JP5066785B2 - 圧電素子 - Google Patents

圧電素子 Download PDF

Info

Publication number
JP5066785B2
JP5066785B2 JP2005086756A JP2005086756A JP5066785B2 JP 5066785 B2 JP5066785 B2 JP 5066785B2 JP 2005086756 A JP2005086756 A JP 2005086756A JP 2005086756 A JP2005086756 A JP 2005086756A JP 5066785 B2 JP5066785 B2 JP 5066785B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
individual
electrodes
relay
individual electrodes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005086756A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006269812A (ja
Inventor
誠志 佐々木
一志 立本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2005086756A priority Critical patent/JP5066785B2/ja
Publication of JP2006269812A publication Critical patent/JP2006269812A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5066785B2 publication Critical patent/JP5066785B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Description

本発明は、圧電体と複数の個別電極及びコモン電極とを有する圧電素子に関するものである。
従来の圧電素子としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。この文献に記載の積層型圧電素子は、複数の個別電極を形成した圧電シートとコモン電極を形成した圧電シートとが交互に複数積層されてなると共に、異なる層の個別電極同士または異なる層のコモン電極同士を電気的に接続するためのスルーホールを有している。個別電極とコモン電極との間に電圧が印加されると、圧電シートにおいて個別電極とコモン電極とに挟まれる部分が積層方向に変位(伸縮動作)する。
特開2002−254634号公報
上記従来技術の積層型圧電素子では、コモン電極を形成した圧電シートに、異なる層の個別電極同士を電気的に接続するためのダミー個別電極(中継電極)が更に形成されている。しかし、そのダミー個別電極は積層方向から見て個別電極と重なる位置に形成されており、しかも各ダミー個別電極と接続される複数のスルーホールが一列状に整列しないように、隣り合うスルーホール同士がずれて配置されているので、一つの個別電極の中で実際に変位に寄与する圧電活性部の占める割合が低くならざるを得ない。このため、圧電素子の小型化及び高集積化を図るべく、素子の限られた領域内に多数の個別電極を高密度に配列しようとすると、個別電極の活性長(圧電活性部の長さ)を十分に取ることができず、結果的に所望の変位を得ることが困難になる。
本発明の目的は、複数の個別電極を高密度に配列した場合でも、個別電極の所望な活性長を確保することができる圧電素子を提供することである。
本発明は、所定の方向に配列された複数の個別電極と各個別電極に圧電体を挟んで対向するコモン電極とを有する活性層と、各個別電極とコモン電極との間に電圧を印加するための複数の端子電極とを備えた圧電素子であって、活性層に対して積層され、個別電極と端子電極とを電気的に接続するための複数の中継電極を有する中継層を備え、中継電極は、個別電極とコモン電極とが重なり合う活性領域に対して個別電極の配列方向に隣接した位置に形成された接続部を含むようにL字状をなしており、接続部は、導電材を含むスルーホールを介して端子電極と接続されており、個別電極の配列方向に対して垂直な方向に隣り合う各個別電極同士は、個別電極の配列方向にずれて配置されており、個別電極の配列方向に対して垂直な方向に隣り合う各接続部同士は、個別電極の配列方向にずれて配置されており、個別電極の配列方向に対して垂直な方向に隣り合う各中継電極同士は、点対称の関係となるように配置されており、端子電極は、外部接続端子と接続される接続電極層を有し、全ての接続電極層は、スルーホールを覆い塞ぐように形成されており、個別電極の配列方向に隣り合う各端子電極の接続電極層同士は、個別電極の配列方向に対して垂直な方向にずれて配置されていることを特徴とするものである。
このような圧電素子において、個別電極と端子電極とは、中継層に設けられた中継電極及びスルーホールに含まれる導電材を介して電気的に接続される。中継電極の接続部は、中継層において、個別電極とコモン電極とが重なり合う活性領域に対して個別電極の配列方向に隣接した位置に形成されている。このため、例えば多数の個別電極が配列されている場合には、複数の中継電極のうち最も端に位置する少なくとも一つの中継電極を除いては、各中継電極の接続部は、中継層において、個別電極の配列方向に隣り合う各活性領域間に形成されることになる。従って、中継電極の領域を個別電極に対応する位置に広く形成する必要が無いため、一つの個別電極の中で全く変位に寄与しない領域(コモン電極と重なり合わない領域)を大きく取らずに済む。これにより、素子の限られた領域内に複数の個別電極を高密度に配列する場合でも、一つの個別電極の中で実際に変位に寄与する圧電活性部の長さ(個別電極の活性長)を十分に確保することができる。
また、個別電極とコモン電極との間に電圧を印加するためには、例えばフレキシブルプリント配線板(FPC)等の外部接続端子を半田により端子電極の接続電極層に接続する。このとき、個別電極の配列方向に隣り合う各端子電極の接続電極層同士は、個別電極の配列方向に対して垂直な方向にずれているので、外部接続端子を半田で接続電極層に接続する際に、隣り合う接続電極層同士の半田ブリッジが生じにくくなる。これにより、半田により外部接続端子を端子電極に容易に且つ良好に接続することができる。
さらに、接続電極層は、スルーホールを覆い塞ぐように形成されていることにより、外部接続端子を半田で端子電極に接続する際に、半田がスルーホール内に入り込むことは無いため、スルーホール内の導電材が半田に溶け込む、いわゆる半田喰われが防止される。これにより、スルーホール内の導電材が断線して端子電極と中継電極との電気的接続が外れてしまうことを防止できる。
また、中継電極は、接続部を含むようにL字状をなしていることにより、中継電極をスペース的に無駄なく簡単に形成することができる。
このとき、接続部は、個別電極の配列方向に対して垂直な方向に延在しており、個別電極の配列方向に隣り合う各スルーホール同士は、個別電極の配列方向に対して垂直な方向にずれて配置されているのが好ましい。中継電極の接続部を個別電極の配列方向に対して垂直な方向に延在させることにより、接続部が長くなるため、接続部と端子電極とを電気的に接続するスルーホールの形成位置の自由度が高められる。また、個別電極の配列方向に隣り合う各スルーホール同士を、個別電極の配列方向に対して垂直な方向にずらすことにより、個別電極の配列方向に隣り合う各端子電極の接続電極層同士を、個別電極の配列方向に対して垂直な方向にずらしやすくなる。
本発明によれば、複数の個別電極を高密度に配列した場合でも、個別電極の所望な活性長を確保することができる。これにより、活性層の変位を殆ど阻害することなく、圧電素子の小型化及び高集積化を図ることが可能となる。
以下、本発明に係わる圧電素子の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる圧電素子の一実施形態として積層型圧電素子を示す分解斜視図である。同図において、積層型圧電素子1は、複数の内部個別電極2が形成された圧電体3,4と、内部コモン電極5が形成された圧電体6,7と、複数の個別中継電極8及びコモン中継電極9が形成された圧電体10と、複数の個別端子電極11及びコモン端子電極12が形成された圧電体13とを備えている。
積層型圧電素子1は、図1及び図2に示すように、上から順に圧電体13、圧電体10、圧電体6、圧電体3、圧電体6、圧電体3、圧電体6、圧電体4及び圧電体7を積み重ねた構造をなしている。複数の内部個別電極2及び内部コモン電極5は、圧電体3,4,6のいずれかを挟んで互いに対向している。
複数の内部個別電極2を含む圧電体3,4と内部コモン電極5を含む圧電体6,7とからなる層は、内部個別電極2と内部コモン電極5との間に電圧が印加された時に圧電体の変位(伸縮)動作が生じる活性層14を構成している。複数の個別中継電極8及びコモン中継電極9を含む圧電体10と圧電体13とからなる層は、内部個別電極2と内部コモン電極5との間に電圧が印加されたときに、積層型圧電素子1の変位伝達面(圧電体7の裏面)の反対側に対する活性層14の変位を規制する拘束層としての機能を有する中継層15を構成している。なお、圧電体7の裏面側には、図示はしないが、活性層14の変位を受けることで駆動される駆動対象物(例えばマイクロポンプ等)が配置されている。このような活性層14及び中継層15からなる積層型圧電素子1において、内部個別電極2と内部コモン電極5とが積層方向に対して重なり合う複数の領域は、活性領域Pとなっている。
圧電体3,4,6,7,10,13(以下、圧電体3等)は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とした圧電セラミック材料で形成されている。内部個別電極2、内部コモン電極5、個別中継電極8及びコモン中継電極9は、例えばAg及びPdで形成されている。個別端子電極11及びコモン端子電極12は、例えばAg、Au、Cuのいずれかで形成されている。
圧電体3等の寸法は、例えば13mm×20mm程度であり、圧電体3等の1層当たりの厚みは、例えば30μm程度である。内部個別電極2の形状は長方形状であり、内部個別電極2の寸法は、例えば長さ1mm×幅0.15mm程度である。内部個別電極2は、二次元的に複数配置されている。これらの内部個別電極2は、簡略化のために全て図示していないが、例えば1層につき400個(50個×8列)配置されている。
圧電体3の上面には、図3に示すように、上記の複数の内部個別電極2とコモン中継電極16とが形成されている。内部個別電極2の長さ方向(長手方向)は圧電体3の縦方向(Y方向)に一致し、内部個別電極2の幅方向は圧電体3の横方向(X方向)に一致している。X方向に隣り合う各内部個別電極2同士は、所定の間隔をもって配置されている。Y方向に隣り合う各内部個別電極2同士は、X方向に所定量ずれて配置されている。コモン中継電極16は、圧電体3の上面の一端部に配置されている。
また、圧電体3において、各内部個別電極2に対応する領域内にはスルーホール17がそれぞれ形成され、コモン中継電極16に対応する領域内にはスルーホール18が形成されている。スルーホール17は、各内部個別電極2の長さ方向の一端部に形成されている。具体的には、スルーホール17は、Y方向に隣り合う各内部個別電極2において互いに異なる側の端部に形成されている。スルーホール17,18内には、例えばAg及びPdからなる導電材が充填されている。導電材は、スルーホール17,18を形成する圧電体3の内壁面のみに充填しても良く、或いはスルーホール17,18全体に充填しても良い。スルーホール17内の導電材は内部個別電極2と電気的に接続され、スルーホール18内の導電材はコモン中継電極16と電気的に接続されている。
圧電体4の上面には、図4に示すように、圧電体3と同様に、複数の内部個別電極2とコモン中継電極16とが形成されている。圧電体4には、圧電体3と同様に上記のスルーホール18が形成されているが、上記のスルーホール17は形成されていない。
圧電体6の上面には、図5に示すように、上記の内部コモン電極5と複数の個別中継電極19とが形成されている。各個別中継電極19は矩形状を有している。各個別中継電極19は圧電体6の上面における各内部個別電極2のスルーホール17形成側の端部に対応する部位に配置されている。内部コモン電極5は、圧電体6の上面において互いに近接する複数の個別中継電極19を含む領域と両側縁部とを避けるように略ベタ状に形成されている。
また、圧電体6において、内部コモン電極5に対応する領域内にはスルーホール20が形成され、各個別中継電極19に対応する領域内にはスルーホール21がそれぞれ形成されている。スルーホール20,21内には、上記のスルーホール17,18と同様に導電材が充填されている。スルーホール20内の導電材は内部コモン電極5と電気的に接続され、スルーホール21内の導電材は個別中継電極19と電気的に接続されている。
圧電体7の上面には、図6に示すように、上記の内部コモン電極5が形成されている。内部コモン電極5は、圧電体7の上面において両側縁部を除く領域にベタ状に形成されている。圧電体7には、圧電体6に形成したような個別中継電極19及びスルーホール20,21は設けられていない。
圧電体10の上面には、図7に示すように、上記の複数の個別中継電極8と上記のコモン中継電極9とが形成されている。個別中継電極8は、個別中継電極19に対応する位置に形成された下側接続部8aと、個別内部電極2の長手方向(Y方向)に沿って延在する上側接続部8bとからなるL字状をなしている。上述したようにY方向に隣り合う各内部個別電極2同士がX方向にずれて配置されていることに伴い、Y方向に隣り合う各個別中継電極8の上側接続部8b同士もX方向にずれて配置されている。このとき、Y方向に隣り合う各個別中継電極8同士は、点対称の関係となっている。上側接続部8bの長さは、例えば内部個別電極2の長さと同等である。コモン中継電極9は、上記の内部コモン中継電極16に対応する位置に形成されている。
また、圧電体10において、各個別中継電極8の下側接続部8aに対応する領域内には複数のスルーホール22がそれぞれ形成され、コモン中継電極9に対応する領域内にはスルーホール23が形成されている。スルーホール22,23内には、導電材が充填されている。スルーホール22内の導電材は個別中継電極8と電気的に接続され、スルーホール23内の導電材はコモン中継電極9と電気的に接続されている。
圧電体13の上面には、図8に示すように、上記の複数の個別端子電極11と上記のコモン端子電極12とが形成されている。個別端子電極11及びコモン端子電極12は、略正矩形状の接続電極層24からなり、フレキシブルプリント配線板(FPC)等の外部接続端子と半田で接続される。各個別端子電極11は、各個別中継電極8の上側接続部8bに対応する部位に配置されている。各個別端子電極11がX方向に沿って一列状に配列されないように、X方向に隣り合う各個別端子電極11同士はY方向にずれて配列されている。コモン端子電極12は、コモン中継電極9に対応する部位に形成されている。
また、圧電体13において、各個別端子電極11に対応する領域内にはスルーホール25がそれぞれ形成され、コモン端子電極12に対応する領域内にはスルーホール26が形成されている。スルーホール25,26内には、導電材が充填されている。スルーホール25内の導電材は個別端子電極11と電気的に接続され、スルーホール26内の導電材はコモン端子電極12と電気的に接続されている。スルーホール25は個別端子電極11に覆い塞がれ、スルーホール26はコモン端子電極12に覆い塞がれている。
このような圧電体3等を積層してなる積層型圧電素子1では、個別端子電極11は、スルーホール25、個別中継電極8、スルーホール22、個別中継電極19、スルーホール21及びスルーホール17を介して各層の内部個別電極2と電気的に接続されている。コモン端子電極12は、スルーホール26、コモン中継電極9、スルーホール23、コモン中継電極16、スルーホール18及びスルーホール20を介して各層の内部コモン電極5と電気的に接続されている。なお、スルーホール17〜20,22,23,25,26(以下、スルーホール17等)の形状としては、導電材を充填しやすくするために、上面側(電極形成側)の径が下面側の径よりも大きいテーパー状であるのが好ましい。
内部個別電極2において、積層方向に対して内部コモン電極5と重なり合う部分(スルーホール17形成側の端部を除く部分)は、電圧の印加によって実際に活性層14の変位に関与する圧電活性部2aであり、内部コモン電極5と重なり合わずに個別中継電極19と重なり合う部分(スルーホール17形成側の端部)は、活性層14の変位に全く関与しない圧電非活性部2bである(図3及び図4参照)。
各個別中継電極8の上側接続部8bは、図2及び図9に示すように、中継層15において内部個別電極2に対応する領域を避けるように、活性領域Pに対してX方向に隣接した位置に形成されている。このため、上側接続部8bは、X方向の最も外側に位置する1つの個別中継電極8を除いては、中継層15においてX方向に隣り合う各活性領域P間に形成されることになる。
また、個別中継電極8の上側接続部8bは、図10に示すように、スルーホール25を介して個別端子電極11と接続されるが、X方向に隣り合う各スルーホール25同士は、Y方向に位置をずらして形成されている。具体的には、複数のスルーホール25のうちの何れかは上側接続部8bの基端部(L字状の個別中継電極8の屈曲部に相当)に接続され、その隣のスルーホール25は上側接続部8bの中央部に接続され、更にその隣のスルーホール25は上側接続部8bの先端部に接続されている。
また、Y方向に隣り合う各スルーホール25については、所定の間隔をもつように形成されている。具体的には、Y方向に隣り合う一方のスルーホール25が上側接続部8bの基端部に接続されるときは、他方のスルーホール25は上側接続部8bの先端部に接続され、Y方向に隣り合う一方のスルーホール25が上側接続部8bの中央部に接続されるときは、他方のスルーホール25も上側接続部8bの中央部に接続され、Y方向に隣り合う一方のスルーホール25が上側接続部8bの先端部に接続されるときは、他方のスルーホール25は上側接続部8bの基端部に接続される。
そして、個別端子電極11(接続電極層24)は、上述したようにスルーホール25を覆うように形成される。このため、X方向に隣り合う各個別端子電極11同士も、Y方向にずれて配置されることになる。また、Y方向に隣り合う各個別端子電極11同士は、所定の間隔をもって配置されることになる。
なお、スルーホール25の形成位置は、個別中継電極8の上側接続部8bの領域内で自由に決めることができるが、上側接続部8bは内部個別電極2の長手方向に沿って延在しているので、その分スルーホール25の形成位置の自由度が高くなる。このため、X方向に隣り合う各スルーホール25及び各個別端子電極11の配列構成については、個別端子電極11に接続される外部端子電極等に応じて適宜決めれば良い。例えば、スルーホール25及び個別端子電極11をX方向に沿って千鳥状に形成しても良い。
また、個別中継電極8の形状としては、内部個別電極2に対してX方向に隣接して形成された上側接続部8bを有するものであれば、特に上記のようなL字状には限られず、例えばU字状やT字状等であってもよい。
以上のように構成された積層型圧電素子1において、何れかの個別端子電極11とコモン端子電極12との間に所定の電圧を印加すると、当該個別端子電極11に対応する内部個別電極2と内部コモン電極5との間に電圧が印加されることとなる。これにより、活性層14において当該内部個別電極2と内部コモン電極5とに挟まれた圧電体部分に電界が生じ、その圧電体部分が積層方向に変位するようになる。
次に、上述した積層型圧電素子1を製造する手順について説明する。まず、例えばPZTを主成分とした圧電セラミックを用意し、これに有機バインダ・有機溶剤等を混合したペーストを作製する。そして、PETフィルムをキャリアフィルムとしてペーストをシート成形することで、上記の圧電体3等となるセラミックグリーンシートを形成する。
続いて、例えばYAGの3次高調波レーザ光をグリーンシートの所定位置に対して照射することで、グリーンシートにスルーホール17等を形成する。このとき、スルーホールを、後述する焼成後に穴径が例えば40〜50μmとなるように加工する。そして、例えばAg:Pd=7:3の比率で構成された導電材料と有機バインダ・有機溶剤等とを混合した導電ペーストを作製し、例えばスクリーン印刷法によりスルーホール内に導電ペーストを充填する。
続いて、例えば同様の導電ペーストを用いて、例えばスクリーン印刷法によりグリーンシートの一面に内部電極パターンを形成する。この内部電極パターンは、上記の内部個別電極2及び内部コモン電極5等となるパターンである。続いて、内部電極パターンが印刷されたグリーンシートを所定の枚数だけ所定の順序で積層する。そして、そのグリーン積層体に対し、例えば60℃程度の熱を加えながら100MPa程度の圧力でプレス加工を行い、各層のグリーンシートを圧着させる。その後、グリーン積層体を所定の寸法に切断する。
続いて、グリーン積層体をセッターに載せ、グリーン積層体の脱脂(脱バインダ)を例えば400℃前後の温度で行う。その後、グリーン積層体が載置されたセッターを密閉匣鉢内に入れ、グリーン積層体の焼成を例えば1100℃程度の温度で2時間程度行い、焼結体を得る。
続いて、焼成後の素子の上面に、例えばAgからなる個別端子電極11及びコモン端子電極12を形成する。端子電極11,12の形成手法としては、焼付、スパッタリング、蒸着、無電解メッキ法などが用いられる。このとき、素子の最上層の圧電体13に設けられたスルーホール25,26を覆うように個別端子電極11及びコモン端子電極12を形成する。
その後、各個別端子電極11及びコモン端子電極12に半田でFPC等の外部接続端子をそれぞれ接続する。このとき、X方向及びY方向に隣り合う個別端子電極11同士は互いに離間しているので、外部接続端子の接続作業が行いやすくなる。また、隣り合う個別端子電極11同士が半田でつながってしまう、いわゆる半田ブリッジの発生が防止される。これにより、外部接続端子を個別端子電極11及びコモン端子電極12に簡単に且つ良好に接続することが可能となる。
また、個別端子電極11はスルーホール25を覆うように形成され、コモン端子電極12はスルーホール26を覆うように形成されているので、半田がスルーホール25,26内に入り込むことは無い。このため、スルーホール25,26内の導電材が半田に喰われることは無いので、スルーホール25,26内の導電材が確実に保護される。
最後に、例えば温度120℃の環境下で、圧電体の厚みに対する電界強度が3kV/mmとなるように所定の電圧を例えば3分間印加することにより、分極処理を行う。これにより、圧電セラミックアクチュエータとしての積層型圧電素子1が完成する。
ところで、図11に示すように、内部個別電極2に対応する位置に矩形状の個別中継電極8を形成する場合には、隣り合う各個別端子電極11同士を離間させるべく、X方向に隣り合う各スルーホール25同士を一列状にならないようにずらして配列しようとすると、内部個別電極2の圧電非活性部(圧電に寄与しない部分)2bが長くなってしまう。このとき、素子として必要とする変位量を得るためには、内部個別電極2の圧電活性部2aの長さを必要以上に短くできないので、内部個別電極2が全体としてY方向に長くならざるを得ず、素子の小型化や高集積化を図ることができなくなる。一方、素子の小型化や高集積化を図るためには、内部個別電極2の圧電非活性部2bを長くした分だけ内部個別電極2の圧電活性部2aをY方向に短くするしかなく、この場合には素子として必要な変位量を得ることができなくなる。
これに対し本実施形態では、個別中継電極8の上側接続部8bを活性領域Pに対して内部個別電極2の配列方向(X方向)に隣接した位置に形成することにより、大部分の個別中継電極8の上側接続部8bを各活性領域P間の領域に配置する構成としたので、素子内で空いているスペースが個別中継電極8の上側接続部8bとして有効利用されることとなる。そして、上側接続部8bと個別端子電極11とがスルーホール25を介してつながる構成としたので、X方向に隣り合う各個別端子電極11同士を離間させるために、X方向に隣り合う各スルーホール25同士をY方向にずらして配置しても、内部個別電極2には影響は無い。
これにより、複数の内部個別電極2を高密度に配置した場合であっても、内部個別電極2の活性長つまり圧電活性部2aの長さを十分に確保することができる。従って、素子の小型化及び高集積化を図りつつ、活性層14の変位量を十分に得ることができ、しかも半田によるFPC等の接続性が向上する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、個別端子電極11及びコモン端子電極12をAg等からなる接続電極層24のみで形成したが、端子電極11,12の構造としては、特にこれに限られない。例えば端子電極11,12は、Pd及びAg等からなる下地電極層と、この下地電極層の一部を覆うように下地電極層上に凸状に形成され、ガラスフリットを含んだAg等からなる接続電極層とを有するものであっても良い。
また、上記実施形態では、X方向に隣り合う各スルーホール25同士は、Y方向に位置をずらして配列されているが、例えば個別端子電極を下地電極層及び接続電極層からなる構造とする場合には、X方向に隣り合う各スルーホール25同士をY方向にずらさずに配列し、X方向に隣り合う各接続電極層24同士をY方向にずらして配列しても良い。また、半田を用いた外部接続端子の接続に特に支障が無ければ、X方向に隣り合う各接続電極層24同士についても、特にY方向にずらさずに配列しても構わない。
さらに、上記実施形態では、内部個別電極2及び内部コモン電極5が圧電体を介して交互に複数層積層されてなる構造としたが、特に素子として大きな変位量を必要としないのであれば、個別電極及びコモン電極の層数は各々1層だけであっても良い。
また、上記実施形態は、複数の内部個別電極2を二次元的に配列したものであるが、本発明の圧電素子は、複数の内部個別電極2を一次元的に配列したものにも適用可能である。
本発明に係わる圧電素子の一実施形態として積層型圧電素子を示す分解斜視図である。 図1に示した積層型圧電素子の一部断面図である。 図1に示した電極付き圧電体の一つを示す平面図である。 図1に示した電極付き圧電体の他の一つを示す平面図である。 図1に示した電極付き圧電体の更に他の一つを示す平面図である。 図1に示した電極付き圧電体の更に他の一つを示す平面図である。 図1に示した電極付き圧電体の更に他の一つを示す平面図である。 図1に示した電極付き圧電体の更に他の一つを示す平面図である。 図1に示した積層型圧電素子において個別中継電極と内部個別電極との位置関係を示す図である。 図1に示した積層型圧電素子において個別端子電極と個別中継電極との位置関係を示す図である。 従来の一つの積層型圧電素子において個別中継電極と内部個別電極との位置関係を示す図である。
符号の説明
1…積層型圧電素子、2…内部個別電極、3…圧電体、4…圧電体、5…内部コモン電極、6…圧電体、7…圧電体、8…個別中継電極、8b…上側接続部、9…コモン中継電極、10…圧電体、11…個別端子電極、12…コモン端子電極、13…圧電体、14…活性層、15…中継層、24…接続電極層、25…スルーホール、P…活性領域。

Claims (2)

  1. 所定の方向に配列された複数の個別電極と前記各個別電極に圧電体を挟んで対向するコモン電極とを有する活性層と、前記各個別電極と前記コモン電極との間に電圧を印加するための複数の端子電極とを備えた圧電素子であって、
    前記活性層に対して積層され、前記個別電極と前記端子電極とを電気的に接続するための複数の中継電極を有する中継層を備え、
    前記中継電極は、前記個別電極と前記コモン電極とが重なり合う活性領域に対して前記個別電極の配列方向に隣接した位置に形成された接続部を含むようにL字状をなしており
    前記接続部は、導電材を含むスルーホールを介して前記端子電極と接続されており、
    前記個別電極の配列方向に対して垂直な方向に隣り合う前記各個別電極同士は、前記個別電極の配列方向にずれて配置されており、
    前記個別電極の配列方向に対して垂直な方向に隣り合う前記各接続部同士は、前記個別電極の配列方向にずれて配置されており、
    前記個別電極の配列方向に対して垂直な方向に隣り合う前記各中継電極同士は、点対称の関係となるように配置されており、
    前記端子電極は、外部接続端子と接続される接続電極層を有し、
    全ての前記接続電極層は、前記スルーホールを覆い塞ぐように形成されており、
    前記個別電極の配列方向に隣り合う前記各端子電極の前記接続電極層同士は、前記個別電極の配列方向に対して垂直な方向にずれて配置されていることを特徴とする圧電素子。
  2. 前記接続部は、前記個別電極の配列方向に対して垂直な方向に延在しており、
    前記個別電極の配列方向に隣り合う前記各スルーホール同士は、前記個別電極の配列方向に対して垂直な方向にずれて配置されていることを特徴とする請求項1記載の圧電素子
JP2005086756A 2005-03-24 2005-03-24 圧電素子 Active JP5066785B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005086756A JP5066785B2 (ja) 2005-03-24 2005-03-24 圧電素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005086756A JP5066785B2 (ja) 2005-03-24 2005-03-24 圧電素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006269812A JP2006269812A (ja) 2006-10-05
JP5066785B2 true JP5066785B2 (ja) 2012-11-07

Family

ID=37205443

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005086756A Active JP5066785B2 (ja) 2005-03-24 2005-03-24 圧電素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5066785B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3925648B2 (ja) * 2003-02-13 2007-06-06 ブラザー工業株式会社 インクジェットプリンタヘッド
JP4343552B2 (ja) * 2003-02-27 2009-10-14 Tdk株式会社 積層圧電素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006269812A (ja) 2006-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4358220B2 (ja) 積層型圧電素子
JP4843948B2 (ja) 積層型圧電素子
JP5200331B2 (ja) 積層型圧電素子
JP5194333B2 (ja) 圧電素子及び圧電装置
JP5068936B2 (ja) 積層型圧電素子の製造方法
JP5066785B2 (ja) 圧電素子
JP4506172B2 (ja) 積層型圧電素子
JP4358087B2 (ja) 積層型セラミック素子
JP4449797B2 (ja) 電子部品
JP5087822B2 (ja) 圧電素子
JP4057520B2 (ja) 電子部品
JP6708961B2 (ja) 圧電素子
JP4276148B2 (ja) 圧電装置
JP4586352B2 (ja) 積層型圧電素子
JP4529427B2 (ja) 積層型圧電素子
JP4262211B2 (ja) 圧電素子
JP4373896B2 (ja) 積層型セラミック素子
JP4220440B2 (ja) セラミック素子
JP4940550B2 (ja) 圧電素子
JP4247179B2 (ja) 積層型セラミック素子
JP6003313B2 (ja) 圧電素子
JP4238226B2 (ja) 積層型圧電素子
JP4283751B2 (ja) 電子部品の製造方法及び電子部品
JP2006128467A (ja) 積層型セラミック素子
JP2005150164A (ja) 電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120717

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120730

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5066785

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250