JP7036021B2 - 透明ポリイミド樹脂、透明ポリイミド樹脂組成物、透明ポリイミド樹脂フィルム、赤外線吸収組成物、赤外線カットフィルター及び透明ポリイミド樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents
透明ポリイミド樹脂、透明ポリイミド樹脂組成物、透明ポリイミド樹脂フィルム、赤外線吸収組成物、赤外線カットフィルター及び透明ポリイミド樹脂フィルムの製造方法 Download PDFInfo
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Description
A:NICS値が、-15.0~-8.0の範囲内である芳香環を有する末端基
B:NICS値が、-15.0~-7.0の範囲内である芳香環を二つ以上有する末端基
前記ドープを支持体上に流延して膜を形成する工程を含むことを特徴とする透明ポリイミド樹脂フィルムの製造方法。
A:NICS値が、-15.0~-8.0の範囲内である芳香環を有する末端基
B:NICS値が、-15.0~-7.0の範囲内である芳香環を二つ以上有する末端基
本発明の透明ポリイミド樹脂は、芳香族部位を有するポリイミドを含有する透明ポリイミド樹脂であって、前記ポリイミドの末端の少なくとも一方に、NICS値が-15.0~-8.0の範囲内である芳香環を有する末端基、及びNICS値が、-15.0~-7.0の範囲内である芳香環を二つ以上有する末端基のいずれかの基を有することを特徴とする。
本発明に係るポリイミドは、繰り返し単位にイミド結合を含む化合物であり、ジアミン又はその誘導体と酸無水物又はその誘導体とから形成されることが好ましい。
特に、本発明に係るポリイミドは、芳香族ジカルボン酸無水物と、アミノ基のオルト位に立体障害性基を有する芳香族ジアミンとの重合体であることが好ましい。また、前記ポリイミドが、脂環式ジカルボン酸無水物と、芳香族アミンとの重合体であることが好ましい。
本発明におけるポリイミドの分子量は重量平均分子量が3万~50万の範囲内であることが好ましく、5万~30万の範囲内であることがさらに好ましく、7万~25万の範囲内であることが特に好ましい。分子量が3万以上であればポリマーとしての機械強度が向上し、50万以下であれば適性な粘度となるためポリイミド及びポリイミドフィルムの生産性に優れる。
本発明に用いることのできるポリイミドとしては、特に、一般式(1)又は一般式(2)で表される繰り返し単位と末端構造を有するポリイミドが好ましい。
前記A又はRは、構造中に少なくとも一つの芳香族部位を有し、かつ前述した分子間や分子内のCTを抑制する部分構造を有する。前記A又はRで表される構造中に分子間や分子内のCTを抑制する部分構造を有することにより、ポリイミド樹脂を透明にすることができる。なお、本発明において「芳香環を二つ以上有する」とは、5員環や6員環の個数が二つ以上あることを表し、縮合環はそれぞれの環を個別にカウントする。したがって本発明においては、ナフタレン環は、「芳香環が二つ」とする。
A及びRで表される炭素数4~39の脂肪族炭化水素基としては、例えば、ブタン、オクタン、デカン等の基が挙げられる。
(ポリアミド酸の合成)
ポリアミド酸は、適当な溶剤中で、前記テトラカルボン酸類の少なくとも1種類と、前記ジアミン類の少なくとも1種類を重合反応させることにより得られる。
ここで、ポリイミドは、ポリアミド酸溶液を加熱してポリアミド酸をイミド化させる方法(熱イミド化法)、又は、ポリアミド酸溶液に閉環触媒(イミド化触媒)を添加してポリアミド酸をイミド化させる方法(化学イミド化法)により得ることができる。
また、あらかじめイミド化反応が進んでいるため例えば、イミド化率100%のポリイミドの場合は、流延膜上でのイミド化が不要となり乾燥温度を下げることができる。
(全光線透過率)
本発明のポリイミド樹脂は、透明ポリイミド樹脂である。本発明において、透明ポリイミド樹脂とは、当該ポリイミド樹脂で厚さ40μmのポリイミドフィルムを作製した場合の、全光線透過率が80%以上であるポリイミド樹脂のことを表す。
本発明の透明ポリイミド樹脂は、無色の透明ポリイミド樹脂であることが好ましい。無色である目安としては、当該透明ポリイミド樹脂で厚さ40μmの透明ポリイミド樹脂フィルムを作製した場合の、イエローインデックス値(YI値)が、5.0以下であることが好ましい。より好ましくは0.3~2.0の範囲内であり、特に好ましくは0.3~1.6の範囲内である。イエローインデックス値(YI値)は小さいほど着色が少ないので好ましい。イエローインデックス値(YI値)が5.0以下という数値の記載は、その好ましい範囲を示したものである。
(透明ポリイミド樹脂のジクロロメタンへの溶解度)
本発明の透明ポリイミド樹脂は、25℃においてジクロロメタン100gに対し溶解する限界量(溶解度)が1~50gであることが、溶液流延法により生産性良くフィルムを製造できる観点から好ましい。溶解度が1g以上であれば、溶液流延法により製造できやすくなる。溶解度が50g以上であると、溶液流延時に膜を形成できにくく製膜が困難となる。
前述の本発明の透明ポリイミド樹脂に種々の樹脂、添加剤や溶剤を混合して、透明ポリイミド樹脂組成物を得ることができる。本発明の透明ポリイミド樹脂組成物の好ましい途としては、下記の透明ポリイミド樹脂フィルムなどの製造材料に用いる他、樹脂成型品などの材料として使用することができる。
前述の、本発明の透明ポリイミド樹脂及び透明ポリイミド樹脂組成物を用いて、透明ポリイミド樹脂フィルムを得ることができる。
本発明の透明ポリイミド樹脂フィルムには、下記の添加剤が混合されていることが好ましい。
本発明の透明ポリイミド樹脂フィルムは機械強度を向上させるために機械強度調整剤を添加することができる。本発明における透明ポリイミド樹脂は主鎖に芳香環を含有し、高分子末端には特定のNICS値を有する芳香環を有することから、芳香環を有する化合物が機械強度向上の観点から好ましく、芳香環を二つ以上含有する化合物や複素芳香族環を含有する化合物を添加することがさらに好ましく、芳香環を二つ以上含有する化合物や含窒素芳香族複素環化合物が特に好ましい。
本発明の透明ポリイミド樹脂フィルムには、取扱性を向上させるため、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子などのマット剤を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さくできるため、好ましい。
本発明の透明ポリイミド樹脂フィルムは、紫外線吸収剤を含有することが耐光性を向上する観点から好ましい。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐光性を向上させることを目的としており、特に波長370nmでの透過率が、0.1~30%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1~20%の範囲、更に好ましくは2~10%の範囲である。
酸化防止剤は劣化防止剤ともいわれる。高湿高温の状態に電子デバイスなどが置かれた場合には、透明ポリイミド樹脂フィルムの劣化が起こる場合がある。
液晶表示装置等の画像表示装置の表示品質の向上のため、透明ポリイミド樹脂フィルム中に位相差制御剤を添加するか、配向膜を形成して液晶層を設け、偏光板保護フィルムと液晶層由来の位相差を複合化することにより、透明ポリイミド樹脂フィルムに光学補償能を付与することができる。
透明ポリイミド樹脂フィルムの剥離抵抗を小さくする添加剤としては界面活性剤に効果の顕著なものが多く、好ましい剥離剤としてはリン酸エステル系の界面活性剤、カルボン酸又はカルボン酸塩系の界面活性剤、スルホン酸又はスルホン酸塩系の界面活性剤、硫酸エステル系の界面活性剤が効果的である。また上記界面活性剤の炭化水素鎖に結合している水素原子の一部をフッ素原子に置換したフッ素系界面活性剤も有効である。以下に剥離剤を例示する。
RZ-1 C8H17O-P(=O)-(OH)2
RZ-2 C12H25O-P(=O)-(OK)2
RZ-3 C12H25OCH2CH2O-P(=O)-(OK)2
RZ-4 C15H31(OCH2CH2)5O-P(=O)-(OK)2
RZ-5 {C12H25O(CH2CH2O)5}2-P(=O)-OH
RZ-6 {C18H35(OCH2CH2)8O}2-P(=O)-ONH4
RZ-7 (t-C4H9)3-C6H2-OCH2CH2O-P(=O)-(OK)2RZ-8 (iso-C9H19-C6H4-O-(CH2CH2O)5-P(=O)-(OK)(OH)
RZ-9 C12H25SO3Na
RZ-10 C12H25OSO3Na
RZ-11 C17H33COOH
RZ-12 C17H33COOH・N(CH2CH2OH)3
RZ-13 iso-C8H17-C6H4-O-(CH2CH2O)3-(CH2)2SO3Na
RZ-14 (iso-C9H19)2-C6H3-O-(CH2CH2O)3-(CH2)4SO3Na
RZ-15 トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸ナトリウム
RZ-16 トリ-t-ブチルナフタレンスルフォン酸ナトリウム
RZ-17 C17H33CON(CH3)CH2CH2SO3Na
RZ-18 C12H25-C6H4SO3・NH4
剥離促進剤の添加量は環状ポリイミドに対して0.05~5質量%が好ましく、0.1~2質量%が更に好ましく、0.1~0.5質量%が最も好ましい。
可視~赤外に吸収を持つ色素としては特に制限は無く、有機色素や無機色素を用いることができる。有機色素としては、例えばフタロシアニン系色素、アゾ系色素、オキソカーボン系色素、シアニン系色素、Ni錯体系色素等が挙げられる。
耐熱性と吸収の先鋭性の観点から有機色素として好ましくは、フタロシアニン系色素、オキソカーボン系色素、シアニン系色素、Ni錯体系色素であり、オキソカーボン系色素がさらに好ましい。無機色素としては、金属酸化物微粒子や銅錯体化合物が挙げられる。
無機色素として、好ましくは酸化タングステン系微粒子、酸化インジウム系微粒子、ホスホン酸を配位子とした銅錯体系微粒子が挙げられ、ホスホン酸を配位子とした銅錯体系微粒子がさらに好ましい。
本発明に用いられる銅錯体系微粒子としては、特開2002-006101号公報に記載のホスホン酸と銅イオンを含有する銅錯体系微粒子が好ましく、炭素数が2~6のアルキルホスホン酸と銅イオンを含有する銅錯体系微粒子であることが特に好ましい。
本発明の透明ポリイミド樹脂組成物及び透明ポリイミド樹脂フィルムに用いられる可視~赤外に吸収を持つ色素は樹脂中に溶解していても、微粒子として分散していても良い。
本発明の透明ポリイミド樹脂組成物及び透明ポリイミド樹脂フィルムに用いられる可視~赤外に吸収を持つ色素の添加量は特に制限はないが、0.01~80質量%の範囲内が好ましく、0.05~50質量%の範囲内がさらに好ましく、0.1~30質量%の範囲内が特に好ましい。これらの範囲に調整することで所望の透過率に調整することができる。0.01質量%以上の添加で透過率の制御が可能となり、35質量%以内とすることでブリードアウトや色素の凝集、微粒子凝集が抑制されて透明性が向上する。
本発明の透明ポリイミド樹脂フィルムは、前述の全光線透過率やYI値を有することが好ましいが、その他の好ましい物性値としては、下記の物性値が挙げられる。
引張弾性率の測定は、JIS K7127に準拠して以下の方法で測定されうる。
1)フィルムを100mm(MD方向)×10mm(TD軸)のサイズに切り出して、試験片とする。この試験片を、オリエンテック社製テンシロンRTC-1225Aを用いて、チャック間距離を50mmとし、試験片の長手方向(MD方向)に引っ張り、MD方向の引張弾性率を測定する。測定は、23℃55%RH下で行うことができる。
2)同様にして、フィルムを100mm(TD方向)×10mm(MD方向)のサイズに切り出して試験片とする。この試験片を、前述と同様にして長さ方向(TD方向)に引っ張り、TD方向の引張弾性率を測定する。
3)前記1)と2)で得られたMD方向とTD方向の引張弾性率の平均値を算出する。
本発明では、熱処理後のロール体の透明ポリイミド樹脂フィルムについて、ヘイズ値が4%以下であることが、透明ポリイミド樹脂フィルムの透明性が高いという観点から好ましい。
上記透明ポリイミド樹脂フィルムの製造方法の具体例について以下説明する。
本発明の透明ポリイミド樹脂フィルムの製造方法は、透明ポリイミド樹脂を、溶剤に溶解してドープを調製し、当該ドープを用いて溶液流延製膜方法によって製膜することが好ましい。
調製したドープを、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通してダイスに送液し、無限に移送する無端の支持体、例えば、ステンレスベルト又は回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、ダイスからドープを流延する。
溶剤蒸発工程は、金属支持体上で行われ、流延膜を金属支持体上で加熱し、溶剤を蒸発させる予備乾燥工程である。
ここで、Mは流延膜(フィルム)の所定の時点での質量、NはMのものを200℃で3時間乾燥させた時の質量である。特に、溶剤蒸発工程において達成された残留溶剤量を算出するときのMは剥離工程直前の流延膜の質量である。
金属支持体上で溶剤が蒸発した流延膜を、剥離位置で剥離する。
第1乾燥工程は、フィルムを加熱し、溶剤を更に蒸発させる乾燥工程である。乾燥手段は特に制限されず、例えば、熱風、赤外線、加熱ローラー、マイクロ波等を用いることができる。簡便さの観点からは、千鳥状に配置したローラーでフィルムを搬送しながら、熱風等で乾燥を行うことが好ましい。乾燥温度は、残留溶剤量及び搬送における伸縮率等を考慮して、30~200℃の範囲が好ましい。
金属支持体から剥離されたフィルムを延伸することで、フィルムの膜厚や平坦性、配向性等を制御することができる。
・長手方向に延伸→幅手方向に延伸→長手方向に延伸→長手方向に延伸
・幅手方向に延伸→幅手方向に延伸→長手方向に延伸→長手方向に延伸
また、同時二軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方を、張力を緩和して収縮する場合も含まれる。同時二軸延伸の好ましい延伸倍率は幅手方向、長手方向ともに×1.01倍~×1.5倍の範囲でとることができる。
(上記式において、d1は延伸後の樹脂フィルムの延伸方向の幅寸法であり、d2は延伸前の樹脂フィルムの延伸方向の幅寸法であり、tは延伸に要する時間(min)である。)
延伸工程では、通常、延伸した後、保持・緩和が行われる。すなわち、本工程は、フィルムを延伸する延伸段階、フィルムを延伸状態で保持する保持段階及びフィルムを延伸した方向に緩和する緩和段階をこれらの順序で行うことが好ましい。保持段階では、延伸段階で達成された延伸倍率での延伸を、延伸段階における延伸温度で保持する。緩和段階では、延伸段階における延伸を保持段階で保持した後、延伸のための張力を解除することによって、延伸を緩和する。緩和段階は、延伸段階における延伸温度以下で行えば良い。
次いで、延伸後のフィルムを加熱して乾燥させる。熱風等によりフィルムを加熱する場合、使用済みの熱風(溶剤を含んだエアーや濡れ込みエアー)を排気できるノズルを設置して、使用済み熱風の混入を防ぐ手段も好ましく用いられる。熱風温度は、40~350℃の範囲がより好ましい。また、乾燥時間は5秒~30分程度が好ましく、10秒~15分がより好ましい。
巻取り工程は、得られた透明ポリイミド樹脂フィルムを巻き取って室温まで冷却する工程である。巻取り機は、一般的に使用されているもので良く、例えば、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の巻取り方法で巻き取ることができる。
上記巻取り工程後に、ポリマー鎖分子内及びポリマー鎖分子間でのイミド化を進行させて機械的特性を向上させるべく、上記第2乾燥工程で乾燥した透明ポリイミド樹脂フィルムを更に熱処理する加熱工程を行っても良い。
本発明の透明ポリイミド樹脂フィルムは、長尺であることが好ましく、具体的には、100~10000m程度の範囲内の長さであることが好ましく、ロール状に巻き取られる。また、本発明の透明ポリイミド樹脂フィルムの幅は1m以上であることが好ましく、更に好ましくは1.4m以上であり、特に1.4~4mであることが好ましい。
赤外線吸収層の膜厚としては、樹脂フィルムの場合、通常20~200μm、好ましくは50~100μmの範囲内である。スピンコートやダイコートでコーティングする場合には、通常0.1~100μmであり、好ましくは0.5~10μmの範囲内である。
膜厚が上記範囲内にあると、赤外線吸収能、430~580nmの範囲における透過率および強度に優れた赤外線吸収層を得ることができる。
本発明の透明ポリイミド樹脂フィルムは基板上に形成されていても良く、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。
支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。
好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、ITO等の透明電極、透明樹脂フィルムを挙げることができる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル又はポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)又はアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
ガラス基板としては、主成分として、珪酸塩を含むガラス基板であれば、特に限定されるものではなく、結晶構造を有する石英ガラス基板等が挙げることができる。他に、フツリン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラス等にCuO等を添加した吸収型ガラス基板、ホウ珪酸ガラス基板、ソーダガラス基板、色ガラス基板、無アルカリガラス基板、石英ガラス基板等を用いることができるが、とりわけ、無アルカリガラス基板、低α線ガラス基板等のガラス基板が好ましい。
本実施形態の一つとして、イメージセンサーを構成するその他の構成層としては、特に限定されるものではないが、例えば撮像素子支持基板、受光部、混在型偏光フィルター、混在型カラーフィルター、マイクロレンズ、誘電体多層膜、反射防止層、ハードコート層などが挙げられる。
高屈折率の誘電体膜は、好ましくは、屈折率(nd)が1.6以上であり、より好ましくは2.2~2.5の範囲内である。
高屈折率の誘電体膜材料としては、例えばTa2O5、TiO2、Nb2O5等が挙げられる。これらのうち、成膜性、屈折率等における再現性、安定性の観点から、TiO2が好ましい。
一方、低屈折率の誘電体膜は、好ましくは、屈折率(nd)が1.6未満であり、より好ましくは1.45以上1.55未満であり、より一層好ましくは1.45~1.47の範囲内である。低屈折率の誘電体材料としては、例えばSiOxNy等が挙げられる、成膜の再現性、安定性、経済性等の点から、SiO2が望ましい。
誘電体多層膜は、例えばCVD法、スパッタリング法、真空蒸着法等の真空成膜プロセスや、スプレー法、ディップ法等の湿式成膜プロセス等を使用できる。
本発明に用いる誘電多層膜は、入射角0°の分光透過率曲線において、波長430~620nmの光の平均透過率は90%以上が好ましく、92%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましい。また、入射角0°の分光透過率曲線において、波長710~1100nmの光の平均透過率は、10%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。さらに、入射角0°の分光透過率曲線において、波長350~430nmに透過率50%となる波長を有し、波長650~750nmに透過率50%となる波長を有するとよい。
この目的のためには、誘電体多層膜は、低屈折率の誘電体層と高屈折率の誘電体層との合計積層数として15層以上が好ましく、25層以上がより好ましく、30層以上がさらに好ましい。ただし、合計積層数が多くなると、誘電体多層膜の反り等が大きくなり、また全体の膜厚が増加するため、100層以下が好ましく、75層以下がより好ましく、60層以下がさらに好ましい。膜厚としては、好ましい席層数を満たしたうえで、光学フィルターの薄膜化の観点から薄いほうが好ましい。
このような誘電体多層膜の膜厚としては、2~10μmの範囲内が好ましい。
本発明の透明ポリイミド樹脂フィルムは、透明FPC、車載用のフィルム、画像表示装置のフィルム部材、センサー用フィルムとして好ましく使用できる。適用されるデバイスは、特に限定されないが、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)画像表示装置、液晶画像表示装置(LCD)、有機光電変換デバイス、タッチパネル、偏光板、位相差フィルム、透明FPCフィルム、イメージセンサー用赤外線カットフィルム、虹彩認証用赤外線カットフィルム等を挙げることができる。
本発明のポリイミド樹脂フィルムは、透明導電層をフィルムに具備することでタッチパネル用の透明導電フィルムとして使用することができる。透明導電層のパターンの形状はタッチパネル(例えば、静電容量方式タッチパネル)として良好に動作するパターンであれば特に限定はされないが、例えば、特表2011-511357号公報、特開2010-164938号公報、特開2008-310550号公報、特表2003-511799号公報、特表2010-541109号公報に記載のパターンが挙げられる。
本発明の透明ポリイミド樹脂フィルムをLED用基板として用いてLED証明装置とすることもできる。例えば、両面基板やアルミ板との複合基板が挙げられる。LEDの高輝度化に伴い、より放熱性が要求される場合には、アルミ板と複合化することにより放熱性を向上させることが可能である。有機材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス照明装置に適用することもできる。
本発明の透明ポリイミド樹脂フィルムをフレキシブルディスプレイ用前面部材として用いることもできる。
<ポリイミド樹脂フィルム1の作製>
乾燥窒素ガス導入管、冷却器、トルエンを満たしたDean-Stark凝集器、撹拌機を備えた4口フラスコに、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物(ダイキン工業株式会社製)44.4g(0.10mol)をN,N-ジメチルアセトアミド(400g)に加え、窒素気流下、室温で撹拌した。
用いるモノマーと末端封止化合物を表2に記載に示される部分構造が得られる化合物に変更した以外はポリイミド樹脂フィルム1と同様のモル比、合成方法でポリイミド樹脂フィルム2~60を得た。なお、各ポリイミドを合成する場合に、ジカルボン酸無水物を複数用いる場合は複数種のジカルボン酸無水物を同時に溶解し、ジアミン化合物を複数種用いる場合には同時にN,N-ジメチルアセトアミドに溶解した後に反応液に滴下した。使用するジカルボン酸の総量、ジアミン化合物の総量、及び末端封止剤の総量は、ポリイミド樹脂フィルム1を構成する材料と同モル量となるように添加した。また、ジカルボン酸又はジアミン化合物を2種類併用する場合は、2種類の化合物の混合比率は1:1の等モル量で添加した。
乾燥窒素ガス導入管、冷却器、撹拌機を備えた4口フラスコに、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物(ダイキン工業社製)48.1g(0.11mol)をN,N-ジメチルアセトアミド(400g)に加え、窒素気流下、室温で撹拌した。
ポリイミド樹脂フィルム1と同様の方法でイミド化率が95%以上であることを確認した。
用いるモノマーと末端封止化合物を表2に記載に示される部分構造が得られる化合物に変更した以外はポリイミド樹脂フィルム61と同様のモル比、合成方法でポリイミド樹脂フィルム62~64を得た。ポリイミド樹脂フィルム1と同様の方法でイミド化率を測定し、イミド化率が95%以上であることを確認した。
用いるモノマーと末端封止化合物を表2に記載の部分構造が得られる化合物に変更した以外はポリイミド樹脂フィルム1と同様のモル比、合成方法でポリイミド樹脂フィルム65~73を得た。ポリイミド樹脂フィルム1と同様の方法でイミド化率が95%以上であることを確認した。
特開2012-251080号公報の段落[0094]~[0096]に記載されている方法と同様の方法で末端が無水フタル酸で封止されたポリイミド樹脂を作製した。得られた樹脂を温度40℃、150mm幅でステンレスベルト支持体上に乾燥後の膜厚が40μとなる厚さになるように均一に流延した。ステンレスベルトの温度は40℃に制御した。次にステンレスベルトを50℃の減圧オーブンに投入して0.1kPaまで減圧して30分減圧化で加熱した。その後、減圧度を保ったまま1分で1℃ずつ200℃まで昇温した後に4時間減圧下で加熱を行った。オーブンを冷却してステンレスベルトからフィルムを剥離することで膜厚40μmのポリイミド樹脂フィルム74を得た。
作製したポリイミド樹脂フィルムを23℃、55%RHの環境下で24時間保存した。その後、23℃、55%RHの環境下で、JIS K7127に記載の方法に準じて弾性率を測定した。引っ張り試験器は株式会社オリエンテック製のテンシロンRTA-100を使用し、試験片の形状は1号形試験片、試験速度は10mm/分の条件で測定した。得られた弾性率の数値に基づき下記基準で評価した。
A 5.0GPa以上
B 4.0GPa以上 5.0GPa未満
C 4.0GPa未満
(折り曲げ耐性)
作製したポリイミド樹脂フィルムに対して、屈曲疲労試験機による耐屈曲性試験(摺動屈曲試験)を行った。荷重500G、屈折角135°、屈折サイクル175cpm、屈折部局率半径0.38mmの条件下、目視により折り曲げ部が白濁するまで評価を継続した。本発明のポリイミド樹脂フィルムは、5000回以上の折り曲げ回数でも折り曲げ部の白濁発生がなく、かつ折り曲げ試験後のカール発生も小さく、優れたポリイミド樹脂フィルムであった。
A:1万回以上
B:6千回以上1万回未満
C:6千回未満
(YI値)
イエローインデックス値の測定方法としては、上記厚さ40μmのサンプルを作製し、(株)日立ハイテクノロジーズ製の分光光度計U-3300と附属の彩度計算プログラム等を用いて、JIS Z8701に定められている光源色の三刺激値X、Y、Zを求め、下式に従ってイエローインデックス値を求めた。
A:2.0未満
B:2.0以上4.0未満
C:4.0以上5.0未満
D:5.0以上6.0未満
以上の評価結果と、ポリイミド樹脂の構成をまとめて、表2及び表3に示した。
A:芳香環の中でNICS値が一番大きい環の値が、-15.0以上-10.0以下
B:芳香環の中でNICS値が一番大きい環の値が、-10.0より大きく-9.0以下C:芳香環の中でNICS値が一番大きい環の値が、-9.0より大きく-8.0以下
D:芳香環の中でNICS値が一番大きい環の値が、-8.0より大きい
E:芳香環を有さない
また表中、評価2は、芳香環が二つ以上の場合であり、下記の基準で分類した。
A:NICS値が-15.0以上-8.0以下である芳香環を二つ以上有する
B:NICS値が-8.0より大きく-7.0以下である芳香環を一つ以上と、NICS値が-15.0以上-8.0以下である芳香環を一つ有する
C:NICS値が-8.0より大きく-7.0以下である芳香環を二つ以上有する
D:A~Cに該当しない
表2及び表3から明らかなように、本発明の透明ポリイミド樹脂フィルムは、弾性率、折り曲げ耐性、YI値とも良好であった。
実施例1で作製したポリイミド樹脂フィルムのうち、ポリイミド樹脂フィルム番号1、6、30、43~57、66、69、70、72について、ジクロロメタンとエタノールの混合溶媒に再溶解し、またフィルム番号24、33についてはシクロヘキサノンに再溶解し、下記の方法で各ポリイミド樹脂フィルムを作製した。
実施例1で作製したポリイミド樹脂フィルム1を30g、ジクロロメタン200g、エタノール5gに溶解して25℃のガラス基板上で製膜し、剥離後に120℃のオーブンで20分加熱乾燥することで40μのポリイミド樹脂フィルムC1を得た。
再溶解するポリイミド樹脂フィルムを実施例1のポリイミド樹脂フィルム6に変更した以外はポリイミド樹脂フィルムC1の作製と同様の方法でポリイミド樹脂フィルムC2を作製した。
ポリイミド樹脂フィルム24及びポリイミド樹脂フィルム33に変更し、溶媒をシクロヘキサノン200gに変更した以外はポリイミド樹脂フィルムC1の作製と同様の方法でポリイミド樹脂フィルムC3及びC4を作製した。
ポリイミド樹脂フィルム1を表に記載の樹脂組成のフィルムに変更した以外はポリイミド樹脂フィルムC1の作製と同様の方法でポリイミド樹脂フィルムC5~C24を作製した。
実施例2で得られたポリイミド樹脂フィルムC1~C24に下記添加剤をポリイミド樹脂に対して5質量%の割合で添加して実施例2と同様の方法でポリイミド樹脂フィルムD1~D24を作製した。得られた各ポリイミド樹脂フィルムに対して実施例2と同様の評価を行った。
<ポリイミド樹脂フィルムE1の作製>
実施例1で作製したポリイミド樹脂フィルム11を30g、ジクロロメタン200g、エタノール5g、下記の赤外線吸収性の有機色素1を30mg加えて溶解し、25℃のガラス基板上で製膜し、剥離後に120℃のオーブンで20分加熱乾燥することで40μmのポリイミド樹脂フィルムE1を得た。
実施例1で作製したポリイミド樹脂フィルム44を30g、ジクロロメタン200g、エタノール5g、下記の有機色素1を30mg加えて溶解し、25℃のガラス基板上で製膜し、剥離後に120℃のオーブンで20分加熱乾燥することで40μmのポリイミド樹脂フィルムE2を得た。
実施例1で作製したポリイミド樹脂フィルム59を30g、ジクロロメタン200g、エタノール5g、下記の有機色素1を30mg加えて溶解し、25℃のガラス基板上で製膜し、剥離後に120℃のオーブンで20分加熱乾燥することで40μmのポリイミド樹脂フィルムE3を得た。
実施例1で作製したポリイミド樹脂フィルム61を30g、ジクロロメタン200g、エタノール5g、下記の有機色素1を30mg加えて溶解し、25℃のガラス基板上で製膜し、剥離後に120℃のオーブンで20分加熱乾燥することで40μmのポリイミド樹脂フィルムE4を得た。
実施例1で作製したポリイミド樹脂フィルム62を30g、ジクロロメタン200g、エタノール5g、下記の有機色素1を30mg加えて溶解し、25℃のガラス基板上で製膜し、剥離後に120℃のオーブンで20分加熱乾燥することで40μmのポリイミド樹脂フィルムE5を得た。
ポリイミド樹脂フィルムE1~E5の有機色素を有機色素2に変更した以外は同様の方法でポリイミド樹脂フィルムE6~E10を作製した。
ポリイミド樹脂フィルムE1~E5の有機色素を有機色素3に変更した以外は同様の方法でポリイミド樹脂フィルムE11~E15を作製した。
上記ポリイミド樹脂フィルムE1~E5を250℃のホットプレートで10分間加熱後の吸光度を測定した。
ポリイミド樹脂フィルムE1~E3、E6~E8の極大吸収波長の吸光度は1~5%以内の変動であり、E11~E13は6~10%以内の変動だったが、ポリイミド樹脂フィルムE4~E5、E9~E10、E14~E15は20%以上変動した。
このことから本発明のポリイミド樹脂に有機色素を添加して得られたフィルム中の色素の耐熱性が向上していることが明らかになった。推定ではあるが、本発明のポリイミド樹脂の末端が相互作用することで振動を抑制することで色素の分解を抑制していると考えられる。
下記方法で上記ポリイミド樹脂フィルムE1~E15に誘電体多層膜を製膜することで、IRカットフィルターを作製した。
上記ポリイミド樹脂フィルムの一方の主面上に、IAD真空蒸着装置を用いて、高屈折率膜からはじめて、高屈折率膜と低屈折率膜を交互に製膜して合計40層(合計層厚さ:5920nm)の、第1の誘電体多層膜としての金赤外線反射性の誘電体多層膜(以下、誘電体多層膜R)という。)を製膜した。なお、高屈折率材料としてTiO2を、低屈折率材料としてSiO2を用いた。
(誘電体層の成膜)
上記で得られた誘電体多層膜Rを有する側とは反対の面に、真空蒸着装置を用いて、Al2O3からなる30nmの層とSiO2からなる165nmの層の2層からなる誘電体層を、この順に成膜した。製膜したAl2O3からなる層の屈折率は1.60、製膜したSiO2からなる層の屈折率は1.45であった。
下記方法でガラス基板上に誘電体多層膜と色素を添加したポリイミド薄膜を製膜することで、IRカットフィルターを作製した。
76mm×76mm×0.214mmの旭硝子製フツリン酸ガラス基板NF-50TX(以下、ガラス基板Aという。)を旭硝子製ハイドロフルオロエーテル系溶剤アサヒクリン(登録商標)AE3000(商品名)を用いて、超音波洗浄機で10分間洗浄した。
上記で得られた洗浄したガラス基板Aの一方の主面上に、IAD真空蒸着装置を用いて、高屈折率膜からはじめて、高屈折率膜と低屈折率膜を交互に製膜して合計40層(合計層厚さ:5950nm)の、第1の誘電体多層膜としての近赤外線反射性の誘電体多層膜(以下、誘電体多層膜R)という。)を製膜した。なお、高屈折率材料としてTiO2を、低屈折率材料としてSiO2を用いた。
上記で得られた誘電体多層膜Rを有するガラス基板Aを、再び旭硝子製ハイドロフルオロエーテル系溶剤アサヒクリン(登録商標)AE3000を用いて、超音波洗浄機で20分間洗浄した。上記で得られた洗浄したガラス基板Aの誘電体多層膜Rを有する側とは反対の面に、真空蒸着装置を用いて、Al2O3からなる30nmの層とSiO2からなる170nmの層の2層からなる誘電体層を、この順に成膜した。製膜したAl2O3からなる層の屈折率は1.60、製膜したSiO2からなる層の屈折率は1.45であった。
実施例1で作製したポリイミド樹脂フィルム11を30g、ジクロロメタン400g、エタノール10g、実施例4で使用した有機色素1を1.2g加えて室温にて撹拌・溶解することで塗工液を得た。
得られた塗工液を、上記で得られた両主面に誘電体多層膜R及び誘電体層を有するガラス基板Aの誘電体層上にスピンコーターにより塗布し、100℃で5分間加熱乾燥させ、膜厚1μmの近赤外線吸収層の順に積層された積層体1を得た。
同様の方法で実施例1のポリイミドフィルム44、59、61、62を用いて積層体2~5を得た。また、色素1を色素2に変更することで積層体6~10を、色素3に変更することで積層体11~15を得た。
103、106、112、115 濾過器
104、113 ストック釜
102、105、111、114 送液ポンプ
108、116 導管
110 添加剤仕込釜
120 合流管
121 混合機
130 加圧ダイ
131 金属ベルト
132 ウェブ
133 剥離位置
134 第1乾燥装置
135 延伸装置
136 第2乾燥装置
137 搬送ローラー
138 巻取り装置
141 仕込釜
142 ストック釜
143 ポンプ
144 濾過器
Claims (12)
- 前記ポリイミドが、芳香族ジカルボン酸無水物と、アミノ基のオルト位に立体障害性基を有する芳香族ジアミンとの重合体であることを特徴とする請求項1に記載の透明ポリイミド樹脂。
- 前記ポリイミドが、脂環式ジカルボン酸無水物と、芳香族ジアミンとの重合体であることを特徴とする請求項1に記載の透明ポリイミド樹脂。
- 前記末端基が、NICS値が-15.0~-10.0の範囲内である芳香環を一つ以上有する末端基であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の透明ポリイミド樹脂。
- 前記ポリイミドが、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される構造を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の透明ポリイミド樹脂。
- 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の透明ポリイミド樹脂を含有することを特徴とする透明ポリイミド樹脂組成物。
- 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の透明ポリイミド樹脂を含有することを特徴とする透明ポリイミド樹脂フィルム。
- 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の透明ポリイミド樹脂を含有することを特徴とする赤外線吸収組成物。
- 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の透明ポリイミド樹脂を含有することを特徴とする赤外線カットフィルター。
- 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の透明ポリイミド樹脂を有機溶剤に溶解して得られるドープを調製する工程、及び
前記ドープを支持体上に流延して膜を形成する工程を含むことを特徴とする透明ポリイミド樹脂フィルムの製造方法。
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