JP5007748B2 - 熱電変換モジュールおよび熱電変換モジュールの製造方法 - Google Patents

熱電変換モジュールおよび熱電変換モジュールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱電変換モジュールおよび熱電変換モジュールの製造方法に関する。
近年、熱を電気に変換する熱電変換の技術が進歩している。特に、近年、地球温暖化防止のため、二酸化炭素の削減が重要な課題となるに至り、熱を直接電気に変換することが可能な熱電変換モジュールが、有効な廃熱利用技術の一つとして着目されている。
このような熱電変換モジュールの一つに、複数のn型熱電変換材料層と、複数のp型熱電変換材料層とを、pn接合部が複数直列に配置されるように、蛇行形状(つづら折り形状)に配設した熱電変換素子部を、絶縁層を介して複数積層し、各pn接合部に生じる熱起電力の総和を取り出すことができるように構成された熱電変換モジュールがある(特許文献1の図1,図2参照)。
そして、このような熱電変換モジュールは、例えば、以下に説明するような方法で製造されている。
まず、図8(a),(b)に示すように、所定の厚み(例えば50μm)の絶縁体グリーンシート51の主面に、n型熱電変換材料層形成用のNiペーストと、p型熱電変換材料層形成用のCuペーストを、それぞれ所定の幅(例えば150μm)、および印刷厚み(例えば20μm)で印刷することにより形成された、p型熱電変換材料層(パターン)52およびn型熱電変換材料層(パターン)53を備えた熱電構成体シート55を用意する。
それから、熱電構成体シート55を図9に示すように積層した後、圧着し,得られる未焼成の積層体54aを焼成する。
これにより、絶縁層51を介してp型熱電変換材料層52とn型熱電変換材料層53とが直列接続されてなる熱電変換素子部58が配設された熱電構成体55が複数積層された構造を有する焼結済みの積層体54(図10)が得られる。
そして、図10に示すように、焼成済みの積層体54に、熱電変換素子部58(図8)と導通するように外部電極57a,57bを形成する。
このようにして得られる熱電変換モジュール60(図10)は、上記絶縁体グリーンシート51が焼成されてなる絶縁層の主面が垂直で、例えば、端面56a側が高温側,端面56b側が低温側となるよう態様で配設されて使用される。
ところで、上述のように構成された熱電変換モジュール60において、その単位面積(製品の平面面積)あたりの出力を高めるためには、熱電変換モジュールにおける、熱電変換材料の占有率(熱電変換モジュールに生じさせる温度差方向に垂直な面において熱電変換材料が占める面積の割合)を増大させることが必要になる。そして、そのためには、p型およびn型の熱電変換材料の厚みを、絶縁層の厚みとの関係において大きくすることが必要になる。
しかしながら、上記特許文献1の場合のように、絶縁体グリーンシート上にp型熱電変換材料パターンおよびn型熱電変換材料パターンを形成したシートを積層する方法の場合、p型およびn型熱電変換材料パターンの厚みを厚くすると、積層、圧着の工程で積みずれや変形が生じやすく、特に、p型熱電変換材料パターンおよびn型熱電変換材料パターンの厚みを絶縁体グリーンシートよりも厚くした場合、積みずれや変形が生じやすく、事実上、熱電変換材料層の厚みを絶縁層の厚みのよりも厚くすることはできないのが実情であった。
特開平11−177154号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、熱電変換材料の占有率を高めるため、p型熱電変換材料層およびn型熱電変換材料層の厚みを厚くした場合にも、積みずれや変形が生じず、小型で出力や起電力の高い熱電変換モジュール、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明(請求項1)の熱電変換モジュールは、
複数の熱電構成体が積層された積層体を有する熱電変換モジュールであって、
前記熱電構成体は、絶縁層と、前記絶縁層の同一面上にp型熱電変換材料層とn型熱電変換材料層とが直列接続となるように配設された熱電変換素子部を備えているとともに、
前記熱電変換素子部を構成するp型熱電変換材料層とn型熱電変換材料層の周囲の、積層方向に隣り合う絶縁層に挟まれた領域には、前記熱電変換素子部と、その周囲との段差を解消するための段差解消用絶縁材料層が配設されていること
を特徴としている。
また、本発明の熱電変換モジュールにおいては、複数のp型熱電変換材料層と、複数のn型熱電変換材料層とが、交互に電気的に直列接続となるように配設されて蛇行形状の熱電変換素子部を構成していることが望ましい。
また、本発明の熱電変換モジュールにおいては、熱電変換素子部を構成するp型熱電変換材料層およびn型熱電変換材料層の厚みを、絶縁層の厚みよりも厚くすることが望ましい。
また、段差解消用絶縁材料層としては、絶縁層を構成する絶縁材料と同一組成または類似した組成の材料からなるものであることが望ましい。
また、本発明の熱電変換モジュールの製造方法は、
絶縁体グリーンシートの主面の同一面上に、p型熱電変換材料パターンとn型熱電変換材料パターンとを直列接続となるように配設して、焼成後に熱電変換素子部となる熱電変換素子部パターンを形成する工程と、
前記絶縁体グリーンシートの主面の、前記p型熱電変換材料と前記n型熱電変換材料とが形成されていない領域に、前記p型熱電変換材料パターンおよび前記n型熱電変換材料パターンの表面と、前記絶縁体グリーンシートの主面との段差が実質的になくなるように、段差解消用絶縁材料を付与して熱電構成体シートを形成する工程と、
前記熱電構成体シートを複数枚積層、圧着して積層体を形成する工程と、
前記積層体を焼成する工程と
を具備することを特徴としている。
また、本発明の熱電変換モジュールの製造方法においては、複数のp型熱電変換材料パターンと、複数のn型熱電変換材料パターンとを、交互に電気的に直列接続となるように配設して蛇行形状を有する熱電変換素子部パターンを形成することが望ましい。
また、本発明の熱電変換モジュールの製造方法においては、p型熱電変換材料パターンとn型熱電変換材料パターンの厚みを、絶縁体グリーンシートの厚みよりも厚くすることが望ましい。
また、段差解消用絶縁材料として、絶縁体グリーンシートを構成する絶縁材料と同一組成または類似した組成の材料を用いることが望ましい。
上記課題を解決するために、本発明(請求項1)の熱電変換モジュールにおいては、熱電変換素子部を構成するp型熱電変換材料層とn型熱電変換材料層との周囲の、積層方向に隣り合う絶縁層に挟まれた領域に、熱電変換素子部と、その周囲との段差を解消するための段差解消用絶縁材料層を配設するようにしているので、積みずれや変形が生じることなく、p型熱電変換材料層およびn型熱電変換材料層の厚みを厚くすることができる。その結果、熱電変換材料の占有率を向上させることが可能になり、小型で出力が大きく、起電力の高い熱電変換モジュールを提供することが可能になる。
複数のp型熱電変換材料層と、複数のn型熱電変換材料層とが、交互に電気的に直列接続となるように配設されて蛇行形状の熱電変換素子部を構成するようにした場合、絶縁層上への熱電変換素子部の配設密度(配線密度)を向上させて、熱電変換材料の占有率を高めることが可能になり、さらに出力が大きい熱電変換モジュールを得ることが可能になる。
また、本発明においては、p型熱電変換材料層およびn型熱電変換材料層の厚みを厚くしても積みずれや変形が生じることがないため、熱電変換素子部を構成するp型熱電変換材料層およびn型熱電変換材料層の厚みを、絶縁層の厚みよりも厚くすることが可能であり、その場合には、さらに小型、高性能の熱電変換モジュールを得ることが可能になる。
また、前記段差解消用絶縁材料層として、絶縁層を構成する絶縁材料と同一組成または類似した組成の材料からなるものを用いるようにした場合、原材料の種類を減らして、製造プロセスを簡略化することが可能になるとともに、焼成工程における膨張収縮挙動の差異による層間剥離などの不具合の発生を抑制して、信頼性の高い熱電変換モジュールを効率よく製造することが可能になる。
また、本発明の熱電変換モジュールの製造方法によれば、絶縁体グリーンシートの主面の、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料とが形成されていない領域に、段差解消用絶縁材料を付与して、段差部がなく、厚みがほぼ均一な熱電構成体シートを形成し、これを積層して積層体を形成するようにしているので、p型熱電変換材料層およびn型熱電変換材料層の厚みを厚くしても積みずれや変形を生じることがなく、本発明の熱電変換モジュールを効率よく、しかも確実に製造することができる。
また、複数のp型熱電変換材料層と、複数のn型熱電変換材料層とを、交互に電気的に直列接続となるように配設して蛇行形状の熱電変換素子部を構成するようにした場合、絶縁層上への熱電変換素子部の配設密度(配線密度)を向上させて、熱電変換材料の占有率を高めることが可能になり、さらに出力が大きい熱電変換モジュールを得ることが可能になる。
また、絶縁シートの主面に配設されるp型熱電変換材料パターンとn型熱電変換材料パターンの厚みを、絶縁体グリーンシートの厚みよりも厚くすることにより、熱電変換素子部を構成するp型熱電変換材料層およびn型熱電変換材料層の厚みが、絶縁層の厚みよりも厚く、より小型、高性能の熱電変換モジュールを製造することが可能になる。
また、段差解消用絶縁材料として、絶縁体グリーンシートを構成する絶縁材料と同一組成または類似した組成の材料を用いるようにした場合、原材料の種類を減らして、製造プロセスを簡略化することが可能になるとともに、焼成工程における膨張収縮挙動の差異による層間剥離などの不具合の発生などを抑制して、信頼性の高い熱電変換モジュールを効率よく製造することが可能になる。
本発明の一実施例にかかる熱電変換モジュールを示す斜視図である。 図1の熱電変換モジュールのA−A線断面図である。 本発明の一実施例にかかる熱電変換モジュールを構成する熱電構成体を示す図である。 本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一工程で絶縁体グリーンシート上にp型熱電変換材料を印刷した状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は断面図である。 本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一工程で、絶縁体グリーンシート上にn型熱電変換材料を印刷して、熱電変換素子部を形成した状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は断面図である。 本発明の熱電変換モジュールの製造方法の一工程で、絶縁体グリーンシートの、p型およびn型熱電変換材料の印刷されていない領域に、段差解消用絶縁材料(絶縁体ペースト)を印刷することにより形成した熱電構成体を示す図であって、(a)は平面図、(b)は断面図である。 図6に示す熱電構成体を積層して形成した未焼成の積層体を示す図である。 従来の熱電変換モジュールを構成する、熱電構成体を模式的に示す図であって、(a)は平面図、(b)は断面図である。 従来の熱電変換モジュールの製造工程において、図8に示す熱電構成体を積層して、積層体を形成した状態を示す図である。 従来の熱電変換モジュールを示す斜視図である。
1 熱電構成体
1a 未焼成の熱電構成体
2 絶縁層
2a 絶縁体グリーンシート
3 p型熱電変換材料層
3a p型熱電変換材料(銅ペースト)
4 n型熱電変換材料層
4a n型熱電変換材料(コンスタンタンペースト)
5 熱電変換素子部
5a 熱電変換素子部パターン
6 段差解消用絶縁材料層
6a 段差解消用絶縁材料(絶縁体ペースト)
7a,7b 外部電極
8a 第1引出し部
8b 第2引出し部
10 積層体
10a 未焼成の積層体
11a,11b 積層体の両端面
20 熱電変換モジュール
R 積層方向に隣り合う絶縁層に挟まれた領域
以下に本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は本発明の一実施例にかかる熱電変換モジュールを示す斜視図、図2は図1のA−A線断面図,図3は熱電変換モジュールを構成する熱電構成体を示す図である。
図1〜3に示すように、この熱電変換モジュール20は、熱電構成体1(図3)を複数枚積層することにより形成された積層体10の、互いに対向する両端面11a,11bに一対の外部電極7a,7bが配設された構造を有している。
熱電構成体1は、図3に示すように、絶縁層2と、絶縁層2の表面に形成された、複数のp型熱電変換材料層3と、複数のn型熱電変換材料層4とを備えており、複数のp型熱電変換材料層3と、複数のn型熱電変換材料層4とは、交互に電気的に直列に接続されて蛇行形状を有する熱電変換素子部5を構成している。
そして、この熱電変換モジュール20において、熱電変換素子部5を構成するp型熱電変換材料層3とn型熱電変換材料層4の周囲の、積層方向に隣り合う絶縁層2に挟まれた領域R(図2,3)には、熱電変換素子部5と、その周囲との段差を解消するための段差解消用絶縁材料層6(図2)が配設されている。
また、熱電変換モジュール20を構成する熱電構成体1は、蛇行形状を有する熱電変換素子部5の一端から絶縁層2の端部まで、および熱電変換素子部5の他端から絶縁層2の端部までを電気的に接続する第1引出し部8aおよび第2引出し部8bを備えている。
そして、上述の外部電極7a,7bは、第1引出し部8aと第2引出し部8bとに対してそれぞれ個別に電気的に接続されている。
[製造方法]
次に、この実施例の熱電変換モジュールの製造方法について説明する。
<絶縁体グリーンシートの作製>
(1)BaCO3、Al23、およびSiO2を所定の配合比となるように秤量した絶縁体原料を、ジルコニアボールをメディアとして、ボールミルにて20時間湿式粉砕を行った。
(2)この混合物を850〜950℃で仮焼し、湿式粉砕した後、有機バインダを加えて混練し、ドクターブレード法によってシート状に成形し、厚み25μmの絶縁体グリーンシートを得た。
<段差解消用絶縁材料(絶縁体ペースト)の調製>
(1)上述の絶縁体グリーンシートを作製する場合と同じく、BaCO3、Al23、およびSiO2を所定の配合比で秤量した絶縁体原料を、ジルコニアボールをメディアとして、ボールミルにて20時間湿式粉砕を行った。
(2)それから、この混合物を850〜950℃で仮焼し、湿式粉砕してスラリーとした。
(3)得られたスラリーを乾燥機で乾燥し、ワニス、溶剤を加え、3本ロールミルで混練し、絶縁体ペーストを作製した。
この絶縁体ペーストを構成する絶縁材は、上述の絶縁体グリーンシートを構成する絶縁材と同じ組成のものである。
<p型およびn型熱電変換材料(熱電変換材料ペースト)の作製>
p型熱電変換材料として銅金属粉末、n型熱電変換材料としてコンスタンタン金属粉末を準備し、それぞれ所定量のワニス、溶剤を加え、3本ロールミルにて混練することにより、銅ペーストとコンスタンタンペーストを作製した。
この銅ペーストとコンスタンタンペーストを、印刷し、焼成することにより、p型熱電変換材料層と、n型熱電変換材料層が形成されることになる。
<絶縁体グリーンシートへの熱電変換材料パターンの形成>
(1)まず、絶縁体グリーンシートを所定のサイズに打ち抜き、図4(a),(b)に示すように、絶縁体グリーンシート2a上に、p型熱電変換材料(銅ペースト)3aを塗布した。
(2)次に、図5(a),(b)に示すように、n型熱電変換材料(コンスタンタンペースト)4aを、25対のpn接合が直列に配列されるようにスクリーン印刷して、蛇行形状を有する熱電変換素子部パターン5aを形成した。
なお、熱電変換材料である、銅ペーストとコンスタンタンペーストの印刷厚みは、20、40、60μmの3水準の厚みとし、複数回重ねて印刷するなどの方法で、所定の厚みとした。
(3)次に、図6(a),(b)に示すように、絶縁体グリーンシート2aの、銅ペースト3aとコンスタンタンペースト4aが塗布されていない領域Rに、上述のようにして調製した段差解消用絶縁材料(絶縁体ペースト)6aを、銅ペースト3aとコンスタンタンペースト4aの塗布によって生じた段差をなくするようにスクリーン印刷して、未焼成の熱電構成体1aを形成した。
<積層体の作製、焼成、外部電極の形成>
(1)それから、得られた熱電構成体1aを所定枚数(この実施例では20枚)積層し、圧着することにより、未焼成の積層体10aを作製した(図7)。
(2)その後、この積層体10aを980℃で0.5時間、還元雰囲気中で焼成した。
(3)そして、焼成後の積層体10の両端面11a,11bに、銀粉末を導電成分とする導電性ペーストを塗布し、焼き付けることにより、出力電力の取り出し用の外部電極7a,7bを形成した。これにより、図1〜3に示すような熱電変換モジュール20が得られる。
なお、比較のため、段差解消用絶縁材料(絶縁体ペースト)を、銅ペーストとコンスタンタンペーストの塗布によって生じた段差をなくするように印刷することをせず、その他は上記実施例の場合と同様にして、比較例の熱電変換モジュールを作製した。
[評価]
上述のようにして作製した熱電変換モジュールを試料として、積みずれの状態、単位面積あたりの出力の大きさを以下の方法で評価した。
<積みずれの評価方法>
温度差が生じている方向に平行な面を研磨し、内部の熱電変換材料の積みずれの状態を顕微鏡により調べた。
<出力の評価方法>
作製した各試料(熱電変換モジュール)の一方側の面(高温部)を、ヒーターを熱源として加熱するとともに、他方側の面(低温部)を水冷チラーにより冷却し、高温部と低温部を形成することにより、熱電変換モジュールに温度差を与える。その状態で熱電変換モジュールの外部電極7a,7b(図1)にプローブをあて、最大出力(Wmax)の測定を行った。
上述のようにして行った評価結果を表1に示す。
Figure 0005007748
なお、表1において、積層状態の良否は、特性を損なう積みずれが生じたものを不良(×)、そのような積みずれの生じていないものを良(○)として評価した。
表1に示すように、段差解消用絶縁材料(絶縁体ペースト)を印刷しなかった試料番号1〜3の比較例の試料の場合、p型およびn型熱電変換材料の印刷厚みが絶縁体グリーンシートの厚み(25μm)より薄い、20μmの場合(試料番号1)には、積みずれの発生は認められなかったが、p型およびn型熱電変換材料の印刷厚みが、絶縁体グリーンシートの厚み(25μm)より厚い、40μm、60μmになると(試料番号2および3)、積みずれが発生し、出力の評価を行うことができない状態となった。
これに対し、段差解消用絶縁材料(絶縁体ペースト)を印刷した本発明の実施例にかかる、試料番号4〜6の試料の場合、いずれも、積みずれは発生せず、p型およびn型熱電変換材料の印刷厚みを40μmとした試料5の試料の場合、16.7mW/cm2の出力が得られ、また、p型およびn型熱電変換材料の印刷厚みを60μmとした試料6の試料の場合、28.4mW/cm2の出力が得られることが確認された。
なお、p型およびn型熱電変換材料の印刷厚みが絶縁体グリーンシートの厚みより薄い、20μmの場合には、段差解消用絶縁材料を印刷していない試料番号1の試料、および、段差解消用絶縁材料を印刷した試料番号4の試料のいずれの場合にも、積みずれの発生は認められなかったが、熱電変換材料の印刷厚みが20μmと薄いため、得られる出力が小さかった。
したがって、十分な出力を得ようとすると熱電変換材料の印刷厚みを厚くすることが必要になり、その場合には、段差解消用絶縁材料を印刷しない従来の構成(試料番号2および3)では、積みずれが生じ、所望の出力を得ることが可能な熱電変換モジュールは得られなくなるが、段差解消用絶縁材料を印刷した本発明の実施例の試料(試料番号5および6)の場合には、熱電変換材料の印刷厚みを厚くしても積みずれが生じず、出力の大きい熱電変換モジュールを得ることができて有意義である。
なお、上記実施例では、p型およびn型熱電変換材料層を直列に接続してなる熱電変換素子部を蛇行形状とした場合を例にとって説明したが、熱電変換素子部の形状は、他の形状とすることも可能である。
また、上記実施例では、段差解消用絶縁材料層を構成する絶縁材料が、絶縁層を構成する絶縁材料と同一組成の材料からなるものである場合を例にとって説明したが、段差解消用絶縁材料層を構成する絶縁材料として、絶縁層を構成する絶縁材料とは異なる絶縁材料を用いることも可能である。
本発明は、さらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、p型およびn型熱電変換材料の種類、熱電構成体の積層数、焼成条件などの製造時の具体的な条件その他に関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本発明によれば、熱電変換材料の占有率を高めるために、p型熱電変換材料層およびn型熱電変換材料層の厚みを厚くした場合にも、積みずれや変形が生じず、小型で出力や起電力の高い熱電変換モジュールを得ることが可能になる。
したがって、本発明は、熱を直接電気に変換するための熱電変換発電装置として、廃熱の発生する種々の分野で有効に利用することが可能である。

Claims (8)

  1. 複数の熱電構成体が積層された積層体を有する熱電変換モジュールであって、
    前記熱電構成体は、絶縁層と、前記絶縁層の同一面上にp型熱電変換材料層とn型熱電変換材料層とが直列接続となるように配設された熱電変換素子部を備えているとともに、
    前記熱電変換素子部を構成するp型熱電変換材料層とn型熱電変換材料層の周囲の、積層方向に隣り合う絶縁層に挟まれた領域には、前記熱電変換素子部と、その周囲との段差を解消するための段差解消用絶縁材料層が配設されていること
    を特徴とする熱電変換モジュール。
  2. 複数の前記p型熱電変換材料層と、複数の前記n型熱電変換材料層とが、交互に電気的に直列接続となるように配設されて蛇行形状の熱電変換素子部を構成していることを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュール。
  3. 前記熱電変換素子部を構成するp型熱電変換材料層およびn型熱電変換材料層の厚みが、前記絶縁層の厚みよりも厚いことを特徴とする請求項1または2記載の熱電変換モジュール。
  4. 前記段差解消用絶縁材料層が、前記絶縁層を構成する絶縁材料と同一組成または類似した組成の材料からなるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
  5. 絶縁体グリーンシートの主面の同一面上に、p型熱電変換材料パターンとn型熱電変換材料パターンとを直列接続となるように配設して、焼成後に熱電変換素子部となる熱電変換素子部パターンを形成する工程と、
    前記絶縁体グリーンシートの主面の、前記p型熱電変換材料と前記n型熱電変換材料とが形成されていない領域に、前記p型熱電変換材料パターンおよび前記n型熱電変換材料パターンの表面と、前記絶縁体グリーンシートの主面との段差が実質的になくなるように、段差解消用絶縁材料を付与して熱電構成体シートを形成する工程と、
    前記熱電構成体シートを複数枚積層、圧着して積層体を形成する工程と、
    前記積層体を焼成する工程と
    を具備することを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
  6. 複数の前記p型熱電変換材料パターンと、複数の前記n型熱電変換材料パターンとを、交互に電気的に直列接続となるように配設して蛇行形状を有する熱電変換素子部パターンを形成することを特徴とする請求項5記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  7. 前記p型熱電変換材料パターンと前記n型熱電変換材料パターンの厚みを、絶縁体グリーンシートの厚みよりも厚くすることを特徴とする請求項5または6記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  8. 前記段差解消用絶縁材料として、前記絶縁体グリーンシートを構成する絶縁材料と同一組成または類似した組成の材料を用いることを特徴とする請求項5〜7記載の熱電変換モジュールの製造方法。
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