JP2010222170A - 積層圧電セラミックス体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 焼結後に反りや、変形などを小さくした焼結体が得られる積層圧電セラミックス体の製造方法を提供する。
【解決手段】 内部導体層3に用いることができる導体ペーストを用いて、積層体4の上下面にペースト膜6を形成し、そのペースト膜6で覆われた積層体4aを乾燥して焼結することで、その焼結体に生じる反りと変形とを低減した積層圧電セラミックス体にできる。また、本発明のペースト膜6で覆われた脱バインダー体を800℃以上、950℃以下の温度で予焼して予焼体7aにし、予焼体7aの上面と下面とを反転させて焼結することで、焼結体5aに生じる反りと変形とをさらに低減した積層圧電セラミックス体にできる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、セラミックス層と内部導体層とを積層し、焼結してなる圧電アクチュエータ等となる積層圧電セラミックス体の製造方法に関する。
積層圧電セラミックス体は、電気信号に応じて伸縮動作を行う圧電アクチュエータや、電気信号に応じて音を発する圧電ブザーなどの電子部品として使用されている。
特に、圧電駆動式の圧電アクチュエータは、磁力を用いた電磁駆動式のアクチュエータと比較して高速な応答性や、高精度な位置決め性を有し、更に小型モジュール化に適した長所を生かして、デジタルカメラのオートフォーカス等の小形で高速、高精度な動作が求められる用途等に広く用いられている。
近年、圧電アクチュエータに対してユーザーからは、更に高精度な位置決めできるものが強く要求されている。
ゆえに、高精度な位置決めを実現するため、積層圧電セラミックス体の寸法精度を向上する必要がある。
特に、圧電駆動式の圧電アクチュエータは、磁力を用いた電磁駆動式のアクチュエータと比較して高速な応答性や、高精度な位置決め性を有し、更に小型モジュール化に適した長所を生かして、デジタルカメラのオートフォーカス等の小形で高速、高精度な動作が求められる用途等に広く用いられている。
近年、圧電アクチュエータに対してユーザーからは、更に高精度な位置決めできるものが強く要求されている。
ゆえに、高精度な位置決めを実現するため、積層圧電セラミックス体の寸法精度を向上する必要がある。
図3は、従来の圧電アクチュエータを説明する図で、図3(a)は、積層体の斜視図で、図3(b)は、焼結体の斜視図で、図3(c)は、積層圧電セラミックス体の斜視図で、図3(d)は、圧電アクチュエータの斜視図である。
圧電縦効果を有する圧電アクチュエータ10は、焼結して圧電特性を有する圧電セラミックス粉末にバインダーを添加し、これを溶剤中に分散させてスラリーにし、このスラリーを用いてキャスティング成膜法等によりセラミックス層2となるグリーンシートを作製し、その一部グリーンシートの上面に導電性の金属膜となる導体ペーストを用いてスクリーン印刷法により内部導体層3を形成している。
そのセラミックス層2と上面に内部導体層3を有したセラミックス層2とを所望する積層構造となるように複数積層し、その積層したものを熱プレス法によって一体化して積層体4にしている。
そのセラミックス層2と上面に内部導体層3を有したセラミックス層2とを所望する積層構造となるように複数積層し、その積層したものを熱プレス法によって一体化して積層体4にしている。
次に、その積層体4を熱分解して脱バインダー体にし、その脱バインダー体を焼結して焼結体5にし、その焼結体5を所望の大きさに切断して内部導体層3が露出した電歪材料積層体である積層圧電セラミックス体1にしている。
次に、電気泳動法を用いて電歪材料積層体の内部導体層3が露出した面に電気絶縁性の絶縁膜11を形成し、その面の絶縁膜11で覆われていない内部導体層3が接続できる外部電極12を設け、その外部電極12に導電性の外部端子13が接続されている。
このような圧電アクチュエータ10は、例えば、特許文献1に開示されている。
次に、電気泳動法を用いて電歪材料積層体の内部導体層3が露出した面に電気絶縁性の絶縁膜11を形成し、その面の絶縁膜11で覆われていない内部導体層3が接続できる外部電極12を設け、その外部電極12に導電性の外部端子13が接続されている。
このような圧電アクチュエータ10は、例えば、特許文献1に開示されている。
また、複数のセラミックスを積層した構造の積層セラミックス基板として、焼結温度が異なる複数の絶縁体のセラミックス基板用組成物を層状に積層することにより、焼結後の積層面方向の収縮率を厚み方向の収縮率よりも小さくすることでうねりが少ないセラミックス基板の提案がされている。
このような積層セラミックス基板は、例えば、特許文献2に開示されている。
このような積層セラミックス基板は、例えば、特許文献2に開示されている。
さらに、セラミックス層と導体層とを積層した構造のセラミック部品として、フィルタ回路となる層状のセラミックス層と導体層とを挟んで十分な面積を有する二層以上のシールド層を上下面に内蔵するように配置することにより、焼結時の収縮のミスマッチを緩和させ、積層間における剥離や、クラック、変形などのない積層セラミック部品とその製造方法が提案されている。
このような積層セラミック部品は、例えば、特許文献3に開示されている。
このような積層セラミック部品は、例えば、特許文献3に開示されている。
図4は、積層圧電セラミックス体の焼結体に生じる反りと変形とを説明する図で、図4(a)は側面図で、図4(b)は上面図である。
図3に示したような従来の積層圧電セラミックス体1の焼結体5では、図4に示すように反りと変形とが生じる。通常は、図4(a)に示すように、弓状に曲がった中央付近の下底面と上端部との厚さAと中央での焼結体5の厚さBを引いた差を反りと、図4(b)に示すように、上下面の中心に向かって側面が弓状に窪んだ側面端部と側面中央部との差C1、C2、C3、C4の平均を変形として取り扱われている。通常は、図4に示すように反りと変形が生じると言う問題があり、積層圧電セラミックス体の寸法精度向上を阻害する要因の一つとなっている。
例えば、下面に厚み25μのセラミックス層2を14層積層し、その上に厚み2μmの内部導体層3が印刷された厚み25μmのセラミックス層2を70層積層し、上面に厚み25μのセラミックス層2を15層積層し、熱プレス法により積層間を密着させて一体化して幅60mm、長さ60mm、高さ2.6mmの長方体の積層体4にし、その積層体4を大気雰囲気中450℃までの温度で熱分解し、大気雰囲気中1100℃の温度で焼結してできる特許文献1の積層圧電セラミックス体1では、反りが平均で約300μm以上生じ、変形が一辺あたりの平均で約0.50mm以上生じていると言う問題がある。なお、上述した積層圧電セラミックス体1のセラミックス層2は、PZTのチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrTiO3)で、内部導体層3は、銀(Ag)70wt%、パラジウム(Pd)30wt%となる金属合金である。
したがって、高い寸法精度が要求される積層圧電セラミックス体では、その要求を実現するために焼結体の外面に研磨加工や、切断加工などを行うことで対応している。
そのため、研磨加工等が必要な焼結体には、予め研磨して取り除くための余分な除去しろを有するように設計がなされているが、除去しろの部分のセラミックスは再生利用が困難なため、その除去しろの部分が大きいと無駄にするセラミックスの量が増えると言う問題がある。また、除去しろ部分が大きいと除去しろを取り除くための研磨加工に長い時間がかかると言う問題、さらに、除去しろを取り除くことによって寸法の基準点や、基準面が変化し、結果として寸法精度を狂わしてしまうと言う問題がある。
また、反りや変形が想定以上に大きくなると、要求される寸法範囲に収まらなくなると言う不具合を生じ、結果として製品歩留まりが低下すると言う問題もある。
また、特許文献2で示された焼結温度が異なる複数のセラミックス基板用組成物を層状に積層する積層セラミックス基板での構成は、圧電アクチュエータとして機能させる積層圧電セラミックス体に適用するには、未だ技術的な問題があって適用できないと言う問題がある。
さらに、特許文献3で示された層状のセラミックス層と導体層とを挟んで十分な面積を有する二層以上のシールド層を上下面に内蔵するように配置した積層セラミック部品の製造方法では、現在要求されている積層圧電セラミックス体の反りや変形対策として不十分であると言う問題がある。
本発明は、焼結後に反りや変形などを小さくできる積層圧電セラミックス体の製造方法を提供することを目的とする。
発明者は、図4に示した焼結体の外面に生じる反りや、変形の仕方に着目し、積層体に含まれるバインダーや結着剤、溶剤などの熱分解具合と焼結時の積層体の収縮具合とに何らかの違いがあると推測した。
上述した課題を解決するため発明者は、積層体に含まれるバインダーと溶剤の熱分解や蒸発具合を均一化させ、かつ焼結時の積層体の収縮具合を均一化するために積層体の上下面を内部導電体と同じ材料からなるペースト膜で覆われた積層体にし、その積層体を熱分解して脱バインダー体にし、その脱バインダー体を焼結して焼結体にする積層圧電セラミックス体の製造方法を開発した。
この積層圧電セラミックス体の製造方法では、内部導体層に用いることができる銀(以下、Agとも記す)とパラジウム(以下、Pdとも記す)とからなる金属粉末と、その金属粉末を固着できる結着剤とを、この結着剤を溶解できる溶剤に混合して分散させた導体ペーストを用いて、積層体の上下面を覆った後に、その積層体に含まれるバインダーと溶剤とを乾燥して除去した脱バインダー体を焼結することで、焼結体に生じる反りと変形とを低減した積層圧電セラミックス体にすることができる。
積層体の上下面を覆う導体ペーストは、前記積層体の内部導体層に用いた導体ペーストと同じ材料を使用することにより、材料混入等によって生じるコンタミネーションの問題を少なくすることができ、かつ使用する導体ペーストを統一して利用することができる。
また、同じ材料の導体ペーストを使用することにより、積層体の外部と内部との焼結時の収縮率を合わせることができる。
また、同じ材料の導体ペーストを使用することにより、積層体の外部と内部との焼結時の収縮率を合わせることができる。
さらに、発明者は、焼結時の脱バインダー体の上下面での収縮の均一化を図るために、導体ペーストで上下面が覆われた脱バインダー体の焼結が完全にできない予焼温度にある予焼体を取り出してその上面と下面とを反転させた後に、その予焼体を焼結する積層圧電セラミックス体の製造方法を開発した。
その結果として、脱バインダー体の焼結を大気雰囲気中800℃〜950℃の温度範囲でいったん停止し、その予焼体の上面と下面とを反転させた後に再度焼結することで、その焼結体に生じる反りが50μm以下となり、変形が0.20mm以下となる積層圧電セラミックス体の焼結体にすることができる。
本発明によれば、焼結して圧電特性を有するセラミックス粉末とバインダーとを含有するセラミックス層と、焼結して導電性を有する粉末と結着剤と溶剤を含有する導体ペーストからなる内部導体層とを積層して積層体にし、前記積層体に含まれるバインダーと結着剤と溶剤とを熱分解して脱バインダー体にし、前記脱バインダー体を焼結して焼結体にし、前記焼結体を切断、あるいは研磨してできる積層圧電セラミックス体の製造方法であって、前記導体ペーストで前記積層体の上下面を覆うことを特徴とする積層圧電セラミックス体の製造方法が得られる。
本発明によれば、焼結して圧電特性を有するセラミックス粉末とバインダーとを含有するセラミックス層と、焼結して導電性を有する粉末と結着剤と溶剤を含有する導体ペーストからなる内部導体層とを積層して積層体にし、前記積層体に含まれるバインダーと結着剤と溶剤とを熱分解して脱バインダー体にし、前記脱バインダー体を焼結して焼結体にし、前記焼結体を切断、あるいは研磨してできる積層圧電セラミックス体の製造方法であって、前記導体ペーストで前記積層体の上下面を覆い、該脱バインダー体を800℃以上、950℃以下の温度で予焼して予焼体にし、該予焼体の上面と下面とを反転させて焼結することを特徴とする積層圧電セラミックス体の製造方法が得られる。
本発明の積層圧電セラミックス体の製造方法は、焼結体に生じる反りや、変形などを小さくできる効果を奏する。
したがって、寸法精度が良好で、除去しろが少なく、製品の歩留まりが良好で、設計容易な積層圧電セラミックス体を提供できる。
したがって、寸法精度が良好で、除去しろが少なく、製品の歩留まりが良好で、設計容易な積層圧電セラミックス体を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明による積層圧電セラミックス体を説明する図で、図1(a)は、積層体の斜視図で、図1(b)は、上下面がペースト膜で覆われた積層体の斜視図で、図1(c)は、P−P断面図で、図1(d)は、予焼体を反転した斜視図で、図1(e)は、焼結体の斜視図である。
積層圧電セラミックス体は、圧電セラミックス粉末にバインダーを添加し、これを溶剤中に分散させてスラリーにし、このスラリーを用いてドクターブレード製膜法や、キャスティング成膜法などによりセラミックス層2となるグリーンシートにし、その一部グリーンシートの上面に導電性の金属膜となる導体ペーストを用いてスクリーン印刷法により内部導体層3を形成する。
そのセラミックス層2と上面に内部導体層3を有したセラミックス層2とを所望する積層構造となるように複数積層し、その積層したものを熱プレス法等によって圧着させて一体化し、図1(a)に示した積層体4aにする。
そのセラミックス層2と上面に内部導体層3を有したセラミックス層2とを所望する積層構造となるように複数積層し、その積層したものを熱プレス法等によって圧着させて一体化し、図1(a)に示した積層体4aにする。
次に、その積層体4aの外面に内部導体層3と同じ材料からなる導体ペーストで上下面を覆うことにより、図1(b)に示したようにペースト膜6を形成する。なお、ペースト膜6は、導体ペーストをスクリーン印刷や、浸漬、噴きつけ、はけ塗りなどの方法により形成することができる。
次に、その積層体4aを大気雰囲気中450℃まで加熱して熱分解し、その積層体4aに含まれている溶剤等を熱分解して図示していない脱バインダー体にする。
次に、その脱バインダー体を大気雰囲気中800℃から950℃の温度範囲で予焼して予焼体7aにし、取り出して問題が生じない温度まで冷却し、図1(d)に示したようにその予焼体7aの上面と下面とを反転させ、その反転させた予焼体7aを焼結して図1(e)に示した焼結体5aにする。なお、その焼結体5aの上下面を研磨して焼結体5の上下面を覆う不要分の焼結されたペースト膜6と積層圧電セラミックス体の一部とを除去することにより積層圧電セラミックス体に作製できる。
セラミックス層2は、焼結して圧電特性を有する圧電セラミックスの材料粉末と、その材料粉末を結着できるバインダーとを秤量して溶剤に投入したものを、ホモジナイザーや、プラネタリーミキサーなどの混合できる設備などを用いて攪拌混合してスラリーにし、そのスラリーをドクターブレード法や、カレンダロール法などの成膜方法を用いてグリーンシートにし、そのグリーンシートを所定の大きさに打ち抜き、打ち抜いたグリーンシートを所望する厚みとなるまで一層以上積層することによりできる。
圧電セラミックスの求める圧電特性に応じて圧電セラミックスとなる粉末を選定すれば良いが、代表的な例としては、PZTと呼称されるチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrTiO3)が挙げられる。
なお、セラミックス粉末には、粉末の状態で焼成した仮焼粉末を用いることできる。
なお、セラミックス粉末は、出来上がりの積層圧電セラミックス体の品質を良くするため、メッシュ等を用いてふるい分けするのが好ましい。
なお、セラミックス粉末には、粉末の状態で焼成した仮焼粉末を用いることできる。
なお、セラミックス粉末は、出来上がりの積層圧電セラミックス体の品質を良くするため、メッシュ等を用いてふるい分けするのが好ましい。
バインダーには、ポリビニルアセタール(PVB)系や、アクリル系などの樹脂を用いればできる。
セラミックス層2に使用できる溶剤は、前記バインダーを溶解して分散でき、適する粘度に調整できるものであれば良い。例えば、バインダーにポリビニルブチラール樹脂を選択した場合には、メチルプロピレングリコール(以下、MFGと記す)や、エチレングリコールモノエチルエーテル(EC)、ブチルカルビトール(以下、BCと記す)などの溶剤と、ジオクチルフタレート(以下、DOPと記す)や、ブチルフタリルグルコール酸ブチル(BPBG)などの可塑性を有する溶剤とを混合したものが適当である。
スラリーは、材料粉末とバインダーとが均一に分散され、ドクターブレード法等で使用できる分散具合と粘度とを有するように調整する。
セラミックス層2となるグリーンシートは、使用する材料粉末の最大粒径がドクターブレード法に影響しない粒径に調整して製造することが望ましい。なお、グリーンシートは、次工程で取り扱いできる状態に乾燥し、かつヒビやクラックなどが発生しないように乾燥すれば良い。
内部導体層3は、焼結して導電性の膜となる金属粉末と、スクリーン印刷後その形状を保持し、金属粉末を結着できる結着剤とを秤量して導体層の溶剤に投入したものを、三本ロール等を用いて混錬した導体ペーストを作製し、その導体ペーストと印刷した範囲の面を覆うことができるベタ状パターンのスクリーン版とを用いてスクリーン印刷法等により、グリーンシートの上面に印刷すれば良い。
内部導体層3の材料には、高温で焼結しても酸化して絶縁体で覆われない銀(Ag)、パラジウム(Pd)や、金(Au)、プラチナ(Pt)などの貴金属の金属粉末を用いることができる。
なお、内部導体層3となる金属粉末は、印刷の均一性とスクリーン版の目詰まりの防止とを図るためにメッシュ等を用いてふるい分けしたものを使用するのが好ましい。
なお、内部導体層3となる金属粉末は、印刷の均一性とスクリーン版の目詰まりの防止とを図るためにメッシュ等を用いてふるい分けしたものを使用するのが好ましい。
結着剤には、金属粉末を結着して固定でき、かつ導体層の溶剤の粘度を調整でき、印刷面が平坦化できるレベリング効果を有するものを用いれば良い。
内部導体層3に使用できる溶剤は、前記結着剤を溶解して分散でき、スクリーン印刷するのに適する粘度に調整できるものであれば良い。
なお、内部導体層3の溶剤は、セラミックス層2と混じり合う材質を避けて選定するのが良い。例えば、セラミックス層2にブチラール系樹脂を溶解する溶剤を選定した場合には、天然油脂を原料としたテルピオネール等からなる溶剤等を選定するのが良い。なお、この場合に結着剤には、レベリング作用もあるエチルセルロース等を用いることが望ましい。
なお、内部導体層3の溶剤は、セラミックス層2と混じり合う材質を避けて選定するのが良い。例えば、セラミックス層2にブチラール系樹脂を溶解する溶剤を選定した場合には、天然油脂を原料としたテルピオネール等からなる溶剤等を選定するのが良い。なお、この場合に結着剤には、レベリング作用もあるエチルセルロース等を用いることが望ましい。
導体ペーストは、三本ロール等を用いて金属粉末とバインダーとを溶剤中で混練して分散し、スクリーン印刷法等で使用できる分散具合と粘度と粒度とを有するように調整する。
積層体4aは、打ち抜いたグリーンシートを内部導体層3で挟んでなるように少なくとも一層積層し、内部導体層の電気的絶縁と積層体の外郭とを成すグリーンシートが積層体4aの上下面に少なくとも一層配されるようにする。
ペースト膜6は、内部導体層3に用いた導体ペーストと同じ材料を用いれば良い。さらに、金属粉末に対して溶剤の比率を変えて作製した導体ペーストを使用しても良い。
脱バインダー体は、積層体4aに含まれるバインダーと結着剤と溶剤とを大気雰囲気中で加熱し、バインダーと結着剤と溶剤とを熱分解することにより作製される。積層体4aを乾燥する場合には、クラックや、ヒビ、デラミネーションなどが生じないように、急峻な温度変化を与えたり、急激な温度差を与えたりしないようにすることが望ましい。
予焼温度は、脱バインダー体を大気雰囲気中800℃から950℃の温度範囲で予焼できる炉で行えば良い。
予焼体7aの上面と下面との反転は、予焼体7aにクラックや、ヒビ、デラミネーションなどが生じないように温度を下げてから行うことが望ましい。
焼結体5aは、上面と下面とを反転させた予焼体7aをその材料の焼結温度まで加熱することにより作製される。
例えば、圧電セラミックスとしてPZTを用いた場合は、大気雰囲気中1100℃の温度で焼結すれば良い。また、積層体4aの加熱と脱バインダー体の予焼と予焼体7aの焼結は、一つで加熱、予焼、焼結できる炉を用いて行っても良く、各々が異なる炉を用いても良い。
例えば、圧電セラミックスとしてPZTを用いた場合は、大気雰囲気中1100℃の温度で焼結すれば良い。また、積層体4aの加熱と脱バインダー体の予焼と予焼体7aの焼結は、一つで加熱、予焼、焼結できる炉を用いて行っても良く、各々が異なる炉を用いても良い。
焼結体5aは、不要分の外面に付着したペースト膜を除去し、所望する寸法形状となるように研磨加工や、切断加工などを行うことにより所望の積層圧電セラミックス体を形成する。なお、研磨等で除去した導電性の金属粉末は、回収して再利用することができる。
以下、本発明の積層圧電セラミックス体の製造方法について図1を用いて説明する。
(実施例1)
実施例の積層圧電セラミックス体は、PZTの組成が50Pb(Ni、Nb)O3−15PbZrO3−35PbTiO3で表され、焼結して圧電歪み定数d33=600pm/Vとなるセラミックス粉末を用いた。なお、このセラミックス粉末は、予焼され、メッシュ等を用いてふるい分けし、粉末の平均粒径D50が0.5μm以下となるようにした。
実施例の積層圧電セラミックス体は、PZTの組成が50Pb(Ni、Nb)O3−15PbZrO3−35PbTiO3で表され、焼結して圧電歪み定数d33=600pm/Vとなるセラミックス粉末を用いた。なお、このセラミックス粉末は、予焼され、メッシュ等を用いてふるい分けし、粉末の平均粒径D50が0.5μm以下となるようにした。
そのセラミックス粉末45wt%とポリビニルブチラールのバインダー5wt%と、MFG38wt%、BC10wt%、DOP2wt%からなる溶剤とを、ホモジナイザーを用いて混合分散し、所望する粘度と分散具合とを有したスラリーにし、そのスラリーをドクターブレード法により、乾燥後の厚みが25μmとなるように成膜してセラミックス層2となるグリーンシートを作製した。
次に、平均粒径が0.5μm以下とした70wt%の銀(Ag)と30wt%のパラジウム(Pd)との比率からなる金属粉末60wt%と、結着剤のエチルセルロース4wt%が添加されたテルピネオールを主とした溶剤40wt%とを、三本ロール等を用いて混錬して導体ペーストにし、その導体ペーストとメッシュサイズ#400のベタパターンのスクリーン版とを用いてスクリーン印刷法により、グリーンシートの上に厚み2μmとなるベタパターンの内部導体層3を印刷した。
次に、グリーンシートと内部導体層3が印刷されたグリーンシートとを打ち抜き用の金型を用いてプレス機で打ち抜き、下面に14枚のグリーンシートを積層し、その上に導体層が印刷された70枚のグリーンシートを積層し、その上面に15枚のグリーンシートを積層して熱プレス法にて積層間を密着させて一体化し、幅60mm、長さ60mm、高さ約2.6mmの積層体4aを作製した。
次に、その積層体4aの上下面に導体ペーストとスクリーン版とを用いてスクリーン印刷法により、その積層体4aの上下面がペースト膜6で覆われるようにした。なお、ペースト膜6の厚みは、印刷ムラが生じる稜部を除いた箇所が概1.5μm〜10μmの範囲となるようにした。
次に、その積層体4aを大気雰囲気中450℃まで加熱して積層体4aに含まれるバインダーと結着剤と溶剤とを熱分解して脱バインダー体にした。なお、積層体の乾燥は、積層体にクラックや、ヒビ、デラミネーションなどが生じないように1時間当たり10℃から25℃の昇温速度で大気雰囲気中450℃まで加熱して行った。
次に、その脱バインダー体を大気雰囲気中750℃で予焼して予焼体7aを作製し、その予焼体7aにクラックや、ヒビ、デラミネーションなどが生じないように予焼体7aの温度を常温まで下げた後、予焼体7aの上面と下面とを反転させ、その予焼体7aを大気雰囲気中1100℃で焼結して実施例1の積層圧電セラミックス体となる焼結体5aを作製した。
なお、焼結体5aは、クラックや、ヒビ、デラミネーションなどが生じないように1時間当たり25℃から100℃の昇温速度となるようにして焼結した。なお、1100℃の温度で2時間焼結が完了すると考えられる時間以上保持した後、クラックや、ヒビ、デラミネーションなどが生じないように常温まで降冷させてから取り出した。なお、脱バインダー体と予焼体7aとの作製は、一つの炉で連続して行った後、常温まで降冷し、予焼体7aの上面と下面とを反転させ、その予焼体7aを同じ炉で焼結した。
なお、焼結体5aは、クラックや、ヒビ、デラミネーションなどが生じないように1時間当たり25℃から100℃の昇温速度となるようにして焼結した。なお、1100℃の温度で2時間焼結が完了すると考えられる時間以上保持した後、クラックや、ヒビ、デラミネーションなどが生じないように常温まで降冷させてから取り出した。なお、脱バインダー体と予焼体7aとの作製は、一つの炉で連続して行った後、常温まで降冷し、予焼体7aの上面と下面とを反転させ、その予焼体7aを同じ炉で焼結した。
(実施例2)
上述した実施例1と同一部材を用いて同じようにペースト膜6で上下面が覆われた積層体4aを作製し、その脱バインダー体を大気雰囲気中800℃の温度で予焼して予焼体7aを作製し、その予焼体7aの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して実施例2の積層圧電セラミックス体となる焼結体5aを作製した。
上述した実施例1と同一部材を用いて同じようにペースト膜6で上下面が覆われた積層体4aを作製し、その脱バインダー体を大気雰囲気中800℃の温度で予焼して予焼体7aを作製し、その予焼体7aの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して実施例2の積層圧電セラミックス体となる焼結体5aを作製した。
(実施例3)
上述した実施例1と同一部材を用いて同じようにペースト膜6で上下面が覆われた積層体4aを作製し、その脱バインダー体を大気雰囲気中850℃の温度で予焼して予焼体7aを作製し、その予焼体7aの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して実施例3の積層圧電セラミックス体となる焼結体5aを作製した。
上述した実施例1と同一部材を用いて同じようにペースト膜6で上下面が覆われた積層体4aを作製し、その脱バインダー体を大気雰囲気中850℃の温度で予焼して予焼体7aを作製し、その予焼体7aの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して実施例3の積層圧電セラミックス体となる焼結体5aを作製した。
(実施例4)
上述した実施例1と同一部材を用いて同じようにペースト膜6で上下面が覆われた積層体4aを作製し、その脱バインダー体を大気雰囲気中900℃の温度で予焼して予焼体7aを作製し、その予焼体7aの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して実施例4の積層圧電セラミックス体となる焼結体5aを作製した。
上述した実施例1と同一部材を用いて同じようにペースト膜6で上下面が覆われた積層体4aを作製し、その脱バインダー体を大気雰囲気中900℃の温度で予焼して予焼体7aを作製し、その予焼体7aの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して実施例4の積層圧電セラミックス体となる焼結体5aを作製した。
(実施例5)
上述した実施例1と同一部材を用いて同じようにペースト膜6で上下面が覆われた積層体4aを作製し、その脱バインダー体を大気雰囲気中950℃の温度で予焼して予焼体7aを作製し、その予焼体7aの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して実施例5の積層圧電セラミックス体となる焼結体5aを作製した。
上述した実施例1と同一部材を用いて同じようにペースト膜6で上下面が覆われた積層体4aを作製し、その脱バインダー体を大気雰囲気中950℃の温度で予焼して予焼体7aを作製し、その予焼体7aの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して実施例5の積層圧電セラミックス体となる焼結体5aを作製した。
(実施例6)
上述した実施例1と同一部材を用いて同じようにペースト膜6で上下面が覆われた積層体4aを作製し、その脱バインダー体を大気雰囲気中1000℃の温度で予焼して予焼体7aを作製し、その予焼体7aの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して実施例6の積層圧電セラミックス体となる焼結体5aを作製した。
上述した実施例1と同一部材を用いて同じようにペースト膜6で上下面が覆われた積層体4aを作製し、その脱バインダー体を大気雰囲気中1000℃の温度で予焼して予焼体7aを作製し、その予焼体7aの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して実施例6の積層圧電セラミックス体となる焼結体5aを作製した。
(実施例7)
上述した実施例1と同一部材を用いて同じようにペースト膜6で上下面が覆われた積層体4aを作製し、その脱バインダー体を従来の焼結条件である大気雰囲気中1100℃で焼結して実施例7の積層圧電セラミックス体となる焼結体5aを作製した。
上述した実施例1と同一部材を用いて同じようにペースト膜6で上下面が覆われた積層体4aを作製し、その脱バインダー体を従来の焼結条件である大気雰囲気中1100℃で焼結して実施例7の積層圧電セラミックス体となる焼結体5aを作製した。
(実施例8)
図2は、本発明による積層圧電セラミックス体を説明する図で、図2(a)は、積層体の斜視図で、図2(b)は、上面がペースト膜で覆われた積層体の斜視図で、図2(c)は、Q−Q断面図で、図2(d)は、予焼体を反転した斜視図で、図2(e)は、焼結体の斜視図である。上述した実施例1と同一部材を用いて図2(a)に示した積層体4を作製し、その積層体4の内部導体層3と同じ導体ペーストを用いてスクリーン印刷法により、上面に導体ペーストを印刷乾燥し、陵部を除くペースト膜6の厚みが概1.5μmから10μmの範囲となるようにした。
図2は、本発明による積層圧電セラミックス体を説明する図で、図2(a)は、積層体の斜視図で、図2(b)は、上面がペースト膜で覆われた積層体の斜視図で、図2(c)は、Q−Q断面図で、図2(d)は、予焼体を反転した斜視図で、図2(e)は、焼結体の斜視図である。上述した実施例1と同一部材を用いて図2(a)に示した積層体4を作製し、その積層体4の内部導体層3と同じ導体ペーストを用いてスクリーン印刷法により、上面に導体ペーストを印刷乾燥し、陵部を除くペースト膜6の厚みが概1.5μmから10μmの範囲となるようにした。
上面にペースト膜6を設けた積層体4bを実施例1と同じようにして大気雰囲気中で加熱し、その積層体4bに含まれるバインダーと結着剤と溶剤とを熱分解して脱バインダー体にした。
次に、その脱バインダー体を実施例1と同じように大気雰囲気中750℃で予焼して予焼体7bにし、クラックや、ヒビ、デラミネーションなどが生じないように常温まで降冷して取り出し、予焼体7bの上面と下面とを反転させ、その予焼体7bを大気雰囲気中1100℃で焼結して参考例1の積層圧電セラミックス体となる焼結体5bを作製した。
(実施例9)
上述した参考例1と同一部材を用い、同じように上面にペースト膜6を設けた積層体4bを加熱し、その脱バインダー体を大気雰囲気中800℃の温度で焼結して予焼体7bにし、その予焼体7bの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して参考例2の積層圧電セラミックス体となる焼結体5bを作製した。
上述した参考例1と同一部材を用い、同じように上面にペースト膜6を設けた積層体4bを加熱し、その脱バインダー体を大気雰囲気中800℃の温度で焼結して予焼体7bにし、その予焼体7bの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して参考例2の積層圧電セラミックス体となる焼結体5bを作製した。
(実施例10)
上述した参考例1と同一部材を用い、同じように上面にペースト膜6を設けた積層体4bを加熱し、その脱バインダー体を大気雰囲気中850℃の温度で焼結して予焼体7bにし、その予焼体7bの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して参考例3の積層圧電セラミックス体となる焼結体5bを作製した。
上述した参考例1と同一部材を用い、同じように上面にペースト膜6を設けた積層体4bを加熱し、その脱バインダー体を大気雰囲気中850℃の温度で焼結して予焼体7bにし、その予焼体7bの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して参考例3の積層圧電セラミックス体となる焼結体5bを作製した。
(実施例11)
上述した参考例1と同一部材を用い、同じように上面にペースト膜6を設けた積層体4bを加熱し、その脱バインダー体を大気雰囲気中900℃の温度で焼結して予焼体に7bし、その予焼体7bの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して参考例4の積層圧電セラミックス体となる焼結体5bを作製した。
上述した参考例1と同一部材を用い、同じように上面にペースト膜6を設けた積層体4bを加熱し、その脱バインダー体を大気雰囲気中900℃の温度で焼結して予焼体に7bし、その予焼体7bの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して参考例4の積層圧電セラミックス体となる焼結体5bを作製した。
(実施例12)
上述した参考例1と同一部材を用い、同じように上面にペースト膜6を設けた積層体4bを加熱し、その脱バインダー体を大気雰囲気中950℃の温度で焼結して予焼体7bにし、その予焼体7bの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して参考例5の積層圧電セラミックス体となる焼結体5bを作製した。
上述した参考例1と同一部材を用い、同じように上面にペースト膜6を設けた積層体4bを加熱し、その脱バインダー体を大気雰囲気中950℃の温度で焼結して予焼体7bにし、その予焼体7bの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して参考例5の積層圧電セラミックス体となる焼結体5bを作製した。
(実施例13)
上述した参考例1と同一部材を用い、同じように上面にペースト膜6を設けた積層体4bを加熱し、その脱バインダー体を大気雰囲気中1000℃の温度で焼結して予焼体7bにし、その予焼体7bの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して参考例6の積層圧電セラミックス体となる焼結体5bを作製した。
上述した参考例1と同一部材を用い、同じように上面にペースト膜6を設けた積層体4bを加熱し、その脱バインダー体を大気雰囲気中1000℃の温度で焼結して予焼体7bにし、その予焼体7bの上面と下面とを反転させて大気雰囲気中1100℃で焼結して参考例6の積層圧電セラミックス体となる焼結体5bを作製した。
(実施例14)
上述した参考例1と同一部材を用い、同じように上面にペースト膜6を設けた積層体4bを加熱し、その脱バインダー体を大気雰囲気中1100℃の温度で焼結して参考例7の積層圧電セラミックス体となる焼結体7bを作製した。
上述した参考例1と同一部材を用い、同じように上面にペースト膜6を設けた積層体4bを加熱し、その脱バインダー体を大気雰囲気中1100℃の温度で焼結して参考例7の積層圧電セラミックス体となる焼結体7bを作製した。
(比較例)
比較例として、各実施例と同一部材を用いて積層体4の外面が導体ペーストで覆われていない積層体4を実施例1と同じように450℃の大気雰囲気中で乾燥して積層体4に含まれるバインダーと結着剤と溶剤とを熱分解した脱バインダー体にし、その脱バインダー体を大気雰囲気中1100℃の温度で焼結して比較例の積層圧電セラミックス体となる図1(b)に示した焼結体5を作製した。なお、実施例1〜14と比較例とは、同一の材料ロットで形成された積層体4を用いて各10個ずつ作製した。
比較例として、各実施例と同一部材を用いて積層体4の外面が導体ペーストで覆われていない積層体4を実施例1と同じように450℃の大気雰囲気中で乾燥して積層体4に含まれるバインダーと結着剤と溶剤とを熱分解した脱バインダー体にし、その脱バインダー体を大気雰囲気中1100℃の温度で焼結して比較例の積層圧電セラミックス体となる図1(b)に示した焼結体5を作製した。なお、実施例1〜14と比較例とは、同一の材料ロットで形成された積層体4を用いて各10個ずつ作製した。
実施例1〜14と比較例との反りは、切断研磨していない焼結体を図4に示すようにハイトゲージを用いて測定し、10個の反り=A−Bの平均値を算出した。但し、一桁目は、有効桁外のため参考値である。反りの低減効果は、反りが50μm以下を◎、100μm以下を○、150μm未満を△、150μm以上を×とした。
なお、比較例である従来の焼結体の反りは、平均で約250μmであった。
なお、比較例である従来の焼結体の反りは、平均で約250μmであった。
実施例1〜14と比較例との変形は、ノギスを用いて切断研磨していない焼結体を図4に示すように4つの側面を測定し、10個の変形=(C1+C2+C3+C4)/4の平均値を算出した。変形の低減効果は、収縮が0.20mm以下を◎、0.25mm以下を○、0.30mm未満を△、0.30mm以上を×とした。
なお、比較例である従来の焼結体の変形は、4つの側面の平均で約0.35mmであった。
なお、比較例である従来の焼結体の変形は、4つの側面の平均で約0.35mmであった。
総合判定は、実施例1〜7と参考例1から7とを比較例と比較した結果の反り低減効果と変形低減効果との設定(◎、○、△、×)の論理積(AND)により判定した。
表1は、実施例1〜7と参考例1〜7と比較例との導体ペーストと反転有無と予焼体の焼結温度と反りと変形と反り低減効果と変形低減効果と総合判定とを比較した表である。
表1の比較表によれば、実施例2〜5の焼結体は、従来の比較例と比較して反りが50μm以内、変形が0.20mm以内にでき、特に優れた反りと変形との低減効果が得られた。
表1の比較表によれば、実施例1の焼結体と実施例6の焼結体と実施例7の焼結体とは、比較例と比較して反りが100μm以内、かつ変形が0.25mm以内にでき、優れた反りと変形との低減効果が得られた。
表1の比較表によれば、実施例8〜13の積層圧電セラミックス体となる焼結体は、比較例と比較して反りが100μm以内、かつ変形が0.30mm以内にでき、反りと変形との低減効果が得られた。
表1の比較表によれば、実施例14の積層圧電セラミックス体となる焼結体は、比較例と比較して反りが比較例よりも小さく、かつ変形が0.30mm以内にでき、変形の低減効果が得られた。
以上実施例を用いて、本発明を具体的に説明したが、本発明は、これらの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更があっても本発明に含まれる。即ち、当業者であれば当然なしえるであろう各種変形や、変更、修正もまた本発明に含まれる。
本発明の積層圧電セラミックス体の製造方法は、セラミックスの内部に導体が埋設され、一体焼結されてできる各種セラミックス製品に利用することができる。
1 積層圧電セラミックス体
2 セラミックス層
3 内部導体層
4、4a、4b 積層体
5、5a、5b 焼結体
6 ペースト膜
7、7a、7b 予焼体
10 圧電アクチュエータ
11 絶縁膜
12 外部電極
13 外部端子
2 セラミックス層
3 内部導体層
4、4a、4b 積層体
5、5a、5b 焼結体
6 ペースト膜
7、7a、7b 予焼体
10 圧電アクチュエータ
11 絶縁膜
12 外部電極
13 外部端子
Claims (2)
- 焼結して圧電特性を有するセラミックス粉末とバインダーとを含有するセラミックス層と、焼結して導電性を有する粉末と結着剤とを含有する導体ペーストからなる内部導体層とを積層して積層体にし、前記積層体に含まれるバインダーと結着剤と溶剤とを熱分解して脱バインダー体にし、前記脱バインダー体を焼結して焼結体にし、前記焼結体を切断、あるいは研磨してできる積層圧電セラミックス体の製造方法であって、
前記導体ペーストで前記積層体の上下面を覆うことを特徴とする積層圧電セラミックス体の製造方法。 - 焼結して圧電特性を有するセラミックス粉末とバインダーとを含有するセラミックス層と、焼結して導電性を有する粉末と結着剤とを含有する導体ペーストからなる内部導体層とを積層して積層体にし、前記積層体に含まれるバインダーと結着剤と溶剤とを熱分解して脱バインダー体にし、前記脱バインダー体を焼結して焼結体にし、前記焼結体を切断、あるいは研磨してできる積層圧電セラミックス体の製造方法であって、
前記導体ペーストで前記積層体の上下面を覆い、該脱バインダー体を800℃以上、950℃以下の温度で予焼して予焼体にし、該予焼体の上面と下面とを反転させて焼結することを特徴とする積層圧電セラミックス体の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016031994A1 (ja) * | 2014-08-29 | 2016-03-03 | 京セラ株式会社 | 圧電磁器板および板状基体ならびに電子部品 |
-
2009
- 2009-03-23 JP JP2009070246A patent/JP2010222170A/ja active Pending
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