JP5920537B2 - 積層型熱電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、積層型熱電変換素子に関するものである。
従来技術に基づく積層型熱電変換素子の一例として、国際公開第2009/001691号(特許文献1)に熱電変換モジュールと称するものが記載されている。この熱電変換モジュールは、p型酸化物熱電変換材料とn型酸化物熱電変換材料とが交互に積層されている。隣り合うp型酸化物熱電変換材料とn型酸化物熱電変換材料とは一部の領域において直接接合しており、他の領域においては絶縁材料を介して接合している。この熱電変換モジュールを製造するに当たっては、p型酸化物熱電変換材料のシートとn型酸化物熱電変換材料のシートとをそれぞれ成形し、一部領域に絶縁材料を配設しながら積層体を形成し、この積層体を焼成する。焼成することによって、積層体は一体的に焼結する。この焼結したものに外部電極を形成する。
国際公開第2009/001691号
たとえば図12に示すように積層型熱電変換素子100が構成されているとする。本来一体的なものであるが、説明の便宜のために途中を切り離して表示している。この例では、上側が高温になるべき側であり、下側が低温になるべき側である。p型熱電変換材料層11とn型熱電変換材料層12とが一部領域に絶縁層13を介在しながら交互に積層されている。絶縁層13は一方の端を空けるように配置されており、どちらの側の端を空けるかは1層ごとに交互に入れ替わっている。p型熱電変換材料のゼーベック係数は正であり、n型熱電変換材料のゼーベック係数は負である。端面には外部電極14が形成されている。
この積層型熱電変換素子において、図13に示すような温度差が付与された場合、p型熱電変換材料層11において正孔(+)の移動が生じ、n型熱電変換材料層12において電子(−)の移動が生じる。p型とn型とが交互にミアンダ状に接続されていることによって各層は直列に接続されていることになり、全体としては矢印90に示す向きに電流が流れることとなり、積層数に応じて大きな起電力を得ることができる。この際に、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料とが絶縁層13を介さずに直接接合している領域が電流の通り道となる。したがって、直接接合している領域が狭い場合には高抵抗になり、出力が低下する。
そこで、本発明は、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料とが直接接合している面が狭くなって抵抗値が高くなることを防止することができる積層型熱電変換素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づく積層型熱電変換素子は、互いに対向する第1端面および第2端面と、上記第1端面の第1の側の端から上記第2端面の上記第1の側の端に至るように位置する吸熱面と、上記第1端面の上記第1の側とは反対側である第2の側の端から上記第2端面の上記第2の側の端に至り、かつ、上記吸熱面に対向するように位置する放熱面とを有する積層型熱電変換素子であり、上記吸熱面と上記放熱面とをつなぐ第1側面の側から見たとき、p型熱電変換材料層とn型熱電変換材料層とが絶縁層を部分的に介在させることによって交互にミアンダ状に電気的接続されつつ積層されており、中間部では、上記p型熱電変換材料層はp型基本厚みを有するものが積層されており、上記n型熱電変換材料層はn型基本厚みを有するものが積層されており、上記第1端面および上記第2端面のいずれかに最も近い位置にある上記絶縁層よりも外側にある上記p型熱電変換材料層または上記n型熱電変換材料層の厚みは、同型の熱電変換材料層の基本厚みに比べて大きくなっている。
本発明によれば、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料とが直接接合している面が狭くなって抵抗値が高くなることを防止することができる。
積層型熱電変換素子となる一般的な積層体のバレル研磨前の状態の断面図である。 積層型熱電変換素子となる一般的な積層体をバレル研磨した後の状態の断面図である。 本発明に基づく実施の形態1における積層型熱電変換素子のバレル研磨前の状態の斜視図である。 本発明に基づく実施の形態1における積層型熱電変換素子を第1側面の側から見た断面図である。 本発明に基づく実施の形態2における積層型熱電変換素子の断面図である。 本発明に基づく実施の形態3における積層型熱電変換素子の断面図である。 本発明に基づく実施の形態4における積層型熱電変換素子の断面図である。 本発明に基づく実施の形態3,4における積層型熱電変換素子を得るために形成される大判積層体の説明図である。 実験において熱電変換材料シートの表面に絶縁ペーストを印刷した状態の平面図である。 実験において熱電変換材料シートの表面にNiペーストを印刷した状態の平面図である。 本発明の効果を検証するために行なわれた実験で、比較例を得るために形成された大判積層体の説明図である。 従来技術に基づく積層型熱電変換素子の説明図である。 従来技術に基づく積層型熱電変換素子の動作の説明図である。
積層型熱電変換素子を製造しようとする場合、まず、p型熱電変換材料のシートとn型熱電変換材料のシートとをそれぞれ大判サイズで成形し、交互に積層することによって積層体を得る。ここで「大判サイズ」とは、複数の積層型熱電変換素子に相当するサイズを意味する。積層体は、グリーン体と呼ばれる未焼成の状態で、個別の積層型熱電変換素子のサイズに切断される。この時点で、バリ取りのためにバレル研磨が行なわれる。その後、焼成が行なわれる。
あるいは、バレル研磨と焼成との順序は逆であってもよい。すなわち、グリーン体を先に焼成した後に、バリ取りのためにバレル研磨を行なってもよい。
バレル研磨をすることによって、積層体の角部は削り取られて丸くなる。たとえば図1に示すような積層体にバレル研磨をすることによって、図2に示すように、角部が削り取られる。特に部分22a,22bにおいては、角部が削り取られることによって、長さ23a,23bが短くなる。すなわち、p型とn型との熱電変換材料が直接接合している領域の面積が小さくなり、抵抗値が上がってしまう。
発明者らは、このことに着目し、本発明をなすに至った。
(実施の形態1)
図3〜図4を参照して、本発明に基づく実施の形態1における積層型熱電変換素子101について説明する。積層型熱電変換素子101のバレル研磨前の状態の全体を図3に示す。ここでは説明の便宜のためにバレル研磨前の状態を表示したが、実際には、積層型熱電変換素子101は、バレル研磨をされたことによって、全ての角がある程度丸みを帯びている。
本実施の形態における積層型熱電変換素子101は、互いに対向する第1端面3および第2端面4と、第1端面3の第1の側81の端から第2端面4の第1の側81の端に至るように位置する吸熱面1と、第1端面3の第1の側81とは反対側である第2の側82の端から第2端面4の第2の側82の端に至り、かつ、吸熱面1に対向するように位置する放熱面2とを有する積層型熱電変換素子である。積層型熱電変換素子101は、吸熱面1と放熱面2とをつなぐ第1側面5を有する。第1側面5の側から積層型熱電変換素子101を見たところを図4に示す。
吸熱面1と放熱面2とをつなぐ第1側面5の側から見たとき、p型熱電変換材料層11とn型熱電変換材料層12とが絶縁層13を部分的に介在させることによって交互にミアンダ状に電気的接続されつつ積層されている。中間部では、p型熱電変換材料層11はp型基本厚みを有するものが積層されており、n型熱電変換材料層12はn型基本厚みを有するものが積層されている。p型基本厚みとn型基本厚みとは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
第1端面3および第2端面4のいずれかから最も近い位置にある絶縁層13よりも外側にあるp型熱電変換材料層11またはn型熱電変換材料層12の厚みは、同型の熱電変換材料層の基本厚みに比べて大きくなっている。たとえばp型基本厚みがT1であるとすると、第1端面3から最も近い位置にある絶縁層13eよりも外側にあるp型熱電変換材料層11の厚みT2は、同型の熱電変換材料層の基本厚みに比べて大きくなっている。すなわち、T2>T1となっている。
本実施の形態では、第1端面3および第2端面4のいずれかから最も近い位置にある絶縁層13よりも外側にあるp型熱電変換材料層11またはn型熱電変換材料層12の厚みは、同型の熱電変換材料層の基本厚みに比べて大きくなっているので、p型とn型との熱電変換材料が直接接合している領域は端面から遠くなっており、元の直方体の状態からバレル研磨によって角部が削られても、p型とn型との熱電変換材料が直接接合している領域が著しく狭くなることを避けることができる。したがって、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料とが直接接合している面が狭くなって抵抗値が高くなることを防止することができる。
(実施の形態2)
図5を参照して、本発明に基づく実施の形態2における積層型熱電変換素子について説明する。本実施の形態における積層型熱電変換素子102は、実施の形態1で説明した積層型熱電変換素子101と基本的な構成は共通しているが、以下の点で異なる。
本実施の形態における積層型熱電変換素子102では、kを2以上の整数としたとき、第1端面3および第2端面4のいずれかから中央に向かって数えて第k番目の絶縁層13よりも外側にあるp型熱電変換材料層11またはn型熱電変換材料層12の厚みはいずれも、同型の熱電変換材料層の基本厚みに比べて大きくなっている。
図5に示した例では、k=2としたとき、第1端面3および第2端面4の両方において、上述の条件が満たされている。第1端面3の近傍に注目すると、第1端面3から中央に向かって数えて第2番目の絶縁層13fよりも外側にあるp型熱電変換材料層11またはn型熱電変換材料層12の厚みはいずれも、同型の熱電変換材料層の基本厚みに比べて大きくなっている。p型基本厚みがT1であるとすると、厚みT1に比べて厚みT2が大きくなっている。n型基本厚みがT3であるとすると、厚みT3に比べて厚みT4が大きくなっている。
本実施の形態では、p型とn型との熱電変換材料が直接接合している領域の数は端面付近では少なくなっており、元の直方体の状態からバレル研磨によって角部が削られても、p型とn型との熱電変換材料が直接接合している領域が著しく狭くなることを避けることができる。あるいは、バレル研磨の度合いが大きく、端面に近い一部の箇所においては、p型とn型との熱電変換材料が直接接合している領域が狭くなったとしても、狭くなる箇所の数を抑えることができる。したがって、本実施の形態においても、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料とが直接接合している面が狭くなって抵抗値が高くなることを防止することができる。
(実施の形態3)
図6を参照して、本発明に基づく実施の形態3における積層型熱電変換素子について説明する。本実施の形態における積層型熱電変換素子103は、実施の形態1で説明した積層型熱電変換素子101と基本的な構成は共通しているが、以下の点で異なる。
本実施の形態における積層型熱電変換素子103では、第1端面3および第2端面4の近傍においてp型熱電変換材料層11またはn型熱電変換材料層12の厚みが同型の熱電変換材料層の基本厚みに比べて大きくなっている部分では、前記p型基本厚みの前記p型熱電変換材料層または前記n型基本厚みの前記n型熱電変換材料層を、同型のもの同士で繰返し重ねることによって厚くなっている。
たとえばp型基本厚みがT1であるとすると、第1端面3から最も近い位置にある絶縁層13eよりも外側にあるp型熱電変換材料層11の厚みT2は、同型の熱電変換材料層の基本厚みに比べて大きくなっているが、この厚みT2となっている部分は、p型基本厚みT1のp型熱電変換材料層を、p型のもの同士で繰返し重ねることによって厚みを増し、厚みT2となっている。この例では、p型のものを2層重ねて厚みT2としている。したがって、T2=T1×2となっている。第1端面3から最も近い位置にある絶縁層13eよりも外側にあるp型熱電変換材料層11は、層11aと層11bとを含む。
本実施の形態では、実施の形態1で説明した効果を得ることができる。さらに、端面近傍の厚くなった部分を、基本厚みの層を同型のもの同士で繰返し重ねることによって実現しているので、素材として異なる厚みのシートを用意する必要がなく、一定の基本厚みのシートのみを利用して基本厚みの部分とは別に厚い部分を構成することができる。ここでは、厚い部分を構成するために重ねる数が2であったが、より多くの数だけ重ねてもよい。重ねる数を適宜調整することにより、厚い部分の厚みを調整することができる。基本厚みのシートを重ねることによって厚い部分を形成しているので、厚い部分の厚みは原則として基本厚みの整数倍となる。
(実施の形態4)
図7を参照して、本発明に基づく実施の形態4における積層型熱電変換素子について説明する。本実施の形態における積層型熱電変換素子104は、実施の形態2で説明した積層型熱電変換素子102と基本的な構成は共通しているが、以下の点で異なる。
本実施の形態における積層型熱電変換素子104では、第1端面3および第2端面4の近傍においてp型熱電変換材料層11またはn型熱電変換材料層12の厚みが同型の熱電変換材料層の基本厚みに比べて大きくなっている部分では、前記p型基本厚みの前記p型熱電変換材料層または前記n型基本厚みの前記n型熱電変換材料層を、同型のもの同士で繰返し重ねることによって厚くなっている。
たとえばp型基本厚みがT1であるとすると、第1端面3から最も近い位置にある絶縁層13eよりも外側にあるp型熱電変換材料層11の厚みT2は、同じp型の熱電変換材料層の基本厚みT1に比べて大きくなっているが、この厚みT2となっている部分は、p型基本厚みT1のp型熱電変換材料層を、p型のもの同士で繰返し重ねることによって厚みを増し、厚みT2となっている。
第1端面3から2番目に近い位置にある絶縁層13fよりも外側にあるn型熱電変換材料層12の厚みT4は、同じn型の熱電変換材料層の基本厚みT3に比べて大きくなっているが、この厚みT4となっている部分は、n型基本厚みT3のn型熱電変換材料層を、n型のもの同士で繰返し重ねることによって厚みを増し、厚みT2となっている。
この例では、T2=T1×2かつT4=T3×2となっている。第1端面3から最も近い位置にある絶縁層13よりも外側にあるp型熱電変換材料層11は、層11aと層11bとを含む。第1端面3から2番目に近い位置にある絶縁層13fよりも外側にあるn型熱電変換材料層12は、層12aと層12bとを含む。
本実施の形態では、実施の形態2で説明した効果を得ることができる。さらに実施の形態3で説明した効果も得ることができる。すなわち、素材として異なる厚みのシートを用意する必要がなく、一定の基本厚みのシートのみを利用して基本厚みの部分とは別に厚い部分を構成することができるという点でも好都合である。
(製造方法)
実施の形態3,4で説明したような構成の積層型熱電変換素子を作製する際の製造方法の一例について説明する。
図8に示すように、p型熱電変換材料シート31とn型熱電変換材料シート32とを組み合わせて積層することによって大判積層体を形成する。p型熱電変換材料シート31とn型熱電変換材料シート32とはそれぞれ複数個の熱電変換素子に相当する広い面積のシートである。大判積層体は、複数個の熱電変換素子に相当する大きなサイズの積層体である。大判積層体の厚み方向の中間部においては、p型とn型とが交互に積層されているが、最上部および最下部においては、p型とn型とが交互ではなく、p型熱電変換材料シート31が繰返し重ねられている。
図8では、p型熱電変換材料シート31とn型熱電変換材料シート32とでは厚みが大きく異なっている。これは、両者で異なる組成の材料が用いられていることに起因して両者の電気抵抗率が異なるので、素子全体としてp型部分とn型部分とで電気抵抗値を均一にするためである。p型とn型との間で、電気抵抗率が高い材料の層は厚く形成し、電気抵抗率が低い材料の層は薄く形成する。
こうして得られる大判積層体の内部には、ミアンダ状の電気的接続のルートが複数含まれている。
大判積層体の最上面および最下面に重ねられるp型熱電変換材料シート31の外側を向く表面には、温度差から発電される電気を出力するための外部電極または外部電極予定領域が、複数個の積層型熱電変換素子に相当するように配列されて形成されている。
大判積層体を、個別の積層型熱電変換素子のサイズに分割する。分割の作業はダイシングソーなどの公知技術によって行なえばよい。こうして分割した積層体は未焼成であるので、グリーン体と呼ばれる。この後、バリ取りのためにグリーン体に対してバレル研磨が行なわれる。その後、焼成が行なわれる。こうして、焼成体が得られる。あるいは、バレル研磨と焼成との順序は逆にしてもよい。すなわち、グリーン体を先に焼成した後に、バリ取りのためにバレル研磨を行なってもよい。
(実験)
以下では、本発明の効果を検証するために行なわれた実験について説明する。
p型熱電変換材料の出発原料として、金属Ni粉末、金属Mo粉末を用意した。一方、n型熱電変換材料の出発原料として、La23、SrCO3、TiO2を用意した。これらの出発原料を用いて、p型、n型の熱電変換材料を以下の組成となるように秤量した。
p型の組成は、次のとおりである。
Ni0.9Mo0.120wt%+(Sr0.965La0.035)TiO380wt%
n型の組成は、次のとおりである。
(Sr0.965La0.035)TiO3
n型は原料粉末に純水を溶媒として16時間にわたってボールミル混合を行なった。得られたスラリーを乾燥させ、その後大気中で1300℃で仮焼きを行なった。得られたn型の粉末と、p型の粉末原料とに対して、それぞれ5時間にわたってボールミル粉砕を行なった。得られた粉末に有機溶媒、バインダなどを添加してさらに16時間にわたって混合し、得られたスラリーをドクターブレード法でシート状に成形した。こうしてp型およびn型の熱電変換材料シートが得られた。
一方、絶縁層の材料として、Zr0.970.032粉末、ワニス、溶剤を混合し、ロール機でペーストとして作製した。これを「絶縁ペースト」と呼ぶものとする。
得られたp型およびn型の熱電変換材料シート上に、作製した絶縁ペーストを図9に示したパターンで、厚み10μmとなるよう印刷した。図9において太ハッチングを付した部分が絶縁ペーストに覆われた部分を意味する。こうしてp型およびn型の熱電変換材料シートの表面に部分的に覆いかぶさるように絶縁層が形成された。最外層となる予定の1対のp型の熱電変換材料シート31xにおいては、絶縁層は形成されておらず、図10に示したパターンで、Niペーストを厚み10μmとなるよう印刷した。図10において細ハッチングを付した部分がNiペーストに覆われた部分を意味する。NiペーストはのちにNi膜となるものである。ここでは、Ni膜を以て外部電極とする。
実施例1として、これらのp型およびn型の熱電変換材料シートを図8に示すように組み合わせて積層した後、仮圧着を行なった。最上層および最下層の近傍には絶縁層が形成されていないp型熱電変換材料シートが繰返し重ねられている。
仮圧着された積層体の内部の構成は、外部電極となる予定のNiペースト層を含むp型熱電変換材料層の厚みが120μm、絶縁層が形成されたp型熱電変換材料層の厚みが30μm、絶縁層が形成されたn型熱電変換材料層の厚みが140μmである。素子の内部にはp型、n型の対が50対形成されるように積層した。
切断した積層体に対して、等方静水圧プレス法にて180MPaで圧着を行ない、成形体を得た。この成形体を所定の大きさにダイシングソーで切断し、グリーン体を得た。
得られた成形体に対して、大気中で270℃で脱脂を行なった。その後、酸素分圧10-10〜10-15MPaの還元雰囲気中で1200〜1300℃で焼成を行なうことによって、焼成体を得た。印刷されていたNiペースト膜は焼成されてNi膜となった。得られた焼成体に対して、湿式バレル研磨にてバリ取り処理を行なった。このときのバレル研磨によるエッジ部の除去量は100μmであった。
その後、電解Niめっきを施した。外部電極を形成すべき2面以外の4面を研磨して余分なNi膜を除去した。こうして2面のみに外部電極を備えた積層型熱電変換素子を作製した。
比較例として、p型およびn型の熱電変換材料シートを図11に示すように組み合わせて積層したものに対して、同様に各工程を行なって積層型熱電変換素子を作製した。
実施例1および比較例として各10個の試料を作成し、電気抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0005920537
表1に示すように、実施例1の試料がいずれも電気抵抗が低くなっているのに対して、比較例の試料は電気抵抗がいずれも高く、中には100Ω以上となってしまっているものもある。
この実験の結果から、少なくとも電気抵抗に関しては、本発明を適用した実施例1の方が比較例より優れていることが明らかである。したがって、本発明を適用して、端面に近いいわゆる外層の厚みを厚くすることで、バレル研磨を経た後の状態においても積層型熱電変換素子の電気抵抗を低く維持することが可能となり、絶縁不良を防止できることが実証された。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明は、積層型熱電変換素子に利用することができる。
1 吸熱面、2 放熱面、3 第1端面、4 第2端面、5 第1側面、11 p型熱電変換材料層、11a,11b 層、12 n型熱電変換材料層、12a,12b 層、13 絶縁層、14 外部電極、21 領域、22a,22b 部分、23a,23b 長さ、31 p型熱電変換材料シート、31x (最外層となる)p型熱電変換材料シート、32 n型熱電変換材料シート、81 第1の側、82 第2の側、90 矢印、91 外形線、100 (従来技術に基づく)積層型熱電変換素子、101,102,103,104 積層型熱電変換素子。

Claims (3)

  1. 互いに対向する第1端面および第2端面と、
    前記第1端面の第1の側の端から前記第2端面の前記第1の側の端に至るように位置する吸熱面と、
    前記第1端面の前記第1の側とは反対側である第2の側の端から前記第2端面の前記第2の側の端に至り、かつ、前記吸熱面に対向するように位置する放熱面とを有する積層型熱電変換素子であり、
    前記吸熱面と前記放熱面とをつなぐ第1側面の側から見たとき、
    p型熱電変換材料層とn型熱電変換材料層とが絶縁層を部分的に介在させることによって交互にミアンダ状に電気的接続されつつ積層されており、
    中間部では、前記p型熱電変換材料層はp型基本厚みを有するものが積層されており、前記n型熱電変換材料層はn型基本厚みを有するものが積層されており、
    前記第1端面および前記第2端面のいずれかから最も近い位置にある前記絶縁層よりも外側にある前記p型熱電変換材料層または前記n型熱電変換材料層の厚みは、同型の熱電変換材料層の基本厚みに比べて大きくなっている、積層型熱電変換素子。
  2. kを2以上の整数としたとき、前記第1端面および前記第2端面のいずれかから中央に向かって数えて第k番目の前記絶縁層よりも外側にある前記p型熱電変換材料層または前記n型熱電変換材料層の厚みはいずれも、同型の熱電変換材料層の基本厚みに比べて大きくなっている、請求項1に記載の積層型熱電変換素子。
  3. 前記第1端面および前記第2端面の近傍において前記p型熱電変換材料層または前記n型熱電変換材料層の厚みが同型の熱電変換材料層の基本厚みに比べて大きくなっている部分では、前記p型基本厚みの前記p型熱電変換材料層または前記n型基本厚みの前記n型熱電変換材料層を、同型のもの同士で繰返し重ねることによって厚くなっている、請求項1または2に記載の積層型熱電変換素子。
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