JP4358220B2 - 積層型圧電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射型装置等に用いられる積層型圧電素子に関するものである。
一般に積層型圧電素子は、圧電体と内部電極とを交互に積層してなる積層体と、この積層体の側面に設けられ、内部電極と接続された外部電極とを備えている。外部電極に電圧を印加すると、圧電体において異極の内部電極同士が重なり合う部分(活性領域)が変形する。このような素子の駆動時には、圧電体における活性領域と不活性領域との境界で大きな応力集中が起こり、積層体の積層方向に延びるクラック等が生じやすくなる。このため、近年では、積層体の不活性領域に応力緩和層を設けた積層型圧電素子が数多く提案されている。例えば特許文献1には、アルミナペーストを印刷することで、応力緩和層としての金属酸化物層を形成することが記載されている。
特開平5−243635号公報
上記従来技術の積層型圧電素子においては、積層体の不活性領域に金属酸化物層(アルミナ層)が形成されているので、駆動時に積層体の積層方向に延びるクラック等が生じにくくなるが、駆動時に加える電界に対して十分な変位量が得られず、圧電特性が低下してしまうという問題がある。
本発明の目的は、所望の圧電特性を確保しつつ、積層体の積層方向に延びるクラック等の発生を防止することができる積層型圧電素子を提供することにある。
本発明者等は、応力緩和用の金属酸化物層を形成する材料について鋭意検討を重ねた結果、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とする圧電セラミック材料により圧電体を形成した場合には、Al等のようにPZTに固溶せず粒界に析出する材料を応力緩和用の金属酸化物層に使用すると、駆動時に加える電界に対して素子が十分に変位しなくなることが分かった。その原因としては、Al等が粒界成分となるので、PZTの粒子成長を妨げ、圧電体において単位厚み当たりの粒界の数が多くなり、その結果、素子に駆動電界をかけた時に粒界で熱ロスが発生するためであると推測される。本発明は、そのような知見に基づいて為されたものである。
即ち、本発明は、複数の圧電体と第1電極及び第2電極を含む複数の内部電極とを交互に積層し焼結してなる積層体を備えた積層型圧電素子であって、積層体は、第1電極と第2電極とが積層体の積層方向に重なり合うように構成されてなる活性部と、活性部の両側に設けられ、第1電極と第2電極とが積層体の積層方向に重なり合わないように構成されてなる不活性部とを有し、不活性部には、圧電体の焼結温度よりも融点が高く且つ圧電体に固溶する材料で形成された金属酸化物層が設けられ、圧電体は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料で形成され、金属酸化物層は、ZrO 、MgO、Nb 、Ta 、CeO 、Y の少なくとも一種を含む材料で形成されていることを特徴とするものである。
このような本発明の積層型圧電素子においては、積層体の不活性部に金属酸化物層が設けられている。この金属酸化物層は、圧電体の焼結温度よりも融点が高い材料で形成されている。このため、素子の製造工程において積層体の焼成を行った際には、金属酸化物層は、圧電体に比べて十分な焼結が行われないので、圧電体との接合強度が低い層となる。従って、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されると、両者間に電界が生じ、積層体の活性部における圧電体が積層体の積層方向に変位し、積層体の不活性部に応力が集中するが、上記の金属酸化物層によって不活性部にかかる応力が効果的に緩和される。これにより、積層体の積層方向に延びるクラック等の発生を防止することができる。
また、金属酸化物層は、圧電体に固溶する材料で形成されている。このため、積層体の焼成を行った際には、金属酸化物層の成分が圧電体の粒界に析出されにくくなり、圧電体において単位厚み当たりの粒界の数の増大が抑制されるため、第1電極と第2電極との間に電界をかけた時に粒界で生じる熱ロスが抑えられると考えられる。従って、本発明の積層型圧電素子では、駆動時に加える電界に対して十分な変位量が得られるようになり、所望の圧電特性を確保することができる。また、圧電体における単位厚み当たりの粒界の数が少なくなることで、積層体の積層方向に延びるクラック等が一層生じにくくなる。
このとき、チタン酸ジルコン酸鉛は、圧電体の材料として好適であるとされている。また、ZrO、MgO、Nb、Ta、CeO、Yは、チタン酸ジルコン酸鉛の焼結温度よりも融点が高く且つチタン酸ジルコン酸鉛に固溶可能な材料である。従って、そのような材料を金属酸化物層に使用することにより、応力緩和用として適切な金属酸化物層を確実に形成することができる。
また、好ましくは、金属酸化物層は、内部電極と同一の層に形成されている。この場合には、金属酸化物層の厚みと内部電極の厚みとがほぼ同一となるように素子を製造することで、積層体の焼成時に、金属酸化物層と内部電極との段差による積層体の歪みの影響を軽減することができる。
さらに、好ましくは、金属酸化物層は、第1電極と第2電極との間の層に活性部に入り込むように形成されている。この場合には、仮に積層体の活性部にクラック等が生じたとしても、このクラック等が金属酸化物層に沿って積層体の積層方向と直交する方向に延びやすくなる。これにより、積層体の積層方向に延びるクラック等の発生をより確実に防止することができる。
本発明によれば、所望の圧電特性を確保しつつ、積層体の積層方向に延びるクラック等の発生を防止することができる。これにより、高性能の積層型圧電素子を得ることが可能となる。
以下、本発明に係る積層型圧電素子の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る積層型圧電素子の第1実施形態を示す斜視図である。また、図2は、図1に示した積層型圧電素子の側面図であり、図3は、図1に示した積層型圧電素子の層構造を示す部分拡大断面図である。各図において、本実施形態の積層型圧電素子1は、例えば自動車に搭載される内燃機関の燃料噴射装置に用いられるものである。
積層型圧電素子1は、四角柱状の積層体2を備えている。積層体2は、複数の圧電体3と、複数の内部電極4A,4Bとを所定の順序で積層し、これを焼結してなるものである。積層体2の寸法は、例えば幅10mm×奥行き10mm×高さ35mmとなっている。
圧電体3は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とする圧電セラミック材料で形成されている。圧電体3の厚さは、例えば1層当たり80〜100μm程度となっている。PZTの組成としては、例えば下記のものが用いられる。
Pb0.999[(Zn1/3Nb2/3)0.11Ti0.425 Zr0.465]O3 +0.2wt%Fe2O3+0.2wt%Sb2O3
また、PZTの粉体特性としては、例えばBET比表面積が約2.5m/g、平均粒子径が約0.6μmのものが用いられる。このようなPZTの焼結温度は、950℃程度である。なお、PZT系材料の融点は、1300℃程度である。
内部電極4A,4Bは、例えばAg、Pdを主成分とする導電材料により形成されている。内部電極4A,4Bは、圧電体3を挟んで交互に積層されている。内部電極4Aの一端は、積層体2の一方の側面2aに露出し、内部電極4Aの他端は、積層体2の他方の側面2bよりも内側に位置している。内部電極4Bの一端は、積層体2の側面2bに露出し、内部電極4Bの他端は、積層体2の側面2aよりも内側に位置している。これにより、内部電極4A,4Bの一部は、積層体2の積層方向(上下方向)において重なり合うこととなる。
積層体2において、内部電極4A,4Bが積層方向に重なり合っている部分は、内部電極4A,4Bに電圧を印加したときに圧電体3が変位する活性部Pとなっており、内部電極4A,4Bが積層方向に重なり合っていない部分(積層体2の両側端部)は、内部電極4A,4Bに電圧を印加したときに圧電体3が変位しない不活性部Qとなっている。
積層体2の不活性部Qには、電気絶縁性を有すると共に圧電体3よりも密度(強度)の低い金属酸化物層5が複数形成されている。金属酸化物層5は、内部電極4A,4Bと同一の層に形成されている。また、金属酸化物層5の厚さは、内部電極4A,4Bとほぼ同一の厚さとなっている。内部電極4Aと同層に位置する金属酸化物層5の一端は、内部電極4Aと接し、同金属酸化物層5の他端は、積層体2の側面2bに露出している。内部電極4Bと同層に位置する金属酸化物層5の一端は、内部電極4Bと接し、同金属酸化物層5の他端は、積層体2の側面2aに露出している。
金属酸化物層5は、圧電体3の主成分であるPZTの焼結温度よりも融点が高く且つPZTに固溶する材料により形成されている。このような材料としては、ZrO、MgO、Nb、Ta、CeO、Yの少なくとも一種を含む材料が挙げられる。つまり、金属酸化物層5と圧電体3とは、互いに異なる組成系の材料で形成されている。なお、ZrO、MgO、Nb、Ta、CeO、Yの融点は、1500〜2800℃程度である。
積層体2の側面2aには、各内部電極4Aに電気的に接続された外部電極6Aが固定され、積層体2の側面2bには、各内部電極4Bと電気的に接続された外部電極6Bが固定されている。
外部電極6A,6Bは、積層体2の側面2a,2bの中央部分をそれぞれ覆うように積層体2の積層方向に延在する矩形板状の電極部7a,7bと、この電極部7a,7bの外側にそれぞれ配置され、積層体2の積層方向に延在する波状の電極部8a,8bとからなっている。電極部8a,8bは、積層体2の積層方向に対して伸縮性(柔軟性)をもつように電極部7a,7bにそれぞれ接合されている。電極部7a,7bは、例えばAg、Au及びCuのいずれかを主成分とする導電材料で形成されている。電極部8a,8bは、例えばCu、Cu合金、Ni、Ni合金、フレキシブル基板等で形成されている。
次に、上述した積層型圧電素子1の製造方法について、図4を用いて説明する。同図において、まず、PZTを主成分とするセラミック粉体に有機バインダ樹脂及び有機溶剤等を混合したグリーンシート用のペーストを準備する。そして、例えばドクターブレード法によってグリーンシート用のペーストをキャリアフィルム(図示せず)上に塗布することにより、上記の圧電体3を形成するグリーンシート9を複数枚形成する。
続いて、例えばAg:Pd=85:15の比率で構成された導電材料に有機バインダ樹脂及び有機溶剤等を混合した電極パターン用のペーストを作製する。そして、例えばスクリーン印刷によって電極パターン用のペーストをグリーンシート9上に印刷することにより、上記の内部電極4A,4Bに相当する電極パターン10A,10Bを別々のグリーンシート9上に形成する。このとき、電極パターン10A,10Bを、グリーンシート9の上面における上記の不活性部Qに対応する一端側部分を除いた領域に印刷する。
さらに、例えばZrOを含むセラミック粉体に有機バインダ樹脂及び有機溶剤等を混合したZrOペーストを作製する。なお、用いるZrO粉体の粒子径は、圧電材料粉体の粒子径よりも大きいことが好ましい。そして、例えばスクリーン印刷によって、グリーンシート9の上面における電極パターン10Aまたは電極パターン10Bが印刷されていない領域(上記の不活性部Qに対応する一端側部分)にZrOペーストを印刷することにより、ZrOペースト層11を形成する。このとき、ZrOペースト層11が電極パターン10A,10Bと面一になるように、ZrOペーストを印刷するのが好ましい。
続いて、電極パターン10A及びZrOペースト層11が形成されたグリーンシート9と、電極パターン10B及びZrOペースト層11が形成されたグリーンシート9とを所定の順序で積層する。そして、電極パターン10A,10B及びZrOペースト層11が形成されていないグリーンシート9を保護層として最外層に所定枚数ずつ積層する。これにより、グリーン積層体12が形成される。
続いて、グリーン積層体12を約60℃の温度で加熱しながら積層方向にプレス加工した後、そのグリーン積層体12を例えばダイヤモンドブレードにより所定の寸法に切断してチップ化する。これにより、図4に示すように、電極パターン10A,10B及びZrOペースト層11がグリーン積層体12の側面に露出するようになる。
続いて、切断後のグリーン積層体12をセッター(図示しない)に載せ、約400℃の温度下でグリーン積層体12の脱脂(脱バインダ)処理を10時間程度行う。そして、脱脂後のグリーン積層体12をこう鉢炉内に入れ、例えば950〜1000℃の温度下でグリーン積層体12の焼成を2時間程度行う。これにより、グリーンシート9、電極パターン10A,10B及びZrOペースト層11が焼結され、焼結体としての積層体2が得られる。
このとき、ZrOペースト層11はグリーンシート9と異なる組成系の材料で形成されているので、ZrOペースト層11とグリーンシート9との焼結反応性が抑制され、両者間で不用な化学反応が起こることが無い。しかも、ZrOペースト層11の融点はグリーンシート9の焼結温度よりも高いので、ZrOペースト層11はグリーンシート9に比べて焼結されにくい。このため、焼結後には、ZrOペースト層11は、圧電体3との接合強度が低い金属酸化物層5となる。
また、ZrOペースト層11が電極パターン10A,10Bと面一になるように形成されているので、ZrOペースト層11と電極パターン10A,10Bとの段差に起因したグリーン積層体12の歪みの発生を防止することができる。
次いで、積層体2の側面2a,2bに外部電極6A,6Bをそれぞれ形成する。具体的には、例えばAgを主成分とする導電ペーストを積層体2の側面2a,2bにスクリーン印刷し、例えば700℃程度の温度下で焼付処理を行うことで、積層体2の側面2a,2bに電極部7a,7bをそれぞれ形成する。なお、電極部7a,7bの形成方法としては、スパッタリング法や無電解めっき法を用いても良い。そして、例えば半田付けによって、波状の電極部8a,8bを電極部7a,7bにそれぞれ接合する。
最後に、圧電体3の厚み方向の電界強度が約2kV/mmとなるように、例えば120℃の温度下で所定の電圧を例えば3分間印加することにより、分極処理を行う。このとき、積層体2の不活性部Qに応力が集中するが、不活性部Qには金属酸化物層5が複数層にわたって形成されているので、不活性部Qにかかる応力が金属酸化物層5により緩和される。従って、積層体2の積層方向に延びるクラック等が生じにくくなる。以上により、図1〜図3に示すような積層型圧電素子1が完成する。
このように製造された積層型圧電素子1において、外部電極6A,6B間に電圧が印加されると、外部電極6A,6Bと接続された内部電極4A,4B間に電圧が印加され、両者間に電界が生じ、積層体2の活性部Pにおける圧電体3が積層体2の積層方向に変位するようになる。このときにも、積層体2の不活性部Qに応力が集中するが、上述したように不活性部Qにかかる応力が金属酸化物層5により緩和される。従って、この場合にも、積層体2の積層方向に延びるクラック等が生じにくくなる。
ところで、金属酸化物層5を形成する材料として、Al、SiO、P等のようにPb系材料と反応して液相を形成する材料を用いた場合、これらの材料はPZTに固溶せずに粒界成分となりやすい。このため、例えばAlペースト層を含むグリーン積層体を焼成したときに、Alがグリーンシート9の粒界に析出するため、PZTの粒子成長を妨げ、グリーンシート9における単位厚み当たりの粒界の数が多くなる。この場合には、製造後の積層型圧電素子において、外部電極6A,6B間に電圧を印加して内部電極4A,4B間に電界をかけたときに、圧電体3の粒界により熱ロスが発生する。このため、加えた電界に対して圧電体3の変位が十分に得られなくなり、圧電特性の低下につながる。
これに対し本実施形態では、金属酸化物層5を形成する材料として、ZrO、MgO、Nb、Ta、CeO、YといったPZTに固溶する材料を用いるので、グリーン積層体12の焼成時に、ZrO等の成分がグリーンシート9の粒界に析出されず、グリーンシート9における単位厚み当たりの粒界数の増大が抑制される。このため、製造後の積層型圧電素子1において、外部電極6A,6B間に電圧を印加して内部電極4A,4B間に電界をかけたときに、圧電体3の粒界による熱ロスの発生が低減される。従って、加えた電界に対して十分な圧電体3の変位が得られるようになり、所望の圧電特性が確保される。
また、圧電体3における単位厚み当たりの粒界数の増大が抑制されるため、積層体2の積層方向に延びるクラック等がより生じにくくなる。
以上のように本実施形態によれば、積層型圧電素子1の所望の圧電特性を損なうこと無く、積層型圧電素子1の分極処理時や駆動時に、積層体2の積層方向に延びるクラック等の発生を防止することができる。これにより、内部電極4A,4B間のショートが防止され、積層型圧電素子1の絶縁破壊を回避することができる。その結果、積層型圧電素子1の品質を向上させることが可能となる。
図5は、本発明に係る積層型圧電素子の第2実施形態の側面図であり、図6は、図5に示した積層型圧電素子の層構造を示す部分拡大断面図である。図中、第1実施形態と同一または同等の要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
各図において、本実施形態の積層型圧電素子1は、第1実施形態と同様に、圧電体3、内部電極4A,4B及び金属酸化物層5からなる積層体2を備えている。金属酸化物層5は、積層体2の不活性部Qにおいて、積層体2の積層方向に隣り合う内部電極4A,4B間の層に形成されている。また、金属酸化物層5は、積層体2の不活性部Qから僅かに活性部Pに入り込むように形成されている。
このような積層型圧電素子1を製造する場合、図7に示すように、第1実施形態と同様に、複数のグリーンシート9を形成し、電極パターン10A,10Bをそれぞれ別々のグリーンシート9上に形成する。また、電極パターン10Aまたは電極パターン10Bが形成されたグリーンシート9とは異なるグリーンシート9の両端部分(不活性部Qに対応する領域と活性部Pに対応する領域の一部とを含む部分)にZrOペースト層11を形成する。
電極パターン10A,10B及びZrOペースト層11を形成した後、電極パターン10Aが形成されたグリーンシート9と、電極パターン10Bが形成されたグリーンシート9と、ZrOペースト層11が形成されたグリーンシート9とを所定の順序で積層する。また、電極パターン10A,10B及びZrOペースト層11が形成されていないグリーンシート9を保護層として最外層に積層する。これにより、グリーン積層体12が形成される。
その後、第1実施形態と同様のプレス加工、切断、脱脂(脱バインダ)及び焼成を行うことにより、積層体2を得る。そして、積層体2の側面2a,2bに外部電極6A,6Bを設け、最後に分極処理を行うことにより、図5及び図6に示すような積層型圧電素子1が完成する。
本実施形態の積層型圧電素子1においても、所望の圧電特性を損なうこと無く、積層体2の積層方向に延びるクラック等の発生を防止することができる。また、金属酸化物層5が不活性部Qから活性部Pの領域内に入り込むように形成されているため、仮に積層体2の活性部Pにクラック等が生じたとしても、このクラック等が金属酸化物層5に沿って積層体の積層方向と直交する方向(横方向)に延びやすくなる。これにより、積層体2の積層方向に延びるクラック等の発生をより確実に防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、積層体2の層構造については、種々の変形が可能である。その一例として、図8に示すように、積層体2の積層方向に隣り合う内部電極4A,4A間または内部電極4B,4B間に金属酸化物層5を設けたり、積層体2の積層方向に隣り合う内部電極間において金属酸化物層5を積層体2の側面2aから側面2bまで全体的に設けても良い。
本発明に係る積層型圧電素子の第1実施形態を示す斜視図である。 図1に示した積層型圧電素子の側面図である。 図1に示した積層体の層構造を示す部分拡大断面図である。 図1に示した積層型圧電素子を製造する際に作製されるグリーン積層体の分解斜視図である。 本発明に係る積層型圧電素子の第2実施形態を示す側面図である。 図5に示した積層型圧電素子の層構造を示す部分拡大断面図である。 図5に示した積層型圧電素子を製造する際に作製されるグリーン積層体の分解斜視図である。 積層体の層構造の変形例を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
1…積層型圧電素子、2…積層体、3…圧電体、4A…内部電極(第1電極)、4B…内部電極(第2電極)、5…金属酸化物層、P…活性部、Q…不活性部。

Claims (3)

  1. 複数の圧電体と第1電極及び第2電極を含む複数の内部電極とを交互に積層し焼結してなる積層体を備えた積層型圧電素子であって、
    前記積層体は、前記第1電極と前記第2電極とが前記積層体の積層方向に重なり合うように構成されてなる活性部と、前記活性部の両側に設けられ、前記第1電極と前記第2電極とが前記積層体の積層方向に重なり合わないように構成されてなる不活性部とを有し、
    前記不活性部には、前記圧電体の焼結温度よりも融点が高く且つ前記圧電体に固溶する材料で形成された金属酸化物層が設けられ
    前記圧電体は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料で形成され、
    前記金属酸化物層は、ZrO 、MgO、Nb 、Ta 、CeO 、Y の少なくとも一種を含む材料で形成されていることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記金属酸化物層は、前記内部電極と同一の層に形成されていることを特徴とする請求項1記載の積層型圧電素子。
  3. 前記金属酸化物層は、前記第1電極と前記第2電極との間の層に前記活性部に入り込むように形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の積層型圧電素子。
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