JP3115605B2 - 熱電発電ユニットの製造方法 - Google Patents

熱電発電ユニットの製造方法

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JP3115605B2
JP3115605B2 JP07529514A JP52951495A JP3115605B2 JP 3115605 B2 JP3115605 B2 JP 3115605B2 JP 07529514 A JP07529514 A JP 07529514A JP 52951495 A JP52951495 A JP 52951495A JP 3115605 B2 JP3115605 B2 JP 3115605B2
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渡辺  滋
洋一 永田
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は、異種半導体を接合した熱電対を熱発電素
子とし、それを複数個直列に接合して構成した熱電発電
ユニットの製造方法に関する。
背景技術 熱電対はその両端に温度差を与えることにより電圧を
発生する。この電圧を電気エネルギーとして利用しよう
とするのが熱電発電である。
熱電発電は熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換
できる方法として、廃熱の利用を含め熱エネルギーの有
効な利用法として非常に注目されている。
さらに、熱電発電に用いる熱電発電ユニットは、熱電
発電素子である熱電対を複数個直列に接合して構成する
簡単な構造のため、他の発電機に比べて微小化に有利な
ことや、酸化還元電池のように消耗せず、電解液の漏洩
の問題もないことから、腕時計のような超小型の携帯用
電子機器への応用が注目されている。
従来の熱電発電ユニットの構造の一例を図46の斜視図
に示す。この熱電発電ユニットは、全体として板状の構
造をもち、p型の熱電材料101とn型の熱電材料102とを
用いて熱電対100を熱電発電素子として多数個配置し、
それらを直列に接続している。
熱電対100の温接点104と冷接点105とは、板状の熱電
発電ユニットのおもて面と裏面の部分に位置しており、
その表裏の温度差によって発電を行なう。
熱電発電は、種類の異なる2つの金属の両端同士を接
合し、その2つの接合部間に温度差を与えるとその接合
部間に起電力を生じるという、いわゆるゼーベック効果
を利用したものである。
このような熱電発電を行なう熱電発電ユニットは、一
般的には次のような製造方法によって製造される。
まず、合金材料を粉砕した後に焼き固めてブロック状
の材料を形成する、いわゆる焼結法によってp型とn型
のそれぞれの熱電半導体材料のブロックを形成する。
そして、その形成した熱電材料の各ブロックを、それ
ぞれダイシングソーなどで切断して直方体のチップに分
割する。この直方体のチップを、図9に示したようにp
型の熱電材料101とn型の熱電材料102とが交互になるよ
うにマトリクス状に配列する。
その後、隣り合ったチップの両端を、金属板などの導
電性材料(温接点104と冷接点105)により接続して、多
数の熱電対を直列に接続した構造を有する熱電発電ユニ
ットを形成する。この接続には主にハンダ溶接を用い
る。
このようにして製造した従来の熱電発電ユニットは、
全体の寸法が数十cm角以上の大きさであり、また熱電対
の対数は数十対程度というのが標準的である。
ところで、現在利用されている熱電材料のうち、性能
が最もよいと言われているBiTe系材料を用いて熱電対の
出力電圧は、1対あたり400μV/℃程度である。
腕時計に代表される携帯用電子機器は、通常室温近辺
の温度環境で使用されるため、この携帯用電子機器内部
での大きな温度差は期待できない。すなわち腕時計内部
での温度差はせいぜい2℃程度である。
このような小さい温度差によって、時計の駆動に必要
な1.5V以上の電圧を得るためには、2000対ものBiTe系の
熱電対が必要になる。
そのため熱電発電ユニットを大型化すれば問題はない
が、2000対もの熱電対をボタン電池ほどの大きさである
1cm角の中に集積化するのは非常に難しい問題である。
この熱電発電ユニットの大きさは、腕時計をはじめとす
る超小型電子機器の電源としてそれを利用する場合には
特に重要である。
そこで、この熱電発電ユニットの小型化を達成するた
めには、単純には前述したような機械的な加工法によ
り、熱電材料の焼結体を微小に切断加工できればよい。
しかし、当然のことながら微小な素子の加工には限り
がある。さらに、熱電材料は非常に脆いものが多いた
め、切断加工工程ばかりでなく切断後の取扱いにも注意
が必要であり、製造歩留まりはおのずと低下してしま
う。
つまり機械加工を用いた従来の製造方法では、せいぜ
い寸法が1mmほどの材料を扱うのが常識的な限界と考え
られ、1cm角の大きさに熱電発電ユニットを作り込んだ
としても、その熱電発電素子である熱電対の対数は50対
程度にしかならない。
また、熱電発電ユニットの別の製造方法として、真空
蒸着法で薄膜状の熱電材料を形成し、その薄膜熱電材料
をエッチング法により微細化して小さな熱電対を作り、
それを直列に接続して熱電発電ユニットを形成する方法
も考えられる。確かにこの製造方法によれば小さな熱電
対を作ることは容易になる。
しかしながら、真空蒸着法により形成した膜では膜厚
が1μm前後で熱電発電素子としての熱電対を構成する
には薄すぎ、2000対も形成すると内部インピーダンスが
非常に高くなってしまい、熱電発電素子として必要な電
流値がとれないという問題点が発生する。
そのため結局のところ、真空蒸着法により形成した被
膜から形成する熱電対は、熱電発電素子としては不向き
である。
さらに、厚膜法という手法によりペースト状のBiTe系
合金を塗布し焼結させ、真空蒸着法を用いて形成する薄
膜よりかなり厚い膜を形成し、熱電発電素子を形成する
手法も提案されている。
この厚膜法による熱電発電素子の製造方法について
は、たとえば特開昭63−70462号公報に記載されてい
る。
この公報に記載の厚膜法による熱電発電素子の製造方
法では、スクリーン印刷が利用できるため微細化も可能
であり、しかも10μm以上の膜厚化が実現できる。この
ことから真空蒸着法により形成する薄膜に比べて、内部
インピーダンスの低い熱電発電素子を形成するのに適し
ている。
しかしながら、厚膜法においてはBi,Te,Sb,あるいはS
eなどの原料をそのまま混合して塗布するのではなく、
一度溶融してインゴットを作り、さらに粉砕して粉末化
してペーストを作っていくという前処理工程が必要であ
り、非常に煩雑である。
そして、このペーストを作る前処理工程においては、
熱電材料に不純物が混入したり、均一な固溶体がつくれ
ず組成が分布するという問題点がある。さらには焼結時
にクラックなどが生じるという問題もある。
また、スクリーン印刷によりパターンはつくれるが、
微小寸法を有する熱電発電ユニットを精度よく得ること
は難しい。これらの理由により、充分な特性が得られず
厚膜法も微小な熱電発電ユニットを作るために最適な方
法とはいえない。
このように、従来の機械加工法、あるいは真空蒸着法
により形成した被膜をエッチングする方法ともに、微小
な領域に熱電発電素子として多数の熱電対を集積化して
作り込んで熱電発電ユニットを形成するのは難しく、充
分な出力を有する極めて小さな熱電発電ユニットを製造
することはできなかった。
さらにまた、前述のような厚膜法では、工程が煩雑で
あることと、特性的に不安な面が残る。
そこでこの発明は、このような従来の熱電発電ユニッ
トの製造方法による問題を解決し、発電器として充分な
出力が得られ、しかも極めて小さな熱電発電ユニット
を、パターン精度よくしかも容易に製造できるようにす
ることを目的とする。
発明の開示 この発明は上記の目的を達成するため、熱電発電ユニ
ットの製造方法として下記に記載する各製造方法を採用
する。
この発明による第1の熱電発電ユニットの製造方法
は、次の各工程からなる。
基板上に金属材料からなる電極膜を形成する工程と、
該電極膜上に感光性樹脂を用いてストライプ状のパター
ンを形成する工程と、上記電極膜を用いて上記感光性樹
脂の開口部に第1の熱電材料をメッキ法で形成すること
で規則的に配列した複数の第1の熱電体を同時に形成す
る工程と、上記感光性樹脂及び第1の熱電体上に熱硬化
性樹脂をコーティングする工程と、上記基板と電極膜と
を溶解して除去する工程とによって第1の熱電構造体を
形成する工程。
また、上記基板とは別の基板上に金属材料からなる電
極膜を形成する工程と、該電極膜上に感光性樹脂を用い
てストライプ状のパターンを形成する工程と、上記電極
膜を用いて上記感光性樹脂の開口部に第2の熱電材料を
メッキ法で形成することで規則的に配列した複数の第2
の熱電体を同時に形成する工程と、上記感光性樹脂及び
第2の熱電体上に熱硬化性樹脂をコーティングする工程
と、上記基板と電極膜とを溶解して除去する工程とによ
って第2の熱電構造体を形成する工程。
そして、複数の上記第1の熱電構造体と第2の熱電構
造体を交互に重ねて貼り合わせ、ストライプの長手方向
の端面において隣り合う上記第1の熱電体と第2の熱電
体を配線電極により交互につなぎ合わせることにより、
熱電発電素子として直列に接続した複数の熱電対を形成
する工程。
この発明による第2の熱電発電ユニットの製造方法
は、上記第1の製造方法とほぼ同様な工程からなるが、
上記第1の熱電構造体及び第2のを熱電構造体を形成す
る工程において、上記感光性樹脂及び第1の熱電体ある
いは第2の熱電体上に熱硬化性樹脂をコーティングする
工程に代えて、上記感光性樹脂及び第1の熱電体あるい
は第2の熱電体上に熱絶縁性板を接着する工程を用い
る。
この発明による第3の熱電発電ユニットの製造方法
は、次の各工程からなる。
基板上に金属材料からなる電極膜を形成する工程と、
該電極膜上に感光性樹脂を用いてストライプ状のパター
ンを形成する工程と、上記電極膜を用いて上記感光性樹
脂の開口部に第1の熱電材料をメッキ法で形成すること
で規則的に配列した複数の第1の熱電体を同時に形成す
る工程。
上記基板とは別の基板上に金属材料からなる電極膜を
形成する工程と、該電極膜上に感光性樹脂を用いてスト
ライプ状のパターンを形成する工程と、上記電極膜を用
いて上記感光性樹脂の開口部に第2の熱電材料をメッキ
法で形成することで規則的に配列した複数の第2の熱電
体を同時に形成する工程。
上記両基板の第1の熱電体を形成した面と第2の熱電
体を形成した面とを熱絶縁性板を介在させて接着する工
程と、上記両基板と各電極板とを溶解して除去する工程
とによって複合熱電構造体を形成する工程。
そして、複数の該複合熱電構造体を交互に重ねて貼り
合わせ、ストライプの長手方向の端面において隣り合う
前記第1の熱電体と第2の熱電体を配線電極により交互
につなぎ合わせることにより、熱電発電素子として直列
に接続した複数の熱電対を形成する工程。
この発明による第4の熱電発電ユニットの製造方法
は、次の各工程からなる。
電気伝導性の基板上に感光性樹脂を用いてストライプ
状のパターンを形成する工程と、上記基板を電極として
用いて上記感光性樹脂の開口部に第1の熱電材料からな
る第1の熱電体をメッキ法で形成することで規則的に配
列した複数の第1の熱電体を同時に形成する工程と、上
記感光性樹脂及び第1の熱電体上に熱硬化性樹脂をコー
ティングする工程と、上記基板を溶解して除去する工程
とにより第1の熱電構造体を形成する工程。
上記基板とは別の電気伝導性の基板上に感光性樹脂を
用いてストライプ状のパターンを形成する工程と、上記
基板を電極として用いて上記感光性樹脂の開口部に第2
の熱電材料をメッキ法で形成することで規則的に配列し
た複数の第2の熱電体を同時に形成する工程と、上記感
光性樹脂及び第2の熱電体上に熱硬化性樹脂をコーティ
ングする工程と、上記基板を溶解して除去する工程とに
より第2の熱電構造体を形成しする工程。
そして、複数の上記第1の熱電構造体と第2の熱電構
造体を交互に重ねて貼り合わせストライプの長手方向の
端面において隣り合う第1の熱電体と第2の熱電体を配
線電極により交互につなぎ合わせることにより、熱電発
電素子として直列に接続した複数の熱電対を形成する工
程。
この発明による第5の熱電発電ユニットの製造方法
は、上記第4の製造方法とほぼ同様な工程からなるが、
上記第1の熱電構造体及び第2のを熱電構造体を形成す
る工程において、上記感光性樹脂及び第1の熱電体ある
いは第2の熱電体上に熱硬化性樹脂をコーティングする
工程に代えて、上記感光性樹脂及び第1の熱電体あるい
は第2の熱電体上に熱絶縁性板を接着する工程を用い
る。
この発明による第6の熱電発電ユニットの製造方法
は、次の各工程からなる。
電気伝導性の基板上に感光性樹脂を用いてストライプ
状のパターンを形成する工程と、上記基板を電極として
用いて上記感光性樹脂の開口部に第1の熱電材料をメッ
キ法で形成することで規則的に配列した複数の第1の熱
電体を同時に形成する工程。
上記基板とは別の電気伝導性の基板上に感光性樹脂を
用いてストライプ状のパターンを形成する工程と、上記
基板を電極として用いて上記感光性樹脂の開口部に第2
の熱電材料をメッキ法で形成することで規則的に配列し
た複数の第2の熱電体を同時に形成する工程。
上記両基板の上記第1の熱電体を形成した面と前記第
2の熱電体を形成した面とを熱絶縁性板を介在させて接
着する工程と、上記両基板を溶解して除去する工程とに
よって複合熱電構造体を形成する工程。
そして、複数の該複合熱電構造体を重ね貼り合わせス
トライプの長手方向の端面において隣り合う前記第1の
熱電体と第2の熱電体を配線電極により交互につなぎ合
わせることにより、熱電発電素子として直列に接続した
複数の熱電対を形成する工程。
この発明による第7の熱電発電ユニットの製造方法
は、次の各工程からなる。
表面あるいは全体が絶縁性の基板上に金属膜を形成す
る工程と、 その形成した金属膜をエッチング法により互いに入り
込み合う櫛歯状の第1の電極膜と第2の電極膜に加工す
る工程と、 感光性樹脂を用いて前記第1の電極膜と第2の電極膜
の櫛歯の隙間部分にストライプ状のパターンを形成する
工程と、 上記第1の電極膜を用いて上記感光性樹脂の開口部の
該第1の電極膜上に第1の熱電材料からなるをメッキ法
で形成することで規則的に配列した複数の第1の熱電体
を同時に形成する工程と、 上記第2の電極膜を用いて上記感光性樹脂の開口部の
該第2の電極膜上に第2の熱電材料をメッキ法で形成す
ることで規則的に配列した複数の第2の熱電体を同時に
形成する工程と、 上記感光性樹脂及び第1,第2の熱電体上に熱硬化性樹
脂をコーティングする工程と、 上記基板と第1の電極膜と第2の電極膜を溶解して除
去する工程とにより熱電構造体を形成し、 そして、複数の該熱電構造体を重ねて貼り合わせスト
ライプの長手方向の端面において隣り合う第1の熱電体
と第2の熱電体を配線電極により交互につなぎ合わせる
ことにより、熱電発電素子として直列に接続した複数の
熱電対を形成する。
この発明による第8の熱電発電ユニットの製造方法
は、上記第7の製造方法とほぼ同様な工程からなるが、
上記熱電構造体を形成する工程において、上記感光性樹
脂及び第1,第2の熱電体上に熱硬化性樹脂をコーティン
グする工程に代えて、上記感光性樹脂及び第1,第2の熱
電体上に熱絶縁性板を接着する工程を用いる。
この発明による第9の熱電発電ユニットの製造方法
は、上記第7あるいは第8の製造方法における熱電構造
体を形成する工程において、上記基板上の感光性樹脂の
開口部に規則的に配列した複数の第1の熱電体と第2の
熱電体をメッキ法によって形成する工程までは、上記第
7あるいは第8の製造方法と同じである。
しかし、その第1の熱電体と第2の熱電体とが形成さ
れた2枚の基板を熱絶縁性板を介在させて接着する工程
と、上記各基板と第1の電極膜と第2の電極膜を溶解し
て除去する工程とにより複合熱電構造体を形成する。
そして、複数の該複合熱電構造体を重ねて貼り合わせ
ストライプの長手方向の端面において隣り合う第1の熱
電体と第2の熱電体を配線電極により交互につなぎ合わ
せることにより、熱電発電素子として直列に接続した複
数の熱電対を形成する。
この発明による第10の熱電発電ユニットの製造方法
は、上記第7の製造方法における熱電構造体を形成する
工程において、上記感光性樹脂及び第1,第2の熱電体上
に熱硬化性樹脂をコーティングする工程するまでは、上
記第7の製造方法と同じである。
しかしその後、上記基板と第1の電極膜と第2の電極
膜とを溶解して除去したのち、再度金属膜をメッキ開始
面全面に形成する工程と、その形成した金属膜をエッチ
ング法を用いてパターン化することにより配線電極を形
成し、その配線電極によって隣り合う第1の熱電体と第
2の熱電体を交互に接続して、熱発電素子として熱電対
列を形成する工程とにより熱電構造体を形成する。
そして、複数の該熱電構造体を重ねて貼り合わせた
後、隣り合う熱電対列の端部同士を接続して、各熱電対
全てを直列に接続する。
この発明による第11の熱電発電ユニットの製造方法
は、上記第1の0製造方法とほぼ同様な工程からなる
が、上記熱電構造体を形成する工程において、上記感光
性樹脂及び第1,第2の熱電体上に熱硬化性樹脂をコーテ
ィングする工程に代えて、上記感光性樹脂及び第1,第2
の熱電体上に熱絶縁性板を接着する工程を用いる。
この発明による第12の熱電発電ユニットの製造方法
は、次の各工程からなる。
表面あるいは全体が絶縁性の基板上に金属膜を形成す
る工程。
その形成した金属膜をエッチング法により互いに入り
込み合う櫛歯状の第1の電極膜と第2の電極膜に加工す
る工程。
感光性樹脂を用いて上記第1の電極膜と第2の電極膜
の櫛歯の隙間部分にストライプ状のパターンを形成する
工程。
上記第1の電極膜を用いて上記感光性樹脂の開口部の
該第1の電極膜上に第1の熱電材料をメッキ法で形成す
ることで規則的に配列した複数の第1の熱電体を同時に
形成する工程。
上記第2の電極膜を用いて上記感光性樹脂の開口部の
該第2の電極膜上に第2の熱電材料をメッキ法で形成す
ることで規則的に配列した複数の第2の熱電体を同時に
形成する工程。
それぞれ前記各工程により第1の熱電体と第2の熱電
体とが形成された2枚の基板を熱絶縁性板を介在させて
接着する工程。
上記基板と第1の電極膜と第2の電極膜とを溶解して
除去したのち、再度金属膜をメッキ開始面全面に形成す
る工程。
その形成した金属膜をエッチング法を用いてパターン
化することにより配線電極を形成し、その配線電極によ
って隣り合う上記第1の熱電体と第2の熱電体を交互に
接続して、熱発電素子として熱電対列を形成する工程。
以上の各工程により熱電構造体を形成する。
そして、複数の該熱電構造体を重ねて貼り合わせた
後、隣り合う熱電対列の端部同士を接続して、各熱電対
全てを直列に接続する。
この発明による第13の熱電発電ユニットの製造方法
は、次の各工程からなる。
基板上に金属材料からなる電極膜を形成する工程と、
第1のストライプ状パターンを有する感光性樹脂を上記
電極膜上に形成する工程と、上記電極膜を用いて上記感
光性樹脂の開口部に第1の熱電材料をメッキ法により上
記感光性樹脂より薄く形成することで、規則的に配列し
た複数の第1の熱電体を同時に形成する工程とによって
第1の熱電構造体を形成する工程。
上記基板とは別の基板上に金属材料からなる電極膜を
形成する工程と、上記第1のストライプ状パターンの開
口部の幅以下の非開口部と該第1のストライプ状パター
ンの非開口部の幅以上の開口部を有し、なおかつ前記第
1のストライプ状パターンとピッチが同一である第2の
ストライプ状パターンを有する感光性樹脂を上記電極膜
上に形成する工程と、上記電極膜を用いて上記感光性樹
脂の開口部に第2の熱電材料をメッキ法により上記感光
性樹脂より薄く形成することで、規則的に配列した複数
の第2の熱電体を同時に形成する工程とによって第2の
熱電構造体を形成する工程。
上記各工程によって形成した第1の熱電構造体と第2
の熱電構造体とを上記各感光性樹脂の一方の開口部と他
方の非開口部とをはめ合わせて接着したのち、上記各基
板と電極膜とを溶解させて除去する工程と、ストライプ
の長手方向の端面において隣り合う第1の熱電体と第2
の熱電体を配線電極で交互に配線して、熱電発電素子と
して熱電対列を形成する工程とにより合成熱電構造体を
形成する工程。
複数の該合成熱電構造体を絶縁材を介して重ねて貼り
合わせて、隣り合う合成熱電構造体の端の熱電体を素子
端配線で配線することにより、各熱電対を全て直列に接
続する工程。
この発明による第14の熱電発電ユニットの製造方法
は、次の各工程からなる。
電気伝導性の基板上に第1のストライプ状パターンを
有する感光性樹脂を形成する工程と、上記感光性樹脂の
開口部に第1の熱電材料をメッキ法で上記感光性樹脂よ
り薄く形成することで、規則的に配列した複数の第1の
熱電体を同時に形成する工程とによって第1の熱電構造
体を形成する工程。
上記基板とは別の電気伝導性の基板上に、上記第1の
ストライプ状パターンの開口部の幅以下の非開口部と該
第1のストライプ状パターンの非開口部の幅以上の開口
部を有し、なおかつ該第1のストライプ状パターンとピ
ッチが同一である第2のストライプ状パターンを有する
感光性樹脂を形成する工程と、上記感光性樹脂の開口部
に第2の熱電材料をメッキ法により上記感光性樹脂より
薄く形成することで、規則的に配列した複数の第2の熱
電体を同時に形成する工程とにのよって第2の熱電構造
体を形成する工程。
上記第1の熱電構造体と第2の熱電構造体とを、上記
感光性樹脂の一方の開口部と他方の非開口部とをはめ合
わせて接着したのち、上記各基板を溶解除去する工程
と、ストライプの長手方向の端面において隣り合う上記
第1の熱電体と第2の熱電体を配線電極で交互に配線し
て、熱電発電素子として熱電対列を形成する工程とによ
り合成熱電構造体を形成する工程。
複数の該合成熱電構造体を絶縁材を介して重ねて貼り
合わせて、隣り合う合成熱電構造体の端の熱電体を素子
端配線で配線することにより、各熱電対を全て直列に接
続する工程。
この第13,14の熱電発電ユニットの製造方法におい
て、第1のストライプ状パターンの開口部の幅寸法は非
開口部の幅以上であり、第2のストライプ状パターンは
第1のストライプ状パターンと同一であるのが望まし
い。
また、この発明による上記各熱電発電ユニットの製造
方法において、基板上あるいはその上の電極膜上にスト
ライプ状のパターンを形成する感光性樹脂としては、ア
クリル系樹脂からなる感光性ドライフィルム、あるいは
感光性のポリイミド樹脂を用いるとよい。
このような熱電発電ユニットの製造方法によれば、感
光性樹脂を用いてパターンを形成し、その感光性樹脂の
開口部内にメッキ処理により熱電体を形成する。そのた
め、数10μmの幅寸法を有する熱電発電素子(熱電対)
を精度よく形成することが可能である。
そして、メッキ法により熱電体を形成するため、10μ
mから100μmほどの膜厚を有する熱電体被膜を形成す
ることが可能である。そして、メッキ浴組成や電圧制御
により熱電体組成のコントロールも容易である。
さらにこの発明による熱電発電ユニットの製造工程
は、感光性樹脂を用いるフォトリソグラフィー工程や、
メッキ工程、真空蒸着とエッチング工程からなる。その
ためバッチ処理により一度に複数の素子が形成できるこ
とにより、熱電発電素子である熱電対の集積密度を従来
より飛躍的にあげることができる。したがって、小形で
ありながら低い温度差でも高出力が得られる熱電発電ユ
ニットを、容易に製造することが可能になる。
また、本発明の熱電発電素子の製造方法においては、
熱電構造体のメッキがストライプ状パターンを有する感
光性樹脂の開口部に形成する。このため、互いに異なる
熱電材料からなる熱電構造体を感光性樹脂の非開口部と
開口部(メッキ部分)をはめ合わせるようにして積層す
れば、積層時に熱電発電ユニットの熱電体の断面位置の
ずれ量が少なくなる。
それによって、配線しようとする異種熱電材料同士の
間隔が自動的に一定範囲内に納まるので、熱電構造体の
接着時のパターン合わせが容易になり、真空蒸着法やフ
ォトリソグラフィー技術によって熱電体同士の配線を行
う際には、この一定間隔に合うようなマスクを用意する
ことによって、用意に熱電体間の配線を行うことが可能
である。
図面の簡単な説明 第1図乃至第8図は、この発明の第1実施例による熱
電発電ユニットの製造工程を説明するための図であり、
第1図乃至第3図と第7図は第2,第3実施例の説明にも
使用し、第4図及び第5図は第2実施例の説明にも使用
し、第8図は第2,第4,第5実施例の説明にも使用する。
第9図は、この発明の第2実施例による熱電発電ユニ
ットの製造工程の一部を示す図である。
第10図乃至第13図は、この発明の第3実施例による熱
電発電ユニットの製造工程を説明するための図であり、
第11図及び第12図は第6実施例の説明にも使用し、第13
図は第6,第9実施例の説明にも使用する。
第14図乃至第18図は、この発明の第4実施例による熱
電発電ユニットの製造工程を説明するための図であり、
第14図及び第15図は第5,第6実施例の説明にも使用し、
第17図及び第18図は第5実施例の説明にも使用する。
第19図は、この発明の第5実施例による熱電発電ユニ
ットの製造工程の一部を示す図である。
第20図は、この発明の第6実施例による熱電発電ユニ
ットの製造工程の一部を示す図である。
第21図乃至第28図は、この発明の第7実施例による熱
電発電ユニットの製造工程を説明するための図であり、
第21図乃至第23図は第8〜12実施例の説明にも使用し、
第25図は第10実施例の説明にも説明し、第26図乃至第28
図は第8実施例の説明にも使用する。
第29図は、この発明の第8実施例及び第11実施例によ
る熱電発電ユニットの製造工程の一部を示す図である。
第30図乃至第32図は、この発明の第9実施例による熱
電発電ユニットの製造工程を説明するための図であり、
第30図は第12実施例の説明にも使用する。
第33図及び第34図は、この発明の第10実施例及び第11
実施例による熱電発電ユニットの製造工程の一部を示す
図である。
第35図及び第36図は、この発明の第12実施例による熱
電発電ユニットの製造工程の一部を示す図である。
第37図乃至第45図は、この発明の第13実施例による熱
電発電ユニットの製造工程を説明するための図である。
第46図は、従来の製造方法で製造された熱電発電ユニ
ットの一例を示す斜視図である。
発明を実施するための最良の形態 この発明による熱電発電ユニットの製造方法をより詳
細に説明するために、添付図面に従って好ましい実施例
を詳しく説明する。
〔第1実施例〕 この発明の第1実施例による熱電発電ユニットの製造
工程について、第1図〜第8図を用いて説明する。
この第1実施例において、第1図に示す基板10には銅
板を用いる。そして、この基板10上に電極膜11としてチ
タン(Ti)を真空蒸着法によって形成する。この電極膜
11の膜厚は500nmとする。
この電極膜11であるチタン膜は、後述するメッキ処理
におけるメッキ液に基板10の銅板が侵されないよう保護
する役割ももつ。
つぎに、電極膜11上に感光性樹脂12を形成する。この
感光性樹脂12としては、膜厚50μmの感光性ドライフィ
ルムを使用し、ロールコータを用いて形成する。
つぎに感光性樹脂12であるドライフィルムを、フォト
マスクを用いて光を照射する露光処理と、その未露光部
のみを溶解除去する現像処理とによるフォトリソグラフ
ィーの技術を用いて、第1図に示すように感光性樹脂12
によるストライプ状のパターンを形成する。このパター
ン化後の感光性樹脂12の平面パターン形状を、第7図の
平面図に示す。
第1図には示していないが、感光性樹脂12を形成した
後、基板10の裏面には、テフロン系の高分子膜をスピン
コーティング法を用いて全面に形成しておく。
この基板10の裏面に形成するテフロン系材料からなる
高分子膜は、後述するメッキ処理工程において、メッキ
膜が基板10裏面に形成されるのを防ぐための役割をも
つ。
つぎに、基板10上の感光性樹脂12の開口部13内に、メ
ッキ法により第2図に示すように第1の熱電材料からな
る第1の熱電体15を形成する。
この第1の熱電体15には、n型半導体であるBiTeSe合
金を材料として用いる。
このn型半導体の第1の熱電体15を形成するためのメ
ッキ電解液としては、Bi(NO3)とTeO2とSeO2とを含む
硝酸溶液を用いる。電極膜11をカソードとし、アノード
にはPt電極を用いて両電極間に1Vの電圧を印加すると、
BeTeSe合金を感光性樹脂12の開口部13内の2電極膜11上
に析出させることができる。
このとき、基板10の裏面は前述のように高分子膜によ
って保護されている。このため、感光性樹脂12の開口部
13内の電極膜11上の領域にだけ、第1の熱電体15を形成
することができる。
第1の熱電体15を形成するためのメッキ法において
は、析出量は電解時の消費電流から計算される電荷量で
決まる。そのため、電荷量の測定によって第1の熱電体
15を必要な厚さに制御することは容易である。
第1の熱電体15の膜厚は、第2図に示すようにパター
ニングした感光性樹脂12と同じ膜厚、つまり膜厚50μm
になるように反応電荷量を設定する。
さらに、メッキ電解液中のBiとTeとSeとのイオン濃度
を変えることで合金の組成は変化させることができ、こ
れらのイオン濃度条件設定によって必要な出力電圧や、
あるいは抵抗値を有する第1の熱電体15の材料を選択す
ることができる。
第1の熱電体15のメッキ終了後、基板10裏面の高分子
膜をトルエンによって剥離除去する。その後、基板10上
に形成した第1の熱電体15を350℃の温度の窒素雰囲気
中において1時間熱処理する。
この窒素雰囲気中の熱処理は、第1の熱電体15の合金
組成を均一化するためであり、熱電発電素子の出力を向
上させるために行なう。
つぎに第3図に示すように、ポリイミド樹脂からなる
熱硬化性樹脂16を、スピンコーティング法により基板10
の全面に形成する。
その後、150℃以上の温度により加熱処理し、ポリイ
ミド樹脂からなる熱硬化性樹脂16を硬化させる。
つぎに、基板10全体を硝酸溶液中に浸漬して基板10の
材料である銅をすべて溶解した後、さらに1%フッ酸溶
液を用いて電極膜11の材料であるチタン(Ti)を溶解す
る。
この溶液処理のとき、第1の熱電体15と感光性樹脂12
と熱硬化性樹脂16とは硝酸とフッ酸とに不溶である。し
たがって、第4図に示すように、第1の熱電体15と感光
性樹脂12と熱硬化性樹脂16とはそのまま残り、第1の熱
電構造体20を形成することができる。
以上の説明では第1の熱電体15を含む第1の熱電構造
体20の形成方法であるが、さらに以上の説明と同様な工
程処理を行うことによって第5図に示す第2の熱電構造
体21を形成する。このとき上記と異なるのは第2の熱電
体17の熱電材材料のメッキ処理工程である。以下に、こ
の第2の熱電体17の熱電材料のメッキ工程を説明する。
図示はしないが第1図に示す工程が終了した後、感光
性樹脂12の開口部13にメッキ法により、今度は第2の熱
電材料からなる第2の熱電体17を形成する。この第2の
熱電体17にはp型半導体であるBiTeSb合金を材料として
用いる。
p型半導体である第2の熱電体17のメッキ電解液とし
ては、Bi(NO3)とTeO2とSbC13とを含む硝酸溶液を用い
る。
そして、電極膜11をカソードとして用い、アノードと
してはPt電極を用いて両電極間に1Vの電圧を印加する
と、BiTeSb合金を感光性樹脂12の開口部13内の電極膜11
上に析出させることができる。
このときも、基板10の裏面には高分子膜を形成してお
き、高分子膜により保護されているため、第2の熱電体
17は感光性樹脂12の開口部13内にのみ析出する。そし
て、第2の熱電体17の膜厚はドライフィルムと同じ膜厚
の50μmになるよう反応電荷量で制御する。
さらに、メッキ電解液中のBiとTeとSbとのイオン濃度
を変えることによって、第2の熱電体17の合金の組成を
変化させ、必要な出力電圧やあるいは抵抗値になるよう
第2の熱電体17を制御することができる。
その後の裏面高分子膜の溶解処理と、熱処理と、熱硬
化性樹脂16のコーティング処理と、基板10と電極膜11と
の溶解の処理工程とは、第1図から第4図及び第7図を
用いて説明した第1の熱電構造体20の製造工程と同じ処
理工程を行うことによって、第5図に示す第2の熱電構
造体21を形成することができる。
つぎに、以上の処理工程によって形成した第1の熱電
構造体20と第2の熱電構造体21とを交互に積層し、エポ
キシ系の接着剤を用いて両者を接着する。そして、必要
な長さで切断することによって、第6図に示す断面構造
を有する熱電構造体を得る。
このとき断面の表面粗さが大きく、後の工程の配線の
形成に影響があるときは、ラッピング法などを用いて表
面の研磨加工をしてもよい。
つぎに第8図に示すように、この熱電構造体の断面の
全面に金(Au)膜を真空蒸着法やスパッタリング法等、
あるいは無電解メッキ法により形成する。そしてさら
に、その金(Au)膜をフォトリソグラフィー技術によっ
てパターンニングして、配線電極25を形成する。
この配線電極25は、断面に隣同士に現れる第1の熱電
体15と第2の熱電体17とを接続して熱電対30を形成す
る。そして、すべての熱電対30を直列に接続することに
より、熱電発電ユニットを得ることができる。
以上説明した熱電発電ユニットの製造方法において、
ドライフィルムからなる感光性樹脂12は、ミクロンオー
ダの精度でそのパターンニングが可能である。
そして、この感光性樹脂12の開口部13内にメッキ処理
によって形成する第1の熱電体15と第2の熱電体17と
は、感光性樹脂12と同じようにミクロンオーダのパター
ン精度で形成することができる。
これは、従来の機械加工法やスクリーン印刷により塗
布する厚膜に比べて非常に高精度である。さらにまた、
メッキ法により形成する第1の熱電体15と第2の熱電体
17は、厚さのコントロールと組成のコントロールが容易
であり、原材料を溶解するだけの前処理は従来に比較し
て簡単である。
さらに、上述した熱電発電ユニットの製造方法におい
ては、フォトリソグラフィー工程と、メッキ工程と、真
空蒸着あるいはエッチング工程とからなり、すべてバッ
チ処理が可能なため、一度に複数の熱電構造体を形成す
ることが可能であるという利点ももつ。
上記の方法により製造する熱電発電ユニットの一つと
して、それぞれの熱電体15,17の幅寸法を150μmとし、
スペース寸法が50μmのものを形成する。このとき、熱
硬化性樹脂16まで含めた厚さ寸法は100μmである。
基板10の幅と重ね合わせた全体の厚さ寸法を1cmとす
ると、この基板10に含まれる熱電対30の数は2500対とな
る。
この熱電発電ユニットに2℃の温度差を与えると2Vの
開放電圧が得られ、腕時計に代表される携帯用電子機器
の駆動には充分な電圧である。
またさらに、この熱電発電ユニットの長さを2mmとす
ると、内部インピーダンスは13kΩとなり電子機器用と
しては充分対応可能なオーダであることが分かる。
〔第2実施例〕 つぎに、この発明の第2実施例による熱電発電ユニッ
トの製造工程について、第1図,第2図、第4図〜第9
図を用いて説明する。第1図〜第8図は上述の第1実施
例と共通であり、第9図のみをこの第2実施例の説明に
追加する。
この第2実施例における熱電発電ユニットの製造方法
においては、第1実施例において第1図,第2図と第7
図を用いて説明したように、基板10に銅板を用いて、そ
の基板10上への電極膜11の形成工程と、感光性樹脂12の
コーティング工程とパターン化工程と、基板10裏面への
高分子膜のコーティング工程と、第1の熱電体15と第2
の熱電体17とを形成する工程と、裏面の高分子膜の剥離
工程と、熱処理工程までは第1の実施例と同じである。
この第2実施例で第1実施例と異なるのは、熱硬化性
樹脂16の代わりに第9図に示すように熱絶縁性板18を使
用する点だけである。熱絶縁性板18としては、厚さ100
μmのガラス板を使用し、エポキシ系接着剤を用いて感
光性樹脂12と第1の熱電体15上に接着する。
そして第9図に示した状態から、第1実施例の場合と
同様な処理工程によって、基板10の銅を硝酸溶液を用い
て除去し、さらに電極膜11のチタンを1%フッ酸溶液を
用いて溶解除去して、第4図に示したような第1の熱電
構造体20(但し、熱硬化性樹脂16の代りに熱絶縁性板18
を使用)を形成する。さらにまた同じ処理工程によって
第5図に示したような第2の熱電構造体21を形成する。
その後、第6図と第8図に示した第1実施例と同様な
処理工程を行うことによって、第1の熱電構造体20と第
2の熱電構造体21(但し、熱硬化性樹脂16の代りに熱絶
縁性板18を使用)とを積層し、さらにこれらを接着し、
その後所定の大きさに切断する。
そして、その後に第8図に示した配線電極25を形成す
ることにより、熱電対30を複数個直列接続した熱電発電
ユニットを得る。
この発明の第2の実施例における熱電発電ユニットの
製造方法においても、微小な寸法の熱電発電ユニットを
従来以上に精度よく形成することができる。さらに、熱
電発電素子(熱電対)の形状やその組成の制御も容易で
ある。
また、第1の熱電構造体20と第2の熱電構造体21との
間に熱絶縁性板18を介在している。それにより、第1実
施例に比らべてこの第2実施例によれば、その製造工程
における熱電構造体の硬度が増すため、基板10の溶解工
程における歪みや反りに対する信頼性が増し、大型の基
板への対応が可能となる。
〔第3実施例〕 つぎに、この発明の第3実施例による熱電発電ユニッ
トの製造工程について、第1図,第3図と第10図から第
13図を用いて説明する。
第3実施例においては、第1図及び第2図に示すよう
に、基板10に銅板を用い、その基板10上への電極膜11の
形成工程と、感光性樹脂12のコーティング工程及びパタ
ーン化工程と、基板10の裏面への高分子膜のコーティン
グ工程と、第1の熱電体15あるいは第2の熱電体17を形
成する工程と、基板10の裏面の高分子膜の剥離工程と、
熱処理工程までは第1の実施例と同じである。
つぎに第10図に示すように、第1の熱電体15を形成し
た基板10と、第2の熱電体17を形成した基板10とを、熱
絶縁性板18を挟んで貼り合わせる。この熱絶縁性板18と
しては、厚さ100μmのガラス板を使用する。
第1の熱電体15を形成した基板10と第2の熱電体17を
形成した基板10との貼り合わせは、第10図に示すよう
に、それぞれ第1の熱電体15と第2の熱電体17とを熱絶
縁性板18の面側に向けて行なう。その貼り合わせ手段に
は、エポキシ系接着剤を用いて行なう。
つぎに第11図に示すように、熱絶縁性板18を間に介し
て接合した第1の熱電体15を形成した基板10と第2の熱
電体17を形成した基板10の全体を硝酸溶液に浸漬して、
各基板10の材料の銅をすべて溶解処理し、さらに1%フ
ッ酸溶液を用いて電極膜11の材料であるチタンを溶解処
理して、複合熱電構造体23を形成する。
つぎに第12図に示すように、複数の複合熱電構造体23
を、第1の熱電体15の層と第2の熱電体17とがそれぞれ
対向するように積層し、エポキシ系接着剤を用いて接着
し、必要な長さに切断する。
ここで図示はしないがそれぞれの複合熱電構造体23の
間は、接着に用いた絶縁性のエポキシ系接着剤によって
隔てられており、この時点で第1の熱電体15と第2の熱
電体17と間の導通はとれていない。
このとき素子断面の表面粗さが大きく、後の工程の配
線の形成に影響があるときは、前述のようにラッピング
法などを用いて、素子表面の研磨をしてもよい。
つぎに第13図に示すように素子断面の全面に金(Au)
膜を真空蒸着法やスパッタリング法、あるいは無電解メ
ッキ法により形成する。そしてさらに、金(Au)膜をフ
ォトリソグラフィー技術によってパターンニングして、
配線電極25を形成する。
この配線電極25は、断面に隣同士に現れた第1の熱電
体15と第2の熱電体17を接続して熱電対30を形成する。
そして、すべての熱電対30を直列に接続することによ
り、熱電発電ユニットを得ることができる。
この第3実施例による熱電発電ユニットの製造方法に
おいても、微小寸法の熱電発電ユニットを従来以上に精
度よく形成することができる。さらに、熱電発電素子
(熱電対)の形状やその組成の制御も容易である。
さらに、この第3実施例によれば、熱絶縁性板18を複
合熱電構造体23の間に介在させている。このことから熱
電発電ユニットの硬度が増すとともに、第2実施例と比
較して熱絶縁性板18は半分になり、熱電発電素子の厚さ
が薄くなり、熱電発電ユニットをさらに微小化にするの
に適している。
〔第4実施例〕 つぎに、この発明の第4実施例による熱電発電ユニッ
トの製造工程について、第14図から第18図と第8図を用
いて説明する。
第14図に示す基板10′としては、金属板としてチタン
板を用いる。そして、その基板10′全面に感光性樹脂12
を形成する。この感光性樹脂12としては、膜厚50μmの
感光性ドライフィルムをロールコータを用いて形成す
る。
その後、感光性樹脂12であるドライフィルムを、フォ
トマスクを用いて光を照射する露光処理と、未露光部の
みを溶解除去する現像処理とによるフォトリソグラフィ
ーの技術を用いて、第14図に示すようにストライプ状に
パターンニングして、感光性樹脂12を形成する。
第14図には図示していないが、感光性樹脂12を形成し
た後、基板10′の裏面にはテフロン系の高分子膜をスピ
ンコーティング法を用いて、基板10′の裏面全面にコー
ティングしておく。
この基板10′の裏面に形成する高分子膜は、後述する
メッキ処理工程においてメッキ膜が基板10′裏面に形成
されることを防ぐために形成する。
つぎに第15図に示すように、感光性樹脂12の開口部13
内の基板10′上に、メッキ法により第1の熱電材料から
なる第1の熱電体15を形成する。
の感光性樹脂12の開口部13内に形成する第1の熱電体
15は、n型半導体であるBiTeSe合金を材料として用い
る。
n型半導体である第1の熱電体15のメッキ電解液とし
ては、Bi(NO3)とTeO2とSeO2とを含む硝酸溶液を用い
ている。
そして、基板10′をカソードとして使用し、アノード
にはPt電極を用いて、カソードアノード両電極間に1Vの
電圧を印加すると、BiTeSe合金を感光性樹脂12の開口部
内の基板10上に析出させることができる。
この第1の熱電体15のメッキ処理のとき、前述のよう
に基板10′裏面は高分子膜により保護されている。この
ため、感光性樹脂12の開口部内にのみ、第1の熱電体15
を析出させることができる。
第1の熱電体15のメッキ処理においては、その析出量
は電解時の消費電流から計算される電荷量で決まるた
め、電荷量の測定によって、第1の熱電体15を必要な厚
さに制御することは容易である。
この第1の熱電体15の形成膜厚は、感光性樹脂12と同
じ膜厚、つまり膜厚50μmになるよう設定する。
さらに、電解液中のBiとTeとSeとのイオン濃度を変え
ることによって、第1の熱電体15の合金の組成を変化さ
せることができる。そして、これらのイオン濃度条件設
定によって第1の熱電体15として、必要な出力電圧やあ
るいは抵抗値を有する材料を選択できる。
第1の熱電体15のメッキ終了後、基板10′の裏面のメ
ッキ保護膜として用いた高分子膜をトルエンによって剥
離除去する。
つぎに、基板10′上に形成した第1の熱電体15を温度
350℃の窒素雰囲気中において1時間熱処理する。
この窒素雰囲気中の熱処理は、第1の熱電体15の合金
組成を均一化するためであり、熱電発電ユニットの出力
を向上させるために行なう。
つぎに第16図に示すように、ポリイミド樹脂からなる
熱硬化性樹脂16を、基板10の感光性樹脂12と第1の熱電
体15の上面に形成する。この熱硬化性樹脂16はスピンコ
ーティング法により形成する。
そして150℃以上の温度で加熱処理し、熱硬化性樹脂1
6であるポリイミド樹脂を硬化させる。
つぎに第17図に示すように、感光性樹脂12と第1の熱
電体15との上面に熱硬化性樹脂16を形成した熱電発電素
子全体を1%フッ酸溶液中に浸漬し、基板10の材料であ
るチタンを溶解除去する。
この基板10の溶解処理のとき、第1の熱電体15と感光
性樹脂12と熱硬化性樹脂16とは、フッ酸に不溶のためそ
のまま残り、第1の熱電構造体20を形成することができ
る。
以上の説明は第1の熱電体15を形成した第1の熱電構
造体20の製造方法であるが、さらに同様な工程を経るこ
とによって第1実施例において第5図に示したのと同じ
第2の熱電構造体21を形成することができる。
このとき上記と異なるのは、第2の熱電材料からなる
第2の熱電体17のメッキ処理工程である。この第2の熱
電材料からなる第2の熱電体17のメッキ処理工程を、つ
ぎに説明する。
第14図に図示はしないが第14図に示す工程が終了した
後、感光性樹脂12の開口部13の基板10′上にメッキ法に
より、第2の熱電材料からなる第2の熱電体17を形成す
る。
この第2の熱電体17には、p型半導体であるBiTeSb合
金を材料として用いる。
p型半導体である第2の熱電体17のメッキ電解液とし
ては、Bi(NO3)とTeO2とSeCl3とを含む硝酸溶液を用い
る。基板10′をカソードとして使用し、アノードにはPt
電極を用いて、アノードカソード電極間に1Vの電圧を印
加すると、BiTeSe合金を感光性樹脂12の開口部13内の基
板10′上に析出させることができる。
このメッキのときも、基板10′の裏面は高分子膜によ
り保護されているため、第2の熱電体17は感光性樹脂12
の開口部13内にのみ析出する。
この第2の熱電体17の膜厚は、感光性樹脂12であるド
ライフィルムと同じ膜厚の膜厚15μmになるよう反応電
荷量で制御する。
さらに、第2の熱電体17のメッキ電解液中のBiとTeと
Sbのイオン濃度を変えることにより合金の組成を変化さ
せ、第2の熱電体17が必要な出力電圧やあるいは抵抗値
を有するように制御する。
その後の裏面の高分子膜の溶解処理と、熱処理と、熱
硬化性樹脂16のコーティング処理と、基板10′の溶解処
理との工程とは、第14図から第17図を用いて説明した第
1の熱電構造体20の製造工程と同じ処理方法により、第
2の熱電構造体21を形成する。
その後、第18図に示すように、第1の熱電構造体20と
第2の熱電構造体21とを交互に積層し、エポキシ系の接
着剤を用いてこの両者を接着する。
そして、必要な長さに切断加工することにより、第1
の熱電構造体20と第2の熱電構造体21との間に熱硬化性
樹脂16を介在させた構造の熱電構造体を形成することが
できる。
この切断加工のとき、素子断面の表面粗さが大きく、
後の工程の配線形成に影響があるときは、さきの実施例
と同じように、ラッピング法などを用いて素子表面の研
磨加工をしてもよい。
つぎに、断面全面に金(Au)膜を真空蒸着法やスパッ
タリング法、あるいは無電解メッキ法により形成する。
その後、フォトリソグラフィー技術によって、金(A
u)膜をパターンニングして、第8図に示した第1実施
例と同様に配線電極25を形成する。
この配線電極25は、断面に隣同士に現れた第1の熱電
体15と第2の熱電体17とを接続し、熱電対30を形成す
る。
そして、すべての熱電対30を直列に接続することで、
熱電発電ユニットを得ることができる。
この第4の実施例による熱電発電ユニットの製造方法
においても、微小寸法の熱電発電ユニットを従来以上に
精度よく形成することができる。さらに、熱電発電素子
(熱電対)の形状やその組成の制御も容易である。
さらにこの第4実施例においては、本発明の第1実施
例から第3実施例と比較して、基板10′上に電極膜11で
あるチタン膜を形成していない。このことからこの第4
実施例における熱電発電ユニットの製造方法によれば、
さらに製造工程が簡素化されるという効果を有する。
〔第5実施例〕 つぎにこの第5実施例による熱電発電ユニットの製造
方法について第14図,第15図、第17図から第19図と第8
図を用いて説明する。
第5実施例においては、さきの第4実施例とおなじよ
うに、第14図,第15図に示すように基板10′にチタン板
を用い、感光性樹脂12のコーティング工程とパターン化
工程と、基板10′の裏面への高分子膜のコーティング工
程と、第1の熱電体15あるいは第2の熱電体17を形成す
る工程と、裏面の高分子膜の剥離工程と、熱処理工程ま
では第4実施例と同じである。
つづく工程は、第4実施例と異なり熱硬化性樹脂16の
代わりに、第19図に示すように熱絶縁性板18を基板10′
の感光性樹脂12と第1の熱電体15上に形成する。この熱
絶縁性板18としては厚さ100μmのガラス板を用い、そ
して接着手段により感光性樹脂12と第1の熱電体15との
上面に接合する。
そして、第17図に示すように基板10′の材料のチタン
を1%フッ酸溶液を用いて溶解除去し、第1の熱電構造
体20を形成する。さらに同じような処理工程を行い第2
の熱電構造体21を形成する。
その後、第18図に示すように第1の熱電構造体20と第
2の熱電構造体21とを熱絶縁性板18を介して積層するよ
うに接着して、切断し、熱電構造体を形成することがで
きる。
つぎに断面全面に金(Au)膜を、真空蒸着法やスパッ
タリング法、あるいは無電解メッキ法により形成する。
その後、フォトリソグラフィー技術により、金(Au)膜
をパターンニングして、第8図に示した第1実施例と同
様に配線電極25を形成し、熱電発電ユニットを得る。
この第5実施例による熱電発電ユニットの製造方法に
おいても、微小寸法の熱電発電ユニットを従来以上に精
度よく形成することができる。さらに、熱電発電素子
(熱電対)の形状やその組成の制御も容易である。
さらに第1の熱電構造体20と第2の熱電構造体21との
間に熱絶縁性板18を介在させていることから、この第5
実施例によれば、熱電発電ユニットの製造方法において
は、大型の基板への対応が可能になる。
〔第6実施例〕 つぎに、この発明の第6実施例による熱電発電ユニッ
トの製造工程について、第14図,第15図と第20図及び第
11図から第13図を用いて説明する。
この発明の第6の実施例による熱電発電ユニットの製
造方法においても、第14図から第16図に示したように基
板10′にチタン板を用い、感光性樹脂12のコーティング
工程とパターン化工程と、基板10′裏面への高分子膜の
コーティング工程と、第1の熱電体15あるいは第2の熱
電体17を形成する工程と、裏面の高分子膜の剥離工程
と、熱処理工程までは、前述の第4実施例と同じであ
る。
つぎに第20図に示すように、第1の熱電体15を形成し
た基板と、第2の熱電体17を形成した基板とを、熱絶縁
性板18を介して貼り合わせる。この熱絶縁性板18として
は厚さ100μmのガラス板を適用する。
第1の熱電体15を形成した基板10′と第2の熱電体17
を形成した基板10′との貼り合わせは、それぞれ第1の
熱電体15と第2の熱電体17とを形成した面側を熱絶縁性
板18側に向け、エポキシ系接着剤を用いて行う。
そして、この熱絶縁性板18を介して接合した第1の熱
電体15を形成した基板10′と第2の熱電体17を形成した
基板10′を、1%フッ酸溶液に浸漬して、基板10′の材
料であるチタンを溶解して、前述の第3実施例と同じく
第11図に示した複合熱電構造体23を形成する。
さらに、第12図に示したように複数の複合熱電構造体
23を、第1の熱電体15と第2の熱電体17とが対向するよ
うに積層し、エポキシ系接着剤を用いてそれぞれを接着
し、必要な長さに切断する。
この第12図には図示しないが、それぞれの複合熱電構
造体23の間は、接着に用いた絶縁性のエポキシ系接着剤
によって隔てられており、この時点で第1の熱電体15と
第2の熱電体17間での導通はとれていない。
このとき素子断面の表面粗さが大きく、後の工程の配
線の形成に影響があるときは、前述のようにラッピング
法によって素子表面の研磨加工をしてもよい。
つぎに第13図に示したように、素子断面の全面に金
(Au)膜を、真空蒸着法やスパッタリング法、あるいは
無電解メッキ法により形成する。そしてさらに、金(A
u)膜をフォトリソグラフィー技術によってパターンニ
ングして、配線電極25を形成する。
この配線電極25は、断面に隣同士に現れる第1の熱電
体15と第2の熱電体17を接続して、熱電対30を形成す
る。
そして、すべての熱電対30を直列に接続することによ
り、熱電発電ユニットを得ることができる。
この第6実施例による熱電発電ユニットの製造方法で
も、微小寸法の熱電発電ユニットを従来以上に精度よく
形成することができる。さらに、熱電発電素子(熱電
対)の形状やその組成の制御も容易である。
さらにこの第6実施例によれば、複合熱電構造体23間
に熱絶縁性板18を介在させている。このことから熱電発
電ユニットの硬度が増すとともに、第5実施例と比較し
て熱絶縁性板18は半分で済むため、積層する熱電発電素
子の厚さが薄くなり熱電発電ユニットをさらに微小化す
るのに適している。
〔第7実施例〕 つぎに、本発明の第7実施例による熱電発電ユニット
の製造工程について、第21図から第28図を用いて説明す
る。
第21図に示すように、基板10としては、おもて面をSi
O2膜などの絶縁膜(図示せず)で被覆した銅板を用い
る。
SiO2からなる絶縁膜は、この後の処理工程で形成する
2つの電極膜が基板10の銅によって短絡するのを防ぐ役
割を有する被膜である。
その後、基板10のおもて面の全面には電極膜としてチ
タン膜を形成する。この電極膜は、膜厚500nmで真空蒸
着法により形成する。
その後、電極膜であるチタン膜をフォトリソグラフィ
ー技術とエッチング技術とを用いて、電極膜の平面パタ
ーン形状が2つの互いに入り込みあう櫛歯状になるよう
にパターンニングして、第1の電極膜31と第2の電極膜
32を形成する。この第1の電極膜31と第2の電極膜32と
の平面パターン形状を第22図の平面図に示す。
つぎに、第1の電極膜31と第2の電極膜32とを形成し
た基板10の全面に感光性樹脂12を形成する。この感光性
樹脂12としては、厚さ50μmの感光性ドライフィルム
を、ロールコータを用いて形成する。
そして、フォトリソグラフィーの技術を用いて、第23
図に示すように、第1の電極膜31と第2の電極膜32とを
形成していない隙間領域に、ストライプ状にパターンニ
ングするような形状に感光性樹脂12を形成する。
第23図には図示していないが感光性樹脂12を形成した
後、基板10の裏面にはテフロン系の高分子膜をスピンコ
ーティング法を用いて、全面にコーティングしておく。
その後、第24図に示すように、感光性樹脂12の開口部
13内の第1の電極膜31上にメッキ法を用いて、まずはじ
めに第1の熱電材料からなる第1の熱電体15を形成す
る。
この第1の電極膜31上に形成する第1の熱電体15とし
ては、n型半導体であるBiTeSe合金を材料として用い
る。
n型半導体である第1の熱電体15のメッキ電解液とし
ては、Bi(NO3)とTeO2とSeO2とを含む硝酸溶液を用い
る。
第1の電極膜31をカソードとして使用し、アノードに
はPt電極を用いて、カソードアノード電極間に1Vの電圧
を印加すると、BiTeSe合金が感光性樹脂12の開口部13内
の第1の電極膜31上に析出する。
第1の熱電体15の膜厚は反応電荷量によりコントロー
ルし、感光性樹脂12とほぼ同じ膜圧の50μmになるよう
第1の熱電体15の膜厚を設定する。
さらにつぎに、感光性樹脂12の開口部内の第2の電極
膜32上に、メッキ法を用いて第2の熱電材料からなる第
2の熱電体17を形成する。
この第2の電極膜32上に形成する第2の熱電材料から
なる第2の熱電体17には、p型半導体であるBiTeSb合金
を材料として用いる。
p型半導体である第2の熱電体17のメッキ電解液とし
ては、Bi(NO3)とTeO2とSbCl3とを含む硝酸溶液を用い
る。
第2の電極膜32をカソードとして使用し、アノードに
はPt電極を用いて、カソードアノード電極間に1Vの電圧
を印加すると、BiTeSb合金が感光性樹脂12の開口部内の
第2の電極膜32上に析出する。
第2の電極膜32上に形成する第2の熱電体17の膜厚
は、感光性樹脂12であるドライフィルムと同じ膜厚50μ
mになるように、反応電荷量で制御する。
第1の熱電体15と第2の熱電体17との2回のメッキ処
理後、基板10の裏面の高分子膜をトルエンによって剥離
除去する。そして第1の熱電体15と第2の熱電体17と
を、温度350℃の窒素雰囲気中において1時間の熱処理
を行う。
つぎに第25図に示すように、第1の熱電体15と第2の
熱電体17と感光性樹脂12との上面に、ポリイミド樹脂か
らなる熱硬化性樹脂16を形成する。この熱硬化性樹脂16
は、スピンコーティング法により形成する。
そして温度150℃以上で加熱処理し、熱硬化性樹脂16
であるポリイミド樹脂を硬化させる。
つづいて、第1の熱電体15と第2の熱電体17と感光性
樹脂12との上面に熱硬化性樹脂16を形成した熱電構造体
を、硝酸溶液中に浸漬して、基板10の材料の銅をすべて
溶解する。その後、1%フッ酸溶液に浸漬して、絶縁膜
であるSiO2膜と、第1の電極膜31と第2の電極膜32であ
るチタン膜とを溶解除去する。
この溶解処理のとき、第1の熱電体15と、第2の熱電
体17と、感光性樹脂12と、熱硬化性樹脂16とは、硝酸と
フッ酸とに不溶のためそのまま残り、第26図に示すよう
な熱電構造体24を形成することができる。
つぎに、この熱電構造体24を複数積層し、エポキシ系
接着剤を用いてそれぞれ接着する。そして必要な長さに
切断加工することにより、第27図に示すように熱電構造
体24を複数積層した熱電構造体を得る。
このとき、素子断面の表面粗さが大きく後の工程の配
線形成に影響があるときは、前述のようにラッピング法
などを用いて素子表面の研磨加工をしてもよい。
その後、第28図に示すように、積層した熱電構造体の
断面の全面に金(Au)膜を、真空蒸着法やスパッタリン
グ法、あるいは無電解メッキ法により形成する。
その後、フォトリソグラフィ技術によって金(Au)膜
をパターンニングして、配線電極25を形成する。
この配線電極25は、熱電発電素子断面の隣同士に現れ
る第1の熱電体15と第2の熱電体17とを接続し、熱電対
30を形成する。
そして、すべての熱電対30を直列に接続することで、
熱電発電ユニットを形成することができる。
なお第28図においては、同一の熱電構造体24において
となり合った第1の熱電体15と第2の熱電体17とを接続
して熱電対30を形成しているが、隣り合った熱電構造体
24間において熱電対30を作ってもよい。
この第7の実施例における熱電発電ユニットの製造方
法においても、微小寸法の熱電発電ユニットを従来以上
に精度よく形成することができる。さらに、その熱電発
電素子(熱電対)の形状やその組成の制御も容易であ
る。
〔第8実施例〕 つぎに、本発明の第8の実施例による熱電発電ユニッ
トの製造工程について、第21図から第24図と第26図から
第29図を用いて説明する。
第8実施例においては、第7実施例で第21図から第24
図に示したように、基板10にSiO2からなる絶縁膜で被覆
した銅板を用い、電極膜であるチタンの形成と第1の電
極膜31と第2の電極膜32とのパターニング工程と、感光
性樹脂12のコーティング工程とそのパターニング工程
と、基板10の裏面への高分子膜のコーティング工程と、
第1の熱電体15と第2の熱電体17を形成する工程と、裏
面の高分子膜の剥離工程と、熱処理工程までは第7実施
例と同じである。
つづく処理工程は、第7の実施例と異なり、熱硬化性
樹脂16の代わりに、第29図に示すように熱絶縁性板18を
使用する。この熱絶縁性板18としては厚さ100μmのガ
ラス板をエポキシ系接着剤を用い、第1の熱電体15と第
2の熱電体17と感光性樹脂12との上面に接着する。
そして、基板10の材料の銅を硝酸で溶解し、さらに絶
縁膜であるSiO2膜と第1の電極膜31と第2の電極膜32と
を1%フッ酸溶液を用いて溶解除去し、第26図に示した
ような熱電構造体24(但し、熱硬化性樹脂16の代わりに
熱絶縁性板18を使用)を形成する。
この後、第27図,第28図に示したように複数の熱電構
造体24を積層して接着して切断し、断面に配線電極25を
形成することによって熱電発電ユニットを得る。
この第8の実施例による熱電発電素子の製造方法にお
いても、微小寸法の熱電発電ユニットを従来以上に精度
よく形成することができる。さらに、熱電発電素子(熱
電対)の形状やその組成の制御も容易である。
さらに、この第8の実施例の熱電発電素子の製造方法
によれば、熱電構造体24に間に熱絶縁性板18が介在して
いることから、大型の基板への対応が可能となる。
〔第9実施例〕 つぎに、この発明の第9実施例による熱電発電ユニッ
トの製造工程について、第21図から第24図と第30図乃至
第32図を用いて説明する。
この第9の実施例においては、第21図から第24図に示
したように、基板10に絶縁膜としてSiO2膜で被覆した銅
板を使用し、チタンからなる電極膜の形成と第1の電極
膜31と第2の電極膜32とのパターニング工程と、感光性
樹脂12のコーティング工程とパターン化工程と、基板10
の裏面への高分子膜のコーティング工程と、第1の熱電
体15と第2の熱電体17を形成する工程と、裏面の高分子
膜の剥離工程と、熱処理工程までは第7の実施例と同じ
である。
つぎに第30図に示すように、第1の熱電体15と第2の
熱電体17とを形成した2枚の基板を、熱絶縁性板18を間
に介在させて貼り合わせる。この熱絶縁性板18として
は、厚さ100μmのガラス板を用いる。
第1の熱電体15と第2の熱電体17とを形成した2枚の
基板の貼り合わせ処理は、第1の熱電体15と第2の熱電
体17とを形成した面側を熱絶縁性板18側に向けて配置
し、エポキシ系接着剤を用いて行う。
つぎに第31図に示すように、第1の熱電体15と第2の
熱電体17とを形成して、熱絶縁性板18を介在させて接合
した2枚の基板全体を硝酸溶液に浸漬して、基板10の材
料の銅を溶解除去し、その後1%フッ酸溶液に浸漬し
て、SiO2からなる絶縁膜と第1の電極膜31と第2の電極
膜32であるチタンを溶解し、複合熱電構造体26を形成す
る。
さらに第32図に示すように、複数の複合熱電構造体26
を積層し、エポキシ系接着剤を用いてそれぞれを接着し
て必要な長さに切断する。
この第32図に図示はしないが、それぞれの複合熱電構
造体26間は、接着に用いた絶縁性のエポキシ系接着剤に
よって隔てられており、この時点で第1の熱電体15と第
2の熱電体17と間の導通はない。
このとき素子断面の表面粗さが大きく、後の工程の配
線の形成に影響があるときは、前述のようにラッピング
法などを用いて素子表面の研磨をしてもよい。
つぎに第28図に示したように、素子断面の全面に金
(Au)膜を真空蒸着法やスパッタリング法、あるいは無
電解メッキ法により形成する。そしてさらに、金(Au)
膜をフォトリソグラフィー技術によってパターンニング
して、配線電極25を形成する。
配線電極25は、断面に隣同士に現れた第1の熱電体15
と第2の熱電体17を接続して熱電対30を形成する。
そして、すべての熱電対30を直列に接続することによ
り、熱電発電ユニットを得ることができる。
この第9の実施例における熱電発電素子の製造方法に
おいても、微小寸法の熱電発電ユニットを従来以上に精
度よく形成することができる。さらに、熱電発電素子形
状やその組成の制御も容易である。
また、複合熱電構造体26間に熱絶縁性板18が介在して
いる。このことから熱電発電ユニットの硬度が増すとと
もに、第8実施例と比較して熱絶縁性板18は半分で済む
ため、積層する熱電発電素子の厚さが薄くなり熱電発電
ユニットをさらに微小にするのに適している。
〔第10実施例〕 つぎに、この発明の第10実施例による熱電発電ユニッ
トの製造方法について、第21図乃至第25図と第33図及び
第34図を用いて説明する。
まず第21図に示したように、基板10のおもて面にSiO2
膜からなる絶縁膜によって被覆する銅板からなる基板10
を用いる。
このSiO2からなる絶縁膜は、この後の工程で形成する
2つの電極膜が基板10の銅によって短絡するのを防ぐ役
割をもつ被覆である。
その後、基板10のおもて面に第1の電極膜31と第2の
電極膜32をチタン膜で形成する。このチタン膜は、500n
mの膜厚で真空蒸着法によって形成する。
そしてこのチタン膜を、フォトリソグラフィ技術とエ
ッチング技術とを用いて、平面形状が2つの互いに入り
込みあう櫛歯状になるようパターンニングし、第1の電
極膜31と第2の電極膜32を形成する。
この第1の電極膜31と第2の電極膜32との平面パター
ン形状は、第22図の平面図に示したとうりである。この
第1の電極膜31と第2の電極膜32とは、お互いの間に隙
間を形成するような櫛歯状にパターン形成する。
つぎに、第1の電極膜31と第2の電極膜32とを形成し
た基板10全面に感光性樹脂12を形成する。この感光性樹
脂12としては、厚さ50μmの感光性ドライフィルムをロ
ールコータを用いて形成する。
そして、フォトリソグラフィー技術を用いて、第1の
電極膜31と第2の電極膜32との隙間領域に第23図に示す
ようにストライプ状の感光性樹脂12をパターン形成す
る。
第23図には図示していないが、感光性樹脂12を形成し
た後、基板10の裏面にはテフロン系の高分子膜をスピン
コーティング法を用いて、基板10の裏面全面にコーティ
ングしておく。
その後、第25図に示すように、感光性樹脂12の開口部
内の第1の電極膜31上にメッキ法を用いて、まずはじめ
に第1の熱電材料からなる第1の発電体15を形成する。
この第1の電極膜31上に形成する第1の熱電体15とし
ては、n型半導体であるBiTeSe合金を材料として用い
る。
n型半導体である第1の熱電体15を形成するメッキ電
解液としては、Bi(NO3)とTeO2とSeO2とを含む硝酸溶
液を用いる。そして第1の電極膜31をカソードとして使
用し、アノードにはPt電極を用いて、カソード・アノー
ド電極間に1Vの電圧を印加すると、BiTeSe合金を感光性
樹脂12の開口部内の第1の電極膜31上に析出する。
この第1の熱電体15の膜厚は、反応電荷量によりコン
トロールして、感光性樹脂12とほぼ同じ膜厚の50μmに
なるように、第1の熱電体15の膜厚を設定する。
さらにつぎに、第2の電極膜32上に、メッキ法を用い
て第2の熱電材料からなる第2の熱電体17を形成する。
この第2の熱電体17としては、p型半導体であるBiTe
Sb合金を材料として用いる。
p型半導体である第2の熱電体17を形成するメッキ電
解液としては、Bi(NO3)とTeO2とSbCl3とを含む硝酸溶
液を用いる。そして第2の電極膜32をカソードとして使
用し、アノードにはPt電極を用いてカソード・アノード
電極間に1Vの電圧を印加すると、BiTeSb合金を感光性樹
脂12の開口部内の第2の電極膜32上に析出する。
第2の電極膜32の膜厚は、感光性樹脂12と同じ膜厚の
50μmになるよう反応電荷量によって制御する。
第1の熱電体15と第2の熱電体17との2回のメッキ処
理後、基板10の裏面の高分子膜はトルエンによって剥離
除去する。そして第1の熱電体15と第2の熱電体17とを
温度350℃の窒素雰囲気中において1時間の熱処理を行
う。
つぎに第25図に示すように、ポリイミド樹脂からなる
熱硬化性樹脂16を、感光性樹脂12と第1の熱電体15と第
2の熱電体17との上面に、スピンコーティング法により
形成する。
そして温度150℃以上で加熱処理し、熱硬化性樹脂16
であるポリイミド樹脂を硬化させる。
つづいて、この熱電構造体全体を硝酸溶液中に浸漬
し、基板10の材料の銅をすべて溶解する。
この基板10の溶解処理のとき、第1の熱電体15と第2
の熱電体17と感光性樹脂12と熱硬化性樹脂16とは、硝酸
に不溶のためそのまま残る。
さらに、残存しているSiO2からなる絶縁膜とチタン膜
からなる第1の電極膜31と第2の電極膜32をフッ酸を用
いて溶解除去し、第33図に示すように第1の熱電体15と
第2の熱電体17のメッキ開始面33が現れるようにする。
さらに、そのメッキ開始面33に金(Au)膜を真空蒸着
法によって形成する。そして、フォトリソグラフィ処理
とエッチング処理により金(Au)膜をパターンニングす
ることによって、隣り合う第1の熱電体15と第2の熱電
体17とを交互に接続するよう、配線電極35を形成して熱
電対30′を構成する。以上の処理工程によって、多数の
熱電対30′を有する熱電構造体27を形成することができ
る。
その後、第34図に示すように、この熱電構造体27を複
数個積層して、エポキシ系接着剤を用いて接着する。
そしてすべての熱電対30′を直列に接続することによ
り、熱電発電ユニットを形成することができる。
この第10の実施例による熱電発電ユニットの製造方法
においても、微小寸法の熱電発電ユニットを従来以上に
精度よく形成することができる。さらに、熱電発電素子
(熱電対)の形状やその組成の制御も容易である。
〔第11実施例〕 つぎに、この発明の第11実施例による熱電発電ユニッ
トの製造工程について、第33図及び第34図等を用いて説
明する。
この発明の第11実施例においては、前述の第10実施例
と同様に、基板10にSiO2からなる絶縁膜で被覆した銅板
を用い、チタンからなる電極膜の形成と第1の電極膜31
と第2の電極膜32のパターンニング工程と、感光性樹脂
12のコーティング工程とパターンニング工程と、基板10
の裏面への高分子膜のコーティング工程と、第1の熱電
体15と第2の熱電体17とを形成する工程と、裏面の高分
子膜の剥離工程と、熱処理工程まではさきに説明した第
10の実施例と同じである。
つぎに工程は第10の実施例と異なる熱硬化性樹脂16の
代わりに、第29図に示したようにガラスからなる熱絶縁
性板18を用いる。そして熱絶縁性板18としては、厚さ10
0μmのものを使用し、第1の熱電体15と第2の熱電体1
7と感光性樹脂12との上面にエポキシ系接着剤を用いて
接着する。
その後、基板10の材料の銅を硝酸で溶解し、さらに絶
縁膜であるSiO2膜と第1の電極膜31と第2の電極膜32で
あるチタンを1%フッ酸溶液を用いて溶解除去する。そ
の後、第33図に示したのと同様にメッキ開始面33に金
(Au)を用いて配線電極35を形成し、熱電構造体27を形
成する。
その後、第34図に示したのと同様に複数の熱電構造体
27(但し、熱硬化性樹脂16に代えて熱絶縁性板18を使
用)を積層するように接着し、すべての熱電対を直列に
接続することで熱電発電ユニットを得る。
この第11実施例における熱電発電素子の製造方法にお
いては、微小寸法の熱電発電素子を従来以上に精度よく
形成することができる。さらに、熱電発電素子形状やそ
の組成の制御も容易である。
さらに複数の熱電構造体27の間に熱絶縁性板18が介在
していることから、大型の基板への対応が可能となる。
〔第12実施例〕 つぎに本発明の第12実施例による熱電発電ユニットの
製造工程について、第35図及び第36図等を用いて説明す
る。
この第12実施例においても、第21図から第25図に示し
たように、基板10に絶縁膜であるSiO2膜で被覆した銅板
を用い、チタンからなる電極膜の形成と第1の電極膜31
と第2の電極膜32のパターンニング工程と、感光性樹脂
12のコーティング工程とパターン化工程と、基板10の裏
面への高分子膜のコーティング工程と、第1の熱電体15
と第2の熱電体17とを形成する工程と、基板10の裏面の
高分子膜の剥離工程と、熱処理工程まではさきに説明し
た第10実施例と同じである。
つぎに第30図に示したように、第1の熱電体15と第2
の熱電体17を形成した2枚の基板を、熱絶縁性板18で挟
んで貼り合わせる。この熱絶縁性板18としては、厚さ10
0μmのガラス板を使用する。
熱絶縁性板18を介在させての第1の熱電体15と第2の
熱電体17との貼り合わせ工程は、第1の熱電体15と第2
の熱電体17とを形成した面側を熱絶縁性板18側に対向す
るように配置して、エポキシ系接着剤を用いて行う。
つぎに第35図に示すように、熱絶縁性板18を介して第
1の熱電体15と第2の熱電体17と貼り合わせた素子全体
を硝酸溶液に浸漬して、基板10の材料の銅を溶解除去
し、その後、1%フッ酸溶液に浸漬してSiO2からなる絶
縁膜とチタンからなる第1の電極膜31と第2の電極膜32
を溶解除去する。
さらに、その露出したメッキ開始面33に金(Au)膜を
真空蒸着法によって形成する。そして、フォトリソグラ
フィー処理とエッチング処理により金(Au)膜をパター
ンニングすることによって、隣り合う第1の熱電体15と
第2の熱電体17を交互に接続するように配線電極35を形
成し、熱電対30′を構成する。以上の処理工程によって
複合熱電構造体28を形成することができる。
つぎに第36図に示すように、複数の複合熱電構造体28
を積層し、エポキシ系接着剤を用いて各複合熱電構造体
28を接着する。
ここでは複合熱電構造体28の間は、接着に用いる絶縁
性のエポキシ系接着剤によって隔てられており、第1の
熱電体15と第2の熱電体17との間の導通はとれていな
い。
その後、前述の実施例と同様にして全ての熱電対30′
を直列に接続することにより、熱電発電ユニットを得る
ことができる。
この第12実施例における熱電発電素子の製造方法にお
いても、微小寸法の熱電発電ユニットを従来以上に精度
よく形成することができる。さらに、熱電発電素子形状
やその組成の制御も容易である。
さらに、複合熱電構造体28間に熱絶縁性板18を介在さ
ていることから、熱電発電ユニットの硬度が増すととも
に、第11実施例と比較してガラス板は半分で済むため、
積層する熱電対の厚さが薄くなり、熱電発電ユニットを
さらに微小化にするのに適している。
なお、以上の第1から第12実施例において、基板10の
材料としては銅板あるいはチタン板を用いているが、銅
板やチタン板の代わりに熱電材料やドライフィルム、あ
るいはポリイミドを侵さないエッチングにより溶解でき
る材料を用いてもよい。
基板10の材料としては、金属材料であれば、鉄板やニ
ッケル板、亜鉛板、アルミニウム板、真鍮板等も材料と
して適用可能であり、さらにはガラス板やアルミナなど
のセラミックも基板10として使用可能である。
さらに、基板10上に形成する電極膜11及び第1の電極
膜31,第2の電極膜32としてチタン膜を適用する実施例
で説明した。しかしながら、電極膜11と第1の電極膜31
と第2の電極膜32として適用するチタン膜は、メッキ液
に溶解しない材料であれば、他の金属膜材料に変えるこ
とも可能である。ここで金(Au)膜や、白金膜、Pd膜、
Ta膜などは、チタン膜の代替として適用可能である。
さらに、以上の第1から第12実施例において配線電極
25としては、金(Au)膜を使用する実施例で説明した。
しかしながら、配線電極25としては、金(Au)膜だけ
でなく、他の金属膜材料であるCu膜や、Al膜、Ni膜、Fe
膜等も適用可能である。
さらに、その配線電極25の形成方法としては、被膜形
成とフォトリソグラフィー処理とエッチング処理とによ
りパターンニングする実施例で説明したが、電極形成が
必要な部分以外を所定のマスク材によって覆い、全面に
金属膜材料を蒸着法により形成した後、金属マスクを取
り除くことで電極パターンを形成するいわゆるマスク蒸
着法も用いることができる。
またさらに配線電極25の形成方法としては、印刷法
や、あるいは別の板状材料の表面に電極をパターンニン
グしたものを貼り付ける形成方法なども用いることがで
きる。
さらにまた、第1の熱電体15と第2の熱電体17の材料
をメッキ処理するときの感光性樹脂12として感光性のド
ライフィルムを用いているが、このドライフィルム以外
に感光性ポリイミドも感光性樹脂として用いることがで
きる。
さらに第1の熱電体15と第2の熱電体17との厚さ寸法
が10μm程度でよければ、ゴム系フォトレジストあるい
は珪皮酸系のフォトレジストなども、熱電材料をメッキ
処理するときの感光性樹脂として使用可能である。
さらに、熱硬化性樹脂16として、ポリイミドを使用す
る実施例で説明したが、ポリイミドのほかにエポキシ系
接着剤やアクリル樹脂なども、熱硬化性樹脂として用い
ることができる。
この熱硬化性樹脂16の形成方法としてはスピンコーテ
ィング法だけでなく、スプレーコーティング法やロール
コーティング法、あるいはフィルムを貼るなどの工程に
よって形成することも可能である。
またさらに、熱絶縁性板18としてはガラス板を用いて
いるが、セラミックスの板あるいは硬質プラスチックの
板など熱伝導性が悪く変形がしにくい薄板であれば、熱
絶縁性板18として適用可能である。
さらに熱電材料には、n型半導体にBiTeSe合金を用
い、p型半導体にはBiTeSb合金を用いているが、それぞ
れSeあるいはSbを混合しなくともBiとTeの濃度比の違い
によりn型半導体とp型半導体を作ることも可能であ
る。
またメッキにより形成可能な材料であれば、第1の熱
電体15と第2の熱電体17としては、上記以外の物質を用
いた熱電材料も使用可能である。
〔第13実施例〕 つぎに、この発明の第13実施例による熱電発電ユニッ
トの製造工程について第37図〜第45図を用いて説明す
る。
まずはじめに、第37図に示すように基板10には銅板を
用い、チタン(Ti)を膜厚500nmで真空蒸着法により基
板10上の全面に形成し、電極膜11を形成する。
このチタン膜からなる電極膜11は、後述する工程でメ
ッキ液に基板10である銅板が侵されないよう保護する役
目をもつ。
その後、電極膜10上に感光性樹脂12として、膜厚50μ
mの感光性ドライフィルムをロールコータを用いて2層
に形成し、合計の感光性樹脂12の膜厚が100μmとなる
ように形成する。
その後、ドライフィルムからなる感光性樹脂12を、フ
ォトマスクを用いて光を照射し感光させ、未露光部のみ
を溶解除去するといういわゆる露光処理と現像処理であ
るフォトリソグラフィ技術を用いて、第1図のようにス
トライプ状にパターンニングして、第1のストライプ状
パターンを有する感光性樹脂12aを形成する。
第1のストライプ状パターンを有する感光性樹脂12a
は、電極膜11の表面上に開口部すなわちフォトリソグラ
フィ技術によって溶解処理する部分と、溶解処理してい
ない非開口部とを形成する。
ここでは第1のストライプ状パターンの形状は、第44
図に示すように感光性樹脂12aの開口部の幅Waが非開口
部の幅Wbより広くなるように、開口部の幅Waを150μm
で非開口部の幅Wbを50μmにして形成する。
ここで第37図に示したように、感光性樹脂12をパター
ンニングした後、基板10の裏面には第38図に示すよう
に、テフロン系の高分子膜19をスピンコーティング法を
用いて全面に形成しておく。
この基板10の裏面のテフロン系の高分子膜19は、後の
処理工程でメッキ膜が基板10裏面に形成されるのを防ぐ
ために形成する。
つぎにこの感光性樹脂12aの開口部13a内に、メッキ法
により第39図に示すように第1の熱電材料からなる第1
の熱電体15を形成する。
この第1の熱電体15としては、n型半導体であるBiTe
Se合金をその材料として用いる。
メッキ電解液としては、Bi(NO3)とTeO2とSeO2とを
含む硝酸溶液を用いる。電極膜11をカソードとし、アノ
ードには白金(Pt)電極を用いて両電極間に約1Vの電圧
を印加すると、BiTeSe合金からなる第1の熱電体15が感
光性樹脂12aの開口部13a内の電極膜11上に析出する。
このメッキ処理のとき、基板10の裏面は高分子膜19に
より保護している。このため、感光性樹脂12aの開口部1
3a内にだけ第1の熱電体15が析出する。
メッキ法においては、析出量は電解時の消費電流から
計算される電荷量で決まる。このため、電荷量の測定に
よって第1の熱電体15を所定の厚さに制御することは容
易である。
ここでは、第1の熱電体15の膜厚は、あらかじめパタ
ーンニングしてある感光性樹脂12aの半分の膜厚、つま
り膜厚50μmになるよう設定する。
また、電解液中のBiとTeとSeのイオン濃度を変えるこ
とにより、第1の熱電体15の合金の組成は変化させるこ
とができ、これらの条件設定によって必要な出力電圧や
抵抗値を有する材料を選択することができる。この結
果、第39図に示す第1の熱電構造体41を形成する。
さらに前述の第1の熱電構造体41の製造方法とほぼ同
じ処理工程を行うことによって、第40図に示す第2の熱
電構造体42を形成することができる。
以下に、第2の熱電構造体42の形成方法が、第1の熱
電構造体41の形成方法と異なる処理方法を中心に説明す
る。
第2の熱電構造体42の形成方法については、ストライ
プ状パターンを有する感光性樹脂や高分子膜の形成まで
は、第1の熱電構造体41の形成方法である第37図,第38
図及び第44図を用いて説明した処理工程と同一である。
第2の熱電構造体42を形成するときに用いる感光性樹
脂12bのパターンニング形状、すなわち第2のストライ
プ状パターンは、ここでは第1の熱電構造体41の形成方
法で用いた、第38図及び第44図に示した第1のストライ
プ状パターン12aと同一の開口部幅Waと、非開口部幅Wb
と、厚さとを有するように形成する。
このように感光性樹脂12bの第2のストライプ状パタ
ーンの寸法を第1のストライプ状パターンと同一寸法に
することにより、第1の熱電構造体41の形成と第2の熱
電構造体42の形成とに必要な要素を共通にすることがで
きる。その結果、熱電発電ユニットを製造する上での効
率をよくすることができる。
しかも感光性樹脂12bの第2のストライプ状パターン
を、感光性樹脂12aの第1のストライプ状パターンと同
一にすることによって、後述のように第1の熱電構造体
41と第2の熱電構造体42とが形状的に正しく嵌合するこ
とが可能になるので、以下の工程に支障を起こすことな
く熱電発電ユニットの製造効率を上げることができる。
第2の熱電構造体42の形成方法において、前述の第1
の熱電構造体41の形成方法と異なるのは、第2の熱電体
17の熱電材料のメッキの工程である。以下に、この第2
の熱電体17のメッキ処理工程を説明する。
第40図に示すように、第38図と同様の工程が終了した
後に、第2のストライプ状パターンを有する感光性樹脂
12bの開口部13bにメッキ法により第2の熱電材料からな
る第2の熱電体17を形成する。この第2の熱電体17の材
料にはp型半導体であるBiTeSb合金を材料として用い
る。
メッキ電解液としては、Bi(NO3)とTeO2とSbCl3とを
含む硝酸溶液を用いる。電極膜11をカソードとし、アノ
ードには白金(Pt)電極を用いて両電極間に約1Vの電圧
を印加するとBiTeSb合金からなる第2の熱電体17が感光
性樹脂12bの開口部13b内の電極膜11上に析出する。
このときも基板10の裏面は高分子膜19により保護され
ている。このため、第2の熱電体17は感光性樹脂12bの
開口部13b内にのみ析出する。そして、第2の熱電体17
の膜厚は感光性樹脂12bの半分の膜厚の膜厚50μmにな
るよう反応電荷量で制御する。
また、電解液中のBiとTeとSbのイオン濃度を変えるこ
とで、第2の熱電体17の合金の組成を変化させることが
でき、これらの条件設定によって必要な出力電圧あるい
は抵抗値を有するように制御する。
以上の処理工程によって、第2の熱電体17を基板10上
に形成した第2の熱電構造体42を形成することができ
る。
その後に第41図に示すように、第1の熱電構造体41と
第2の熱電構造体42とを1組づつ、お互いに感光性樹脂
12a,12bを形成した面が向かい合うように、エポキシ系
の接着剤からなる接着剤43を用いて接着する。
このとき第1の熱電構造体41上の感光性樹脂12aの非
開口部は、第2の熱電体17の上部の位置に嵌合するよう
に接着処理を行う。
この第41図に示すように接着することにより、第2の
熱電構造体42上の感光性樹脂12bの非開口部も第1の熱
電体15の上部の位置に嵌合する。この結果、第1の熱電
体15と第2の熱電体17との相対位置関係は一定の間隔以
内におさまる構造となり、後の熱電体の配線の工程が容
易になる。
また第41図から分かるとおりに、第1の熱電体15と第
2の熱電体17とは互いに接触することはないので、以下
の工程で配線を行うまでそれぞれの熱電体15,17は電気
的に絶縁した状態となっている。
このように第1の熱電構造体41と第2の熱電構造体42
とを接着した後、基板10の裏面の高分子膜19をトルエン
によって剥離除去する。そして、第1の熱電構造体41と
第2の熱電構造体42とを一体にした状態で、温度約350
℃の窒素雰囲気中において1時間熱処理する。
この窒素雰囲気中の熱処理は、第1の熱電体15と第2
の熱電体17の合金組成を均一化するためであり、熱電発
電素子の出力の向上につながる。
ここでの窒素雰囲気中の熱処理は高温であるが、第37
図に示した感光性樹脂12のパターンニング処理のとき
に、感光性樹脂12を充分な光量で感光処理しておけば、
パターンニング後の感光性樹脂12a,12bに生じる熱収縮
などの変形はわずかであり、実用上問題とならない。
このようにして第1の熱電構造体41と第2の熱電構造
体42とを一体化した状態の素子を、必要な寸法に切断す
る。
この切断処理後、素子断面の表面粗さが大きいような
ときや、接合材45の不足で接合部分に隙間が生じるなど
して、後の配線の工程に影響がある場合は、ラッピング
法などを用いてその表面を研磨してもよい。
とくに接合剤43の不足で接合部分に隙間が生じるとき
は、エポキシ樹脂などの絶縁樹脂を接合部の隙間に充填
した後で、ラッピング法で素子断面を研磨することは可
能である。
そして素子全体を硝酸溶液中に浸漬して基板10の銅を
すべて溶解した後、さらにフッ酸溶液を用いて電極膜11
であるチタンを溶解除去する。
この溶解処理のとき、第1の熱電体15と第2の熱電体
17と接合剤43と感光性樹脂12a,12bとは硝酸とフッ酸に
不溶のためそのまま残る。
つぎに、素子の断面全面に金(Au)膜を真空蒸着法や
スパッタリング法やあるいは無電解メッキ法により形成
する。そしてさらにこの金属をフォトリソグラフィー技
術によってパターンニングして、第42図に示す配線電極
45を形成することにより、合成熱電構造体44を得る。
この配線電極45は、断面に隣同士に形成する第1の熱
電体15と第2の熱電体17とを接続し、熱電対50を形成す
る。
ここでは前述のように、合成熱電構造体44内の熱電体
の配置は一定間隔になっているため、この配線電極45に
より誤配線することなく一括して熱電体の配線を行うこ
とが可能である。
つづいて第43図に示すように、複数個の合成熱電構造
体44において、一方の合成熱電構造体の第1の熱電体15
と他方の合成熱電構造体の第2の熱電体17(第41図参
照)とが、アクリル樹脂からなる平坦な板状の絶縁体15
を介して向かい合うように交互に積層して、エポキシ系
の接着剤で接着する。
この絶縁体51は、第1の熱電体15と第2の熱電体17
(第41図参照)とが電気的に接触しないように、さらに
熱電発電ユニット全体に機械的強度をあたえる役目をす
る。ここでは絶縁体51の厚さは50μmとする。
つぎに第45図に示すように、各合成熱電構造体44の断
面のそれぞれ一方の端に導電性接着剤を用いて素子端配
線52を形成する。この素子端配線52はワイヤボンディン
グ法により形成するワイヤーを用いてもよい。
この素子端配線52は合成熱電構造体44に含まれる熱電
体15,17の端同士を接続することですべての熱電対50を
直列に接続し、熱電発電ユニットを得ることができる。
ここで素子端配線52の配線は、上記の工程で熱電体の
配線に行った配線電極45の形成に必要な精度と比較して
大まかでよく、この素子端配線52の配線は容易に行うこ
とができる。
以上に説明した第13実施例の熱電発電ユニットの製造
方法において、フォトリソグラフィにより形成する感光
性樹脂12のドライフィルムは、ミクロンオーダの精度で
パターンニングが可能である。
そしてそのパターンニングした感光性樹脂12a,12bに
沿ってメッキ形成する第1の熱電体15と第2の熱電体17
も同様に、ミクロンオーダーの精度で形成することがで
きる。
これは、従来の機械加工法やスクリーン印刷で塗布す
る厚膜に比らべ非常に高精度である。さらにまた、メッ
キ法で形成する熱電体は厚さのコントロールと、組成の
コントロールとは容易であり、原材料を溶解するだけの
前処理は従来に比較して簡単である。
さらに、以上に説明した熱電発電素子の製造方法にお
いては、フォトリソグラフィ工程とメッキ工程と被膜形
成工程とエッチング工程とからなり、すべてバッチ処理
が可能である。このため、一度に複数の素子が形成可能
であるという利点も有する。
上記の方法で製造する熱電発電素子は、前述のように
それぞれの熱電体の幅が150μm、スペースが50μmと
なる。このとき、絶縁体15まで含めた厚さは150μmで
ある。
基板10の幅を1cmとし、重ね合わせた全体の厚さを7.5
cmとすると、基板10に形成することができる熱電対50の
数は2500対となる。
この熱電発電素子に2℃の温度差を与えると、出力と
して約2Vの開放電圧が得られ、腕時計に代表される携帯
用電子機器の駆動には充分な出力電圧である。
この熱電発電素子の徴さを2mmとすると、内部インピ
ーダンスは約13kΩとなり電子機器用としては充分対応
可能なオーダであることが分かる。
この実施例においても基板10の材料として銅板を用い
ているが、熱電材料やドライフィルムやポリイミドを侵
さないエッチングで溶解できるものであればほかの材料
を用いてもよい。
基板10の材料として金属材料であれば、鉄板や、ニッ
ケル板や、亜鉛板や、アルミニウム板や、チタン板や、
真鍮板などが考えられる。さらには、ガラス板や、アル
ミナなどのセラミックも基板10として使用可能である。
基板10上に形成したチタン膜からなる電極膜11も、メ
ッキ液に溶解しない材料であればチタン膜以外の他の金
属膜に変えることも可能である。
この電極膜11材料としては、金(Au)膜や、白金(P
t)膜や、パラジウム(Pd)膜や、タンタル(Ta)膜な
どがチタン膜の代替として有効である。
さらに配線電極45は、金(Au)膜だけでなく他の金属
膜を利用することもできる。
配線電極45の材料としては、銅(Cu)膜や、アルミニ
ウム(Al)膜や、ニッケル(Ni)膜や、鉄(Fe)膜など
は配線電極45として適用可能である。
またさらに、配線電極45の形成方法も、印刷法や、あ
るいは別途板状材料の表面に電極をパターン化したもの
をはり付ける方法なども用いることができる。
このうえさらに、素子端配線52の形成方法も、金属膜
を真空蒸着法やスパッタリング法や、印刷法あるいは別
途板状材料の表面に電極をパターン化したものをはり付
ける方法なども用いることができる。
また、本発明の実施例においては熱電材料をメッキす
る場合のフレーム材料には感光性のドライフィルムを用
いているが、そのほかに感光性ポリイミドなども用いる
ことができる。さらにメッキ膜の厚さが10μm程度でよ
ければ、ゴム系フォトレジストあるいは珪皮酸系のフォ
トレジストなども使用可能である。
さらに、絶縁体15としても、以上説明したアクリル樹
脂のほかに、電気的に絶縁で、なおかつ熱伝導度が低
く、熱電対に発生する温度差を維持しやすい材料であれ
ば使用することが可能である。絶縁体51としてはエポキ
シ樹脂も用いることができる。
この実施例では、熱電体の膜圧の設定を感光性樹脂の
膜厚の半分としたが、第1の熱電構造体41と第2の熱電
構造体42とのはめ合わせにずれが生じることなく行うこ
とが可能であれば、それぞれの熱電体の膜厚は感光性樹
脂の膜厚より薄い範囲で選択可能である。
産業上の利用可能性 この発明による熱電発電ユニットの製造方法によれ
ば、超小型で且つ充分な出力電圧が得らる熱電発電ユニ
ットを、容易に精度よく製造することができる。
したがって、腕時計のように極めて小さい携帯用電子
機器の電源として、熱電発電ユニットの広範な利用が可
能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−338636(JP,A) 特開 昭63−84171(JP,A) 特開 平2−30190(JP,A) 特開 平3−263882(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 35/32 H01L 35/34

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に金属材料からなる電極膜を形成す
    る工程と、該電極膜上に感光性樹脂を用いてストライプ
    状のパターンを形成する工程と、前記電極膜を用いて前
    記感光性樹脂の開口部に第1の熱電材料をメッキ法で形
    成することで規則的に配列した複数の第1の熱電体を同
    時に形成する工程と、前記感光性樹脂及び第1の熱電体
    上に熱硬化性樹脂をコーティングする工程と、前記基板
    と電極膜とを溶解して除去する工程とによって第1の熱
    電構造体を形成し、 前記基板とは別の基板上に金属材料からなる電極膜を形
    成する工程と、該電極膜上に感光性樹脂を用いてストラ
    イプ状のパターンを形成する工程と、前記電極膜を用い
    て前記感光性樹脂の開口部に第2の熱電材料をメッキ法
    で形成することで規則的に配列した複数の第2の熱電体
    を同時に形成する工程と、前記感光性樹脂及び第2の熱
    電体上に熱硬化性樹脂をコーティングする工程と、前記
    基板と電極膜とを溶解して除去する工程とによって第2
    の熱電構造体を形成し、 複数の前記第1の熱電構造体と第2の熱電構造体を交互
    に重ねて貼り合わせ、ストライプの長手方向の端面にお
    いて隣り合う前記第1の熱電体と第2の熱電体を配線電
    極により交互につなぎ合わせることにより、熱電発電素
    子として直列に接続した複数の熱電対を形成することを
    特徴とする熱電発電ユニットの製造方法。
  2. 【請求項2】基板上に金属材料からなる電極膜を形成す
    る工程と、該電極膜上に感光性樹脂を用いてストライプ
    状のパターンを形成する工程と、前記電極膜を用いて前
    記感光性樹脂の開口部に第1の熱電材料をメッキ法で形
    成することで規則的に配列した複数の第1の熱電体を同
    時に形成する工程と、前記感光性樹脂及び第1の熱電体
    上に熱絶縁性板を接着する工程と、前記基板と電極膜と
    を溶解して除去する工程とによって第1の熱電構造体を
    形成し、 前記基板とは別の基板上に金属材料からなる電極膜を形
    成する工程と、該電極膜上に感光性樹脂を用いてストラ
    イプ状のパターンを形成する工程と、前記電極膜を用い
    て前記感光性樹脂の開口部に第2の熱電材料をメッキ法
    で形成することで規則的に配列した複数の第2の熱電体
    を同時に形成する工程と、前記感光性樹脂及び第1の熱
    電体上に熱絶縁性板を接着する工程と、前記基板と電極
    膜とを溶解して除去する工程とによって第2の熱電構造
    体を形成し、 複数の前記第1の熱電構造体と第2の熱電構造体を交互
    に重ねて貼り合わせ、ストライプの長手方向の端面にお
    いて隣り合う前記第1の熱電体と第2の熱電体を配線電
    極により交互につなぎ合わせることにより、熱電発電素
    子として直列に接続した複数の熱電対を形成することを
    特徴とする熱電発電ユニットの製造方法。
  3. 【請求項3】基板上に金属材料からなる電極膜を形成す
    る工程と、該電極膜上に感光性樹脂を用いてストライプ
    状のパターンを形成する工程と、前記電極膜を用いて前
    記感光性樹脂の開口部に第1の熱電材料をメッキ法で形
    成するすることで規則的に配列した複数の第1の熱電体
    を同時に形成する工程と、 前記基板とは別の基板上に金属材料からなる電極膜を形
    成する工程と、該電極膜上に感光性樹脂を用いてストラ
    イプ状のパターンを形成する工程と、前記電極膜を用い
    て前記感光性樹脂の開口部に第2の熱電材料をメッキ法
    で形成することで規則的に配列した複数の第2の熱電体
    を同時に形成する工程と、 前記両基板の前記第1の熱電体を形成した面と前記第2
    の熱電体を形成した面とを熱絶縁性板を介在させて接着
    する工程と、 前記両基板と各電極板とを溶解して除去する工程とによ
    って複合熱電構造体を形成し、 複数の該複合熱電構造体を交互に重ねて貼り合わせ、ス
    トライプの長手方向の端面において隣り合う前記第1の
    熱電体と第2の熱電体を配線電極により交互につなぎ合
    わせることにより、熱電発電素子として直列に接続した
    複数の熱電対を形成することを特徴とする熱電発電ユニ
    ットの製造方法。
  4. 【請求項4】電気伝導性の基板上に感光性樹脂を用いて
    ストライプ状のパターンを形成する工程と、前記基板を
    電極として用いて前記感光性樹脂の開口部に第1の熱電
    材料をメッキ法で形成することで規則的に配列した複数
    の第1の熱電体を同時に形成する工程と、前記感光性樹
    脂及び第1の熱電体上に熱硬化性樹脂をコーティングす
    る工程と、前記基板を溶解して除去する工程とにより第
    1の熱電構造体を形成し、 前記基板とは別の電気伝導性の基板上に感光性樹脂を用
    いてストライプ状のパターンを形成する工程と、前記基
    板を電極として用いて前記感光性樹脂の開口部に第2の
    熱電材料をメッキ法で形成することで規則的に配列した
    複数の第2の熱電体を同時に形成する工程と、前記感光
    性樹脂及び第2の熱電体上に熱硬化性樹脂をコーティン
    グする工程と、前記基板を溶解して除去する工程とによ
    り第2の熱電構造体を形成し、 複数の前記第1の熱電構造体と第2の熱電構造体を交互
    に重ねて貼り合わせ、ストライプの長手方向の端面にお
    いて隣り合う第1の熱電体と第2の熱電体を配線電極に
    より交互につなぎ合わせることにより、熱電発電素子と
    して直列に接続した複数の熱電対を形成することを特徴
    とする熱電発電ユニットの製造方法。
  5. 【請求項5】電気伝導性の基板上に感光性樹脂を用いて
    ストライプ状のパターンを形成する工程と、前記基板を
    電極として用いて前記感光性樹脂の開口部に第1の熱電
    材料をメッキ法で形成することで規則的に配列した複数
    の第1の熱電体を同時に形成する工程と、前記感光性樹
    脂及び第1の熱電体上に熱絶縁性板を接着する工程と、
    前記基板を溶解して除去する工程とにより第1の熱電構
    造体を形成し、 前記基板とは別の電気伝導性の基板上に感光性樹脂を用
    いてストライプ状のパターンを形成する工程と、前記基
    板を電極として用いて前記感光性樹脂の開口部に第2の
    熱電材料をメッキ法で形成することで規則的に配列した
    複数の第2の熱電体を同時に形成する工程と、前記感光
    性樹脂及び第2の熱電体上に熱絶縁性板を接着する工程
    と、前記基板を溶解して除去する工程とにより第2の熱
    電構造体を形成し、 複数の前記第1の熱電構造体と第2の熱電構造体を交互
    に重ねて貼り合わせ、ストライプの長手方向の端面にお
    いて隣り合う前記第1の熱電体と第2の熱電体を配線電
    極により交互につなぎ合わせることにより、熱電発電素
    子として直列に接続した複数の熱電対を形成することを
    特徴とする熱電発電ユニットの製造方法。
  6. 【請求項6】電気伝導性の基板上に感光性樹脂を用いて
    ストライプ状のパターンを形成する工程と、前記基板を
    電極として用いて前記感光性樹脂の開口部に第1の熱電
    材料をメッキ法で形成することで規則的に配列した複数
    の第1の熱電体を同時に形成する工程と、 前記基板とは別の電気伝導性の基板上に感光性樹脂を用
    いてストライプ状のパターンを形成する工程と、前記基
    板を電極として用いて前記感光性樹脂の開口部に第2の
    熱電材料をメッキ法で形成することで規則的に配列した
    複数の第2の熱電体を同時に形成する工程と、 前記両基板の前記第1の熱電体を形成した面と前記第2
    の熱電体を形成した面とを熱絶縁性板を介在させて接着
    する工程と、 前記両基板を溶解して除去する工程とによって複合熱電
    構造体を形成し、 複数の該複合熱電構造体を重ね貼り合わせ、ストライプ
    の長手方向の端面において隣り合う前記第1の熱電体と
    第2の熱電体を配線電極により交互につなぎ合わせるこ
    とにより、熱電発電素子として直列に接続した複数の熱
    電対を形成することを特徴とする熱電発電ユニットの製
    造方法。
  7. 【請求項7】表面あるいは全体が絶縁性の基板上に金属
    膜を形成する工程と、 その形成した金属膜をエッチング法により互いに入り込
    み合う櫛歯状の第1の電極膜と第2の電極膜に加工する
    工程と、 感光性樹脂を用いて前記第1の電極膜と第2の電極膜の
    櫛歯の隙間部分にストライプ状のパターンを形成する工
    程と、 前記第1の電極膜を用いて前記感光性樹脂の開口部の該
    第1の電極膜上に第1の熱電材料をメッキ法で形成する
    ことで規則的に配列した複数の第1の熱電体を同時に形
    成する工程と、 前記第2の電極膜を用いて前記感光性樹脂の開口部の該
    第2の電極膜上に第2の熱電材料からなる第2の熱電体
    ををメッキ法で形成することで規則的に配列した複数の
    第2の熱電体を同時に形成する工程と、 前記感光性樹脂及び第1,第2の熱電体上に熱硬化性樹脂
    をコーティングする工程と、 前記基板と第1の電極膜と第2の電極膜を溶解して除去
    する工程とにより熱電構造体を形成し、 複数の該熱電構造体を重ねて貼り合わせ、ストライプの
    長手方向の端面において隣り合う第1の熱電体と第2の
    熱電体を配線電極により交互につなぎ合わせることによ
    り、熱電発電素子として直列に接続した複数の熱電対を
    形成することを特徴とする熱電発電ユニットの製造方
    法。
  8. 【請求項8】表面あるいは全体が絶縁性の基板上に金属
    膜を形成する工程と、 その形成した金属膜をエッチング法により互いに入り込
    み合う櫛歯状の第1の電極膜と第2の電極膜に加工する
    工程と、 感光性樹脂を用いて前記第1の電極膜と第2の電極膜の
    櫛歯の隙間部分にストライプ状のパターンを形成する工
    程と、 前記第1の電極膜を用いて前記感光性樹脂の開口部の該
    第1の電極膜上に第1の熱電材料をメッキ法で形成する
    ことで規則的に配列した複数の第1の熱電体を同時に形
    成する工程と、 前記第2の電極膜を用いて前記感光性樹脂の開口部の該
    第2の電極膜上に第2の熱電材料をメッキ法で形成する
    ことで規則的に配列した複数の第2の熱電体を同時に形
    成する工程と、 前記感光性樹脂及び第1,第2の熱電体上に熱絶縁性板を
    接着する工程と、 前記基板と第1の電極膜と第2の電極膜を溶解して除去
    する工程とにより熱電構造体を形成し、 複数の該熱電構造体を重ねて貼り合わせ、ストライプの
    長手方向の端面において隣り合う第1の熱電体と第2の
    熱電体を配線電極により交互につなぎ合わせることによ
    り、熱電発電素子として直列に接続した複数の熱電対を
    形成することを特徴とする熱電発電ユニットの製造方
    法。
  9. 【請求項9】表面あるいは全体が絶縁性の基板上に金属
    膜を形成する工程と、 その形成した金属膜をエッチング法により互いに入り込
    み合う櫛歯状の第1の電極膜と第2の電極膜に加工する
    工程と、 感光性樹脂を用いて前記第1の電極膜と第2の電極膜の
    櫛歯の隙間部分にストライプ状のパターンを形成する工
    程と、 前記第1の電極膜を用いて前記感光性樹脂の開口部の該
    第1の電極膜上に第1の熱電材料をメッキ法で形成する
    ことで規則的に配列した複数の第1の熱電体を同時に形
    成する工程と、 前記第2の電極膜を用いて前記感光性樹脂の開口部の該
    第2の電極膜上に第2の熱電材料をメッキ法で形成する
    ことで規則的に配列した複数の第2の熱電体を同時に形
    成する工程と、 それぞれ前記各工程により第1の熱電体と第2の熱電体
    とが形成された2枚の基板を熱絶縁性板を介在させて接
    着する工程と、 前記各基板と第1の電極膜と第2の電極膜を溶解して除
    去する工程とにより複合熱電構造体を形成し、 複数の該複合熱電構造体を重ねて貼り合わせ、ストライ
    プの長手方向の端面において隣り合う第1の熱電体と第
    2の熱電体を配線電極により交互につなぎ合わせること
    により、熱電発電素子として直列に接続した複数の熱電
    対を形成することを特徴とする熱電発電ユニットの製造
    方法。
  10. 【請求項10】表面あるいは全体が絶縁性の基板上に金
    属膜を形成する工程と、 その形成した金属膜をエッチング法により互いに入り込
    み合う櫛歯状の第1の電極膜と第2の電極膜に加工する
    工程と、 感光性樹脂を用いて前記第1の電極膜と第2の電極膜の
    櫛歯の隙間部分にストライプ状のパターンを形成する工
    程と、 前記第1の電極膜を用いて前記感光性樹脂の開口部の該
    第1の電極膜上に第1の熱電材料をメッキ法で形成する
    ことで規則的に配列した複数の第1の熱電体を同時に形
    成する工程と、 前記第2の電極膜を用いて前記感光性樹脂の開口部の該
    第2の電極膜上に第2の熱電材料をメッキ法で形成する
    ことで規則的に配列した複数の第2の熱電体を同時に形
    成する工程と、 前記感光性樹脂及び第1,第2の熱電体上に熱硬化性樹脂
    をコーティングする工程と、 前記基板と第1の電極膜と第2の電極膜とを溶解して除
    去したのち、再度金属膜をメッキ開始面全面に形成する
    工程と、 その形成した金属膜をエッチング法を用いてパターン化
    することにより配線電極を形成し、その配線電極によっ
    て隣り合う前記第1の熱電体と第2の熱電体を交互に接
    続して、熱電発電素子として熱電対列を形成する工程と
    により熱電構造体を形成し、 複数の該熱電構造体を重ねて貼り合わせた後、隣り合う
    熱電対列の端部同士を接続して、各熱電対全てを直列に
    接続することを特徴とする熱電発電ユニットの製造方
    法。
  11. 【請求項11】表面あるいは全体が絶縁性の基板上に金
    属膜を形成する工程と、 その形成した金属膜をエッチング法により互いに入り込
    み合う櫛歯状の第1の電極膜と第2の電極膜に加工する
    工程と、 感光性樹脂を用いて前記第1の電極膜と第2の電極膜の
    櫛歯の隙間部分にストライプ状のパターンを形成する工
    程と、 前記第1の電極膜を用いて前記感光性樹脂の開口部の該
    第1の電極膜上に第1の熱電材料をメッキ法で形成する
    ことで規則的に配列した複数の第1の熱電体を同時に形
    成する工程と、 前記第2の電極膜を用いて前記感光性樹脂の開口部の該
    第2の電極膜上に第2の熱電材料をメッキ法で形成する
    ことで規則的に配列した複数の第2の熱電体を同時に形
    成する工程と、 前記感光性樹脂及び第1,第2の熱電体上に熱絶縁性板を
    接着する工程と、 前記基板と第1の電極膜と第2の電極膜とを溶解して除
    去したのち、再度金属膜をメッキ開始面全面に形成する
    工程と、 その形成した金属膜をエッチング法を用いてパターン化
    することにより配線電極を形成し、その配線電極によっ
    て隣り合う前記第1の熱電体と第2の熱電体を交互に接
    続して、熱電発電素子として熱電対列を形成する工程と
    により熱電構造体を形成し、 複数の該熱電構造体を重ねて貼り合わせた後、隣り合う
    熱電対列の端部同士を接続して、各熱電対全てを直列に
    接続することを特徴とする熱電発電ユニットの製造方
    法。
  12. 【請求項12】表面あるいは全体が絶縁性の基板上に金
    属膜を形成する工程と、 その形成した金属膜をエッチング法により互いに入り込
    み合う櫛歯状の第1の電極膜と第2の電極膜に加工する
    工程と、 感光性樹脂を用いて前記第1の電極膜と第2の電極膜の
    櫛歯の隙間部分にストライプ状のパターンを形成する工
    程と、 前記第1の電極膜を用いて前記感光性樹脂の開口部の該
    第1の電極膜上に第1の熱電材料をメッキ法で形成する
    ことで規則的に配列した複数の第1の熱電体を同時に形
    成する工程と、 前記第2の電極膜を用いて前記感光性樹脂の開口部の該
    第2の電極膜上に第2の熱電材料をメッキ法で形成する
    ことで規則的に配列した複数の第2の熱電体を同時に形
    成する工程と、 それぞれ前記各工程により第1の熱電体と第2の熱電体
    とが形成された2枚の基板を熱絶縁性板を介在させて接
    着する工程と、 前記基板と第1の電極膜と第2の電極膜とを溶解して除
    去したのち、再度金属膜をメッキ開始面全面に形成する
    工程と、 その形成した金属膜をエッチング法を用いてパターン化
    することにより配線電極を形成し、その配線電極によっ
    て隣り合う前記第1の熱電体と第2の熱電体を交互に接
    続して、熱電発電素子として熱電対列を形成する工程と
    により熱電構造体を形成し、 複数の該熱電構造体を重ねて貼り合わせた後、隣り合う
    熱電対列の端部同士を接続して、各熱電対全てを直列に
    接続することを特徴とする熱電発電ユニットの製造方
    法。
  13. 【請求項13】基板上に金属材料からなる電極膜を形成
    する工程と、第1のストライプ状パターンを有する感光
    性樹脂を前記電極膜上に形成する工程と、前記電極膜を
    用いて前記感光性樹脂の開口部に第1の熱電材料をメッ
    キ法により前記感光性樹脂より薄く形成することで、規
    則的に配列した複数の第1の熱電体を同時に形成する工
    程とによって第1の熱電構造体を形成し、 前記基板とは別の基板上に金属材料からなる電極膜を形
    成する工程と、前記第1のストライプ状パターンの開口
    部の幅以下の非開口部と該第1のストライプ状パターン
    の非開口部の幅以上の開口部を有し、なおかつ前記第1
    のストライプ状パターンとピッチが同一である第2のス
    トライプ状パターンを有する感光性樹脂を前記電極膜上
    に形成する工程と、前記電極膜を用いて前記感光性樹脂
    の開口部に第2の熱電材料をメッキ法により前記感光性
    樹脂より薄く形成することで、規則的に配列した複数の
    第2の熱電体を同時に形成する工程とによって第2の熱
    電構造体を形成し、 前記第1の熱電構造体と第2の熱電構造体とを前記各感
    光性樹脂の一方の開口部と他方の非開口部とをはめ合わ
    せて接着したのち、 前記各基板と電極膜とを溶解させて除去する工程と、 ストライプの長手方向の端面において隣り合う第1の熱
    電体と第2の熱電体を配線電極で交互に配線して、熱電
    発電素子として熱電対列を形成する工程とにより合成熱
    電構造体を形成し、 複数の該合成熱電構造体を絶縁材を介して重ねて貼り合
    わせて、隣り合う合成熱電構造体の端の熱電体を素子端
    配線で配線することにより、各熱電対を全て直列に接続
    することを特徴とする熱電発電ユニットの製造方法。
  14. 【請求項14】電気伝導性の基板上に第1のストライプ
    状パターンを有する感光性樹脂を形成する工程と、前記
    感光性樹脂の開口部に第1の熱電材料をメッキ法により
    前記感光性樹脂より薄く形成することで、規則的に配列
    した複数の第1の熱電体を同時に形成する工程とによっ
    て第1の熱電構造体を形成し、 前記基板とは別の電気伝導性の基板上に、前記第1のス
    トライプ状パターンの開口部の幅以下の非開口部と該第
    1のストライプ状パターンの非開口部の幅以上の開口部
    を有し、なおかつ該第1のストライプ状パターンとピッ
    チが同一である第2のストライプ状パターンを有する感
    光性樹脂を形成する工程と、前記感光性樹脂の開口部に
    第2の熱電材料をメッキ法により前記感光性樹脂より薄
    く形成することで、規則的に配列した複数の第2の熱電
    体を同時に形成する工程とによって第2の熱電構造体を
    形成し、 前記第1の熱電構造体と第2の熱電構造体とを、前記感
    光性樹脂の一方の開口部と他方の非開口部とをはめ合わ
    せて接着したのち、 前記各基板を溶解除去する工程と、 ストライプの長手方向の端面において隣り合う前記第1
    の熱電体と第2の熱電体を配線電極で交互に配線して、
    熱電発電素子として熱電対列を形成する工程とにより合
    成熱電構造体を形成し、 複数の該合成熱電構造体を絶縁材を介して重ねて貼り合
    わせて、隣り合う合成熱電構造体の端の熱電体を素子端
    配線で配線することにより、各熱電対を全て直列に接続
    することを特徴とする熱電発電ユニットの製造方法。
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