JP4843948B2 - 積層型圧電素子 - Google Patents

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本発明は、例えば燃料噴射装置等に用いられる積層型圧電素子に関するものである。
従来の積層型圧電素子としては、例えば特許文献1に記載されているように、圧電セラミック層と内部電極とが交互に積層されてなる積層体を有すると共に、積層体における隣接する内部電極間に応力緩和層を所定層毎に形成したものが知られている。
特開2001−267646号公報
しかしながら、上記従来技術においては、圧電セラミック層がチタン酸ジルコン酸鉛等で形成され、応力緩和層がチタン酸鉛を主成分とする材料で形成されている。つまり、圧電セラミック層及び応力緩和層は、互いに異なる組成系の材料で形成されている。このため、圧電セラミック層及び応力緩和層の収縮膨張率が異なることになるので、積層体の焼成時に、例えば積層体が割れたり、積層体の活性部に積層方向に延びるクラックを誘発させてしまう可能性がある。
本発明の目的は、積層体の積層方向に延びるクラック等の発生を防止することができる積層型圧電素子を提供することである。
本発明は、複数の圧電体と第1電極及び第2電極を含む複数の内部電極とを交互に積層し焼結してなる四角柱状の積層体を備えた積層型圧電素子であって、積層体の4つの側面のうちいずれかの対向する2つの側面の一方には、第1電極と電気的に接続された一の外部電極が設けられ、対向する2つの側面の他方には、第2電極と電気的に接続された他の外部電極が設けられており、内部電極は、積層体における外部電極が設けられた側面及び当該側面に垂直な2つの側面に露出しており、積層体は、第1電極と第2電極とが積層体の積層方向に重なり合うように構成された活性部と、第1電極と第2電極とが積層体の積層方向に重なり合わないように構成された不活性部とを有し、不活性部には、圧電体よりも密度の低い低強度層が設けられており、圧電体及び低強度層は、同一組成系の圧電材料で形成されており、低強度層は、積層体における外部電極が設けられた側面から活性部の領域内まで延びていると共に積層体における外部電極が設けられた側面に対向する側面側に位置する不活性部の領域内までは延びていないことを特徴とするものである。
このような積層型圧電素子を製造する場合は、焼成によって複数の圧電体、複数の内部電極及び低強度層を有する積層体を得る。低強度層は、圧電体と同一組成系の圧電材料で形成されている。このため、圧電体及び低強度層の収縮膨張率は同等となるため、積層体(焼結体)に割れや積層方向に延びるクラック等が生じることが防止される。また、同一組成系の圧電材料を用いることから、圧電体と低強度層との間に不用な反応が起こることは無いので、圧電体及び低強度層の形成に悪影響を及ぼすことは殆ど無い。そして、そのように製造された積層型圧電素子において、第1電極と第2電極との間に電圧を印加すると、両者間に電界が生じ、積層体の活性部における圧電体が変位する。このとき、積層体の不活性部に応力が集中するが、不活性部には圧電体よりも強度の低い低強度層が設けられているので、不活性部にかかる応力が低強度層によって緩和されるようになる。従って、圧電体の変位時に、積層体に積層方向に延びるクラックが生じることも防止できる。
また、低強度層は活性部の領域内まで延びていることにより、例えば積層体の活性部における圧電体の変位時に、積層体の不活性部にクラックが生じる場合には、低強度層に沿って積層体の積層方向に対して垂直な方向にクラックが入りやすくなるため、積層体の積層方向に延びるクラックの発生を一層確実に防止することができる。
このとき、圧電体及び低強度層は、圧電材料にバインダを含む物質を混合したペーストによって形成されたものであり、低強度層を形成する圧電材料に対するバインダの量の比率が圧電体を形成する圧電材料に対するバインダの量の比率よりも大きいことが好ましい。このように圧電材料に対するバインダの量の比率を多くすると、焼成した時に穴が形成されやすくなるので、低密度となる。従って、圧電体及び低強度層の圧電材料として、全く同一組成の圧電材料を使用したときでも、低強度層を形成する圧電材料に対するバインダの量の比率を大きくするだけで、圧電体よりも密度の低い低強度層を確実に形成することができる。
また、圧電体及び低強度層は、圧電材料にバインダを含む物質を混合したペーストによって形成されたものであり、低強度層を形成する圧電材料の焼結温度が圧電体を形成する圧電材料の焼結温度よりも高くてもよい。この場合には、圧電体を形成する圧電材料の焼結温度と低強度層を形成する圧電材料の焼結温度との間の温度で積層体を焼成すると、圧電体を形成する圧電材料は完全に焼結しても、低強度層を形成する圧電材料は未焼結の状態となるので、圧電体よりも密度の低い低強度層を確実に形成することができる。
さらに、好ましくは、低強度層には、積層体の積層方向に対して垂直な方向に延びるクラックが形成されている。このような構成でも、例えば積層体の活性部における圧電体の変位時に、積層体の不活性部にクラックが生じる場合には、低強度層に沿って積層体の積層方向に対して垂直な方向にクラックが入りやすくなるため、積層体の積層方向に延びるクラックの発生を一層確実に防止することができる。
また、好ましくは、積層体における低強度層と同一の層には、ダミー電極が設けられている。
本発明によれば、積層体に割れや積層方向に延びるクラック等が生じることを防止できる。これにより、第1電極から第2電極まで延びるクラックの発生が回避されるため、積層型圧電素子の絶縁破壊を防止し、積層型圧電素子の耐久性を向上させることが可能となる。
以下、本発明に係わる積層型圧電素子の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる積層型圧電素子の一実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示した積層型圧電素子の側面図であり、図3は、図1に示した積層型圧電素子の部分拡大断面図である。各図において、本実施形態の積層型圧電素子1は、例えば自動車に搭載される内燃機関の燃料噴射装置に用いられるものである。
積層型圧電素子1は、四角柱状の積層体2を備えている。積層体2は、複数の圧電体3と複数の内部電極4Aと複数の内部電極4Bとを積層し焼結してなるものである。積層型圧電素子1の寸法は、例えば10mm×10mm×35mm程度である。圧電体3の厚さは、1層当たり80〜100μm程度である。
圧電体3は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とする圧電セラミック材料で形成されている。PZTの組成としては、例えば下記のものが挙げられる。
Pb0.999[(Zn1/3 Nb2/3)0.11 Ti0.425 Zr0.465]O3 +0.2wt%Fe2O3+0.2wt%Sb2O3
また、PZTの粉体特性としては、例えばBET比表面積は2.5m/g程度、平均粒子径は0.6μm程度である。このようなPZTの焼結温度は、950℃程度である。
内部電極4A,4Bは、圧電体3を介して交互に積層されている。内部電極4Aは、積層体2の側面2bの内側から反対側の側面2aに露出するように形成され、内部電極4Bは、積層体2の側面2aの内側から側面2bに露出するように形成されている。これにより、内部電極4A,4Bの一部が積層体2の積層方向に重なり合うこととなる。積層体2において、内部電極4A,4Bが重なり合う部分は、内部電極4A,4B間に電圧を印加した時に圧電体3が変位する活性部Pであり、内部電極4A,4Bが重なり合わない部分(積層体2の両側端部)は、内部電極4A,4B間に電圧を印加した時に圧電体3が変位しない不活性部Qである。内部電極4A,4Bは、例えばAg,Pdを主成分とする導電材料で形成されている。
積層体2の不活性部Qには、圧電体3よりも密度(強度)の低い複数の低強度層5が一定層数毎に設けられている。これらの低強度層5は、積層体2の不活性部Qにおいて、積層体2の積層方向に隣り合う内部電極4A,4B間の位置に活性部Pの領域内まで延びるように形成されている。また、各低強度層5は、各側面2a,2bにおける一方の縁から他方の縁にわたって形成されている(図1参照)。低強度層5は、圧電体3を形成する圧電セラミック材料と同一組成の圧電セラミック材料で形成されている。
低強度層5には、積層体2の横方向(積層体2の積層方向に対して垂直な方向)に延びるクラック(スリット)が入っていても良い。この積層体2の横方向に延びるクラックは、積層体2の活性部Pにおける圧電体3の変位時に、積層体2の不活性部Qにかかる応力を減じる働きをする。
積層体2の側面2aには、各内部電極4Aと電気的に接続された外部電極6Aが設けられ、積層体2の側面2bには、各内部電極4Bと電気的に接続された外部電極6Bが設けられている。
外部電極6A,6Bは、各々、積層体2の側面2a,2bの一部を覆うように積層体2の積層方向に延在する電極部7と、この電極部7の外側に配置され、積層体2の積層方向に波状に延在する電極部8とからなっている。電極部8は、積層体2の積層方向に伸縮性(柔軟性)をもつように電極部7に接合されている。電極部7は、例えばAg、Au及びCuのいずれかを主成分とする導電材料で形成されている。電極部8は、例えばCu及びその合金、Ni及びその合金、フレキシブル基板等で形成されている。
次に、上述した積層型圧電素子1を製造する方法について、図4により説明する。まず、PZTを主成分としたセラミック粉体に有機バインダ樹脂及び有機溶剤等を混合したペーストを作製する。そして、例えばドクターブレード法によって、上記ペーストをキャリアフィルム(図示せず)上に塗布することにより、上記の圧電体3となるセラミックグリーンシート9を複数枚形成する。
続いて、例えばAg:Pd=85:15の比率で構成された導電材料に有機バインダ樹脂及び有機溶剤等を混合したペーストを作製する。そして、そのペーストをスクリーン印刷することにより、上記の内部電極4Aに相当する電極パターン10A及び上記の内部電極4Bに相当する電極パターン10Bを、別々のグリーンシート9の上面に形成する。
続いて、グリーンシート9の形成方法と同様に、PZTを主成分としたセラミック粉体に有機バインダ樹脂及び有機溶剤等を混合したペーストを作製する。そして、そのペーストをスクリーン印刷することにより、電極パターン10Aが印刷されたグリーンシート9及び電極パターン10Bが印刷されたグリーンシート9とは異なるグリーンシート9の上面の所定部分に、上記の低強度層5となるセラミック層11を形成する。このとき、セラミック粉体に混合される有機バインダ樹脂の量の比率を、グリーンシート9を形成するセラミック粉体に混合される有機バインダ樹脂の量の比率よりも大きくする。
続いて、電極パターン10Aが印刷されたグリーンシート9と電極パターン10Bが印刷されたグリーンシート9とセラミック層11が印刷されたグリーンシート9とを所定の枚数だけ所定の順序で積層し、更に電極パターン10A,10B及びセラミック層11が印刷されていないグリーンシート9を最外層に積層することにより、グリーン積層体12を作製する。
続いて、グリーン積層体12を60℃程度の温度で加熱しながら100MPa程度の圧力で積層方向にプレス加工した後、そのグリーン積層体12を例えばダイヤモンドブレードにより所定の寸法に切断する。これにより、図4に示すように、電極パターン10A,10B及びセラミック層11がグリーン積層体12の側面に露出するようになる。
続いて、切断後のグリーン積層体12をセッターに載せ、当該グリーン積層体12の脱脂(脱バインダ)を例えば400℃前後の温度で10時間程度行う。その後、脱脂後のグリーン積層体12が載置されたセッターをこう鉢炉内に入れ、当該グリーン積層体12の焼成を例えば1000℃程度の温度で2時間程度行う。これにより、グリーン積層体12が収縮焼結され、焼結体として上記の積層体2が得られる。
このとき、上述したように、セラミック層11を形成するセラミック材料に対する有機バインダ樹脂の量の比率を、セラミックグリーンシート9を形成するセラミック材料に対する有機バインダ樹脂の量の比率よりも大きくしてあるので、セラミック層12には穴が形成されやすくなる。このため、セラミック層12は、圧電体3よりも密度(強度)の低い低強度層5となる。
ここで、セラミック層12はグリーンシート9と同じ組成のPZTを主成分とするセラミック材料で形成されているため、セラミック層12の収縮率はグリーンシート9の収縮率と同等になる。このため、グリーンシート9の上面に、PZTとは異なる材料、例えばバインダ(樹脂塗料)やPT(チタン酸鉛)を塗布または印刷して焼成した場合と異なり、積層体2にひび割れが発生したり、積層体2に積層方向に延びるクラックを誘発させることは殆ど無い。また、グリーンシート9及びセラミック層12のセラミック材料は同一組成であるため、グリーンシート9とセラミック層12との間に不用な反応が起こることも無い。このため、圧電体3及び低強度層5の一部の組成が変わってしまうことが防止されると共に、低強度層5が全体的にきれいに焼け上がるように形成される。
続いて、積層体2の側面2aに外部電極6Aを形成すると共に、積層体2の側面2bに外部電極6Bを形成する。具体的には、まず例えばAgを主成分とする導電ペーストを積層体2の側面2a,2bにスクリーン印刷した後、例えば700℃程度の温度で焼付処理を行うことで、側面2a,2bにそれぞれ電極部7を形成する。なお、この電極部7の形成手法としては、焼付の代わりにスパッタリング法や無電解メッキ法等を用いても良い。そして、波状に延びる電極部8を、例えば半田付けにより複数の箇所で電極部7と接合する。
最後に、例えば温度120℃の環境下で、圧電体3の厚みに対する電界強度が2kV/mmとなるように所定の電圧を例えば3分間印加することにより、分極処理を行う。この分極処理では、積層体2の不活性部Qに応力が集中することになるが、不活性部Qには他の部分よりも強度の弱い低強度層5が設けられているため、その低強度層5に横方向(積層体2の積層方向に対して垂直な方向)に延びるクラックが入ることがある。以上により、積層型圧電素子1が完成する。
このような積層型圧電素子1において、外部電極6A,6B間に電圧が印加されると、外部電極6A,6Bと接続された内部電極4A,4B間に電圧が印加されることになる。これにより、各内部電極4A,4Bに挟まれた活性部Pの圧電体3に電界が生じ、当該圧電体3が積層体2の積層方向に変位するようになる。
ここで、積層体2の不活性部Qには低強度層5が形成されているので、例えば積層型圧電素子1が長期間にわたって使用されることで、活性部Pの圧電体3の変位により積層体2の側面2a,2bから積層体2の内部に至るクラックが発生する場合には、そのクラックは低強度層5に沿って積層体2の横方向に延びるようになる。このとき、低強度層5を活性部Pの領域内まで形成しておくことにより、圧電体3の変位時に、積層体2の横方向に延びるクラックが生じやすくなる。また、上述したように低強度層5に予めクラックが入っている場合には、積層体2の横方向に延びるクラックが更に生じやすくなる。従って、圧電体3の変位時に他の不活性部Qにかかる応力が十分に緩和されるので、積層体2の積層方向にクラックが入ることは無い。
また、低強度層5にクラックが生じることで、万が一その位置で外部電極6A,6Bの電極部7が切断されたとしても、その電極部7には波状の電極部8が接続されているので、内部電極4Aと外部電極6Aとの電気的接続、内部電極4Bと外部電極6Bとの電気的接続は確保されたままとなる。
以上のように本実施形態によれば、積層体2の圧電体3及び低強度層5を同一組成の圧電セラミック材料で形成するので、積層型圧電素子1の製造時に、焼成によって積層体2に割れや積層方向に延びるクラック等が発生することを防止できる。また、積層型圧電素子1の駆動時に、積層体2に積層方向に延びるクラックが発生することも防止できる。従って、内部電極4A,4B同士のショートが防止され、積層型圧電素子1の絶縁破壊を避けることができる。その結果、積層型圧電素子1の品質が向上する。
上述した積層型圧電素子1では、低強度層5の材料として、圧電体3の材料と全く同じ組成のPZTを主成分とするセラミック材料を使用し、セラミック材料に対する有機バインダ樹脂の量の比率を変えることにより、圧電体3よりも低い密度を有する低強度層5を形成したが、低強度層5の形成手法としては、特にこれに限定されない。
例えば、低強度層5の材料として、圧電体3の材料と同一組成系で且つ圧電体3の材料よりも焼結温度の高いPZTを主成分とするセラミック材料を使用しても良い。PZTの焼結温度を高くするには、PZTの組成自体を変えても良いし、或いは圧電体3を形成するPZTよりも粉体(粒子)の大きなPZTを用いれば良い。このPZTとしては、例えば下記のものが挙げられる。
Pb[Ti0.47 Zr0.53]O3 +0.5wt%Nb2O5
また、PZTの粉体特性としては、例えばBET比表面積が1.4m/g程度、平均粒子径が1.5μm程度である。このようなPZTの焼結温度は、1200℃程度である。
このように低強度層5を圧電体3よりも焼結温度の高いセラミック材料、つまり焼結性の低いセラミック材料で形成することにより、図4に示すようなグリーン積層体12の焼成を例えば1000℃程度の温度で行うと、グリーンシート9は完全に焼結しているにも拘らず、セラミック層11は未焼結の状態となる。従って、特にセラミック材料に対する有機バインダ樹脂の量を調整しなくても、圧電体3に比べて十分に低い密度を有する低強度層5を形成することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、圧電体3、内部電極4A,4B及び低強度層5を有する積層体2の構造については、種々変形可能である。具体的には、図5に示すように、低強度層5を、積層体2の積層方向に隣り合う内部電極4A,4A間または内部電極4B,4B間の位置に形成しても良い。
また、図6に示すように、積層体2の両側端部に形成された各低強度層5間にダミー電極13を設けても良い。このダミー電極13を有する積層体2を作製する場合には、図示はしないが、セラミックグリーンシートの上面に、低強度層5に対応するセラミック層とダミー電極13に対応する電極パターンとを印刷した後、このグリーンシートと電極パターン付きグリーンシートとを積層すれば良い。このように積層体2にダミー電極13を設けることにより、ダミー電極13を挟む上下の圧電体3同士の接着力が低下するため、低強度層5に生じるクラックはダミー電極13に沿って横方向に延びることになる。これにより、積層体2の積層方向に延びるクラックがより一層生じにくくなる。
さらに、図7に示すように、低強度層5を、積層体2の積層方向に隣り合う内部電極4A,4A間または内部電極4B,4B間の位置に形成すると共に、積層体2の両側端部に形成された各低強度層5間にダミー電極13を設けても良い。
また、図8に示すように、低強度層5を積層体2の一側面から他側面にわたって全体的に形成しても良い。この場合には、積層体2の側面から低強度層5に入るクラックは、そのまま低強度層5に沿って横方向に延びることになる。これにより、積層体2の積層方向に延びるクラックがより一層生じにくくなる。
また、上記実施形態の積層型圧電素子では、低強度層5が積層体2の活性部Pの領域内まで延びるように形成されているが、低強度層5を積層体2の不活性部Qのみに形成しても勿論構わない。
さらに、上記実施形態の積層型圧電素子では、積層体2の形状を四角柱状としたが、他の多角柱形状や円柱形状であっても良い。また、積層体2の側面において外部電極6A,6Bを設ける位置としては、互いに接触しない位置であれば良い。
本発明に係わる積層型圧電素子の一実施形態を示す斜視図である。 図1に示した積層型圧電素子の側面図である。 図1に示した積層体の部分拡大断面図である。 図1に示した積層型圧電素子を製造する際に作製されるグリーン積層体の切断後の状態を示す分解斜視図である。 図3に示した積層体の変形例を示す部分拡大断面図である。 図3に示した積層体の他の変形例を示す部分拡大断面図である。 図3に示した積層体の更に他の変形例を示す部分拡大断面図である。 図3に示した積層体の更に他の変形例を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
1…積層型圧電素子、2…積層体、3…圧電体、4A…内部電極(第1電極)、4B…内部電極(第2電極)、5…低強度層、P…活性部、Q…不活性部。

Claims (5)

  1. 複数の圧電体と第1電極及び第2電極を含む複数の内部電極とを交互に積層し焼結してなる四角柱状の積層体を備えた積層型圧電素子であって、
    前記積層体の4つの側面のうちいずれかの対向する2つの側面の一方には、前記第1電極と電気的に接続された一の外部電極が設けられ、前記対向する2つの側面の他方には、前記第2電極と電気的に接続された他の外部電極が設けられており、
    前記内部電極は、前記積層体における前記外部電極が設けられた側面及び当該側面に垂直な2つの側面に露出しており、
    前記積層体は、前記第1電極と前記第2電極とが前記積層体の積層方向に重なり合うように構成された活性部と、前記活性部の両側に位置し、前記第1電極と前記第2電極とが前記積層体の積層方向に重なり合わないように構成された不活性部とを有し、
    前記不活性部には、前記圧電体よりも密度の低い低強度層が設けられており、
    前記圧電体及び前記低強度層は、同一組成系の圧電材料で形成されており、
    前記低強度層は、前記積層体における前記外部電極が設けられた側面から前記活性部の領域内まで延びていると共に前記積層体における前記外部電極が設けられた側面に対向する側面側に位置する前記不活性部の領域内までは延びていないことを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記圧電体及び前記低強度層は、圧電材料にバインダを含む物質を混合したペーストによって形成されたものであり、
    前記低強度層を形成する圧電材料に対するバインダの量の比率が前記圧電体を形成する圧電材料に対するバインダの量の比率よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の積層型圧電素子。
  3. 前記圧電体及び前記低強度層は、圧電材料にバインダを含む物質を混合したペーストによって形成されたものであり、
    前記低強度層を形成する圧電材料の焼結温度が前記圧電体を形成する圧電材料の焼結温度よりも高いことを特徴とする請求項1記載の積層型圧電素子。
  4. 前記低強度層には、前記積層体の積層方向に対して垂直な方向に延びるクラックが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の積層型圧電素子。
  5. 前記積層体における前記低強度層と同一の層には、ダミー電極が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の積層型圧電素子。
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