JP2004274029A - 圧電アクチュエータ - Google Patents

圧電アクチュエータ Download PDF

Info

Publication number
JP2004274029A
JP2004274029A JP2003431827A JP2003431827A JP2004274029A JP 2004274029 A JP2004274029 A JP 2004274029A JP 2003431827 A JP2003431827 A JP 2003431827A JP 2003431827 A JP2003431827 A JP 2003431827A JP 2004274029 A JP2004274029 A JP 2004274029A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
piezoelectric
piezoelectric element
internal electrode
ceramic layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003431827A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Kobayashi
正幸 小林
Naoyuki Kawazoe
尚幸 川添
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2003431827A priority Critical patent/JP2004274029A/ja
Priority to DE200410007999 priority patent/DE102004007999A1/de
Publication of JP2004274029A publication Critical patent/JP2004274029A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/50Piezoelectric or electrostrictive devices having a stacked or multilayer structure
    • H10N30/503Piezoelectric or electrostrictive devices having a stacked or multilayer structure with non-rectangular cross-section orthogonal to the stacking direction, e.g. polygonal, circular
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/50Piezoelectric or electrostrictive devices having a stacked or multilayer structure
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/07Forming of piezoelectric or electrostrictive parts or bodies on an electrical element or another base
    • H10N30/072Forming of piezoelectric or electrostrictive parts or bodies on an electrical element or another base by laminating or bonding of piezoelectric or electrostrictive bodies
    • H10N30/073Forming of piezoelectric or electrostrictive parts or bodies on an electrical element or another base by laminating or bonding of piezoelectric or electrostrictive bodies by fusion of metals or by adhesives

Abstract

【課題】耐久性に優れた圧電アクチュエータを提供すること。
【解決手段】圧電セラミック層151と内部電極層153,154とを交互に積層した圧電素子ユニット15を,積層方向の最も外側の接合面で2つ以上接合し接合部13を形成してなるユニット圧電体素子11を有する圧電アクチュエータ1である。上記圧電素子ユニット15は,上記圧電セラミック層151を50層以下積み重ねてなり,上記接合部13を挟む隣り合う2つの内部電極層153,154に挟まれる接合セラミック層115は,不活性である。
【選択図】図1

Description

本発明は,インジェクタ等の駆動源として用いられる圧電アクチュエータに関する。
従来より,自動車の内燃機関等のインジェクタ(内燃噴射装置)等には,その駆動源として圧電素子を用いることが提案されている。特にインジェクタは,非常に高速な燃料の噴霧を108回以上も繰り返す必要があるため,駆動源となる圧電素子には非常に過酷な使用状態が課せられる。したがって,インジェクタ用の圧電素子には,優れた圧電特性のみならず,優れた耐久性が要求される。
このような圧電素子としては,印加電圧に応じて変位する複数の圧電セラミック層と,印加電圧供給用の内部電極層とを交互に積層してなる積層型圧電体が最も有望視されている。この積層型圧電体は,電圧を印加すると内部電極層に挟まれる圧電セラミック層がそれぞれ変位するため,大きな駆動源を生み出すことができるからである。
一般に,上記積層型圧電体は,セラミックグリーンシートに導電性ペースト材料で電極パターンを印刷し,これを数十枚〜数百枚重ね合わせて圧着して積層体を作製した後,加熱によりバインダーを除去(脱脂)し,続いて焼成することにより得ることができる。
また,上記積層型圧電体においては,該積層型圧電体からより大きな変位を得るために,その積層数を増やす試みがなされている。しかし,積層数を増やすと,安定した製造が難しくなるだけでなく,積層数が百枚近くになると,圧電素子を作動した際に発生する内部応力が増大するためクラックが発生しやすくなり,耐久寿命が短くなってしまうという問題があった。
このような従来の問題を解決するために,まず,セラミックグリーンシートを複数枚積層した積層体サブユニットを作製し,次に,この積層体サブユニット脱脂してサブユニットの脱脂体を作製し,その後,この脱脂体を複数個積み重ねて焼成することにより所望の積層数の積層型圧電体を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら,上記積層型圧電体においては,電圧印加時に各積層体サブユニットの最外層が変形し,上記積層体サブユニットの接合面に損傷が発生するという問題があった。また,上記積層体サブユニット内に大きな応力が発生し,内部にクラックが発生するおそれがあった。
そのため,このような積層型圧電体は,上述のように優れた耐久性を要するインジェクタの駆動源等として,利用することが困難であった。
特開昭64−33980号公報
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,耐久性に優れた圧電アクチュエータを提供しようとするものである。
第1の発明は,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の最も外側の接合面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなり,
上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層に挟まれる接合セラミック層は,不活性であることを特徴とする圧電アクチュエータにある(請求項1)。
上記第1の発明の圧電アクチュエータは,上記のように,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,2つ以上接合してなるユニット圧電体素子を有している。
そのため,上記圧電アクチュエータに電圧を印加すると,上記ユニット圧電体素子が変形し,駆動力を取り出すことができる。そのため,上記圧電アクチュエータは,例えばインジェクタの駆動源等として利用することができる。
また,上記圧電アクチュエータにおいて,上記圧電素子ユニットは,圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなる。
このように,上記圧電素子ユニットの積層数を50層以下とすることにより,電圧印加時に発生する応力が抑制される。そのため,電圧印加時に各圧電素子ユニットの内部に生じるクラックの発生を防止することができる。
また,作製時には,50層以下の積層体を別々に脱脂することが可能となる。そのため,脱脂時間が短縮し,上記圧電セラミック層に最終的にバインダーが残存することもほとんどない。それ故,上記圧電セラミック層が本来有する優れた圧電特性を充分に発揮することができる。
また,上記圧電アクチュエータにおいては,上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層に挟まれる接合セラミック層が不活性である。
そのため,電圧印加時に,上記ユニット圧電体素子内の各圧電素子ユニットがそれぞれ大きく変形しても,上記接合部に形成される上記接合セラミック層自体は,積極的に変形せず,その変形量は小さい。
それ故,上記圧電アクチュエータの作動時に,上記圧電素子ユニットが接合する上記接合面に,局所的な損傷が発生することを防止することができる。
このように,上記第1の発明によれば,耐久性に優れた圧電アクチュエータを提供することができる。
第2の発明は,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなり,
上記圧電素子ユニットにおいては,該圧電素子ユニットの両端にある上記接合面のうち,一方の接合面に対するもう一方の接合面の平行度が0.1mm以下であることを特徴とする圧電アクチュエータにある(請求項6)。
上記第2の発明の圧電アクチュエータにおいては,上記圧電素子ユニットの両端にある上記接合面のうち,一方の接合面に対するもう一方の接合面の平行度が0.1mm以下である。
そのため,上記圧電素子ユニット同士の接合面に局所的な応力が発生することを抑制することができる。それ故,上記接合部における損傷を防止することができ,上記圧電アクチュエータの耐久性が向上する。
また,上記圧電アクチュエータにおいて,上記圧電素子ユニットは,圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなる。
このように,上記圧電素子ユニットの積層数を50層以下とすることにより,上記第1の発明と同様に,電圧印加時に発生する応力が抑制される。そのため,電圧印加時に各圧電素子ユニットの内部に生じるクラックの発生を防止することができる。また,上記第1の発明と同様に,作製時には50層以下の積層体を別々に脱脂することが可能となるため,脱脂時間が短縮し,最終的に上記圧電セラミック層にバインダーが残存することもほとんどない。
第3の発明は,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなり,
上記ユニット圧電体素子の積層方向の最も端部には,上記圧電素子ユニットよりもヤング率が大きい接続部材を有し,
上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間には,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなり,上記ユニット圧電体素子の内部応力を緩和するバッファユニットを有していることを特徴とする圧電アクチュエータにある(請求項7)。
上記第3の発明の圧電アクチュエータにおいては,上記圧電素子ユニットよりもヤング率が大きい接続部材を有している。
そのため,上記圧電アクチュエータの変位を例えば外部の金属部材等へ伝達する際のロスを小さくすることができる。
また,上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間には,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなり,上記ユニット圧電体素子の内部応力を緩和するバッファユニットを有している。
そのため,上記圧電アクチュエータの内部にクラックが発生することを防止することができる。
すなわち,上記圧電アクチュエータに電圧を印加すると,上記ユニット圧電体素子は,積層方向へ伸び,積層方向と垂直な方向に縮む。一方,上記接続部材は変形しない。そのため,上記ユニット圧電体素子と上記接続部材とを直接接合させた場合には,上記ユニット圧電体素子の伸縮が妨げられ,その結果内部応力が増大してクラックが発生するおそれがある。
上記のように,上記圧電素子ユニットと上記接続部材との間に上記バッファユニットを介在させることにより,内部応力の増大を抑制し,クラックの発生を抑制することが可能となる。そのため,上記圧電アクチュエータは耐久性に優れたものとなる。
なお,上記変位量の測定は,レーザー変位計及び静電容量式変位計等を用いて測定することができる。
第4の発明は,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなり,
上記ユニット圧電体素子の積層方向の最も端部には,上記圧電素子ユニットよりもヤング率が大きい接続部材を有し,
上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間には,上記接続部材よりもヤング率が小さいダミーユニットを有していることを特徴とする圧電アクチュエータにある(請求項10)。
上記第4の発明の圧電アクチュエータにおいては,上記第3の発明と同様に,上記圧電素子ユニットよりもヤング率が大きい接続部材を有している。
そのため,上記第3の発明と同様に,上記圧電アクチュエータの変位を例えば外部の金属部材等へ伝達する際のロスを小さくできる。
また,上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間には,上記接続部材よりもヤング率が小さいダミーユニットを有している。
そのため,電圧印加時に上記ユニット圧電素子に生じる内部応力が増大することを抑制し,クラックの発生を防止することができる。
すなわち,上記のように,上記圧電アクチュエータに電圧を印加すると,上記ユニット圧電体素子が積層方向に伸び,積層方向と垂直な方向に縮む。このとき,上記のように,上記接続部材のヤング率が上記ユニット圧電体素子のヤング率よりも大きい場合には,ユニット圧電体素子の伸縮が妨げられることにより内部応力が増大し,クラックが発生するおそれがある。
そこで,上記のように,上記接続部材よりもヤング率が小さいダミーユニットを上記接続部材と上記ユニット圧電体素子との間に介在させることにより,クラックの発生を防止することができるのである。そのため,上記圧電アクチュエータは耐久性に優れたものとなる。
第5の発明は,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなり,
上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層に挟まれる接合セラミック層は,不活性であることを特徴とする圧電アクチュエータにある(請求項15)。
上記第5の発明の圧電アクチュエータにおいては,上記第1の発明と同様に,上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層に挟まれる接合セラミック層が不活性である。
そのため,上記第1の発明と同様に,電圧印加時に上記ユニット圧電体素子内の各圧電素子ユニットがそれぞれ大きく変形しても,上記接合部に形成される上記接合セラミック層自体は,積極的に変形せず,その変位量は小さい。それ故,上記圧電アクチュエータの作動時に,上記圧電素子ユニットが接合する上記接合面に,局所的な損傷が発生することを防止することができる。
また,上記第5の発明において,上記圧電素子ユニットは,圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなる。このように上記圧電素子ユニットの積層数が6層以上の場合には,上記接合セラミック層の変形量が大きくなり,上記接合面への局所的な損傷が起こり易くなる。しかし,上記第5の発明においては,上記のごとく,上記接合セラミック層が不活性であるため,接合面への損傷の発生を抑制することができる。即ち,上記第5の発明のように圧電セラミック層が6層以上の場合には,上記接合セラミック層を不活性にすることによって得られる,損傷の発生を抑制するという効果をより顕著に得ることができる。
その他の効果は,上記第1の発明と同様である。
第6の発明は,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなり,
上記圧電素子ユニットにおいては,該圧電素子ユニットの両端にある上記接合面のうち,一方の接合面に対するもう一方の接合面の平行度が0.1mm以下であることを特徴とする圧電アクチュエータにある(請求項20)。
上記第6の発明の圧電アクチュエータにおいては,上記第2の発明と同様に,上記圧電素子ユニットの両端にある上記接合面のうち,一方の接合面に対するもう一方の接合面の平行度が0.1mm以下である。
そのため,上記第2の発明と同様に,上記圧電素子ユニット同士の接合面に局所的な応力が発生することを抑制することができる。それ故,上記接合部における損傷を防止することができ,上記圧電アクチュエータの耐久性が向上する。
また,上記第6の発明において,上記圧電素子ユニットは,圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなる。このように上記圧電素子ユニットの積層数が6層以上の場合には,上記接合セラミック層の変形量が大きくなり,上記接合面への局所的な損傷が起こり易くなる。しかし,上記第6の発明においては,上記のごとく,上記圧電素子ユニットの両端にある上記接合面のうち,一方の接合面に対するもう一方の接合面の平行度が0.1mm以下であるため,接合面への損傷の発生を抑制することができる。即ち,上記第6の発明のように圧電セラミック層が6層以上の場合には,上記接合面の平行度を0.1mm以下にすることによって得られる,損傷の発生を抑制するという効果をより顕著に得ることができる。
その他の効果は上記第2の発明と同様である。
第7の発明は,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなり,
上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間には,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなり,上記ユニット圧電体素子の内部応力を緩和するバッファユニットを有していることを特徴とする圧電アクチュエータにある(請求項21)。
上記第7の発明の圧電アクチュエータにおいては,上記第3の発明と同様に,上記圧電素子ユニットよりもヤング率が大きい接続部材を有している。
そのため,上記第3の発明と同様に,上記圧電アクチュエータの変位を例えば外部の金属部材等へ伝達する際のロスを小さくすることができる。
また,上記第3の発明と同様に,上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間には,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなり,上記ユニット圧電体素子の内部応力を緩和するバッファユニットを有している。
そのため,上記第3の発明と同様に,上記圧電アクチュエータの内部にクラックが発生することを防止することができる。
また,上記第7の発明において,上記圧電素子ユニットは,圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなる。このように上記圧電素子ユニットの積層数が6層以上の場合には,上記圧電素子ユニットの積層方向における最も外側のセラミック層である最外セラミック層の変形量が大きくなる。そのため,上記ユニット圧電体素子と例えば上記接続部材のような他の部材とを接合したときに,その接合面に局所的な損傷が発生するおそれがある。しかし,上記第7の発明においては,上記のごとく,上記バッファユニットを介在させているため,接合面への損傷の発生を抑制し,上記圧電アクチュエータの耐久性を向上させることができる。
その他の効果は,上記第3の発明と同様である。
第8の発明は,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなり,
上記ユニット圧電体素子の積層方向の最も端部には,上記圧電素子ユニットよりもヤング率が大きい接続部材を有し,
上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間には,上記接続部材よりもヤング率が小さいダミーユニットを有していることを特徴とする圧電アクチュエータにある(請求項24)。
上記第8の発明の圧電アクチュエータにおいては,上記第4の発明と同様に,上記圧電素子ユニットよりもヤング率が大きい接続部材を有している。
そのため,上記第4の発明と同様に,上記圧電アクチュエータの変位を例えば外部の金属部材等へ伝達する際のロスを小さくできる。
また,上記第4の発明と同様に,上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間には,上記接続部材よりもヤング率が小さいダミーユニットを有している。
そのため,上記第4の発明と同様に,電圧印加時に上記ユニット圧電素子に生じる内部応力が増大することを抑制し,クラックの発生を防止することができる。
また,上記第8の発明においては,上記圧電素子ユニットは,圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなる。上述のように,上記圧電素子ユニットの積層数が6層以上の場合には,上記圧電素子ユニットの積層方向における最も外側のセラミック層である最外セラミック層の変形量が大きくなる。そのため,上記ユニット圧電体素子と例えば上記接続部材のような他の部材とを接合したときに,その接合面に局所的な損傷が発生するおそれがある。しかし,上記第8の発明においては,上記のごとく,上記ダミーユニットを介在させているため,接合面への損傷の発生を抑制し,上記圧電アクチュエータの耐久性を向上させることができる。
その他の効果は,上記第4の発明と同様である。
上記第1〜第4の発明において,上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなる。
ここで,上記圧電セラミック層の積層数と圧電素子ユニットの内部に発生する応力との関係をシミュレーションにて求めた結果を図21に示す。
シミュレーションは,有限要素法を用いた圧電解析にて行った。
図21に示すごとく,一般に上記圧電セラミック層の積層数が多くなるにつれて,ユニット内に発生する応力は大きくなる。特に,50層を越える場合には,電圧印加時に大きな内部応力が発生する。その結果,上記圧電素子ユニット内にクラックが発生するおそれがある。
また,上記第5〜第8の発明において,上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなる。
圧電セラミック層の積層数が6層未満の場合には,上記圧電素子ユニット一つあたりの変形量が小さくなる。そのため,充分な変位を発生する圧電アクチュエータを得るために,上記圧電素子ユニットをより多く接合させる必要があり,接合後の全長が長くなってしまうだけでなく,上記圧電素子ユニット一つあたりの積層方向の厚さが小さくハンドリングが難しくなり製造工程が煩雑になると共に,製造コストが増加するおそれがある。
次に,上記圧電素子ユニット同士は,接着剤で接合することができる。
このような接着剤としては,例えばシリコーン系,エポキシ系,ウレタン系,又はポリイミド系等の接着剤を用いることができる。
また,上記第1の発明(請求項1)及び上記第5の発明(請求項15)において,上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層は互いに電位が異なる外部電極に接続しており,かつ上記接合セラミック層の電界強度は,上記圧電素子ユニットの抗電界以下であることが好ましい(請求項2及び請求項16)。
この場合には,上記接合セラミック層を実質的に不活性にすることができる。
ここで,上記圧電素子ユニットの抗電界に対する上記接合セラミック層の電界強度と,上記接合セラミック層の圧電定数との関係を実験により求めた結果を図22に示す。
同図において,横軸は,上記ユニット圧電体素子の抗電界に対する上記接合セラミック層の電界強度{(接合セラミック層の電界強度)/(ユニット圧電体素子の抗電界)}を示し,縦軸は接合セラミック層の圧電定数を示す。
図22より知られるごとく,上記接合セラミック層の電界強度が,上記ユニット圧電体素子の抗電界を越える場合には,上記接合セラミック層の圧電定数が大きくなる。即ち,これは,上記セラミック層が活性になることを示す。そして,この場合には,作動時に上記圧電素子ユニット同士の接合面に損傷が発生し易くなる。
また,上記接合セラミック層の電界強度は,上記ユニット圧電体素子の抗電界の0.8倍以下であることがより好ましい。
この場合には,図22より知られるごとく,上記接合セラミック層の圧電定数がほとんど0となり,上記接合セラミックは,一層不活性な状態になる。そのため,作動時の損傷をさらに一層防止することができる。
次に,上記抗電界について説明する。
図23は,上記抗電界(Ec)の説明図である。同図は,横軸にユニット圧電体素子に付与する電界強度を,縦軸に変位量をとったものである。なお,電界強度は,分極方向と同じ方向をプラス(+)とし,分極方向と反対方向を(−)とする。
そして,A点からスタートし,まずユニット圧電体素子に分極方向と同じ方向に電界強度を印加し,その値を徐々に高めていく。これにしたがって,ユニット圧電体素子の変位量は増加していく。なお,変位量は,一定電圧を印加した際の積層方向への変位を測定し,このときの積層方向の単位長さあたりの変位をもって変位量とすることができる。この変位量は,レーザー変位計及び静電容量式変位計等を用いて測定することができる。
次に,電界強度がB点に達した後,徐々に電界強度を低くする。今度はこの電界強度の低下にしたがって,変位量が減少していく。そして電界強度が0となった後も,連続して分極方向と逆の方向に電界強度を徐々に低下させる。これにしたがって,変位量はさらに減少していく。そして,電界強度がC点に至った時点で,突然変位量が増加に転じる。この点の電界強度の絶対値が本発明における抗電界Ecである。
そして,その後,電界強度がD点に達した後,再び電界強度を高めていく。これにしたがって,今度は変位量が減少していく。そして,電界強度が0となり,さらに分極方向に電界強度を高めていくと,突然変位量が増加に転じる。このD点とC点が異なる場合があるため,本発明では分極方向と逆方向に電圧を印加した際の抗電界をEcとする。
なお,図23に示すごとく,その後さらに電界強度を高めることによって,最終的にB点とほぼ同じ状態になり,その後は同様な挙動を繰り返す。
上記接合セラミック層の電界強度が,上記ユニット圧電体素子の抗電界よりも大きい場合には,電圧印加時に上記接合セラミック層が変位し,上記接合面に損傷がおこるおそれがある。
次に,上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層は互いに電位が異なる外部電極に接続しており,かつ上記接合セラミック層の電界強度は,上記圧電素子ユニットの抗電界より大きく,かつ上記接合部には,樹脂絶縁層を有していることが好ましい(請求項3及び請求項17)。
この場合には,上記樹脂絶縁層により,上記接合セラミック層に印加される実質的な電界強度を抗電界以下にすることができる。そのため,上記接合セラミック層を容易に不活性にすることができる。
上記樹脂絶縁層は,上述したように,例えばシリコーン系,エポキシ系,ウレタン系,又はポリイミド系等の接着剤にて,上記圧電素子ユニットを接合することにより形成することができる。
次に,上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層は,互いに略同電位の外部電極に接続していることが好ましい(請求項4及び請求項18)。
この場合には,上記接合セラミック層に損傷が生じたときにも,接合部に短絡が発生することを防止することができる。また,この場合には,上記接合セラミック層を容易に不活性な状態にすることができる。
また,上記接合部においては,上記圧電素子ユニットの上記接合面同士が部分的に直接接触しており,かつ上記接合部には樹脂層を有していることが好ましい(請求項5及び請求項19)。
この場合には,上記接合部における変位及び発生力のロスを低減することができる。上記樹脂層は,例えばシリコーン系,エポキシ系,ウレタン系,又はポリイミド系等の接着剤にて,上記圧電素子ユニットを接合することにより形成することができる。
次に,上記第2の発明(請求項6)及び上記第6の発明(請求項20)において,上記圧電素子ユニットの両端にある上記接合面のうち,一方の接合面に対するもう一方の接合面の平行度は0.1mm以下である。
ここで,上記接合面の平行度と,上記圧電素子ユニット表面近傍(接合部)に発生する応力との関係を図24に示す。同図は,横軸に接合面の平行度を,縦軸に圧電素子ユニット表面近傍(接合部)に発生する応力をとったものである。
図24に示すごとく,一般に上記接合面の平行度が大きくなるにつれて,圧電素子ユニット表面近傍(接合部)内に発生する応力が大きくなる。
同図より知られるごとく,上記接合面の平行度が0.1mm以下である場合には,ユニット内に発生する応力が非常に小さくなる。そのため,上記接合部の損傷をさらに一層防止することができる。
なお,上記平行度は,JIS−B0621−1984に規定の方法にしたがって測定することができる。
また,上記第3の発明,第4の発明,第7の発明,及び第8の発明の圧電アクチュエータは,上記のごとく,上記圧電素子ユニットよりもヤング率が大きい接続部材を有している。
このような接続部材としては,例えばアルミナ,炭化珪素,窒化アルミ,窒化珪素等よりなるものがある。
ヤング率は,JIS−R1602−1995に規定の方法にしたがって測定することができる。ただし,指定の試験サンプル形状が得られない場合は,上記接続部材と上記圧電素子ユニットを同形状で削りだしたサンプルにて,上記のJIS規格と同等の試験を実施し,比較することができる。
また,上記第3の発明(請求項7)及び第7の発明(請求項21)の圧電アクチュエータにおいては,上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間に,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなり,上記ユニット圧電体素子の内部応力を緩和するバッファユニットを有している。
上記バッファユニットの圧電セラミック層は,上記圧電素子ユニット内の上記圧電セラミック層と同様の材料を用いて作製することができる。
上記バッファユニットは,上記圧電素子ユニットと同様に圧電セラミック層と,内部電極層とからなる。上記ユニット圧電体素子の内部応力を緩和するための具体的な方法としては,例えば上記バッファユニット内の圧電セラミック層の厚みを,上記圧電素子ユニット内の圧電セラミック層よりも大きくすること等によって実現することができる。また,上記圧電素子ユニットよりも圧電定数の小さい圧電材料を用いて上記バッファユニットを作製したり,上記バッファユニットに印加する電圧を,上記圧電素子ユニットに印加する電圧よりも小さくしたりすること等によっても実現できる。
また,上記バッファユニットと上記ユニット圧電体素子とは,樹脂接着剤で接合することができる。上記樹脂接着剤の拘束力は小さいため,この場合にも上記バッファユニットを介在させる効果を充分に得ることができる。
次に,上記接続部材のヤング率は,上記圧電素子ユニットのヤング率の2倍以上であることが好ましい(請求項8及び請求項22)。
上記接続部材のヤング率が,上記圧電素子ユニットのヤング率の2倍未満の場合には,上記圧電アクチュエータの変位を外部へ伝達する際に,該圧電アクチュエータと外部の金属部材等との間の変位及び発生力のロスを充分に小さくできないおそれがある。
次に,上記バッファユニットの単位長さあたりの変位量は,上記接続部材側では,上記圧電素子ユニットの単位長さあたりの変位量よりも小さく,かつ上記ユニット圧電体素子側では,該ユニット圧電体素子の単位長さあたりの変位量と略同一であることが好ましい(請求項9及び請求項23)。
この場合には,上記圧電アクチュエータの内部にクラックが発生することをさらに効果的に防止することができる。
上記のように,上記バッファユニット内の単位長さあたりの変位量を,上記接続部材側で上記ユニット圧電体素子よりも小さく,かつ上記ユニット圧電体素子側で,該ユニット圧電体素子と略同一にするための具体的な手段としては,例えば次のような方法がある。
即ち,例えば上記バッファユニット内において,該バッファユニット内の圧電セラミック層の厚みを,上記ユニット圧電体素子側では,該ユニット圧電体素子の圧電セラミック層とほぼ同様の厚みにし,上記接続部材側では,上記圧電体素子の圧電セラミック層よりも大きくすること等によって実現することができる。
また,他の方法としては,上記バッファユニットを作製するときに,上記接合部材側の圧電セラミック層には,上記圧電素子ユニットの圧電セラミック層よりも圧電定数の小さい圧電材料を用い,上記ユニット圧電体素子側の圧電セラミック層には,上記圧電素子ユニットの圧電セラミック層と略同一の圧電定数を有する圧電材料を用いてバッファユニットを作製することにより実現できる。さらに,上記バッファユニットの接合部材側に印加する電圧を,上記ユニット圧電体素子側に印加する電圧よりも小さくすることでも実現できる。
また,上記第4の発明(請求項10)及び第8の発明(請求項24)においては,上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間には,上記接続部材よりもヤング率の小さいダミーユニットを有している。
ヤング率は,JIS−R1602−1995に規定の方法にしたがって測定することができる。ただし,指定の試験サンプル形状が得られない場合は,上記接続部材と上記ダミーユニットを同形状で削りだしたサンプルにて,上記のJIS規格と同等の試験を実施し,比較することができる。
また,上記ダミーユニットと上記ユニット圧電体素子とは,樹脂接着剤で接合することができる。上記樹脂接着剤の拘束力は小さいため,この場合にも上記ダミーユニットを介在させる効果を充分に得ることができる。
また,上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間には,上記バッファーユニットと上記ダミーユニットとの双方を介在させることができる。この場合には,上記ユニット圧電体素子,上記バッファーユニット,上記ダミーユニット,及び上記接続部材との間を上記樹脂接着剤で接合することができる。
上記接続部材のヤング率は,上記圧電素子ユニット及び上記ダミーユニットのヤング率の2倍以上であることが好ましい(請求項11及び請求項25)。
上記接続部材のヤング率が,上記圧電素子ユニット及び上記ダミーユニットのヤング率の2倍未満の場合には,上記圧電アクチュエータの変位を外部へ伝達する際に,該圧電アクチュエータと外部の金属部材等との間の変位及び発生力のロスを充分に小さくできないおそれがある。
次に,上記ダミーユニットは,上記圧電素子ユニットの上記圧電セラミック層と同じセラミック材料よりなることが好ましい(請求項12及び請求項26)。
この場合には,上記ダミーユニットを容易に作製することができるだけでなく,上記ダミーユニットのヤング率を上記圧電素子ユニットと略同等にできるため,上記接合部材側から上記ダミーユニットにクラックが発生することがあっても,上記圧電素子ユニットへのクラックの進展を効果的に防止することができる。
また,上記ダミーユニットと上記ユニット圧電体素子との間に,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなり,上記ユニット圧電体素子の内部応力を緩和するバッファユニットを有しており,該バッファユニットの単位長さあたりの変位量は,上記ダミーユニット側では,上記圧電素子ユニットの単位長さあたりの変位量よりも小さく,かつ上記ユニット圧電体素子側では,該ユニット圧電体素子の単位長さあたりの変位量と略同一であることが好ましい(請求項13及び請求項27)。
この場合には,上記圧電アクチュエータの内部にクラックが発生することをさらに効果的に防止することができる。
上記のように,上記バッファユニット内の単位長さあたりの変位量を,上記ダミーユニット側で上記ユニット圧電体素子よりも小さく,かつ上記ユニット圧電体素子側で,該ユニット圧電体素子と略同一にするための具体的な手段としては,例えば次のような方法がある。
即ち,例えば上記バッファユニット内において,該バッファユニット内の圧電セラミック層の厚みを,上記ユニット圧電体素子側では,該ユニット圧電体素子の圧電セラミック層とほぼ同様の厚みにし,上記ダミーユニット側では,上記圧電体素子の圧電セラミック層よりも大きくすること等によって実現することができる。
また,他の方法としては,上記バッファユニットを作製するときに,上記ダミーユニット側の圧電セラミック層には,上記圧電素子ユニットの圧電セラミック層よりも圧電定数の小さい圧電材料を用い,上記ユニット圧電体素子側の圧電セラミック層には,上記圧電素子ユニットの圧電セラミック層と略同一の圧電定数を有する圧電材料を用いてバッファユニットを作製することにより実現できる。さらに,上記バッファユニットのダミーユニット側に印加する電圧を,上記ユニット圧電体素子側に印加する電圧よりも小さくすることでも実現できる。
また,上記第3及び上記第4の発明において,上記バッファユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなり,かつ上記バッファユニットの積層方向の最も外側のセラミック層である最外セラミック層は,不活性であることが好ましい(請求項14)。
上記バッファユニット内に発生する応力は,上記圧電素子ユニットと同様,上記圧電セラミック層の積層数が多くなるにつれて大きくなる。特に,50層を越える場合には,電圧印加時に大きな内部応力が発生するため,上記圧電素子ユニット内にクラックが発生するおそれがある。また,上記積層方向の最も外側のセラミック層である最外セラミック層が不活性でない場合には,電圧印加時に,上記接合部分を挟む隣り合う2つの内部電極層に挟まれるセラミック層が積極的に変形し,バッファユニットと圧電素子ユニット,接続部材若しくはダミーユニットとの接合部分に損傷がおこるおそれがある。
また,上記第7及び第8の発明において,上記バッファユニットは,上記圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなり,かつ上記バッファユニットの積層方向の最も外側のセラミック層である最外セラミック層は,不活性であることが好ましい(請求項28)
上記バッファユニットにおける圧電セラミック層の積層数が6層未満の場合には,上記バッファユニット一つあたりの積層方向の厚さが小さいため,ハンドリングが難しくなるくなり,製造工程が煩雑になると共に,製造コストが増加するおそれがある。また,上記バッファユニットの積層方向の最も外側のセラミック層である最外セラミック層が不活性でない場合,即ち活性である場合には,電圧印加時に,上記接合部分を挟む隣り合う2つの内部電極層に挟まれるセラミック層が積極的に変形し,バッファユニットと圧電素子ユニット,接続部材若しくはダミーユニットとの接合部分に損傷がおこるおそれがある。
また,上記第7及び上記第8の発明において,上記バッファユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなることが好ましい(請求項29)。
上記バッファユニットの圧電セラミック層が50層を超える場合には,上記圧電素子ユニットの場合と同様に,上記バッファユニット内に発生する応力が大きくなり,電圧印加時に大きな内部応力が発生するため,上記圧電素子ユニット内にクラックが発生するおそれがある。
次に,上記第5〜第8の発明において,上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなることが好ましい(請求項30)。
上述のごとく,上記圧電素子ユニットにおける圧電セラミック層の積層数が50層を越える場合には,電圧印加時に大きな内部応力が発生し,その結果,上記圧電素子ユニット内にクラックが発生するおそれがある。
次に,上記第1〜第8の発明において,上記圧電素子ユニットにおける積層方向の最も外側のセラミック層である最外セラミック層の厚みは,上記圧電素子ユニットにおいて上記内部電極層に挟まれたセラミック層である駆動セラミック層の厚み以上であることが好ましい(請求項31)。
この場合には,上記最外セラミック層の変形量を抑制することができるため,上記圧電素子ユニット同士の接合面の損傷をさらに抑えることができる。
また,本発明において,上記圧電セラミック層は,PZT系材料よりなることが好ましい(請求項32)
この場合には,上記PZT系材料{Pb(Zr,Ti)O3系ペロブスカイト構造の酸化物の総称}が有する優れた圧電体としての特性を生かして,インジェクタ等のアクチュエータとしての性能を向上させることができる。
また,上記内部電極層としては,Ag,Pd,Pt,Cu,Niのうちの少なくとも1種を含む金属またはその合金を用いることができる。
また,上記圧電アクチュエータは,インジェクタに用いられることが好ましい(請求項33)。
この場合には,上記圧電アクチュエータの優れた耐久性を充分に発揮することができる。
(実施例1)
次に,本発明の実施例にかかる,圧電アクチュエータにつき,図1〜図16を用いて説明する。
本例の圧電アクチュエータ1は,図7に示す,圧電セラミック層151と内部電極層153,154とを交互に積層した圧電素子ユニット15を,図1〜図3に示すごとく,積層方向の最も外側の面である接合面155で,2つ以上接合し接合部13を形成してなる。そして,上記圧電素子ユニット15は,上記圧電セラミック層151を50層以下積み重ねてなり,上記接合部13を挟む隣り合う2つの内部電極層153,154に挟まれる接合セラミック層115は,不活性である。
以下,本例の圧電アクチュエータについて,図1〜図3を用いて詳細に説明する。
図1〜図3に示すごとく,本例の圧電アクチュエータ(試料E1)1は,20個の圧電素子ユニット15を接合部13において接合してなるユニット圧電体素子11を有している。各圧電素子ユニット15は,PZT系材料よりなる圧電セラミック層151と,Ag及びPdよりなる内部電極層153,154とを交互に積層してなる。図面作成上の便宜のため図中には詳細に示していないが,各圧電素子ユニット15における,圧電素子として活性な圧電セラミック層151の積層数は20層である。
内部電極層153,154は,圧電セラミック層151の片側の側面だけに到達するように形成されている。また,圧電素子ユニット15の側面にはこれを挟むように,電位の異なる外部電源に接続された,Agよりなる外部電極5,6が設けられている。そして,内部電極層153,154は,上記圧電素子ユニット15の側面において,上記外部電極5,6に,積層方向において交互に電気的に接続されている。したがって,圧電アクチュエータ1内において,隣接する2つの内部電極層153,154は,互いに電位が異なる外部電極に接続される。
また,図1及び図2に示すごとく,本例の圧電アクチュエータ1は,ユニット圧電体素子11の積層方向の最も端部に,圧電素子ユニット15よりもヤング率が大きい,アルミナよりなる接続部材4を有している。そして,ユニット圧電体素子11と接続部材4との間には,ユニット圧電体素子11の内部応力を緩和するバッファユニット2と,接続部材4よりもヤング率が小さく電圧を印加しないダミーユニット3とが介在している。バッファユニット2及びダミーユニット3は,圧電素子ユニット15の圧電セラミック層151と同じPZT系材料よりなっている。
バッファユニット2は,図1,図2,及び図9に示すごとく,圧電セラミック層251と内部電極層253,254とよりなる。そして,バッファユニット2内において,圧電素子として活性な圧電セラミック層251の厚みは,ユニット圧電体素子11側では圧電素子ユニット15内の圧電セラミック層151と略同等であり,接続部材4側では圧電素子ユニット15内の圧電セラミック層151よりも大きい。また,バッファユニット2は,上記の圧電素子ユニットと同様にバッファユニットの側面を挟むように外部電極5,6を有しており,この外部電極5,6は,それぞれ内部電極層253,254に接続されている。
また,図1及び図2に示すごとく,ダミーユニット3は,圧電素子ユニット15内の圧電セラミック層151及びバッファユニット2内の圧電セラミック層251と同様の圧電セラミック層からなるが,圧電素子ユニット15及びバッファユニット2のように内部電極層を有していない。
次に,本例の圧電アクチュエータの製造方法につき,図1〜図9を用いて説明する。
本例の圧電アクチュエータは,広く用いられているグリーンシート法を用いて製造することができる。このグリーンシートは,以下のようにして準備する。
即ち,まず,公知の方法により圧電材料の主原料となる酸化鉛,酸化ジルコニウム,酸化チタン,酸化ニオブ,炭酸ストロンチウム等の粉末を所望の組成となるように秤量する。本例では,最終的な組成がいわゆるPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)となるようにした。また,鉛の蒸発を考慮して,上記の混合比組成の化学量論比よりも1〜2%リッチになるように調合する。そしてこれらの原料を混合機にて乾式混合し,その後800〜950℃で仮焼する。
次いで,仮焼粉に,純水,分散剤を加えてスラリーとし,パールミルにより湿式粉砕する。この粉砕物を乾燥,粉脱脂した後,溶剤,バインダー,可塑剤,分散剤等を加えてボールミルにより混合する。その後,このスラリーを真空装置内で攪拌機により攪拌しながら真空脱泡,粘度調整をする。
次いで,スラリーをドクターブレード装置により一定の厚みのグリーンシートに成形する。
回収したグリーンシートはプレス機で打ち抜くか,切断機により切断し,所定の大きさの矩形体に成形する。
次いで,図4に示すごとく,例えば銀/パラジウム=7/3の比率からなる銀およびパラジウムのペースト(以下,Ag/Pdペーストという)により,成形後のグリーンシート7の一方の表面にパターンをスクリーン印刷形成する。図4は電極パターン印刷後のグリーンシートの一例を示す。
グリーンシート7の表面には,上記Ag/Pdペーストにより,略全面にこれよりもやや小さなパターンを形成し,これを内部電極層153(154)とした。グリーンシート7の表面の対向辺の一方の側には,内部電極層153(154)が形成されてない非形成部75が設けてある。つまり,グリーンシート7の対向辺の一方の端部(圧電アクチュエータの側面に相当する部分)には,内部電極層153(154)が到達せず,対向する他方の端部には内部電極層153(154)が到達するようにこれを配置した。
このような内部電極層153を形成したグリーンシート7は,ユニット圧電体素子11及びバッファユニット2の変位量の要求仕様に基づいて所定の積層枚数分用意する。また,内部電極層153(154)を印刷していないグリーンシート7も必要枚数準備する。
次いで,図5に示すごとく,これらのグリーンシート7を積層した。このとき,非形成部75が図中左側と右側に交互に位置するように重ねる。
また,図5においては,非形成部75が図中左側に位置する内部電極層を内部電極層153,非形成部75が右側に位置する内部電極層を内部電極層154として表す。
このようにして,内部電極層153(154)を形成したグリーンシートを21枚重ね合わせて,さらにその上に内部電極層153(154)を形成していないグリーンシートを上下に重ねて,図6に示すごとく,合計30層のグリーンシートよりなる積層体70を作製した。なお,図6には図面作成の便宜のため,積層数を省略した積層体70を示してある。
次に,上記積層体70を熱圧着後,電気炉により温度400〜700℃のもとで脱脂し,温度900〜1200℃のもとで焼成し,所望の形状に研削した。これにより,グリーンシート7は圧電セラミック層151となり,図7に示すごとく,圧電セラミック層151と内部電極層153,154とを交互に積層してなる圧電素子ユニット15を得た。この圧電素子ユニット15は,圧電素子として活性な圧電セラミック層を20層有している。また,上記と同様にして,20個の圧電素子ユニット15を作製した。
また,この圧電素子ユニット15の接合面155の平行度を,JIS−B0621−1984に規定の方法にしたがって測定したところ,後述する表1に示すごとく,平行度は0.05未満であった。
ここで,圧電素子ユニット15の接合面の平行度について,図8を用いて説明する。図8は,圧電素子ユニット15を側面から見た図である。
同図に示すごとく,圧電素子ユニット15の積層方向の両端には,他の圧電素子ユニットを接合する接合面155として,2つの接合面155a,155bがある。上記接合面の平行度は,圧電素子ユニット15の積層方向の両端にある2つの接合面155a,155bのうち,一方の接合面155b(又は155a)に対するもう一方の接合面155a(又は155b)の平行度のことである。即ち,図8において,一方の接合面155bと略平行な線を直線Aとし,もう一方の接合面155aにおける最も凸となる部分を通り,かつ直線Aと平行な直線を直線A1とし,接合面155aにおける最も凹となる部分を通り,直線Aと平行な直線を直線A2とすると,直線A1と直線A2との間の距離Xが平行度となる。
次に,上記圧電素子ユニットの作製に用いたものと同様の,内部電極層を形成したグリーンシートを19枚重ねてバッファユニット用の積層体を作製した。このバッファユニット用の積層体においては,上記圧電アクチュエータの組み立て後に接続部材側となる側の2層分に,内部電極層を形成していないグリーンシートを介在させ,接続部材側の厚みを圧電素子ユニットの圧電セラミック層の2倍となるようにした。また,接続部材側の最も外側には,内部電極層を形成していないグリーンシートをさらに重ねてある。
続いて,バッファユニット用の積層体を,上記と同様にして,熱圧着し,脱脂し,その後焼成して,図8に示すごとく,バッファユニット2を作製した。
次に,内部電極層を形成していないグリーンシートを20枚重ねて,ダミーユニット用の積層体を作製した。そして,このダミーユニット用の積層体を,上記と同様にして,熱圧着し,脱脂し,その後焼成してダミーユニット3とした。
また,上記接続部材4は,アルミナ焼結体ブロックを所望の形状に加工することにより作製した。
次に,上記のようにして作製した圧電素子ユニット15,バッファユニット2,ダミーユニット3,及び接続部材4を積み重ね,以下のようにして図1〜図3に示す圧電アクチュエータ1を作製した。
具体的には,まず,上記圧電素子ユニット15及びバッファユニット2の側面を挟むようにAgよりなる外部電極5,6を形成した。
外部電極5は,上記圧電素子ユニット15及びバッファユニット2において,一方の極の内部電極層153又は内部電極層253が露出している位置に形成し,各内部電極層153又は内部電極層253の導通をとる。
外部電極6は,他方の極の内部電極層154又は内部電極層254が露出している位置に形成し,各内部電極層154又は内部電極層254の導通をとる。
その後,外部電極5,6を形成した圧電素子ユニット15の内部電極層153,154及びバッファユニット2の内部電極層253,254に,外部電極5,6から直流電圧を印加して,分極した。
次に,図1〜図3に示すごとく,上記のようにして分極を施した20個の圧電素子ユニット15を接合面155で積み重ね,その両端にバッファユニット2を重ね,さらにその両端にダミーユニット3,またさらにその両端に接続部材4を積み重ねた。このとき,図3に示すごとく,接合部13を挟む隣り合う二つの内部電極層153,154が互いに反対の側面に到達するように積み重ねた。
このようにして,図1〜図3に示すごとく圧電アクチュエータ1を作製した。これを試料E1とする。
試料E1の圧電アクチュエータ1においては,接合セラミック層115の電界強度は実質0であった。即ちこれはユニット圧電体素子の抗電界以下である。接合セラミック層の電界強度及びユニット圧電体素子の抗電界は,上述の方法により,算出した。
また,本例では,上記圧電素子ユニット15をシリコン系の樹脂接着剤で接合し,図13に示すごとく,接合部13に樹脂絶縁層135を形成してなる圧電アクチュエータ1を作製し,これを試料E2とした。
試料E2は,接合部13に樹脂絶縁層135を有する以外は,試料E1と同様である。
さらに,本例では,圧電素子ユニット内における圧電素子として活性な圧電セラミック層の積層数,樹脂絶縁層の有無,圧電素子ユニットの接合面の平行度,ダミーユニット及びバッファユニットの有無を変えて,試料E1と同様の方法により圧電アクチュエータを作製し,これらを試料E3〜E19及び試料C1とした。その詳細は後述する表1に示す。
次に,上記試料E1〜E19及び試料C1に電圧を印加し,各試料の耐久性を以下のようにして調べた。
まず,試料E1〜E19及び試料C1をそれぞれ10個ずつ準備し,負電圧をかけない正電圧駆動により,2×108回作動試験を実施し,作動中にショートが発生した試料の個数を測定し,いずれにもショートが発生しなかった場合を○,一部にのみショートが発生した場合を△,すべてにショートが発生した場合を×として判定した。また,上記試料E2及びE7〜E12については,ショートが起こるまでの作動回数を測定した。
その結果を表1に示す。
Figure 2004274029
表1より知られるごとく,試料E1〜E19においては,圧電素子ユニットの抗電界に対する接合セラミック層の電界強度が1.0以下であり接合セラミック層が不活性であること,樹脂絶縁層を有しており接合セラミック層が不活性であること,接合面の平行度が0.1mm以下であること,ユニット圧電体素子の内部応力を緩和するバッファユニットを有していること,及び接続部材よりもヤング率の小さいダミーユニットを有していることという条件のうち,少なくとも1つの条件を満たしている。そして,このような圧電アクチュエータは,ショートをほとんど生じることなく2×108回以上作動することができ,耐久性に優れていた。そのため,特にインジェクタ等の用途に適している。
一方,表1より知られるごとく,上記の条件のいずれをも満たしていない試料C1は,2×108回の作動中に,10個の試料のすべてにショートを発生した。
また,試料E1〜試料E14及び試料17〜試料19において,上記圧電素子ユニットは,50層以下の圧電セラミック層からなっている。そのため,電圧印加時に発生する応力が抑制され,上記圧電素子ユニット内のクラックの発生を効果的に抑制することができる。
また,試料E1〜試料E17及び試料19においては,上記圧電素子ユニットは,6層以上の圧電セラミック層からなっている。このように上記圧電素子ユニットの積層数が6層以上の場合には,上記接合セラミック層や上記圧電素子ユニットの積層方向における最も外側のセラミック層である最外セラミック層の変形量が大きくなる。そのため,圧電素子ユニット同士の接合面や,上記ユニット圧電体素子と例えば上記接続部材のような他の部材との接合面に,局所的な損傷が発生するおそれがある。しかし,試料E1〜試料E17及び試料19においては,圧電素子ユニットの抗電界に対する接合セラミック層の電界強度が1.0以下であり接合セラミック層が不活性であること,樹脂絶縁層を有しており接合セラミック層が不活性であること,接合面の平行度が0.1mm以下であること,ユニット圧電体素子の内部応力を緩和するバッファユニットを有していること,及び接続部材よりもヤング率の小さいダミーユニットを有していることという条件のうち,少なくとも1つの条件を満たしている。そのため,接合面の損傷を抑制することができ,表1に示すごとく耐久性に優れていた。
また,表1より知られるごとく,試料E2,試料E7,試料E10,及び試料E11を比較すると,同じ条件では平行度が小さいほど最短ショート作動回数が大きくなり,より耐久性に優れることがわかる。
また,試料E8,試料E9,及び試料E12を比較すると,同じ条件ではダミーユニットやバッファユニットを形成した方がより最短ショート作動回数が大きくなり,より耐久性に優れることがわかる。
また,上記試料E1〜E8,試料E10及び試料E11,及び試料E13〜試料E19の圧電アクチュエータはバッファユニットを有しており,図9に示すごとく,このバッファユニット2は,ユニット圧電体素子11側では上記圧電素子ユニット内の圧電セラミック層と略同等の厚さの圧電セラミック層251を有し,接続部材4側では圧電素子ユニット内の圧電セラミック層よりも厚みが2倍の圧電セラミック層を有している。
したがって,上記バッファユニット2の単位長さあたりの変位量は,上記接続部材側では,上記圧電素子ユニットの単位長さあたりの変位量よりも小さく,かつ上記ユニット圧電体素子側では,該ユニット圧電体素子の単位長さあたりの変位量と略同一になる。そのため,上記圧電アクチュエータの内部にクラックが発生することをさらに効果的に防止することができる。
上記のように,本例においては,上記バッファユニットとして図9に示すごとく,接続部材側の圧電セラミック層251の厚みを2倍にしたものを用いた。これ以外にも,圧電セラミック層251の構成を例えば図10〜図12に示すような構成にしたバッファユニット2を用いることもできる。
即ち,図10に示すバッファユニット2においては,ユニット圧電体素子側では上記圧電素子ユニット内の圧電セラミック層と略同等の厚さの圧電セラミック層251を有し,圧電素子として活性な圧電セラミック層251の厚みを接合部材側の2層分だけ,ユニット圧電体素子側よりも大きくしている。そして,この2層のうち接続部材側の最も外側の1層をユニット圧電素子側の圧電セラミック層の厚みの2倍にし,もう一方をユニット圧電素子側の圧電セラミック層の厚みの1.5倍にしたものである。
また,図11に示すバッファユニット2は,ユニット圧電体素子側では上記圧電素子ユニット内の圧電セラミック層と略同等の厚さの圧電セラミック層251を有し,接続部材側では,圧電素子として不活性でかつユニット圧電素子側の圧電セラミック層よりも厚みの大きな圧電セラミック層251を有したものである。
また,図12に示すバッファユニット2においては,ユニット圧電体素子側では上記圧電素子ユニット内の圧電セラミック層と略同等の厚さの圧電セラミック層251を有し,圧電素子として活性な圧電セラミック層251の厚みを接合部材側の2層分だけ,ユニット圧電体素子側の圧電セラミック層251の厚みの2倍にすると共に,さらに接続部材側の最も外側には,圧電素子として不活性でユニット圧電素子側の圧電セラミック層251よりも厚みの大きな圧電セラミック層251を有するものである。
また,本例の圧電アクチュエータ1における圧電セラミック層151及び該圧電セラミック層151に形成された内部電極層153,154の形状を図14に示す。
図14に示すごとく,圧電セラミック層151は,4つの面取り部159を有し,断面略8角形の形状を有している。圧電セラミック層151に形成された内部電極層153,154は,外部電極5,6が形成された対向辺のうち,一方の端部には到達せず,非形成部75が形成されている。もう一方の端部及び外部電極5,6が形成されていない対向辺の端部には,内部電極層153及び内部電極層154がそれぞれ露出した電極露出部157,158を有している。
本例においては,図14に示す形状の内部電極層153,154を形成したが,内部電極層153,154は,その形状を変更して形成することができる。そして,本例の圧電アクチュエータ(試料E1〜試料E12)は,圧電セラミック層及び内部電極層の形状には依存せず,これらを変えても同等の効果を得ることができる。
また,本例においては,上記のように圧電セラミック層に非形成部が形成されるように,所謂部分電極構造の内部電極層を形成したが,図15に示すごとく,圧電セラミック層151の一方の表面の全体を覆うように形成した所謂全面電極構造の内部電極層152を形成することもできる。
この場合には,内部電極層152と外部電極5又は外部電極6とが接続する部分のいずれか一方に,絶縁部材8を形成することにより,上記部分電極構造の内部電極層の場合と同様に,圧電素子ユニット内において隣り合う二つの内部電極層152を電位の異なる外部電極5,6に交互に接続させることができる。
ここで,図16に,上記全面電極構造の内部電極層152を有する圧電アクチュエータ1の接合部13付近の断面図を示す。
図16に示すごとく,内部電極層152は,互いに異なる電位の外部電極5又は外部電極6のいずれか一方にだけ接続されるように,外部電極5又は外部電極6と接続する部分のいずれか一方において,絶縁部材8を有している。
この絶縁部材8は,外部電極5,6と内部電極層152との電気的な接続を遮断する。そのため,圧電素子ユニット15内において隣り合う二つの内部電極層152は,互いに異なる電位の外部電極5又は外部電極6に接続される。その結果,先述の部分電極構造の内部電極層を有する圧電アクチュエータと同様の効果を得ることができる。
(実施例2)
本例は,上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層が,互いに略同電位である電極に接続する圧電アクチュエータを作製する例である。
本例の圧電アクチュエータにおいては,図17に示すごとく,接合部13を挟む隣り合う2つの内部電極層154が,略同電位の電極に接続している。その他は,実施例1の試料E1と同様である。
本例の圧電アクチュエータ1の作製に当たっては,まず,実施例1と同様にして,図7に示す,圧電素子ユニット15を20個準備した。
また,実施例1の試料E1と同様にして,バッファユニット,ダミーユニット,及び接続部材を準備した。
次に,圧電素子ユニット及びバッファユニットに実施例1の試料E1と同様にして外部電極5,6を形成し,さらに実施例1の試料E1と同様にして分極を施した。続いて,外部電極5,6を形成した20個の圧電素子ユニット15を接合面で積み重ね,さらに実施例1の試料E1と同様にして,その両端にバッファユニット,ダミーユニット,接続部材を積み重ねた。このとき,圧電素子ユニット15は,図17に示すごとく,接合部13を挟む隣り合う二つの内部電極層153が同じ側面に到達するように積み重ねた。圧電素子ユニット15同士は,シリコーン系の樹脂接着剤を用いて接合させた。
このようにして,圧電アクチュエータ1を作製した。
本例の圧電アクチュエータ1においては,図17に示すごとく,接合部13を挟む隣り合う2つの内部電極層154が同じ外部電極6に接続されている。
そのため,電圧が印加されると,接合部13を挟む隣り合う2つの内部電極154には同じ電界が印加される。そのため,上記接合セラミック層115は,電圧印加時においてもほとんど変位せず,不活性な状態になる。また,この場合には,接合セラミック層115に損傷が生じたときにも,接合部13に短絡が発生することを防止することができる。
また,図18に示すごとく,接合部13においては,圧電素子ユニット15の接合面同士が部分的に直接接触しており,かつ接合部13には樹脂層138が形成されていた。そのため,接合部13における変位のロス及び発生する応力のロスを低減することができる。なお,本例においては,樹脂層138をシリコーン系の接着剤,即ち電気絶縁性のものを用いて形成したが,本例においては上記のごとく,接合部13を挟む隣り合う2つの内部電極154が互いに略同電位である電極に接続しているため,必ずしも電気絶縁性のものを用いる必要はない。
(実施例3)
本例は,上記圧電素子ユニットにおける最外セラミック層の厚みが,上記駆動セラミック層の厚みよりも大きくなるように構成した圧電アクチュエータを作製する例である。
本例の圧電アクチュエータにおいては,図19に示すごとく,圧電素子ユニット15における積層方向の最も外側のセラミック層である最外セラミック層156の厚みが,上記圧電素子ユニットにおける上記内部電極に挟まれたセラミック層である駆動セラミック層151の厚みよりも大きい。その他は,実施例1の試料E1と同様である。
本例の圧電アクチュエータ1の作製に当たっては,まず,実施例1と同様にして,圧電素子ユニット15を20個準備した。このとき,本例においては,図20に示すごとく,圧電素子ユニット15として,その最外セラミック層156の厚みが,圧電素子ユニット15における駆動セラミック層151の厚みよりも大きいものを準備した。
また,実施例1の試料E1と同様にして,バッファユニット,ダミーユニット,及び接続部材を準備した。
次に,圧電素子ユニット及びバッファユニットに実施例1の試料E1と同様にして外部電極を形成し,さらに実施例1の試料E1と同様にして分極を施した。続いて,外部電極を形成した20個の圧電素子ユニット15を接合面で積み重ね,さらに実施例1の試料E1と同様にして,その両端にバッファユニット,ダミーユニット,接続部材を積み重ねた。このようにして,圧電アクチュエータを作製した。
本例の圧電アクチュエータにおいては,図19に示すごとく,最外セラミック層156の厚みが,駆動セラミック層151の厚みよりも大きい。そのため,最外セラミック層156の変形量を抑制することができ,圧電素子ユニット15同士の接合面の損傷をさらに抑えることができる。
実施例1にかかる,圧電アクチュエータを示す分解説明図。 実施例1にかかる,圧電アクチュエータをその積層方向と平行な面で切断したときの断面図。 図2に示す圧電アクチュエータの接合部付近の様子を示す拡大図。 実施例1にかかる,セラミックグリーンシートに内部電極層を印刷した状態を示す説明図。 実施例1にかかる,内部電極層を形成したグリーンシートを積層する様子を示す説明図。 実施例1にかかる,積層体を示す説明図。 実施例1にかかる,圧電素子ユニットを示す斜視説明図。 実施例1にかかる,圧電素子ユニットの接合面の平行度に関する説明図。 実施例1にかかる,バッファユニット内の圧電セラミック層の積層形態を示す第一説明図。 実施例1にかかる,バッファユニット内の圧電セラミック層の積層形態を示す第二説明図。 実施例1にかかる,バッファユニット内の圧電セラミック層の積層形態を示す第三説明図。 実施例1にかかる,バッファユニット内の圧電セラミック層の積層形態を示す第四説明図。 実施例1にかかる,接合部に樹脂絶縁層を有する圧電アクチュエータの接合部付近の様子を示す説明図。 実施例1にかかる,圧電セラミック層に形成された内部電極層の形状を示す説明図。 実施例1にかかる,圧電セラミック層に形成された全面電極構造の内部電極層を示す説明図。 実施例1にかかる,全面電極構造の内部電極層を有する圧電アクチュエータの接合部付近の様子を示す断面説明図。 実施例2にかかる,接合部を挟む隣り合う二つの内部電極が正負が同じ電極に接続している圧電アクチュエータの,接合部付近の様子を示す説明図。 実施例2にかかる,圧電素子ユニットの接合部における部分拡大図。 実施例3にかかる,最外セラミック層の厚みを大きくなるように構成した圧電アクチュエータの接合部付近の様子を示す拡大説明図。 実施例3にかかる,圧電素子ユニットを示す斜視説明図。 圧電セラミック層の積層数と圧電素子ユニットの内部に発生する応力との関係を示す説明図。 ユニット圧電体素子の抗電界に対する接合セラミック層の電界強度と,接合セラミック層の圧電定数との関係を示す説明図。 ユニット圧電素子の電界強度と変位量の関係を示す説明図。 圧電素子ユニットの接合面の平行度と内部応力との関係を示す説明図。
符号の説明
1 圧電アクチュエータ
11 ユニット圧電体素子
115 接合セラミック層
13 接合部
15 圧電素子ユニット
151 圧電セラミック層
153,154 内部電極層
2 バッファユニット
3 ダミーユニット
4 接続部材
5,6 外部電極

Claims (33)

  1. 圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
    上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなり,
    上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層に挟まれる接合セラミック層は,不活性であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 請求項1において,上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層は互いに電位が異なる外部電極に接続しており,かつ上記接合セラミック層の電界強度は,上記圧電素子ユニットの抗電界以下であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  3. 請求項1において,上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層は互いに電位が異なる外部電極に接続しており,かつ上記接合セラミック層の電界強度は,上記圧電素子ユニットの抗電界より大きく,かつ上記接合部には,樹脂絶縁層を有していることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  4. 請求項1において,上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層は,互いに略同電位の外部電極に接続していることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  5. 請求項4において,上記接合部においては,上記圧電素子ユニットの上記接合面同士が部分的に直接接触しており,かつ上記接合部には樹脂層を有していることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  6. 圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
    上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなり,
    上記圧電素子ユニットにおいては,該圧電素子ユニットの両端にある上記接合面のうち,一方の接合面に対するもう一方の接合面の平行度が0.1mm以下であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  7. 圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
    上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなり,
    上記ユニット圧電体素子の積層方向の最も端部には,上記圧電素子ユニットよりもヤング率が大きい接続部材を有し,
    上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間には,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなり,上記ユニット圧電体素子の内部応力を緩和するバッファユニットを有していることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  8. 請求項7において,上記接続部材のヤング率は,上記圧電素子ユニットのヤング率の2倍以上であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  9. 請求項7又は8において,上記バッファユニットの単位長さあたりの変位量は,上記接続部材側では,上記圧電素子ユニットの単位長さあたりの変位量よりも小さく,かつ上記ユニット圧電体素子側では,該ユニット圧電体素子の単位長さあたりの変位量と略同一であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  10. 圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
    上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなり,
    上記ユニット圧電体素子の積層方向の最も端部には,上記圧電素子ユニットよりもヤング率が大きい接続部材を有し,
    上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間には,上記接続部材よりもヤング率が小さいダミーユニットを有していることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  11. 請求項10において,上記接続部材のヤング率は,上記圧電素子ユニット及び上記ダミーユニットのヤング率の2倍以上であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  12. 請求項10又は11において,上記ダミーユニットは,上記圧電素子ユニットの上記圧電セラミック層と同じセラミック材料よりなることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  13. 請求項12において,上記ダミーユニットと上記ユニット圧電体素子との間に,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなり,上記ユニット圧電体素子の内部応力を緩和するバッファユニットを有しており,該バッファユニットの単位長さあたりの変位量は,上記ダミーユニット側では,上記圧電素子ユニットの単位長さあたりの変位量よりも小さく,かつ上記ユニット圧電体素子側では,該ユニット圧電体素子の単位長さあたりの変位量と略同一であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  14. 請求項7〜9のいずれか一項,又は請求項13において,上記バッファユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなり,かつ上記バッファユニットの積層方向の最も外側のセラミック層である最外セラミック層は,不活性であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  15. 圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
    上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなり,
    上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層に挟まれる接合セラミック層は,不活性であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  16. 請求項15において,上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層は互いに電位が異なる外部電極に接続しており,かつ上記接合セラミック層の電界強度は,上記圧電素子ユニットの抗電界以下であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  17. 請求項15において,上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層は互いに電位が異なる外部電極に接続しており,かつ上記接合セラミック層の電界強度は,上記圧電素子ユニットの抗電界より大きく,かつ上記接合部には,樹脂絶縁層を有していることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  18. 請求項15において,上記接合部を挟む隣り合う2つの内部電極層は,互いに略同電位の電極に接続していることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  19. 請求項18において,上記接合部においては,上記圧電素子ユニットの上記接合面同士が部分的に直接接触しており,かつ上記接合部には樹脂層を有していることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  20. 圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
    上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなり,
    上記圧電素子ユニットにおいては,該圧電素子ユニットの両端にある上記接合面のうち,一方の接合面に対するもう一方の接合面の平行度が0.1mm以下であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  21. 圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
    上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなり,
    上記ユニット圧電体素子の積層方向の最も端部には,上記圧電素子ユニットよりもヤング率が大きい接続部材を有し,
    上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間には,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなり,上記ユニット圧電体素子の内部応力を緩和するバッファユニットを有していることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  22. 請求項21において,上記接続部材のヤング率は,上記圧電素子ユニットのヤング率の2倍以上であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  23. 請求項21又は22において,上記バッファユニットの単位長さあたりの変位量は,上記接続部材側では,上記圧電素子ユニットの単位長さあたりの変位量よりも小さく,かつ上記ユニット圧電体素子側では,該ユニット圧電体素子の単位長さあたりの変位量と略同一であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  24. 圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層した圧電素子ユニットを,積層方向の外側の面である接合面で2つ以上接合し接合部を形成してなるユニット圧電体素子を有する圧電アクチュエータにおいて,
    上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなり,
    上記ユニット圧電体素子の積層方向の最も端部には,上記圧電素子ユニットよりもヤング率が大きい接続部材を有し,
    上記ユニット圧電体素子と上記接続部材との間には,上記接続部材よりもヤング率が小さいダミーユニットを有していることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  25. 請求項24において,上記接続部材のヤング率は,上記圧電素子ユニット及び上記ダミーユニットのヤング率の2倍以上であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  26. 請求項24又は25において,上記ダミーユニットは,上記圧電素子ユニットの上記圧電セラミック層と同じセラミック材料よりなることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  27. 請求項26において,上記ダミーユニットと上記ユニット圧電体素子との間に,圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなり,上記ユニット圧電体素子の内部応力を緩和するバッファユニットを有しており,該バッファユニットの単位長さあたりの変位量は,上記ダミーユニット側では,上記圧電素子ユニットの単位長さあたりの変位量よりも小さく,かつ上記ユニット圧電体素子側では,該ユニット圧電体素子の単位長さあたりの変位量と略同一であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  28. 請求項21〜23のいずれか一項,又は請求項27において,上記バッファユニットは,上記圧電セラミック層を6層以上積み重ねてなり,かつ上記バッファユニットの積層方向の最も外側のセラミック層である最外セラミック層は,不活性であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  29. 請求項21〜23のいずれか一項,請求項27,又は請求項28において,上記バッファユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  30. 請求項15〜29のいずれか一項において,上記圧電素子ユニットは,上記圧電セラミック層を50層以下積み重ねてなることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  31. 請求項1〜30のいずれか一項において,上記圧電素子ユニットにおける積層方向の最も外側のセラミック層である最外セラミック層の厚みは,上記圧電素子ユニットにおいて上記内部電極に挟まれたセラミック層である駆動セラミック層の厚み以上であることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  32. 請求項1〜31のいずれか一項において,上記圧電セラミック層は,PZT系材料よりなることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  33. 請求項1〜32のいずれか一項において,上記圧電アクチュエータは,インジェクタに用いられることを特徴とする圧電アクチュエータ。
JP2003431827A 2003-02-19 2003-12-26 圧電アクチュエータ Withdrawn JP2004274029A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003431827A JP2004274029A (ja) 2003-02-19 2003-12-26 圧電アクチュエータ
DE200410007999 DE102004007999A1 (de) 2003-02-19 2004-02-18 Piezoelektrischer Aktuator

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003041689 2003-02-19
JP2003431827A JP2004274029A (ja) 2003-02-19 2003-12-26 圧電アクチュエータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004274029A true JP2004274029A (ja) 2004-09-30

Family

ID=32911407

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003431827A Withdrawn JP2004274029A (ja) 2003-02-19 2003-12-26 圧電アクチュエータ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2004274029A (ja)
DE (1) DE102004007999A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006286302A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Ulvac Japan Ltd 電圧発生ユニット、電圧発生装置及びこれを備えた荷電粒子加速器
JP2009503834A (ja) * 2005-07-26 2009-01-29 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 移行領域において極化方向が回転するモノリシックピエゾアクチュエータ並びにピエゾアクチュエータの使用
JP5526786B2 (ja) * 2008-02-12 2014-06-18 コニカミノルタ株式会社 振動型駆動装置の製造方法
KR101841840B1 (ko) * 2016-07-27 2018-03-26 한국세라믹기술원 적층형 압전 소자

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102005033463B3 (de) * 2005-07-18 2007-02-01 Siemens Ag Piezoaktor
DE102007005341A1 (de) * 2007-02-02 2008-08-07 Epcos Ag Vielschichtbauelement sowie Verfahren zur Herstellung eines Vielschichtbauelements
DE102008040772A1 (de) * 2008-07-28 2010-02-04 Robert Bosch Gmbh Piezoaktor mit passiven Bereichen am Kopf und/oder am Fuß

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006286302A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Ulvac Japan Ltd 電圧発生ユニット、電圧発生装置及びこれを備えた荷電粒子加速器
JP2009503834A (ja) * 2005-07-26 2009-01-29 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 移行領域において極化方向が回転するモノリシックピエゾアクチュエータ並びにピエゾアクチュエータの使用
JP5526786B2 (ja) * 2008-02-12 2014-06-18 コニカミノルタ株式会社 振動型駆動装置の製造方法
KR101841840B1 (ko) * 2016-07-27 2018-03-26 한국세라믹기술원 적층형 압전 소자

Also Published As

Publication number Publication date
DE102004007999A1 (de) 2004-09-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4358220B2 (ja) 積層型圧電素子
JP5087914B2 (ja) 積層型圧電素子
JP4843948B2 (ja) 積層型圧電素子
JP5021452B2 (ja) 圧電/電歪磁器組成物および圧電/電歪素子
JP2001267646A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JP4771649B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP2005005680A (ja) 圧電アクチュエータ
JP2004274029A (ja) 圧電アクチュエータ
JP2005072370A (ja) 積層セラミックス電子部品及び製造方法
JP2007019420A (ja) 積層型圧電素子
JP5200331B2 (ja) 積層型圧電素子
JP2004336011A (ja) 積層型圧電体素子
JP5068936B2 (ja) 積層型圧電素子の製造方法
JPH053349A (ja) 積層型圧電アクチユエータおよびその製造方法
JP5153093B2 (ja) 積層型圧電素子
JP2010212315A (ja) 積層圧電セラミックス素子及びその製造方法
JP2003309298A (ja) 圧電/電歪素子およびその製造方法
JP5409703B2 (ja) 積層型圧電アクチュエータの製造方法
JP2010199271A (ja) 積層型圧電素子およびその製法ならびに振動体
JP5444593B2 (ja) 積層型圧電素子
JP4889200B2 (ja) 積層型圧電素子および噴射装置
JP2010171360A (ja) 積層型圧電素子およびその製法ならびに振動体
JP2010199272A (ja) 積層型圧電素子およびその製法ならびに振動体
JP2006196717A (ja) 積層型圧電セラミックス素子およびその製造方法
JP2005045086A (ja) インジェクタ装置用積層型圧電素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060825

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090630