JP6693113B2 - 熱搬送デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、熱搬送デバイスに関する。
近年、小型携帯機器(スマートフォン、タブレットPC)等の電子機器においては、中央処理装置(CPU)やハードディスク(HDD)等の発熱による、機器のパフォーマンスの低下、電子機器の寿命の短命化、故障といった問題が顕在化している。このような問題に対しては、電子機器における熱マネージメントが重要である。しかしながら、スマートフォン等の小型電子機器は、その電源容量が小さく、また、大きな冷却デバイスを設置することができるスペースを有していない。したがって、このような小型電子機器では、現状、温度の制御は、筺体を介する放熱による手段しかなく、熱源と筺体をサーマルシートなどで熱結合し熱を逃がしている。
小型電子機器において、上記のような筺体を介する放熱は、筺体の表面積が限られていることから限界がある。したがって、各熱源の温度を測定し、温度が所定の温度以上になった場合に、CPUなどのパフォーマンスを制限する(発熱自体を抑制する)ことで対応している。即ち、筺体の温度上昇が、CPU等のパフォーマンスの妨げになっていることがある。
一方、非特許文献1では、BaTiO材料を用いた積層セラミックコンデンサにおいて、直接法および間接法により電気熱量効果(Electrocaloric effect:以下、「EC効果」ともいう)の測定を行い、積層セラミックコンデンサにおいてBaTiO材料が、EC効果を奏することが確認されている。
非特許文献2では、Pb(Sc0.5Ta0.5)O材料を用いた積層コンデンサにおいて、直接法によりEC効果の測定を行い、Pb(Sc0.5Ta0.5)O材料が、EC効果を奏することが確認されている。
特許文献1には、ヒートスイッチとEC効果を示す材料を組み合わせた熱輸送素子が記載されている。
国際公開第2006/056809号
Direct and indirect electrocaloric measurements using multilayer capacitors, S Kar-Narayan and N D Mathur, J. Phys. D: Appl. Phys.43 (2010) 032002 (4pp) Electrocaloric Effect in Some Perovskite Ferroelectric Ceramics and Multilayer Capacitors, L. Shebanovsa, K. Bormana, W. N. Lawlessb & A. Kalvanea, Ferroelectrics, Volume 273, Issue 1, 2002, pages 137-142
本発明者は、小型電子機器における良好な熱マネージメントを達成するために、上記EC効果を示すセラミック材料に着目した。しかしながら、特許文献1には、EC効果を示す材料を利用した熱輸送素子が開示されているが、単一組成のセラミック材料から構成されるので、その材料固有の温度範囲のみでしか十分なEC効果が得られず、動作温度領域が狭くなってしまうという問題がある。例えば、電子機器の発熱は一般に40℃〜150℃程度までの広い温度領域にわたって起こるため、上記のような動作温度領域が狭い熱輸送素子は好ましくない。
従って、本発明は、広い温度領域にわたって高いEC効果を示す熱輸送素子を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、異なるEC効果を示す材料から構成される層を積層することにより、広い温度領域にわたって高いEC効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の要旨によれば、電気熱量効果を示す材料から構成される、少なくとも2種の強誘電体層と
内部電極層と
が積層された積層体と、
内部電極層に電気的に接続され、積層体の表面上に設けられた一対の外部電極と
を有して成る、熱搬送デバイスが提供される。
本発明の第2の要旨によれば、上記の熱搬送デバイスを有してなる電子部品が提供される。
本発明の第3の要旨によれば、上記の熱搬送デバイスまたは上記の電子部品を有してなる電子機器が提供される。
本発明によれば、電気熱量効果を示す材料から構成される少なくとも2種の強誘電体セラミック層を積層することにより、広い温度領域にわたって高い電気熱量効果を示す熱搬送デバイスを提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態における熱搬送デバイス1の概略断面図である。 図2は、本発明の別の実施形態における熱搬送デバイス11の概略断面図である。 図3は、本発明の別の実施形態における熱搬送デバイス21の概略断面図である。 図4は、本発明の別の実施形態における熱搬送デバイス31の概略断面図である。 図5は、本発明の別の実施形態における熱搬送デバイス41の概略断面図である。 図6は、実施例におけるΔTの測定結果である。
以下、本発明の熱搬送デバイスについて、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本実施形態の熱搬送デバイスおよび各構成要素の形状および配置等は、図示する例に限定されない。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態の熱搬送デバイス1は、2種の強誘電体層2,3と、内部電極4,5と、外部電極6,7とを有して成る。2種の強誘電体層2および3は、交互に積層されており、その間には、外部電極6および7が交互に設けられており、積層体を形成する。積層体の両端面には、外部電極6および7が設けられており、それぞれ、内部電極4および5と、電気的に接続されている。外部電極6および7から電圧を印加すると、内部電極4および5間に電場が形成される。この電場により強誘電体層2および3は発熱する。また、電圧が除去されると、電場が消失し、その結果、強誘電体部2および3は吸熱する。
強誘電体層2,3は、電気熱量効果を示す材料から構成される。強誘電体層2および3は、それぞれ、異なる電気熱量効果を示す材料から構成される。強誘電体層2および3を、異なる電気熱量効果を示す材料から構成することにより、有効な電気熱量効果を奏する温度領域を、広くすることが可能になる。
上記電気熱量効果を示す材料としては、強誘電体のセラミック材料であれば特に限定されないが、例えば、以下のものが挙げられる。
(i) (1−x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O−xPbTiO(以下、「(1−x)PMN−xPT」ともいう)
[式中、xは0以上0.35以下である。]
(ii) (Pb1−xBa)ZrO
[式中、xは0.15以上0.34以下である。]
(iii) Pb(Sc1/2,Ta(1−x)/2Nbx/2)O
[式中、xは0以上0.5以下である。]
(iv) (Ba1−xSr)TiO
[式中、xは0以上0.25以下である。]
(v) Ba(Ti1−xZr)O
[式中、xは0以上0.3以下である。]
(vi) Ba(Ti1−xSn)O
[式中、xは0以上0.3以下である。]
(vii) (Pb(1−x)yBa)ZrO、または
[式中、xは0.15以上0.34以下であり、yは0.94以上1.02以下である。]
(viii) 100{(Pb(1−x)yBa)ZrO}・αM1
[式中、xは0.15以上0.34以下であり、yは0.94以上1.02以下であり、αは、0.1以上1.9以下である。]
好ましい電気熱量効果を示す材料は、
(i) (1−x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O−xPbTiO
[式中、xは0以上0.2以下である。]
(ii) (Pb1−xBa)ZrO
[式中、xは0.15以上0.34以下である。]
(vii) (Pb(1−x)yBa)ZrO、または
[式中、xは0.15以上0.34以下であり、yは0.94以上1.02以下である。]
(viii) 100{(Pb(1−x)yBa)ZrO}・αM1
[式中、xは0.15以上0.34以下であり、yは0.94以上1.02以下であり、αは、0.1以上1.9以下である。]
である。
好ましい態様において、強誘電体層2および3を構成する電気熱量効果を示す材料は、焼成時にデラミネーションが生じにくい材料の組み合わせ、即ち線膨張率が近い材料の組み合わせであり得る。
上記線膨張率が近い材料の組み合わせとしては、限定するものではないが、同様の構成元素から成り、その含有率が異なる材料の組み合わせが挙げられる。例えば、上記線膨張率が近い材料の組み合わせは、それぞれ、上記の式(i)〜(viii)のいずれか1つで表される材料であって、x、yまたはαの数値のみが異なる材料であり得る。
尚、構成元素が異なっていても、同様の線膨張率である材料の組み合わせであれば良好に使用できる。
強誘電体層2および3を構成する材料の組み合わせの例としては、特に限定するものではないが、下記の組み合わせが挙げられる。
PMN(x=0)と0.85PMN−0.15PT(x=0.15)
0.9PMN−0.1PT(x=0.1)と0.85PMN−0.15PT(x=0.15)
(Ba0.9Sr0.1)TiO(x=0.1)とBa(Ti0.8Zr0.2)O(x=0.2)
一の態様において、本発明で用いられる電気熱量効果を示す材料は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは1μm以上5μm以下の平均粒径を有し得る。このような粒径を有することにより、強誘電体部の耐電圧、電気熱量効果をより大きくすることができる。上記平均粒径は、電子走査顕微鏡を用いて測定することができる。
強誘電体層2,3中、電気熱量効果を示す材料の含有量は、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上、さらにより好ましくは98質量%以上、例えば98.0〜99.8質量%であり得る。また、強誘電体層は、実質的に電気熱量効果を示す材料から成っていてもよい。
強誘電体層2,3の厚みは、好ましくは1μm以上100μm以下、より好ましくは5μm以上50μm以下、例えば10μm以上50μm以下、5μm以上30μm以下、10μm以上30μm以下であり得る。強誘電体層の厚みを1μm以上とすることにより、強誘電体層の絶縁性をより確実に確保することができる。また、強誘電体層の厚みを100μm以下とすることにより、強誘電体層に印加される電場をより強くすることができる。
内部電極4,5を構成する材料としては、特に限定されないが、Ag、Cu、Pt、Ni、Al、Pd、Au、またはこれらの合金(例えば、Ag−Pd等)が挙げられる。中でも、熱伝導の観点から、Pt、PdまたはAg−Pdが好ましい。
また、内部電極4,5は、強誘電体部に電場を与える機能に加え、強誘電体部の熱量を搬送する機能をも有し得る。従って、熱搬送の観点からは、電極を構成する材料は、熱伝導率が高い材料、例えばAgが好ましい。
内部電極4,5の厚みは、好ましくは1.0μm以上10μm以下、より好ましくは1.5μm以上5.0μm以下、例えば2.0μm以上5.0μm以下または2.0μm以上4.0μm以下であり得る。内部電極の厚みを1μm以上とすることにより、内部電極の抵抗を小さくすることができ、また、熱輸送効率を上げることができる。また、内部電極の厚みを10μm以下とすることにより、強誘電体層の厚み(ひいては体積)を大きくすることができ、デバイス全体としての電気熱量効果をより大きくすることができる。また、デバイスをより小さくすることができる。
図1において、強誘電体層2および3は、それぞれ6枚ずつ、内部電極を介して、交互に積層されているが、本発明において、各強誘電体層の積層枚数は特に限定されない。例えば、強誘電体層2および3の積層数の下限は、それぞれ、2以上、好ましくは5以上、例えば10以上または20以上であってもよい。また、強誘電体層2および3の積層数の上限は、数百以下、好ましくは300以下、より好ましくは100以下、例えば50以下であり得る。また、強誘電体層2および3の積層数は、同じであっても、異なっていてもよい。
一対の外部電極6,7を構成する材料としては、特に限定されないが、Ag、Cu、Pt、Ni、Al、Pd、Au、またはこれらの合金(例えば、Ag−Pd等)が挙げられる。中でも、Agが好ましい。
上記した本実施形態の熱搬送デバイス1は、例えば、以下のようにして製造される。
まず、2種の電気熱量効果を示す材料と内部電極を構成する金属材料から積層体を形成する。
積層体の形成方法は、特に限定されず、シート積層法および印刷積層法などを利用して積層体を形成してよい。
シート積層法による場合、それぞれの電気熱量効果を示す材料を、シート状に成形して、強誘電体シートを形成する。例えば、電気熱量効果を示す材料を、バインダー樹脂および有機溶剤を含む有機ビヒクルと混合/混練し、シート状に成形することにより2種の強誘電体シートを得ることができる。次に、上記で得られた2種の強誘電体シート上に、導体ペーストを所定のパターンで印刷して内部電極層を形成し、内部電極層が印刷された2種の強誘電体シートを交互に積層し、圧着し、切断して、各素体を得る。次いで、素体を焼成して、積層体を得ることができる。
印刷積層法による場合、一の電気熱量効果を示す材料のペーストを印刷して強誘電体層2を形成し、導体ペーストを所定のパターンで印刷して内部電極層4を形成する。次いで、別の電気熱量効果を示す材料のペーストを印刷して強誘電体層3を形成し、導体ペーストを所定のパターンで印刷して内部電極層5を形成する。これらの工程を繰り返して積層し、切断して、各素体を得る。次いで、素体を焼成して、積層体を得ることができる。
次に、上記で得られた積層体の両端面を覆うように、外部電極6および7を形成する。外部電極6および7の形成は、例えば、銀の粉末をガラスなどと一緒にペースト状にしたものを所定の領域に塗布し、得られた構造体を、熱処理して銀を焼き付けることによって実施し得る。
本発明の熱搬送デバイスは、複数の電気熱量効果を示す材料を用いているので、広い温度範囲にわたって、電場の変化による温度変化(以下、「ΔT」ともいう)を十分に得ることができる。例えば、40℃〜150℃の温度範囲にわたって、十分なΔTを得ることができる。本発明のこの効果は、温度−ΔT図において、急峻なピークを有する電気熱量効果を示す材料を用いる場合に特に有用であり得る。
以上、本発明の第1の実施形態における熱搬送デバイスを説明したが、本発明は、上記の実施態様に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態の熱搬送デバイス1では、2種の強誘電体層を用いていたが、3種以上であってもよい。
例えば、図2に示すように、3種の強誘電体層2,3,9が順に積層された熱搬送デバイス11であってもよい。熱搬送デバイス11は、3種の強誘電体層2,3,9が順に積層されていること以外は、第1の実施形態と同じ構成を有する。
上記実施形態の熱搬送デバイス1では、2種の強誘電体層が交互に積層されているが、これに限定されず、積層数および積層順は任意である。
例えば、図3に示すように、2種の強誘電体層2,3が、強誘電体層2、強誘電体層2および強誘電体層3の順に積層された熱搬送デバイス21であってもよい。熱搬送デバイス21は、2種の強誘電体層2,3の積層数および積層順以外は、第1の実施形態と同じ構成を有する。
また、図4に示すように、3種の強誘電体層2,3,9が、複数の強誘電体層2、複数の強誘電体層2、複数の強誘電体層3の順に積層された熱搬送デバイス31であってもよい。熱搬送デバイス31は、3種の強誘電体層2,3,9の積層順以外は、図2に示す実施形態と同じ構成を有する。
上記実施形態の熱搬送デバイス1では、強誘電体層と内部電極層が交互に積層されているが、これに限定されず、積層順は任意である。
例えば、図5に示すように、2種の強誘電体層2および3の両方を挟むように、内部電極層が設けられた熱搬送デバイス41であってもよい。熱搬送デバイス41は、2種の強誘電体層2および3が一組の内部電極層4および5に挟まれていること以外は、第1の実施形態と同じ構成を有する。
本発明の熱搬送デバイスは、主に電場が解除されて吸熱する際に、またはこの吸熱により熱搬送デバイスの温度が低下した際に、発熱源で生じた熱を吸収し得る。また、本発明の熱搬送デバイスは、主に電場が印加されて放熱する際に、吸収した熱を外部に放出し得る。従って、本発明の熱搬送デバイスは、冷却デバイスとして利用することができる。
本発明はまた、本発明の熱搬送デバイスを有して成る電子部品、ならびに本発明の熱搬送デバイスまたは電子部品を有して成る電子機器をも提供する。
電子部品としては、特に限定するものではないが、例えば、中央処理装置(CPU)、ハードディスク(HDD)、パワーマネージメントIC(PMIC)、パワーアンプ(PA)、トランシーバーIC、ボルテージレギュレータ(VR)などの集積回路(IC)、発光ダイオード(LED)、白熱電球、半導体レーザーなどの発光素子、電界効果トランジスタ(FET)などの熱源となり得る部品、および、その他の部品、例えば、リチウムイオンバッテリー、基板、ヒートシンク、筐体等の電子機器に一般的に用いられる部品が挙げられる。
電子機器としては、特に限定するものではないが、例えば、携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型端末、ハードディスクドライブ、データーサーバー等が挙げられる。
実施例1
以下のようにして、図1に示されるような熱搬送デバイスを製造した。
強誘電体層2の材料として、Pb(Mg1/3Nb2/3)O(PMN)、強誘電体層3の材料として、0.85Pb(Mg1/3Nb2/3)O−0.15PbTiO(0.85PMN−0.15PT(x=0.15))を用いた。
上記の材料は、以下のようにはコロンバイト法を用いて調製した。即ち、まず、MgCOとNbを、MgNbとなるように調合し、PSZ(部分安定化ジルコニア)ボールとともに粉砕混合を行った。乾燥後、1200℃、12時間の条件で、仮焼を行い前駆体であるコロンバイトを得た。PMNを調製する場合、このコロンバイトとPbをPb(Mg1/3Nb2/3)Oとなるよう調合し、PSZボールとともに粉砕混合を行い、PMN原料粉を得た。0.85PMN−0.15PTを調製する場合、コロンバイトとPbに加え、さらにPbTiOを加えて0.85Pb(Mg1/3Nb2/3)O−0.15PbTiOとなるよう調合し、PSZボールとともに粉砕混合を行い、0.85PMN−0.15PT原料粉を得た。これらの原料粉を乾燥後、750℃、4時間の条件で仮焼を行った。
上記で得られたPMN原料粉および0.85PMN−0.15PT原料粉に、有機溶剤とバインダーを加えて粉砕混合することでスラリーを形成した。ドクターブレード法によりグリーンシート(厚み40μm)を形成し、グリーンシート上に、Pt電極をスクリーン印刷した。印刷後のグリーンシートを、図1のように、PMNシートと0.85PMN−0.15PTシートを、交互に12層(6組)積層し、圧着し、カットして、PMN/0.85PMN−0.15PT異組成交互積層体のグリーンチップ(縦8.0mm×横6.5mm×高さ1.0mm)を得た。グリーンチップを、450℃〜550℃で脱脂した後、アルミナ密閉鞘に、1〜2gのグリーンチップを10gのPMN粉末とともに封入し、1180℃で4時間焼成を行って、PMN/0.85PMN−0.15PT異組成交互積層体を得た。最後に、Agペーストを外部電極として塗布し、焼き付けを行って本発明の熱搬送デバイスを得た。
比較例1
強誘電体層の材料として、PMNのみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱搬送デバイスを製造した。
比較例2
強誘電体層の材料として、0.85PMN−0.15PTのみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱搬送デバイスを製造した。
(評価)
実施例1および比較例1および2で得られたデバイスに、極細熱電対を直接はりつけ、温度を変化させて、10.5MV/mの電場を印加し、電場印加時および除去時の温度変化(ΔT)を測定した。結果を図6に示す。
図6の結果に示されるように、PMNおよび0.85PMN−0.15PTを用いた実施例1は、PMNまたは0.85PMN−0.15PTの一方のみを用いた比較例2および3と比較して、ブロードなピークを有する。例えば、ΔTの最大値の9割以上のΔTを示す温度範囲が、比較例1では36〜99℃(63℃幅)であり、比較例2では92〜148℃(56℃幅)であったのに対し、実施例1では69〜140℃(71℃幅)と広い範囲であった。従って、実施例1のデバイスは、広い範囲にわたって、十分に大きなΔTを得ることができる。特に、電子機器の発熱範囲である、40℃〜150℃において、良好なΔT(具体的には0.60K以上)を得ることができる。
本発明の熱搬送デバイスは、種々の電子機器、例えば、熱対策問題が顕著化している携帯電話などの小型電子機器の冷却デバイスとして利用することができる。
1…熱搬送デバイス
2…強誘電体層
3…強誘電体層
4…内部電極
5…内部電極
6…外部電極
7…外部電極
9…強誘電体層
11…熱搬送デバイス
21…熱搬送デバイス
31…熱搬送デバイス
41…熱搬送デバイス

Claims (8)

  1. それぞれ異なる電気熱量効果を示す材料から構成される、少なくとも2種の強誘電体層と
    内部電極層と
    が積層された積層体と、
    内部電極層に電気的に接続され、積層体の表面上に設けられた一対の外部電極と
    を有して成り、
    前記電気熱量効果を示す材料は、下記式(i)〜(viii):
    (i) (1−x)Pb(Mg 1/3 Nb 2/3 )O −xPbTiO
    [式中、xは0以上0.35以下である。]
    (ii) (Pb 1−x Ba )ZrO
    [式中、xは0.15以上0.34以下である。]
    (iii) Pb(Sc 1/2 ,Ta (1−x)/2 Nb x/2 )O
    [式中、xは0以上0.5以下である。]
    (iv) (Ba 1−x Sr )TiO
    [式中、xは0以上0.25以下である。]
    (v) Ba(Ti 1−x Zr )O
    [式中、xは0以上0.3以下である。]
    (vi) Ba(Ti 1−x Sn )O
    [式中、xは0以上0.3以下である。]
    (vii) (Pb (1−x)y Ba )ZrO 、または
    [式中、xは0.15以上0.34以下であり、yは0.94以上1.02以下である。]
    (viii) 100{(Pb (1−x)y Ba )ZrO }・αM1
    [式中、xは0.15以上0.34以下であり、yは0.94以上1.02以下であり、αは、0.1以上1.9以下である。]
    のいずれかで表される材料であって、x、yまたはαの数値のみが異なる材料であり、
    40℃〜150℃の温度範囲において、電場の変化による温度変化ΔTが0.60K以上である、
    熱搬送デバイス。
  2. 少なくとも2種の強誘電体層の各々が、内部電極層を介して積層されており、内部電極層を介して隣接する強誘電体層が、互いに異なる強誘電体層であることを特徴とする、請求項1に記載の熱搬送デバイス。
  3. 2種の強誘電体層が、内部電極層を介して、交互に積層されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱搬送デバイス。
  4. 電気熱量効果を示す材料が、下記式(i)、(ii)、(vii)または(viii):
    (i) (1−x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O−xPbTiO
    [式中、xは0以上0.2以下である。]
    (ii) (Pb1−xBa)ZrO
    [式中、xは0.15以上0.34以下である。]
    (vii) (Pb(1−x)yBa)ZrO、または
    [式中、xは0.15以上0.34以下であり、yは0.94以上1.02以下である。]
    (viii) 100{(Pb(1−x)yBa)ZrO}・αM1
    [式中、xは0.15以上0.34以下であり、yは0.94以上1.02以下であり、αは、0.1以上1.9以下である。]
    のいずれかで表される材料であって、x、yまたはαの数値のみが異なる材料であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の熱搬送デバイス。
  5. 外部電極が、Pt、PdまたはAg−Pdから形成されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の熱搬送デバイス。
  6. 冷却デバイスである、請求項1〜のいずれか1項に記載の熱搬送デバイス。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の熱搬送デバイスを有してなる電子部品。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の熱搬送デバイスまたは請求項に記載の電子部品を有してなる電子機器。
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