WO2023190437A1 - セラミックス - Google Patents

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Abstract

本開示は、式(1):(1-m)PbSc0.5-xTa0.5+xO3-mPbMg0.5-yW0.5+yO3 (1)[式(1)中、mは、0.03≦m≦0.60を満たし、0≦x,yの場合、x,y≦0.1かつ0≦x+y≦0.13を満たし、0>x,0≦yの場合、-0.1≦x<0かつ0≦y≦0.1を満たし、0≧x,0>yの場合、-0.1≦x,yかつ-0.13≦x+y<0を満たし、0<x,0>yの場合、0<x≦0.1かつ-0.1≦y<0を満たす。]で表されるセラミックスを提供する。

Description

セラミックス
 本開示は、セラミックスに関する。
 近年、冷却素子として、電気熱量効果を利用する新しい固体冷却素子及び冷却システムが注目されており、その研究開発が盛んに行われている。温室効果ガスである冷媒を使った既存の冷却システムと比較して、冷媒を必要とせず高効率及び低消費電力という利点があり、また、コンプレッサーを使用しないため静かであるという利点もある。優れた電気熱量効果を得るためには、所望の温度域で一次相転移を示し、大きな電界を印加することが可能である強誘電体である必要があり、PbSc0.5Ta0.5(以下、Pb、Sc及びTaを含むセラミックスを「PST」ともいう)が最も有望な材料として知られている。例えば、非特許文献1~3は、PbSc0.5Ta0.5が大きな電気熱量効果を示すことを報告している。
国際公開第2021/131142号
Nature volume 575, pages468-472(2019) Ferroelectrics, 184, 239 (1996) J. Am. Ceram. Soc, 78 [71] 1947-52 (1995)
 固体冷却素子はその用途に応じた温度で大きな電気熱量効果を示すことが求められる。例えば、固体冷却素子を冷蔵庫等に用いる場合、4℃以下で大きな電気熱量効果を示すことが求められることがある。
 しかしながら、従来のPSTは、20℃以上では大きな電気熱量効果を示すが、低温においては著しく電気熱量効果が低下し、固体冷却素子として低温での使用に問題がある。
 PSTの耐電圧が向上すれば、大きな電圧を印加することが可能となり、電気熱量効果が向上する。また、PSTのBサイトのカチオンであるSc及びTaのオーダー度が高いほど優れた強誘電体特性が得られ、電気熱量効果が向上できる。Pbの一部をNaに部分置換したPSTは、耐電圧の向上により高電圧を印加することが可能となり、また、強誘電体転移温度を20℃以下に制御することが可能となり、加えてBサイトのオーダー度が容易に高くすることができるため低温での電気熱量効果を改善したが、その効果は限定的であり、さらなる改善が望まれている。
 本開示は、従前よりも低温で大きな電気熱量効果を示すセラミックスを提供することを目的とする。
 本開示は、式(1):
(1-m)PbSc0.5-xTa0.5+x-mPbMg0.5-y0.5+y (1)
[式(1):中、
 mは、0.03≦m≦0.60を満たし、
 0≦x,yの場合、x,y≦0.1かつ0≦x+y≦0.13を満たし、
 0>x,0≦yの場合、-0.1≦x<0かつ0≦y≦0.1を満たし、
 0≧x,0>yの場合、-0.1≦x,yかつ-0.13≦x+y<0を満たし、
 0<x,0>yの場合、0<x≦0.1かつ-0.1≦y<0を満たす。]
で表されるセラミックスに関する。
 本開示は、以下の態様を含む。
[1] 式(1):
(1-m)PbSc0.5-xTa0.5+x-mPbMg0.5-y0.5+y (1)
[式(1)中、
 mは、0.03≦m≦0.60を満たし、
 0≦x,yの場合、x,y≦0.1かつ0≦x+y≦0.13を満たし、
 0>x,0≦yの場合、-0.1≦x<0かつ0≦y≦0.1を満たし、
 0≧x,0>yの場合、-0.1≦x,yかつ-0.13≦x+y<0を満たし、
 0<x,0>yの場合、0<x≦0.1かつ-0.1≦y<0を満たす。]
で表されるセラミックス。
[2] 前記式において、
 0≦x,yの場合、0≦x+y≦0.1を満たし、
 0≧x,0>yの場合、-0.1≦x+y<0を満たす、上記[1]に記載のセラミックス。
[3] 前記式において、xは0であり、yは0である、上記[1]または[2]に記載のセラミックス。
[4] 前記式において、mは、0.05≦m≦0.5を満たす、上記[1]~[3]のいずれかに記載のセラミックス。
[5] 前記セラミックスの結晶構造が、ペロブスカイト構造を有する、上記[1]~[4]のいずれかに記載のセラミックス。
[6] 貴金属電極と上記[1]~[5]のいずれか1項に記載のセラミックスとが交互に積層された電気熱量効果素子。
[7] 前記貴金属電極がPtから形成されている、上記[6]に記載の電気熱量効果素子。
[8] 上記[6]または[7]に記載の電気熱量効果素子を有して成る電子部品。
[9] 上記[6]または[7]に記載の電気熱量効果素子又は上記[8]に記載の電子部品を有して成る電子機器。
 本開示によれば、低温で大きな電気熱量効果を示すセラミックスを提供できる。より具体的には、0℃以下でも大きな電気熱量効果を示すセラミックスを提供できる。
図1は、本開示の一実施形態である電気熱量効果素子の概略断面図である。 図2は、電気熱量効果の測定シーケンスを説明するための図である。 図3は、実施例における試料番号1及び6の試料の電気熱量効果の測定結果を示す図である。 図4は、種々のx及びyの組成に対する特性試験の結果を示す図である。
 以下、本開示のセラミックス及びそれを用いた電気熱量効果素子について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本実施形態の電気熱量効果素子及び各構成要素の形状及び配置等は、図示する例に限定されない。
[セラミックス]
 本開示の一実施形態にかかるセラミックスは、Pb、Sc、Ta、Mg、及びWを主成分とする。上記セラミックスは、Pb、Sc、Ta、Mg、及びWを含む複合酸化物であり、
Pbの含有比率は、Sc、Ta、Mg、及びWの合計の含有比率と実質的に等しく、
Scの含有比率を「0.5-x」とした場合に、Taの含有比率は「0.5+x」であり、Mgの含有比率を「0.5-y」とした場合に、Wの含有比率は「0.5+y」であり、
x及びyの範囲は、
 0≦x,yの場合、x,y≦0.1かつ0≦x+y≦0.13を満たし、
 0>x,0≦yの場合、-0.1≦x<0かつ0≦y≦0.1を満たし、
 0≧x,0>yの場合、-0.1≦x,yかつ-0.13≦x+y<0を満たし、
 0<x,0>yの場合、0<x≦0.1かつ-0.1≦y<0を満たし、
MgとWの合計の含有比率を「m」とした場合に、ScとTaの合計の含有比率は「1-m」であり、mの範囲は0.03≦m≦0.60である。なお、上記比率はすべてモル比である。上記の範囲の組成にすることにより、低温での大きな電気熱量効果を得ることができる。
 なお、上記の「Pbの含有比率は、Sc、Ta、Mg、及びWの合計の含有比率と実質的に等しく」とは、Pbの含有比率とSc、Ta、Mg、及びWの合計の含有比率とが完全に等しい場合に限定されない。つまり、「Pbの含有比率は、Sc、Ta、Mg、及びWの合計の含有比率と実質的に等しく」とは、Pbの含有比率とSc、Ta、Mg、及びWの合計の含有比率との差が、例えば、モル比で3%以内である場合も含まれる。
 本開示のセラミックスの組成は、例えば、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法、蛍光X線分析法等を用いて組成分析を行うことで分析及び測定可能である。
 電気熱量効果とは、電界の変化によって物質内の電気双極子モーメントが揃うまたは乱れる際のエントロピーの変化に起因する吸発熱現象である。本発明における電気熱量効果の性能指標は、断熱温度変化(ΔT)であってよい。つまり、「電気熱量効果が大きい」とは、断熱温度変化(ΔT)が大きいことを意味してよい。本発明では、断熱温度変化(ΔT)が大きいほど好ましい。
 断熱温度変化(ΔT)とは、セラミックスへの電界の印加および/またはセラミックスに印加した電界を除去することにより生じるセラミックスの温度変化を意味する。具体的には、電界を印加する前のセラミックスの温度と電界を印加した直後のセラミックスの温度との差であってよく、あるいは、電界を除去する前のセラミックスの温度と電界を除去した直後のセラミックスの温度との差であってよい。
 断熱温度変化ΔTは、セラミックスに印加する電界強度が大きいほど大きくなる。また、断熱温度変化ΔTは、電界印加時におけるセラミックスの温度が強誘電体転移温度(以下、「相転移温度」ともいう)に近くなるほど大きくなる。例えば、セラミックスの温度が転移温度より低くなるに従い急激に電気熱量効果は小さくなる。具体的には、転移温度が約15~25℃である従来のPSTでは、セラミックスの温度が0℃以下における電気熱量効果は著しく低下する。
 別の態様において、上記セラミックスは、式(1):
 (1-m)PbSc0.5-xTa0.5+x-mPbMg0.5-y0.5+y (1)
[式(1)中、
 mは、0.03≦m≦0.60を満たし、
 0≦x,yの場合、x,y≦0.1かつ0≦x+y≦0.13を満たし、
 0>x,0≦yの場合、-0.1≦x<0かつ0≦y≦0.1を満たし、
 0≧x,0>yの場合、-0.1≦x,yかつ-0.13≦x+y<0を満たし、
 0<x,0>yの場合、0<x≦0.1かつ-0.1≦y<0を満たす。]
で表されるセラミックスであってよい。x、y及びmを、上記の範囲にすることにより、低温での大きな電気熱量効果(例えば、電界強度15MV/mを印加した場合に1.5K以上のΔT)を得ることができる。
 本開示はいかなる理論にも拘束されないが、上記のような効果が得られるメカニズムは、以下のように考えられる。
 例えばPSTにNaを添加したり、常誘電体物質(例えばSrTiO)などを添加したりすることで、相転移温度を低下させることが可能となり、0℃以下でも電気熱量効果を得ることができる。しかし、同時に、強誘電性が低下するため、得られる電気熱量効果に改善の余地があった。本発明ではPSTと同様にペロブスカイト構造を有し、Bサイトのカチオンがオーダーする特徴を持つPbMg0.50.5(以下、Pb、Mn及びWを含むセラミックスを「PMW」ともいう)に着目し、かかるPMWをPSTに添加することで0℃以下でもより優れた電気熱量効果を得ることを見出した。
 PbMg0.50.5は反強誘電体であり、閾値電圧以上の電圧を印加することで強誘電体に転移する特徴を有する。一般的に、Bサイトの2つのカチオンのイオン半径差が大きいほど容易に整列することが知られており、PMWはPSTと比較してBサイトが整列し易い。強誘電性はBサイトの整列度に大きく影響を受けることから、PSTに、Bサイトが整列し易いPMWを添加することで、強誘電性を大きく低下させることなく、強誘電体転移温度を下げることができ、結果0℃以下で優れた電気熱量効果が得られたものと考えられる。
 PSTの製造においては1400℃と高い温度での焼成が必要であり、加えて焼成後に1000℃及び1000時間など高温で長時間の熱処理が不可欠であった。一方、本発明の範囲のセラミックスでは長時間の熱処理を必要としないため生産性が著しく向上し、さらに1250℃以下で焼成可能となるため、製造時の炉体、セッター及びサヤなどの消耗を著しく抑制することが可能となる。
 一の態様において、x及びyの範囲は、
 0≦x,yの場合、x,y≦0.1かつ0≦x+y≦0.12を満たし、
 0>x,0≦yの場合、-0.1≦x<0かつ0≦y≦0.1を満たし、
 0≧x,0>yの場合、-0.1≦x,yかつ-0.12≦x+y<0を満たし、
 0<x,0>yの場合、0<x≦0.1かつ-0.1≦y<0を満たす。
 一の態様において、x及びyの範囲は、
 0≦x,yの場合、x,y≦0.1かつ0≦x+y≦0.11を満たし、
 0>x,0≦yの場合、-0.1≦x<0かつ0≦y≦0.1を満たし、
 0≧x,0>yの場合、-0.1≦x,yかつ-0.11≦x+y<0を満たし、
 0<x,0>yの場合、0<x≦0.1かつ-0.1≦y<0を満たす。
 一の態様において、x及びyの範囲は、
 0≦x,yの場合、0≦x+y≦0.1を満たし、
 0>x,0≦yの場合、-0.1≦x<0かつ0≦y≦0.1を満たし、
 0≧x,0>yの場合、-0.1≦x+y<0を満たし、
 0<x,0>yの場合、0<x≦0.1かつ-0.1≦y<0を満たす。
 一の態様において、x及びyの範囲は、
 0≦x,yの場合、0≦x+y≦0.08を満たし、
 0>x,0≦yの場合、-0.08≦x<0かつ0≦y≦0.08を満たし、
 0≧x,0>yの場合、-0.08≦x+y<0を満たし、
 0<x,0>yの場合、0<x≦0.08かつ-0.08≦y<0を満たす。
 一の態様において、x及びyの範囲は、
 0≦x,yの場合、0≦x≦0.05かつ0≦y≦0.05を満たし、
 0>x,0≦yの場合、-0.05≦x<0かつ0≦y≦0.05を満たし、
 0≧x,0>yの場合、-0.05≦x<0かつ-0.05≦y<0を満たし、
 0<x,0>yの場合、0<x≦0.05かつ-0.05≦y<0を満たす。
 一の態様において、x及びyの範囲は、
 0≦x,yの場合、0≦x+y≦0.05を満たし、
 0>x,0≦yの場合、-0.05≦x<0かつ0≦y≦0.05を満たし、
 0≧x,0>yの場合、-0.05≦x+y<0を満たし、
 0<x,0>yの場合、0<x≦0.05かつ-0.05≦y<0を満たす。
 一の態様において、x及びyの範囲は、上記で挙げた「0≦x,yの場合」、「0>x,0≦yの場合」、「≧x,0>yの場合」、および「0<x,0>yの場合」におけるx及びyの範囲を、任意に組み合わせて定められた範囲であってよい。
 好ましい態様において、上記x及びyは0である。即ち、(1-m)PbSc0.5-xTa0.5+x-mPbMg0.5-y0.5+yで表される式は、(1-m)PbSc0.5Ta0.5-mPbMg0.50.5となる。
 低温時における電気熱量効果の向上の観点から、上記mの範囲は、好ましくは0.05≦m≦0.5、より好ましくは0.05≦m≦0.4、さらに好ましくは0.05≦m≦0.3である。
 本発明の一実施形態にかかるセラミックスの結晶構造は、ペロブスカイト構造であってよい。ペロブスカイト構造を有するセラミックスとは、単に「ペロブスカイト型の結晶構造」を有するセラミックスだけでなく、「ペロブスカイト型類似の結晶構造」を有するセラミックスも包含して意味するものとする。例えば、ペロブスカイト構造を有するセラミックスとは、X線回折において、セラミックスの分野の当業者によりペロブスカイトの結晶構造と認識され得る結晶構造を有するものであってよい。
[電気熱量効果素子]
 本開示の電気熱量効果素子は、電極層と本開示のセラミックスを主成分とするセラミックス層が交互に積層された積層体を有する。
 図1に示すように、本開示の一の実施形態の電気熱量効果素子1は、電極層2a,2b(以下、まとめて「電極層2」ともいう)とセラミックス層4とが交互に積層された積層体6、及び電極層2に接続された外部電極8a,8b(以下、まとめて「外部電極8」ともいう)を有する。電極層2a及び2bは、それぞれ、積層体6の端面に配置される外部電極8a及び8bに、電気的に接続されている。外部電極8a及び8bから電圧を印加すると、電極層2a及び2b間に電界が形成される。この電界によりセラミックス層4は電気熱量効果により発熱する。また、電圧が除去されると、電界が消失し、その結果、電気熱量効果によりセラミックス層4は吸熱する。
 上記電極層2は、いわゆる内部電極である。電極層2は、セラミックス層4に電界を与える機能に加え、セラミックス層4と外部との間で熱量を搬送する機能をも有し得る。
 上記電極層は、主成分が貴金属で構成される電極層であってよい。ここに、上記電極層における「主成分」とは、電極層が80質量%以上の貴金属からなることを意味し、例えば、電極層の95質量%以上、より好ましくは98質量%以上、さらに好ましくは99%以上、さらにより好ましくは99.5質量%以上、特に好ましくは99.9質量%以上が貴金属であることを意味する。
 本明細書において、「貴金属」とは、例えば、Au、Ag、Pt、又はPdであってよい。低温時における電気熱量効果の向上の観点から、本開示において用いる電極層の主成分はPt又はPdであってもよい。つまり、PtまたはPd電極層であってもよい。ただし、化学耐久性の改善及び/又はコストの観点から、上記貴金属の電極層は、Pt及び/又はPdと他の元素(例えば、Ag、Pd、Rh、Au等)の合金又は混合物であってもよい。例えば、当該合金としては、Ag-Pd合金であってよい。上記Pt又はPd電極層がこれらの合金又は混合物で構成されても同様の効果を得ることができる。また不純物として混入し得る他の元素、特に不可避な元素(例えば、Fe、Al、など)を含んでいてもよい。この場合も、同様の効果を得ることができる。
 上記電極層2の厚みは、好ましくは0.2μm以上10μm以下、より好ましくは1.0μm以上5.0μm以下、例えば2.0μm以上5.0μm以下又は2.0μm以上4.0μm以下であり得る。電極層の厚みを0.5μm以上とすることにより、電極層の抵抗を小さくすることができ、また、熱輸送効率を上げることができる。また、電極層の厚みを10μm以下とすることにより、セラミックス層の厚み(ひいては体積)を大きくすることができ、素子全体としての電気熱量効果により扱える熱量をより大きくすることができる。また、素子をより小さくすることができる。
 上記セラミックス層4は、1種のセラミックスを主成分としてもよく、2種以上のセラミックスを主成分としてもよい。
 ここに、上記セラミックス層における「主成分」とは、セラミックス層が実質的に対象のセラミックスからなることを意味し、例えば、セラミックス層の90質量%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98質量%以上、さらにより好ましくは99質量%以上、特に好ましくは99.5質量%以上が対象のセラミックスであることを意味する。他の成分としては、パイロクロア構造というペロブスカイト構造とは異なる構造を有する結晶相、不純物として混入する他の元素、特に不可避な元素(例えば、Zr、Cなど)であり得る。
 上記セラミックス層4の組成は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法、蛍光X線分析法等により求めることができる。また、セラミックス層4の構造は、粉末X線回折により求めることができる。
 上記セラミックス層4の厚みは、好ましくは5μm以上100μm以下、より好ましくは5μm以上50μm以下、さらに好ましくは10μm以上50μm以下、さらにより好ましくは20μm以上50μm以下、特に好ましくは20μm以上40μm以下であり得る。セラミックス層の厚みをより厚くすることにより、素子の取り扱える熱量を大きくすることができる。セラミックス層の厚みをより薄くすることにより、より高いΔTを得ることができる。また耐電圧も向上できる。
 上記セラミックス層4の耐電圧は、好ましくは15MV/m以上、より好ましくは20MV/m以上、さらに好ましくは25MV/m以上であり得る。セラミックス層の耐電圧をより高くすることにより、より大きな電圧(電界)が印可可能になり、より大きなΔTを得ることができる。
 一対の外部電極8a,8bを構成する材料としては、特に限定されないが、Ag、Cu、Pt、Ni、Al、Pd、Au、又はこれらの合金(例えば、Ag-Pd等)が挙げられ、それら金属とガラスで構成される電極であっても、金属と樹脂で構成される電極であっても良い。金属は中でも、Agが好ましい。
 上記電気熱量効果素子1は、電極層2とセラミックス層4が、交互に積層されているが、本開示の上記電気熱量効果素子において、電極層及びセラミックス層の積層枚数は特に限定されない。また内部電極はすべて外部電極と接続されていなくてもよく、熱の搬送や圧電、電歪による応力緩和のためなどに必要に応じ、外部電極に接続しない内部電極を含んでも良い。
 上記電気熱量効果素子1は、内部電極とセラミックス層が、実質的に全面で接触しているが、本開示の電気熱量効果素子はこのような構造に限定されず、セラミックス層に電圧(電界)を印加できる構造であれば特に限定されない。また、電気熱量効果素子1は、直方体のブロック形状であるが、本開示の電気熱量効果素子の形状はこれに限定されず、例えば円筒状、シート状であってもよく、さらに凹凸又は貫通孔等を有していてもよい。また熱の搬送や、外部との熱交換のために表面に内部電極が露出していても良い。
 上記した本実施形態のセラミックス及び電気熱量効果素子は、例えば、以下のようにして製造される。
 原料として高純度の酸化鉛(Pb)、酸化タンタル(Ta)、酸化スカンジウム(Sc)、炭酸マグネシウム(MgCO)、及び酸化タングステン(WO))を、焼成後に所望の組成比率になるように秤量する。上記の原料を、部分安定化ジルコニア(PSZ)ボール、純水、分散剤等とボールミルで粉砕混合を行う。その後、粉砕混合したスラリーを乾燥、整粒した後に、例えば大気中800℃~900℃の条件で仮焼する。得られた仮焼粉を、PSZボール、エタノール、トルエン、分散剤等と混合し、粉砕する。次いで、得られた粉砕粉に溶解させたバインダー溶液を添加し、混合して、シート成型用のスラリーを作製する。作製したスラリーを、支持体上にシート状に成形し、Pt電極ペーストを印刷する。印刷したシートと印刷していないシートを所望の構造になるように積層したのち、100MPa~200MPaの圧力で圧着し、カットすることでグリーンチップを作製する。グリーンチップは、大気中500℃~600℃で熱処理することで脱バインダー処理を行う。次いで、脱バインダーしたチップを、例えばアルミナ製の密閉さやを用い、Pb雰囲気を作製するためのPbZrO粉と一緒に、1000℃~1500℃で焼成を行う。その後、チップの端面をサンドペーパーで磨き、外部電極ペーストを塗布し、所定温度で焼き付け処理を行い、図1に示すような電気熱量効果素子を得ることができる。
 本開示の電気熱量効果素子は、優れた電気熱量効果を示すことから、熱マネジメント素子、特に冷却素子(エアコンなどの空調装置、冷蔵庫、冷凍庫の冷却/ヒートポンプ素子を含む)として用いることができる。
 本開示はまた、本開示の電気熱量効果素子を有して成る電子部品、ならびに本開示の電気熱量効果素子又は電子部品を有して成る電子機器をも提供する。
 電子部品としては、特に限定するものではないが、例えば、空調、冷蔵庫又は冷凍庫に用いられる電子部品、又は電気自動車、ハイブリットカーの空調に用いられる電子部品(例えばバッテリー);中央処理装置(CPU)、ハードディスク(HDD)、パワーマネージメントIC(PMIC)、パワーアンプ(PA)、トランシーバーIC、ボルテージレギュレータ(VR)などの集積回路(IC)、発光ダイオード(LED)、白熱電球、半導体レーザーなどの発光素子、電界効果トランジスタ(FET)などの熱源となり得る部品、及び、その他の部品、例えば、リチウムイオンバッテリー、基板、ヒートシンク、筐体等の電子機器に一般的に用いられる部品が挙げられる。
 電子機器としては、特に限定するものではないが、例えば、空調、冷蔵庫又は冷凍庫;ヒートポンプとして用いる空調、電気自動車又はハイブリットカーの空調、携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型端末、ハードディスクドライブ、データサーバー等の小型電子機器が挙げられる。
 本開示の電気熱量素子は、上記電子部品および上記電子機器の熱(温度)を管理する熱管理システム(または温度管理システム)として用いることができる。熱管理システムとしては、例えば、上記電子部品および上記電子機器を冷却する冷却システムが挙げられる。
<電気熱量効果素子の作製>
 原料として高純度の酸化鉛(Pb)、酸化タンタル(Ta)、酸化スカンジウム(Sc)、炭酸マグネシウム(MgCO)、及び酸化タングステン(WO)を準備した。これらの原料を、焼成後に表1~4に示すような所定の組成比率になるように秤量し、直径2mmの部分安定化ジルコニア(PSZ)ボール、純水及び分散剤と、ボールミルで16時間、粉砕混合を行った。その後、粉砕混合したスラリーを、ホットプレートで乾燥し、整粒した後に大気中850℃の条件で2時間仮焼を行った。
 得られた仮焼粉を、直径5mmのPSZボール、エタノール、トルエン及び分散剤と、16時間混合し、粉砕した。次いで、得られた粉砕粉に、溶解させたバインダー溶液を添加し、4時間混合してシート成型用のスラリーを作製した。作製したスラリーを、ドクターブレード法によりペットフィルム上に、所定のセラミックス層の厚みに応じた厚みで、シート状に成形し、短冊カットした後、白金内部電極ペーストをスクリーン印刷した。尚、作製する積層素子のシート厚みは、シート成形時に用いるドクターブレードのギャップを変えることで制御した。
 白金内部電極ペーストを印刷したシートと印刷していないシートを所定枚数積層した後、150MPaの圧力で圧着し、カットすることでグリーンチップを作製した。グリーンチップは、大気中550℃で24時間熱処理することで脱バインダー処理を行った。次いで、グリーンチップを、アルミナ製の密閉さやに、Pb雰囲気作製用のPbZrO粉と一緒に封入し、1150~1400℃で4時間焼成した。表1に示す比較例としての試料番号1の試料は1400℃の高温で焼成した後に1000℃で1000時間の熱処理を行った。
 その後、チップの端面をサンドペーパーで磨き、Ag外部電極ペーストを塗布し、750℃の温度で焼き付け処理を行い、図1に示すような電気熱量効果素子を得た。
 得られた素子の大きさは、セラミックス層の厚みが40μmである素子については、約L10.2mm×W7.2mm×T0.88であった。また、内部電極層に挟まれたセラミックス層は19層であり、電極面積は49mm/層であり、総電極面積は49mm×19層であった。なお、上記で得られた素子のセラミックス層の厚みは、素子の断面研磨した後、走査電子顕微鏡を用いて確認した。
<評価>
(組成)
 得られた素子のセラミックス組成を、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法、及び蛍光X線分析法を用いて確認した。
(結晶構造)
 得られた素子の結晶構造を評価するために、粉末X線回折測定を行った。各ロットから無作為に素子を1つ選び、乳鉢で粉砕してからX線回折プロファイルを取得した。得られたX線回折プロファイルから、セラミックスの結晶構造がペロブスカイト構造であるかを確認し、また、不純物相(主にパイロクロア相)の有無と存在比率を強度比から見積もった。ペロブスカイト構造の存在比が0.95以上の場合を主成分はペロブスカイト構造を有しているとし、0.95より小さい場合は異相があると判断した。
(電気熱量効果)
 直径50μmの極細K熱電対をカプトンテープで素子表面の中央部に張り付け温度を常時モニターし、外部電極両端にAgペーストで電圧印加用のワイヤーを接着し、高電圧発生装置を用いて電圧を印加した。
 電気熱量効果は、図2の上段のグラフに示すようなシーケンスで試料に電圧を印加することにより評価した。即ち、まず、試料に電圧を印加し、そのまま電圧を保持し、次いで、印加電圧を除去し、そのまま保持し、この操作を繰り返して、電気熱量効果の変化を測定した。このようなシーケンスで電圧を印加した場合、電圧を印加する工程では、印加と同時に試料温度は上昇し、印加状態を保持する工程では、徐々に熱が拡散されて試料温度は電圧印加前と同じ温度まで低下し、印加電圧を除去する工程では、除去と同時に試料温度は低下し、非印加状態を保持する工程では、試料温度は徐々に元の温度まで上昇する。これは電圧印加、除去により強誘電体ドメインが揃ったり乱れたりすることに由来し、エントロピーが変化することでこのような吸発熱効果(電気熱量効果)が得られる。断熱温度変化ΔTは、上記のような電圧を印加及び除去した際の温度変化から求められる。具体的には、本実施例においては、15MV/mの電圧印加後に50秒間印加した状態で保持して温度を測定し、次いで、電圧除去後に50秒間印加なしの状態で保持して温度を測定した。このシーケンスを3回繰り返した。電圧印加及び電圧除去のシーケンス中は、常時素子の温度を測定し、その温度変化から断熱温度変化ΔTを求めた。また、-10℃及び0℃における断熱温度変化ΔTの絶対値が、それぞれ1.5K以上のものをGo判定とした。結果を表1~4に示す。
 以下、上記の評価結果を示す。なお、表中「※」を付した試料は比較例であり、その他の試料は実施例である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表1~4に作製した試料の電気熱量効果の結果を示す。具体的には、表1は、式(1)中、x及びyの値を0に固定し、かつmを種々の値に変更した試料の電気熱量効果を示す。表2~4のそれぞれは、式(1)がm=0.03、m=0.2、およびm=0.6の場合において、x及びyを種々の値に変更した試料の電気熱量効果を示す。なお、表1~4では、試料の温度が0℃および-10℃の場合のそれぞれの電気熱量効果を示す。また、代表して、従来から知られる試料番号1の試料、及び本発明の試料番号6の試料の、電気熱量効果の温度依存性を図3に示す。なお表1に示す組成を有する試料はXRD測定の結果、全て主成分が所望するペロブスカイト構造を持ち異相が少なかった。
 図3に示されるように、従来のPSTセラミックスであるPbSc0.5Ta0.5の組成を有する試料番号1の試料は、20℃以上の温度範囲で断熱温度変化が1.5K以上であり、優れた電気熱量効果を示すことが確認された。試料番号1の試料は、室温以上で駆動させる場合に適している。しかし、表1に示されるように、試料番号1の試料では、0℃、及び-10℃での断熱温度変化が1.5Kより小さくなり、低温では電気熱量効果が著しく低下することが確認された。
 表1に示されるように、本発明の範囲内である組成を有する試料番号3~8の試料は、0℃及び-10℃での断熱温度変化が1.5Kを上回った。特に、図3に示されるように、試料番号6の試料では、20℃から-40℃と広い温度範囲で2K以上の優れた断熱温度変化が得られていることが確認された。mの値が本発明の範囲外である試料番号2の試料では、0℃以上で優れた電気熱量効果が得られるが、0℃、及び-10℃での電気熱量効果は、0.9K及び0.3Kと小さかった。これは、mの値が小さく、セラミックスの強誘電体転移温度が十分に下がっていないためと考えられる。mの値が本発明の範囲外である試料番号9では0℃での電気熱量効果は、0.8Kと小さかった。これは、mの値が大きく、セラミックスの強誘電体転移温度が下がり過ぎたこと、かつ強誘電性が低下したことが原因と考えられる。
 表2、表3、および表4のそれぞれは、m=0.03、m=0.2、およびm=0.6の場合における式(1)で表されるセラミックスの電気熱量効果の測定結果を示す。mが本発明の範囲内の試料は、x,yともに0付近が最も安定して所望する結晶構造を有する物質が100%に近い割合で得ることができた。x,yともに0付近でない場合でも、異相は生成しないが、0から大きくずれると異相の割合が増加した(表2~4の結晶構造の欄を参照)。本発明の範囲内の組成は、0℃、-10℃の断熱熱量変化も1.5K以上の値となった。
 図4に、表2において、特性試験の結果でGo判定となったx及びyの組成範囲を示す。図4より、本発明の範囲内にあるセラミックスは、特性試験でGo判定となることがわかる。表3および表4についても、図4と同様の結果を示す。
 本開示の電気熱量効果素子は、高い電気熱量効果を発現することができるので、例えば、電気自動車又はハイブリットカー、空調(例えば、電気自動車又はハイブリットカーに用いる空調、ヒートポンプとして用いる空調等)、冷蔵庫又は冷凍庫などにおける熱マネジメント素子として用いることができ、また、種々の電子機器、例えば、熱対策問題が顕著化している携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ハードディスクドライブ、もしくはデータサーバーなどの小型電子機器、またはパーソナルコンピュータ(PC)などの冷却デバイスとして利用することができる。
  1…電気熱量効果素子
  2a,2b…電極層
  4…セラミックス層
  6…積層体
  8a,8b…外部電極

Claims (9)

  1.  式(1):
    (1-m)PbSc0.5-xTa0.5+x-mPbMg0.5-y0.5+y (1)
    [式(1)中、
     mは、0.03≦m≦0.60を満たし、
     0≦x,yの場合、x,y≦0.1かつ0≦x+y≦0.13を満たし、
     0>x,0≦yの場合、-0.1≦x<0かつ0≦y≦0.1を満たし、
     0≧x,0>yの場合、-0.1≦x,yかつ-0.13≦x+y<0を満たし、
     0<x,0>yの場合、0<x≦0.1かつ-0.1≦y<0を満たす。]
    で表されるセラミックス。
  2.  前記式において、
     0≦x,yの場合、0≦x+y≦0.1を満たし、
     0≧x,0>yの場合、-0.1≦x+y<0を満たす、請求項1に記載のセラミックス。
  3.  前記式において、xは0であり、yは0である、請求項1または2に記載のセラミックス。
  4.  前記式において、mは、0.05≦m≦0.5を満たす、請求項1~3のいずれかに記載のセラミックス。
  5.  前記セラミックスの結晶構造が、ペロブスカイト構造を有する、請求項1~4のいずれかに記載のセラミックス。
  6.  貴金属電極と請求項1~5のいずれか1項に記載のセラミックスとが交互に積層された電気熱量効果素子。
  7.  前記貴金属電極がPtから形成されている、請求項6に記載の電気熱量効果素子。
  8.  請求項6または7に記載の電気熱量効果素子を有して成る電子部品。
  9.  請求項6または7に記載の電気熱量効果素子又は請求項8に記載の電子部品を有して成る電子機器。
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