
を併用しても差し支えない。
【0012】これらを用いた合成法の一例としては、次
のようなものが挙げられる。すなわち、一般式(1)の
芳香族ジアミンとして例えば9,9−ビス(4−アミノ
フェニル)フルオレンを用い、また、脂肪族ジアミンと
して例えばヘキサメチレンジアミンを用い、その所定量
を攪拌下にm−クレゾールに溶解する。次いで窒素気流
下に180℃まで昇温し、この温度で攪拌下に8時間反
応させ、黄色透明で均一な反応溶液を得る。この反応溶
液を放冷した後、大量のメタノール中に投入し、沈澱し
た重合体を濾別し、乾燥すると、目的とするポリイミド
樹脂の粉末が得られる。
【0013】このようにして得られた重合体は、m−ク
レゾール、テトラクロロエタン、N−メチル−2−ピロ
リドン、N,N−ジメチルアセトアミド等の溶媒に10
重量%以上の濃度で溶解可能である。また、本発明のポ
リイミドのインヘレント粘度を0.40〜3.00とし
たのは、インヘレント粘度が0.40未満では、成形物
として十分な強度が得られず、また、3.00以上にな
ると流れが悪すぎて溶融成形には適さないからである。
【0014】本発明では、上述のようにして得られたポ
リイミド樹脂を溶融成形して成形物を得る。このポリイ
ミド樹脂は、その粉末を溶媒に溶かしフィルム状にして
得られる成形物ではその線膨張係数が1.00×10-4
-1以上になり、これまでに開発されてきたポリイミド
と比べて大きくなる場合があるが、このポリイミド樹脂
を加熱し、加圧しながら溶融成形して得られる成形物
は、その線膨張係数が7.00×10-5-1以下とな
り、溶媒溶解後フィルム状にして得られるものと比べる
と小さくなり、十分に低線膨張樹脂ということができ
る。このように線膨張係数が小さくなると、精密な寸法
安定性が要求される電気、電子機器産業や、高温での寸
法安定性が要求される自動車、航空、宇宙産業等の部品
等の製造において有用である。また、この溶融成形の際
の成形条件についても、例えば特開平2−58,538
号公報に記載されている450℃、3×103 kgf/
cm2 というような一般的なポリイミド樹脂の成形条件
ほどの高い圧力は必要なく、500kgf/cm2 以下
という温和な条件で成形することができ、高圧力のプレ
ス機等を必要としない。
【0015】以下に、この溶融成形の好ましい一例を示
す。先ず、得られたポリイミド樹脂の粉末に反応溶媒や
水等が含まれている場合には再沈を行い、よく乾燥させ
て残存溶媒を除去する。次に、この樹脂粉末を金型中に
充填し、室温で100〜200kgf/cm2 の圧力を
かけてプレ成形体を作る。この圧力は各々の樹脂のかさ
比重と樹脂の流れ易さによって異なる。次いでこれを徐
々に昇温し、最終的に300〜450℃まで加熱する。
この温度は樹脂の組成によって流れ具合いが異なるので
各々の樹脂によって決定する。この昇温過程でガスが発
生するときには、ときどき放圧してガス抜きを行う。ガ
スの発生はその樹脂の溶剤残存率、重合度、吸水率によ
って異なるので、その都度ガス抜きの有無を決定する。
最終的に目標温度(例えば、450℃)に到達した段階
で5〜20分間、100〜300kgf/cm2 の圧力
に保持し、その後加圧したまま冷却し、次いで圧力を解
除して取り出す。
【0016】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
を具体的に説明する。
【0017】実施例1 温度計、窒素導入管、エステル縮合管と攪拌装置を備え
た500mlの4つ口フラスコに一般式(1)のRがH
である4,4’−ビスアミノフェニルフルオレン(BA
F)27.876gとベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物25.778g及びm−クレゾール400cc
とを仕込み、窒素気流下に攪拌しながら180℃で8時
間反応させ、黄色透明で均一な溶液を得た。この反応溶
液をメタノール中に注ぎ、沈澱した重合体を濾別し、乾
燥してポリイミド樹脂の粉末Aを得た。得られたポリイ
ミド樹脂粉末Aは、N−メチル−2−ピロリドン溶液中
での30℃インヘレント粘度が0.80であった。
【0018】得られたポリイミド樹脂粉末Aを再沈さ
せ、よく乾燥させて金型中に充填し、室温において12
5kgf/cm2 の圧力をかけてプレ成形体を調製し、
次いでこれを徐々に昇温し、最終的に450℃まで加熱
した。最終温度(450℃)で10分間、圧力250k
g/cm2 に保持し、加圧したまま室温まで冷却して取
り出した。この様にして得られた成形品から試験片を切
り出し、引張強度(JIS K7113)、引張弾性率
(JIS K7113)、曲げ強度(JIS K720
3)、曲げ弾性率(JIS K7203)、伸度(JI
S K7113)、ガラス転移温度(JIS K712
1)、10%重量減少温度(JIS K7120)、H
DT(JIS K7207)、IZOD衝撃値(JIS
K7110)、及び線熱膨張係数を測定した。結果を
表1に示す。なお、線膨張係数はメトラー製TMA40
を使用し、フィルムの状態で50〜250℃の温度範囲
で測定した結果である。
【0019】実施例2 温度計、窒素導入管、エステル縮合管と攪拌装置を備え
た500mlの4つ口フラスコに一般式(1)のRがH
である4,4’−ビスアミノフェニルフルオレン(BA
F)13.938gとヘキサメチレンジアミン(HMD
A)4.648gとをモル比でBAF:HMDA=5:
5となるように仕込み、そこへビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物23.531gを入れ、更にm−クレゾー
ル400ccを添加し、攪拌しながら窒素気流下に18
0℃で8時間反応させ、黄色透明な均一溶液を得た。こ
の反応溶液をメタノール中に注ぎ、沈澱した重合体を濾
別し、乾燥してポリイミド樹脂の粉末Bを得た。得られ
たポリイミド樹脂粉末Bは、N−メチル−2−ピロリド
ン溶液中での30℃インヘレント粘度が1.12であっ
た。
【0020】得られたポリイミド樹脂粉末Bを再沈さ
せ、よく乾燥させて金型中に充填し、室温において12
5kgf/cm2 の圧力をかけてプレ成形体を調製し、
次いでこれを徐々に昇温し、最終的に350℃まで加熱
した。最終温度(350℃)で10分間、圧力125k
g/cm2 に保持し、加圧したまま室温まで冷却して取
り出した。この様にして得られた成形品から試験片を切
り出し、実施例1と同様に引張強度、引張弾性率、曲げ
強度、曲げ弾性率、伸度、ガラス転移温度、10%重量
減少温度、HDT、IZOD衝撃値、及び線熱膨張係数
を測定した。結果を表1に示す。
【0021】実施例3 温度計、窒素導入管、エステル縮合管と攪拌装置を備え
た500mlの4つ口フラスコに一般式(1)のRがH
である4,4’−ビスアミノフェニルフルオレン(BA
F)8.363gとヘキサメチレンジアミン(HMD
A)6.503gとをモル比でBAF:HMDA=3:
7となるように仕込み、そこへビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物23.531gを入れ、更にm−クレゾー
ル400ccを添加し、攪拌しながら窒素気流下に18
0℃で8時間反応させ、黄色透明な均一溶液を得た。こ
の反応溶液をメタノール中に注ぎ、沈澱した重合体を濾
別し、乾燥してポリイミド樹脂の粉末Cを得た。得られ
たポリイミド樹脂粉末Cは、N−メチル−2−ピロリド
ン溶液中での30℃インヘレント粘度が1.25であっ
た。
【0022】得られたポリイミド樹脂粉末Cを再沈さ
せ、よく乾燥させて金型中に充填し、室温において12
5kgf/cm2 の圧力をかけてプレ成形体を調製し、
次いでこれを徐々に昇温し、最終的に350℃まで加熱
した。最終温度(350℃)で10分間、圧力125k
g/cm2 に保持し、加圧したまま室温まで冷却して取
り出した。この様にして得られた成形品から試験片を切
り出し、実施例1と同様に引張強度、引張弾性率、曲げ
強度、曲げ弾性率、伸度、ガラス転移温度、10%重量
減少温度、HDT、IZOD衝撃値、及び線熱膨張係数
を測定した。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】比較例1〜3 実施例1〜3で得られた各ポリイミド樹脂粉末A〜Cに
ついて、加熱溶解後の圧縮成形法でなく、これをN−メ
チル−2−ピロリドンに溶解し、80℃で30分、12
0℃で30分、180℃で30分及び230℃で1時間
それぞれ加熱するキャスト法でフィルム状にキャスト
し、ポリイミド樹脂成形物を得た。得られたポリイミド
樹脂成形物について、上記各実施例と同様に、その線膨
張係数を測定した。結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】上記表1と表2の結果から明らかなよう
に、実施例1〜3のポリイミド樹脂成形物における線膨
張係数は比較例1〜3のそれと比較して顕著に低く、そ
の特性が優れていることが判明した。
【0027】
【発明の効果】本発明は、ポリイミド樹脂を低温、定圧
力(100〜300kgf/cm2 、300〜450
℃)で成形することにより、ポリイミド樹脂の有する高
強度高耐熱性という特性を維持したポリイミド樹脂成形
体を得ることができる。本発明によれば、従来(1,0
00〜3,000kgf/cm2 、500℃以上)に比
べて低温、低圧力で成形が可能なため、ポリイミド樹脂
の劣化が起こり難く、成形後の線膨張係数等の機械特性
が良好である。従って、より苛酷な条件に耐える材料と
して使用することができ、精密な寸法安定性が要求され
る電気、電子機器産業や、自動車産業、航空、宇宙産業
等の分野で特に有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (但し、式中Rは−H、−CH3 又は−C2 5 を示
    す)で表される芳香族ジアミン(a)及び下記一般式
    (2) H2 N−Cn m −NH2 (2) (但し、式中nは2〜20の整数であり、mは2〜40
    の整数である)で表される脂肪族ジアミン(b)のモル
    比(a/b)が100/0〜10/90であるジアミン
    成分と、テトラカルボン酸類とを重縮合して得られた重
    縮合物であり、インヘレント粘度が0.40〜3.00
    の範囲であるポリイミド樹脂を、溶融成形して得られた
    成形体であって、線膨張係数が7.00×10-5-1
    下であるポリイミド樹脂成形物。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1) 【化2】 (但し、式中Rは−H、−CH3 又は−C2 5 を示
    す)で表される芳香族ジアミン(a)及び下記一般式
    (2) H2 N−Cn m −NH2 (2) (但し、式中nは2〜20の整数であり、mは2〜40
    の整数である)で表される脂肪族ジアミン(b)のモル
    比(a/b)が100/0〜10/90であるジアミン
    成分と、テトラカルボン酸類とを重縮合して得られたイ
    ンヘレント粘度が0.40〜3.00の範囲であるポリ
    イミド樹脂の粉末を、加熱して500kgf/cm2
    下の圧力で溶融成形し、次いで冷却固化させて線膨張係
    数が7.00×10-5-1以下であるポリイミド樹脂成
    形物とすることを特徴とするポリイミド樹脂成形物の製
    造方法。
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