JP2015005596A - 熱電変換モジュール、及び、熱電変換モジュールの製造方法 - Google Patents

熱電変換モジュール、及び、熱電変換モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱電変換モジュールの半導体層における温度勾配を大きくすることのできる技術を提供する。【解決手段】加熱面と冷却面とのうちの少なくとも一方を有する熱電変換モジュールは、同一の極性を有する複数の半導体層と、複数の半導体層の間に配置された絶縁層と、絶縁層の内部に設けられるとともに、絶縁層の一方の側に配置された半導体層の加熱面に近い側と絶縁層の他方の側に配置された半導体層の冷却面に近い側とを電気的に接続する導電部とを備える。加熱面と冷却面とのうちの少なくとも一方は、絶縁性の保護部によって構成されている。保護部は、半導体層の端部近傍に位置する伝熱保護部と、絶縁層の端部近傍に位置する断熱保護部とを有している。伝熱保護部の熱伝導率は、断熱保護部の熱伝導率よりも大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、熱電変換モジュール、及び、熱電変換モジュールの製造方法に関する。
従来から、ゼーベック効果を利用して発電を行う熱電変換モジュールが知られている。また、近年では、半導体層と絶縁層とを交互に積層した積層型の熱電変換モジュールが提案されている(例えば、下記の特許文献参照)。このような積層型の熱電変換モジュールでは、その積層方向に対して垂直な方向の一方側を熱源に接触させることによって、他方側との間で温度差を生じさせ、当該温度差を熱起電力に変換する。特許文献1に記載された技術では、熱電変換モジュールの熱膨張に対する機械的な耐久性を向上させるために、半導体層と電気抵抗層(絶縁層)とが一体に形成されている。
特開2007−227508号公報 特開2009−246296号公報 特開昭60−127770号公報
しかし、特許文献1に記載された技術では、熱電変換モジュールの外表面に電気抵抗層が存在するため、熱源の熱を半導体層に効率よく導くことができないという課題があった。また、特許文献1に記載された技術では、端子電極が熱電変換モジュールの加熱面または冷却面に設けられているため、電力を取り出しにくく、熱源が金属等の導電性部材である場合には、端子電極と熱源とが接触してショートしてしまうという課題があった。そのほか、従来の熱電変換モジュールにおいては、その小型化や、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、熱電変換モジュールが提供される。この熱電変換モジュールは、加熱面と冷却面とのうちの少なくとも一方を有する熱電変換モジュールであって、同一の極性を有する複数の半導体層と;前記複数の半導体層の間に配置された絶縁層と;前記絶縁層の内部に設けられるとともに、前記絶縁層の一方の側に配置された前記半導体層の前記加熱面に近い側と、前記絶縁層の他方の側に配置された前記半導体層の前記冷却面に近い側とを電気的に接続する導電部とを備える。前記加熱面と前記冷却面とのうちの少なくとも一方は、絶縁性の保護部によって構成されていてもよい。前記保護部は、前記半導体層の端部近傍に位置する伝熱保護部と、前記絶縁層の端部近傍に位置する断熱保護部とを有しており;前記伝熱保護部の熱伝導率は、前記断熱保護部の熱伝導率よりも大きくてもよい。
この形態によれば、半導体層には熱が伝わりやすく、絶縁層には熱が伝わりにくい。絶縁層の内部には、熱を伝えやすい導電部が存在するが、この導電部を通って加熱面から冷却面に流れる熱を抑制することができる。したがって、熱電変換モジュールの半導体層における温度勾配を大きくすることができ、発電効率を向上させることができる。
(2)上記形態の熱電変換モジュールにおいて、前記断熱保護部は、前記伝熱保護部を構成する成分の少なくとも一つを含有してもよい。
この形態によれば、断熱保護部と伝熱保護部との密着性を向上させることができる。
(3)上記形態の熱電変換モジュールにおいて、前記断熱保護部は、前記絶縁層を構成する成分の少なくとも一つを含有してもよい。
この形態によれば、断熱保護部と絶縁層との密着性を向上させることができる。
(4)上記形態の熱電変換モジュールにおいて、前記伝熱保護部は、前記主成分よりも熱伝導率の高い粒子を含有してもよい。
この形態によれば、断熱保護部の熱伝導率よりも大きな熱伝導率を有する伝熱保護部を、容易に実現することができる。
(5)上記形態の熱電変換モジュールにおいて、前記粒子は、セラミックの粒子であってもよい。
この形態によれば、伝熱保護部の熱伝導率を大きくすることができる。
(6)上記形態の熱電変換モジュールにおいて、前記絶縁層及び前記保護部の前記主成分は、ガラスであってもよい。
この形態によれば、絶縁層及び保護部に高い絶縁性を付与することができる。
(7)上記形態の熱電変換モジュールにおいて、前記絶縁層及び前記保護部の前記主成分として用いられる前記ガラスの軟化点は、前記熱電変換モジュールを焼成する場合における温度よりも低くてもよい。
この形態によれば、ガラスを主成分とする絶縁層及び保護部は、製造工程の焼成時において流動性が増し、半導体層や導電部の焼成時における挙動に追随して変形する。したがって、焼成時における絶縁層や保護部の割れや、半導体層及び導電部との層間剥離を抑制することができる。
(8)上記形態の熱電変換モジュールにおいて、前記絶縁層及び前記保護部の前記主成分は、セラミックであってもよい。
この形態によれば、絶縁層及び保護部に高い絶縁性を付与することができる。
(9)上記形態の熱電変換モジュールにおいて、前記絶縁層及び前記保護部の前記主成分として用いられる前記セラミックの相対密度は、95%以下であってもよい。
この形態によれば、絶縁層及び保護部の焼結性が不十分となり、半導体層や導電部の焼結時における挙動に追従しやすくなる。よって製造工程の焼成時における絶縁層及び保護部の割れや、半導体層及び導電部との層間剥離を抑制することができ、熱電変換モジュールの耐久性を向上させることができる。
(10)上記形態の熱電変換モジュールは、さらに、前記熱電変換モジュールから電力を取り出すための電極を備え;前記電極は、前記熱電変換モジュールの表面のうち、前記加熱面及び前記冷却面以外の箇所に設けられていてもよい。
この形態によれば、電極が保護部の表面には形成されていないので、保護部の平坦性を維持することができる。この結果、熱源と保護部との接触性が良好となるので、熱源からの熱を半導体層に効率良く伝えることができる。また、熱源が導電性の部材であっても、熱源と電極との短絡を抑制することができる。
(11)上記形態の熱電変換モジュールにおいて、前記保護部の表面粗さ(Ra)は、10μm以下であってもよい。
この形態によれば、熱源と保護部との接触性が良好となるので、熱源からの熱を半導体層に効率良く伝えることができる。
(12)本発明の他の形態によれば、熱電変換モジュールの製造方法が提供される。この熱電変換モジュールの製造方法は、(a)半導体層を作製する工程と;(b)前記半導体層の端部に伝熱保護部を形成する工程と;(c)前記半導体層の表面に絶縁層を形成するとともに、前記伝熱保護部の表面に絶縁性の断熱保護部を形成する工程と;(d)前記半導体層及び前記絶縁層の表面に導電部を形成する工程と;(e)前記工程(a)から前記工程(d)によって作製された積層体を複数重ね合わせる工程とを備え;前記伝熱保護部の熱伝導率は、前記断熱保護部の熱伝導率よりも大きくてもよい。
この形態の製造方法によれば、発電効率の優れた熱電変換モジュールを、効率よく製造することができる。
(13)上記形態の熱電変換モジュールの製造方法は、さらに、(f)前記重ね合わされた積層体を同時に焼成する工程を備えてもよい。
この形態の製造方法によれば、導電部、半導体層、絶縁層及び保護部が一体的に形成される。したがって、導電部、半導体層、絶縁層及び保護部が剥離しにくい、耐久性の高い熱電変換モジュールを、効率よく製造することができる。
本発明は、熱電変換モジュールやその製造方法以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、熱電変換モジュールの製造装置等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての熱電変換モジュールの構成を示す説明図である。 導電部の構成を示す説明図である。 熱電変換モジュールの製造工程の様子を示す説明図である。 熱電変換モジュールの製造工程の様子を示す説明図である。 熱電変換モジュールの製造工程の様子を示す説明図である。 熱電変換モジュールの製造工程の様子を示す説明図である。 熱電変換モジュールの製造工程の様子を示す説明図である。 熱電変換モジュールの製造工程の様子を示す説明図である。 熱電変換モジュールの製造工程の様子を示す説明図である。 熱電変換モジュールの製造工程の様子を示す説明図である。 熱電変換モジュールの製造工程の様子を示す説明図である。 第2実施形態としての導電部の構成を示す説明図である。 第3実施形態としての導電部の構成を示す説明図である。 実験結果を表形式で示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
A−1.熱電変換モジュールの構成:
A−2.熱電変換モジュールの製造方法:
B.第2実施形態:
C.第3実施形態:
D.温度差に関する実験例:
E.変形例:
A.第1実施形態:
A−1.熱電変換モジュールの構成:
図1は、本発明の一実施形態としての熱電変換モジュール100の構成を示す説明図である。図1には、相互に直交するXYZ軸が示されている。この図1に示されたXYZ軸は、他の図面にも示されたXYZ軸に対応している。また、図1に示された熱電変換モジュール100の6つの面のうち、Y軸に直交する面であって、熱源に接触させる側の面を、加熱面F1と定義し、Y軸に直交する面であって、熱源に接触させない側の面を、冷却面F2と定義する。すなわち、加熱面F1と反対側の面を冷却面F2と定義する。なお、熱電変換モジュール100の使用時に、冷却面F2を冷却しない場合もあるが、便宜的に「冷却面」と呼ぶ。また、図1に示されたX軸方向を、積層方向と定義する。
熱電変換モジュール100は、半導体のゼーベック効果を利用することによって、熱源から得られた熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。熱電変換モジュール100は、複数の半導体層10と、複数の絶縁層20とを備えており、半導体層10と絶縁層20とが交互に積層された構造を有している。複数の半導体層10のうち、最も外側に配置された半導体層10の表面には、電気を取り出すための外部電極11、12が設けられている。
半導体層10は、全て同一の極性を有している。本実施形態では、半導体層10の極性は、全てP型である。ただし、半導体層10の極性は、全てN型であってもよい。絶縁層20は、各半導体層10の間に設けられており、隣接する半導体層10を絶縁している。絶縁層20の内部には、当該絶縁層20の両側に配置された2つの半導体層10を電気的に接続する導電部30が設けられている。
導電部30は、絶縁層20の内部に埋設された導電性の部材であり、当該絶縁層20の一方の側に配置された半導体層10の加熱面F1に近い側(高温側)と、当該絶縁層20の他方の側に配置された半導体層10の冷却面F2に近い側(低温側)とを電気的に接続する。
熱電変換モジュール100の加熱面F1が、熱源によって温められると、加熱面F1と冷却面F2との間に温度勾配が生じる。そうすると、半導体層10のうち、加熱面F1に近い側(高温側)と、冷却面F2に近い側(低温側)との間に、電位差が生じる。
本実施形態では、半導体層10の極性は、全て同一であり、絶縁層20の一方の側に配置された半導体層10の高温側と、当該絶縁層20の他方の側に配置された半導体層10の低温側とが導電部30によって電気的に接続されるので、半導体層10の高電位側と低電位側とが直列に接続される。したがって、本実施形態によれば、同一の極性の半導体層10を用いた積層型の熱電変換モジュール100を実現することができる。
さらに、本実施形態では、熱電変換モジュール100の加熱面F1及び冷却面F2は、絶縁性の保護部40によって構成されている。保護部40は、半導体層10の端部近傍に位置する伝熱保護部42と、絶縁層20の端部近傍に位置する断熱保護部44とを有している。本実施形態では、伝熱保護部42及び断熱保護部44は、交互に配置された半導体層10及び絶縁層20に合わせて、交互に配置されている。そして、本実施形態の伝熱保護部42の熱伝導率は、断熱保護部44の熱伝導率よりも大きくなっている。
このため、本実施形態では、熱源が加熱面F1に接触した場合には、半導体層10には熱が伝わりやすく、半導体層10の加熱面F1に近い側は、高温になりやすい。一方、熱源からの熱は絶縁層20には伝わりにくいため、絶縁層20及び導電部30を介して半導体層10の冷却面F2に近い側に熱が伝わることを抑制することができる。したがって、熱電変換モジュール100の半導体層10における加熱面F1に近い側と冷却面F2に近い側との温度勾配を大きくすることができ、発電効率を向上させることができる。
なお、伝熱保護部42と断熱保護部44との密着性を向上させるために、断熱保護部44は、伝熱保護部42を構成する成分の少なくとも一つを含有することが好ましく、さらに好ましくは、断熱保護部44は、伝熱保護部42と同一の主成分によって構成されていることが好ましい。また、断熱保護部44と絶縁層20との密着性を向上させるために、断熱保護部44は、絶縁層20を構成する成分の少なくとも一つを含有することが好ましく、さらに好ましくは、断熱保護部44は、絶縁層20と同一の主成分によって構成されていることが好ましい。なお、本明細書において、主成分とは、部材を構成する成分のうち、最も含有量の多いものをさし、部材がガラスなどの複合材料によって構成されている場合には、その複合材料をさす。
本実施形態では、絶縁層20及び保護部40(伝熱保護部42+断熱保護部44)は、同一の主成分によって構成されており、その主成分は、ガラスである。したがって、本実施形態によれば、絶縁層20及び保護部40に高い絶縁性を付与することができるとともに、保護部40と絶縁層20との密着性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、絶縁層20及び保護部40の主成分として用いられるガラスの軟化点は、製造工程において熱電変換モジュール100を焼成する場合における温度よりも低い。したがって、本実施形態によれば、ガラスを主成分とする絶縁層20及び保護部40は、製造工程の焼成時において流動性が増し、半導体層10や導電部30の焼成時における挙動に追随して変形する。したがって、焼成時における絶縁層20や保護部40の割れを抑制することができる。
また、本実施形態では、伝熱保護部42は、断熱保護部44の主成分よりも熱伝導率の高い粒子を含有することによって、断熱保護部44の熱伝導率よりも大きな熱伝導率を有している。具体的には、本実施形態の伝熱保護部42は、ガラスよりも熱伝導率の高いセラミックの粒子として、アルミナの粒子を含有している。したがって、本実施形態によれば、断熱保護部44の熱伝導率よりも大きな熱伝導率を有する伝熱保護部42を、容易に実現することができる。
なお、絶縁層20及び保護部40の主成分は、セラミックであってもよい。絶縁層20及び保護部40の主成分として用いられるセラミックとしては、例えば、ジルコニアを採用することができる。このようにしても、絶縁層20及び保護部40に高い絶縁性を付与することができる。
また、絶縁層20及び保護部40の主成分として、セラミックを用いる場合には、絶縁層20及び保護部40の主成分として用いられるセラミックの相対密度は、95%以下であることが好ましい。このようにすれば、絶縁層20及び保護部40の焼結性が不十分となり、半導体層10や導電部30の焼結時における挙動に追従しやすくなる。よって、製造工程の焼成時における絶縁層20及び保護部40の割れや、半導体層10及び導電部30との層間剥離を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、外部電極11、12は、熱電変換モジュール100の最も外側に配置された半導体層10の表面に設けられている。換言すれば、外部電極11、12は、熱電変換モジュール100の表面のうち、加熱面F1及び冷却面F2以外の箇所に設けられている。したがって、本実施形態によれば、保護部40の表面の平坦性を維持することができる。この結果、熱源と保護部40との接触性が良好となるので、熱源からの熱を半導体層10に効率良く伝えることができる。また、仮に熱源が導電性の部材であっても、熱源と外部電極11、12との短絡を抑制することができる。
さらに、本実施例では、保護部40の表面粗さRaは、10μm以下である。したがって、本実施形態によれば、熱源と保護部40との接触性が良好となるので、熱源からの熱を半導体層10に効率良く伝えることができる。特に、熱源と保護部40との間に放熱グリースを塗布する場合において、放熱グリースに含有されるフィラーの粒径は、10μm以下であるものが多い。ここで、保護部40の表面粗さRaが10μm以下であれば、熱源と保護部40との間においてフィラー同士が重ならずに配置されやすくなるため、フィラー同士の粒界が少なくなり、熱伝導性が向上する。したがって、保護部40の表面粗さRaは、放熱グリースに含有されるフィラーの粒径の観点からも、10μm以下であることが好ましい。
図2は、導電部30の構成を示す説明図である。導電部30は、導電層32と、導電接触部34とを有している。導電層32は、絶縁層20の一端から他端、すなわち、熱電変換モジュール100の加熱面F1側から、冷却面F2側に向けて延びる層である。導電接触部34は、導電層32の端部近傍から積層方向に突出し、半導体層10と接触する部位である。
A−2.熱電変換モジュールの製造方法:
図3から図11は、熱電変換モジュール100の製造工程の様子を示す説明図である。図3から図9において、各図面における(A)欄は、製造工程における部材の断面図であり、(B)欄は、当該部材を(A)欄の矢印方向から示した図である。また、図中の一点鎖線は、製造工程の最終段階で切断する場合における切断線を示している。以下では、熱電変換モジュール100の製造工程を、図3から図11を適宜参照しつつ、説明する。
<分散混合液の作製>
まず、熱電変換材料としての半導体粉末が分散した溶液である分散混合液を作製する。具体的には、熱電変換材料としての半導体粉末と、所定量の有機溶剤と、所定量の分散材と、これらを混合するための所定量の玉石とを樹脂ポットに封入し、ポットミル混合を行う。この混合によって、熱電変換材料としての半導体粉末を有機溶剤中に分散させる。
熱電変換材料としての半導体粉末は、特に限定されないが、大気中において高い安定性を有する材料を用いることが特に好ましく、例えば、酸化物熱電材料であるCa3Co49等を用いることが好ましい。有機溶剤は、特に限定されないが、例えば、エチルアルコール、トルエン、キシレン等の比較的揮発性の高い溶剤を用いることが好ましい。
本実施形態では、以下の条件に従って、分散混合液を作製した。
半導体粉末(Ca3Co49): 63質量%
分散材: 2質量%
有機溶剤(トルエン、エチルアルコール):35質量%
混合時間: 8時間
なお、分散混合液は、以下の範囲内の条件に従って、作製してもよい。
半導体粉末: 40〜75質量%
分散剤: 0.5〜5質量%
有機溶剤: 20〜60質量%
混合時間: 0.5〜30時間
<スラリーの作製>
次に、半導体層を作製するためのスラリーを作製する。具体的には、上記の分散混合液に対して、所定量のワニスを添加してポットミル混合を行うことによって、スラリーを作製する。ワニスは、バインダと、可塑剤と、有機溶剤とを混合することによって作製する。ワニスに含まれるバインダは、特に限定されず、例えば、ブチラール系、セルロース系等、種々の材料を用いることができる。可塑剤は、特に限定されず、例えば、フタル酸系化合物等を用いることができる。フタル酸系化合物としては、例えば、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジイソオクチル(DIOP)等を用いることができる。
本実施形態では、以下の条件に従って、半導体層を作製するためのスラリーを作製した。
混合比:分散混合液 対 ワニス = 81質量% 対 19質量%
ワニス中に含まれるバインダ:ブチラール系(商品名BM−2):21.8質量%
(スラリー含有量換算:4.0質量%)
ワニス中に含まれる可塑剤:フタル酸ジオクチル(DOP): 8.7質量%
(スラリー含有量換算:1.6質量%)
ワニス中に含まれる有機溶剤:トルエン、エタノール混合: 69.5質量%
ワニスの添加混合時間: 5時間
なお、半導体層を作製するためのスラリーは、以下の範囲内の条件に従って、作製してもよい。
混合比:分散混合液 対 ワニス = 70〜90質量% 対 10〜30質量%
スラリーに含まれるバインダ: 1〜15質量%
スラリーに含まれる可塑剤: 0.3〜8質量%
ワニスの添加混合時間: 0.5〜30時間
<半導体層の作製>
次に、上記のようにして作製されたスラリーを用いて、半導体層10aを作製する(図3)。具体的には、ドクターブレード法を用いてシートキャスティングを行なって、シート状の半導体層10aを作製する。なお、半導体層10aを作製する方法としては、種々の方法を採用することができ、例えば、押出し成形等を採用してもよい。
本実施形態では、ドクターブレード法によって、半導体層10aを作製した。なお、半導体層10aは、熱電変換モジュール100の完成時には、図1に示す半導体層10の一部となる。
次に、作製した半導体層10aを、後の工程で印刷が行える所定の大きさに切り出す。なお、図3には、切り出された後の半導体層10aが示されている。
<貫通部の形成>
次に、切り出した半導体層10aの所定の箇所に、貫通部42aを形成する(図4)。貫通部42aは、熱電変換モジュール100が完成した際に、伝熱保護部42が形成される個所である。
本実施形態では、貫通部42aの形状は、長方形である。貫通部42aの長辺(図4における上下方向)は、最終的に切り出した際に、半導体層10の両端の全域に伝熱保護部42が形成される長さであればよい。貫通部42aの短辺(図4における左右方向)は、電気絶縁性を確保することのできる長さであればよく、例えば、0.1〜2000μmであることが好ましい。貫通部42aを形成する方法としては、種々の方法を採用することができ、例えば、パンチ加工、ドリル加工、レーザー加工等を採用することができる。
本実施形態では、パンチ加工によって、焼成後、長辺が8mm、短辺が500μmとなるように貫通部42aを形成した。
<伝熱保護部の形成>
次に、貫通部42aに対して、伝熱保護部用のペーストを充填し、伝熱保護部42bを形成する(図5)。ペーストを充填する方法としては、種々の方法を採用することができ、例えば、スクリーン印刷やメタルマスク印刷等を採用することができる。
伝熱保護部用のペーストは、後述する断熱保護部を形成するための絶縁ペーストに、熱伝導性が母材よりも良好なフィラーを添加することによって作製する。
添加するフィラーの種類は、特に限定されないが、例えば、Al23、MgO、BN、AlN、ZnO、SiO2等の金属酸化物や金属窒化物を採用することができる。また、添加するフィラーは、1種類であってもよく、複数種類であってもよい。また、添加するフィラーの粒径は、特に限定されず、例えば、0.1〜500μmであることが好ましい。また、添加するフィラーの粒径は、1種類に限定されず、種々の大きさのものが混在していてもよい。特に、異なる粒径のフィラーを断熱保護部を形成する絶縁ペーストに添加すれば、充填率が向上し、熱伝導性を向上させることができる。
また、フィラーの添加量は、熱伝導率を向上させる効果が得られる量であれば特に限定されないが、例えば、断熱保護部を形成する絶縁ペーストの母材に対して、1〜50体積%のフィラーを添加することが好ましい。このような添加量とすれば、伝熱保護部42bと断熱保護部44aとの密着性を維持しつつ、熱伝導率を向上させる効果を十分に得ることができる。
本実施形態では、後述する絶縁層20aを形成するための絶縁ペーストに、Al23フィラー(平均粒径:5μm)を、母材に対して30体積%添加し、伝熱保護部用のペーストを作製した。そして、貫通部42aに対してスクリーン印刷を行なうことによって、穴埋め印刷を実施した。なお、以下では、伝熱保護部42bが形成された図5に示す状態の半導体層10aを、「半導体層10A」とも呼ぶ。
<絶縁層及び断熱保護部の形成>
次に、半導体層10aの表面の所定の個所に、絶縁層20a及び断熱保護部44aを形成する(図6)。本実施形態では、断熱保護部44aを、絶縁層20aとは区別せず、同じ材料によって形成した。したがって、本実施形態の製造工程の様子を示す図面では、絶縁層20aと断熱保護部44aとを同じハッチングで示し、断熱保護部44aに相当する領域を、矢印の範囲で示している。なお、断熱保護部44aを、絶縁層20とは異なる材料によって形成する場合には、いずれか一方を目的の個所に形成し、その後、他方を目的の個所に形成すればよい。
絶縁層20a及び断熱保護部44aを形成する方法は、特に限定されず、例えば、スクリーン印刷、メタルマスク印刷、もしくはシート積層法等を採用することができる。絶縁層20a及び断熱保護部44aの厚さは、特に限定されないが、電気絶縁性及び印刷性を考慮して、0.1〜100μmであることが好ましく、特に1〜50μmであることが好ましい。絶縁層20a及び断熱保護部44aの材料としては、例えば、ガラスやセラミックを用いることができる。
絶縁層20a及び断熱保護部44aの材料としてガラスを用いる場合には、ガラスの種類は特に限定されず、例えば、一般的なシリカ系のガラス等を用いることができる。ただし、上述したように、軟化点が半導体の焼成温度以下であるガラスを用いることが好ましい。
絶縁層20a及び断熱保護部44aの材料としてセラミックを用いる場合には、半導体の焼成温度では充分に焼結されないセラミックを用いることが好ましい。例えば、融点が約1500℃以上のセラミックを用いることが好ましい。このようにすれば、絶縁層20a及び断熱保護部44aの焼結時における割れや、半導体層10a、導電接触部34a、導電層32aとの層間剥離を抑制することができる。なお、焼結温度は、材料の物性と粒径に依存するため、両者のバランスを考慮して、セラミック材料及びその粒径を選択すればよい。なお、熱電変換モジュール100を大気中で使用することを考慮すれば、酸化物系セラミックを用いることが好ましい。
本実施形態では、絶縁層20a及び断熱保護部44aの材料として、ガラスを用いた。具体的には、ガラスとして、SiO2−BaO−CaO(軟化点829℃)を用い、所定量の溶剤及びバインダを混合し混練することによって、印刷用の絶縁ペーストを作製した。そして、スクリーン印刷によって、焼成後に厚さ50μmとなるよう、絶縁層20a及び断熱保護部44aを所定の位置に印刷した。
なお、他の実施形態においては、絶縁層20a及び断熱保護部44aの材料として、セラミックを用いてもよい。例えば、セラミックとして、ZrO2を用い、所定量の溶剤及びバインダを混合し、混練することによって印刷用の絶縁ペーストを作製する。そして、スクリーン印刷によって、焼成後に厚さ50μmとなるよう、絶縁層20a及び断熱保護部44aを所定の位置に印刷してもよい。
また、絶縁層20a及び断熱保護部44aが形成されない個所は、後述する導電接触部34aが形成される個所となる。導電接触部34aを形成する個所は、特に限定されないが、発電特性の観点からは、熱電変換モジュール100を完成させた際に、半導体層10の端部近傍となる個所であることが好ましい。
<導電接触部の形成>
次に、導電接触部34aを形成する(図7)。具体的には、半導体層10aの表面のうち、絶縁層20a及び断熱保護部44aが形成されていない個所に対して、導電ペーストを用いて穴埋め印刷を実行する。
導電ペーストは、導電部材に、所定量の溶剤及びバインダを混合し、混練することによって作製する。導電部材は、特に限定されないが、電気抵抗の低い材料を用いることが好ましく、例えば、Ag、Au、Pt、Cu、Pd、Ni等の金属材料を主成分として用いることが好ましい。
本実施形態では、導電材料としてのAg粉末に、所定量の溶剤及びバインダを混合することによって導電ペーストを作製した。そして、作製した導電ペーストを用いたスクリーン印刷によって、穴埋め印刷を実行した。
<導電層の形成>
次に、導電層32aを形成する(図8)。導電層32aを形成する方法は、特に限定されず、例えば、導電ペーストを用いたスクリーン印刷やメタルマスク印刷等によって実施することができる。
導電ペーストは、上記と同様、導電部材に、所定量の溶剤及びバインダを混合し、混練することによって作製する。導電部材は、特に限定されないが、導電接触部34aとの密着性を向上させるために、導電接触部34aと同じ材料を用いることが好ましい。
本実施形態では、Ag粉末をペースト状にした導電ペーストをスクリーン印刷することによって、焼成後に厚さ0.025mm(25μm)となるよう導電層32aを形成した。
<断熱保護部の形成>
次に、断熱保護部44bを形成する(図9)。具体的には、絶縁層20aの表面のうち、導電層32aが形成されていない個所に対して、換言すれば、断熱保護部44aの上に、断熱保護部44bを形成する。断熱保護部44bを形成する方法は、特に限定されず、例えば、絶縁ペーストを用いたスクリーン印刷やメタルマスク印刷等によって実施することができる。
本実施形態では、絶縁層20a及び断熱保護部44aと同じ絶縁ペーストを用い、スクリーン印刷によって、焼成後に厚さ0.025mm(25μm)となるよう、断熱保護部44bを所定の個所に印刷した。なお、以下では、図9に示す状態の積層体を、「積層体50」とも呼ぶ。
<モジュールの組み立て>
次に、作製した積層体を張り合わせる(図10)。具体的には、積層体50と、積層体50の上下を反転させた積層体とを交互に積層し、この積層体の両側に、半導体層10A(図5)を配置する。そして、これらを同時に圧着させて、積層体60を作製する。そして、この積層体60を、一点鎖線の個所にて切断することによって、熱電変換モジュール100を得ることができる(図11)。
本実施形態では、50mm×50mmの大きさの半導体層10aを作製した。そして、焼成後に8mm×8mm×9mm(半導体層8mm、保護部0.5mm×2)のブロック体となるように、シートの積層及びパターンの印刷を行い、80℃、125kNの荷重で10分間、圧着を行った。そして、後述する焼成後に8mm×8mmの大きさとなるように、切断を行った。
<脱脂処理>
次に、所定の大きさに切断されたモジュールに対して、脱脂処理を行う。脱脂処理の条件は、バインダの量及び分散材の量に応じて適宜設定すればよい。
本実施形態では、以下の条件に従って、脱脂処理を行なった。
脱脂温度:250℃
脱脂時間:10時間
なお、脱脂処理は、以下の範囲内の条件に従って、行なってもよい。
脱脂温度:200〜600℃
脱脂時間:1〜100時間
<焼成処理>
次に、焼成処理を行う。焼成温度・時間の条件は、使用する熱電半導体材料、絶縁材料、導電材料に応じて決定される。
本実施形態では、以下の条件に従って、焼成を行なった。
焼成温度:900℃
焼成時間:5時間
なお、焼成は、以下の範囲内の条件に従って、行なってもよい。
焼成温度:800〜950℃
焼成時間:1〜50時間
<外部電極の形成>
次に、外部電極11、12を形成する(図1)。具体的には、熱電変換モジュール100の最も外側における半導体層10に、外部電極11、12を形成する。外部電極11、12の形成方法は、特に限定されないが、印刷や、塗布法等によって実施することができる。外部電極11、12に用いられる電極材料は、特に限定されないが、耐食性の優れた材料を用いることが好ましく、例えば、Pt、Au、Ag、Ag−Pdや導電性酸化物などを用いることができる。なお、外部電極11、12の形成は、モジュールの作製工程において、印刷工程より後であれば、どの段階で行なってもよい。
本実施形態では、Auをペースト化した導電ペーストを塗布した後、800℃で10分間焼成した。
このように、本実施形態の熱電変換モジュール100によれば、伝熱保護部42と断熱保護部44とが設けられているので、半導体層10における加熱面F1に近い側と冷却面F2に近い側との温度差を大きくすることができ、発電効率を向上させることができる。
B.第2実施形態:
図12は、第2実施形態としての導電部30bの構成を示す説明図である。図2に示した第1実施形態との違いは、導電層32が、同一の平面上において分散して配置されているという点であり、他の構成は第1実施形態と同じである。具体的には、導電層32は、同一の平面上において複数に分割された状態(ストライプ形状)となっている。したがって、本実施形態では、上記第1実施形態に比べて、導電層32の容積が小さくなっており、導電層32を媒介とする熱の移動が抑制される。この結果、熱電変換モジュール100の半導体層10における高温側と低温側との温度差を大きくすることができ、熱電変換モジュール100の発電効率を向上させることができる。
このように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、熱電変換モジュール100の発電効率を向上させることができる。なお、本実施形態の導電部30bが熱電変換モジュール100に組み込まれた場合には、複数に分割された導電層32の隙間には、絶縁層が形成される。
C.第3実施形態:
図13は、第3実施形態としての導電部30cの構成を示す説明図である。本実施形態においても、図12に示した第2実施形態と同様に、導電層32が、同一の平面上において分散して配置されている。ただし、本実施形態の導電層32では、隣接する端部同士が繋がっており、導電層32の面内に複数の開口部39が設けられた構成となっている。導電部30cをこのような形状としても、導電層32を媒介とする熱の移動が抑制されるので、熱電変換モジュール100の半導体層10における高温側と低温側との温度差を大きくすることができ、熱電変換モジュールの発電効率を向上させることができる。
D.温度差に関する実験例:
本実験例では、保護部40の材料の異なる3つのサンプルを作製し、半導体層10のうち、加熱面F1に近い側と、冷却面F2に近い側との温度差を測定した。3つのサンプルは以下のとおりである。
サンプルサイズ(サンプル1〜3共通)
厚さ(X方向)半導体層500μm、絶縁層50μm×2=100μm、導電層50μm
高さ(Y方向)保護部 各500μm、半導体層8000μm
サンプル1:保護部40の全てが、絶縁層20と同じ材料によって形成されている。すなわち、サンプル1の保護部40は、全て断熱保護部44によって構成されている。
サンプル2:保護部40の全てが、絶縁層20と同じ材料にアルミナフィラー(粒径10μm)を30体積%添加したものによって形成されている。すなわち、サンプル2の保護部40は、全て伝熱保護部42によって構成されている。
サンプル3:保護部40のうち、半導体層10の近傍は、絶縁層20と同じ材料にアルミナフィラー(粒径10μm)を30体積%添加したものによって形成されており、絶縁層20の近傍は、絶縁層20と同じ材料によって形成されている。すなわち、サンプル3の保護部40は、上記の実施形態と同じであり、断熱保護部44と伝熱保護部42とによって構成されている。
本実験例では、上記の3つのサンプルに対して、加熱面F1を300℃に保持し、冷却面F2を水冷した。そして、熱電変換モジュール100の最も外側に配置された半導体層10のうち、加熱面F1に近い側の温度と、冷却面F2に近い側の温度とを熱電対によって測定し、その温度差を測定した。
図14は、実験結果を表形式で示す説明図である。この図14によれば、加熱面F1に近い側の温度Thは、サンプル2が最も高くなった。しかし、冷却面F2に近い側の温度Tcは、サンプル3の方がサンプル2よりも低くなったため、温度差ΔTは、サンプル3が最も大きくなった。この理由は、サンプル3では、絶縁層20に熱が伝わりにくいため、絶縁層20及び導電部30を介して半導体層10の冷却面F2に近い側に熱が伝わることが抑制されたからであると考えられる。
したがって、上記の実施形態のように、保護部40のうち、半導体層10の近傍を伝熱保護部42によって構成し、絶縁層20の近傍を断熱保護部44によって構成すれば、半導体層10のうち、加熱面F1に近い側と、冷却面F2に近い側との温度差を最も大きくすることができ、熱電変換モジュール100の発電効率が向上することが理解できる。
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施形態や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
・変形例1:
上記実施形態において、保護部40は、熱電変換モジュール100の加熱面F1または冷却面F2のいずれか一方にのみ設けられていてもよい。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…半導体層
10A…半導体層
10a…半導体層
11…外部電極
12…外部電極
20…絶縁層
20a…絶縁層
30…導電部
30b…導電部
30c…導電部
32…導電層
32a…導電層
34…導電接触部
34a…導電接触部
39…開口部
40…保護部
42…伝熱保護部
42a…貫通部
42b…伝熱保護部
44…断熱保護部
44a…断熱保護部
44b…断熱保護部
50…積層体
60…積層体
100…熱電変換モジュール
F1…加熱面
F2…冷却面

Claims (13)

  1. 加熱面と冷却面とのうちの少なくとも一方を有する熱電変換モジュールであって、
    同一の極性を有する複数の半導体層と、
    前記複数の半導体層の間に配置された絶縁層と、
    前記絶縁層の内部に設けられるとともに、前記絶縁層の一方の側に配置された前記半導体層の前記加熱面に近い側と、前記絶縁層の他方の側に配置された前記半導体層の前記冷却面に近い側とを電気的に接続する導電部と
    を備え、
    前記加熱面と前記冷却面とのうちの少なくとも一方は、絶縁性の保護部によって構成されており、
    前記保護部は、前記半導体層の端部近傍に位置する伝熱保護部と、前記絶縁層の端部近傍に位置する断熱保護部とを有しており、
    前記伝熱保護部の熱伝導率は、前記断熱保護部の熱伝導率よりも大きいことを特徴とする、熱電変換モジュール。
  2. 請求項1に記載の熱電変換モジュールであって、
    前記断熱保護部は、前記伝熱保護部を構成する成分の少なくとも一つを含有することを特徴とする、熱電変換モジュール。
  3. 請求項1または請求項2に記載の熱電変換モジュールであって、
    前記断熱保護部は、前記絶縁層を構成する成分の少なくとも一つを含有することを特徴とする、熱電変換モジュール。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱電変換モジュールであって、
    前記伝熱保護部は、前記断熱保護部の主成分よりも熱伝導率の高い粒子を含有することを特徴とする、熱電変換モジュール。
  5. 請求項4に記載の熱電変換モジュールであって、
    前記粒子は、セラミックの粒子であることを特徴とする、熱電変換モジュール。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱電変換モジュールであって、
    前記絶縁層及び前記保護部の主成分は、ガラスであることを特徴とする、熱電変換モジュール。
  7. 請求項6に記載の熱電変換モジュールであって、
    前記絶縁層及び前記保護部の前記主成分として用いられる前記ガラスの軟化点は、前記熱電変換モジュールを焼成する場合における温度よりも低いことを特徴とする、熱電変換モジュール。
  8. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱電変換モジュールであって、
    前記絶縁層及び前記保護部の主成分は、セラミックであることを特徴とする、熱電変換モジュール。
  9. 請求項8に記載の熱電変換モジュールであって、
    前記絶縁層及び前記保護部の前記主成分として用いられる前記セラミックの相対密度は、95%以下であることを特徴とする、熱電変換モジュール。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の熱電変換モジュールであって、さらに、
    前記熱電変換モジュールから電力を取り出すための電極を備え、
    前記電極は、前記熱電変換モジュールの表面のうち、前記加熱面及び前記冷却面以外の箇所に設けられていることを特徴とする、熱電変換モジュール。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の熱電変換モジュールであって、
    前記保護部の表面粗さ(Ra)は、10μm以下であることを特徴とする、熱電変換モジュール。
  12. 熱電変換モジュールの製造方法であって、
    (a)半導体層を作製する工程と、
    (b)前記半導体層の端部に伝熱保護部を形成する工程と、
    (c)前記半導体層の表面に絶縁層を形成するとともに、前記伝熱保護部の表面に絶縁性の断熱保護部を形成する工程と、
    (d)前記半導体層及び前記絶縁層の表面に導電部を形成する工程と、
    (e)前記工程(a)から前記工程(d)によって作製された積層体を複数重ね合わせる工程と
    を備え、
    前記伝熱保護部の熱伝導率は、前記断熱保護部の熱伝導率よりも大きいことを特徴とする、熱電変換モジュールの製造方法。
  13. 請求項12に記載の熱電変換モジュールの製造方法であって、さらに、
    (f)前記重ね合わされた積層体を同時に焼成する工程を備えることを特徴とする、熱電変換モジュールの製造方法。
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