JP2006196717A - 積層型圧電セラミックス素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 安価で銀より融点が高い銅を主成分とする内部電極層と複数の圧電セラミックス層とを交互に積層して一体化した、950℃〜1050℃で焼結が可能で、高い圧電特性を有する、信頼性の高い積層型圧電セラミックス素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 安価で、銀より融点が高い銅を主成分とする内部電極層3と複数の圧電セラミックス層2とを交互に積層して一体化した積層体に含まれる残留カーボン量を、350ppm未満にしたことにより、残留カーボンによる主成分の酸化鉛の還元を抑制し、圧電セラミックス層2と内電極層3の界面でのデラミネーション(剥離)を防ぎ、内部電極層3を形成する導電ペーストに用いる銅粉末表面にガラスをコーティングしたことで、窒素雰囲気中でも400℃まで酸化しない積層体を得ることにより、安価で、信頼性の高い積層型圧電セラミックス素子1を得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電セラミックスおよびその製造方法に関する。特に、外部からの応力を検知し電圧を発生する積層型圧電センサや電圧を加えて変位や力を発生する積層型圧電アクチュエータ等に用いるのに好適な積層型圧電セラミックス素子およびその製造方法に関する。
ジルコン酸チタン酸鉛(以下、PZTと略す)セラミックスは、電気機械変換素子として広い範囲で応用されている。特に内部電極一体の積層型圧電アクチュエータは、応答速度が速く、発生力が大きいことから、半導体製造装置の位置合わせや、ディーゼルエンジンのインジェクタ、インクジェットプリンタのインク吐出部などの分野で使用されている。
積層型圧電セラミックス素子は、次のように製造される。まず、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミックス粉末と有機樹脂等のバインダーを、有機溶剤中に分散混合させてスラリーを作製し、ドクターブレード法等で一定の厚みに成膜し、グリーンシートを作製する。
次に、銅粉末と有機ビヒクルを主成分とする内部電極ペーストを前記グリーンシート上へスクリーン印刷法で印刷して、内部電極を形成する。交互に対向した内部電極をもつグリーンシートを打ち抜き、金型内へ積層し、熱プレス等で圧着して積層体を得る。
その後、脱脂、焼成を行い、積層型圧電セラミックス素子を得る。こうして得られた積層型圧電セラミックス素子の対向する両端面に露出する内部電極の電極引き出し部に、銀または銅を主成分とする外部電極ペーストを塗布し、外部電極を形成し、積層型圧電セラミックス素子を完成する。
一般に、ジルコン酸チタン酸鉛を主成分とする積層型圧電セラミックス素子の分野では、積層型圧電アクチュエータに用いられる内部電極に白金、パラジウム、銀パラジウム合金が用いられており、1050℃〜1300℃の範囲で焼結が行われている。しかし、白金、パラジウムは高価で安定供給が困難であることから、安価な電極材料を用いることができる900〜1050℃の範囲で圧電セラミックス素子を焼結することが望まれる。
代表的な圧電セラミックスであるPZTに第3成分、第4成分を加えたPb[(Zn1/3Nb2/3)(Ni1/3Nb2/3)Zr,Ti]O3セラミックスにより、1150℃以下での焼結を可能とし、内部電極に銀パラジウム合金[比率70:30(銀:パラジウム)]を使用した積層型圧電セラミックス素子を用いた圧電アクチュエータが提案されている。この先行例として、特許文献1がある。
また、各種焼結助剤をセラミックス仮焼粉末に添加し液相焼結法を用いることにより、900℃にて緻密なセラミックス焼結体が得られ、高い圧電特性が得られる積層型圧電セラミックス素子の製造方法が提案されている。この方法の先行例として、特許文献2がある。
圧電セラミックスの(Pb1-BMeB)[(Zn1/3Nb2/3aTibZrc]O3に第1成分(Fe23,CoO,NiO,CuO)および第2成分(Sb23、Nb25、Ta25)を添加することで1050℃以下の低温焼成を可能とし、安価な内部電極材料である銀(80%)パラジウム(20%)合金の使用を可能とする先行例として、特許文献3がある。
特開平11−322422号公報 特開平11−170547号公報 特開2004−137106号公報
上述した特許文献1にかかる積層型圧電セラミックス素子の場合、鉛の量を調整しながら、焼成温度の低減化を図っている。しかしながら、積層型圧電セラミックス素子の鉛の量に焼結密度や圧電特性が依存するので、1100℃以下の低温焼成は困難であるという問題があった。これより、積層型圧電セラミックス素子の鉛の量に依存しないで、圧電特性の劣化がない、高い焼結密度が得られる低温焼成技術が求められていた。
上述した特許文献2にかかる積層型圧電セラミックス素子の場合、900℃にて緻密なセラミックス焼結体が得られる。しかしながら、焼結後、焼結助剤が粒界に析出して、粒界相を形成するために、積層型圧電セラミックス素子の機械強度が劣化し、圧電特性が劣化し、信頼性の低下を引き起こすという問題があった。これより、焼結助剤を用いないで、信頼性の高い積層型圧電セラミックス素子を得る製造方法が求められていた。
また、焼成温度の低温化に伴い、内部電極材料である銀パラジウム合金の低融点化が必要となる。銀パラジウム合金の融点は、パラジウムの割合が減少すると低下する。しかしながら、低融点(900の℃)の銀パラジウム合金では、銀がセラミック層中に拡散しやすいので、積層型圧電セラミックス素子の圧電特性の劣化や信頼性の低下を引き起こすという問題があった。これより、電極材料を構成する成分が拡散しにくく、圧電特性に影響を与えない内部電極材料で構成された積層型圧電セラミックス素子が求められていた。
上述した特許文献3にかかる積層型圧電セラミックス素子の場合、鉛の量を調整しながら、焼成温度の低減化を図り、特定の第1成分(Fe23,CoO,NiO,CuO)および第2成分(Sb23,Nb25,Ta25)を添加することで、焼結密度や圧電特性の改善を図っている。その結果、950℃までの低温焼成を可能としている。しかしながら、内部電極材料として低融点(950℃)の銀パラジウム合金を使用しているので、特許文献2と同様の問題があった。
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術課題は、安価で銀より融点が高い銅を主成分とする内部電極層と複数の圧電セラミックス層とを交互に積層して一体化した、950℃〜1050℃で焼結が可能で、高い圧電特性を有する、信頼性の高い積層型圧電セラミックス素子およびその製造方法を提供することである。
上記目的を達成するための第1の発明は、圧電セラミックス層と、卑金属である銅を主成分とした内部電極層とを交互に積層して一体化した積層体に、前記内部電極層の露出部に電気的に接続する外部電極を形成した積層型圧電セラミックス素子において、前記一体化した積層体に含まれる残留カーボン量を350ppm未満にしたことである。
更に、上記目的を達成するための第2の発明は、前記内部電極層を形成する導電ペーストに用いる銅粉末表面にガラスをコーティングしたことである。
更に、上記目的を達成するための第3の発明は、前記圧電セラミックスの組成は、ジルコン酸チタン酸鉛系セラミックス、または、ジルコン酸チタン酸鉛に第3成分を加えたマグネシウムニオブ酸鉛系、ニッケルニオブ酸鉛系、マンガンニオブ酸鉛系、アンチモンニオブ酸鉛系、亜鉛ニオブ酸鉛系、またはこれらの複合組成からなることである。
更に、上記目的を達成するための第4の発明は、圧電セラミックス層と、卑金属である銅を主成分とした内部電極層とを交互に積層して一体化した積層体に、前記内部電極層の露出部に電気的に接続する外部電極を形成した積層型圧電セラミックス素子の製造方法において、前記圧電セラミックス層を形成するための圧電セラミックグリーンシートに含有する有機バインダー量が、圧電セラミックス粉末に対して、3重量%以上、8重量%以下になるようにし、窒素雰囲気中または還元雰囲気中で脱脂することである。
更に、上記目的を達成するための第5の発明は、前記圧電セラミックグリーンシートに含有する有機バインダーがアクリル系バインダーであることである。
更に、上記目的を達成するための第6の発明は、前記内部電極層を形成する導電ペーストに含有する有機バインダーの量が、銅粉末に対して、3重量%以上、6重量%以下にすることである。
更に、上記目的を達成するための第7の発明は、前記内部電極層を形成する導電ペーストに用いる銅粉末表面にガラスをコーティングする工程を備えることである。
更に、上記目的を達成するための第8の発明は、前記有機バインダーの除去工程は、400℃以上、800℃以下の温度でなされることである。
本発明に係る積層型圧電セラミックス素子によれば、安価で銀より融点が高い銅を主成分とする内部電極層と複数の圧電セラミックス層とを交互に積層して一体化した積層体に含まれる残留カーボン量が、350ppm未満にしたことにより、残留カーボンによる主成分の酸化鉛の還元を抑制し、圧電セラミックス層と内部電極層の界面でデラミネーション(剥離)を防ぐ。また、内部電極層を形成する導電ペーストに用いる銅粉末表面にガラスをコーティングしたことで、窒素雰囲気中でも400℃まで酸化しない積層体を得る。以上の結果として、圧電特性が良好な積層型圧電セラミックス素子の提供が可能となる。
更に、圧電セラミックス層を形成するための圧電セラミックグリーンシートにアクリル系有機バインダーを圧電セラミックス粉末に対して、3重量%〜8重量%含有させて、窒素雰囲気中または還元雰囲気中で低温(400℃)での脱脂を可能とし、引っ張り強度に優れる積層型圧電セラミックス素子の製造方法の提供が可能となる。
更に、内部電極層を形成する導電ペーストに有機バインダーを、銅粉末に対して、3重量%〜6重量%含有させ、400℃〜800℃の温度で、窒素雰囲気中または還元雰囲気中で、脱脂することで、安価で銀より融点が高い銅を主成分とする内部電極層と複数の圧電セラミックス層とを交互に積層して一体化した積層体に含まれる残留カーボン量を350ppm未満にできる。その結果、950℃〜1050℃での焼結が可能となり、高い圧電特性を有する、信頼性の高い積層型圧電セラミックス素子の製造方法の提供が可能となる。
本発明の最良の形態に係る積層型圧電素子1(図1参照)は、安価で銀より融点が高い銅を主成分とする内部電極層3と複数の圧電セラミックス層2とを交互に積層して一体化した積層体である。この積層体に含まれる残留カーボン量を、350ppm未満にしたことにより、残留カーボンによる主成分の酸化鉛の還元を抑制し、圧電セラミックス層2と内部電極層3の界面でのデラミネーション(剥離)を防ぐ。また、内部電極層3を形成する導電ペーストに用いる銅粉末表面にガラスをコーティングしたことで、窒素雰囲気中でも400℃まで酸化しない積層体を得る。以上の結果として、圧電特性が良好な積層型圧電セラミックス素子が可能になる。
更に、圧電セラミックス層2を形成するための圧電セラミックグリーンシートにアクリル系有機バインダーを圧電セラミックス粉末に対して、3重量%〜8重量%含有させて、内部電極層3を形成する導電ペーストに用いる銅粉末表面にガラスをコーティングすることにより、窒素雰囲気中または還元雰囲気中の低温(400℃)条件で、酸化を防止しながら脱脂することが可能になる。
更に、内部電極層3を形成する導電ペーストに有機バインダーを、銅粉末に対して、3重量%〜6重量%含有させ、400℃〜800℃の温度で、窒素雰囲気中または還元雰囲気中で、脱脂することで、積層体に含まれる残留カーボン量を350ppm未満にする。その結果、950℃〜1050℃での焼結が可能となり、高い圧電特性を有する、信頼性の高い積層型圧電セラミックス素子の製造方法の提供が可能となる。
以下は、本発明の積層型圧電素子について、実施例を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の積層型圧電セラミックス素子1を示す斜視図である。圧電セラミックス層2と内部電極層3とを交互に積層し、この積層体の側面に内部電極層3が1層おきに対向電極となるように内部電極層3を側面に露出させ、内部電極層3に電気的に接続するように外部電極4を形成している。積層型圧電セラミックス素子1に電圧を印加すると、圧電セラミックス層2は内部電極層3間距離にかかる電界強度に応じて図1の6a−6b方向に伸び、その伸び量は電界強度に比例して増加する。
圧電セラミックス層2には、PZT系圧電セラミックスが好ましい。また、PZTに第3成分を加えたマグネシウムニオブ酸鉛系、ニッケルニオブ酸鉛系、マンガンニオブ酸鉛系、アンチモンにオブ酸鉛系または、これらの複合材料が用いられる。
PZT仮焼粉末、有機バインダー、分散剤、可塑剤および有機溶剤を用い、ホモジナイザーにより混錬し、スラリー化して、ドクターブレード法により、グリーンシートを作製した。内部電極層3には銅を用い、有機ビヒクルを混錬した内部電極ペーストを3本ロールミルにより作製した。内部電極ペーストをスクリーン印刷法により、グリーンシート上に印刷したものを積層し、熱プレスによって得られる積層体を所定の寸法になるように切断し、積層型圧電セラミックス素子1の積層体を得た。
その後、積層体を窒素雰囲気または還元雰囲気中にて500℃で脱脂を行った。それから、還元雰囲気中にて950℃〜1050℃で本焼結を行うことで積層型圧電セラミックス素子1を得た。
本発明の実施例に係る圧電セラミックグリーンシートのバインダー量と引張り強度の関係を図2に示す。3重量%未満のアクリル系バインダー量では十分な引張り強度が得られず、積層工程時に膜切れが起こり、積層化が困難になった。
また、本発明の実施例に係るバインダー量と500℃で脱脂した後の残留カーボン量の関係を図3に示す。8重量%超のバインダー量では、残留カーボン量が500ppm以上と非常に多かった。500ppm以上の残留カーボン量では、圧電セラミックスの主成分である酸化鉛を焼結時に還元してしまうので、バインダー量は3重量%以上、8重量%以下にする必要がある。
本発明の実施例に係る圧電セラミックグリーンシート(アクリル系バインダー)と従来技術に係る圧電セラミックグリーンシート(PVB:ポリビニルブチラール)の窒素中での熱分析結果を図4に示す。従来技術(PVB)では、窒素雰囲気中で1000℃でも脱脂できなかったのに対して、本発明の技術(アクリル系バインダー)では、200℃から熱分解が始まり、400℃でほぼ脱脂できた。この結果より、アクリル系バインダーを用いなければならないことがわかる。
導電ペーストに用いられる銅粉末の熱分析結果を図5に示す。通常の銅粉末は窒素雰囲気中においても、200℃から質量増加(酸化)が始まったのに対して、ガラスで表面をコーティングした銅粉末では、400℃まで質量増加(酸化)が始まらなかった。
図4および図5より、アクリル系のバインダーを用いた圧電セラミックグリーンシートと内部電極層3を形成する導電ペーストに用いる銅粉末表面にガラスをコーティングすることで、窒素雰囲気中で400℃の条件で酸化防止しながらほぼ脱脂できることがわかる。
導電ペーストに用いられるバインダーの添加量と500℃で脱脂したときの残留カーボン量の関係を図6に示す。一般的に導電ペーストはエチルセルロース系のバインダーが用いられ、スクリーン印刷時のレベリング性からバインダーは6〜8重量%含まれている。窒素雰囲気または還元雰囲気で脱脂するには、導電ペーストの有機バインダーの低減が有効である。しかしながら、1〜2重量%のバインダー量では、スクリーン印刷時のレベリング性が悪く、かすれなどが起こり連続した内部電極層3を得ることはできなかった。また、6重量%超のバインダー量では残留カーボン量が500ppm以上になり、圧電セラミックグリーンシートと同様に焼結時に酸化鉛が還元してしまうので、導電ペーストに用いられるバインダーの添加量は、3重量%以上、6重量%以下が良い。
脱脂の温度は、図4の結果より400℃で十分脱脂が行えるはずであるが、実際は試料の大きさ、試料の数により残留カーボン量は、200〜700ppmとばらつきがあった。試料の形状、数に依存しないで、安定した残留カーボン量を得るには、脱脂の時間を長くするか、温度を高くする必要がある。温度を高くする場合は、800℃から圧電セラミックス層2の焼結収縮が始まるので800℃未満でなければならない。また、窒素雰囲気中であっても400℃から銅の酸化が始まるので還元雰囲気中で脱脂するのが好ましい。
表1に、脱脂後の残留カーボン量と、1000℃で焼結したときの積層体の誘電率と圧電特性の関係を示した。
Figure 2006196717
残留カーボン量が400ppm以上では圧電セラミックス層2と内部電極層3の界面でデラミネーション(剥離)が発生した。焼結時に残留カーボンにより圧電セラミックスの主成分である酸化鉛が還元し、焼結時の収縮のミスマッチによりデラミネーション(剥離)が起こったと考えられる。350ppm未満の残留カーボン量では、誘電率、圧電特性d33ともに良い値を示し、良好な積層体を得ることができた。残留カーボン量は、少なければ少ないほど、誘電率および圧電特性d33が高かった。
各圧電セラミック材料を用い、銅を内部電極に用いた積層体の圧電特性を表2に示す。
Figure 2006196717
一部の材料において焼結可能であり、高い圧電特性を得ることができた。今回焼結できなかった材料に関しても950℃〜1050℃の温度で低温焼結できれば、銅を内部電極として用いた積層体を得ることができる。また、銅を内部電極として用いることにより、従来の内部電極材料である銀パラジウムよりも耐湿度性が高く、安価で信頼性の高い素子を得ることが可能になった。
本発明の積層型圧電セラミックス素子の斜視図。 本発明の実施例に係る圧電セラミックグリーンシートのバインダー量と引張り強度の関係を示す図。 本発明の実施例に係るバインダー量と500℃で脱脂した後の残留カーボン量の関係を示す図。 本発明の実施例に係る圧電セラミックグリーンシート(アクリル系バインダー)と従来技術に係る圧電セラミックグリーンシート(PVB)の窒素中での熱分析結果を示す図。 導電ペーストに用いられる銅粉末の熱分析結果を示す図。 導電ペーストに用いられるバインダーの添加量と500℃で脱脂したときの残留カーボン量の関係を示す図。
符号の説明
1 積層型圧電セラミックス素子
2 圧電セラミックス層
3 内部電極層
4 外部電極
5 リード線
6a,6b 変位方向

Claims (8)

  1. 圧電セラミックス層と、卑金属である銅を主成分とした内部電極層とを交互に積層して一体化した積層体に、前記内部電極層の露出部に電気的に接続する外部電極を形成した積層型圧電セラミックス素子において、前記一体化した積層体に含まれる残留カーボン量は350ppm未満であることを特徴とする積層型圧電セラミックス素子。
  2. 前記内部電極層を形成する導電ペーストに用いる銅粉末表面にガラスをコーティングしたことを特徴とする請求項1記載の積層型圧電セラミックス素子。
  3. 前記圧電セラミックスの組成は、ジルコン酸チタン酸鉛系セラミックス、ジルコン酸チタン酸鉛に第3成分を加えたマグネシウムニオブ酸鉛系、ニッケルニオブ酸鉛系、マンガンニオブ酸鉛系、アンチモンニオブ酸鉛系、亜鉛ニオブ酸鉛系、または、これらの複合組成からなることを特徴とする請求項1または2記載の積層型圧電セラミックス素子。
  4. 圧電セラミックス層と、卑金属である銅を主成分とした内部電極層とを交互に積層して一体化した積層体に、前記内部電極層の露出部に電気的に接続する外部電極を形成した積層型圧電セラミックス素子の製造方法において、前記圧電セラミックス層を形成するための圧電セラミックグリーンシートに含有する有機バインダー量が、圧電セラミックス粉末に対して、3重量%以上、8重量%以下になるようにし、窒素雰囲気中または還元雰囲気中で脱脂することを特徴とする積層型圧電セラミックス素子の製造方法。
  5. 前記圧電セラミックグリーンシートに含有する有機バインダーが、アクリル系バインダーであることを特徴とする請求項4記載の積層型圧電セラミックス素子の製造方法。
  6. 前記内部電極層を形成する導電ペーストに含有する有機バインダーの量が、銅粉末に対して、3重量%以上、6重量%以下であることを特徴とする請求項4記載の積層型圧電セラミックス素子の製造方法。
  7. 前記内部電極層を形成する導電ペーストに用いる銅粉末の表面にガラスをコーティングする工程を備えることを特徴とする請求項4記載の積層型圧電セラミックス素子の製造方法。
  8. 前記有機バインダーの除去工程は、400℃以上、800℃以下の温度でなされることを特徴とする請求項4または6記載の積層型圧電セラミックス素子の製造方法。
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