JP4787552B2 - 可溶性末端変性イミドオリゴマーおよびワニス並びにその硬化物 - Google Patents
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Description
一方、芳香族ポリイミドは一般に加工性に乏しく、特に溶融成形や繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として用いることは不向きである。このため、末端を熱架橋基で変性したイミドオリゴマーが提案されている。なかでも、末端を4−フェニルエチニル無水フタル酸で変性したイミドオリゴマーが成形性、耐熱性、力学特性のバランスに優れているとされ、例えば、特許文献1、特許文献2および非特許文献1、非特許文献2において紹介されている。その特許文献1には硬化物の耐熱性および機械的特性が良好で、実用性の高い末端変性イミドオリゴマーおよびその硬化物を提供することを目的とし、2,3,3’
,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物と4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸とを反応させて得られ、対数粘度が0.05〜1である末端変性イミドオリゴマーおよびその硬化物が開示されている。そして、その発明の効果として、実用性の高い新規な末端変性イミドオリゴマーを得ることができること、また、耐熱性や弾性率、引張強度および伸び等の機械的特性が良好な新規な末端変性イミドオリゴマーの硬化物を得ることができると記載されている。
(A)1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、2,6−ジエチル−1,3−ジアミノベンゼン、4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ジアミノベンゼン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−ODA)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(3,4’−ODA)、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(2,6−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルアニリン)、ビス(2−エチル−6−メチル−4−アミノフェニル)メタン、4,4’−メチレン−ビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジンの1種または2種以上から選択される。
又、本発明は、式(1)で表される末端変性イミドオリゴマーまたはそのワニスを加熱硬化して得られる硬化物である。
本発明の末端変性イミドオリゴマーは、例えば、前記の2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類(特に、この酸二無水物)と、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンを含む芳香族ジアミン化合物と、4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸とが、全成分の酸無水物基(または隣接するジカルボン酸基)の当量の全量とアミノ基の全量とがほぼ等量になるように使用して、各成分を、前述の溶媒中で、約100℃以下、特に80℃以下の反応温度で重合させて、「アミド−酸結合を有するオリゴマー」を生成し、次いで、そのアミド酸オリゴマー(アミック酸オリゴマーともいう)を、約0〜140℃の低温でイミド化剤を添加する方法によるか、あるいは140〜275℃の高温に加熱する方法によるかして、脱水・環化させて、末端に4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸残基を有するイミドオリゴマーを得ることができる。
各特性の測定条件は、次のとおりとした。
試験方法
(1)核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR):日本電子製JNM−AL300型を用いて共鳴周波数300MHzで測定した。測定溶媒は、重水素化溶媒である重水素化ジメチルスルホキシドDMSO−d6を用いた。
(2)赤外分光分析(IR):日本分光製FT/IR610型を用いて、KBr錠剤法により測定した。
(3)熱重量分析:セイコーインスツルメンツ製TGA−6200型熱重量分析装置(TGA)を用い、アルゴン気流下、10℃/min.の昇温速度により測定した。
(4)ガラス転移温度:セイコーインスツルメンツ製DSC−6200型示差走査熱量計(DSC)を用い、アルゴン気流下、10℃/min.の昇温速度により測定した。
(5)レオロジー測定:TAインスツルメンツ製AR2000型レオメーターを用い、25mmパラレルプレートで4℃/min.の昇温速度により測定した。
(6)引張試験:オリエンテック社製TENSILON/UTM−II−20を用い、室温にて、引張速度5mm/minで行った。試験片形状は、長さ20mm、幅3mm、厚さ80−115μmのフィルムとした。
温度計、攪拌子、窒素導入管を備えた3つ口の100mLフラスコに、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン0.3484g(1mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル1.802g(9mmol)とN−メチル−2−ピロリドン12.8mLを加え、溶解後、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2.354g(8mmol)を入れ、窒素気流下、室温で2時間攪拌した。この反応溶液に4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸0.993g(4mmol)を入れ、窒素気流下、室温で18時間、続けて175℃で5時間攪拌した。冷却後、反応液を150mLのイオン交換水に投入し、析出した粉末を濾別した。60mLのメタノールで30分洗浄し、濾別して得られた粉末を60℃で1日間減圧乾燥し、生成物を得た。収量:4.998g(97%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.21、8.12、8.02、8.00、7.92、7.63、7.47、7.25、7.22、7.20
IR(KBr,cm-1):3446、2212、1778、1720、1616、1502、1427、1377、1298、1241、1169、1115、1090、1016、943、879、827、741、690
上記で得られた末端変性イミドオリゴマーの未硬化物は、NMP溶媒に室温で35%以上可溶、GBL溶媒に30%以上可溶であったが、室温保管では数日後にゲル化が見られた。硬化前の最低溶融粘度は1000ポイズ(336℃)であった。この末端変性イミドオリゴマーをホットプレスを用いて370℃で1時間加熱して得られたフィルム状の硬化物(厚さ88μm)は、Tgが343℃(DSC)、TGAによる5%重量減少温度は553℃であった。また、このフィルム形状の硬化物の引張試験による力学的性質は、弾性率が2.56GPa、破断強度が109MPa、破断伸びが7.6%であった。
温度計、攪拌子、窒素導入管を備えた3つ口の100mLフラスコに、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン0.871g(2.5mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル1.502g(7.5mmol)とN−メチル−2−ピロリドン13.3mLを加え、溶解後、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2.354g(8mmol)を入れ、窒素気流下、室温で2時間攪拌した。この反応溶液に4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸0.993g(4mmol)を入れ、窒素気流下、室温で20時間、続けて175℃で5時間攪拌した。得られた末端変性イミドオリゴマーは、前記一般式(1)において、Rがジフェニルエーテル基で表され、平均としてm=1.5、n=3.75である。冷却後、反応液を150mLのイオン交換水に投入し、析出した粉末を濾別した。60mLのメタノールで30分洗浄し、濾別して得られた粉末を60℃で1日間減圧乾燥し、生成物を得た。収量:5.628g(98%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.24、8.13、8.03、8.01、7.99、7.63、7.48、7.37、7.29、7.23
IR(KBr,cm-1):3446、2212、1776、1718、1616、1500、1376、1240、1169、1116、1089、950、881、823、740、690
上記で得られた末端変性イミドオリゴマーの未硬化物は、NMP溶媒に室温で40%以上可溶であり、室温保管では1〜2ヶ月後にゲル化が見られたものの、冷凍保管では2ヵ月後もゲル化はみられなかった。GBL溶媒に室温で40%以上可溶であり、室温保管では数日間はゲル化が見られなかったものの、1〜2週間後にゲル化が見られた。硬化前の最低溶融粘度は3380ポイズ(348℃)であった。この末端変性イミドオリゴマーをホットプレスを用いて370℃で1時間加熱して得られたフィルム状の硬化物は、Tgが353℃(DSC)、TGAによる5%重量減少温度は553℃であった。また、このフィルム形状の硬化物(厚さ94μm)の引張試験による力学的性質は、弾性率が2.87GPa、破断強度が122MPa、破断伸びが7.7%であった。
温度計、攪拌子、窒素導入管を備えた3つ口の100mLフラスコに、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン1.742g(5mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル1.001g(5mmol)とN−メチル−2−ピロリドン14.2mLを加え、溶解後、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2.354g(8mmol)を入れ、窒素気流下、室温で2時間攪拌した。この反応溶液に4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸0.993g(4mmol)を入れ、窒素気流下、室温で20時間、続けて175℃で5時間攪拌した。得られた末端変性イミドオリゴマーは、前記一般式(1)において、Rがジフェニルエーテル基で表され、平均としてm=1.5、n=2.5である。冷却後、反応液を150mLのイオン交換水に投入し、析出した粉末を濾別した。60mLのメタノールで30分洗浄し、濾別して得られた粉末を60℃で1日間減圧乾燥し、生成物を得た。収量:5.581g(97%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.23、8.11、8.02、8.00、7.64、7.59、7.49、7.48、7.38、7.37、7.34、7.31、7.27、7.24
IR(KBr,cm-1):3446、2212、1776、1718、1616、1500、1376、1240、1169、1116、1089、950、881、823、740、690
上記で得られた末端変性イミドオリゴマーの未硬化物は、NMP溶媒に室温で40%以上可溶であり、室温保管、冷凍保管ともに2ヵ月後もゲル化はみられなかった。GBL溶媒に室温で40%以上可溶であり、室温保管では2週間はゲル化が見られなかったものの、1〜2ヶ月後にゲル化が見られた。硬化前の最低溶融粘度は18100ポイズ(349℃)であった。この末端変性イミドオリゴマーをホットプレスを用いて370℃で1時間加熱して得られたフィルム状の硬化物(厚さ112μm)は、Tgが362℃(DSC)、TGAによる5%重量減少温度は561℃であった。また、このフィルム形状の硬化物の引張試験による力学的性質は、弾性率が2.65GPa、破断強度が112MPa、破断伸びが6.9%であった。
温度計、攪拌子、窒素導入管を備えた3つ口の100mLフラスコに、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン3.484g(10mmol)とN−メチル−2−ピロリドン14.2mLを加え、溶解後、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2.354g(8mmol)を入れ、窒素気流下、室温で2時間攪拌した。この反応溶液に4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸0.993g(4mmol)を入れ、窒素気流下、室温で18時間、続けて175℃で5時間攪拌した。得られた末端変性イミドオリゴマーは、前記一般式(1)において、m=4、n=0である。冷却後、反応液を150mLのイオン交換水に投入し、析出した粉末を濾別した。60mLのメタノールで30分洗浄し、濾別して得られた粉末を60℃で1日間減圧乾燥し、生成物を得た。収量:6.419g(99%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.19、8.06、8.00、7.98、7.62、7.57、7.46、7.38、7.35、7.33、7.30
IR(KBr,cm-1):3447、2212、1777、1720、1615、1500、1376、1293、1239、1170、1115、1089、1014、943、879、825、739、690
上記で得られた末端変性イミドオリゴマーの未硬化物は、NMP溶媒に室温で40%以上可溶であり、室温保管、冷凍保管ともに2ヵ月後もゲル化はみられなかった。GBL溶媒に室温で40%以上可溶であり、室温保管では2週間はゲル化が見られなかったものの、1〜2ヶ月後にゲル化が見られた。この末端変性イミドオリゴマーをホットプレスを用いて370℃で1時間加熱して得られた硬化物はフィルム状にはならずに粉末を押し固めた状態であり、Tgが376℃(DSC)、TGAによる5%重量減少温度は566℃であった。
温度計、攪拌子、窒素導入管を備えた3つ口の100mLフラスコに、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン0.697g(2mmol)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン0.585g(2mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル1.201g(6mmol)とN−メチル−2−ピロリドン10.8mLを加え、溶解後、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2.354g(8mmol)を入れ、窒素気流下、室温で4時間攪拌した。この反応溶液に4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸0.993g(4mmol)を入れ、窒素気流下、室温で17時間、続けて175℃で5時間攪拌した。得られた末端変性イミドオリゴマーは、前記一般式(1)において、Rがジフェニルエーテル基及び1,4−ジフェノキシベンゼン基(モル比3:1)で表され、平均としてm=0、n=4である。冷却後、反応液を150mLのイオン交換水に投入し、析出した粉末を濾別した。60mLのメタノールで30分洗浄し、濾別して得られた粉末を60℃で1日間減圧乾燥し、生成物を得た。収量:5.377g(98%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.25、8.14、8.02、7.64、7.49、7.39、7.30、7.23、6.86、6.78
IR(KBr,cm-1):3446、2212、1778、1722、1616、1502、1427、1377、1292、1238、1169、1117、1090、1016、968、943、879、827、790、740、690
上記で得られた末端変性イミドオリゴマーの未硬化物は、NMP溶媒に室温で40%以上可溶であり、室温保管、冷凍保管ともに2ヵ月後もゲル化はみられなかった。GBL溶媒に室温で40%以上可溶であり、室温保管では数日間はゲル化が見られなかったものの、1〜2週間後にゲル化が見られた。硬化前の最低溶融粘度は1370ポイズ(340℃)であった。この末端変性イミドオリゴマーをホットプレスを用いて370℃で1時間加熱して得られたフィルム状の硬化物(厚さ80μm)は、Tgが330℃(DSC)、TGAによる5%重量減少温度は550℃であった。また、このフィルム形状の硬化物の引張試験による力学的性質は、弾性率が2.80GPa、破断強度が118MPa、破断伸びが8.0%であった。
温度計、攪拌子、窒素導入管を備えた3つ口の100mLフラスコに、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン1.742g(5mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル1.001g(5mmol)とγ−ブチロラクトン12.7mLを加え、60℃に加熱して溶解させた。室温まで冷却後、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2.354g(8mmol)を入れ、窒素気流下、室温で5時間攪拌した。この反応溶液に4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸0.993g(4mmol)を入れ、窒素気流下、室温で18時間、続けて175℃で5時間攪拌した。得られた末端変性イミドオリゴマーは、前記一般式(1)において、Rがジフェニルエーテル基で表され、平均としてm=1.5、n=2.5である。冷却後、反応液を150mLのイオン交換水に投入し、析出した粉末を濾別した。60mLのメタノールで30分洗浄し、濾別して得られた粉末を60℃で1日間減圧乾燥し、生成物を得た。収量:5.621g(98%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.23、8.12、8.02、8.00、7.63、7.59、7.48、7.37、7.34、7.31、7.27、7.24
IR(KBr,cm-1):3446、2212、1776、1718、1616、1500、1376、1240、1169、1117、1090、950、881、823、740、690
上記で得られた末端変性イミドオリゴマーの未硬化物は、NMP溶媒に室温で40%以上可溶であり、室温保管、冷凍保管ともに2ヵ月後もゲル化はみられなかった。GBL溶媒に室温で40%以上可溶であり、室温保管では2週間はゲル化が見られなかったものの、1〜2ヶ月後にゲル化が見られた。硬化前の最低溶融粘度は17200ポイズ(347℃)であった。この末端変性イミドオリゴマーをホットプレスを用いて370℃で1時間加熱して得られた硬化物(厚さ108μm)は、Tgが360℃(DSC)、TGAによる5%重量減少温度は560℃であった。また、このフィルム形状の硬化物の引張試験による力学的性質は、弾性率が2.80GPa、破断強度が117MPa、破断伸びが6.6%であった。
温度計、攪拌子、窒素導入管を備えた3つ口の100mLフラスコに、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル2.002g(10mmol)とN−メチル−2−ピロリドン12mLを加え、溶解後、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2.354g(8mmol)を加えて窒素気流下、室温で1時間攪拌した。その後、4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸0.993g(4mmol)を入れ、窒素気流下、室温で2時間攪拌した。オイルバス温180℃で4時間攪拌した。冷却後、反応液を120mLのイオン交換水に投入し、析出した粉末を濾別した。60mLのメタノールで30分洗浄し、濾別して得られた粉末を60℃で1日間減圧乾燥し、生成物を得た。収量:4.834g(97%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.25、8.14、8.02、7.93、7.63、7.48、7.22
IR(KBr,cm-1):3448、2212、1778、1722、1616、1502、1425、1377、1290、1240、1169、1115、1088、1016、943、879、827、793、749、690
上記で得られた末端変性イミドオリゴマーの未硬化物は、NMP溶媒に室温で20%程度可溶であるが、室温保管では1日後にゲル化が見られた。硬化前の最低溶融粘度は860ポイズ(344℃)であった。この末端変性イミドオリゴマーをホットプレスを用いて370℃で1時間加熱して得られたフィルム状の硬化物(厚さ86μm)は、Tgが337℃(DSC)、TGAによる5%重量減少温度は574℃であった。また、このフィルム形状の硬化物の引張試験による力学的性質は、弾性率が2.55GPa、破断強度が118MPa、破断伸びが15.5%であった。
温度計、攪拌子、窒素導入管を備えた3つ口の100mLフラスコに、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル0.400g(2mmol)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン2.339g(8mmol)、とN−メチル−2−ピロリドン12mLを加え、溶解後、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2.354g(8mmol)を加えて窒素気流下、室温で1時間攪拌した。その後、4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸0.993g(4mmol)を入れ、窒素気流下、室温で2時間攪拌した。オイルバス温180℃で4時間攪拌した。冷却後、反応液を120mLのイオン交換水に投入し、析出した粉末を濾別した。60mLのメタノールで30分洗浄し、濾別して得られた粉末を60℃で1日間減圧乾燥し、生成物を得た。収量:5.560g(97%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.24、8.13、8.04、8.01、8.00、7.92、7.63、7.62、7.50、7.49、7.47、7.22、7.21
IR(KBr,cm-1):3447、2212、1776、1718、1615、1500、1375、1238、1166、1114、1085、1013、942、878、823、738、688
上記で得られた末端変性イミドオリゴマーの未硬化物は、NMP溶媒に室温で20%、50℃で40%以上可溶であった。この末端変性イミドオリゴマーをホットプレスを用いて370℃で1時間加熱して得られた硬化物は、Tgが290℃(DSC)、TGAによる5%重量減少温度は537℃であった。
Claims (5)
- 2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類と、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンと下記(A)の芳香族ジアミン化合物群から選択される1種または2種以上を含む芳香族ジアミン化合物と、4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸とを反応させて得られる下記一般式(1)で表され、有機溶媒N−メチルー2−ピロリドンに対して室温で固形分濃度30wt%以上溶解可能であることを特徴とする末端変性イミドオリゴマー。
(A)1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、2,6−ジエチル−1,3−ジアミノベンゼン、4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ジアミノベンゼン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−ODA)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(3,4’−ODA)、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(2,6−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルアニリン)、ビス(2−エチル−6−メチル−4−アミノフェニル)メタン、4,4’−メチレン−ビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン - 請求項1に記載の末端変性イミドオリゴマーを有機溶媒に溶解してなるワニス。
- 請求項1に記載の末端変性イミドオリゴマーを加熱硬化して得られる硬化物。
- 請求項3に記載のワニスを加熱硬化して得られる硬化物。
- ガラス転移温度(Tg)が300℃以上である請求項3または4に記載の硬化物。
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