JP2004137106A - 圧電磁器組成物、圧電素子および圧電素子の製造方法 - Google Patents

圧電磁器組成物、圧電素子および圧電素子の製造方法 Download PDF

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【課題】高い圧電歪み定数を持ち、かつ低温で焼成しても各種圧電特性を損なうことなく緻密化され、機械的強度が高められた圧電磁器組成物で構成される圧電層を有する圧電素子を提供する。
【解決手段】圧電層8,8aと共に内部電極層4,6が交互に積層された素子本体10を有する圧電素子2の圧電層が、式(Pb1−B MeB A [(Zn1/3 Nb2/3 a Tib Zrc ]O3 で示され、前記式中の記号Me、A、B、a、bおよびcが、Me:Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種、0.99≦A≦1.005、0≦B≦0.1、0.05≦a≦0.25、0.35≦b≦0.50、0.38≦c≦0.48、およびa+b+c=1である組成の酸化物を含む主成分と、Fe、Co、NiおよびCuから選ばれる少なくとも1種を含む第1副成分と、Sb、NbおよびTaから選ばれる少なくとも1種を含む第2副成分とを有する圧電磁器組成物からなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、アクチュエータ、圧電ブザー、発音体またはセンサなどの各種圧電素子の圧電層に用いるのに好適な圧電磁器組成物と、該圧電磁器組成物で構成される圧電層を有する圧電素子と、該圧電素子の製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電素子の一例であるアクチュエータを構成する従来の圧電磁器組成物としては、種々のものが知られている(たとえば特許文献1〜6参照)。
【0003】
特許文献1では、Pb(Zn1/3 Nb2/3 )O−PbTiO−PbZrOの三元系の圧電磁器組成物が開示されている。特許文献2では、特許文献1に記載の三元系の圧電磁器組成物のPb原子の一部を、Ba、SrまたはCaで置換することで、比誘電率を向上させた圧電磁器組成物が開示されている。特許文献3では、特許文献1と同様な三元系の圧電磁器組成物のPb原子の一部を、BaおよびSrで置換することで、比誘電率および電気機械結合係数を向上させた圧電磁器組成物が開示されている。特許文献4では、特許文献3の圧電磁器組成物中のPb、BaおよびSrの量を特定の範囲に限定することで、製品間の特性のバラツキの問題を解決し、圧電定数を向上させた圧電磁器組成物が開示されている。特許文献5〜6では、本件出願人によって提案された、Pb(Zn1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO3 −PbZrO3 の三元系の圧電磁器組成物が開示されている。
【0004】
この種の圧電磁器組成物は、通常、1200℃程度を超える比較的高温で、しかも酸化性雰囲気下で行われていた。このため、圧電磁器組成物と同時に焼成される内部電極材料としては、該圧電磁器組成物が焼結する温度で溶融しない程度の高い融点をもち、酸化性雰囲気下で焼成しても酸化されない、などの特性を有する貴金属(たとえばパラジウムや白金など)を用いる必要があった。
【0005】
しかしながら、焼成温度が高いと、焼成炉そのものの価格も高価な上に、用いる焼成炉の損傷も激しくなり、焼成炉の保守や管理コストなどが使用時間の経過につれて漸次増加するとともに、磁器化に要するエネルギーコストも膨大になってしまう。しかも、圧電磁器組成物と内部電極材料との間の熱膨張係数の差により応力が溜まりやすく、クラックの発生などの不都合を生じる要因ともなりうる。
【0006】
また、貴金属は一般に高価であることから、圧電素子内に占める内部電極材料費が全体の中でかなりの割合を占めることになり、製造される圧電素子の低価格化に支障をきたしていた。
【0007】
これに対し、安価な内部電極材料として、Ag−Pd合金を用いることが考えられる。しかしながら、合金中のPd量が30%を超えた場合、焼成中にPdが還元反応を起こし、圧電素子本体内にクラックの発生や内部電極層の剥離などを生じさせることがある。このため、Pdの割合は30%以下にすることが望まれる。合金中のPdの割合を30%以下にするためには、Ag−Pdの状態図により、焼成温度を1150℃以下にする必要がある。さらに圧電素子の低価格化を促進するためには、合金中のPdの比率を下げる必要があり、その結果、可能な限り焼成温度を下げる必要がある。たとえば、Pdの割合を20%とする場合には1050℃以下、特に1000℃以下で焼成する必要がある。
【0008】
その一方で、焼成温度をあまりに低くし過ぎると、磁器化を行うにあたり緻密化できず、十分な特性を持つ圧電磁器組成物が得られない。このため、低温でも完全に焼結を行うため、出発原料としての圧電磁器組成物原料を一旦仮焼きした後、該仮焼き後に比表面積の大きな粉体となるように粉砕したり、あるいは焼成時に加圧したりしなければならない、といった煩雑な操作が必要であった。
【0009】
ところで、近年、パソコンのハードディスクヘッドの駆動用等、従来の圧電素子に比べ、小型化や薄層化された圧電素子を開発することが望まれる傾向にある。
【0010】
しかしながら、圧電素子の小型化や薄層化が進むにつれて、素子の機械的強度が低下し、素子製造時に破損し、歩留まりの低下を招く可能性が大きくなる。また、素子を実際に駆動しているときに、素子にクラック等の欠陥を生じ、破損や特性の劣化が起こる可能性が大きくなるおそれもある。したがって、小型化、薄層化しても機械的強度が良好な圧電磁器組成物の開発することが望ましい。
【0011】
【特許文献1】特公昭44−17344号公報
【特許文献2】特公昭45−39977号公報
【特許文献3】特開昭61−129888号公報
【特許文献4】特開平3−256379号公報
【特許文献5】特開2001−181035号公報
【特許文献6】特開2001−181036号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高い圧電歪み定数を持ち、かつ低温で焼成しても各種圧電特性を損なうことなく緻密化され、機械的強度が高められた圧電磁器組成物と、該圧電磁器組成物で構成される圧電層を有する圧電素子およびその製造方法とを、提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、
式(Pb1−B MeB A [(Zn1/3 Nb2/3 a TiZrc ]O3 で示され、前記式中の記号Me、A、B、a、bおよびcが、Me:Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種、0.99≦A≦1.005、0≦B≦0.1、0.05≦a≦0.25、0.35≦b≦0.50、0.38≦c≦0.48、およびa+b+c=1である組成の酸化物を含む主成分と、
Fe、Co、NiおよびCuから選ばれる少なくとも1種を含む第1副成分と、
Sb、NbおよびTaから選ばれる少なくとも1種を含む第2副成分とを、有する圧電磁器組成物であって、
前記主成分1モルの質量に対する各副成分の比率が、第1副成分:酸化物(NiO、CoO、Fe2 3 、CuO)に換算して0.01〜0.8質量%、および第2副成分:酸化物(Sb2 3 、Nb2 5 、Ta2 5 )に換算して0.1〜1質量%である圧電磁器組成物が提供される。
【0014】
本発明によれば、
圧電層を有する圧電素子であって、
前記圧電層が、圧電磁器組成物で構成してあり、
前記圧電磁器組成物が、式(Pb1−B MeB A [(Zn1/3 Nb2/3 a Tib Zrc ]O3 で示され、前記式中の記号Me、A、B、a、bおよびcが、Me:Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種、0.99≦A≦1.005、0≦B≦0.1、0.05≦a≦0.25、0.35≦b≦0.50、0.38≦c≦0.48、およびa+b+c=1である組成の酸化物を含む主成分と、
Fe、Co、NiおよびCuから選ばれる少なくとも1種を含む第1副成分と、
Sb、NbおよびTaから選ばれる少なくとも1種を含む第2副成分とを、有し、
前記主成分1モルの質量に対する各副成分の比率が、第1副成分:酸化物(NiO、CoO、Fe2 3 、CuO)に換算して0.01〜0.8質量%、および第2副成分:酸化物(Sb2 3 、Nb2 5 、Ta2 5 )に換算して0.1〜1質量%である圧電素子が提供される。
【0015】
好ましくは、本発明に係る圧電素子は、前記圧電層と共に内部電極層が交互に積層してある素子本体を有する。
【0016】
好ましくは、本発明に係る圧電素子は、前記内部電極層に含まれる導電材が、Ag、Au、PtおよびPdから選ばれる少なくとも1種の金属、またはこれらの2種以上の合金で構成されている。
【0017】
本発明によれば、
焼成後に、式(Pb1−B MeB A [(Zn1/3 Nb2/3 a Tib Zrc ]O3 で示され、前記式中の記号Me、A、B、a、bおよびcが、Me:Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種、0.99≦A≦1.005、0≦B≦0.1、0.05≦a≦0.25、0.35≦b≦0.50、0.38≦c≦0.48、およびa+b+c=1である組成の酸化物を形成する原料を含む主成分原料と、
Fe、Co、NiおよびCuから選ばれる少なくとも1種を含む第1副成分原料と、
Sb、NbおよびTaから選ばれる少なくとも1種を含む第2副成分原料とを、有し、
前記主成分原料1モルの質量に対する各副成分原料の比率が、第1副成分原料:酸化物(NiO、CoO、Fe2 3 、CuO)に換算して0.01〜0.8質量%、および第2副成分原料:酸化物(Sb2 3 、Nb2 5 、Ta2 5 )に換算して0.1〜1質量%である圧電磁器組成物原料を用いて圧電層用ペーストを作製する工程と、
内部電極層用ペーストを作製する工程と、
前記圧電層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを交互に積層して積層体を得る工程と、
前記積層体を焼成する工程とを、有する圧電素子の製造方法が提供される。
好ましくは、本発明に係る圧電素子の製造方法は、前記積層体の焼成を1050℃以下で行う。
【0018】
好ましくは、本発明に係る圧電素子の製造方法は、Ag、Au、PtおよびPdから選ばれる少なくとも1種の金属、またはこれらの2種以上の合金で構成される導電材を含む内部電極層用ペーストを用いる。
【0019】
【作用】
本発明では、圧電磁器組成物および圧電素子の圧電層を構成する圧電磁器組成物を、特定の酸化物を含む主成分と、この主成分に対して所定量の特定の第1副成分と、所定量の特定の第2副成分とで構成してある。このため、大きな圧電歪定数を得ることができるとともに、焼成温度を低くしても十分に緻密化することができ、しかも機械的強度が高められる。
【0020】
その結果、特に、積層型の圧電素子を形成する場合に、内部電極層にPd含有量の少ない(たとえば20%以下)Ag−Pd合金などの比較的安価な材料を用いても、焼成時にこれを融解させることがなく、従来と比較して圧電素子の生産性を高めることができる。
【0021】
また、機械的強度が高められているので、一層あたりの圧電層の薄層化が可能であり、その結果、圧電素子の小型化に有用である。
【0022】
特に、主成分に含まれる式中の記号Bを0より大きくすることで、すなわちAサイト内のPbの一部をCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素で置換することにより、圧電歪定数のさらなる向上が期待できる。
【0023】
本発明では、特定組成の圧電磁器組成物原料を用いて圧電素子を製造する。このため、焼成温度をたとえば1050℃以下と低くしても、十分に緻密化され、大きな圧電歪定数を持ち、しかも機械的強度が高められた圧電磁器組成物で構成してある圧電層を有する圧電素子を製造することができる。
【0024】
本発明に係る圧電素子としては、特に限定されないが、たとえば、アクチュエータ、圧電ブザー、発音体またはセンサなどが挙げられる。使用モードは特に限定されず、例えば縦振動(d33)や長辺方向伸び振動(d31)等のいずれのモードも利用可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る積層型圧電アクチュエータ素子の断面図である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態に係る圧電素子の一例としての積層型圧電アクチュエータ素子2は、移動対象物20のたとえば側面側に配置して用いられるものである。この積層型圧電アクチュエータ素子2は、素子本体10を有する。
【0027】
素子本体10は、内部電極層4,6と層間圧電層8とが積層され、さらにこれら内部電極層4,6および層間圧電層8の積層方向の両外側端部に外側圧電層8aが配置してある構造を持つ。外側圧電層8aを積層方向の両外側端部に配置することで、素子本体10の内部が保護される。
【0028】
素子本体10の形状は、特に制限はないが、通常、矩形状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよい。
【0029】
内部電極層4,6は、素子本体10の内部で交互に逆方向に延長されており、その各端面は、素子本体10の端部に露出している。内部電極層4,6の端面が露出する素子本体10の端部には、一対の外部端子電極12,14が設けられており、一方の外部端子電極12は一方の内部電極層4と、他方の外部端子電極14は他方の内部電極層6と、それぞれ電気的に接続される。また、外部端子電極14は、層間圧電層8の積層方向の端面に沿って対向する外部端子電極12の方に一部が延長されており、内部電極層4,6の延長方向の片面を固定して用いる際に、リード線を固定側の一側面で接続することができるようになっている。
【0030】
外部端子電極12,14に直流電圧または交流電圧を印加することで、内部電極層4,6間に位置する層間圧電層8に電圧が印加されて電気エネルギーが機械エネルギーに変換され、素子2は、電極の形成面に対して水平または垂直の方向に変位または振動することになる。
【0031】
実際には、層間圧電層8の分極方向に対して水平または垂直の方向に、素子2が変位または振動することになる。本実施形態では分極方向(図1の紙面に対する上下方向)に対して垂直方向(紙面に対する左右方向)に素子2が変位する。
【0032】
内部電極層4,6に含有される導電材は、特に限定されないが、Ag、Au、PtおよびPdから選ばれる少なくとも1種の金属、またはこれらの2種以上の合金で構成されていることが好ましい。特に、本発明では、層間圧電層8あるいは外側圧電層8aを、たとえば1050℃以下程度の低温で焼成することが可能なため、導電材として、たとえばPd含有量の少ないAg−Pd合金などの比較的安価な材料を用いることができる。これらの導電材の他に、Pなどの各種微量成分を0.1質量%程度以下の割合で含有していてもよい。内部電極層4,6の厚さは、用途に応じて適宜決定すればよいが、0.5〜3μm程度であることが好ましい。内部電極層4,6の厚さが薄すぎると、途中で切れてしまうおそれがあり、その結果、十分な圧電特性を得ることができず、逆に厚すぎると焼成後の素子本体10の歪みが大きくなるおそれがある。
【0033】
外部端子電極12,14に含有される導電材は、特に限定されないが、Ag、Au、Cu、Ni、PdおよびPtから選ばれる少なくとも1種の金属、またはこれらの2種以上の合金で構成することができる。外部端子電極12,14の厚さは、用途に応じて適宜決定すればよいが、通常1〜10μm程度である。
【0034】
層間圧電層8および外側圧電層8aは、本発明の圧電磁器組成物を含有する。
【0035】
本発明の圧電磁器組成物は、式(Pb1−B MeB A [(Zn1/3Nb2/3 a Tib Zrc ]O3 で示される組成の酸化物を含む主成分を有する。この際、酸素(O)量は、上記式の化学量論組成から若干偏倚してもよい。
【0036】
主成分に含まれる上記酸化物は、ペロブスカイト構造を持ち、Pbおよび記号MeはいわゆるAサイトに位置し、Zn、Nb、TiおよびZrはいわゆるBサイトに位置している。
【0037】
上記式中、記号Meは、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素で構成してある。
【0038】
上記式中、記号Aは、Bサイトに位置する元素、すなわち[(Zn1/3 Nb2/3 a Tib Zrc ]の組成モル比を1とした場合に、Aサイトに位置する元素、すなわち(Pb1−B MeB )の組成モル比を表す。この記号Aの大小により、焼結性に影響を与える傾向がある。本発明では、記号Aは、0.99≦A≦1.005、好ましくは0.993≦A≦1.002である。記号Aの値が小さすぎると、比較的低温での焼成が困難であり、たとえば1050℃以下の低温での焼結が困難となる。逆に記号Aの値が大きすぎると、磁器密度が低下し、その結果、十分な圧電特性が得られなくなるとともに、機械的強度が低下するおそれがある。
【0039】
上記式中、記号Bは、Aサイト中のCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素の原子数を表している。本発明では、記号Bは、0≦B≦0.1、好ましくは0<B≦0.1、より好ましくは0.005≦B≦0.1である。記号Bの値を0より大きくして、Pbの一部をCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素で置換することで、圧電歪定数を大きくすることができる、具体的には、たとえば矩形伸び振動モードの圧電歪定数(d31)を200pC/N以上にすることができる。逆に記号Bの値が大きすぎると、焼結性が低下してしまい、その結果、圧電歪定数が小さくなるとともに、機械的強度が低下し、またキュリー温度も置換量の増大に伴って低下していく傾向がある。
【0040】
上記式中、記号aは、Bサイト内の(Zn1/3 Nb2/3 )の組成モル比を表す。この記号aの大小により、焼成温度に影響を与える傾向がある。本発明では、記号aは、0.05≦a≦0.25、好ましくは0.07≦a≦0.20である。記号aの値が小さすぎると、焼成温度を低下させる効果がなく、逆に記号aの値が大きすぎると、焼結性に影響を及ぼし、その結果、圧電歪定数が小さくなるとともに、機械的強度が低下するおそれがある。
【0041】
上記式中、記号bおよびcは、Bサイト内のTiおよびZrの各組成モル比を表す。この記号bまたはcの大小により、圧電特性に影響を与える傾向がある。本発明では、記号bは、0.35≦b≦0.50、好ましくは0.37≦b≦0.48である。記号cは、0.38≦c≦0.48、好ましくは0.39≦c≦0.48である。記号bまたはcの値がこれらの範囲にすることで、モルフォトロピック相境界(MPB)付近において、大きな圧電歪定数を得ることができる。
【0042】
上記式中、記号aと記号bと記号cの合計は、a+b+c=1である。
【0043】
本発明の圧電磁器組成物は、Fe、Co、NiおよびCuから選ばれる少なくとも1種を含む第1副成分を、さらに有する。この第1副成分は、焼結性を高めることにより、焼成温度をより低下させることができる物質として作用する。前記主成分1モルの質量に対する第1副成分の比率は、特に限定されないが、酸化物(NiO、CoO、Fe2 3 、CuO)に換算して、0.01〜0.8質量%、好ましくは0.05〜0.6質量%である。第1副成分の比率が少なすぎると、焼結性を十分に改善することができず、逆に多すぎると、焼結性が低下する(=焼結できなくなる)傾向がある。なお、この第1副成分は、主成分に含まれる上記酸化物に固溶しており、TiおよびZrが存在しうるBサイトに位置していると考えられる。
【0044】
本発明の圧電磁器組成物は、Sb、NbおよびTaから選ばれる少なくとも1種を含む第2副成分を、さらに有する。この第2副成分は、焼成温度を低下させたまま、圧電特性を高めることができる物質として作用する。前記主成分1モルの質量に対する第2副成分の比率は、特に限定されないが、酸化物(Sb2 3 、Nb2 5 、Ta2 5 )に換算して、0.1〜1質量%、好ましくは0.1〜0.8質量%である。第2副成分の比率が少なすぎると、添加による効果を十分に得ることができず、逆に多すぎると、焼結性が低下し(=焼結できなくなり)、圧電歪定数が小さくなるとともに、機械的強度が低下する傾向がある。なお、この第2副成分も、主成分に含まれる上記酸化物に固溶しており、TiおよびZrが存在しうるBサイトに位置していると考えられる。
【0045】
なお、層間圧電層8の積層数や厚み等の諸条件は、目的や用途に応じ適宜決定すればよい。本実施形態では、層間圧電層8の厚みは、たとえば1〜100μm程度である。外側圧電層8aの厚みは、たとえば10〜500μm程度である。
【0046】
次に、本実施形態に係る積層型圧電アクチュエータ素子2の製造方法の一例を説明する。
【0047】
本実施形態では、ペーストを用いた通常の印刷法やシート成形法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部端子電極を印刷または転写して焼成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
【0048】
まず、圧電層用ペースト、内部電極層用ペースト、外部端子電極用ペーストをそれぞれ準備する。なお、圧電層用ペーストを用いて、図1に示す層間圧電層8および外側圧電層8aを成形することができる。
【0049】
圧電層用ペーストは、圧電磁器組成物原料と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
【0050】
圧電磁器組成物原料には、上述した本発明の圧電磁器組成物の組成に応じて、主成分を構成する原料と、各副成分を構成する原料とが用いられる。
【0051】
主成分を構成する原料としては、Pbの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物;Srの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物;Caの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物;Baの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物;Znの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物;Nbの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物;Tiの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物;Zrの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物が用いられる。
【0052】
第1副成分を構成する原料としては、Feの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物;Coの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物;Niの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物;Cuの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物が用いられる。
【0053】
第2副成分を構成する原料としては、Sbの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物;Nbの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物;Taの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物が用いられる。
【0054】
なお、焼成により酸化物になる化合物としては、例えば炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、有機金属化合物等が例示される。もちろん、酸化物と、焼成により酸化物になる化合物とを併用してもよい。圧電磁器組成物原料中の各化合物の含有量は、焼成後に上記した圧電磁器組成物の組成となるように決定すればよい。これらの原料粉末は、通常、平均粒子径0.5〜10μm程度のものが用いられる。
【0055】
主成分を構成する原料と、各副成分を構成する原料は、ボールミルなどにより湿式混合された後、仮焼きされる。仮焼きは、800〜950℃の温度で1〜3時間程度行うことが好ましい。この仮焼きは、大気中で行っても良く、また大気中よりも酸素分圧が高い雰囲気または純酸素雰囲気で行っても良い。
【0056】
これにより得られた仮焼き材料を、次にボールミル等を用いて、たとえば湿式粉砕などの微粉砕する。このとき、スラリーの溶媒として、水もしくはエタノールなどのアルコール、または水とエタノールとの混合溶媒を用いることが好ましい。湿式粉砕などの微粉砕は、仮焼き材料の平均粒径が0.5〜2.0μm程度となるまで行うことが好ましい。
【0057】
仮焼き後に微粉砕された粉末を圧電材料として、有機ビヒクル中に分散させる。有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものであり、有機ビヒクルに用いられるバインダは、特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。また、このとき用いられる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート成形法など、利用する方法に応じてテルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の有機溶剤から適宜選択すればよい。また、用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート成形法など、利用する方法に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
【0058】
また、圧電層用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、圧電原料とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
【0059】
内部電極層用ペーストは、上述した各種導電材あるいは焼成後に上述した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上述した有機ビヒクルとを混練して調製される。また、外部端子電極用ペーストも、この内部電極層用ペーストと同様にして調製される。
【0060】
各ペーストの有機ビヒクルの含有量は、特に限定されず、通常の含有量、たとえば、バインダは5〜10重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト中には必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物が含有されても良い。
【0061】
印刷法を用いる場合は、圧電層用ペーストを、ポリエチレンテレフタレート等の基板上に所定厚みで複数回印刷して、グリーン状態の、図1に示す外側圧電層8aを形成する。次に、このグリーン状態の外側圧電層8aの上に、内部電極層用ペーストを所定パターンで印刷して、グリーン状態の内部電極層4を形成する。次に、このグリーン状態の内部電極層4の上に、前記同様に圧電層用ペーストを所定厚みで複数回印刷して、グリーン状態の、図1に示す層間圧電層8を形成する。次に、このグリーン状態の層間圧電層8の上に、内部電極層用ペーストを所定パターンで印刷して、グリーン状態の内部電極層6を形成する。グリーン状態の内部電極層4,6は、対向して相異なる端部表面に露出するように形成する。最後に、グリーン状態の内部電極層6の上に、前記同様に圧電層用ペーストを所定厚みで複数回印刷して、グリーン状態の、図1に示す外側圧電層8aを形成する。その後、加熱しながら加圧、圧着し、所定形状に切断してグリーンチップとする。
【0062】
シート成形法を用いる場合は、圧電層用ペーストを用いてグリーンシートを成形し、その後、このグリーンシートを所定の枚数積層して、グリーン状態の、図1に示す外側圧電層8aを形成する。次に、このグリーン状態の外側圧電層8aの上に、内部電極層用ペーストを所定パターンで印刷して、グリーン状態の内部電極層4を形成する。同様にして、別のグリーン状態の、図1に示す外側圧電層8aの上に、グリーン状態の内部電極層6を形成する。これらを、前記グリーンシートを所定の枚数積層して形成された、グリーン状態の、図1に示す層間圧電層8を間に挟み、かつグリーン状態の内部電極層4,6が対向して相異なる端部表面に露出するように重ね、加熱しながら加圧、圧着し、所定形状に切断してグリーンチップとする。
【0063】
次に、このグリーンチップを脱バインダ処理および焼成して、焼結体(素子本体10)を作製する。
【0064】
グリーンチップの脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよく、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されればよい。導電材としてPd含有量の少ないAg−Pd合金を用いる場合、脱バインダー処理は、大気中で行っても良く、また大気中よりも酸素分圧が高い雰囲気または純酸素雰囲気で行っても良い。また、それ以外の脱バインダ条件としては、保持温度を好ましくは300〜500℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜2時間とする。
【0065】
グリーンチップの焼成は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されるが、導電材としてPd含有量の少ないAg−Pd合金を用いる場合、焼成は、大気中で行っても良く、また大気中よりも酸素分圧が高い雰囲気または純酸素雰囲気で行っても良い。
【0066】
グリーンチップの焼成温度は、グリーンチップの緻密化を十分に行え、しかも内部電極層の異常焼結による電極の途切れが生じず、十分な特性を持つ圧電磁器組成物が得られる範囲で適宜決定される。なぜなら、焼成温度があまりに低いとグリーンチップが緻密せず、焼成温度があまりに高いと内部電極が途切れたり、十分な圧電特性を持つ圧電体が得られないからである。
【0067】
従来、グリーンチップを十分に緻密化させるためには1200℃程度の比較的高温で焼成する必要があったが、本実施形態では、特定の第1副成分原料を特定量含有させていることから、好ましくは1200℃未満、より好ましくは1050℃以下、さらに好ましくは1020℃以下の低温で焼成を行うことができる。これにより、焼成炉の損傷を防止でき、保守や管理コスト、ひいてはエネルギーコストをも効果的に抑制でき、しかも出発原料としての圧電磁器組成物原料を一旦仮焼きした後、該仮焼き後に比表面積の大きな粉体となるように粉砕したり、あるいは焼成時に加圧したりしなければならない、といった煩雑な操作が不要となる。なお、焼成温度の下限は、好ましくは950℃程度である。
【0068】
これ以外の焼成条件としては、昇温速度を好ましくは50〜300℃/時間、温度保持時間を好ましくは1〜4時間、冷却速度を好ましくは200〜400℃/時間とする。
【0069】
なお、脱バインダー処理と焼成とは、別々に行うのが好ましいが、連続して行っても良い。
【0070】
以上のようにして得られた焼結体(素子本体10)に、たとえば、バレル研磨やサンドブラストにより端面研磨を施し、外部端子電極用ペーストを印刷または転写して焼成し、外部端子電極12,14を形成する。外部端子電極用ペーストの焼成条件は、たとえば、空気雰囲気中で600〜800℃にて10〜30分程度とすることが好ましい。
【0071】
このようにして製造される積層型圧電アクチュエータ素子2は、移動対象物20のたとえば側面側に配置して用いられる。
【0072】
本実施形態によれば、積層型圧電アクチュエータ素子2の層間圧電層8を、特定の酸化物を含む主成分と、この主成分に対して所定量の特定の第1副成分と、所定量の特定の第2副成分とで構成したので、大きな圧電歪定数を得ることができるとともに、焼成温度を低くしても十分に緻密化することができ、しかも機械的強度が高められる。その結果、積層型の圧電素子を形成する場合には、内部電極層4,6にPd含有量の少ないAg−Pd合金などの比較的安価な材料を用いることができ、従来と比較して圧電素子の生産性を高めることができる。また、機械的強度が高められているので、一層あたりの層間圧電層8の薄層化が可能であり、その結果、素子2の小型化に有用である。
【0073】
特に、主成分に含まれる式中の記号Bを0より大きくすることで、すなわちAサイト内のPbの一部をCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素で置換することにより、圧電歪定数のさらなる向上が期待できる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0075】
たとえば、上述した実施形態では、特定の主成分と、第1副成分と、第2副成分とを含有する場合を説明したが、これらに加えて、他の成分を含んでいても良い。その場合、その他の成分は、第1副成分及び第2副成分と同様に主成分に固溶していても良く、また、粒界に存在していても良い。
【0076】
また、上述した実施形態では、圧電素子として積層型圧電アクチュエータ素子を例示したが、本発明に係る圧電素子としてはこれに限定されず、上記組成の圧電磁器組成物で構成してある圧電層を有するものであれば何でも良く、単板型などの他の構造を有するものであってもよい。
【0077】
【実施例】
本発明の実施の形態をより具体化した実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0078】
まず、出発原料として、化学的に純粋な、主成分原料(PbO、SrCO3 、CaCO3 、BaCO3 、TiO2 、ZrO2 、ZnO、Nb2 5 )と、第1副成分原料(Fe2 3 、CoO、NiO、CuO)と、第2副成分原料(Sb2 3 、Nb2 5 、Ta2 5 )とを用意した。
次に、これらの原料を、式(Pb1−B MeB A [(Zn1/3 Nb2/3 a Tib Zrc ]O3 (主成分)+Fe2 3 、CoO、NiOおよびCuOの少なくとも1種(第1副成分)+Sb2 3 、Nb2 5 およびTa2 5 の少なくとも1種(第2副成分)において、焼成後の組成が表1〜2に示すような配合比になるように秤量した。
【0079】
次に、その出発原料を、ボールミルにより24時間湿式混合後、800〜900℃にて2時間仮焼成した。次に、ボールミルを用いて10時間粉砕し、圧電磁器組成物原料としての仮焼き物とした。
【0080】
次に、仮焼き物の粉末100質量%に、バインダーとしてのポリビニルアルコールを1質量%添加し、これを約196MPaの圧力で、縦20mm×横20mm×高さ1.5mmの角板形状にプレス成形した。
次に、このプレス成形品を、大気中において、500℃×1時間の脱バインダ処理を行い、これに連続して950〜1050℃×4時間の焼成を行って、焼結体を得た。
【0081】
次に、得られた焼結体について、アルキメデス法を用いた磁器密度(ρs)を測定した。結果を表1〜2に示す。磁器密度が7.80Mg/m3 以上であれば、十分に緻密化できていると判断した。
【0082】
また、同様にして得られた別の焼結体を、厚さ1mmに加工し、両主面にAg電極を700℃にて焼き付けた後、素子形状が縦12mm×横3mmとなるようにダイシングを行い、120℃に加熱した絶縁油(たとえばシリコーンオイル)中において、30分、2〜3kV/mmの電界を印加することで分極処理を施して、これを圧電特性の測定用試料とした。得られた圧電特性測定用試料について、インピーダンスアナライザーにより素子静電容量(C)、共振周波数(fr)、反共振周波数(fa)を測定した。測定結果をもとに圧電歪定数(d31)を求めた。結果を表1〜2に示す。圧電歪定数d31が200pC/N以上であれば良好と判断した。
【0083】
また、同様にして得られた別の焼結体を、縦2mm×横4mm×厚み0.6mmに加工し、これを機械的強度の測定用試料とした。得られた機械的強度測定用試料について、JIS−R1601に準拠した抗折試験(3点曲げ抗折強度の測定)を精密荷重測定装置を用いて行った。測定条件は支点間距離を2.0mm、荷重速度を0.5mm/min.とした。結果を表1〜2に示す。抗折強度は、110MPa超を◎とし、88MPa超110MPa以下を○として、これらを良好とし、88MPa以下を×として表した。なお、表中の「測定不能」とは、磁器密度が低すぎたため、分極ができなかったことを意味している。
【0084】
【表1】
Figure 2004137106
【0085】
【表2】
Figure 2004137106
【0086】
表1〜2からは、たとえば以下のことが理解される。なお、表1〜2での磁器密度、圧電歪定数および抗折強度の各測定値は、いずれも試料数30としたときの平均値を示している。
【0087】
(1)まず、試料No.の比較例1−1と実施例1−1を比較してみると、前者は1050℃では十分に緻密化できず、十分に緻密化させるにはそれ以上の温度(1200℃)で焼成しなければならなかったのに対し、後者では1050℃の低温でも十分に緻密化できており、d31も良好な値を示し、抗折強度も十分である。また、試料No.の比較例1−2と実施例1−2を比較してみると、前者は950℃では十分に緻密化できず、かつそれ以上の温度(1200℃)で焼成しても、組成的に無理があるため、緻密化させることはできなかったのに対し、後者では950℃の低温でも十分に緻密化できており、d31も良好な値を示し、抗折強度も十分である。これらのことから、0.99≦A≦1.005を満足する必要があることが分かる。なお、Aに関するデータについては、実施例1−1、1−2、2−1および2−2と、比較例1−1、1−2、2−1および2−2とを参照されたい。
【0088】
(2)次に、試料No.の比較例1−3と実施例1−3を比較してみると、前者は1050℃では十分に緻密化できず、十分に緻密化させるにはそれ以上の温度(1200℃)で焼成しなければならなかったのに対し、後者では1050℃の低温でも十分に緻密化できており、d31も良好な値を示し、抗折強度も十分である。また、試料No.の比較例1−4と実施例1−4を比較してみると、両者とも良好な値の抗折強度が得られている点では共通する。しかしながら、前者は1000℃では十分に緻密化できず、かつそれ以上の温度(1200℃)で焼成しても、異相が出るため、緻密化させることはできなかったのに対し、後者では1000℃で十分に緻密化されている。また、前者はd31の値が後者と比較して小さい。これらのことから、0.05≦a≦0.25を満足する必要があることが分かる。aに関するデータについては、実施例1−3、1−4、2−4および2−5と、比較例1−3、1−4、2−4および2−5とを参照されたい。
【0089】
(3)次に、試料No.の比較例1−5と実施例1−4を比較してみると、両者とも1000℃の低温で十分に緻密化された焼結体が得られており、抗折強度も良好な値が得られている点では共通する。しかしながら、前者はd31の値が後者と比較して小さい。また、試料No.の比較例1−6と実施例1−5の比較においても同様のことが言える。これらのことから、0.35≦b≦0.50を満足する必要があることが分かる。bに関するデータについては、実施例1−4、1−5、2−5および2−6と、比較例1−5、1−6、2−6および2−7とを参照されたい。
【0090】
(4)次に、試料No.の比較例1−7と実施例1−6を比較してみると、両者とも1050℃の低温で十分に緻密化された焼結体が得られており、抗折強度も良好な値が得られている点では共通する。しかしながら、前者はd31の値が後者と比較して小さい。また、試料No.の比較例1−8と実施例1−7の比較においても同様のことが言える。これらのことから、0.38≦c≦0.48を満足する必要があることが分かる。cに関するデータについては、実施例1−6、1−7、2−7および2−8と、比較例1−7、1−8、2−8および2−9とを参照されたい。
【0091】
(5)次に、試料No.の比較例1−9と実施例1−7を比較してみると、前者は1050℃では十分に緻密化できず、十分に緻密化させるにはそれ以上の温度(1150℃)で焼成しなければならなかったのに対し、後者では1030℃の低温でも十分に緻密化できており、d31も良好な値を示し、抗折強度も十分である。また、試料No.の比較例1−10と実施例1−8を比較してみると、前者は950℃では十分に緻密化できず、かつそれ以上の温度(1200℃)で焼成しても、第1副成分が固溶しきれなくなるため、緻密化させることはできなかったのに対し、後者では950℃の低温でも十分に緻密化できており、d31も良好な値を示し、抗折強度も十分である。これらのことから、主成分1モルの質量に対する第1副成分の比率は、酸化物(NiO、CoO、Fe2 3 、CuO)に換算して0.01〜0.8質量%を満足する必要があることが分かる。第1副成分に関するデータについては、実施例1−7、1−8、2−8および2−9、比較例1−9、1−10、2−10および2−11とを参照されたい。
【0092】
(6)次に、試料No.の比較例1−11と実施例1−5を比較してみると、両者とも1050℃の低温で十分に緻密化された焼結体が得られている点では共通する。しかしながら、前者はd31の値が後者と比較して小さい。抗折強度についても同様のことが言える。また、試料No.の比較例1−12と実施例1−6を比較してみると、前者は1050℃では十分に緻密化できず、かつそれ以上の温度(1200℃)で焼成しても、第2副成分が固溶しきれなくなるため、緻密化させることはできなかったのに対し、後者では1050℃の低温でも十分に緻密化できており、d31も良好な値を示し、抗折強度も十分である。これらのことから、主成分1モルの質量に対する第2副成分の比率は、第2副成分:酸化物(Sb2 3 、Nb2 5 、Ta2 5 )に換算して0.1〜1質量%を満足する必要があることが分かる。第2副成分に関するデータについては、実施例1−5、1−6、2−6および2−7と、比較例1−11、1−12、2−12および2−13とを参照されたい。
【0093】
(7)次に、試料No.の実施例1−3と実施例2−4を比較してみると、前者より後者の方がd31が向上している。これは、Pbの一部をCaで置換した場合の方が、d31を高めることができることを示している。すなわち、Pbの一部を記号Me(Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種)で置換することが、圧電歪定数の改善に効果的であることが分かる。
【0094】
(8)次に、試料No.の比較例2−1と実施例2−1を比較してみると、Pbの一部をSr(記号Meの一例)で置換しても、記号Aの値が適正範囲になければ、1050℃の低温で緻密化した焼結体が得られず、その結果、d31の測定もできず、抗折強度の低いものしか得られないことが分かる。このことは、試料No.の比較例2−2と実施例2−2との比較においても同様である。
【0095】
(9)次に、試料No.の比較例2−3と実施例2−3を比較してみると、前者は1050℃では十分に緻密化できず、十分に緻密化させるにはそれ以上の温度(1150℃)で焼成しなければならなかったのに対し、後者では1050℃の低温でも十分に緻密化できており、d31も良好な値を示し、抗折強度も十分である。このことから、Pbの一部を記号Meで置換するにしても、B≦0.1を満足する必要があることが分かる。
【0096】
(10)なお、実施例1−9および実施例2−10に示すように、記号Me、第1副成分および第2副成分の元素種を変化させても、同様の効果が得られることが確認できている。また、実施例1−10〜実施例1−12および実施例2−11〜実施例2−14に示すように、記号Me、第1副成分および第2副成分を、複数の要素で構成しても同様の効果が得られることが確認できている。
【0097】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、高い圧電歪み定数を持ち、かつ低温で焼成しても各種圧電特性を損なうことなく緻密化され、機械的強度が高められた圧電磁器組成物と、該圧電磁器組成物で構成される圧電層を有する圧電素子およびその製造方法とを、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る積層型圧電アクチュエータ素子の断面図である。
【符号の説明】
2… 積層型圧電アクチュエータ素子
4,6… 内部電極層
8,8a… 圧電層
10… 素子本体
12,14… 外部端子電極
20… 移動対象物

Claims (7)

  1. 式(Pb1−B MeB A [(Zn1/3 Nb2/3 a Tib Zrc ]O3 で示され、前記式中の記号Me、A、B、a、bおよびcが、Me:Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種、0.99≦A≦1.005、0≦B≦0.1、0.05≦a≦0.25、0.35≦b≦0.50、0.38≦c≦0.48、およびa+b+c=1である組成の酸化物を含む主成分と、
    Fe、Co、NiおよびCuから選ばれる少なくとも1種を含む第1副成分と、
    Sb、NbおよびTaから選ばれる少なくとも1種を含む第2副成分とを、有する圧電磁器組成物であって、
    前記主成分1モルの質量に対する各副成分の比率が、第1副成分:酸化物(NiO、CoO、Fe2 3 、CuO)に換算して0.01〜0.8質量%、および第2副成分:酸化物(Sb2 3 、Nb2 5 、Ta2 5 )に換算して0.1〜1質量%である圧電磁器組成物。
  2. 圧電層を有する圧電素子であって、
    前記圧電層が、圧電磁器組成物で構成してあり、
    前記圧電磁器組成物が、式(Pb1−B MeB A [(Zn1/3 Nb2/3 a Tib Zrc ]O3 で示され、前記式中の記号Me、A、B、a、bおよびcが、Me:Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種、0.99≦A≦1.005、0≦B≦0.1、0.05≦a≦0.25、0.35≦b≦0.50、0.38≦c≦0.48、およびa+b+c=1である組成の酸化物を含む主成分と、
    Fe、Co、NiおよびCuから選ばれる少なくとも1種を含む第1副成分と、
    Sb、NbおよびTaから選ばれる少なくとも1種を含む第2副成分とを、有し、
    前記主成分1モルの質量に対する各副成分の比率が、第1副成分:酸化物(NiO、CoO、Fe2 3 、CuO)に換算して0.01〜0.8質量%、および第2副成分:酸化物(Sb2 3 、Nb2 5 、Ta2 5 )に換算して0.1〜1質量%である圧電素子。
  3. 前記圧電層と共に内部電極層が交互に積層してある素子本体を有する請求項2に記載の圧電素子。
  4. 前記内部電極層に含まれる導電材が、Ag、Au、PtおよびPdから選ばれる少なくとも1種の金属、またはこれらの2種以上の合金で構成されている請求項3に記載の圧電素子。
  5. 焼成後に、式(Pb1−B MeB A [(Zn1/3Nb2/3 a Tib Zrc ]O3 で示され、前記式中の記号Me、A、B、a、bおよびcが、Me:Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種、0.99≦A≦1.005、0≦B≦0.1、0.05≦a≦0.25、0.35≦b≦0.50、0.38≦c≦0.48、およびa+b+c=1である組成の酸化物を形成する原料を含む主成分原料と、
    Fe、Co、NiおよびCuから選ばれる少なくとも1種を含む第1副成分原料と、
    Sb、NbおよびTaから選ばれる少なくとも1種を含む第2副成分原料とを、有し、
    前記主成分原料1モルの質量に対する各副成分原料の比率が、第1副成分原料:酸化物(NiO、CoO、Fe2 3 、CuO)に換算して0.01〜0.8質量%、および第2副成分原料:酸化物(Sb2 3 、Nb2 5 、Ta2 5 )に換算して0.1〜1質量%である圧電磁器組成物原料を用いて圧電層用ペーストを作製する工程と、
    内部電極層用ペーストを作製する工程と、
    前記圧電層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを交互に積層して積層体を得る工程と、
    前記積層体を焼成する工程とを、有する圧電素子の製造方法。
  6. 前記積層体の焼成を1050℃以下で行う請求項5に記載の圧電素子の製造方法。
  7. Ag、Au、PtおよびPdから選ばれる少なくとも1種の金属、またはこれらの2種以上の合金で構成される導電材を含む内部電極層用ペーストを用いる請求項5または6に記載の圧電素子の製造方法。
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