JP5158200B2 - 熱電変換モジュールおよび熱電変換モジュールの製造方法 - Google Patents

熱電変換モジュールおよび熱電変換モジュールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱電変換モジュールおよびその製造方法に関し、詳しくは、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とが絶縁材料を介して接合され、面積あたりの熱電変換材料の占有率の高い熱電変換モジュールおよびその製造方法に関する。
近年、地球温暖化防止のため、二酸化炭素の削減が重要な課題となるに至り、熱を直接電気に変換することが可能な熱電変換素子が、有効な廃熱利用技術の一つとして着目されている。
そして、従来の熱電変換素子としては、例えば、図8に示すように、P型熱電変換材料51とN型熱電変換材料52と、低温側電極56と、高温側電極58とを備えた構造を有する熱電変換素子50が知られている。
この熱電変換素子50において、2種の熱電変換材料51,52は、熱と電気とのエネルギー変換材料であり、それぞれの低温側の端面である低温側接合部53bにおいて低温側電極56と接続されている。また、熱電変換材料51,52は、高温側の端面である高温側接合部53aにおいて高温側電極58を介して接続されている。
そして、この熱電変換素子50においては、高温側接合部53aと低温側接合部53bとに温度差が与えられると、ゼーベック効果により起電力が生じ、電力が取り出される。
ところで、熱電変換素子の発電能力は、材料の熱電変換特性や素子に与える温度差によって決まるが、熱電変換材料の占有率(熱電変換素子に生じる温度差の方向に対し、垂直な面における熱電変換材料部が占める面積の割合)の影響も大きく、熱電変換材料の占有率を大きくすることにより、熱電変換素子の単位面積当りの発電能力を高めることができる。
しかし、この熱電変換素子50のような従来例の構造の場合、2種の熱電変換材料51,52の間には、絶縁用の空隙層が設けられているため、熱電変換材料の占有率を大きくするには、おのずと限界がある。
そこで、例えば、図9(a),(b)に示すように、P型熱電変換材料51とN型熱電変換材料52を、絶縁層61を介して接合するとともに、上面側及び下面側で、電極62を介してP型熱電変換材料51とN型熱電変換材料52を電気的に接合した熱電変換モジュールが提案されている(特許文献1参照)。
具体的には、図9(b)に示すように、P型熱電変換材料51とN型熱電変換材料52は、その側面(接合面)が、絶縁層61を介して接合されており、上面側にはカーボン電極71が配設され、カーボン電極71には、ニッケル系ろう72、モリブデン電極73が順に配設されており、これらからなる電極62により、P型熱電変換材料51とN型熱電変換材料52が電気的に接続されている。
そして、絶縁層61を構成する材料として、ガラスマトリックス中にセラミックス粒子を分散させた電気絶縁材料が用いられている。
このように構成された熱電変換モジュールにおいては、P型熱電変換材料51とN型熱電変換材料52は絶縁層61を介して接合されており、両者の間には隙間がないため、熱電変換材料の占有率が高く、単位面積当りの発電能力を向上させることができる。
特開2000−286467号公報
しかしながら、従来の熱電変換モジュールの場合のように、ガラスマトリックス中にセラミックス粒子を分散させた電気絶縁材料を用いてP型熱電変換材料51とN型熱電変換材料52を接合するようにした場合、ガラスマトリックスを構成するガラス成分が、不純物の影響で導電性を有していたり、焼成工程における熱電変換材料の構成成分の拡散により導電性を有するに至ったりした場合には、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料間の絶縁が不十分になり、特性の劣化を招くという問題点がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とが所定の接合面どうしで接合された構造を有する熱電変換モジュールであって、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料との接合面における絶縁を確実に行うことが可能で、熱電変換材料の占有率が高く、信頼性の高い熱電変換モジュールを提供することおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の熱電変換モジュールは、
P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とを電気的に接続してなる熱電変換モジュールにおいて、
P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とが、両者の接合面間に絶縁材料粒子を介在させることにより、互いに電気的に導通しないように接合され、
前記絶縁材料粒子は、第1の接着性材料を介して前記P型熱電変換材料に、第2の接着性材料を介して前記N型熱電変換材料に接合されているとともに、前記第1の接着性材料と前記第2の接着性材料とは互いに非接触の状態に保たれており、
前記第1の接着性材料および第2の接着性材料と、前記絶縁材料粒子とを介して接合された領域以外の領域において、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とが電気的に接続されていること
を特徴としている。
前記絶縁材料粒子は、粒径のばらつきを示す3CV値が20%以下のものであることが望ましい。
前記絶縁材料粒子は、平均粒径が0.05〜0.6mmのセラミックス球状粒子であることが望ましい。
また、前記第1および第2の接着性材料は、ガラス系材料であることが望ましい。
また、本発明の熱電変換モジュールの製造方法は、
P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とが絶縁材料粒子を介して接合され、前記絶縁材料粒子は、第1の接着性材料を介して前記P型熱電変換材料に、第2の接着性材料を介して前記N型熱電変換材料に接合されているとともに、前記第1および第2の接着性材料と、前記絶縁材料粒子とを介して接合された領域以外の領域において、前記P型熱電変換材料と前記N型熱電変換材料とが電気的に接続された熱電変換モジュールの製造方法であって、
P型熱電変換材料とN型熱電変換材料を準備する工程と、
前記P型熱電変換材料の、前記N型熱電変換材料と前記絶縁材料粒子を介して互いに接合されるべき接合面に第1の接着性材料を塗布し、前記N型熱電変換材料の、前記P型熱電変換材料と前記絶縁材料粒子を介して互いに接合されるべき接合面に第2の接着性材料を塗布する工程と、
前記P型熱電変換材料と前記N型熱電変換材料の、前記第1または第2の接着性材料が塗布された接合面の少なくとも一方に、前記一対の接合面に塗布された前記第1および第2の接着性材料の合計厚みよりも粒径の大きい前記絶縁材料粒子を付与して、前記第1および第2の接着性材料に保持させる工程と、
前記P型熱電変換材料と前記N型熱電変換材料とを、前記絶縁材料粒子、前記第1および第2の接着性材料を介して張り合わせる工程と
を具備することを特徴としている。
前記絶縁材料粒子として、粒径のばらつきを示す3CV値が20%以下であるものを用いることが望ましい。
前記絶縁材料粒子として、平均粒径が0.05〜0.6mmのセラミックス球状粒子を用いることが望ましい。
前記第1および第2の接着性材料として、ガラス系材料を用いることが望ましい。
本発明の熱電変換モジュールは、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とを、電気的に導通しないように、絶縁材料粒子を介して接合し、絶縁材料粒子を、第1の接着性材料を介してP型熱電変換材料に、第2の接着性材料を介してN型熱電変換材料に接合するとともに、第1の接着性材料と第2の接着性材料とが互いに非接触の状態に保たれるようにしているので、例えばガラス成分などからなる第1および第2の接着性材料が、不純物の影響で導電性を有していたり、焼成工程における熱電変換材料の構成成分の拡散により導電性を有するに至ったりした場合にも、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料の間の絶縁を確実に保つことが可能になり、熱電変換材料の占有率が高く、信頼性の高い熱電変換モジュールを提供することが可能になる。
なお、本発明において、第1の接着性材料と第2の接着性材料は、同一の材料であってもよく、異なる材料であってもよい。
また、絶縁材料粒子として、粒径のばらつきを示す3CV値が20%以下のものが用いられている場合、図2に模式的に示すように、P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2の接合面どうしがほぼ平行で、いずれの位置においてもほぼ同じ間隔をおいて対向した状態とすることが可能になるため、多数個のP型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2を、整列した状態で配置することが可能になり、熱電変換材料の占有率が高く、信頼性の高い熱電変換モジュールを提供することができる。
絶縁材料粒子として、平均粒径が0.05〜0.6mmのセラミックス球状粒子を用いることにより、確実にP型熱電変換材料とN型熱電変換材料の接合面どうしをほぼ平行に保つことが可能になり、熱電変換材料の占有率が高く、信頼性の高い熱電変換モジュールをより確実に提供することが可能になる。
また、前記第1および第2の接着性材料として、ガラス系材料を用いることにより、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とが、第1および第2の接着性材料と、絶縁材料粒子とを介して接合された構造を有する熱電変換モジュールを確実に提供することが可能になる。
また、本発明の熱電変換モジュールの製造方法は、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料の、絶縁材料粒子を介して互いに接合されるべき一対の接合面に接着性材料(第1および第2の接着材料)を塗布し、接着性材料が塗布された一対の接合面の少なくとも一方に、一対の接合面に塗布された接着性材料の合計厚みよりも粒径の大きい絶縁材料粒子を付与して、接着性材料に保持させた後、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とを、絶縁材料粒子および接着性材料を介して張り合わせるようにしているので、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料の間の絶縁を確実に保つことが可能になり、熱電変換材料の占有率が高く、信頼性の高い熱電変換モジュールを効率よく製造することが可能になる。
絶縁材料粒子として、粒径のばらつきを示す3CV値が20%以下であるものを用いることにより、P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2の接合面どうしをほぼ平行の状態に保つことが可能になり、熱電変換材料の占有率が高く、信頼性の高い熱電変換モジュールを効率よく製造することができる。
絶縁材料粒子として、平均粒径が0.05〜0.6mmのセラミックス球状粒子を用いることにより、確実にP型熱電変換材料とN型熱電変換材料の接合面どうしをほぼ平行の状態に保つことが可能になり、熱電変換材料の占有率が高く、信頼性の高い熱電変換モジュールをより確実に製造することができる。
また、前記第1および第2の接着性材料として、ガラス系材料を用いることにより、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とが、第1および第2の接着性材料と、絶縁材料粒子とを介して接合された構造を有する熱電変換モジュールを効率よく、しかも確実に製造することができる。
本発明の実施例にかかる熱電変換モジュールを示す平面図である。 図1の熱電変換モジュールの要部構成を示す正面断面図である。 本発明の実施例にかかる熱電変換モジュールの製造方法の一工程を示す図である。 本発明の実施例にかかる熱電変換モジュールの製造方法の他の一工程を示す図である。 本発明の実施例にかかる熱電変換モジュールの製造工程で熱電素子の側面に塗布したガラスペースト上にセラミックス球状粒子(球状酸化ジルコニウムビーズ)を配置した状態を示す図である。 本発明の実施例にかかる熱電変換モジュールの製造工程で各熱電素子を接合した状態を示す図である。 本発明の実施例にかかる熱電変換モジュールの製造工程で各熱電素子を電極を介して直列接続した状態を示す図である。 従来の熱電変換モジュールを示す図である。 従来の他の熱電変換モジュールを示す図であり、(a)は正面図、(b)は要部を拡大して示す図である。
1 熱電素子(P型熱電変換材料)
2 熱電素子(N型熱電変換材料)
11 セラミックス球状粒子(絶縁材料粒子)
12 電極
21 第1の接着性材料(ガラス系材料)
22 第2の接着性材料(ガラス系材料)
以下に本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施例にかかる熱電変換モジュールの構成を模式的に示す平面図、図2は要部を拡大して示す正面断面図である。
この熱電変換モジュールは、図1および図2に示すように、熱電素子(P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2)が、粒径のばらつきを示す3CV値が20%以下である、例えば粒径が0.05〜0.6mmのセラミックス球状粒子(絶縁材料粒子)11を介して、互いに電気的に接続しないような態様で接合されている。なお、セラミックス球状粒子11としては、球状酸化ジルコニウムビーズが用いられている。
そして、セラミックス球状粒子11は、第1の接着性材料であるガラス系材料21を介してP型熱電変換材料1に接合され、第2の接着性材料であるガラス系材料22を介してN型熱電変換材料2に接合されているとともに、ガラス系材料21とガラス系材料22は互いに非接触の状態に保たれている。
なお、この実施例では、第1のガラス系材料21および第2のガラス系材料22として、同じガラス系材料を用いている。ただし、第1および第2のガラス系材料21,22として、異なる種類のガラスを用いることも可能である。
また、ガラス系材料21,22とセラミックス球状粒子11を介して接合された領域以外の領域(この実施例の熱電変換モジュールでは上面及び下面)に電極12(図2参照)(図1では電極の図示を省略)が配設され、P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2とが、電気的に直列接続されている。また、この実施例の熱電変換モジュールは、縦横それぞれ6個ずつで合計36の熱電素子から形成されている。
ただし、本発明の熱電変換モジュールにおいて、P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2の配設態様や使用個数などはこの実施例に限定されるものではない。
また、各P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2を直列接続するための、電極の配設態様や引き回し態様についても、特に制約はなく、各熱電素子の寸法、形状、使用個数などを考慮して定めることができる。
この実施例の熱電変換モジュールでは、上述のように、P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2とを、電気的に導通しないように、絶縁材料粒子であるセラミックス球状粒子11を介して接合し、セラミックス球状粒子11を、第1の接着性材料であるガラス系材料21を介してP型熱電変換材料1に接合し、第2の接着性材料であるガラス系材料22を介してN型熱電変換材料2に接合するとともに、第2の接着性材料であるガラス系材料21と第2の接着性材料であるガラス系材料22を非接触の状態に保つようにしているので、ガラス系材料21,22が、不純物の影響で導電性を有していたり、焼成工程における熱電変換材料の構成成分の拡散により導電性を有するに至ったりした場合にも、P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2の間の絶縁を確実に保つことが可能になり、信頼性の高い熱電変換モジュールを得ることができる。
また、P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2は、粒径の3CV値が20%以下の粒径ばらつきの小さいセラミックス球状粒子11を介して接合されているので、図1及び図2に示すように、P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2の接合面どうしがほぼ平行で、いずれの位置においてもほぼ同じ間隔をおいて対向した状態とすることが可能になる。したがって、P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2を、両者の接合面どうしが直接接触してしまったり、その接合面に塗布されたガラス系材料21,22が接触してしまったりすることを確実に防止しつつ、隙間なく配置することが可能になり、熱電変換材料の占有率が高く、信頼性の高い熱電変換モジュールを得ることが可能になる。
なお、接合面どうしがほぼ平行で、いずれの位置においてもほぼ同じ間隔をおいて対向した状態とすることが可能になるため、多数個のP型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2を、絶縁材料粒子11を介して接合する場合に、熱電素子を精度よく整列した状態に配置することが可能になり、より熱電変換材料の占有率が高く、信頼性の高い熱電変換モジュールが得られる。
次に、この実施例の熱電変換モジュールを製造する方法について説明する。
原料粉末として、La23、Nd23、CeO2、SrCO3、およびCuOを準備し、P型熱電変換材料として(La1.98Sr0.02)CuO4、N型熱電変換材料として(Nd1.98Ce0.02)CuO4を所定の組成になるように秤量した。
ここでは、原料粉末として、LaおよびNd、Ce、Cu原料については酸化物を用い、Sr原料については炭酸塩を用いたが、出発原料は、上述のような酸化物や炭酸塩に限定されるものではなく、水酸化物などの他の無機材料、アセチルアセトナート錯体のような有機金属化合物を使用することも可能である。
各組成に秤量された原料粉末は、溶媒に純水を用いた湿式ボールミルで粉砕混合した。この原料粉末を含むスラリーを蒸発させ混合粉末を得た。
それから、得られた混合粉末を大気雰囲気中にて900℃で8時間熱処理し、目的とする熱電変換材料用酸化物粉末を作製した。なお、このとき、未反応部分が残存していてもよい。
この熱処理を行うことにより得た各熱電変換材料用酸化物粉末に対し、有機バインダを各組成物粉末に対し5重量%の割合で混合し、溶媒に純水を用いた湿式ボールミルで粉砕混合した。
有機バインダを混合した各組成物粉末を十分に乾燥させた後、1軸プレス機を使用し、10MPaの圧力にて成形体を作製した。
この成形体を大気中雰囲気中にて1000℃〜1100℃の範囲で2時間焼成し、各熱電変換材料用酸化物粉末からなる成形体の焼結体を作製した。
なお、このときの焼成温度は、各熱電変換材料用酸化物粉末の組成により異なる。通常は、相対密度が80%以上(好ましくは90%以上)となるように条件を設定する。
この焼結体をタイシングソーにより5mm×5mm×5mmの大きさに切り出し、図3に示すような熱電素子(P型熱電変換材料1及びN型熱電変換材料2)を得た。
そして、所定の大きさに切り出した熱電素子の導電面ではない4つの側面に、図4に示すようにガラスペースト(焼き付け後の第1および第2の接着性材料(ガラス系材料))21,22を塗布した。
それから、ガラスペースト21,22が乾燥する前に、図5に示すように、絶縁材料粒子として、平均粒径が0.1mmのセラミックス球状粒子(球状酸化ジルコニウムビーズ)11を、ガラスペースト11の塗布面の四隅に1個以上分布するよう配置した。
そして、一つの熱電素子1の、セラミックス球状粒子(球状酸化ジルコニウムビーズ)11を配置した面に、他の熱電素子2の、ガラスペースト11を塗布した接合面を接合(仮接合)させた。このようにしてP型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2が一対となり、かつ、この一対の熱電素子が、図1に示すような配設態様となるように配設して、各熱電素子を仮接合した後、150℃のオーブンにて乾燥させた。
なお、ガラスペースト21,22は、セラミックス球状粒子11を保持することができればよく、その種類に特別の制約はないが、セラミックス球状粒子の種類、大きさ、形状などにより、適宜その組成、濃度などを選択することが望ましい。
次いで、上述のようにして熱電素子(P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2)を接合したブロックを、900℃に設定したトンネル炉に導入し、大気中で第1および第2のガラス系材料を溶融させ、図6のように熱電素子を、セラミックス球状粒子およびガラス系材料を介して接合(結合)させた。
それから、各熱電素子を接合したブロックの導電面となる面、すなわち、上面および下面を研磨した。
次いで、この素子に電解Niめっきを施した。なお、側面はガラスで覆われており、このガラスがレジストとして作用することから、各熱電素子の上下面にのみNiめっき膜が形成されることになる。そして、Niめっき膜が形成された各熱電素子の上下面に、各熱電素子(P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2)が直列接続になるように、Cuペーストをスクリーン印刷により塗布し、その上から銅板を配置した後、窒素中860℃で焼付けを行い、P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2が電極12(銅板、図2参照)により直列接続された、図1に示すような熱電モジュールを作製した(ただし図1では、P型熱電変換材料1とN型熱電変換材料2とを接続する電極は図示せず)。
上述のようにして、作製した試料(熱電変換モジュール)について、熱電素子とガラス系材料との接合性を目視観察により調べたところ、接合性は良好であった。
また、ガラス系材料とセラミックス球状粒子を介しての熱電素子どうしの接合状態を目視観察により調べたところ、熱電素子どうしは、強固に接合されており、剥がれや割れ、欠けは認められなかった。
また、上記の実施例の熱電変換モジュールにおいては、熱電素子間の抵抗が104〜107Ωと高く、熱電素子間の絶縁性が高く保たれることが確認された。
さらに、上記実施例の熱電変換モジュールにおいては、粒径のばらつきを示す3CV値が20%以下のセラミックス球状粒子が用いられていることから、熱電素子の接合面が平行になり、熱電素子を整列配置することが可能になるため、熱電素子の高い占有率を確保できることが確認された。
なお、上記実施例では、絶縁材料粒子として球状酸化ジルコニウムビーズを用いた場合を例にとって説明したが、本発明において、絶縁材料粒子の種類に特別の制約はなく、アルミナ、チタニアその他の、種々のセラミックス材料からなるものを用いることが可能であり、場合によっては樹脂材料からなるものを用いることも可能である。
また、上記実施例では、接着性材料として、絶縁性ガラスを用いたが、絶縁性ガラスの代わりに樹脂系材料を用いることも可能である。また、接着性材料どうしが非接触の状態に保たれるようにしているので、場合によっては、接着性材料として、絶縁性材料以外の材料を用いることも可能である。
なお、本発明は、さらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、P型熱電変換材料およびN型熱電変換材料の組成やその原料、熱電変換モジュールの具体的な構造、製造時の具体的な条件(例えば、寸法や焼成条件、熱電変換モジュールを構成する熱電変換素子の数など)、絶縁材料粒子や接着性材料の種類などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本発明によれば、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とが絶縁材料を介して接合された構造を有する熱電変換モジュールにおいて、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料との接合面における絶縁を確実に行うことが可能で、熱電変換素子の占有率が高く、信頼性の高い熱電変換モジュールを得ることが可能になる。
したがって、本発明は、熱電変換素子の高い占有率と、高い信頼性が求められる熱電変換モジュールの技術分野に広く適用することが可能である。

Claims (8)

  1. P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とを電気的に接続してなる熱電変換モジュールにおいて、
    P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とが、両者の接合面間に絶縁材料粒子を介在させることにより、互いに電気的に導通しないように接合され、
    前記絶縁材料粒子は、第1の接着性材料を介して前記P型熱電変換材料に、第2の接着性材料を介して前記N型熱電変換材料に接合されているとともに、前記第1の接着性材料と前記第2の接着性材料とは互いに非接触の状態に保たれており、
    前記第1の接着性材料および第2の接着性材料と、前記絶縁材料粒子とを介して接合された領域以外の領域において、P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とが電気的に接続されていること
    を特徴とする熱電変換モジュール。
  2. 前記絶縁材料粒子が、粒径のばらつきを示す3CV値が20%以下のものであることを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュール。
  3. 前記絶縁材料粒子が、平均粒径が0.05〜0.6mmのセラミックス球状粒子であることを特徴とする請求項2記載の熱電変換モジュール。
  4. 前記第1および第2の接着性材料が、ガラス系材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
  5. P型熱電変換材料とN型熱電変換材料とが絶縁材料粒子を介して接合され、前記絶縁材料粒子は、第1の接着性材料を介して前記P型熱電変換材料に、第2の接着性材料を介して前記N型熱電変換材料に接合されているとともに、前記第1および第2の接着性材料と、前記絶縁材料粒子とを介して接合された領域以外の領域において、前記P型熱電変換材料と前記N型熱電変換材料とが電気的に接続された熱電変換モジュールの製造方法であって、
    P型熱電変換材料とN型熱電変換材料を準備する工程と、
    前記P型熱電変換材料の、前記N型熱電変換材料と前記絶縁材料粒子を介して互いに接合されるべき接合面に第1の接着性材料を塗布し、前記N型熱電変換材料の、前記P型熱電変換材料と前記絶縁材料粒子を介して互いに接合されるべき接合面に第2の接着性材料を塗布する工程と、
    前記P型熱電変換材料と前記N型熱電変換材料の、前記第1または第2の接着性材料が塗布された接合面の少なくとも一方に、前記一対の接合面に塗布された前記第1および第2の接着性材料の合計厚みよりも粒径の大きい前記絶縁材料粒子を付与して、前記第1および第2の接着性材料に保持させる工程と、
    前記P型熱電変換材料と前記N型熱電変換材料とを、前記絶縁材料粒子、前記第1および第2の接着性材料を介して張り合わせる工程と
    を具備することを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
  6. 前記絶縁材料粒子として、粒径のばらつきを示す3CV値が20%以下であるものを用いることを特徴とする請求項記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  7. 前記絶縁材料粒子として、平均粒径が0.05〜0.6mmのセラミックス球状粒子を用いることを特徴とする請求項6記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  8. 前記第1および第2の接着性材料として、ガラス系材料を用いることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の熱電変換モジュールの製造方法。
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